JP4326550B2 - 嵩上げ土壌台と嵩上げ土壌台による強風対策法 - Google Patents

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Description

本発明は、自然に立った姿勢で農作業が可能で、しかも水はけや強風、遮光、防虫対策などが容易な嵩上げ土壌台に関する。
特開2001−103844号に記載のように、設置場所の大きさの変化に応じて、一方向に連結し増設が可能なプランターが提案されている。増設可能とするために、矩形のプランターの1組の対向壁は底版と一体のほぼU字状をしており、他の1組の対向壁は着脱構造になっているので、増設に際しては、着脱式の側壁を取り外したプランター同士を連結して延長し、その両端のみに側壁を装着することで、任意の長さに設定したり、変更できる。
特開2001−103844
しかしながら、このような構造に改善したとしても、底版が一体化されているため、水はけが良くない。また、強風、遮光、防虫などに対する対策は全くなされていない。特に、プランターの場合は、高さが低いため、野菜や花木などを栽培する際の作業が中腰となり、不自然な姿勢となる。その結果、腰痛を来すなど、特に後継者不足の農業において、高齢者が農作業する場合に大きな負担となっている。
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、野菜や花卉栽培などの農作業が自然に立った姿勢ででき、しかも強風対策や水はけ、遮光、防虫、温度管理などの対策も容易な嵩上げ式の土壌を実現することにある。
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、所定の間隔で地面に設置される底部が水平のU字状支持骨の支柱部の内面が上拡がりに開き傾斜しており、この傾斜内面にコンクリートパネルを立てかけることによって、互いに平行なコンクリートパネルが上拡がりに傾斜した矩形状のコンクリート枠を形成して、その中に、地面と連続して土壌を収納可能としたことを特徴とする嵩上げ土壌台。
そして、平行なコンクリートパネルの高さを地面から60〜110cmとすることで、自然に立った姿勢で農作業でき、コンクリート枠内の土壌を利用して野菜や花卉などを栽培する際に、自然に立った姿勢で農作業が可能となるので、従来の露地栽培やハウス栽培のように不自然な姿勢で作業する必要がなく、腰痛防止や疲労軽減が可能となる。
また、底部が水平のU字状支持骨を所定間隔で地面に設置するので、コンクリートパネルを支持するための支柱部の設置が容易で、コンクリート枠の施工が簡便となる。しかも、各コンクリートパネルの内側に土壌を収納することによって、各コンクリートパネルが内側から支柱部側に押されて、安定支持されるので、各コンクリートパネルは、支柱部の内面に立てるだけで施工でき、簡便である。
特に、前記の互いに平行なコンクリートパネルは、上側が開くように傾斜しているので、平行壁の外側で立って作業する際に、平行壁の地面側がコンクリート枠内側に退避することになって、足を踏み込むための空間ができ、嵩上げ土壌上の植物が間近に近寄ることになり、手作業が楽になる。
請求項2は、矩形状コンクリート枠の端壁は、両端のU字状支持骨と一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の嵩上げ土壌台である。
このように、図3の両端の端壁5、6は、両端の支持骨Rと一体に形成されている。すなわち、底部が水平のU字状支持骨Rを水平面に横倒しした状態で、そのU字状の内側にコンクリートを打設し養生すると、互いに一体化される。なお、端壁5、6は、平板状でなく、曲面に形成することも不可能ではない。
請求項3は、前記コンクリートパネルは長方形の平板状をしていて、その下端両端と中間に、前記支柱部の下部の椅子状の突起が嵌入する切り欠きを形成して、両端と中間の支柱部下部の前記椅子状突起を嵌入させると共に、前記支柱部内面に前記コンクリートパネルを立てかける構造としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の嵩上げ土壌台である。
このように、椅子状の突起13…が嵌入する切り欠き14…を、コンクリートパネルの下端両端と中間に形成してあって、支持骨Rの支柱部9、10の内面9i、10iに立てかけた際に、両端と中間の支持骨Rの椅子状突起13…を嵌入させると、図3の右側や図4(3)のように、各支柱部9、10の内面9i、10iに立てかけ支持される。しかも、請求項1に記載のように、立てかけ支持する内面9i、10iが上拡がりに開き、傾斜しているので、平行パネル11、12が支持骨Rの内側に容易に倒れたりする恐れはない。
請求項4は、前記コンクリートパネルの上端に、被覆材用の支持パイプの両端を挿入する縦方向の支持孔を開けてあり、前記コンクリートパネルの上側外面には、被覆材の取付け手段を有することを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の嵩上げ土壌台である。
請求項1に記載のように上拡がりに傾斜した矩形状のコンクリートパネルの上端に開けた縦孔に被覆材用支持パイプの両端を挿入した状態で、被覆材に強風が作用した場合は、アーチ状の支持パイプ先端が縦孔に入り込む方向の力を受けるため、被覆材が剥がされる恐れはない。また、支持パイプ両端の上拡がりに傾斜している部分で左右の縦孔を挟む状態となっているので、支持パイプ全体が容易に離脱する恐れはない。
また、コンクリートパネルの上側外面には被覆材の取付け手段を有するので、アーチ状パイプの上に被せた被覆材の端部を確実に平行壁側に固定して、ハウス内の植物が台風で損傷したりするのを防止でき、被覆材の端部の強風によるばたつきも抑止できる。
請求項5は、前記の矩形状のコンクリート枠を、互いに平行に複数組配列し、隣接するコンクリート枠の間に作業用の通路を設けてなることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の嵩上げ土壌台である。
従って、図4のように矩形状のコンクリート枠を例えば3列平行に設けておくと、野菜や花卉などを量産できる。隣接する嵩上げ土壌台の間は、通路として有効利用できる。例えば台車などが移動可能にしておくと、収穫した野菜や花卉、肥料などの運搬が楽に行なえる。また、マットやシートなどを敷いておけば、雨天時に泥んこ道とならず、通路として使用し易い。
請求項6は、底部が水平のU字状支持骨を所定の間隔で地面に設置し、それぞれの支持骨支柱部の上拡がりに傾斜した内面にコンクリートパネルを支持することによりコンクリート枠を形成して、その中に、地面と連続して土壌を収納することによって、自然に立った姿勢で農作業が可能な嵩上げ土壌台を形成することを特徴とする嵩上げ土壌台の形成方法である。
このように、U字状支持骨Rは、造船の際の肋骨フレームと同様にして、U字状支持骨の水平底部を所定の間隔で地面に設置すると、両端の支柱部9、10が起立するので、その上拡がりに傾斜した内面にコンクリートパネルを支持することができる。その結果、互いに対向する平行パネル11と12との間に土壌を投入して嵩上げすると、平行パネル11と12が上拡がりに傾斜した嵩上げ土壌4が完成する。従って、嵩上げ土壌台を地面上に組立て式に施工できる。
請求項7は、底部が水平のU字状支持骨を所定の間隔で地面に設置し、それぞれの支持骨の支柱部の内面にコンクリートパネルを支持することにより矩形状のコンクリート枠を形成して、その中に、地面と連続して土壌を収納してなる嵩上げ土壌台において、
前記コンクリートパネルの上端にけた縦孔に支持パイプの両端を挿入して支持し、各支持パイプ上に被覆材を被せると共に、前記コンクリートパネルの上側外面に設けた被覆材取付け手段によって、前記被覆材の端部を取付け固定することを特徴とする嵩上げ土壌台による強風対策法である。
図2〜図4のように、平行パネル11、12の上部外面には、防風ネットやビニールシートなどを取付け固定するための取付け手段15を固設してある。したがって、図4(1)(2)の多数のアーチパイプ8…の上に被せた被覆材の左側の端部は、左側の平行パネル11の上部外面の取付け手段15を用いて、平行パネル11側に取付け固定しておく。同様にして被覆材の右側の端部は、右側の平行パネル12の上部外面の取付け手段15を用いて、平行パネル12側に取付け固定しておくと、強風がハウス内に入って内部の植物を損傷したり、強風で被覆材がばたついたりできず、強風対策は万全である。
請求項8は、前記コンクリートパネルの外側に設けた固定手段によって、前記被覆材の上に張った線材の両端を取付け固定可能としたことを特徴とする請求項7に記載の嵩上げ土壌台による強風対策法である。
強風時以外の平常時は、被覆材の片方は取付け手段15に取付け固定しないで、自由にしておくのがよい。そして、隣接する支持孔7・7間において、図3のように平行パネル11、12の外面にフックやリング16などを設けておいて、被覆材の上にアーチパイプ8と平行に張った押さえロープの両端を取付け固定しておくのがよい。その結果、通常はロープで被覆材を仮に押さえておき、アーチパイプ8内の植物Pの手入れなどの作業を行なう場合には、ロープの一端を外して、被覆材を巻き上げることによって、嵩上げ土壌4を露出させ、農作業ができる。
作業が終わると、被覆材をアーチパイプ8の上に被せた状態で、その上のロープの両端を平行パネル11、12外面のフックやリング16などに縛りつけておくだけでよい。そして、強風時だけ、被覆材の両端を取付け手段15に取付け固定しておけるので、日常の農作業の妨げとなることはない。
請求項1のように、底部が水平のU字状支持骨を所定の間隔で地面に設置するので、その支柱部内面にコンクリートパネルを支持するための支柱部の設置が容易で、コンクリート枠の施工が簡便となる。しかも、各コンクリートパネルの内側に土壌を収納することによって、各コンクリートパネルが内側から支柱部側に押されて、安定に支持されるので、各コンクリートパネルは、支柱部の内面に立てるだけで施工でき、簡便である。
特に、前記の互いに平行なコンクリートパネルは、上側が開くように傾斜しているので、平行壁の外側で立って作業する際に、平行壁の地面側がコンクリート枠内側に退避することになって、足を踏み込むための空間ができ、嵩上げ土壌上の植物が間近に近寄ることになり、手作業が楽になる。
請求項2のように、図3の両端の端壁5、6は、両端の支持骨Rと一体に形成されている。すなわち、底部が水平のU字状支持骨Rを水平面に横倒しした状態で、そのU字状の内側にコンクリートを打設し養生すると、互いに一体化される。
請求項3のように、椅子状の突起13…が嵌入する切り欠き14…を、コンクリートパネルの下端両端と中間に形成してあっ、支持骨Rの支柱部9、10の内面9i、10iに立てかけた際に、両端と中間の支持骨Rの椅子状突起13…を嵌入させると、図3の右側や図4(3)のように、各支柱部9、10の内面9i、10iに立てかけ支持される。しかも、請求項1に記載のように、立てかけ支持する内面9i、10iが上拡がりに開き、傾斜しているので、平行パネル11、12が支持骨Rの内側に容易に倒れたりする恐れはない。
請求項4によると、請求項1に記載のように上拡がりに傾斜した矩形状のコンクリートパネルの上端に開けた縦孔に被覆材用支持パイプの両端を挿入した状態で、被覆材に強風が作用した場合は、アーチ状の支持パイプ先端が縦孔に入り込む方向の力を受けるため、被覆材が剥がされる恐れはない。また、支持パイプ両端の上拡がりに傾斜している部分で左右の縦孔を挟む状態となっているので、支持パイプ全体が容易に離脱する恐れはない。
また、コンクリートパネルの上側外面には被覆材の取付け手段を有するので、アーチ状パイプの上に被せた被覆材の端部を確実に平行壁側に固定して、ハウス内の植物が台風で損傷したりするのを防止でき、被覆材の端部の強風によるばたつきも抑止できる。
請求項5によると、図4のように矩形状のコンクリート枠を例えば3列平行に設けておくと、野菜や花卉などを量産できる。隣接する嵩上げ土壌台の間は、通路として有効利用できるので、例えば台車などが移動可能にしておくと、収穫した野菜や花卉、肥料などの運搬が楽に行なえる。
請求項6のように、U字状支持骨の水平底部を所定の間隔で地面に設置すると、両端の支柱部9、10が起立するので、その上拡がりに傾斜した内面にコンクリートパネルを支持することができる。その結果、互いに対向する平行パネル11と12との間に土壌を投入して嵩上げすると、各コンクリートパネルが内側から支柱部側に押されて安定するので、平行パネル11と12が上拡がりに傾斜した嵩上げ土壌4が地面上で組立て式に施工でき、簡便である。
請求項7によると、所定の間隔で地面に配置したU字状支持骨の支柱部の内面にコンクリートパネルを支持して、その中に地面と連続して土壌を収納してなる嵩上げ土壌台において、図2〜図4のように、平行パネル11、12の上部外面に、防風ネットやビニールシートなどを取付け固定するための取付け手段15を固設してある。したがって、図4(1)(2)の多数のアーチパイプ8…の上に被せた被覆材の左側の端部は、左側の平行パネル11の上部外面の取付け手段15を用いて、平行パネル11側に取付け固定しておく。同様にして被覆材の右側の端部は、右側の平行パネル12の上部外面の取付け手段15を用いて、平行パネル12側に取付け固定しておくと、強風がハウス内に入って内部の植物を損傷したり、強風で被覆材がばたついたりできず、強風対策は万全である。
平常時は被覆材の片方は取付け手段15に取付け固定しないで、自由にしておくのがよい。そして、請求項8のように、隣接する支持孔7・7間において、図3のように平行パネル11、12の外面にフックやリング16などを設けておいて、被覆材の上にアーチパイプ8と平行に張った押さえロープの両端を取付け固定しておくのがよい。その結果、通常はロープで被覆材を仮に押さえておき、アーチパイプ8内の植物Pの手入れなどの作業を行なう場合には、ロープの一端を外して、被覆材を巻き上げることによって、嵩上げ土壌4を露出させ、農作業ができる。
作業が終わると、被覆材をアーチパイプ8の上に被せた状態で、その上のロープの両端を平行パネル11、12外面のフックやリング16などに縛りつけておくだけでよい。そして、強風時だけ、被覆材の両端を取付け手段15に取付け固定しておけるので、日常の農作業の妨げとなることはない。
次に本発明による嵩上げ土壌台が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は概要を示す斜視図で、平行壁1、2を有する箱状のコンクリート枠3の中に嵩上げ土壌4を収納してある。平行壁1、2の左右の端部は、端壁5、6で塞がれているが、端壁5、6は必ずしも平板状でなく、曲面状でもよい。
この嵩上げ土壌台をA−A断面で見ると、図2のようになる。地面Lより深く溝を掘って、その中に前記の箱状コンクリート枠3の平行壁1、2や端壁5、6を立てて固定した状態で、箱状コンクリート枠3の中に土壌4を投入してある。コンクリート枠3は底板を有していないため、土壌4を収納した状態では、収納土壌4の下部と地面Lの土壌とは連続しているので、コンクリート枠3中の水は地面Lから地中にしみ込む。その結果、降雨の際にコンクリート枠3中に水が溜まって野菜や花卉などが根腐れを起こす恐れはない。
コンクリート枠3を構成する平行壁1、2や端壁5、6は、現場でコンクリートを打設して形成してもよいし、現場で基礎を施工してその上にコンクリートブロックを積んで形成してもよい。或いは、図3以下で説明するように、平行壁1、2を組立て構造にしてもよい。
このような嵩上げ土壌台において、平行壁1、2は、大人の腰高程度の寸法、例えば60cm以上にしてあるため、大人が立った状態で、嵩上げ土壌4に野菜や花卉などを栽培する際の作業ができ、不自然な姿勢となる必要がない。したがって、露地栽培やハウス栽培のように中腰になる必要はなく、腰痛を来したりする恐れがない。しかも、平行壁1、2の上端に開けてある縦方向の支持孔7…に、図2のようにアーチパイプ8…の両端を挿入することによって、アーチパイプ8…を一定間隔に取付け、その上にビニールシートなどの被覆材を被せると、嵩上げ土壌4に植えた植物Pを強風から保護でき、強風対策に好適である。また、ビニールシートなどを張る前に防風ネットを張って遮光し、温度管理もできるので、温室としても利用できる。この防風ネットによる防風効果に加えて、害虫対策も兼ねることができる。
図3は、前記の平行壁1、2を組立て構造にした実施形態であり、前記平行壁1、2用の平行パネル11、12は、ほぼU字状の支持骨(rib)Rの支柱部9、10の内面に支持させ、平行パネル11、12間に嵩上げ土壌4を満たすと、図4(1)(2)のようになり、植物Pが栽培可能となる。支持骨Rは、造船時に壁板を張る際の肋骨状フレームとほぼ同様な形状をしている。ただし、造船用のようなほぼU字状ではなく、底部は図示のように平坦(flat)すなわち水平になっている。そして、その両端から支柱部9、10が立ち上がっている。このような底部が水平のU字状支持骨Rは、内部に鉄筋を入れてプレキャストで製造される。
図5は、図4の嵩上げ土壌台のアーチパイプ位置における縦断面図であり、支持骨Rの平坦部fの両端と支柱部9、10との成す隅部は、直角ではなく、椅子状の突起13を設けて、平行パネル11、12の切り欠き14に嵌入可能にしてある。また、支柱部9、10の外面は鉛直となるように、平坦部fに対し直角になっているが、内面9i、10iは、上拡がりに開いている。この支持骨Rは、造船の際の肋骨フレームと同様に一定間隔に配置する。そのため、平坦部fが入る溝を一定の間隔に地面に掘り、各溝の中に、平坦部fを挿入し固定すると、両端の支柱部9、10が起立し、支柱となる。
平行パネル11、12は長方形の平板状をしていて、下端両端と中間に、前記の椅子状の突起13…が嵌入する切り欠き14…を形成してあり、支持骨Rの支柱部9、10の内面9i、10iに立てかけた際に、両端と中間の支持骨Rの椅子状突起13…を嵌入させると、図3の右側や図4(3)のように、各支柱部9、10の内面9i、10iに立てかけ支持される。上拡がりに開き、傾斜している内面9i、10iに対し、椅子状突起13…の上面は直角になっている。
一方、平行パネル11、12の両面に対し、下端の各切り欠き14…の内面も直角に形成されているため、前記のように立てかけた際に、各切り欠き14…の天井面14tと該天井面14tを載置支持している椅子状突起13…の上面は、図5のように支持骨Rの内側が高くなる登り勾配となる。その結果、傾斜している内面9i、10iに立てかけてある平行パネル11、12は、支持骨Rの内側に容易に倒れたりする恐れはない。切り欠き14…は、中間のコ字状切り欠き14の幅がWとすると、両端のL字状切り欠き14の幅をW/2に形成してあるので、隣接する平行パネル11・11間又は12・12間の隣接する二つのL字状切り欠き14・14が、共通の1本の支柱部9又は10の椅子状突起13の上に載置されることになる。なお、1枚の平行パネル11又は12を4本以上の支持骨Rで支持することも可能である。
このようにして、支持骨Rの左右両端の支柱部9、10の内面に平行パネル11、12を立てかけた状態で、互いに対向する平行パネル11と12との間に土壌を投入して嵩上げすると、嵩上げ土壌4が完成する。なお、両端の平板状の端壁5、6は、両端の支持骨Rと一体に形成されている。すなわち、底部が水平のU字状支持骨Rを水平面に横倒しした状態で、そのU字状の内側にコンクリートを打設し養生すると、互い一体化される。端壁5、6は、平板状でなく、曲面に形成することも不可能ではない。
プレキャスト形成されたコンクリートパネルからなる平行パネル11、12の上端には、アーチパイプ8の両端を挿入するための支持孔7…を所定の間隔で縦方向に開けてあるため、図4(1)(2)、図5のように、各アーチパイプ8の両端を左右の平行パネル11、12の上端の支持孔7…に挿入すると、多数のアーチパイプ8…を一定の間隔で装備できる。そして、これらのアーチパイプ8…の上に防風ネット(防虫ネットや遮光ネットを兼ねる)やビニールシートなどの被覆材を被せると、図2のような小形のビニールハウスが形成される。
平行パネル11、12の上部外面には、防風ネットやビニールシートなどを取付け固定するための取付け手段15を固設してある。この取付け手段15は、板金で断面C字状の細長体を形成し、その中に防風ネットやビニールシートなどの端部を押し込み、その上からジグザグ状の線バネを嵌め込んで押さえつける構造であり、市販品をそのまま利用できる。したがって、前記のように、図4(1)(2)の多数のアーチパイプ8…の上に被せた被覆材の左側の端部は、左側の平行パネル11の上部外面の取付け手段15を用いて、平行パネル11側に取付け固定しておく。同様にして被覆材の右側の端部は、右側の平行パネル12の上部外面の取付け手段15を用いて、平行パネル12側に取付け固定しておくと、強風がハウス内に入って内部の植物を損傷したり、強風で被覆材がばたついたりできず、強風対策は万全である。
強風時以外の平常時は、被覆材の片方は取付け手段15に取付け固定しないで、自由にしておくのがよい。そして、隣接する支持孔7・7間において、平行パネル11、12の外面にフックやリング16などを設けておいて、被覆材の上にアーチパイプ8と平行に張った押さえロープの両端を取付け固定しておくのがよい。その結果、通常はロープで被覆材を仮に押さえておき、アーチパイプ8内の植物Pの手入れなどの作業を行なう場合には、ロープの一端を外して、被覆材を巻き上げることによって、嵩上げ土壌4を露出させ、農作業ができる。
作業が終わると、被覆材をアーチパイプ8の上に被せた状態で、その上のロープの両端を平行パネル11、12外面のフックやリング16などに縛りつけておくだけでよい。そして、強風時だけ、被覆材の両端を取付け手段15に取付け固定しておけるので、日常の農作業の妨げとなることはない。なお、強風時も、被覆材の両端を取付け手段15に取付け固定した状態において、さらに被覆材の上にロープを張って、その両端を平行パネル外面のフックやリング16などに固定しておくと、被覆材の強風によるばたつきなどを抑止できる。
図5に示すアーチパイプ8の両端の平行パネル11、12や平行壁1、2への取付けバー部8bの長さ(高さ)寸法を長くすることによって、アーチパイプ8の高さをより高くして、栽培する植物の高さに対応できる。取付けバー部8bの部分の長さの異なるアーチパイプに代えて、取付けバー部8bの長さ寸法は一定とし、着脱式バーを着脱することによって、アーチパイプ8の高さを可変構造にすることもできる。
以上のような嵩上げ土壌台を図4のように例えば3列平行に設けておくと、野菜や花卉などを量産できる。隣接する嵩上げ土壌台の間は、通路として有効利用できる。例えば台車などが移動可能にしておくと、収穫した野菜や花卉、肥料などの運搬が楽に行なえる。また、マットやシートなどを敷いておけば、雨天時に泥んこ道とならず、通路として使用し易い。
底部が水平のU字状支持骨Rを使用しないで、嵩上げ土壌台を形成するには、複数のH型鋼を支柱部9、10…と同様に一定間隔に打ち込んでおき、隣接するH型鋼の互いに対向する縦溝の中にプレキャスト製の平行パネル11、12を挿入することによって、平行壁1、2を実現できる。両端の端壁5、6は、現場で型枠を用いてコンクリート打設したり、コンクリートブロックを積み上げることで、実現できる。
以上のように、本発明による嵩上げ土壌台によると、野菜や花卉栽培などの農作業が自然に立った姿勢でできるので、疲労度が少なく、腰痛なども軽減できる。しかも、水はけや強風、遮光、防虫などの対策も容易になるので、台風が多く日差しの強い沖縄の農業に適している。
本発明による嵩上げ土壌台の概要を示す斜視図である。 図1の嵩上げ土壌台のA−A断面図である。 左右の平行壁を組立て式にした嵩上げ土壌台の実施形態を示す斜視図である。 完成した組立て式の嵩上げ土壌台に嵩上げ土壌を入れる前と入れた後の状態を示す斜視図である。 図4の嵩上げ土壌台のアーチパイプ位置における断面図である。
1 左側の平行壁
2 右側の平行壁
3 箱状のコンクリート枠
4 嵩上げ土壌
5・6 端壁
7 支持用の縦孔
8 アーチパイプ
9 左側の支柱部
9i 左側の支柱部の内面
10 右側の支柱部
10i 右側の支柱部の内面
11 左側の平行パネル
12 右側の平行パネル
R 支持骨
f 水平の底部
13 椅子状の突起
14 切り欠き
15 被覆材端部の取付け手段
16 フック又はリング

Claims (8)

  1. 所定の間隔で地面に設置される底部が水平のU字状支持骨の支柱部の内面が上拡がりに開き傾斜しており、この傾斜内面にコンクリートパネルを立てかけることによって、互いに平行なコンクリートパネルが上拡がりに傾斜した矩形状のコンクリート枠を形成して、その中に、地面と連続して土壌を収納可能としたことを特徴とする嵩上げ土壌台。
  2. 矩形状コンクリート枠の端壁は、両端のU字状支持骨と一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の嵩上げ土壌台。
  3. 前記コンクリートパネルは長方形の平板状をしていて、その下端両端と中間に、前記支柱部の下部の椅子状の突起が嵌入する切り欠きを形成して、両端と中間の支柱部下部の前記椅子状突起を嵌入させると共に、前記支柱部内面に前記コンクリートパネルを立てかける構造としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の嵩上げ土壌台。
  4. 前記コンクリートパネルの上端に、被覆材用の支持パイプの両端を挿入する縦方向の支持孔を開けてあり、前記コンクリートパネルの上側外面には、被覆材の取付け手段を有することを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の嵩上げ土壌台。
  5. 前記の矩形状のコンクリート枠を、互いに平行に複数組配列し、隣接するコンクリート枠の間に作業用の通路を設けてなることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の嵩上げ土壌台。
  6. 底部が水平のU字状支持骨を所定の間隔で地面に設置し、それぞれの支持骨支柱部の上拡がりに傾斜した内面にコンクリートパネルを支持することによりコンクリート枠を形成して、その中に、地面と連続して土壌を収納することによって、自然に立った姿勢で農作業が可能な嵩上げ土壌台を形成することを特徴とする嵩上げ土壌台の形成方法。
  7. 底部が水平のU字状支持骨を所定の間隔で地面に設置し、それぞれの支持骨の支柱部の内面にコンクリートパネルを支持することにより矩形状のコンクリート枠を形成して、その中に、地面と連続して土壌を収納してなる嵩上げ土壌台において、
    前記コンクリートパネルの上端にけた縦孔に支持パイプの両端を挿入して支持し、各支持パイプ上に被覆材を被せると共に、前記コンクリートパネルの上側外面に設けた被覆材取付け手段によって、前記被覆材の端部を取付け固定することを特徴とする嵩上げ土壌台による強風対策法。
  8. 前記コンクリートパネルの外側に設けた固定手段によって、前記被覆材の上に張った線材の両端を取付け固定可能としたことを特徴とする請求項7に記載の嵩上げ土壌台による強風対策法。
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