以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図4は鉢植え用の比較的小型の植物支持装置に採用した本発明の第1の実施形態を例示する。この植物支持装置は、図1〜図3に示すように安定板1と、この安定板1上に立設された網状支柱2とを備え、安定板1上に1個又は複数個の植木鉢Aを配置して、その植木鉢Aに植えられた蔓性植物Bを網状支柱2に絡ませて支持しながら栽培できるようになっている。
網状支柱2は下端が安定板1により支持された自立性を有する第1網体3と、この第1網体3の上部側の一側面に着脱自在に結合された第2網体4とを備えている。各網体3,4は左右方向に略等間隔をおいて配置された複数本(例えば7本程度)の縦材5,6と、上下方向に略等間隔をおいて配置された複数本の横材7,8とを有し、その縦材5,6と横材7,8とが縦横に交差する各交差部で溶接等により固着されている。
第1網体3は縦長状であり、第2網体4は第1網体3の横幅と略同じ程度の横長状である。第1網体3、第2網体4は横方向の中央から若干偏位した位置(例えば略1対2となる位置)で1本の縦材5,6に沿って平面視逆向きの山形状(屈曲角度が略直角又はそれに近い鈍角のへ字状)に屈曲されている。そして、この第1網体3と第2網体4は夫々の屈曲頂部3a,4aが外側となり、相手側の短辺側と長辺側とが周方向に隣接する状態で相対向して配置され、第2網体4が第1網体3の上部又は上端側の一側に着脱自在に結合されている。
従って、網状支柱2の上部側には、蔓性植物Bを周方向に繁茂させるための繁茂部9が第1網体3と第2網体4とによって矩形筒状に形成され、この繁茂部9が下側の第1網体3により片持ち状に支持されている。なお、繁茂部9は第1網体3の内側で安定板1上に載置された植木鉢Aから十分に離れた位置にある。
各横材8は横方向の両端に縦材6から突出する突起10を有する。そして、第1網体3と第2網体4との結合部13では、その複数本の横材8の両端の突起10が、第1網体3の両端の縦材5の内側の網目に挿入され、両網体3,4の横方向の両端の縦材5,6同士が当接した状態で両端の縦材5に弾性的に係合している。第2網体4の複数本の横材8は、第1網体3の対応する横材7の上側に位置し、第1網体3の横材7により下降しないように支持されている。なお、第2網体4は第1網体3の上端と略同一高さでもよいし、第1網体3から上側に突出するようにしてもよい。
第1網体3は山形状に屈曲する横材7に対して第2網体4側に縦材5が配置され、第2網体4は山形状に屈曲する横材8に対して第1網体3と反対側に縦材6が配置されており、第2網体4の横材8の両端の突起10が第1網体3の両端の縦材5に弾性的に係合したときに、両網体3,4の両端の縦材5,6同士が当接するようになっている。
結合部13の横材8の両端の突起10には、図3に示すように、その横材8の両端を外れ止め用の係合部11が予め設けられ、この係合部11を第1網体3の縦材5に係脱自在に係合させることによって突起10の外れを防止している。両係合部11は第1網体3の横材7の両端の突起12に沿うように横材8の両端を略直角に折り曲げることにより構成されている。なお、係合部11の折り曲げ角度は直角よりも大でも小でもよいが、係合部11の横材8から折り曲げ側への直角方向の突出量は、突起10を縦材5に係合させるときに、その係合部11が邪魔にならない程度の長さになっている。
安定板1は網状支柱2を自立状態で安定化させる安定化手段14を構成するものであって、石板、その他の安定性のよい材料により矩形状に形成されている。この安定板1には図4に示すように、第1網体3の各縦材5に対応する複数個の取り付け孔15が上下に貫通状に形成され、その取り付け孔15に第1網体3の各縦材5の下端の突起16が上側から挿脱自在に挿入されている。
なお、第1網体3はその下端の突起16を取り付け孔15に挿入して適宜手段により安定板1に固定してもよい。安定板1は各辺が繁茂部9の各辺と略平行になる矩形状に構成されているが、図1、図3に二点鎖線で示すように繁茂部9に対して斜めに傾斜状に設けてもよいし、その他の形状にしてもよい。また第1網体3、第2網体4の各辺は、図3に二点鎖線で示すように円弧状に湾曲させてもよいし,網状、その他の形状に屈曲させてもよい。第1網体3、第2網体4の各辺を円弧状等にした場合には、繁茂部9に丸みを持たせる等、繁茂部9の形状に変化を付けることが可能である。
この植物支持装置は庭、ベランダ等で鉢植えの蔓性植物Bを栽培する際に使用する。蔓性植物Bを植えた植木鉢Aを安定板1上に置き、その蔓性植物Bを網状支柱2に絡み付けて上に伸ばして行く。網状支柱2の上部には、第1網体3と第2網体4とによって矩形筒状に構成された繁茂部9があり、蔓性植物Bが繁茂部9まで成長すれば、この繁茂部9に沿って周方向に蔓性植物Bを繁茂させることができる。
従って、板状の偏平な網状支柱を使用する場合に比較して、網状支柱2の上部側で蔓性植物Bを立体的に繁茂させることができる。また網状支柱2は折り曲げた第1網体3と第2網体4とを山形状に折り曲げると共に、その両網体3,4を屈曲頂部3a,4aを外側にした状態で相対向状に結合して構成しているため、網状支柱2自体の剛性を容易に確保することができる。
第1網体3の一側面に第2網体4を結合するに当たっては、第2網体4を横材7,8の弾性に抗して横方向に弾性変形させた状態で、その両端の突起10を第1網体3の横方向の両端の縦材5,6の内側へと挿入しているので、両網体3,4が同一方向に屈曲する場合に比較して第1網体3に対する第2網体4の結合が非常に容易であり、網状支柱2の剛性を確保しながら両網体3,4を確実に結合することができる。従って、第1網体3の一側面に第2網体4を結合した網状支柱2を容易に製作でき、独自性のある個性的な植物支持装置を容易に製作することができる。
また第2網体4側の横材8の両端の突起10には外れ止め用の係合部11があるため、第2網体4を弾性変形させて両網体3,4を結合する際にも、その突起10の外れを未然に防止できる。また突起10に係合部11を設けることにより、横材8の両係合部11の先端間の間隔が大になるが、一方の突起10が係合した状態で第2網体4を鋭角状に弾性変形させながら他方の突起10を係合させればよいので、両網体3,4を係合させる上で、別段問題はない。
なお、この実施形態では、繁茂部9を矩形筒状に構成しているが、両網体3,4を鈍角状に屈曲させて、両網体3,4により菱形筒状の繁茂部9を構成するようにしてもよい。また第1網体3はその下端の突起16を安定板1の取り付け孔15に挿入する場合、突起16を安定板1に対して挿脱自在に挿入してもよいし、突起16の下端を安定板1の下側で折り曲げて挿脱不能に挿入してもよい。
図5〜図7は本発明の第2の実施形態を例示する。この植物支持装置では、網状支柱2の上部に棚部17を設けたものである。網状支柱2は、図5、図6に示すように、横方向の略中央で山形状に屈曲する第1網体3と、この第1網体3の一側面に結合部13で結合され且つ第1網体3から上方に突出する第2網体4とを有し、第2網体4は棚支持部17aと、棚支持部17aの上端から第1網体3の上方側へと屈曲する略水平状又は傾斜状の棚部17とを有する。
この実施形態では、第1網体3はその縦材5、横材7の間隔が第2網体4の縦材6、横材8の間隔の整数倍(例えば2倍)であり、第1の実施形態と同様に山形状に屈曲され且つ安定板1上に縦長状に固定されている。一方、第2網体4は平坦状であって、山形状に屈曲する第1網体3の開放端側に上下方向に配置されている。そして、第1網体3は、図7に示すように、その上部の複数本の横材7の両端の突起12に係合部11が設けられ、その突起12、係合部11が第2網体4の棚支持部17aの下部側の両端から2本目の縦材6の内側に挿入されて第2網体4の各縦材6に弾性的に係合している。
なお、第1網体3の横材7の突起12は第2網体4の両端の縦材6に係合するようにしてもよいし、それよりも内側の中間の縦材6に係合するようにしてもよい。また第2網体4の棚部17は第1網体3と反対側に設けてもよい。第2網体4の棚支持部17aはその上部側を棚部17と反対側に円弧状に湾曲させてもよい。
第1網体3は山形状に屈曲する横材7に対して第2網体4と反対側に縦材5が配置され、第2網体4は横材8に対して第1網体3側に縦材6が配置されており、第1網体3の横材7の両端の突起12が第2網体4の両端の縦材6に弾性的に係合したときに、両網体3,4の両端の縦材5,6同士が当接するようになっている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
この植物支持装置は、花が垂れ下がる藤等の蔓性植物の栽培に利用する。例えば、第1網体3を挟んで安定板1上に3個の植木鉢Aを置く等、安定板1上の適当位置に適当数の植木鉢Aを置く。そして、植木鉢Aの蔓性植物を第1網体3から第1網体3と第2網体4との間を経て第2網体4へと誘導し、第2網体4の上端の棚部17へと案内する。
従って、蔓性植物が藤等の場合には、その花房が棚部17から下方へと垂れ下がることとなり、見栄えよく蔓性植物を栽培することができる。勿論、棚部17以外の他の部分からも花房が垂れ下がるようにしてもよい。また棚部17の上側で多数の花が咲くように蔓性植物を栽培してもよい。
また第1網体3と第2網体4とを結合する際には、第1網体3を弾性変形させながら突起12を第2網体4の縦材6に係合させればよい。従って、両網体3,4の係合用の突起10,12は、第1の実施形態のように第2網体4に設けてもよいし、この実施形態のように第1網体3に設けてもよい。
図8、図9は本発明の第3の実施形態を例示する。この植物支持装置は、T字状の網状支柱2を備えている。即ち、網状支柱2は、縦長状の第1網体3と、この第1網体3の上部に着脱自在に結合され且つ第1網体3から左右両側に突出する横長状の第2網体4とを備え、その第2網体4により左右両側に広がる繁茂部9が構成されている。
第1網体3は横方向の略中央で山形状に屈曲され、この第1網体3の上部側のV字状に間放する一側面に第2網体4がT字状に結合されている。結合部13に対応する第1網体3の横材7は両端に突起12及び係合部11を有し、その突起12、係合部11が第2網体4の中間の縦材6に係脱自在に係合している。他の構成は第1又は第2の実施形態と同様である。
このような植物支持装置では、山形状に屈曲する第1網体3の内側で安定板1上に植木鉢Aを置く。そして、植木鉢Aの蔓性植物を第1網体3から第1網体3と第2網体4との間へと誘導し、左右両側に広がる第2網体4に沿って左右両側へと絡み付かせて行く。これによって第1網体3から第2網体4の全体にわたって正面視T字状に蔓性植物を繁茂させることができる。
なお、繁茂部9は、図9に二点鎖線で示すように平面視S状、波状又はその他の形状に湾曲又は屈曲させてもよい。また繁茂部9はその側面視形状をS状、波状又はその他の形状に湾曲又は屈曲させてもよい。
図10〜図12は本発明の第4の実施形態を例示する。この植物支持装置は、網状支柱2の上部外周に円形状の繁茂部9を備えている。即ち、網状支柱2は横方向の略中央で山形状に屈曲された第1網体3と、この第1網体3の上部側のV字状に間放する間放側と屈曲頂部3a側との両側面に結合された円弧状の二つの第2網体4A,4Bとを備え、その第2網体4A,4Bにより円形状の繁茂部9が形成されている。
各第2網体4A,4Bは横材8の両端に突起10、係合部11が設けられ、その突起10が第1網体3の両端の縦材5に弾性的に係合している。第1網体3は山形状に屈曲する横材7に対して第2網体4A側に縦材5が配置されている。第2網体4Aは横材8に対して第1網体3と反対側に縦材6が配置され、また第2網体4Bは横材8に対して第1網体3側に縦材6が配置されている。
従って、第1網体3の両側に第2網体4A,4Bを結合したときに、第2網体4Aの両端の縦材6が第1網体3の両端の縦材5に当接し、第2網体4Bの両端の縦材6が第1網体3の両端の縦材5の近傍で横材7に当接する。なお、第2網体4Bの縦材6は、第2網体4Aの縦材6と同様に第1網体3と反対側に設けてもよい。他の構成は各実施形態と同様である。
このような植物支持装置では、第1網体3の上部外周に、各第2網体4A,4Bによって構成された円形状の繁茂部9があるため、植木鉢Aから上側に伸びた蔓性植物をその胴部18に沿って周方向に絡み付かせながら栽培できる。なお、第2網体4A,4Bは細かく波状に湾曲しながら全体として円弧状に湾曲させてもよい。
図13、図14は本発明の第5の実施形態を例示する。この植物支持装置は、網状支柱2の上部に、外側に円弧状に突出する周方向に複数個、例えば3個の繁茂部9が設けられている。網状支柱2は、山形状に屈曲する縦長状の第1網体3と、この第1網体3の上部外周に装着された複数個(例えば3個)の第2網体4とを備え、その各第2網体4により各繁茂部9が構成されている。
第1網体3は横方向の略中央で山形状に屈曲されている。3個の第2網体4は半円状、その他の適宜形状の円弧状に湾曲している。そして、2個の第2網体4は山形状に屈曲する第1網体3の二辺に対応してその外側に配置され、その横材8の両端の突起10が第1網体3の二辺の両端の縦材5に弾性的に係合している。また残りの1個の第2網体4は第1網体3の開放側の内部に対向して配置され、その横材8の両端の突起10が第1網体3の両端から2個目の縦材5に弾性的に係合している。従って、第1網体3の上部外周には、円弧状に突出する繁茂部9が周方向に略等間隔をおいて3個配置されている。他の構成は各実施形態と同様である。
なお、突起10は係合部11を有する。第2網体4は図14に二点鎖線で示すように外側へと大きく突出する円弧状にしてもよいし、その他の形状、例えばコ字状、V字状に構成してもよい。
この場合にも第1網体3及び3個の第2網体4に絡み付かせながら蔓性植物を栽培することができる。しかも網状支柱2の上部に、第2網体4により形成され各外側に突出する繁茂部9が周方向に3個あるため、その各繁茂部9の配置に従って蔓性植物を繁茂させることができる。
図15〜図22は本発明の第6の実施形態を例示する。この植物支持装置は、図16〜図18に示すように、網状支柱2がベランダ等の下構造物20と上構造物21との間に上下方向の突っ張り状に設置されている。即ち、植物支持装置は、下構造物20上に配置された安定板1と、上構造物21側に当接する当接板22と、これら安定板1及び当接板22間に上下方向に突っ張り状に配置された網状支柱2とを備え、安定板1上又はその近傍に植木鉢Aを配置して、その植木鉢Aに植えられたバラ、ツタ等の長尺性の鑑賞用植物を網状支柱2に絡ませて栽培するようになっている。
網状支柱2は下側の第1網体3と上側の第2網体4とを上下に接合して構成されている。各網体3,4は横方向の略中央よりも若干偏位した位置で1本の縦材5,6に沿って平面視へ字状(山形状)に屈曲されている。第1網体3と第2網体4は、網状支柱2の中間の結合部13において両者の短辺同士、長辺同士が相対向すべく上下方向に接続され固定具23により固定されている。なお、各網体3,4は横方向の略中央で略直角に屈曲する山形状でもよい。また第1網体3、第2網体4は山形状以外の形状に屈曲又は湾曲させてもよい。
両網体3,4の結合部13では第1網体3の一側面に第2網体4が配置され、第2網体4の下部側の複数本の横材8の両端の突起10が第1網体3の幅方向の両端の縦材5の内側で網目に挿入されて、両網体3,4の両端の縦材5,6同士が当接した状態で第2網体4の横材8の突起10が第1網体3の縦材5に弾性的に係合している。
第1網体3は山形状に屈曲する横材7の第2網体4側に縦材5が配置され、第2網体4は山形状に屈曲する横材8の第1網体3と反対側に縦材6が配置されており、第2網体4の横材8の両端の突起10が第1網体3の両端の縦材5に弾性的に係合したときに、両網体3,4の両端の縦材5,6同士が当接している。
両網体3,4の縦材5,6、横材7,8は図18に示すような配置でもよい。例えば、図18(a)に示すように両網体3,4の縦材5,6を横材7,8の内側に配置してもよいし、図18(b)に示すように両網体3,4の縦材5,6を横材7,8の外側に配置してもよい。また図18(c)に示すように第1網体3の縦材5を横材7の外側に、第2網体4の縦材6を横材8の内側に夫々配置してもよい。
網状支柱2は両網体3,4の上下の横材7,8間の寸法内で微調整可能であり、その調整後に固定具23で当接状態にある縦材5,6同士が締結し固定されている。固定具23には例えば図19、図20に示すように、当接状態の2本の縦材5,6に巻き付ける締結バンド24と、この締結バンド24を締め付ける締結ネジ25及び締結ナット26とを備えた締結式のものが使用されている。なお、固定具23は両網体3,4の縦材5,6同士を着脱自在に固定できるものであれば十分である。
第2網体4の下部側の一部の横材8には、その突起10に係合部11が設けられており、その係合部11が第1網体3の両端の縦材5に外れないように係合している。
安定板1、当接板22は矩形状に構成されているが、他の形状でもよい。安定板1には、図21に示すように、第1網体3の各縦材5に対応して長孔、丸孔等の取り付け孔15が形成され、その各取り付け孔15に第1網体3の縦材5の下端の突起16が上側から、U字状の固定材27が下側から夫々挿通されている。
固定材27は安定板1の裏側に沿って配置された裏側部27aと、この裏側部27aの両端から縦材5に沿って起立して取り付け孔15に挿通された起立部27bと、各起立部27bの上端側を折り曲げて形成され且つ第1網体3の横材7に係合する係合部27cとを有し、安定板1に第1網体3を自立状に固定するようになっている。固定材27の起立部27b間の間隔は、第1網体3の縦材5間の間隔よりも若干小さく、2本の縦桟5の内側に各起立部27bが位置するようになっている。
なお、固定材27の裏側部27aは、安定板1の安定性が向上するように、二つの取り付け孔15間で安定板1の裏面に形成された連絡溝15a内に収めてもよい。また固定材27の裏側部27aは、安定板1の裏面に沿って上下に薄い偏平状にして、安定板1の安定性を確保するようにしてもよい。固定材27の起立部27b間の間隔は第1網体3の縦材5間の間隔と略同一として、図21(a)に二点鎖線で示すように、各縦材5に対して同じ側に起立部27bが位置するようにしてもよい。
当接板22は、図22に示すように、第2網体4の各縦材6に対応する取り付け孔28を有し、その各取り付け孔28に第2網体4の縦材6の上端の突起29が下側から挿入されている。なお、当接板22はその取り付け孔28に第2網体4の突起29を挿入しただけであるが、安定板1と同様に第2網体4に固定してもよい。なお、安定板1、当接板22は構造物20,21がコンクリート等の場合には省いて、網状支柱2を直接各構造物20,21に当接してもよい。他の構成は各実施形態と同様である。
この植物支持装置は、次のようにしてマンションのベランダ等に設置する。施工に際しては、予めへ字状に折り曲げた第1網体3及び第2網体4を準備し、その第1網体3の縦材5の下端側の突起10を安定板1の取り付け孔15に挿入する。このとき安定板1の取り付け孔15に下側から固定材27を挿入しておき、その後、その各取り付け孔15に上側から第1網体3の縦材5の突起16を挿入することが望ましいが、逆でもよい。
第1網体3の各縦材5の突起16を安定板1の取り付け孔15に挿入した後、固定材27の起立部27bを第1網体3の下から二番目の横材7に引っ掛けて下側へと折り曲げることにより係合部27cを形成し、この固定材27により第1網体3を安定板1上に固定する。第1網体3はへ字状に屈曲してそれ自体で剛性を有し、しかも固定材27で安定板1に固定されているため、第1網体3に十分な剛性を持たせることができる。
次に第2網体4の縦材5の上端の突起10を当接板22の取り付け孔28に挿入した後、当接板22が天井の下側近傍に位置するように、第2網体4の下部を第1網体3の上部に結合する。この場合、第2網体4の下部側を横材8の弾性に抗して、その横方向の両端の突起10を第1網体3の横方向の両端の縦材5の内側へと挿入し、第2網体4の横材8の弾性により第2網体4の下部側を幅方向に拡大方向に復元させると、両網体3,4の横方向の両端の縦材5,6同士が当接した状態で第2網体4の突起10が第1網体3の縦材5に係合する。
この結合状態では、第1網体3の横材7上に第2網体4の横材8が重なった状態となり、上下の横材7,8間の間隔の範囲内で第2網体4を上方に摺動させてその高さを調整することができる。そこで、第2網体4を第1網体3に対して上側へと摺動させて当接板22を天井側に当接させ、上下両側に突っ張った状態で固定具23により両網体3,4の幅方向の両端の縦材5,6同士を締結して固定する。
これによってマンションのベランダ等において、その下構造物20と上構造物21との間に網状支柱2を上下方向に突っ張った状態に容易に設置することができ、植木鉢Aに植えた蔓性植物をその網状支柱2に絡み付かせて栽培することができる。このためマンションのベランダ等の緑化力に寄与できる。
また網状支柱2はへ字状に折り曲げた第1網体3と第2網体4とを相対向状に結合して構成しているため、各網体3,4の剛性を十分に確保でき、下構造物20と上構造物21との間に突っ張り状に設置されていることと相俟って強風等に対しても十分に抗することができる。
第1網体3の一側面に第2網体4を接合するに当たっては、第2網体4の下部側を横材8の弾性に抗して、その横方向の両端の突起10を第1網体3の幅方向の両端の縦材5の内側へと挿入し、第2網体4の横材8の弾性力により第2網体4の下部側を横方向に拡大方向に復元させて結合すればよいので、両網体3,4が同一方向に屈曲する場合に比較して第1網体3に対する第2網体4の結合が非常に容易であり、網状支柱2の剛性を確保しながら両網体3,4を確実に結合することができる。
またへ字状に屈曲する両網体3,4を結合部13で内向きに対向させて結合しており、その結合部13の上下で両網体3,4の屈曲形状が逆向きになっているため、両網体3,4が同一方向に屈曲する場合に比較して蔓性植物の絡み付きに変化を持たせること、網状支柱2の結合部13とその上下両側でアクセントを持たせることも可能である。
図23〜図26は本発明の第7の実施形態を例示する。この植物支持装置は、図23、図24に示すように、アーチ状に構成された網状支柱2と、この網状支柱2の左右両端の下部に装着された左右一対の安定板1とを有し、バラ、ツタ、テッセン等の長尺性植物を網状支柱2に沿ってアーチ状に仕立てるようになっている。
網状支柱2は、各安定板1から平面視へ字状に屈曲形成され且つ各安定板1から起立する左右一対の第1網体3と、各第1網体3の上側に結合され且つ上端側が相手側へと円弧状に湾曲する左右一対の第2網体4と、各第2網体4の上端間を連結する連結網体31とを備え、全体として正面視アーチ状に構成されている。
第1網体3、第2網体4は共に縦長状である。各第1網体3は、図24に示すように、横方向の略中央で縦材5に沿って山形状に屈曲されている。各第1網体3は、図26に示すように、縦材5の下端の突起16が安定板1の取り付け孔15に挿通され、固定材27により安定板1に固定されている。
固定材27は針金等の金属線材であって、図26に示すように、両端側を安定板1の隣接する2個の取り付け孔15に下側から挿通して縦材5,6に沿って上側へと引き出して、下から2本目の横材7と縦材5との交差部32に巻き付けた後、その下側で縦材5に巻き付けることにより、第1網体3を安定板1に固定するようになっている。なお、第1網体3は第6の実施形態と同様にして安定板1に固定してもよい。
左右の第1網体3はその屈曲頂部3aが内向きに相対向するように配置されており、この各第1網体3の外側上部に、横材7の外側に突出する両端の突起12を利用して、各実施形態と同様に第1網体3から上方に突出する第2網体4が結合されている。第1網体3と第2網体4との結合部13では、例えば図25(a)に示すように第1網体3の横材7の突起12に縦材6に係合する係合部11が設けられている。なお、図25(b)に示すように、両網体3,4を結合した後に第2網体4の横材8の両端の突起10を縦材5,6側に折り曲げて折り曲げ部8aを形成してもよい。
左右の第2網体4は図23、図24に示すように上側が内側へと湾曲しており、その上端の横材7,8同士が連結網体31を介して連結されている。連結網体31も各網体3,4と同様に縦材34と横材35とを備え、その対向する両端に横材8,35同士が当接した状態で縦材34の両端の折り曲げ部34aにより離脱不能に結合されている。なお、両第2網体4の上端の横材7,8同士を当接させて、金属線材等の締結手段で締結してもよい。他の構成は各実施形態と同様である。
この植物支持装置を使用してバラ、テッセン、ツタ等の長尺性植物を栽培する場合には、その長尺性植物を植えた植木鉢Aを第1網体3の外側で左右の安定板1上に載せる。そして、第1網体3に絡み付かせながら両網体3,4の結合部13内を経て第2網体4側へと案内し、その第2網体4の内外の何れかに沿って上へと伸ばして、全体として第1網体3、第2網体4に沿ってアーチ状に仕立てて行けばよい。
このような植物支持装置の場合にも、各実施形態と同様に第1網体3と第2網体4とを容易且つ確実に結合できる利点がある。また山形状に屈曲する左右の第1網体3の屈曲頂部3aを内側に向けて配置して、その第1網体3の外側に第2網体4を結合しているため、第1網体3の裏側に第2網体4を配置する場合に比較してアーチ状の植物支持装置の安定性が向上する。
従って、安定板1の外側に植木鉢Aを載せることと相俟って、植物の成長に伴って左右の第2網体4の上端側に大きな重量が加わるようになっても、第1網体3の内側への倒れを未然に防止できる。また第1網体3と第2網体4との結合部13には係合部11を設けているので、第1網体3と第2網体4とが外れるようなこともない。
なお、この実施形態ではアーチ状になっているが、頂部側を平坦な棚状に構成して、左右両側が支柱部により支持された藤棚、キウイ棚、ブドウ棚を構成するようにしてもよい。
図27は本発明の第8の実施形態を例示する。アーチ式の植物支持装置では、平面視山形状に屈曲した第1網体3を使用するが、その屈曲形状は横方向の中央でく字状に屈曲させる他、図27に示すようにへ字状に屈曲させたものを使用してもよい。またへ字状の第1網体3を使用する場合、図27(a)に示すように左右対称に配置してもよいし、図27(b)に示すように左右非対称に配置してもよい。何れの場合にも、第2網体4は左右の各第1網体3の外側(開放側)に結合するのが望ましい。他の構成は第7の実施形態と同様である。
図28は本発明の第9の実施形態を例示する。アーチ式、その他の植物支持装置において、その第1網体3は図28(a)(b)に示すように縦材5に対応する箇所で横材7をM字状又はW字状に折り曲げたものを使用してもよい。
このような屈曲形状の第1網体3を使用すれば、縦長状の第1網体3の立て方向の剛性が増大するため、植物支持装置が大型のアーチ式の場合にも、その剛性を大にできる利点がある。また第1網体3を非対称の屈曲形状とすることにより、変化に富んだ味わいのある植物支持装置を得ることができる。他の構成は第7の実施形態と同様である。
図29は本発明の第10の実施形態を例示する。アーチ式、その他の網状支柱2を備えた各種の植物支持装置を庭等の地面37に設置する際には、第1網体3の下端側の安定化手段14は、図29に示すように、地面37に据え付け穴38を掘って土中に埋め込むようにしてもよい。
図29(a)の場合には、先ず第1網体3の縦材5の下端の突起16を安定板1の取り付け孔15に挿通して、その安定板1の下側で折り曲げて抜け出し不能に固定する。そして、その安定板1を地面37の据え付け穴38内に設置した後、その据え付け穴38に土38aを埋め戻して第1網体3の下端及び安定板1を土中に埋め込む。
また図29(b)の場合には、先ず地面37の据え付け穴38内にアンカー杭39を打ち込む。そして、その据え付け穴38内に第1網体3を据え付けて、第1網体3とアンカー杭39とを棕櫚紐、針金等の締結手段36で結合した後、据え付け穴38に土38aを埋め戻して、第1網体3の下端及びアンカー杭39を土中に埋め込む。アンカー杭39は第1網体3の両端側と中間の屈曲頂部3a側との3箇所に設けるのが望ましい。
なお、第1網体3は第1〜第5、第7〜第9の各実施形態と同様に平面視山形状に屈曲している。また網状支柱2は第2網体4と結合せずに第1網体3単独で構成してもよいし、第1網体3から上側の部分を各実施形態と同様に構成してもよい。
このように安定化手段14を構成する安定板1、アンカー杭39等を地面37内に埋め込むことによって、地面37上に安定板1等が露出する場合に比較して見栄えが向上し、また蔓性植物を地面37に直植えする場合にも安定板1等が邪魔になるような問題もない。勿論、蔓性植物は地面37に直植えしてもよいし、第1網体3の近傍に配置した植木鉢Aに植えてもよい。また図29(a)の安定板1を省略して、第1網体3の下部を所定深さまで地中に埋め込んでもよい。
図30、図31は本発明の第11の実施形態を例示する。この植物支持装置は、網状支柱2の下部を地中に埋め込む一方、その網状支柱2の安定化手段14として木杭、竹杭等の複数本のアンカー杭39を利用している。なお、網状支柱2は山形状に屈曲する第1網体3を有する等、各実施形態と同様である。
この場合には、図30、図31に示すように、地面37に第1網体3の屈曲形状に沿って幅の狭い溝状の据え付け穴38を堀り、その据え付け穴38内に第1網体3を据え付けた後、据え付け穴38に土38aを埋め戻して、第1網体3の下端を土中に埋め込む。
一方、土38aの埋め戻し前又は後に、第1網体3の屈曲頂部3aの内側で地面37に1本のアンカー杭39を打ち、また第1網体3の各辺の外側に各辺に沿って地面37に1本又は複数本のアンカー杭39を打つ。そして、第1網体3の適当箇所を各アンカー杭39に棕櫚紐等の締結手段36により締結する。これによってアンカー杭39、締結手段36等によって安定化手段14を構成することができ、この安定化手段14により第1網体3を地面37に固定できる。
アンカー杭39は略同じ長さのものを使用してもよいが、第1網体3の両端部、中間の屈曲頂部3aの内側に長いものを配置し、その中間に短いものを配置する等、場所によって長さを変えてもよい。
このように地面37に第1網体3の屈曲形状に沿って溝状の据え付け穴38を掘って、その据え付け穴38内に第1網体3の下端部を据え付けることにより、第1網体3の下端部を土中に埋め込んでいるにも拘わらず、その据え付け穴38の掘削幅を少なくできる。また木杭等のアンカー杭39を使用し、そのアンカー杭39を第1網体3に沿って地面37上に露出状に打ち込んだ後、第1網体3を各アンカー杭39に締結することにより、植物支持装置を蔓性植物の栽培に適した風情に仕上げることができる。
また第1網体3の内外両側にアンカー杭39を配置することにより、複数本のアンカー杭39により第1網体3を確実に固定でき、網状支柱1に絡まって蔓性植物が繁茂した状態で風圧を受けたような場合にも、その網状支柱1の転倒を未然に防止できる。また地面37に複数本のアンカー杭39を打ち込む場合には、全てのアンカー杭39を略平行に打ち込むよりも、図30、図31の右側に示すように、その1本又は複数本のアンカー杭39を他のアンカー杭39と異なる方向に打ち込むことが望ましい。
図32〜図35は催し物会場に設置するフェンス、仕切り等の仕切り装置に採用した本発明の第12の実施形態を例示する。この仕切り装置は、図32、図33に示すように、所定間隔を置いて配置された縦長状の第1網体3と、この第1網体3の上部に着脱自在に装着された横長状の第2網体4と、隣り合う第2網体4の中間に配置され且つ両第2網体4間を連結する横長状の第3網体40とを備えている。第1〜第3網体3,4,40は各実施形態と同様であり、複数個の縦材5,6,41と横材7,8,42とを交差部で固着して構成されている。
第1網体3は第2網体4を支持する支持用であって、平面視山形状に構成されており、下端部に装着された安定板1の支持により自立可能である。なお、第1網体3は図33に実線で示すように横方向の中央から若干偏位した位置で屈曲してもよいし、図33に二点鎖線で示すように横方向の中央位置で屈曲してもよい。第1網体3の上部一側には横長状の第2網体4が配置されており、第1網体3の上部側の複数個の横材7の両端の突起12を、第2網体4の中間の対応する縦材6に弾性的に係合させることにより、第1網体3に着脱自在に結合されている。
第2網体4、第3網体40は仕切り用であって、外周側の突起がない構造になっている。第3網体40は第2網体4と略同じ上下幅を有し、隣り合う第2網体4間に配置され、両端の縦材6,41同士が連結具43により連結されている。
連結具43は図34、図35に示すように、第2網体4及び第3網体40の上下の横材8,42間の間隔に対応する長さを有し、対応する上下の横材8,42間で両網体4,40の両端の縦材6,41廻りに屈曲回動可能に連結するようになっている。この連結具43は、C字状その他に屈曲する上下一対の連結部43aと、この上下の両連結部43aを一体に接続する接続部43bとを備え、連結部43aで第2網体4及び第3網体40の両端の縦材5,6を回動自在に抱き込むようになっている。従って、第2網体4と第3網体40は、図33に示すように、連結具43の中心廻りに屈曲可能である。なお、連結具43は第2網体4に対して第3網体40が極端に低くならないように両者を連結できるものであればよい。
このように自立性を有する縦長状の支持用の第1網体3と、この第1網体3の上部に着脱自在に装着される横長状の仕切り用の第2網体4とを組み合わせることによって、直線状又は屈曲状の仕切り装置を簡便に製作することができる。また隣り合う第2網体4は直接連結してもよいが、隣り合う第2網体4間を連結する第3網体40を利用することによって、全体の長さに対して第1網体3の数を低減することができる。
なお、安定化手段14は地面に打ち込んだ杭、第1網体3に装着した砂袋等の重錘により構成してもよい。また仕切り装置が半恒久的な場合には、第1網体3の下端の安定化手段14は地面に埋設してもよいし、コンクリート、モルタル等で固定してもよい。また第2網体4、第3網体40が第1網体3の上部にあり、網体4,40の下側が開放状になっているが、第1網体3の立て方向の略全長に第2網体4、第3網体40が対応するように、第1網体3の高さと網体4,40の高さを略同じにしてもよい。
図36は本発明の第13の実施形態を例示する。段差、傾斜等のある設置部位45a,45bに設置する仕切り装置の場合には、図36に示すように、隣り合う第2網体4間に第3網体40を介装するに当たって、その高低差に応じた長さの連結具43を使用する。そして、連結具43の下端が第2網体4の横材8に、上端が第3網体40の横材42に当接するようにして、この連結具43により第2網体4と第3網体40との両端の縦材6,41同士を連結する。他の構成は各実施形態と同様である。
このようにすれば、各第1網体3の設置箇所に段差があるような傾斜地に仕切り装置を設置する場合にも、第1網体3の設置箇所の相互間の段差の略1/2で各網体4,40の高さが変化するように第2網体4及び第3網体40を設置することができる。従って、高低差がある場合にも容易に対応することが可能である。
なお、連結具43の上下寸法は、必ずしも第2網体4と第3網体40との横材7,8の高低差に応じたものにする必要はない。他の構成は第12の実施形態と同様である。従って、第1網体3、第2網体4、第3網体40の高さを略同一高さとし、第2網体4、第3網体40が地面に近接するようにしてもよい。
図37は本発明の第14の実施形態を例示する。この仕切り装置は、長手方向に複数個の第2網体4を連結具43で連結すると共に、その第2網体4の連結部44に対応して縦長状の第1網体3が配置され、この第1網体3の横材7の両端の突起12を各第2網体4の縦材6に係合させることにより、第1網体3が隣り合う2個の第2網体4に跨がって結合されている。例えば図37の左側の第1網体3は隣り合う第2網体4の直線状連結部44aに対応して配置され、右側の第1網体3は隣り合う第2網体4の入隅状連結部44bに対応して配置されている。他の構成は第12、第13の実施形態と同様である。
このように第1網体3の横材7の両端の突起12を第2網体4の対応する縦材6に弾性的に係合させて、第1網体3と第2網体4とを結合する場合にも、第2網体4が1個の一体構造である必要はなく、連結具43で連結された二つの第2網体4でもよい。従って、設置場所の条件に応じたフェンス等の仕切りを簡便に自在に製作することができる。
図38〜図41は本発明の第15の実施形態を例示する。この仕切り装置は、図38、図39に示すように、リング状、その他の連結具43により長手方向に連結され且つ地面(又は床面)37に近接又は接地する複数個の仕切り用の第2網体4と、地面37上に起立して第2網体4をその一側面の裏側から支持する複数個の支持用の第1網体3と、第1網体3を地面37上に起立状に保持する重錘46と、第2網体4の第1網体3とは反対側に装着された化粧シート等の化粧材50とを備えている。
第2網体4は横長状又は縦長状であって、縦材6と横材8とが縦横に配置され、外周が矩形状に形成されている。第1網体3は縦材5と横材7とを縦横に備え、山形状に屈曲している。第1網体3の上下方向に複数個の横材7の内、下端の横材7を除く各横材7は各実施形態と同様に縦材5から突出し且つ第2網体4の縦材6に弾性的に係合する突起12を有し、その各突起12に外れ止め用の係合部11a,11bが一体に折り曲げ形成されている。
図40、図41に示すように、一方の係合部11aは略直角に折り曲げる等、屈曲角度が大であり、他方の係合部11bは一方の係合部11aよりも屈曲角度の小さい直角未満の角度で屈曲している。従って、横材8から折り曲げ側への直角方向の突出量は、係合部11aが大であり、係合部11bが小である。第1網体3の突起12は第2網体4の横材8の下側近傍に位置している。なお、第1網体3の突起12が第2網体4の横材8の下側に係合した場合には、第2網体4と地面37との間に隙間が生じるが、その場合には地面37との間に適宜スペーサを挿入してもよい。
重錘46は砂袋等であって、第1網体3、第2網体4が転倒しないように、第2網体4から遠い第1網体3の屈曲頂部3a側に着脱自在に引っ掛けて吊り下げられている。化粧材50は第2網体4の表側に適宜手段により着脱自在に装着されている。なお、第1網体3は第2網体4毎に設けてもよいし、2以上の数個目の第2網体4に対応して設けてもよい。また第1網体3は第2網体4と略同一高さでもよい。他の構成は各実施形態と同様である。
このような構成の仕切り装置では、第1網体3の両端の突起12を第2網体4の縦材6に係合させる場合には、図40に二点鎖線で示すように、その一方の突起12の係合部11aを第2網体4の一方の縦材6に係合した後に、この一方の突起12の係合部11a側を中心にX矢示方向に外力を加えて、第1網体3を二点鎖線で示すように弾性変形させた後、第1網体3を係合部11a廻りにY矢示方向に回動させながら、横材7を復元させて他方の突起12の係合部11bを第2網体4の縦材6に係合させる。
このとき一方の突起12の係合部11aの屈曲角度が大(係合量が大)であるため、第1網体3を回動させる際等に、その突起12が第2網体4の縦材6から外れるようなことはない。また他方の突起12の係合部11bの屈曲角度が大であれば、図41に二点鎖線で示すように、突起12を第2網体4の縦材6に係合させる際に、第1網体3をX矢示方向に大きく弾性変形させる必要がある。しかし、この突起12の係合部11bの屈曲角度が小(係合量が小)であるため、第1網体3を大きく弾性変形させる必要がなく、突起12を容易に係合させることができる。従って、第1網体3を第2網体4に容易且つ迅速に結合することができる。
また第1網体3と第2網体4とを結合した状態で地面37に配置し、その第1網体3に重錘46を吊り下げる構造であるため、催し物会場等において設置場所の条件を問わずに容易に設置することができる。
しかも第1網体3の突起12が第2網体4の横材8の下側近傍にあるため、第1網体3に対して後方への転倒方向に外力が加わるようなことがっても、第1網体3の突起12が第2網体4の横材8の下側に係合するため、化粧材50を含む第2網体4側の荷重によって第1網体3の後方への転倒を阻止することができ、安定性が一段と向上する利点がある。
図42〜図46は本発明の第16の実施形態を例示する。この仕切り装置は、図42、図43に示すように、連結具43により長手方向に連結され且つ地面(又は床面)37に近接又は接地する複数個の仕切り用の第2網体4と、地面37上に起立して隣り合う第2網体4の連結部44をその一側面で裏側から支持する複数個の支持用の第1網体3と、第1網体3を地面37上に起立状に保持する重錘46と、第1網体3と隣り合う第2網体4の連結部44又は一方の第2網体4との間に設けられ且つ隣り合う第2網体4相互の相対角度を規制する規制手段51と、第1網体3と反対側で第2網体4に装着された化粧シート等の化粧材50とを備えている。
第1網体3の横材7の両端の突起12、係合部11a,11bは第15の実施形態と同様であり、隣り合う第2網体4の縦材8に係脱自在に係合している。規制手段51は紐、針金その他の引張部材52により構成された引っ張り式であり、隣り合う第2網体4の表側を略直線状又は入隅状に規制する箇所では、図44、図45に示すように、第1網体3の屈曲頂部3aの縦材5と第2網体4の連結部44a,44bの連結具43との間に設けられ、隣り合う第2網体4の表側を出隅状に規制する箇所では、図46に示すように、第1網体3の屈曲頂部3a側に近い縦材5と一方の第2網体4の縦材6との間に設けられている。
即ち、2個の第2網体4を略直線状に保持する直線状連結部44aでは図44に、2個の第2網体4を入隅状に保持する入隅状連結部44bでは図45に夫々示すように、連結具43と第1網体3の屈曲頂部3aの縦材5と第2網体4の連結部44の連結具43との間に引張部材52が設けられている。そして、この引張部材52の長さを適宜調整することにより、2個の第2網体4を直線状と所定角度の入隅状との間で任意に変化させることができる。
また2個の第2網体4を出隅状に保持する出隅状連結部44cでは、図46に実線又は二点鎖線で示すように、第1網体3の屈曲頂部3aに近い側の縦材5と一方の第2網体4の適当位置の縦材6との間に引張部材52が設けられている。引張部材52は連結部44、連結具43から離れた位置、例えば第1網体3の突起12が係合する縦材6に対して連結部44cと反対側にある縦材6と、第1網体3の屈曲頂部3a側の縦材5とに跨がって設ける等、連結部44から離れた位置の第2網体4側と、第1網体3の屈曲頂部3a側との間に設けるのが望ましい。そして、この引張部材52の長さを適宜調整することにより、2個の第2網体4を所定角度の出隅状に任意に変化させることができる。他の構成は第15の実施形態と同様である。
このように引張部材52により構成された規制手段51を設けることにより、隣り合う2個の第2網体4を略真っ直ぐな状態に保持できるだけでなく、連結部44b,44cを支点として2個の第2網体4を入隅状、出隅状に任意に屈曲させることができる。従って、催し物会場等の仕切り装置として使用する場合には、その設置現場の条件に応じて第2網体4を直線状、屈曲状の何れにも自在に配置できる利点がある。
また引っ張り式の規制手段51に例えば紐等の規制部材52を使用することにより、第2網体4を直線状、屈曲状の何れに配置する場合にも容易に対応することができる。しかも規制手段51が引っ張り式であるため、突っ張り式等のように剛強にする必要がなく簡単なものを使用できる。
更に第2網体4を連結具43で長手方向に多数連結しているような場合でも、第1網体3、重錘46、化粧材50等を取り外した後は、連結具43により連結された状態のままで各第2網体4をジグザグ状に折り畳むことが可能であり、設置、撤去、運搬等に際しての取り扱いも容易である。
なお、引張部材52は紐等の他に、両端に係合部を有する棒状のものでもよい。また規制手段51は突っ張り式でもよい。
図47、図48は植木鉢載置装置に採用した本発明の第17の実施形態を例示する。この植木鉢載置装置は、第1網体3により構成された左右一対の支持脚47と、第2網体4により構成され且つ支持脚47により下側から支持された載置台48とを備え、その載置台48を構成する第2網体4の各網目部分が植木鉢A用の挿入部49となっている。なお、植木鉢Aの鑑賞用植物は、長尺性植物である必要はない。
第1網体3、第2網体4は各実施形態と同様に縦材5,6と横材7,8とが縦横に配置されている。支持脚47は第1網体3を折り曲げて構成されており、前後両側に上広がり状に配置された前支持部47a及び後支持部47bと、これら前支持部47a、後支持部47b間を前後に連結する連結部47cと、連結部47cの前後両側に設けられた接地部47d,47eとを一体に有する。
各支持部47a,47bはその上端側の横材7から上側に突出する突起12を左右方向に複数個(例えば3個)有し、その各突起12が複数個(例えば3個)の前後両端又は両端から内側へ2個目の横材8の内側に弾性的に係合し、且つ第1網体3の上端側の横材7が複数個の縦材6に下側から当接している。前支持部47aは後支持部47bよりも若干短くなっており、載置台48(第2網体4)は前下り状に傾斜している。
なお、第1網体3と第2網体4との突起12による係合構造は各実施形態と同様である。また載置台48は前後、左右が略水平状でもよい。左右の支持脚47を連結して、1個の支持脚47により載置台48を支持するようにしてもよい。また載置台48は側面視形状が波状になるように構成してもよい。載置台48は前後幅に対して左右幅が大であるが、左右幅と前後幅が同程度でもよいし、左右幅に対して前後幅が大でもよい。
このような構成の植木鉢載置装置では、第2網体4により構成された載置台48の挿入部49に植木鉢Aを挿入して載置する。植木鉢Aを挿入部49に挿入して載置するため、載置台48上での植木鉢Aの移動、倒れ等を防止できる利点がある。植木鉢Aが接近し過ぎる場合には、各挿入部49に植木鉢Aを千鳥状に配置すればよい。また植木鉢Aが挿入部49よりも大きい場合には、複数の挿入部49に跨がって縦材6、横材8上に載置してもよい。
図49は本発明の第18の実施形態を例示する。この植木鉢載置装置は、第1網体3により構成された支持脚47と、第2網体4により構成され且つ支持脚47により下側から支持された載置台48とを備え、その載置台48は前側の低い前載置部48aと、後側の高い後載置部48bと、両載置部48a,48b間の段差部48cとを備え、第2網体4を折り曲げて構成されている。他の構成は第13の実施形態と同様である。
このように載置台48に段差部48cを介して前載置部48aと後載置部48bとを設けてもよい。この場合には第2網体4を屈曲させて載置台48を構成するため、載置台48の剛性が大となり重量的に重たい植木鉢Aを載置することもできる。
載置台48は前後に略同一高さの前載置部48aと後載置部48bとを設け、その前載置部48aと後載置部48bとの中間に、これらよりも一段高い中載置部を設けてもよい。この場合には、載置台48の前後両側から鑑賞できる利点がある。なお、載置台48は他の屈曲形状でもよい。
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明は各実施形態に限定されるものではない。例えば各実施形態では、第1網体3と第2網体4との結合構造の具体例として植物支持装置、仕切り装置を例示しているが、これら以外の各種の網体を利用したものに広く活用できることは云うまでもない。
各実施形態の結合構造では、第1網体3と第2網体4との一方の網体の横材7,8の両端の突起10,12が他方の網体の縦材5,6に弾性的に係合する場合を例示しているが、一方の網体の縦材5,6の両端の突起10が他方の網体の横材7,8に係合する場合にも同様に実施可能である。例えば、第1網体3の上部に横長状の第2網体4を結合してT字状又はL字状の網状支柱2を構成する場合には、第2網体4の縦材6の上下両端の突起10を第1網体3の対応する横材7に係合させてもよい。その場合、第2網体4は側面視屈曲状にしておけば適度な弾性を確保できる。
また第1網体3、第2網体4、連結網体31、第3網体40等は、縦材5,6と横材7,8とを等間隔で縦横に配置してその交差部を固着したものが一般的であるが、他の構造の網体、例えば縦材5,6と横材7,8との間隔が異なる網体、斜材を菱形状に配置した網体、板金材に多数の孔を打ち抜き加工した網体等を使用してもよい。第1網体3、第2網体4等は鉄筋、ステンレス筋、針金等の金属線材を用いたものでもよいし、合成樹脂性の成型品でもよい。
第1網体3、第2網体4等を屈曲状に構成する場合、略直角、直角に近い鋭角、直角に近い鈍角等の山形状に屈曲させる他、円弧状、波形状等の平面視形状、側面視形状を適宜形状に屈曲させてもよいし、コ字状、三角筒、四角筒又は円筒状に屈曲させてもよい。また第1網体3、第2網体4等は相手側の縦材5,6又は横材7,8に係合させる箇所に突起10があれば十分であり、他の箇所の突起10は省略してもよい。更に突起10,12の先端側に保護被覆を設けて怪我等を防止することが望ましい。
突起10,12の先端側に係合部11a,11bを設ける場合、係合部11a,11bの折り曲げ角度を変える他、係合部11a,11bを略直角状に形成し、その横材7,8に対する直角方向への突出長さを変えてもよい。例えば係合部11aの突出長さを大にし、係合部11bの突出長さを小にしてもよい。また係合部11aをU字状に構成してもよい。従って、係合部11aは縦材5,6等に対する係合量が大であり、係合部11bは横材7,8に対する直角方向への突出長さが小であればよい。なお、第15の実施形態に励磁する係合部11a,11bは、第1〜第14の実施形態においても同様に採用可能であることは云うまでもない。
各実施形態に例示の植物支持装置では、第1網体3の下端に安定板1等の安定化手段14を設けているが、安定化手段14を省略して第1網体3の下部を植木鉢A内の土に挿入するようにしてもよい。また植物支持装置はテッセン、ツタ等の蔓性植物、バラ等の背丈が長くなる鑑賞用植物の栽培に用いるのが一般的であるが、これらに限定されるものではなく、キウイ棚としてキウイフルーツの栽培に用いたり、ブドウ棚としてブドウの栽培に用いる等、長尺性植物の栽培用全般に用いることができる。
また第1網体3、第2網体4により仕切り装置を構成する場合、仕切り用の第2網体4を起立状に支持する第1網体3には、安定化手段14として重錘46を吊り下げる他、第1網体3の近傍にアイボルト等のアンカー杭39を地面37に打ち込み、第1網体3をそのアンカー杭39に紐等により連結してもよい。