JP4326550B2 - 嵩上げ土壌台と嵩上げ土壌台による強風対策法 - Google Patents
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Description
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、野菜や花卉栽培などの農作業が自然に立った姿勢ででき、しかも強風対策や水はけ、遮光、防虫、温度管理などの対策も容易な嵩上げ式の土壌を実現することにある。
そして、平行なコンクリートパネルの高さを地面から60〜110cmとすることで、自然に立った姿勢で農作業でき、コンクリート枠内の土壌を利用して野菜や花卉などを栽培する際に、自然に立った姿勢で農作業が可能となるので、従来の露地栽培やハウス栽培のように不自然な姿勢で作業する必要がなく、腰痛防止や疲労軽減が可能となる。
また、底部が水平のU字状支持骨を所定間隔で地面に設置するので、コンクリートパネルを支持するための支柱部の設置が容易で、コンクリート枠の施工が簡便となる。しかも、各コンクリートパネルの内側に土壌を収納することによって、各コンクリートパネルが内側から支柱部側に押されて、安定支持されるので、各コンクリートパネルは、支柱部の内面に立てるだけで施工でき、簡便である。
特に、前記の互いに平行なコンクリートパネルは、上側が開くように傾斜しているので、平行壁の外側で立って作業する際に、平行壁の地面側がコンクリート枠内側に退避することになって、足を踏み込むための空間ができ、嵩上げ土壌上の植物が間近に近寄ることになり、手作業が楽になる。
このように、図3の両端の端壁5、6は、両端の支持骨Rと一体に形成されている。すなわち、底部が水平のU字状支持骨Rを水平面に横倒しした状態で、そのU字状の内側にコンクリートを打設し養生すると、互いに一体化される。なお、端壁5、6は、平板状でなく、曲面に形成することも不可能ではない。
このように、椅子状の突起13…が嵌入する切り欠き14…を、コンクリートパネルの下端両端と中間に形成してあって、支持骨Rの支柱部9、10の内面9i、10iに立てかけた際に、両端と中間の支持骨Rの椅子状突起13…を嵌入させると、図3の右側や図4(3)のように、各支柱部9、10の内面9i、10iに立てかけ支持される。しかも、請求項1に記載のように、立てかけ支持する内面9i、10iが上拡がりに開き、傾斜しているので、平行パネル11、12が支持骨Rの内側に容易に倒れたりする恐れはない。
請求項1に記載のように上拡がりに傾斜した矩形状のコンクリートパネルの上端に開けた縦孔に被覆材用支持パイプの両端を挿入した状態で、被覆材に強風が作用した場合は、アーチ状の支持パイプ先端が縦孔に入り込む方向の力を受けるため、被覆材が剥がされる恐れはない。また、支持パイプ両端の上拡がりに傾斜している部分で左右の縦孔を挟む状態となっているので、支持パイプ全体が容易に離脱する恐れはない。
また、コンクリートパネルの上側外面には被覆材の取付け手段を有するので、アーチ状パイプの上に被せた被覆材の端部を確実に平行壁側に固定して、ハウス内の植物が台風で損傷したりするのを防止でき、被覆材の端部の強風によるばたつきも抑止できる。
従って、図4のように矩形状のコンクリート枠を例えば3列平行に設けておくと、野菜や花卉などを量産できる。隣接する嵩上げ土壌台の間は、通路として有効利用できる。例えば台車などが移動可能にしておくと、収穫した野菜や花卉、肥料などの運搬が楽に行なえる。また、マットやシートなどを敷いておけば、雨天時に泥んこ道とならず、通路として使用し易い。
このように、U字状支持骨Rは、造船の際の肋骨フレームと同様にして、U字状支持骨の水平底部を所定の間隔で地面に設置すると、両端の支柱部9、10が起立するので、その上拡がりに傾斜した内面にコンクリートパネルを支持することができる。その結果、互いに対向する平行パネル11と12との間に土壌を投入して嵩上げすると、平行パネル11と12が上拡がりに傾斜した嵩上げ土壌4が完成する。従って、嵩上げ土壌台を地面上に組立て式に施工できる。
前記コンクリートパネルの上端に開けた縦孔に支持パイプの両端を挿入して支持し、各支持パイプ上に被覆材を被せると共に、前記コンクリートパネルの上側外面に設けた被覆材取付け手段によって、前記被覆材の端部を取付け固定することを特徴とする嵩上げ土壌台による強風対策法である。
図2〜図4のように、平行パネル11、12の上部外面には、防風ネットやビニールシートなどを取付け固定するための取付け手段15を固設してある。したがって、図4(1)(2)の多数のアーチパイプ8…の上に被せた被覆材の左側の端部は、左側の平行パネル11の上部外面の取付け手段15を用いて、平行パネル11側に取付け固定しておく。同様にして被覆材の右側の端部は、右側の平行パネル12の上部外面の取付け手段15を用いて、平行パネル12側に取付け固定しておくと、強風がハウス内に入って内部の植物を損傷したり、強風で被覆材がばたついたりできず、強風対策は万全である。
強風時以外の平常時は、被覆材の片方は取付け手段15に取付け固定しないで、自由にしておくのがよい。そして、隣接する支持孔7・7間において、図3のように平行パネル11、12の外面にフックやリング16などを設けておいて、被覆材の上にアーチパイプ8と平行に張った押さえロープの両端を取付け固定しておくのがよい。その結果、通常はロープで被覆材を仮に押さえておき、アーチパイプ8内の植物Pの手入れなどの作業を行なう場合には、ロープの一端を外して、被覆材を巻き上げることによって、嵩上げ土壌4を露出させ、農作業ができる。
作業が終わると、被覆材をアーチパイプ8の上に被せた状態で、その上のロープの両端を平行パネル11、12外面のフックやリング16などに縛りつけておくだけでよい。そして、強風時だけ、被覆材の両端を取付け手段15に取付け固定しておけるので、日常の農作業の妨げとなることはない。
特に、前記の互いに平行なコンクリートパネルは、上側が開くように傾斜しているので、平行壁の外側で立って作業する際に、平行壁の地面側がコンクリート枠内側に退避することになって、足を踏み込むための空間ができ、嵩上げ土壌上の植物が間近に近寄ることになり、手作業が楽になる。
また、コンクリートパネルの上側外面には被覆材の取付け手段を有するので、アーチ状パイプの上に被せた被覆材の端部を確実に平行壁側に固定して、ハウス内の植物が台風で損傷したりするのを防止でき、被覆材の端部の強風によるばたつきも抑止できる。
作業が終わると、被覆材をアーチパイプ8の上に被せた状態で、その上のロープの両端を平行パネル11、12外面のフックやリング16などに縛りつけておくだけでよい。そして、強風時だけ、被覆材の両端を取付け手段15に取付け固定しておけるので、日常の農作業の妨げとなることはない。
2 右側の平行壁
3 箱状のコンクリート枠
4 嵩上げ土壌
5・6 端壁
7 支持用の縦孔
8 アーチパイプ
9 左側の支柱部
9i 左側の支柱部の内面
10 右側の支柱部
10i 右側の支柱部の内面
11 左側の平行パネル
12 右側の平行パネル
R 支持骨
f 水平の底部
13 椅子状の突起
14 切り欠き
15 被覆材端部の取付け手段
16 フック又はリング
Claims (8)
- 所定の間隔で地面に設置される底部が水平のU字状支持骨の支柱部の内面が上拡がりに開き傾斜しており、この傾斜内面にコンクリートパネルを立てかけることによって、互いに平行なコンクリートパネルが上拡がりに傾斜した矩形状のコンクリート枠を形成して、その中に、地面と連続して土壌を収納可能としたことを特徴とする嵩上げ土壌台。
- 矩形状コンクリート枠の端壁は、両端のU字状支持骨と一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の嵩上げ土壌台。
- 前記コンクリートパネルは長方形の平板状をしていて、その下端両端と中間に、前記支柱部の下部の椅子状の突起が嵌入する切り欠きを形成して、両端と中間の支柱部下部の前記椅子状突起を嵌入させると共に、前記支柱部内面に前記コンクリートパネルを立てかける構造としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の嵩上げ土壌台。
- 前記コンクリートパネルの上端に、被覆材用の支持パイプの両端を挿入する縦方向の支持孔を開けてあり、前記コンクリートパネルの上側外面には、被覆材の取付け手段を有することを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の嵩上げ土壌台。
- 前記の矩形状のコンクリート枠を、互いに平行に複数組配列し、隣接するコンクリート枠の間に作業用の通路を設けてなることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の嵩上げ土壌台。
- 底部が水平のU字状支持骨を所定の間隔で地面に設置し、それぞれの支持骨支柱部の上拡がりに傾斜した内面にコンクリートパネルを支持することによりコンクリート枠を形成して、その中に、地面と連続して土壌を収納することによって、自然に立った姿勢で農作業が可能な嵩上げ土壌台を形成することを特徴とする嵩上げ土壌台の形成方法。
- 底部が水平のU字状支持骨を所定の間隔で地面に設置し、それぞれの支持骨の支柱部の内面にコンクリートパネルを支持することにより矩形状のコンクリート枠を形成して、その中に、地面と連続して土壌を収納してなる嵩上げ土壌台において、
前記コンクリートパネルの上端に開けた縦孔に支持パイプの両端を挿入して支持し、各支持パイプ上に被覆材を被せると共に、前記コンクリートパネルの上側外面に設けた被覆材取付け手段によって、前記被覆材の端部を取付け固定することを特徴とする嵩上げ土壌台による強風対策法。 - 前記コンクリートパネルの外側に設けた固定手段によって、前記被覆材の上に張った線材の両端を取付け固定可能としたことを特徴とする請求項7に記載の嵩上げ土壌台による強風対策法。
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