JP5367195B2 - 蒸着装置、蒸着方法、及び有機el表示装置の製造方法 - Google Patents

蒸着装置、蒸着方法、及び有機el表示装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5367195B2
JP5367195B2 JP2013504707A JP2013504707A JP5367195B2 JP 5367195 B2 JP5367195 B2 JP 5367195B2 JP 2013504707 A JP2013504707 A JP 2013504707A JP 2013504707 A JP2013504707 A JP 2013504707A JP 5367195 B2 JP5367195 B2 JP 5367195B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vapor deposition
blocks
substrate
nozzle
injection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013504707A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2012124629A1 (ja
Inventor
通 園田
伸一 川戸
智 井上
智志 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2013504707A priority Critical patent/JP5367195B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5367195B2 publication Critical patent/JP5367195B2/ja
Publication of JPWO2012124629A1 publication Critical patent/JPWO2012124629A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/04Coating on selected surface areas, e.g. using masks
    • C23C14/042Coating on selected surface areas, e.g. using masks using masks
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/06Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the coating material
    • C23C14/12Organic material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
    • C23C14/24Vacuum evaporation
    • C23C14/243Crucibles for source material
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/10Apparatus or processes specially adapted to the manufacture of electroluminescent light sources
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • H10K71/40Thermal treatment, e.g. annealing in the presence of a solvent vapour

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は、蒸着装置、蒸着方法、及び有機EL表示装置の製造方法に関する。
近年、さまざまなフラットパネルディスプレイ(以下、FPDと称する)が開発されている。
特に、有機EL(Electro luminescence)表示装置は、各画素に配された発光層を自発光させることにより画像表示が可能であるため、低消費電力、高速応答性等の点から、優れたFPDとして高い注目を浴びている。
有機EL表示装置の各画素は、一般的に、赤(R)色光を発光する発光層が形成された赤色用副画素と、緑(G)色光を発光する発光層が形成された緑色用副画素と、青(B)色光を発光する発光層が形成された青色用副画素とから構成されている。各副画素に形成された発光層は、有機膜の積層構造を有しており、各副画素毎にパターンが形成される。
特許文献1、2に開示されているように、発光層を、各副画素毎に、混色させず塗り分ける方法としては、マスク(シャドウマスクと称される場合がある)を用いた蒸着法を挙げることができる。
特許文献1、2では、マスクと、基板とを順次相対移動させることで、各副画素毎に発光層をパターン形成している。
一般的に、蒸着源と、マスクとは離間して配されている。このため、基板には、マスクの開口部の法線方向から入射してきた蒸着粒子に加えて、上記開口部の斜め方向から入射してきた蒸着粒子も成膜される。
このように、開口部の斜め方向から入射してきた蒸着粒子が基板に成膜されることで、発光層の縁部分に、中心から端にかけて徐々に膜厚が薄くなるボヤケが形成される。このボヤケ部分の発生は、混色等の画像表示特性の劣化の原因となる。
そこで、上記のような問題を解決し得る新たな蒸着法(新規蒸着法と称する)が提案されている。これについて図17を用いて説明する。
図17は、新規蒸着法の蒸着装置の構成を表す斜視図である。
図17に示すように、密閉された真空チャンバー内に、Z軸方向に順に、蒸着源160、複数の制限板181、マスク170、及び基板110が、互いに離間して配されている。
基板110は、平行に配されたマスク170と一定間隔だけ離間した状態で、一定速度で、図17の矢印110aに示す方向に移動(走査)される。このように、基板110を移動させながら蒸着することで、マスク170を小型化することができ、マスク170の撓みを防止することができる。基板110が移動する方向はY方向である。
マスク170には、Y方向が長手方向となる開口部171が形成されている。マスク170には、複数の開口部171がX方向に順に並んで形成されている。マスク170のY方向の幅は、基板110のY方向の幅より短い。
制限板181は、YZ平面に平行な面が主面(最も面積が大きい面)となっている。すなわち、複数の制限板181のそれぞれは、基板110に対して垂直となるように配されている。そして、複数の制限板181のそれぞれは、互いに平行であり、X方向に順に並んで配されている。
蒸着源160は、X方向が長手方向となるように配されており、X方向に列を成す複数のノズル161が配されている。
各ノズル161から噴出された蒸着粒子191は、制限板181間を通り、マスク170に形成された開口部171を透過して、走査されている基板110に成膜される。このように、制限板181を設けることで、各ノズル161から噴出した蒸着粒子は、斜め方向への移動を制限することができる。すなわち、制限板181を設けることで、マスク170の開口部171に入射する蒸着粒子の入射角を制限することができるので、基板110に成膜される発光層のボヤケを抑制することができる。
日本国公開特許公報「特開平8‐227276号公報(1996年9月3日公開)」 日本国公開特許公報「特開2000‐188179号公報(2000年7月4日公開)」
しかし、図17に示す技術では、以下の課題が生じることを、本願の発明者等は見出した。
図17で示した蒸着装置は、ノズル161から射出された蒸着粒子191のX方向の移動は制限板181によって制限されている。
このため、図18の(a)(b)に示すように、ノズル161と制限板181とのX方向の相対位置が変わると、基板110に対する蒸着範囲も変わってくる。すなわち、ノズル161と、制限板181との相対位置の変化が少ないことが重要である。
図18の(a)は蒸着源160の加熱前の蒸着範囲を表す図であり、(b)は蒸着源160加熱後の蒸着範囲を表す図である。
しかし、蒸着している際には、蒸着装置のチャンバー内は高温に加熱されているため、熱により蒸着源160が伸びる。
図19は、加熱前後の蒸着源160の様子を表す図である。図19に示すように、蒸着源160が伸びることで、ノズル161の位置が変わってくる。加熱によるノズル161の位置のズレは、蒸着源160の端へ行くほど大きくなる。
図19に示すように、蒸着源160の加熱前の長さ:Lとする。そして、加熱による蒸着源160の伸び:ΔL、蒸着源160の線膨張係数:α、上昇温度ΔTとすると、ΔLは以下の式で表すことができる。
ΔL=α×L×ΔT
このように、Lが大きいほど、ノズル161のずれが大きくなることが分かる。
一方、制限板181は、蒸着源160とは離間して配されており、また、形状も蒸着源160とは大きく異なるので、加熱前後で、ノズル161との相対位置が、場所によって大きく異なってくる。
また、使用される蒸着材料により、加熱温度がまちまちであり、さらに、加熱によるノズル161と、制限板181との位置のズレ量が微小なので、予め、加熱時のズレ量を補正しておくことは困難である。
しかし、この加熱時のノズル161と、制限板181との位置ズレは微少であっても、このまま蒸着を行うと、基板110に対する蒸着範囲が場所によって変わってくることとなる。このため、成膜されるパターンの位置や形状が異なり、混色等の画像表示特性の劣化の原因となる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、高精細な蒸着膜パターンを形成することである。
上記の課題を解決するために、本発明の蒸着装置は、蒸着処理により、被成膜基板に所定パターンの蒸着膜を成膜する蒸着装置であって、蒸着処理の際、上記被成膜基板に向けて上記蒸着膜となる蒸着粒子を射出する複数の射出口が形成された射出部と、上記射出部と、上記被成膜基板との間に配され、上記複数の射出口から射出された蒸着粒子の、上記被成膜基板に対する入射角を制限するための複数の制限板とを備え、上記射出部は、上記被成膜基板が配される側の面に開口部を有する容器形状の射出部本体と、上記開口部を覆い、互いに離間し、上記複数の射出口がそれぞれに形成されている複数のブロックとを備えていることを特徴としている。
上記構成によると、上記射出部と、上記被成膜基板との間に配されている上記複数の制限板により、上記射出口から射出された蒸着粒子の、上記被成膜基板に対する入射角を、一定範囲内に制限することができる。これにより、上記被成膜基板に対する斜め方向からの蒸着粒子の飛来を防止することができる。このため、上記被成膜基板に成膜された所定の蒸着パターンの側部への不要な蒸着膜の付着を防止することができ、高精細な蒸着膜パターンを形成することができる。
さらに、上記構成によると、上記複数の射出口は、上記射出部本体の開口部を覆う、当該射出部本体とは別の構成である複数のブロックのそれぞれに形成されており、当該複数のそれぞれのブロックは互いに離間している。
これにより、蒸着処理の際に加熱されると、複数のブロックのそれぞれは独立して伸びるので、一つの長尺ブロックが射出部本体と一体形成されている場合と比べて、加熱前後での上記複数の射出口の位置ずれを少なくすることができる。
このため、加熱されたときの上記複数の制限板のそれぞれと、上記複数の射出口のそれぞれとの相対な位置ずれの発生を抑制することができ、さらに高精細な蒸着膜パターンを被成膜基板に成膜することができる。
上記の課題を解決するために、本発明の蒸着方法は、蒸着処理により、被成膜基板に所定の蒸着膜パターンを成膜する蒸着方法であって、蒸着処理の際、上記蒸着膜パターンとなる蒸着粒子の、上記被成膜基板に対する入射角を制限するための複数の制限板間を通過させてから、上記被成膜基板に、上記蒸着粒子が到達するように、上記蒸着粒子を射出する工程を有し、上記蒸着粒子を射出する工程では、互いに離間する複数のブロックのそれぞれに形成されている複数の射出口から、上記蒸着粒子を射出することを特徴としている。
上記構成によると、上記被成膜基板に到達した蒸着粒子の、上記被成膜基板に対する入射角は、上記制限板により一定範囲に制限される。これにより、上記被成膜基板に対する斜め方向からの蒸着粒子の飛来を防止することができる。このため、上記被成膜基板に成膜された所定の蒸着パターンの側部への不要な蒸着膜の付着を防止することができ、高精細な蒸着膜パターンを形成することができる。
さらに、上記蒸着粒子を射出する工程では、互いに離間する複数のブロックのそれぞれに形成されている複数の射出口から、上記蒸着粒子を射出する。
これにより、蒸着処理の際に加熱されると、複数のブロックのそれぞれは独立して伸びるので、一つの長尺ブロックが一体形成されている場合と比べて、加熱前後での上記複数の射出口の位置ずれを少なくすることができる。
このため、加熱されたときの上記複数の制限板のそれぞれと、上記複数の射出口のそれぞれとの相対な位置ずれの発生を抑制することができ、さらに高精細な蒸着膜パターンを被成膜基板に成膜することができる。
本発明の蒸着装置は、蒸着処理により、被成膜基板に所定パターンの蒸着膜を成膜する蒸着装置であり、蒸着処理の際、上記被成膜基板に向けて上記蒸着膜となる蒸着粒子を射出する複数の射出口が形成された射出部と、上記射出部と、上記被成膜基板との間に配され、上記複数の射出口から射出された蒸着粒子の、上記被成膜基板に対する入射角を制限するための複数の制限板とを備え、上記射出部は、上記被成膜基板が配される側の面に開口部を有する容器形状の射出部本体と、上記開口部を覆い、互いに離間し、上記複数の射出口がそれぞれに形成されている複数のブロックとを備えている。
本発明の蒸着方法は、蒸着処理により、被成膜基板に所定の蒸着膜パターンを成膜する蒸着方法であり、蒸着処理の際、上記蒸着膜パターンとなる蒸着粒子の、上記被成膜基板に対する入射角を制限するための複数の制限板間を通過させてから、上記被成膜基板に、上記蒸着粒子が到達するように、上記蒸着粒子を射出する工程を有し、上記蒸着粒子を射出する工程では、互いに離間する複数のブロックのそれぞれに形成されている複数の射出口から、上記蒸着粒子を射出する。
これにより、高精細な蒸着膜パターンを成膜することができるという効果を奏する。
第1の実施形態の蒸着装置の構成を表す斜視図である。 第1の実施形態の蒸着装置の構成を表す断面図である。 有機EL表示装置の構成を表す断面図である。 有機EL表示装置の製造工程を順に表すフローチャートである。 (a)従来のノズルの構成を表す平面図であり、(b)は第1の実施の形態に係るノズルの構成を表す平面図である。 (a)は第1の実施の形態のノズルの構成を表す斜視図であり、(b)は(a)に示すノズルの断面図である。 (a)は加熱前の従来のノズルの構成を表す平面図であり、(b)は加熱後の従来のノズルの構成を表す平面図である。 (a)は加熱前の実施の形態1のノズルの構成を表す平面図であり、(b)は加熱後の実施の形態1のノズルの構成を表す平面図である。 (a)は射出口の位置ずれがない場合の蒸着範囲を説明する図であり、(b)は射出口の位置ずれが生じている場合の蒸着範囲を説明する図である。 射出口の位置ずれによる被成膜基板に対する蒸着膜パターン位置の変化を表す図である。 平面視で、平行四辺形状を有する複数のブロックを備えているノズルの構成を表す平面図である。 平面視で、複数のブロックを備えているノズルの構成を表す平面図であり、(a)はブロックが三角形状を有している平面図であり、(b)はブロックが台形状を有している平面図である。 突出部を有さないノズル本体と、複数のブロックとからなるノズルを表す斜視図である。 第2の実施の形態に係る蒸着源の構成を表す斜視図である。 (a)(b)は第2の実施形態に係るノズルの各ブロックを表し、(a)は加熱前の各ブロックを表す平面図であり、(b)は加熱後の各ブロックを表す平面図である。 (a)(b)は、第2の実施形態の蒸着源の変形例を表し、(a)は一つの蒸着材料供給源と複数に分割されたノズルとが接続された蒸着源の構成を表す図であり、(b)は複数の蒸着材料供給源のそれぞれと複数に分割されたノズルのそれぞれとが接続された蒸着源の構成を表す図である。 新規蒸着法における蒸着装置の構成を表す斜視図である。 (a)は図17の蒸着源の加熱前の蒸着範囲を表す図であり、(b)は図17の蒸着源の加熱後の蒸着範囲を表す図である。 図17の加熱前後の蒸着源の様子を表す図である。 (a)は制限板の支持体を表す斜視図であり、(b)は(a)のG‐G’線断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1〜図12の(a)(b)を用いて、本発明の第1の実施の形態について説明する。
まず、第1の実施形態に係る蒸着装置1を用いて製造された有機EL表示装置の構成及びその製造方法について説明してから、蒸着装置1の構成について説明する。
(有機EL表示装置の構成)
図3を用いて、蒸着装置1を用いて製造された有機EL表示装置3の構成について説明する。図3は、有機EL表示装置3の構成を表す断面図である。
有機EL表示装置3は、有機EL基板5と、接着層6と、封止基板7とを備えている。さらに、有機EL表示装置3は、表示する画像の制御用の画像制御部(不図示)を備えている。有機EL基板5と、封止基板7とは、接着層6を介して貼り合わされている。
有機EL基板5は、被成膜基板40と、発光層47と、第二電極48とを備えている。有機EL表示装置3では、一画素2は、赤色光を発光する副画素2Rと、緑色光を発光する副画素2Gと、青色光を発光する副画素2Bとからなる。そして、有機EL表示装置3の画像の表示領域には、画素2がマトリクス状に複数配されている。
発光層47は、副画素2Rに配され赤色光を発光する発光層47Rと、副画素2Gに配され緑色光を発光する発光層47Gと、副画素2Bに配され青色光を発光する発光層47Bとからなる。
後述するように、本実施の形態に係る蒸着装置1は、各発光層47R・47G・47Bそれぞれを、各副画素2R・2G・2Bのそれぞれに、順に塗り分け蒸着を行い形成するための蒸着装置として好適に用いることができるものである。
被成膜基板40は、支持基板41と、TFT42と、層間絶縁膜43と、第一電極44と、エッジカバー45と、正孔注入層兼正孔輸送層46とを備えている。
支持基板41は、一例としてガラスからなる。支持基板41には、互いに平行に配された複数のゲート線(不図示)と、互いに平行に配されゲート線と直交して交差する複数の信号線(不図示)とが配されている。表示装置3を平面視したとき、信号線と、ゲート線とにより区画されている領域が副画素2R・2G・2Bそれぞれである。
TFT42は、支持基板41の各副画素2R・2G・2Bにそれぞれ配されている。TFT42は、各副画素2R・2G・2Bの駆動を制御するためのスイッチング素子である。
層間絶縁膜43は、平坦化膜としても機能するものであり、TFT42を覆って、支持基板41の表示領域全面に配されている。
第一電極44は、本実施の形態では、陽極として機能するものである。第一電極44は、層間絶縁膜43上に配されている。第一電極44は、副画素2R・2G・2B内に配されており、層間絶縁膜43に設けられたコンタクトホールを介してTFT42と接続されている。
エッジカバー45は、第一電極44の端部と、後述する第二電極48とが短絡することを防止するための絶縁層である。エッジカバー45は、層間絶縁膜43上であり、第一電極44の端部を覆うように形成されている。
正孔注入層兼正孔輸送層46は、正孔注入層としての機能と、正孔輸送層としての機能とを併せ持つものである。正孔注入層は、第一電極44から発光層47R・47G・47Bへの正孔注入効率を高める機能を有する層である。正孔輸送層は、発光層47R・47G・47Bへの正孔輸送効率を高める機能を有する層である。
正孔注入層兼正孔輸送層46は、第一電極44及びエッジカバー45を覆うように、表示領域の全面に均一に形成されている。
なお、正孔注入層兼正孔輸送層46は、上記のように同一の層ではなく、正孔注入層と、正孔輸送層とが別々の層として形成されてもよい。
このようにして、被成膜基板40は構成されている。そして、有機EL基板5は、被成膜基板40と、蒸着装置1により形成された発光層47と、第二電極48とを備えている。
発光層47は、第一電極44側から注入されたホール(正孔)と、第二電極48側から注入された電子とを再結合させて発光する機能を有する層である。発光層47は、蒸着装置1によってパターニングされる蒸着膜パターンである。発光層47は、正孔注入層兼正孔輸送層46上であり、エッジカバー45間の各副画素2R・2G・2Bの開口部に形成されている。
発光層47は、上述したように、3色の色の光を発光する発光層47R・47G・47Bからなる。発光層47Rは各副画素2Rにストライプ状に形成されている。発光層47Gは各副画素2Gにストライプ状に形成されている。発光層47Bは各副画素2Bにストライプ状に形成されている。
発光層47R・47G・47Bは、それぞれ、低分子蛍光色素や金属錯体など発光効率が高い材料が好ましい。
また、発光層47R・47G・47B及び正孔注入層兼正孔輸送層46上に、図示しない電子輸送層及び電子注入層が、この順に積層される。電子輸送層及び電子注入層は、表示領域の全面に均一に形成される。
電子輸送層は、第二電極48から発光層47R・47G・47Bへの電子輸送効率を高める機能を有する層である。また、電子注入層は第二電極48から電子輸送層への電子注入効率を高める機能を有する層である。なお、電子輸送層及び電子注入層は、別の層ではなく一体化された単一の層として形成されてもよい。
第二電極48は、発光層47に電子を注入する機能を有する層である。第二電極48は、電子輸送層上であり、表示領域の全面に均一に形成されている。第二電極48は、本実施の形態では陰極として機能する。
以降の説明では、上述した、第一電極44、正孔注入層兼正孔輸送層46、発光層47、電子輸送層、電子注入層、及び第二電極48を有機EL素子と称する場合がある。
なお、第一電極44を陰極とし、第二電極48を陽極として機能させてもよい。この場合、第一電極44から第二電極48までの各層の積層順は、上述した順番と逆となる。
このようにして有機EL基板5は構成されている。
この有機EL基板5は、接着層6を介して封止基板7と貼り合わされることで、有機EL表示パネルが形成されている。すなわち、有機EL素子は、支持基板41、接着層6及び封止基板7によって封止されている。
そして、有機EL表示パネルが、図示しない上記画像制御部と接続されることで有機EL表示装置3が形成されている。
なお、有機EL素子のうち、第一電極44、第二電極48、及び発光層47以外の構成は適宜挿入すればよい。また、有機EL基板5には、一方の荷電キャリア(正孔あるいは電子)をせき止めるためのブロッキング層を追加してもよい。
(有機EL表示装置3の製造方法)
次に、図3、図4を用いて、有機EL表示装置3の製造方法について説明する。
図4は、有機EL表示装置3の製造工程を順に表すフローチャートである。
まず、被成膜基板40を製造する。
支持基板41上に、TFT42、層間絶縁膜43、及び第一電極44を形成する(工程S1)。支持基板41は、一例として、厚さが約1mm、縦横寸法が500×400mmの矩形形状のガラス板を用いることができる。なお、支持基板41はプラスチック基板を用いてもよい。
TFT42は、支持基板41上に、スパッタリング法等公知の方法によりパターン形成することができる。TFT42を支持基板41に形成する際、ゲート線や信号線も併せて形成する。
そして、TFT42、ゲート線、及び信号線を覆うように、支持基板41上に感光性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィによりパターニングを行うことで、層間絶縁膜43を形成する。
層間絶縁膜43の材料としては、一例としてアクリル樹脂やポリイミド樹脂等の絶縁性材料を用いることができる。層間絶縁膜43は一例として厚さ2μm程度で形成する。なお、層間絶縁膜43はTFT42による段差を平坦化することができればよく、特に厚さは限定されない。
次に、層間絶縁膜43に、第一電極44をTFT42と電気的に接続するためのコンタクトホールを形成する。
そして、層間絶縁膜43上に、第一電極44となる導電膜を、一例としてスパッタリング法により成膜する。そして、成膜した導電膜上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィによりフォトレジストのパターニングを行った後、エッチング及び洗浄により、第一電極44の形成領域以外の導電膜及び上記フォトレジストを除去する。これにより、第一電極44がパターン形成されると共に、第一電極44と、TFT42とがコンタクトホールを介して接続される。
第一電極44に用いられる導電膜材料としては、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide:インジウム亜鉛酸化物)、ガリウム添加酸化亜鉛(GZO)等の透明導電材料、金(Au)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)等の金属材料を用いることができる。
導電膜の積層方法としては、スパッタ法、真空蒸着法、CVD(chemical vapor deposition、化学蒸着)法、プラズマCVD法、印刷法等を用いることができる。また、導電膜のエッチング液としては、塩化第二鉄等を用いることができる。
一例として、第一電極44は、スパッタ法により、ITOを用いて、厚さ約100nmで形成する。
次に、所定パターンのエッジカバー45を形成する。エッジカバー45は、層間絶縁膜43と同様の絶縁材料を用いて、同様の方法でパターニングすることができる。一例として、エッジカバー45は、アクリル樹脂をフォトリソグラフィにより、厚さ約1μmで形成する。
以上により、支持基板41にTFT42を形成したTFT基板及び第一電極44を製造することができる(工程S1)。
次に、ステップS1で製造された基板に、正孔注入層兼正孔輸送層46を蒸着により形成する(工程S2、S3)。
まず、工程S1により製造された基板を、脱水のために減圧ベーク処理し、さらに第一電極44の表面洗浄のために酸素プラズマ処理を施す。
次に、上記基板上に、正孔注入層兼正孔輸送層46を、上記基板の表示領域の全面に蒸着法により形成する(S2、S3)。
具体的には、表示領域の全面が開口したオープンマスクを、上記基板に密着固定し、上記基板とオープンマスクとを共に回転させながら、オープンマスクの開口を通じて正孔注入層兼正孔輸送層46となる蒸着材料を上記基板の表示領域の全面に蒸着する。
なお、本実施の形態では、正孔注入層兼正孔輸送層46は一体化された層であるとして説明しているが、正孔注入層と、正孔輸送層とは別々の層として形成してもよい。
この場合、上記酸素プラズマ処理を施した上記基板に、上記と同様の蒸着法により、まず、正孔注入層を蒸着により成膜し(工程S2)、次に、正孔輸送層を同様の蒸着法により正孔注入層上に成膜する(工程S3)。一例として、正孔注入層と、正孔輸送層とのそれぞれの厚さは、10nm以上100nm以下程度である。
正孔注入層および正孔輸送層の材料としては、例えば、ベンジン、スチリルアミン、トリフェニルアミン、ポルフィリン、トリアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、ポリアリールアルカン、フェニレンジアミン、アリールアミン、オキザゾール、アントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、トリフェニレン、アザトリフェニレン、およびこれらの誘導体、ポリシラン系化合物、ビニルカルバゾール系化合物、チオフェン系化合物、アニリン系化合物等の、環式または鎖状式共役系のモノマー、オリゴマー、またはポリマー等を挙げることができる。
一例として、4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を使用して、厚さ30nmの正孔注入層兼正孔輸送層46を形成する。
このようにして被成膜基板40が形成される。
次に、被成膜基板40に、発光層47を形成する(工程S4)。この発光層47は、後述する蒸着装置1によりパターン形成がなされる。
発光層47は、正孔注入層兼正孔輸送層46上であり、エッジカバー45間の開口部分に形成される。発光層47Rは副画素2Rにストライプ状に形成され、発光層47Gは副画素2Gにストライプ状に形成され、発光層47Bは副画素2Bにストライプ状に形成される。
蒸着装置1により、発光層47R・47G・47Bのそれぞれを各色別に、所定領域を塗り分けるように蒸着する(塗り分け蒸着)。
発光層47R・47G・47Bを蒸着するための蒸着マスクは、各副画素2R・2G・2Bに対応した幅の開口部が形成されたファインマスクを用いる。
発光層47R・47G・47Bの材料としては、低分子蛍光色素、金属錯体等の発光効率が高い材料が用いられる。
一例として、アントラセン、ナフタレン、インデン、フェナントレン、ピレン、ナフタセン、トリフェニレン、アントラセン、ペリレン、ピセン、フルオランテン、アセフェナントリレン、ペンタフェン、ペンタセン、コロネン、ブタジエン、クマリン、アクリジン、スチルベン、およびこれらの誘導体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体、トリ(ジベンゾイルメチル)フェナントロリンユーロピウム錯体、ジトルイルビニルビフェニル等を挙げることができる。
一例として、発光層47R・47G・47Bのそれぞれの厚さは、10nm以上100nm以下で形成する。
なお、工程S4の詳細な説明は後述する。
次に、正孔注入層兼正孔輸送層46および発光層47を覆うように、被成膜基板40の表示領域の全面に電子輸送層を蒸着法により形成する(工程S5)。電子輸送層は、上述した正孔注入層兼正孔輸送層46の形成工程S2、S3と同様の方法により形成することができる。
次に、電子輸送層を覆うように、被成膜基板40の表示領域の全面に電子注入層を蒸着法により形成する(S6)。電子注入層は、上記した正孔注入層兼正孔輸送層46の形成工程S2、S3と同様の方法により形成することができる。
すなわち、電子輸送層及び電子注入層は、それぞれ、表示領域の全面が開口したオープンマスクを、被成膜基板40に密着固定し、被成膜基板40とオープンマスクとを共に回転させながら、オープンマスクの開口を通じて電子輸送層及び電子注入層となる蒸着材料を被成膜基板40の表示領域の全面に蒸着することで成膜される。
電子輸送層および電子注入層の材料としては、例えば、キノリン、ペリレン、フェナントロリン、ビススチリル、ピラジン、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、フルオレノン、およびこれらの誘導体や金属錯体、LiF(フッ化リチウム)等を用いることができる。
上述したように電子輸送層と電子注入層とは、一体化された単一層として形成してもよく、または独立した層として形成してもよい。各層の厚さは、一例として1nm以上100nm以下程度である。また、電子輸送層及び電子注入層の合計厚さは、一例として20nm以上200nm以下程度である。
一例として、Alq(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)を使用して厚さ30nmの電子輸送層を形成し、LiF(フッ化リチウム)を使用して厚さ1nmの電子注入層を形成する。
次に、電子注入層を覆うように、被成膜基板40の表示領域の全面に第二電極48を蒸着法により形成する(工程S7)。第二電極48は、上記した正孔注入層兼正孔輸送層46の形成工程S2、S3と同様の方法により形成することができる。
すなわち、第二電極48は、表示領域の全面が開口したオープンマスクを、被成膜基板40に密着固定し、被成膜基板40とオープンマスクとを共に回転させながら、オープンマスクの開口を通じて第二電極48となる蒸着材料を被成膜基板40の表示領域の全面に蒸着することで成膜される。
第二電極48の材料(電極材料)としては、仕事関数の小さい金属等が好適に用いられる。このような電極材料としては、一例として、マグネシウム合金(MgAg等)、アルミニウム合金(AlLi、AlCa、AlMg等)、金属カルシウム等を挙げることがでいる。第二電極48の厚さは、一例として50nm以上100nm以下である。一例として、アルミニウムを用いて厚さ50nmの第二電極48を形成することができる。
第二電極48上には、第二電極48を覆うように、外部から酸素や水分が有機EL素子内に浸入することを阻止するための保護膜を更に設けてもよい。保護膜の材料としては、絶縁性や導電性を有する材料を用いることができ、例えば窒化シリコンや酸化シリコンを挙げることができる。保護膜の厚さは、一例として100nm以上1000nm以下である。
以上により、被成膜基板40上に、発光層47、及び第二電極48が形成された有機EL基板5を形成することができる。
次いで、有機EL基板5と、封止基板7とを、接着層6を介して貼り合せることで、有機EL素子を封止する。この封止処理は、不活性ガス雰囲気下で行われる。
封止基板7としては、一例として厚さが0.4mm以上1.1mm以下のガラス基板あるいはプラスチック基板等の絶縁基板を用いることができる。
このようにして形成された有機EL表示パネルを、画像制御部等と接続することで有機EL表示装置3を形成することができる。
有機EL表示装置3では、上記画像制御部からゲート線及び信号線を介して送られてくる信号によりTFT42をON(オン)させると、第一電極44から発光層47へ正孔が注入される。一方、第二電極48から発光層47へ電子が注入される。正孔と電子とは発光層47内で再結合し、エネルギーを失活する際に所定の色の光を出射する。
各副画素2R・2G・2Bの発光輝度を制御することで、有機EL表示装置3の表示領域に所定の画像を表示することができる。
(蒸着装置の構成)
次に、図1、2を用いて、発光層47R・47G・47Bを塗り分け蒸着する蒸着装置として好適な蒸着装置1の構成について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る蒸着装置1の構成を表す斜視図である。図2は、蒸着装置の構成を表す断面図である。
蒸着装置1は、基板に蒸着膜をパターン形成するための蒸着装置である。蒸着装置1は、本実施の形態では、特に、有機EL表示装置3を構成する被成膜基板40の各副画素2R・2G・2B毎に、発光層47R・47G・47Bをパターン形成するために用いる蒸着装置であるものとして説明する。
なお、蒸着装置1は、必ずしも、有機EL表示装置の製造のための蒸着膜の形成だけではなく、制限板20と射出口16との相対位置を、複数の制限板20及び射出口16間で一致させて蒸着膜の形成を行う必要がある他の装置の製造にも用いることができる。
蒸着装置1は、蒸着源10と、複数の制限板20と、蒸着マスク30と、基板駆動機構(基板駆動部)9とを備えている。また、図示しないが、蒸着装置1は、蒸着処理を行う真空チャンバー(成膜チャンバー)と、真空チャンバー内を所定の気圧に減圧するための真空ポンプと、蒸着源10を加熱するヒータと、蒸着装置1の全体の駆動制御を行う制御部等を備えている。
蒸着源10と、複数の制限板20と、蒸着マスク30と、基板駆動機構9と、は真空チャンバー内に配されている。そして、蒸着処理を行う際、真空チャンバー内に被成膜基板40を配する。そして、被成膜基板40が真空チャンバー内に配された後、真空チャンバーは密閉され、所定の気圧に減圧される。
蒸着源10と、制限板20と、蒸着マスク30と、基板駆動機構9とは、真空チャンバー内の下方から上方にかけて、互いに離間して配されている。
蒸着源10と、制限板20と、蒸着マスク30とは、真空チャンバー内に固定して配されている。すなわち、蒸着処理の際、蒸着源10と、制限板20と、蒸着マスク30との相対位置は変化しない。また、蒸着源10及びノズル13を加熱した際、複数の制限板20間の相対位置のズレは、複数のノズル16の相対位置のズレより小さい。
基板駆動機構9は、蒸着処理の際、吸着するなどして被成膜基板40を保持し、保持した被成膜基板40を一方向に走査(移動)させるものである。図1では、基板駆動機構9が被成膜基板40を走査する方向(基板走査方向)を矢印Aであらわしている。被成膜基板40の走査方向をY方向(第1の方向)とする。
蒸着源10は、蒸着材料供給源(蒸着源るつぼ)11と、導入管12と、ノズル(射出部)13とを備えている。
ノズル13は、ノズル本体(射出部本体)14と、複数のブロック15とを備えている。
ブロック15には、蒸着処理の際、被成膜基板40に向けて蒸着膜となる蒸着粒子17を射出する複数の射出口16が形成されている。ブロック15の複数の射出口16は、被成膜基板40の走査方向と直交する方向に、一列に並んで配されている。この複数の射出口16が一列に並ぶ方向がX方向(第2の方向)である。
すなわち、複数のブロック15は、長手方向が互いに平行であり、X方向に一列に並んで配されている。このため、複数の射出口16を長い距離連続して、X方向に配することができる。これにより一度の被成膜基板40の走査で蒸着膜パターンを形成できる面積を増大させることができ、製造時間を短縮することができる。
本実施の形態では、蒸着材料供給源11と射出口16が形成されたノズル13とを全て含めた全体を蒸着源10と称する。
被成膜基板40は、蒸着処理がなされる際、基板駆動機構9によって、Y方向に走査(移動)される。すなわち、蒸着処理の際、被成膜基板40は、ノズル13、制限板20、及び蒸着マスク30と相対的に一方向に移動する。
蒸着材料供給源11の内部には、被成膜基板40に成膜するための蒸着材料が配されている。蒸着材料は、発光層47R・47G・47Bの何れかとなる材料である。
導入管12は、蒸着材料供給源11と、ノズル本体14とを接続する管である。導入管12の一方の端部はノズル本体14と接続されており、他方の端部は蒸着材料供給源11に接続されている。
蒸着材料供給源11は、蒸着処理時にヒータ(不図示)で加熱される。これにより、蒸着材料供給源11内の蒸着材料が蒸発し、導入管12を通って、蒸発した蒸着材料がノズル本体14へ誘導される。そして、ノズル本体14へ誘導された蒸着材料は、ブロック15に形成された射出口16から蒸着粒子17として射出され、蒸着マスク30の開口部31を通過して被成膜基板40へ蒸着される。
蒸着材料供給源11は、真空チャンバー外にあってもよい。例えば、真空チャンバーとは別に用意されたロードロックチャンバーに、蒸着材料供給源11が引き出されており、真空チャンバーへは蒸発した蒸着材料を導入する導入管が接続されている構成であってもよい。
ロードロックチャンバーは、真空チャンバー(成膜チャンバー)とは別に排気やベントが行えるため、真空チャンバーを大気開放することなく、材料補給が可能となる。また、真空チャンバーよりもロードロックチャンバーが小さければ、所望の減圧状態に達するまでの時間も短縮することができる。
ノズル13は複数に分割されたブロック15を有しており、それぞれのブロック15全てに、蒸着材料供給源11から蒸着材料が供給されるようになっている。
本実施の形態では、ノズル13は、X方向に一次元配列された、すなわち、直線状に射出口16が並んで配されているブロック15を複数備えているものとして説明する。しかしこれに限らず、ノズル13は、X方向に加えY方向に二次元配列された、すなわち面状に射出口16が並んで配されているブロック15を複数備えていてもよい。
このような面状に射出口16が配されているノズル13を備えている蒸着源10を面型蒸着源と称する。
このような面型蒸着源の場合、被成膜基板40をY方向に走査してもよいが、必ずしも被成膜基板40を走査する必要はない。一度に被成膜基板40全面に蒸着できるのであれば、被成膜基板40を走査せずに固定していてもよい。
そして、例えば射出口16が二次元配列されたブロック15を3×3に配置(例えば、ルービックキューブの一面状)されたノズル13を用いても、後述する蒸着装置1と同様の効果を得ることができる。
なお、ノズル13の具体的な説明は後述する。
制限板20は、ノズル13と、蒸着マスク30との間に複数配されている。
制限板20は、蒸着流の広がる範囲を制限するものである。制限板20により、複数の射出口16から射出された蒸着粒子17の、蒸着マスク30の開口部31への入射角を制限することで、被成膜基板40に対する入射角を制限することができる。
制限板20の材料としては、高い加工精度で製作でき、かつ耐熱性が高い素材を用いればよい。また、熱による寸法変化の少ないものが望ましい。例えば、アルミニウムやSUS304の金属等である。
図20の(a)は制限板20の支持体を表す斜視図であり、(b)は(a)のG‐G’線断面図である。
一例として、複数の制限板20のそれぞれは、支持体21によって真空チャンバー内に固定される構造であってもよい。
支持体21は複数の制限板20を挿入させる開口部21aを有している。支持体21は、真空チャンバー内に固定されている。
そして、複数の制限板20のそれぞれは、支持体21の開口部21aに、互いの主面が平行になるように、挿入されることで、複数の制限板20の位置が固定される。なお、別途、支持体21の位置を微調整するための機構を設けてもよい。この機構により支持体21の位置を微調整することで、制限板20と、ノズル13との相対位置の微調整を行うことも可能である。
制限板20は、制限板20に付着した蒸着粒子が再蒸着しないように、加熱された蒸着源10およびノズル13よりも温度が低くなるような構成となっている。すなわち、制限板20は、蒸着源10およびノズル13からある程度の距離を有し離間して配されているため、蒸着源10およびノズル13が加熱されても、当該蒸着源10およびノズル13よりも温度が低くなる。さらに、制限板20又は支持体21に、例えば、水冷等の冷却機構を配することで、制限板20の温度が、加熱された蒸着源10およびノズル13よりも低くなるような構成としてもよい。
一方、ノズル13は、蒸着粒子が付着し得ない温度まで加熱される。
このため、制限板20の温度はノズル13よりも低く、加熱による制限板20間の位置ズレは、ノズル13の射出口16間の位置ズレより小さいため、射出口16間の位置ズレと比べて問題とならない。
蒸着粒子17の蒸着マスク30の開口部31への入射角は、射出口16と、制限板20との相対位置によって決定される。
すなわち、射出口16と、制限板20との相対位置が変化すると、射出口16から射出された蒸着粒子17により、被成膜基板40に蒸着される蒸着膜の蒸着範囲も変化する。
このため、発光層47を高精細に被成膜基板40にパターニングするには、射出口16と、制限板20との相対位置の変化を抑制することが重要である。
複数の制限板20のそれぞれは、被成膜基板40と垂直に配されている。すなわち、制限板20の一番面積が大きい面を主面とした場合、主面はYZ平面に平行となっている。複数の制限板20のそれぞれは、互いに平行となるように、X方向に、順に、並んで配されている。
蒸着装置1を平面視したとき、複数の制限板20のそれぞれは、被成膜基板40の走査方向に平行であり、複数の射出口16間に配されている。
このように制限板20により、射出口16から射出された蒸着粒子17の、被成膜基板40に対する入射角を、一定範囲内に制限することができる。
これにより、被成膜基板40に対する斜め方向からの蒸着粒子17の飛来を防止することができる。このため、被成膜基板40に成膜された所定の蒸着パターンの側部への不要な蒸着膜の付着を防止することができ、高精細な蒸着膜パターンを形成することができる。
なお、平面視したときの(又は図2に示すようにXZ平面に平行な断面における)制限板20間の射出口16の位置は、各射出口16でバラつきがなければよい。すなわち、平面視で(又は図2に示すようにXZ平面に平行な断面で)、各射出口16は、必ずしも制限板20間の中央になくてもよい。
例えば、射出口16の中心位置が制限板20の中心位置と一致していてもよい。すなわち、射出口16の真上(Z方向)に制限板20が存在していてもよい。
蒸着マスク30は、所望の位置・形状に貫通した穴である開口部31が形成されており、それを通過した蒸着粒子17のみが被成膜基板40に到達し、被成膜基板40に蒸着膜(発光層47)が形成される。蒸着マスク30には、貫通した孔である開口部31がストライプ状に形成されている。
開口部31は、被成膜基板40の走査方向と平行な方向が長手方向となっている。複数の開口部31は、被成膜基板40の走査方向との垂直方向、すなわち、X方向に、互いに平行となるように、順に、横並びに形成されている。
蒸着マスク30として、被成膜基板40の走査方向の長さより短い小型マスク(ファインマスク)を用いる。蒸着マスク30は、蒸着源10と一体化して形成されている。
このような小型マスクである蒸着マスク30の上方を、被成膜基板40を相対的に走査させながら蒸着膜を成膜することで、ストライプ状の蒸着膜を被成膜基板40にパターン形成することができる。
このように、蒸着マスク30に小型マスクを用い、被成膜基板40を、蒸着マスク30と相対的に走査して蒸着処理を行うことで、大型の被成膜基板40を蒸着する際でも、被成膜基板40よりサイズが小さい蒸着マスク30を用いることができる。このた、蒸着マスク30の撓み等を防止し、被成膜基板40と蒸着マスク30との距離を一定に保つことができるので、高精細なパターン形成を行うことができる。
なお、被成膜基板40に発光層47を形成する場合以外で、例えば、被成膜基板40の表示領域全面に蒸着膜を形成する場合は、開口部31のようにストライブ状に開口部が形成された蒸着マスク30ではなく、表示領域に対応する領域全面が開口した蒸着マスク(オープンマスク)を用いる。
なお、被成膜基板40の表示領域全面に蒸着する場合には、制限板20は必要ではなく、また被成膜基板40と蒸着マスク30とを密着させた状態で成膜してもよい。
その場合、被成膜基板40と同等の大きさ(Y方向の長さが同等)の蒸着マスク30を用い、被成膜基板40と蒸着マスク30とを一体化して相対走査するか、または被成膜基板40全面に一括して蒸着を行う。画素ごとにパターン形成する蒸着膜の例としては、例えば発光層があり、表示領域全面にパターン形成する蒸着膜の例としては、正孔輸送層などがある。
(ノズル13の構成の説明)
次に、図1、図2、図5の(a)(b)、図6を用いて、ノズル13の構成を具体的に説明する。
図5の(a)は、従来のノズル113の構成を表す平面図であり、(b)は本実施の形態に係るノズル13の構成を表す平面図である。
図5の(a)に示すように、従来のノズル113は、長手方向に連続し一体として形成されたノズル113に射出口116が形成されていた。一方、本実施の形態に係るノズル13は、複数のブロック15を備えている。複数のブロック15は、ノズル113を3つに分割した構成をしている。複数のブロック15は、長手方向に順に横並びに配されている。ブロック15は、平面視したとき、長方形状となっている。
図6の(a)はノズル13の構成を表す斜視図であり、図6の(b)はノズル13の断面図である。
図1、図2、図6の(a)(b)に示すように、ノズル13には、蒸着材料供給源11から導入管12を経て蒸着材料が供給される。
ノズル13は、互いに離間して、長手方向に一列に並んで配された3個のブロック15を備えている。ノズル13は、内部が空洞の容器であるノズル本体14と、ブロック15とを備えている。
ノズル本体14及びブロック15の材料はできるだけ線膨脹係数の小さいものが望ましい。一例として、ノズル本体14及びブロック15は、インバー材(FeにNiを含有した合金。さらに微量のCoを混ぜてもよい)などからなる。当該インバー材の線膨脹係数は室温で0.1〜2×10−6/℃程度である。このため、加熱前後での射出口16の位置ずれを抑えることができる。
また、ノズル本体14とブロック15とは別の材料で構成してもよい。一例として、ノズル本体14をSUS304などから構成し、ブロック15をインバー材等から構成することができる。これにより、ノズル本体14の作製費用を安価にすると共に、ブロック15の線膨張係数を小さくすることができる。なお、SUS304の熱膨張係数は約17×10−6/℃である。
ノズル本体14は、一方の面に一又は複数の開口部を有する容器形状(すなわち凹形状)となっている。
ノズル本体14は、被成膜基板40が配される側に近い面に、3つの開口部14cが形成されている。そして、ノズル本体14は、開口部14cのそれぞれを、被成膜基板40が配される側に突出させている凸形状である3つの突出部14aと、3つの突出部14aを接続する接続部14bとから構成されている。3つの突出部14aと、接続部14bとは一体形成されているものである。
すなわち、突出部14aのそれぞれの上面(XZ平面に平行な平面)は一面が開口部14cとなっている。図6の(b)に示すように、突出部14a及び接続部14bのYZ平面に平行な断面は、上面が開口した凹形状となっている。
複数のブロック15は、複数の開口部14cのそれぞれを覆うと共に、複数の突出部14aそれぞれを覆う蓋である。開口部14cを、ブロック15で覆うことで、被成膜基板40に向けて、射出口16から蒸着粒子17を射出することができる。複数のブロック15それぞれは、複数の突出部14aそれぞれに被せられているだけで、複数のブロック15それぞれと、複数の突出部14aそれぞれとは固定されていない。
複数の突出部14aは、接続部14b上に配されている。すなわち、複数の突出部14aのそれぞれは、接続部14bから、Z方向(被成膜基板40が配される方向)に突出している。
複数の突出部14aは、ノズル13の長手方向(X方向)に3つ並んで配されている。複数の突出部14aのそれぞれは互いに離間して配されている。なお、突出部14a間は開口されていない。
接続部14bは、複数の突出部14aの下側を連通している。接続部14bの一方の側面には導入管12の一方の端部が接続されている。
複数のブロック15はそれぞれ離間しており、互いの間には隙間19が形成されている。すなわち、複数のブロック15は、隙間19を設けて互いに離間して配されている。
射出口16は、ブロック15を貫通する孔であり、ブロック15の上面(XZ平面に平行な平面)に等間隔に、一列に形成されている。
隙間19は、複数のブロック15間の隙間である。隙間19は、複数のブロック15間に跨って射出口16が一定ピッチとなるように、ブロック15間に配されている。
非加熱の際、複数のブロック15間に跨って複数の射出口16のピッチがX方向に等ピッチとなるように、複数のブロック15間に隙間19が配されている。これにより、ブロック15間での蒸着膜パターンの位置ずれを防止することができる。
ノズル13によると、蒸着装置1で蒸着処理を行う際、蒸着材料供給源11から蒸発した蒸着材料は、導入管12及び接続部14b内を通り、各突出部14aへと供給され、各射出口16からノズル13の外部へ、蒸着粒子17として射出される。
ここで、蒸着処理を行う際、ブロック15とノズル本体14とは共に加熱される。
しかし、複数の射出口16は、ノズル本体14の開口部14cを覆う、ノズル本体14とは別の構成である複数のブロック15のそれぞれに形成されており、複数のそれぞれのブロック15は互いに離間している。
これにより、蒸着処理の際に加熱されると、複数のブロック15のそれぞれは互いに離間しているため、それぞれ独立して伸びる。このため、例えば図5の(a)で示したノズル113のように、一つの長尺ブロックがノズル本体と一体形成されている場合と比べて、加熱前後での複数の射出口16の位置ずれを少なくすることができる。
このため、加熱されたときの複数の制限板20のそれぞれと、複数の射出口16のそれぞれとの相対な位置ずれの発生を抑制することができ、高精細な蒸着膜パターンを被成膜基板40に成膜することができる。
さらに、ブロック15と、ノズル本体14とは固定されていない。このため、蒸着処理の際の加熱により突出部14aが熱膨張しても、突出部14aの熱膨張による各ブロック15への影響を抑えることができ、加熱前後での複数の射出口16の位置ずれを抑えることができる。
また、複数のブロック15間には隙間19が設けられているので、複数のブロック15の各々が個別に熱で伸びることになる。
そして、ブロック15の長手方向の長さは、ノズル本体14の長手方向の長さより短いので、一つのブロック15が熱により延びる長さは、ブロック15の長手方向の長さを、ノズル本体14の長手方向の長さと同等とした場合と比べて小さい。このため、加熱前後での、射出口16の位置ずれを抑制することができる。
ここで、図6の(b)に示すように、ブロック15の内側側面と、当該側面と対向するノズル本体14の外側側面との間にも、熱により伸びたノズル本体14のブロック15への干渉を防止するために、隙間が設けられている。
このため、蒸着装置1で蒸着処理を行う際、射出口16から蒸着粒子17が射出されると共に、ブロック15の内側側面と、当該側面と対向するノズル本体14の外側側面との間の隙間からも、蒸着粒子17aがノズル13の外部へ漏れる。
しかし、ブロック15の射出口16以外の開口部、すなわち、ブロック15の内側側面と、当該側面と対向するノズル本体14の外側側面との間の隙間は下方(蒸着マスク30及び被成膜基板40が配されている方向とは逆方向、すなわちZマイナス方向)に開口している。
このため、ブロック15の内側側面と、当該側面と対向するノズル本体14の外側側面との間の隙間から、ノズル13の外部へ漏れた蒸着粒子17aは、蒸着マスク30及び被成膜基板40に到達することはない。
このように、ブロック15のそれぞれにより、複数の突出部14aのそれぞれが覆われているので、射出口16以外であって、開口部14cから蒸着粒子17aが漏れたとしても、その漏れた蒸着粒子17aが被成膜基板40に到達することを防止することができる。
ノズル13では、3個に分割されたブロック15備えているものとして説明したが、分割数は3個に限定されず、ブロック15の個数は、2個であってもよく、さらに、4個以上であってもよい。
このように、本実施の形態に係る蒸着方法は、蒸着処理の際、蒸着膜パターンとなる蒸着粒子17の、被成膜基板40に対する入射角を制限するための複数の制限板20間を通過させてから、被成膜基板40に、蒸着粒子17が到達するように、蒸着粒子17を射出する工程を有している。
そして、蒸着粒子17を射出する工程では、互いに離間する複数のブロック15のそれぞれに形成されている複数の射出口16から、蒸着粒子17を射出する。
このため、被成膜基板40に到達した蒸着粒子17の、被成膜基板40に対する入射角は、制限板20により一定範囲に制限される。
これにより、被成膜基板40に対する斜め方向からの蒸着粒子17の飛来を防止することができる。このため、被成膜基板40に成膜された所定の蒸着パターンの側部への不要な蒸着膜の付着を防止することができ、高精細な蒸着膜パターンを形成することができる。
さらに、蒸着粒子17を射出する工程では、互いに離間する複数のブロック15のそれぞれに形成されている複数の射出口16から、蒸着粒子17を射出する。
これにより、蒸着処理の際に加熱されると、複数のブロック15のそれぞれは独立して伸びるので、一つの長尺ブロックが一体形成されている場合と比べて、加熱前後での複数の射出口16の位置ずれを少なくすることができる。
このため、加熱されたときの複数の制限板20のそれぞれと、複数の射出口16のそれぞれとの相対な位置ずれの発生を抑制することができ、高精細な蒸着膜パターンを被成膜基板に成膜することができる。
(加熱前後での射出口の位置ずれについて)
次に、図7の(a)(b)、図8の(a)(b)を用いて、ノズル13の加熱前後での射出口の位置ずれについて説明する。
図7の(a)(b)は、複数のブロックに分割されていない従来のノズル113の構成を表し、(a)は加熱前のノズル113の構成を表す平面図であり、(b)は加熱後のノズル113の構成を表す平面図である。
図8の(a)(b)は、本実施の形態に係るノズル13の構成を表し、(a)は加熱前のノズル13の構成を表す平面図であり、(b)は加熱後のノズル13の構成を表す平面図である。
上述したように、従来は一つのブロックで構成されていたノズル113を、ノズル13は3つのブロック15に分割している。
加熱前のノズル113、及びノズル13のそれぞれの長軸方向の長さ(ノズル長)をLとする。そして、分割された一ブロック15の長軸方向の長さ(ノズル長)をLsとする(L>Ls)。
また、図7の(a)、図8の(a)に示すように、加熱前の射出口16、116のそれぞれの位置は一致しているものとする。ノズル113・13のそれぞれの線膨張係数をαとする。
また、ノズル113・13のそれぞれを加熱しても中央の射出口113・16の位置は変化しないものとする。すなわち、ノズル113・13は、それぞれ、中央に位置する射出口116・16を中心に、紙面上下方向に同量伸びるものとする。
加熱により、ノズル113・13の温度がΔTだけ上昇した場合、ノズル113の伸び量ΔL、ノズル13のブロック15の伸び量ΔLsは、それぞれ以下の式1、式2となる。
ΔL=α×L×ΔT (式1)
ΔLs=α×Ls×ΔT (式2)
一例として、ノズル113・13の材料をSUS304(線膨脹係数 約17×10−6/℃)、長さLを1m、Lsを332mmとする(複数のブロック15間の隙間19の幅は2mm)。
ΔTが300℃とすると、ΔLおよびΔLsはそれぞれ、以下の通りとなる。
ΔL=5.1mm
ΔLs=1.7mm
実際、ノズル端に形成された射出口116・16の加熱後の位置ずれは、およそ上記の値の半分となる。
すなわち、図7の(a)(b)に示すように加熱前後でのノズル113の端部の射出口116の位置ずれは約2.6mm程度(ΔL/2)となる一方、図8の(a)(b)に示すように加熱前後でのノズル13の端部の射出口16の位置ずれは約0.9mm程度(ΔLs/2)となる。このように、ノズル113と比べて、ノズル13の方が、加熱前後での、端部の射出口16の位置ずれが少ないことが分かる。
(加熱前後での蒸着範囲の変化について)
次に、図9の(a)(b)、図10を用いて、加熱前後での射出口の変化に伴なう被成膜基板40に対する蒸着範囲の変化について説明する。
図9の(a)は射出口16の位置ずれがない場合の蒸着範囲を説明する図であり、(b)は射出口16の位置ずれが生じている場合の蒸着範囲を説明する図である。
図10は射出口16の位置ずれによる被成膜基板40に対する蒸着膜パターン位置の変化を説明する図である。
図9の(a)のように、射出口16と制限板20の上部端との距離をHsa、射出口16と蒸着マスク30との距離をHsmとし、制限板20の開口幅(隣接する制限板20間の幅)を2Wとする。この場合、射出口16から噴出された蒸着粒子17が、制限板20間を通過し、蒸着マスク30に蒸着される蒸着範囲のうち片側の蒸着範囲Pは、以下となる。
P=Hsm/Hsa×W (式3)
一方、図9の(b)に示すように、射出口16の中心位置が、互いに隣接する制限板20間の中心位置に対してΔxだけ紙面左方向に位置ずれしたとする。
この場合、当該射出口16から噴出された蒸着粒子17が制限板20間を通過し、蒸着マスク30に蒸着される蒸着範囲をPおよびPで表す。蒸着マスク30における、射出口16から蒸着マスク30に対する垂線から、蒸着範囲の紙面右側端部までの距離をPとし、蒸着範囲の紙面左側端部までの距離をPとする。P、P、はそれぞれ以下の通りとなる。
=Hsm/Hsa×(W−Δx) (式4)
=Hsm/Hsa×(W+Δx) (式5)
また、Hsm=180mm、Hsa=80mm、W=10mm、Δx=3mmとすると、P、P、P、はそれぞれ以下の通りとなる。
P=22.5mm
=15.75mm
=29.25mm
このように、蒸着範囲は左右で±7mmの差を生じる。
この左右の蒸着範囲のずれが生じても、蒸着マスク30の開口部31を蒸着範囲に収めるためには、少なくとも2×P=31.5mmの範囲内にしか、開口部31を形成できないことになる。それ以外は、制限板20によって遮蔽され、蒸着(被成膜基板40への成膜)に寄与しない。
すなわち、射出口の位置ずれを見込んだ設計マージンが必要であり、その分蒸着材料の利用率が低下する。
図8の(a)(b)等に示したように、ノズル13をブロック15のように3分割すれば上記(式1)および上記(式2)で示した通り、ノズル13における加熱後の射出口16の位置ずれの最大量はおよそ1/3となる。
このため、上記(式4)および上記(式5)のΔxも1/3となる。従って、本実施の形態に係るノズル13によると、加熱前後での蒸着範囲の変化量が小さくなるので、設計マージンを小さくでき、蒸着材料の利用効率を向上させることができる。
次に、図10に示すように、被成膜基板40と蒸着マスク30とが離間されて配置されており、その距離をDとする。被成膜基板40上に成膜される蒸着膜パターンの位置は、蒸着粒子17の被成膜基板40に対する入射角によって決定する。入射角をθとすると、蒸着マスク30の開口部31の端部からの蒸着パターンの位置シフトSは、以下のように表すことができる。
S=D×tanθ (式6)
同様に、入射角がθとなった場合の位置シフトSは、以下のように表すことができる。
=D×tanθ (式7)
上記(式6)及び上記(式7)から明らかなように、入射角が変化することでパターンの位置シフト量が変化する。上述したように、射出口16の位置ずれにより蒸着粒子17の入射角が変わるため、射出口16の位置ずれを低減するほど、被成膜基板40の成膜される蒸着膜パターンの位置シフトの変動量も低減する。
有機EL表示装置3の画素2を設計する場合、上記のような蒸着膜の位置シフト量の変動が生じても、発光層47等を画素2の発光領域に成膜されるようにするためには、上記(式6)及び上記(式7)で示した変動量を見越した上で設計マージンをもたせる必要がある。
ここで、非発光領域の幅を増やせば、設計マージンを広く取ることができる。しかし、非発光領域の幅を増やすことで、発光領域の面積を縮小する必要が生じ、高い表示精細度が実現できなくなる。
特に発光領域の面積の縮小は、発光寿命劣化の促進や表示画像の粒度感を生むため、有機EL表示装置3の表示品位が低下する。
一例として、D=3mmとし、上述したようにHsa=80mm、W=10mmとすると、被成膜基板40への蒸着範囲の右端近傍での蒸着膜の位置シフトは、およそ以下の通りとなる。
S=D×tanθ=D×W/Hsa=375μm
=D×tanθ=D×(W+Δx)/Hsa=488μm
このように、100μm以上の位置シフトが生じる。
通常の有機EL表示装置3において、隣接する副画素2R・2G・2B間の距離(非発光領域)は数十μmであるため、100μm以上発光層47R・47G・47Bが位置ずれすると、所望の副画素2R・2G・2Bから発光層47R・47G・47Bが完全にずれることになる。
一方、本実施の形態に係るノズル13を用いることでΔxを小さくすることができる。このため、有機EL表示装置3の設計マージンを小さくすることができ、発光領域の面積を大きくとれ、また表示精細度を高くすることができる。
また、蒸着粒子17の被成膜基板40に対する入射角によっては、蒸着マスク30の板厚も計算に考慮する必要がある(例えば、図10の蒸着粒子17の左端など)。その場合、上記(式6)および上記(式7)のDは(D+蒸着マスク30の板厚)と差し替えられる。しかし、蒸着マスク30の板厚がDよりも十分に小さければ無視し得る。
(ノズル13の設計例)
次に、ノズル13の具体的な設計例について説明する。なお、以下の数値は、ノズル13を構成するための一例である。
ノズル13・113の材料はSUS304(線膨脹係数 約17×10−6/℃)とする。
図7の(a)(b)に示した、従来のノズル113は、長尺のノズル長(L)が654mmであり、射出口116が間隔20mmピッチで配置されている。射出口116の数は33個であり、ノズル113の両端の射出口116は、ノズル113のそれぞれの端からは7mmずつ離れている。中央の射出口116から両端の射出口116までは320mm離れている。
次に、本実施の形態に係るノズル13の構造では、各ブロック15の長さ(ブロック15の長さ、Ls)を214mmとし、各ブロック15に射出口16が11個ずつ形成されている。
各ブロック15において、両端の射出口16はブロック15のそれぞれの端から7mm離れている。ブロック15同士は6mmずつ離されており、ブロック15は3個のため、総合的なノズル13の長さLは従来のノズル113と同じ654mmである。
各ブロック15において、中央の射出口16から両端の射出口16までは100mm離れている。
以上の構成により、常温時(25℃)では、ノズル113と、ノズル13とで射出口116・16の位置は一致しているとする。この状態において、ノズル113・13が加熱されて280℃となったとする。
ノズル113の構造では両端の射出口116間の距離の伸び量ΔL’は、上記(式1)のLを射出口116間距離に置き換えれば、ΔL’=1.39mmとなる。
一方、本実施の形態に係るノズル13の構造によれば、各ブロック15の両端の射出口16間の距離の伸び量は、上記(式2)のLsを射出口16間距離に置き換えれば、ΔLs’=0.43mmとなる。このように、ノズル13の構造によると、ノズル113よりも、加熱後における射出口16の位置ずれは改善することが分かる。
(ノズル13の変形例)
次に、図11〜13を用いて、ノズル13の変形例について説明する。ノズル13は、図11〜13のような構成であってもよい。
図11は、平面視で、平行四辺形状を有する複数のブロックを備えているノズルの構成を表す平面図である。
図11に示すノズル13は、平面視で、長方形状であるブロック15に換えて、平行四辺形であるブロック15bを複数備えている。図11のノズル13の他の形状は、図1等を用いて説明したノズル13と同様である。なお、図11では、2個のブロック15bを記載しているが、ブロック15bの個数は、3個以上であってもよい。
図11には図示しないが、各ブロック15bは、平面視で平行四辺形である突出部14aを覆っている。複数のブロック15b間には、隙間19が設けられている。
図11のノズル13のように、各ブロック15bが、平面視で、平行四辺形に分割されている場合、各ブロック15bが熱により伸びて、互いに衝突したとしても、衝突したそれぞれの端部間には、互いに逆向きのY方向(図11の矢印B、矢印C)に力が加わる。このため、衝突したブロック15bのそれぞれの端部間は、その押し合う力が回転方向(図11の矢印D方向)に変換される。
従って、ノズル13の長手方向(X方向)への射出口16の位置ずれを、当該長手方向に対する垂直方向である短手方向(Y方向)へも分散させることができ、長手方向への射出口16の位置ずれを抑えることができる。
また、ノズル13の短手方向は、被成膜基板40の走査方向(図11の矢印Aの方向)と平行な方向である。蒸着処理中は、被成膜基板40が矢印Aの方向に走査されているので、当該方向に射出口16の位置ずれが生じても、蒸着膜パターンの位置ずれの影響が少なく、大きな問題は生じない。
さらに、図11に示すように、各ブロック15bの射出口16が並ぶ方向は、X方向から、被成膜基板40の走査方向にずらして配されている。すなわち、各ブロック15bの射出口16は、並ぶ方向を結ぶ直線が、ブロック15bの長手方向に平行な向きから、平行四辺形の鋭角間を結ぶ対角線に沿う(平行となる)向きに近付くように傾斜して配されている。
このため、平行四辺形を有するブロック15b間でも、複数のブロック15b間で、射出口16をX方向に等ピッチで配することができる。
また、ノズル13の各ブロックの形状は、平面視で、三角形状であってもよいし、台形状であってもよい。
図12の(a)は、平面視で、三角形状を有する複数のブロック15cを備えているノズル13の構成を表す平面図であり、図12の(b)は、平面視で、台形状を有する複数のブロック15cを備えているノズル13の構成を表す平面図である。
図12の(a)に示すノズル13は、平面視で、長方形状であるブロック15に換えて、三角形状であるブロック15cを複数備えている。図12の(a)のノズル13の他の形状は、図1等を用いて説明したノズル13と同様である。なお、図12の(a)では、12個のブロック15cを記載しているが、ブロック15cの個数は、図12の(a)に記載の個数に限定されず、11個以下であってもよく、13個以上であってもよい。
図12の(a)には図示しないが、各ブロック15cは、平面視で三角形状である複数の突出部14aのそれぞれを覆っている。複数のブロック15c間には、隙間19が設けられている。
複数のブロック15cは、隣接するブロック15cとは方向が反転して配されている。すなわち、複数のブロック15cは、互い違いとなるように向きを換えて、X方向に並んで配されている。
ブロック15cのように、平面視で三角形状とした場合も、平行四辺形の場合と同様に、ノズル13の長尺方向(X方向)への射出口16の位置ずれが、被成膜基板40の走査方向(図12の(a)の矢印Aの方向)と平行な方向に分散される。
しかし、各ブロック15cの位置ずれは、平行四辺形の場合のように回転方向へずれるのではなく、被成膜基板40の走査方向と平行な方向(図12の(a)の矢印E・Fで示す方向)へシフトするようなずれ方となる。
このため、射出口16の位置ずれが生じても、蒸着膜パターンの位置ずれの影響が少ない。
また、図12の(a)のノズル13では、各ブロック15cに一つの射出口16が形成されている。これにより、複数のブロック15c間に跨って、射出口16のX方向のピッチが一定となっている。
なお、図12の(a)では、一ブロック15cに射出口16が一つ形成されているものとして記載しているが、これに限定されず、各ブロック15cには、複数の射出口16が形成されていてもよい。ブロック15cの分割数が多いほど、射出口16の位置ずれは改善できるが、ブロック15cの加工が多くなるので適宜分割数は調整すればよい。
このように、図11、図12の(a)で示した複数のブロック15b・15cのそれぞれは、加熱されると、Y方向にずれるように、互いに押し合う形状となっている。このため、加熱による膨張により、複数のブロック15b・15c間が互いに押し合ったとしても、被成膜基板40の走査方向であるY方向にずれるので、不良品発生を抑制することができる。
また、図12の(a)の三角形のブロック15cは走査方向(矢印Aの方向)の角が落とされた、図12の(b)のような台形状でもよい。
図12(b)のように、台形状であるブロック15cを、隣接するブロック15c間で隙間19を設けつつ、互いに方向を反転させ、直線状に配する。これにより、三角形状の場合と同様に、加熱による膨張により、複数のブロック15c間が互いに押し合ったとしても、被成膜基板40の走査方向であるY方向にずれるので、不良品発生を抑制することができる。
図13は、突出部を有さないノズル本体と、複数のブロックとからなるノズルを表す斜視図である。
図13に示すノズル13は、ノズル本体14dと、複数のブロック15と、複数の遮蔽板18とを備えている。
ノズル本体14dは、上述したノズル本体14のように突出部14aを有さず、ノズル本体14dの上面は一平面からなり、全面が開口する凹形状となっている。そして、ノズル本体14dの上面(全面が開口する面)を覆って、射出口16が一定間隔となるように、複数のブロック15が被されている。ブロック15と、ノズル本体14dとは固定されていない。
図13に示すノズル13では、隣接するブロック15間に跨って、板状の遮蔽板18が配されている。このように、複数のブロック15間の隙間19であって、ノズル本体14dの上面の開口部を覆って遮蔽板18が配されているので、複数の蓋15間の隙間19から漏れる蒸着粒子が、上方に配されている被成膜基板40に向けて噴出されることを防止することができる。なお、図13のノズル13を平行に複数配してもよい。
〔実施の形態2〕
次に、図14〜図16の(a)(b)を用いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施の形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(ノズル53の構成の説明)
図14は、第2の実施の形態に係る蒸着源50の構成を表す斜視図である。図15の(a)(b)は第2の実施形態に係るノズル53の各ブロック55を表し、(a)は加熱前の各ブロック55を表す平面図であり、(b)は加熱後の各ブロック55を表す平面図である。
第2の実施の形態に係る蒸着装置は、蒸着源10に換えて蒸着源50を備えている。蒸着源50は、ノズル13に換えてノズル53を備えている点で蒸着源10と相違する。蒸着源50の他の構成は、蒸着源10と同様である。
ノズル53は、ノズル本体54と、ブロック55とを備えている。ブロック55には、X方向に並ぶ複数の射出口16が形成されている。
ノズル本体54は、被成膜基板40が配される側へ凸形状であり一面に開口部54cを有する複数の突出部54aと、複数の突出部14aを接続する接続部54bとから構成されている。ノズル本体54は複数の突出部14aの上面が開口した容器形状(凹形状)を有している。
複数の突出部54aと、接続部54bとは一体形成されているものである。複数のブロック55は、複数の突出部14aのそれぞれを覆っている。
ブロック55は、突出部54aと固定されておらず、突出部54aの熱による伸びと、蓋55の熱による伸びとは独立している。
ノズル本体54の側面には、導入管12の一方の端部が接続されている。そして、導入管12の他方の端部に接続された蒸着材料供給源11から供給される蒸着材料は、導入管12を通って接続部54bに流入し、各突出部54a(すなわち各ブロック55)に供給される。
ノズル53は、ノズル13と同様に3つに分割されたブロック55を有している。
ノズル53では、3個のブロック55が互いに干渉しないように配されている。
すなわち、図15の(a)に示すように、3つのブロック55は、長手方向が互いに平行であり、3つのブロック55のうち、真ん中に配されているブロックが、Y方向にずれて配されている。
また、各ブロック55は、被成膜基板40の走査方向(Y方向)には十分な空隙を開けて配置されている。
ノズル53の加熱前には、複数の射出口16は、X方向のピッチが、複数のノズル53aに跨って一定となるように配されている。
図15の(b)に示すように、ノズル53が加熱されると、各ブロック55は、特に長手方向(±X方向)に伸びる。しかし、ノズル53では、互いに平行に配されている3個のブロック55のうち、真ん中に配されているブロック55は、他のブロック55より、被成膜基板40の走査方向にずらして配されている。さらに、各ブロック55間の被成膜基板の走査方向には十分な空間が設けられている。
このため、各ブロック55が熱により、長手方向に伸びたとしても、互いの端部が干渉することが無いので、干渉による射出口16の位置ずれを防止することができる。
上述したノズル13では、各ブロック15間に隙間19を設けることで、熱で長手方向に伸びた場合の各ブロック15間の干渉を防止していた。
しかし、ノズル13では、一列に並ぶ複数のブロック15間に跨って、射出口16のピッチを一定とするために、隙間19の距離は、射出口16間の距離以下とする必要がある。このため、ブロック15の長手方向の熱による伸び量を、射出口16間の間隔以下となるように設計する必要がある。
一方、ノズル53では、各ブロック55は、互いに平行に配されているが、真ん中のブロック55が、被成膜基板40の走査方向にずれて配されているので、ブロック55の長手方向の熱による伸び量を射出口16間の間隔以下とする必要はなく、設計自由度を向上させることができる。
また、複数のブロック55間で射出口16のピッチを一定にしつつ、さらに、一ブロック55内で、端部と、一番端に位置する射出口16との距離を離すことができる。
ここで、一ブロック55のうち、長手方向の両端部と、中央部とでは、ブロック55の形状が異なるので、複数の射出口16のうち、両端近傍に形成された射出口16と、中央部近傍に配されている射出口16との間に温度分布が生じやすい。温度分布が生じると、噴出する蒸着材料の量が変わり、成膜される蒸着膜の膜厚が不均一となる。
しかし、上述したように、ノズル53では、真ん中のブロック55が被成膜基板40の走査方向にずれて配されている。
このため、複数のブロック55に跨って射出口16のピッチを一定としながら、一ブロック55内で、一番端に形成されている射出口16を、当該一ブロック55の両端部から離して形成することができる。このため、一ブロック55内での射出口16の温度バラツキを一定にすることで、蒸着粒子17の射出量バラツキを抑えることができると共に、加工性を向上させることができる。
また、ノズル53では、3個のブロック55のうち、一つだけが、被成膜基板40の走査方向にずれて配されていた。しかし、これに限らず、複数のブロック55のうち、少なくとも一つが被成膜基板40の走査方向にずれていればよく、複数のブロック55が被成膜基板40の走査方向にずれていてもよい。
(蒸着源50の変形例)
図16の(a)(b)は、蒸着源50の変形例を表し、(a)は一つの蒸着材料供給源11と複数に分割されたノズル53aとが接続された蒸着源50の構成を表す図であり、(b)は複数の蒸着材料供給源11のそれぞれと複数に分割されたノズル53aのそれぞれとが接続された蒸着源50の構成を表す図である。
図16の(a)の蒸着源50のノズル53は、図14のノズル53を3つに分離した構成である。図16の(a)のノズル53は、3個のノズル53aからなる。すなわち、各ノズル53aのノズル本体は、ノズル53の開口部54c毎に突出部54aが分離された構成である。
各ノズル53aそれぞれは、ノズル本体53bと、当該ノズル本体53bの上面に形成された開口部を覆うブロック53cとからなる。各ノズル本体53bそれぞれは上面に開口部を有する容器形状(凹形状)となっている。各ブロック53cそれぞれは各ノズル本体53bそれぞれの上面の開口部を覆う蓋であり、各ノズル本体53bそれぞれと固定されていない。そして、各ブロック53cそれぞれは離間している。
導入管12の一方の端部は3つに分岐しており、それぞれ、各ノズル53aのノズル本体53bの側面と接続されている。そして、導入管12の他方の端部は、一つの蒸着材料供給源11と接続されている。
このように、図16の(a)のノズル53aは、ノズル53が分離したような構成となっている。
図16の(b)の蒸着源50は、図16の(a)の蒸着源50から、さらに、導入管12及び蒸着材料供給源11が3つに分離している構成である。
図16の(b)の蒸着源50は、3個のノズル53aからなるノズル53を備えていると共に、導入管12及び蒸着材料供給源11もそれぞれ3個に分離されている。そして、各ノズル53aと、各蒸着材料供給源11とは、それぞれ、導入管12により、一対一で、別々に接続されている。
このように、図16の(b)の蒸着源50は、分離した3個の蒸着材料供給源11からなる構成である。
図16の(a)(b)のように、各ノズル53aを完全に分離して、個別に蒸着材料供給源11と接続する構成とすることにより、長尺の一体化されたノズルを作製する必要がなく、長距離にわたって高精度な開口加工を行う必要がない。このため、不良品の発生を抑え、製造コスト増大を防止することができる。
図16の(a)に示す蒸着源50は、蒸着材料供給源11は一つであり、各ノズル53aに繋がる導入管12が分岐された構成である。このため、蒸着源50によると、各ノズル53aから放出される蒸着粒子の量や分布が、各導入管12の長さや形状に影響を受ける可能性がある。
一方、図16の(b)の蒸着源50は、蒸着材料供給源11も3個に分離されており、分離された蒸着供給源11は、それぞれ個別に、導入管12により各ノズル53aと接続されている。このため、それぞれの導入管12の形状を揃え易く、各ノズル53aから放出される蒸着粒子の量や分布が、各導入管12の長さや形状に影響を受けることを防止することができる。
しかし、図16の(b)の蒸着源50は個別に分離されているため、それぞれの蒸着源50から供給する蒸着粒子の流量にバラツキがあった場合、各ノズル53aから放出される蒸着粒子の量や分布はそのバラツキに影響を受ける可能性がる。
一方、図16の(a)に示す蒸着源50は、蒸着材料供給源11が一つであるため、蒸着材料供給源11が供給する蒸着粒子のバラツキの発生を防止することができる。
このように、図16の(a)(b)それぞれの蒸着源50は、蒸着粒子をノズル53aに供給する構造が相違するため、ノズル53aから放出される蒸着粒子の量や分布が影響を受ける因子に差異が生じる。このため、適宜、使い分ける必要がある。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
上記の課題を解決するために、本発明の蒸着装置は、蒸着処理により、被成膜基板に所定パターンの蒸着膜を成膜する蒸着装置であって、蒸着処理の際、上記被成膜基板に向けて上記蒸着膜となる蒸着粒子を射出する複数の射出口が形成された射出部と、上記射出部と、上記被成膜基板との間に配され、上記複数の射出口から射出された蒸着粒子の、上記被成膜基板に対する入射角を制限するための複数の制限板とを備え、上記射出部は、上記被成膜基板が配される側の面に開口部を有する容器形状の射出部本体と、上記開口部を覆い、互いに離間し、上記複数の射出口がそれぞれに形成されている複数のブロックとを備えていることを特徴としている。
上記構成によると、上記射出部と、上記被成膜基板との間に配されている上記複数の制限板により、上記射出口から射出された蒸着粒子の、上記被成膜基板に対する入射角を、一定範囲内に制限することができる。これにより、上記被成膜基板に対する斜め方向からの蒸着粒子の飛来を防止することができる。このため、上記被成膜基板に成膜された所定の蒸着パターンの側部への不要な蒸着膜の付着を防止することができ、高精細な蒸着膜パターンを形成することができる。
さらに、上記構成によると、上記複数の射出口は、上記射出部本体の開口部を覆う、当該射出部本体とは別の構成である複数のブロックのそれぞれに形成されており、当該複数のそれぞれのブロックは互いに離間している。
これにより、蒸着処理の際に加熱されると、複数のブロックのそれぞれは独立して伸びるので、一つの長尺ブロックが射出部本体と一体形成されている場合と比べて、加熱前後での上記複数の射出口の位置ずれを少なくすることができる。
このため、加熱されたときの上記複数の制限板のそれぞれと、上記複数の射出口のそれぞれとの相対な位置ずれの発生を抑制することができ、さらに高精細な蒸着膜パターンを被成膜基板に成膜することができる。
また、上記射出部本体と、上記ブロックとは固定されていないことが好ましい。上記構成によると、蒸着処理の際の加熱により上記射出部本体が熱膨張しても、当該射出部本体の熱膨張による上記複数の各ブロックへの影響を抑えることができ、加熱前後での複数の射出口の位置ずれを、さらに抑えることができる。
また、上記射出部本体は、上記開口部を複数有しており、上記複数のブロックのそれぞれは、上記複数の開口部のそれぞれを覆って配されていることが好ましい。上記構成により、上記射出部本体内の蒸着粒子を、上記複数の射出口から、上記被成膜基板に向けて射出することができる。
また、上記射出部本体は、上記複数の開口部のそれぞれを、上記被成膜基板が配される側に突出させる突出部を複数有しており、上記複数のブロックのそれぞれは、上記複数の突出部のそれぞれを覆って配されていることが好ましい。
上記構成によると、上記ブロックのそれぞれにより、上記突出部が覆われているので、上記射出口以外であって、上記開口部から蒸着粒子が漏れたとしても、その漏れた蒸着粒子が上記被成膜基板に到達することを防止することができる。
また、上記射出部本体は、上記複数の開口部毎に、互いに分離されている構成であってもよい。これにより、長尺の一体化された射出部を作製する必要がなく、長距離にわたって高精度な開口加工を行う必要がない。このため、不良品の発生を抑え、製造コスト増大を防止することができる。
また、上記被成膜基板を、一方向に走査するための基板駆動部を備え、上記基板駆動部が上記被成膜基板を走査する方向を第1の方向とすると、上記複数のブロックのそれぞれに配されている複数の射出口のピッチは、平面視で、上記第1の方向と直交する第2の方向に、非加熱の際、等ピッチであることが好ましい。
上記構成によると、上記被成膜基板を、第1の方向に走査させながら、蒸着パターンを成膜することができるので、蒸着マスクを、上記被成膜基板より小さくすることができる。
これにより、蒸着マスクの撓みを防止し、高精細な蒸着パターンを成膜することができる。
また、上記複数のブロックのそれぞれは、加熱されると、上記第1の方向にずれるように、互いに押し合う形状とすることもできる。上記構成によると、加熱による膨張により、上記複数のブロック間が互いに押し合ったとしても、被成膜基板の走査方向である第1の方向にずれるので、不良品発生を抑制することができる。
また、上記複数のブロックのそれぞれは、平面視で平行四辺形であってもよい。また、上記複数のブロックのそれぞれは、平面視で三角形または台形であり、隣接するブロックとは方向が反転して配されていてもよい。
上記構成により、上記複数のブロックのそれぞれは、加熱による熱膨張で互いに押し合ったとしても、被成膜基板の走査方向である第1の方向にずれる。これにより、不良品発生を抑制することができる。
また、上記複数のブロックのそれぞれが、平面視で平行四辺形である場合、上記複数のブロックのそれぞれの射出口は、並ぶ方向を結ぶ直線が、上記ブロックの長手方向に平行な向きから、平行四辺形の鋭角間を結ぶ対角線に沿う向きに近付くように傾斜して配されていることが好ましい。
このため、平行四辺形を有するブロックでも、複数のブロック間で、射出口を第2の向きに等ピッチで配することができる。
また、上記複数のブロックは、長手方向が互いに平行であり、上記第2の方向に一列に並んで配されていることが好ましい。
上記構成によると、複数の射出口を長い距離連続して、上記第2の方向に配することができる。これにより一度の上記被成膜基板の走査で蒸着膜パターンを形成できる面積を増大させることができ、製造時間を短縮することができる。
また、上記複数のブロックは、長手方向が互いに平行であり、当該複数のブロックのうち、少なくとも一つのブロックが、上記第1の方向にずれて配されていることが好ましい。
上記構成によると、加熱により、上記ブロックが長手方向に伸びたとしても、互いに干渉することを防止することができる。これにより、加熱前後での射出口の位置ずれ抑制することができる。
また、非加熱の際、上記複数の射出口のピッチは、上記複数のブロック間に跨って、上記第2の方向に等ピッチであることが好ましい。上記構成によると、ブロック間での蒸着膜パターンの位置ずれを防止することができる。
また、上記ブロックはインバー材からなることが好ましい。これにより、加熱前後での射出口の位置ずれを抑制することができる。
上記の課題を解決するために、本発明の蒸着方法は、蒸着処理により、被成膜基板に所定の蒸着膜パターンを成膜する蒸着方法であって、蒸着処理の際、上記蒸着膜パターンとなる蒸着粒子の、上記被成膜基板に対する入射角を制限するための複数の制限板間を通過させてから、上記被成膜基板に、上記蒸着粒子が到達するように、上記蒸着粒子を射出する工程を有し、上記蒸着粒子を射出する工程では、互いに離間する複数のブロックのそれぞれに形成されている複数の射出口から、上記蒸着粒子を射出することを特徴としている。
上記構成によると、上記被成膜基板に到達した蒸着粒子の、上記被成膜基板に対する入射角は、上記制限板により一定範囲に制限される。これにより、上記被成膜基板に対する斜め方向からの蒸着粒子の飛来を防止することができる。このため、上記被成膜基板に成膜された所定の蒸着パターンの側部への不要な蒸着膜の付着を防止することができ、高精細な蒸着膜パターンを形成することができる。
さらに、上記蒸着粒子を射出する工程では、互いに離間する複数のブロックのそれぞれに形成されている複数の射出口から、上記蒸着粒子を射出する。
これにより、蒸着処理の際に加熱されると、複数のブロックのそれぞれは独立して伸びるので、一つの長尺ブロックが一体形成されている場合と比べて、加熱前後での上記複数の射出口の位置ずれを少なくすることができる。
このため、加熱されたときの上記複数の制限板のそれぞれと、上記複数の射出口のそれぞれとの相対な位置ずれの発生を抑制することができ、さらに高精細な蒸着膜パターンを被成膜基板に成膜することができる。
また、上記蒸着方法を用いて、各副画素の発光層を成膜する有機EL表示装置を製造することが好ましい。これにより、上記蒸着パターンとして、発光層が高精細にパターン形成された有機EL表示装置を得ることができる。
本発明は、高精細な蒸着パターンの成膜が要求されるデバイスへの蒸着膜の成膜を行うための蒸着装置、蒸着方法に利用することができ、特に、有機EL表示装置の発光層を蒸着するための蒸着装置、蒸着方法に好適に利用することができる。
1 蒸着装置
2 画素
3 有機EL表示装置
9 基板駆動機構(基板駆動部)
10・50 蒸着源
11 蒸着材料供給源
12 導入管
13・53 ノズル(射出部)
14・14d・54 ノズル本体(射出部本体)
14a・54a 突出部
14b・54b 接続部
14c・54c 開口部
15・55 ブロック
15b・15c ブロック
16 射出口
17 蒸着粒子
19 隙間
20 制限板
30 蒸着マスク
31 開口部
40 被成膜基板
47 発光層

Claims (15)

  1. 蒸着処理により、被成膜基板に所定の蒸着膜パターンを成膜する蒸着装置であって、
    蒸着処理の際、上記被成膜基板に向けて、上記蒸着膜パターンとなる蒸着粒子を射出する複数の射出口が形成された射出部と、
    上記射出部と、上記被成膜基板との間に配され、上記複数の射出口から射出された蒸着粒子の、上記被成膜基板に対する入射角を制限するための複数の制限板と
    上記被成膜基板を、一方向に走査するための基板駆動部とを備え、
    上記射出部は、上記被成膜基板が配される側の面に開口部を有する容器形状の射出部本体と、
    上記開口部を覆い、互いに離間し、上記複数の射出口がそれぞれに形成されている複数のブロックとを備え
    上記基板駆動部が上記被成膜基板を走査する方向を第1の方向とすると、
    上記複数のブロックのそれぞれに配されている複数の射出口のピッチは、平面視で、上記第1の方向と直交する第2の方向に、非加熱の際、等ピッチであり、
    非加熱の際、上記複数の射出口のピッチは、上記複数のブロック間に跨って、上記第2の方向に等ピッチであることを特徴とする蒸着装置。
  2. 上記複数のブロックは、長手方向が互いに平行であり、上記第2の方向に一列に並んで配されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸着装置。
  3. 上記複数のブロックは、長手方向が互いに平行であり、当該複数のブロックのうち、少なくとも一つのブロックが、上記第1の方向にずれて配されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸着装置。
  4. 上記複数のブロックのそれぞれは、加熱されると、上記第1の方向にずれるように、互いに押し合う形状であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の蒸着装置。
  5. 上記ブロックはインバー材からなることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の蒸着装置。
  6. 上記射出部本体と、上記ブロックとは固定されていないことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の蒸着装置。
  7. 上記射出部本体は、上記開口部を複数有しており、
    上記複数のブロックのそれぞれは、上記複数の開口部のそれぞれを覆って配されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の蒸着装置。
  8. 上記射出部本体は、上記複数の開口部のそれぞれを、上記被成膜基板が配される側に突出させる突出部を複数有しており、
    上記複数のブロックのそれぞれは、上記複数の突出部のそれぞれを覆って配されていることを特徴とする請求項7に記載の蒸着装置。
  9. 上記射出部本体は、上記複数の開口部毎に、互いに分離されていることを特徴とする請求項7に記載の蒸着装置。
  10. 上記被成膜基板を、一方向に走査するための基板駆動部を備え、
    上記基板駆動部が上記被成膜基板を走査する方向を第1の方向とすると、
    上記複数のブロックのそれぞれに配されている複数の射出口のピッチは、平面視で、上記第1の方向と直交する第2の方向に、非加熱の際、等ピッチであることを特徴とする請求項5記載の蒸着装置。
  11. 上記複数のブロックのそれぞれは、平面視で平行四辺形であることを特徴とする請求項4に記載の蒸着装置。
  12. 上記複数のブロックのそれぞれの射出口は、並ぶ方向を結ぶ直線が、上記ブロックの長手方向に平行な向きから、平行四辺形の鋭角間を結ぶ対角線に沿う向きに近付くように傾斜して配されていることを特徴とする請求項11に記載の蒸着装置。
  13. 上記複数のブロックのそれぞれは、平面視で三角形または台形であり、隣接するブロックとは方向が反転して配されていることを特徴とする請求項4に記載の蒸着装置。
  14. 蒸着処理により、被成膜基板に所定の蒸着膜パターンを成膜する蒸着方法であって、
    蒸着処理の際、上記被成膜基板を、一方向に走査すると共に、上記蒸着膜パターンとなる蒸着粒子の、上記被成膜基板に対する入射角を制限するための複数の制限板間を通過させてから、上記被成膜基板に、上記蒸着粒子が到達するように、上記蒸着粒子を射出する工程を有し、
    上記蒸着粒子を射出する工程では、
    互いに離間する複数のブロックのそれぞれに形成されている複数の射出口から、上記蒸着粒子を射出し、
    上記被成膜基板が走査される上記一方向を第1の方向とすると、
    上記複数のブロックのそれぞれに配されている複数の射出口のピッチは、平面視で、上記第1の方向と直交する第2の方向に、非加熱の際、等ピッチであり、
    非加熱の際、上記複数の射出口のピッチは、上記複数のブロック間に跨って、上記第2の方向に等ピッチであることを特徴とする蒸着方法。
  15. 請求項14に記載の蒸着方法により、各副画素の発光層を成膜することを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
JP2013504707A 2011-03-15 2012-03-09 蒸着装置、蒸着方法、及び有機el表示装置の製造方法 Active JP5367195B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013504707A JP5367195B2 (ja) 2011-03-15 2012-03-09 蒸着装置、蒸着方法、及び有機el表示装置の製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011057236 2011-03-15
JP2011057236 2011-03-15
JP2013504707A JP5367195B2 (ja) 2011-03-15 2012-03-09 蒸着装置、蒸着方法、及び有機el表示装置の製造方法
PCT/JP2012/056127 WO2012124629A1 (ja) 2011-03-15 2012-03-09 蒸着装置、蒸着方法、及び有機el表示装置の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013187668A Division JP5529329B2 (ja) 2011-03-15 2013-09-10 蒸着装置、蒸着方法、及び有機el表示装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5367195B2 true JP5367195B2 (ja) 2013-12-11
JPWO2012124629A1 JPWO2012124629A1 (ja) 2014-07-24

Family

ID=46830701

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013504707A Active JP5367195B2 (ja) 2011-03-15 2012-03-09 蒸着装置、蒸着方法、及び有機el表示装置の製造方法
JP2013187668A Expired - Fee Related JP5529329B2 (ja) 2011-03-15 2013-09-10 蒸着装置、蒸着方法、及び有機el表示装置の製造方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013187668A Expired - Fee Related JP5529329B2 (ja) 2011-03-15 2013-09-10 蒸着装置、蒸着方法、及び有機el表示装置の製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9748526B2 (ja)
JP (2) JP5367195B2 (ja)
CN (1) CN103430625B (ja)
WO (1) WO2012124629A1 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2981667B1 (fr) * 2011-10-21 2014-07-04 Riber Systeme d'injection pour dispositif de depot de couches minces par evaporation sous vide
CN104099571A (zh) * 2013-04-01 2014-10-15 上海和辉光电有限公司 蒸发源组件和薄膜沉积装置和薄膜沉积方法
US9349922B2 (en) * 2014-08-25 2016-05-24 Boe Technology Group Co., Ltd. Mask, mask group, manufacturing method of pixels and pixel structure
US9804310B2 (en) 2015-02-17 2017-10-31 Materion Corporation Method of fabricating anisotropic optical interference filter
US10100397B2 (en) * 2015-02-25 2018-10-16 Sharp Kabushiki Kaisha Vapor deposition unit, vapor deposition device, and vapor deposition method
JP6121639B1 (ja) * 2015-06-09 2017-04-26 株式会社アルバック 巻取式成膜装置及び巻取式成膜方法
WO2017006810A1 (ja) * 2015-07-03 2017-01-12 シャープ株式会社 蒸着装置および蒸着方法
WO2017026357A1 (ja) * 2015-08-10 2017-02-16 シャープ株式会社 蒸着源および蒸着装置並びに蒸着膜製造方法
TWI575092B (zh) * 2015-08-13 2017-03-21 A vapor deposition device with temperature control collimating unit
WO2017051790A1 (ja) * 2015-09-24 2017-03-30 シャープ株式会社 蒸着源および蒸着装置並びに蒸着膜製造方法
WO2017170059A1 (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 シャープ株式会社 蒸着装置、蒸着方法及び有機el表示装置の製造方法
KR102571058B1 (ko) * 2017-02-20 2023-08-29 삼성전자주식회사 적층 구조물, 그의 제조방법, 및 이를 포함하는 액정 표시 장치
KR102369676B1 (ko) * 2017-04-10 2022-03-04 삼성디스플레이 주식회사 표시 장치의 제조장치 및 표시 장치의 제조방법
US10998531B2 (en) * 2017-12-12 2021-05-04 Universal Display Corporation Segmented OVJP print bar
KR20200040537A (ko) * 2018-10-10 2020-04-20 엘지디스플레이 주식회사 측향식 진공증착용 소스, 소스 어셈블리 및 이를 이용한 측향식 진공증착 장치

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004158337A (ja) * 2002-11-07 2004-06-03 Sony Corp 蒸着装置
JP2008081778A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Tokyo Electron Ltd 蒸着装置、蒸着装置の制御装置、蒸着装置の制御方法および蒸着装置の使用方法
JP2008208443A (ja) * 2007-02-28 2008-09-11 Sony Corp 蒸着成膜装置、蒸着成膜方法、および表示装置の製造方法
JP2010242116A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Fujifilm Corp 成膜方法と成膜装置、マスク、パターン膜、光電変換素子、及び太陽電池

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3345059A (en) * 1965-03-12 1967-10-03 United States Steel Corp Crucible for holding molten metal
US4897290A (en) * 1986-09-26 1990-01-30 Konishiroku Photo Industry Co., Ltd. Method for manufacturing the substrate for liquid crystal display
JP3401356B2 (ja) 1995-02-21 2003-04-28 パイオニア株式会社 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルとその製造方法
JP3019095B1 (ja) 1998-12-22 2000-03-13 日本電気株式会社 有機薄膜elデバイスの製造方法
US6911671B2 (en) * 2002-09-23 2005-06-28 Eastman Kodak Company Device for depositing patterned layers in OLED displays
JP4476019B2 (ja) * 2004-05-20 2010-06-09 東北パイオニア株式会社 成膜源、真空成膜装置、有機el素子の製造方法
US20090087545A1 (en) * 2005-09-20 2009-04-02 Tadahiro Ohmi Film Forming Apparatus, Evaporating Jig, and Measurement Method
JP5081516B2 (ja) * 2007-07-12 2012-11-28 株式会社ジャパンディスプレイイースト 蒸着方法および蒸着装置
JP5127372B2 (ja) * 2007-09-03 2013-01-23 キヤノン株式会社 蒸着装置
EP2168644B1 (en) * 2008-09-29 2014-11-05 Applied Materials, Inc. Evaporator for organic materials and method for evaporating organic materials
EP2168643A1 (en) * 2008-09-29 2010-03-31 Applied Materials, Inc. Evaporator for organic materials

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004158337A (ja) * 2002-11-07 2004-06-03 Sony Corp 蒸着装置
JP2008081778A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Tokyo Electron Ltd 蒸着装置、蒸着装置の制御装置、蒸着装置の制御方法および蒸着装置の使用方法
JP2008208443A (ja) * 2007-02-28 2008-09-11 Sony Corp 蒸着成膜装置、蒸着成膜方法、および表示装置の製造方法
JP2010242116A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Fujifilm Corp 成膜方法と成膜装置、マスク、パターン膜、光電変換素子、及び太陽電池

Also Published As

Publication number Publication date
WO2012124629A1 (ja) 2012-09-20
JP2014025150A (ja) 2014-02-06
CN103430625A (zh) 2013-12-04
CN103430625B (zh) 2015-09-23
JP5529329B2 (ja) 2014-06-25
US20140004641A1 (en) 2014-01-02
JPWO2012124629A1 (ja) 2014-07-24
US9748526B2 (en) 2017-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5367195B2 (ja) 蒸着装置、蒸着方法、及び有機el表示装置の製造方法
JP5612106B2 (ja) 蒸着方法、蒸着装置、及び有機el表示装置
JP5312697B2 (ja) 蒸着装置及び蒸着方法
JP5766239B2 (ja) 蒸着装置及び蒸着方法
JP5269256B2 (ja) 蒸着方法及び蒸着装置
JP5330608B2 (ja) 蒸着装置、蒸着方法、並びに、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法
WO2012099011A1 (ja) 被成膜基板、製造方法、および有機el表示装置
WO2012099019A1 (ja) 被成膜基板、有機el表示装置および蒸着方法
JP6567349B2 (ja) 蒸着方法及び蒸着装置
JP6404615B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子製造用マスク、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置、及び、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
WO2012133458A1 (ja) 表示用基板、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、およびそれらの製造方法
WO2014203632A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置
US9614155B2 (en) Vapor deposition apparatus, vapor deposition method, and method for producing organic electroluminescent element
JP5718362B2 (ja) 蒸着装置、蒸着方法、並びに、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法
JP5410618B2 (ja) 蒸着装置、蒸着方法、並びに、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法
WO2012108363A1 (ja) 坩堝、蒸着装置、蒸着方法、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130820

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130910

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5367195

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150