図1はPOS端末50のブロック図である。このPOS端末50には、演算装置・制御装置としてのCPU1を設ける。このCPU1には、アドレスバス、データバスなどのバスライン2を介して、ROM3(Read Only Memory)、RAM4(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)コントローラー5、キーボードコントローラー7、客用表示コントローラー9、店用表示コントローラー11、プリンタコントローラー13、ネットワークI/F(INTERFACE)15、I/O(Input/Output)ポート16を接続する。前述した、これらの各コントローラーには、HDD6、キーボード8、客用表示器10、店用表示器12、プリンタ14を接続する。また、前記I/Oポート16には、図示しないモードスイッチとドロワを接続する。
前記ROM3には、前記CPU1によって読み出されて当該CPU1を様々な機能として働かせるプログラムや当該プログラムによるデータ処理の対象となる固定的なデータを格納する。前記RAM4には、プログラムによるデータ処理の作業領域となるワークエリアなどの様々なメモリエリアが動的に形成する。
前記HDDコントローラー5は、前記CPU1などからの指令に応じて前記HDD6の所定領域に記憶されているデータやプログラムなどを読出し、この読出したデータやプログラムなどを前記バスライン2に送出したり、前記バスライン2から受取ったデータやプログラムなどを前記HDD6の所定領域に記憶したり、前記HDD6に対するデータなどの読み書きの制御を行う。
前記キーボードコントローラー7は、前記キーボード8からの入力信号を処理し、操作されたキーに対応するキーコードなどを前記バスライン2に送出するものである。このキーボードコントローラー7に接続されているキーボード8は、テンキー、PLUキー、小計キー、預/現計キー、一括購入キーなどを設ける。
この一括購入キーは、まとめ値引において、まとめ値引を成立させるために不足している商品を一括入力するときに使用する。
前記客用表示コントローラー9は、顧客に対して取引結果などを表示する客用表示器10を制御し、前記CPU1などからの指令に応じて前記バスライン2から受取ったデータなどに基づく情報を客用表示器10の画面に表示する。同様に、前記店用表示コントローラー11は、キャッシャに対して取引結果などを表示する店用表示器12の画面表示を制御する。
前記プリンタコントローラー13は、用紙に所定の情報を印字する印字ヘッドや所定情報が印字された用紙を切断するカッターなどを備えたプリンタ14を制御する。このプリンタコントローラー13によって制御されるプリンタ14は、ロール状に巻かれた状態で納められている長尺紙を印字用紙として使用し、その引き出された長尺紙の端から順に印字ヘッドで印字を行うものである。この印字部で印字される情報は、前記CPU1などからの指令に応じて前記バスライン2から受取ったデータなどに基づくものである。
前記I/Oポート16は、接続されているモードスイッチから入力された信号に基づいて所定のデータを前記バスラインに出力したり、前記CPU1からの指令などに応じて接続されているドロワに起動信号を出力する。また、前記モードスイッチは、「登録」、「点検」、「精算」、などの電子キャッシュレジスタにおける各種業務モードの何れかのモードへと切り替えるための切替えスイッチで、鍵を用いて切替え操作をする。
また、前記HDD6にはPLUファイル20、値引ファイル21、取引ファイル22、成立ファイル23、不成立ファイル24が記憶される。
前記PLUファイル20には商品に関する情報を記憶する。より詳細には図2に示すように商品の識別子であるPLUコードに対応して、商品名、単価、値引コードを、それぞれPLUコードエリア2001と商品名エリア2002と単価エリア2003と値引コードエリア2004とに記憶する。値引コードはまとめ値引の種類ごとに割当てられる識別子である。また、値引コードの右から3桁目が「0」であるならセット値引、「1」であるならM&M値引とし、「000」はまとめ値引の対象商品ではないことを意味する。このPLUファイル20が商品記憶部に相当する。また、このPLUコードが商品の識別子に相当する。
前記値引ファイル21は値引に関する情報を記憶する。これは図3に示すように、まとめ値引の識別子である値引コードに対応して、値引名、PLUコード、必要個数、商品数、表示1、表示2、特典情報とを、それぞれ値引コードエリア2101と、値引名エリア2102と、PLUコードエリア2103と、必要個数エリア2104と、商品数エリア2105と表示1エリア2106と表示2エリア2107と、特典情報エリア2108とに記憶する。値引名は値引の名称である。PLUコードには当該まとめ値引を構成する商品のPLUコードを記憶する。必要個数には当該まとめ値引の成立のために必要な前記PLUコードに対応した商品の個数を記憶する。商品数には当該まとめ値引の成立のために必要な商品の種目数を記憶する。表示1は閾値である。セット値引の買上商品が表示1に記憶している値以上であるなら、不足している商品名と不足個数とを前記客用表示器10に表示する。表示2は閾値である。M&M値引を構成する品目を買上げた数が表示2に記憶している値以上であるなら、不足している商品名と不足個数とを前記客用表示器10に表示する。特典情報は特典の内容(50円引き、100円引きなど)を記憶する。この値引ファイル21が特典記憶部に相当する。
前記取引ファイル22は商品の読取りが行われると一取引において読取った商品に関する情報を記憶するファイルである。取引ファイル22は図4に示すように、PLUコードに対応して、商品名、単価、買上点数、値引コード、ステータスを、それぞれPLUコードエリア2201と、商品名エリア2202と、単価エリア2203と、買上点数エリア2204と、値引コードエリア2205と、ステータスエリア2206とに記憶する。このステータスとは一取引において当該商品に関してまとめ値引が成立しているか否かのステータスである。「00」の場合は値引商品ではない、「01」の場合はまとめ値引成立、「02」の場合はまとめ値引未成立であるとする。また、顧客が買上げる商品の合計金額を記憶する商品合計金額エリア、まとめ値引の合計金額を記憶する値引合計金額エリア、商品合計金額から値引合計金額を引いた小計を記憶する小計エリアも備える。
前記成立ファイル23は一取引において成立したまとめ値引の情報を記憶する。図5に示すように値引コードに対応して、値引名、特典情報、成立数を、それぞれ値引コードエリア2301と、値引名エリア2302と特典情報エリア2303と成立エリア2304とに記憶する。また、成立数は当該まとめ値引が成立した数である成立数を記憶する。
前記不成立ファイル24にはまとめ値引を成立されるために必要な商品情報を記憶する。図6に示すように、値引コードエリア2401と、不足商品PLUエリア2402と、不足商品名エリア2403と、単価エリア2404と不足個数エリア2405と表示1エリア2406と表示2エリア2407とフラグエリア2408と特典情報エリア2409とからなる。そして、それぞれのエリアに値引コードに対応して、不足商品のPLU、不足商品名、当該商品の単価、不足商品の不足個数、表示1、表示2、フラグ、特典情報とを記憶する。この値引コードエリア2401の情報は前記取引ファイル22の前記値引コードエリア2205から、前記不足商品PLUエリア2402の情報は前記値引ファイル21の前記PLUコードエリア2103から、前記不足商品名エリア2403の情報は前記PLUファイル20の前記商品名エリア2002から、前記単価エリア2404の情報は前記PLUファイル20の前記単価エリア2003から、前記表示1エリア2406の情報は前記値引ファイル21の前記表示1エリア2106から、前記表示2エリア2407の情報は前記値引ファイル21の前記表示2エリア2107から、前記特典情報エリア2409の情報は前記値引ファイル21の前記特典情報エリア2108から、それぞれ取得する。前記不足個数エリア2405に記憶する情報は、前記値引ファイル21の前記必要個数エリア2104と前記取引ファイル22の前記買上点数エリア2204の情報とから算出する。また、前記値引ファイル21の必要個数エリア2104の値をそのまま記憶する場合もある。前記フラグエリア2408は前記客用表示器10と前記店用表示器12とにまとめ値引が成立するために不足している商品を表示するか否かの管理フラグを記憶する。前記フラグエリア2408のデータが「0」の場合は、前記客用表示器に10と前記店用表示器12にまとめ値引が成立するために不足している商品を表示しない。前記フラグエリア2408のデータが「1」の場合は、前記客用表示器10と前記店用表示器12とにまとめ値引が成立するために不足している商品を表示する。
しかして、以上のようなハードウェア構成、ファイル構成からなる前記POS端末50において、前記CPU1は、その動作モードとして「登録」業務が選択されているとき、予め設定されているプログラムに基づいて、図7乃至図図8に示す商品データ処理を実行する。まずは図7を用いて、商品データの読取り処理に関して記述する。
まず、S(ステップ)1として、前記PLUキーが押下され、PLUコードを入力したか否かを判断する。そして、PLUコードが入力されたと判断するなら(S1のYes)、前記キーボード8のテンキーにより入力された買上個数を所定のメモリに記憶する(S2)。前記PLUキーが押下され対応するPLUコードの入力処理が、識別子入力手段に相当する。また、前記テンキーが押下され置数の入力処理が点数入力手段に相当する。
続いて、前記S1にて入力されたPLUコードを前記PLUファイル20の前記PLUコードエリア2001から検索する。該当するPLUコードが見つかると、対応する商品名、単価、値引コードをそれぞれ前記商品名エリア2002、前記単価エリア2003、前記値引コードエリア2004から読出し、前記取引ファイル22の前記PLUコードエリア2201と、前記商品名エリア2202と、前記単価エリア2203と、前記値引コードエリア2205とに記憶する。また、前記取引ファイル22の前記買上点数エリア2204には前記S2で記憶した買上個数の値を記憶する。また、前記値引コードエリア2204に記憶した値引コードが「000」の場合は前記ステータスエリア2206の値を「00」、値引コードが「000」以外のものは前記ステータスエリア2206の値を「02」として記憶する(S3)。
そして、前記S1にて入力されたPLUコードがまとめ値引商品か否かを判断するため、前記S1にて入力されたPLUコードに対応する前記取引ファイル22の前記ステータスエリア2206の値が「00」か、それ以外かをチェックする(S4)。前記ステータスエリア2206が「00」だと判断するなら(S4のNo)、まとめ値引商品ではないので前記S1に戻りPLUコードの入力を判断する。
一方、前記ステータスエリア2206の値が「00」以外であると判断するなら(S4のYes)、まとめ値引商品であるので、前記S1で入力されたPLUコードと、前記取引ファイル22の値引コードエリア2205に記憶する前記S1にて入力されたPLUコードに対応する値引コードとが、それぞれ前記不成立ファイル24の前記値引コードエリア2401と前記不足商品PLUエリア2402とに記憶されているかを判断する(S5)。
前記不成立ファイル24に前記S1にて入力されたPLUコード又はこのPLUコードに対応する値引コードが記憶されていると判断するなら(S5のYes)、まとめ値引が成立するか否かを判断する(S6)。具体的には前記S2にて記憶した買上点数の値が前記S1にて入力されたPLUコードに対応する前記不成立ファイル24の前記不足個数エリア2405の値を超え、かつ前記取引ファイル22の前記値引コードエリア2205に記憶する前記S1にて入力されたPLUコードに対応する値引コードが、前記不成立ファイル24の前記値引コードエリア2401に当該PLUに対応するもの以外記憶されていないとき、値引が成立したと判断する。このS6の処理は判断手段に相当する。そして値引が成立すると判断するとき(S6のYes)、後述するS7の前記取引ファイル22などの更新処理を行う。
一方、前記不成立ファイル24に前記S1にて入力されたPLUコード又はこのPLUコードに対応する値引コードが記憶されていないと判断するなら(S5のNo)、前記取引ファイル22の前記値引コードエリア2205に記憶する、前記S1にて入力されたPLUコードに対応する値引コードを基に、前記値引ファイル21の前記値引コードエリア2101を検索する。そして、この値引コードエリア2401の情報は前記取引ファイル22の前記値引コードエリア2205から、前記不足商品PLUエリア2402の情報は前記値引ファイル21の前記PLUコードエリア2103から、前記不足商品名エリア2403の情報は前記PLUファイル20の前記商品名エリア2002から、前記単価エリア2404の情報は前記PLUファイル20の前記単価エリア2003から、前記不足個数エリア2404の情報は前記値引ファイル21の前記必要個数エリア2104から、前記表示1エリア2406の情報は前記値引ファイル21の前記表示1エリア2106から、前記表示2エリア2407の情報は前記値引ファイル21の前記表示2エリア2107から、前記特典情報エリア2409の情報は前記値引ファイル21の前記特典情報エリア2108から、当該値引コードに対応する値を取得する。(S7)。そして、このS7にて取得した情報を、前記不成立ファイル24に記憶する(S8)。このS7の処理が不足取得手段に相当する。また、前記S7にて前記値引ファイル21の前記特典情報エリア2108から、特典情報を取得する処理が特典取得手段に相当する。
前記S8の処理が終わると、まとめ値引が成立するか否か、前記S6の処理を行う。値引が成立したと判断すると(S6のYes)、前記S1にて入力されたPLUコードに対応する値引コードを前記値引ファイル21の前記値引コードエリア2101から検索し、所定のエリアに記憶する。そして、この値引コードに対応する値引名、特典情報とを、それぞれ前記値引名エリア2102と前記特典情報エリア2108とから抽出する。そして、前記所定のエリアに記憶する値引コードを前記成立ファイル23の前記値引コードエリア2301に記憶し、前記値引名エリア2102から抽出した値引名を前記成立ファイル23の前記値引名エリア2302に記憶し、前記特典情報エリア2108から抽出した特典情報を前記成立ファイル23の前記特典情報エリア2303に記憶する。続いて、前記取引ファイル22の前記ステータスエリア2206に記憶する、前記S1にて入力されたPLUに対応するステータスを「01」にする。また、前記所定のエリアに記憶する値引コードを、前記不成立ファイル24の前記値引コードエリア2401から検索する。そして、この値引コードに対応する、不足商品PLU、不足商品名、単価、不足個数、表示1、表示2、フラグ、特典情報を、それぞれ前記値引コードエリア2401と、前記不足商品PLUエリア2402と、前記不足商品名エリア2403と、前記単価エリア2404と前記不足個数エリア2405と前記表示1エリア2406と前記表示2エリア2407と前記フラグエリア2408と前記特典情報エリア2409とから削除する(S9)。
続いて、まとめ値引が成立した旨を前記客用表示器10と前記店用表示器12に表示する(S10)。このとき表示する情報としては、前記成立ファイル23に記憶する前記値引名エリア2302の値引名と、前記特典情報エリア2303の特典情報と、前記成立数エリアの成立数とを表示する。また、前記S9にて新たに記憶された特典情報だけを表示してもよい。
前記S10にてまとめ値引が成立した特典情報を前記客用表示器10と前記店用表示器12に表示すると、前記不成立ファイル24の前記値引コードエリア2401に値引コードを記憶しているか判断する(S11)。記憶していると判断するなら(S11のNo)、全てのまとめ値引が成立したので前記S1のPLUコードが入力されたか否かを判断する。また、値引コードを記憶していると判断するなら(S11のYes)、まだ成立していないまとめ値引があるので、前記不成立ファイル24の前記フラグエリア2408に「1」を記憶しているかを判断する(S13)。
一方、前記S6にてまとめ値引が成立しないと判断すると、前記不成立ファイル24の前記不足個数エリア2405に記憶する前記S1にて入力されたPLUコードに対応する不足個数から、前記S2にて記憶した商品の買上点数を減算する。減算後、まとめ値引が整理するために、不足している数が所定数以下か否かを判断する。具体的には、前記不成立ファイル24の前記値引コードエリア2401に記憶する値引コードの右から3桁目をチェックし、「0」ならばセット値引、「1」ならばM&M値引と判断する。セット値引と判断するなら、前記S1にて入力されたPLUコードに対応する前記不足個数エリア2405の「不足個数」と前記表示1エリア2406の「表示1」とに記憶されている数値を比較する。「不足個数」<「表示1」であると判断すると、対応する前記フラグエリア2408のフラグに1を記憶する。また、M&M値引と判断する場合は、前記S1にて入力されたPLUコードに対応する値引コードを前記値引ファイル21の前記値引コード2101エリアから検索し、所定のエリアに記憶する。そして、前記不成立ファイル24の前記値引コードエリア2401からこの値引コードを検索し、前記不足個数エリア2405の当該値引コードに対応する不足個数の和を算出し、所定のエリアに記憶する。そして、この和と前記所定のエリアに記憶する値引コードに対応する「表示2」の項目を比較する。そして、「不足個数」<「表示2」であるなら、対応する前記フラグエリア2408のフラグに1を記憶する(S12)。
そして、前記不成立ファイル24の前記フラグエリア2408に記憶するフラグに1を記憶しているかを判断する(S13)。記憶しているなら(S13のYes)、あと少しでまとめ値引が成立する商品があるということなので、フラグ1に対応する前記不成立ファイル24の前記不足商品エリア2402に記憶する不足商品名、前記単価エリア2404に記憶する単価、前記不足個数エリア2405に記憶する不足個数を、図9に示すように、前記客用表示器10と前記店用表示器12に表示する(S14)。このS14の処理が表示手段に相当する。ここで表示する商品名は、商品記憶部に相当するPLUファイルから取得しているため、このS14の処理が表示手段に相当する。なお、前記フラグエリア2408に記憶するフラグが0のみであるなら(S13のNo)、前記S1のPLUコードの入力判定を行う。
また、前記S1にてPLUコードが入力されないなら(S1のNo)、前記一括購入キーのキー信号が入力があるかを判断する(S15)。前記一括購入キーのキー信号の入力ありと判断すると(S15のYes)、前記不成立ファイル24の前記フラグエリア2408に記憶するフラグが「1」である前記不足商品PLUエリア2402のPLUコードと、これに対応する前記値引コードエリア2401と前記不足商品名エリア2403の不足商品名、前記単価エリア2404の単価、前記不足個数エリア2405に記憶する不足個数を全て抽出する。そして、前記取引ファイル22の前記PLUコード2201と前記商品名エリア2202と前記単価エリア2203と前記買上点数エリア2204と前記値引コードエリア2204とに、前記不足ファイル24から抽出した情報を記憶する。そして、前記不成立ファイル24から抽出した情報を、前記不成立ファイル24から削除する。また前記取引ファイル22の入力したPLUに対応する前記ステータスエリア2206のステータスを「01」に変更する(S16)。このS16の処理が不足商品入力手段に相当する。そして、前記小計キーのキー信号が入力されたか否かを判断する(S17)。
一方、前記一括購入キーのキー信号が入力されない判断すると(S15のNo)、前記小計キーのキー信号が入力されたか否かを判断する(S17)。前記小計キーのキー信号が入力されたと判断するなら(S17のYes)後述する小計処理を行う。一方、前記小計キーのキー信号が入力されないと判断するなら(S17のNo)、前記S1の処理に戻る。
続いて図8を用いて、小計処理を記述する。
前記S17にて前記小計キーのキー信号が入力されると、前記取引ファイル22の単価エリア2203と前記買上点数エリア2204に記憶する単価と対応する買上げ点数から顧客が買上げる商品の合計金額を算出し、前記取引ファイル22の前記商品合計金額エリアに記憶する。また、前記成立ファイル23の前記特典情報エリア2304の特典情報と前記成立数エリア2304の成立数とから値引の合計金額を算出して、前記取引ファイル22の前記値引合計金額エリアに記憶する。そして、この商品合計金額エリアに記憶する価と前記値引合計金額エリアに記憶する値を減算し、小計金額として前記小計エリアに記憶する(S51)。そして、この小計金額エリアに記憶する値を前記客用表示器10と前記店用表示器12に表示する(S52)。
続いて、顧客からの金額が前記テンキーを用いて入力されたか否かを判断する(S53)。金額が入力されないと判断するなら(S53のNo)、前記一括購入キーのキー信号が入力されたか否かを判断する(S54)。前記一括購入キーのキー信号が入力されないと判断するなら(S54のNo)、前記S53に戻り金額が入力されたか否かを判断する。前記一括購入キーのキー信号が入力されたと判断するなら(S54のYes)、前記不成立ファイル24の前記フラグエリア2408に記憶するフラグが「1」である前記不足商品PLUエリア2402のPLUコードと、これに対応する前記値引コードエリア2401と前記不足商品名エリア2403の不足商品名、前記単価エリア2404の単価、前記不足個数エリア2405に記憶する不足個数を全て抽出する。そして、前記取引ファイル22の前記PLUコード2201と前記商品名エリア2202と前記単価エリア2203と前記買上点数エリア2204と前記値引コードエリア2204とに、前記不足ファイル24から抽出した情報を記憶する。そして、前記不成立ファイル24から抽出した情報を、前記不成立ファイル24から削除する。また前記取引ファイル22の入力したPLUに対応する前記ステータスエリア2206のステータスを「01」に変更する(S55)。そして、前記S51の小計金額の算出を行う。
一方、金額が前記テンキーを用いて入力されたと判断するなら(S53のYes)、入力された金額を所定のエリアに一時記憶する。そして、この入力された金額と前記小計エリアの金額とから差額を算出する。そして、この差額と前記商品合計金額エリアに記憶する値と、前記値引合計金額エリアに記憶する値と、前記小計エリアに記憶する値と、前記所定のエリアに記憶する入金された金額と、前記取引ファイル22の前記商品名エリア2202の商品名と、これに対応する前記単価エリア2203の単価と、前記買上点数エリア2204の買上点数とから印刷データを作成して、この印刷データを前記プリンタ14に出力してレシートを発行し、処理を終了する。
次に顧客とキャッシャが本発明を使用する場合について説明する。
例えば、図3に示すように、BジュースセットはBジュースを4つ買うことにより、50円の値引が発生する。このとき、図9に示すように、Bジュースを2個購入したとき、後2個購入すれば50円の割引を得ることができると表示される。これを見た顧客は口頭にて購入する旨を告げると、キャッシャは一括購入キーを押下する。この一括購入キーが押下されると、まとめ値引成立のために不足しているBジュース2個を一度の操作で入力することが可能となり、キャッシャの操作負担の軽減と、顧客の待ち時間を短くすることが出来る。
以上により、キャッシャが商品を入力する度に、あと少しでまとめ値引が成立する商品名が前記客用表示器10と前記店用表示器12に表示される。また、まとめ値引が成立するたびに、前記客用表示器10と前記店用表示器12に表示される。このため、顧客はまとめ値引に必要な商品を簡易に把握することが可能であり、キャッシャは一括購入キーを押下するだけで、不足している商品を入力できるので操作性が向上する。
次に第2の実施の形態について図を用いて説明する。
実施例2で使用されるPOS端末50には前記キーボード8には実施例1で設けられていた一括購入キーの代わりに、まとめ値引キーが設けられている。このまとめ値引キーを押下後に、テンキーにて値引コードを入力する。その他のハードウェア構成は実施例1と同一であるので、説明は省略する。
前記POS端末50において、前記CPU1は、その動作モードとして「登録」業務が選択されているとき、予め設定されているプログラムに基づいて、図10に示す商品データ処理を実行する。
まず、S101として、PLUコードが入力され、前記キーボード8のテンキーにより入力された買上個数を所定のメモリに記憶する。そして、前記S101にて入力されたPLUコードを前記PLUファイル20の前記PLUコードエリア2001から検索する。該当するPLUコードが見つかると、対応する商品名、単価、値引コードをそれぞれ前記商品名エリア2002、前記単価エリア2003、前記値引コードエリア2004から読出し、前記取引ファイル22の前記PLUコードエリア2201と、前記商品名エリア2202と、前記単価エリア2203と、前記値引コードエリア2205とに記憶する。また、前記取引ファイル22の前記買上点数エリア2204には前記S101で記憶した買上個数の値を記憶する。また、前記値引コードエリア2204に記憶した値引コードが「000」の場合は前記ステータスエリア2206の値を「00」、値引コードが「000」以外のものは前記ステータスエリア2206の値を「02」として記憶する(S102)。このS102の前記PLUファイル20から単価を取得する処理が単価取得手段に相当する。
次に、前記小計キーのキー信号の入力があったか否かを判断する(S103)。前記小計キーのキー信号の入力がないと判断するなら(S103のNo)、前記S101の処理に戻る。
一方、前記小計キーのキー信号が入力されたと判断するなら(S103のYes)、前記取引ファイル22の前記ステータスエリア2206のステータスに「00」以外が含まれるか否かを判断する(S104)。「00」しか含まれていないと判断するなら(S104のNo)、前記取引ファイル22の単価エリア2203と前記買上点数エリア2204に記憶する単価と対応する買上げ点数から顧客が買上げる商品の合計金額を算出し、前記取引ファイル22の前記商品合計金額エリアに記憶する。また、前記成立ファイル23の前記特典情報エリア2304の特典情報と前記成立数エリア2304の成立数とから値引の合計金額を算出して、前記取引ファイル22の前記値引合計金額エリアに記憶する。そして、この商品合計金額エリアに記憶する価と前記値引合計金額エリアに記憶する値を減算し、小計金額として前記小計エリアに記憶する。そして、この小計金額エリアに記憶する値を前記客用表示器10と前記店用表示器12に表示する(S108)。このS108の処理が求め手段に相当する。
一方、「00」以外のステータスが記憶されていると判断するなら(S104のYes)、まず前記取引ファイル22の前記ステータスエリア2206のステータスが「02」である前記値引コードエリア2205に記憶する値引コードを全て抽出して所定のエリアに記憶する。そして、記憶した値引コードを前記値引ファイル21の前記値引コードエリア2101から検索する。続いて、値引コードエリア2101に対応する前記PLUコードエリア2103のPLUコードが前記取引ファイル22の前記PLUコードエリア2201に記憶されているか、記憶されている場合は前記値引ファイル21の前記必要個数エリア2104の必要個数を前記取引ファイル22の対応する前記買上点数エリア2204が満たしているかを判定する。そして、まとめ値引が成立したと判定する値引コードを、前記値引ファイル21の前記値引コードエリア2010から検索し、対応する値引名と特典情報とを、前記値引名エリア2102と前記特典情報エリア2108からそれぞれ抽出する。そして、検索に使用した値引コードを前記成立ファイル23の前記値引コードエリア2301に記憶する。続いて、前記値引ファイル21から抽出した情報を、前記成立ファイル23の前記値引名エリア2302と、前記特典情報エリア2303にそれぞれ記憶する。そして、成立数に所定数を加算して記憶する。また、まとめ値引が不成立であると判定すると、値引コードに対応するPLUコードを前記値引ファイル21の前記PLUコードエリア2103から抽出する。そして、前記不成立ファイル24の、前記値引コードエリア2401に前記所定のエリアに記憶する値引コードを、前記不足商品PLUエリア2402に前記値引ファイル21の前記PLUコードエリア2103のPLUコードを、前記不足商品名エリア2403に前記PLUファイル20の前記商品名エリア2002の商品名を、前記単価エリア2404に前記PLUファイル20の前記単価エリア2003の単価を、前記表示1エリア2406に前記値引ファイル21の前記表示1エリア2106の値を、前記表示2エリア2407に前記値引ファイル21の前記表示2エリア2107の値を、前記特典情報エリア2409に前記値引ファイル21の前記特典情報エリア2108から、それぞれ取得し、記憶する。そして、前記不成立ファイル24の前記値引コードエリア2401に記憶する値引コードの右から3桁目をチェックし、「0」ならばセット値引、「1」ならばM&M値引と判断する。セット値引と判断するなら、前記不足個数エリア2405の「不足個数」と前記表示1エリア2406の「表示1」とに記憶されている数値を比較する。「不足個数」<「表示1」であると判断すると、対応する前記フラグエリア2408のフラグに1を記憶する。また、M&M値引と判断する場合は、前記所定のエリアに記憶するまとめ値引コードに対応する必要個数を、前記値引ファイル21の前記必要個数エリア2104から検索し、対応する必要個数の合計を算出し、所定のエリアに記憶する。そして、この和と前記所定のエリアに記憶する値引コードに対応する「表示2」の項目を比較する。そして、「不足個数」<「表示2」であるなら、対応する前記フラグエリア2408のフラグに1を記憶する(S105)。
続いて、前記不成立ファイル24の前記値引コードエリア2401に値引コードが記憶されているか否かを判断する(S106)。前記不成立ファイル24の前記値引コードエリア2401に値引コードなどが記憶されていないと判断するなら(S106のNo)、まとめ値引の対象商品は全てまとめ値引が成立しているので前記S108の金額計算の処理と表示処理を行う。
一方、前記不成立ファイル24の前記値引コードエリア2401に値引コードなどが記憶されていると判断すると(S106のYes)、まとめ値引が成立していない、まとめ値引対象商品があるので、前記不成立ファイル24の前記フラグエリア2408に記憶するフラグ「1」のに対応する、前記値引コードエリア2401の値引コード、前記不足商品名エリア2403の不足商品の商品名、前記不足個数エリア2405の不足個数、前記単価エリア2404の単価、前記特典情報エリア2409の特典情報とを、前記客用表示器10と前記店用表示器12とに表示する。例えば図11(S107)。なお、フラグ「1」の不足商品がなければ、表示処理は行わない。そして、前記S108の金額計算の処理と表示処理を行う。
続いて前記テンキーを用いて、金額の入力があったか否かを判定する(S109)。金額の入力がないと判断すると(S109のNo)、前記まとめ値引キーが押下されたか否かを判断する(S110)。前記まとめ値引キーが押下されないと判断すると(S110のNo)、前記S109に戻り金額の入力があったか否かを判定する。
一方、前記まとめ値引キーが押下されたと判断すると(S110のYes)、続いて前記客用表示器10又は前記店用表示器12に表示されている値引コードが前記テンキーを用いて入力される(S111)。このS111の処理が指定手段に相当する。
そして、前記不成立ファイル24の前記値引コードエリア2401から入力された値引コードを検索する。そして、この値引コードに対応する全ての不足商品PLUと不足商品名と単価と不足個数とを、前記不足商品PLUエリア2402と、前記不足商品名エリア2403と、前記単価エリア2404と、前記不足個数エリア2405とから取得し、入力された値引コードと共に前記取引ファイル22に記憶する。このとき、前記不足商品PLUエリア2402の情報を前記PLUコードエリア2201に、前記不足商品名エリア2403の情報を前記商品名エリア2202に、前記単価エリア2404の情報を前記単価エリア2203に、前記不足個数エリア2405の情報を前記買上点数エリアに、入力された値引コードを前記値引コードエリア2205にそれぞれ記憶し、前記ステータスエリア2206のステータスを「01」として記憶する。このとき取得したPLUコードが既に前記PLUコードエリア2201に記憶されている場合は、前記買上点数エリア2204には既に記憶している買上点数と取得した不足個数の和を記憶する。そして、前記S111にて入力された値引コードを、前記不足ファイル24の前記値引コードエリア2401から検索し、対応する情報を前記不成立ファイル24から削除する。そして。前記S111にて入力された値引コードを前記値引ファイル21の前記値引コードエリア2101から検索し、値引名と特典情報とを前記値引名エリア2102と前記特典情報エリア2108とから取得する。そして、前記S111にて入力された値引コードを前記成立ファイル23の前記値引コードエリア2301に、前記値引名エリア2302に前記値引名エリア2102から取得した値引名を、前記特典情報エリア2302に前記特典情報エリア2108から取得した特典情報を記憶する(S112)。このS112の処理が単位入力手段に相当する。
続いて、前記取引ファイル22の単価エリア2203と前記買上点数エリア2204に記憶する単価と対応する買上げ点数から顧客が買上げる商品の合計金額を算出し、前記取引ファイル22の前記商品合計金額エリアに記憶する。また、前記成立ファイル23の前記特典情報エリア2304の特典情報と前記成立数エリア2304の成立数とから値引の合計金額を算出して、前記取引ファイル22の前記値引合計金額エリアに記憶する。そして、この商品合計金額エリアに記憶する価と前記値引合計金額エリアに記憶する値を減算し、小計金額として前記小計エリアに記憶する。そして、この小計金額エリアに記憶する値を前記客用表示器10と前記店用表示器12に表示する。また、前記不成立ファイル24の前記フラグエリア2408に記憶するフラグ「1」の不足商品の商品名、不足商品の不足個数、単価、特典情報とを、値引コードと共に前記客用表示器10と前記店用表示器12とに表示する。前記不成立ファイル24にフラグ「1」の商品情報が記憶されていない場合は、不足商品の情報を表示しない(S113)。
一方、金額が入力されたと判断されるなら(S109のYes)、入力された金額と小計金額とから差額を算出し、この金額と前記取引ファイル22に記憶されている情報とから印刷データを作成して、この印刷データを前記プリンタ14に出力してレシートを発行し、処理を終了する。
次に顧客とキャッシャが本発明を使用する場合について説明する。
例えば、Bジュース4個を購入すると50円の値引をするBジュースセットとFパン、G紅茶、Hケーキを購入すると100円値引するパンセットとがある。そして、キャッシャは図11に示すようにFパン1個とBジュース2個を読取る。このとき、前記客用画面10と前記店用画面12には値引コード「200」と共に値引名「パンセット」、その値引を成立させるために不足している商品である「G紅茶」「Hケーキ」が表示される。同じく値引コード「001」、値引名「Bジュースセット」と共に「Bジュース」が表示される。これを見た顧客は、パンセットの購入を希望することを口頭にて伝える。これを受けてキャッシャは前記まとめ値引キーを押下し、パンセットの値引コード「200」を値数キーにて入力する。すると、値引成立に不足している「G紅茶」「Hケーキ」とが一度の操作で入力される。
以上により、顧客は好みの自身が付与を受けたい特典を選択することが可能となる。また、キャッシャは顧客の希望する商品を一つ一つ入力する必要はないので、操作性は向上する。
以上、本発明の実施の一形態についての動作を詳述したが、本発明はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。例えば、以下のような実施が考えられる。
前記客面表示器10に、タッチパネルを設けてもよい。これにより顧客は自身の操作で行うことができ、口頭にて行う手間が省ける。
本実施例では小計キー押下後に、選択的にまとめ値引を選択しているが、小計キー押下前に行ってもよい。この場合、前記S15と前記S16の代わりに、前記S110から前記S113の処理を行えばよい。
また、実施例2では一つの値引コードが入力されるごとにファイル更新を行うが、複数の値引コードを入力した後に、一括して処理しても良い。
また、本実施例ではまとめ値引をセット値引とM&M値引を例にして記載したが、それ以外の値引(例えば、パン3つと紅茶4つ購入で成立する値引)に関しても当然に適用可能である。
また、実施例では値引を例に上げたが、他の特典を付与してもよい。例えジュースを4つ買ったらクーポン券付与などが上げられる。
また、本実施例では、前記PLUファイル20、前記値引ファイル21、前記成立ファイル23、前記不成立ファイル24は前記POS端末50に記憶したが、これらを外部装置に記憶してもよい。
また、また、本実施例では前記PLUファイル20、前記値引ファイル21、前記成立ファイル23、前記不成立ファイル24に記憶する値引コードとPLUコードを1対1で対応付けた。しかし、1つの値引コードに対して複数のPLUコードを対応付けて記憶してもよい。
また、本実施例では複数のPLUコードを入力する際、「前記一括購入キー」を用いたが、例えば「一括購入キー押下」した後、「小計キー」を押下して操作を確定してもよい。
また、本実施例では、例えば前記不成立ファイル24に記憶する情報を直接前記値引ファイル21から取得したが、ダイレクトに持ってこなくてもよい。
また、実施例2において、本実施例では値引コードを入力することにより、不足商品の入力を行ったが、例えば前記客用表示器10と前記店用表示器12にまとめ値引名の表示と共に、そのまとめ値引名に番号を割振り、その番号を入力することにより不足商品の入力を行ってもよい。