JP5365544B2 - 酸化亜鉛系焼結体タブレットおよびその製造方法 - Google Patents

酸化亜鉛系焼結体タブレットおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池や液晶表面素子などに用いられる低抵抗の酸化物透明導電膜を真空蒸着法で製造する際に、原料(蒸発源)として使用される酸化亜鉛系焼結体タブレットと、その製造方法に関する。
酸化物透明導電膜は、高い導電性と可視光領域での高い透過率とを有する。このため、酸化物透明導電膜は、太陽電池や液晶表示素子、その他の各種受光素子の電極などに利用されているばかりでなく、近赤外線領域の波長での反射吸収特性を生かして、自動車や建築物の窓ガラスなどに用いる熱線反射膜や、各種の帯電防止膜、冷凍ショーケースなどの防曇用の透明発熱体としても利用されている。
酸化物透明導電膜には、アンチモンやフッ素をドーパントとして含む酸化スズ(SnO2)、アルミニウムやガリウムをドーパントとして含む酸化亜鉛(ZnO)、スズをドーパントとして含む酸化インジウム(In23)などが利用されている。特に、スズをドーパントとして含む酸化インジウム膜は、ITO(Indium Tin Oxide)膜とも称されており、特に低抵抗の透明導電膜が容易に得られることから、広範に用いられている。
これらの酸化物透明導電膜の製造方法としては、真空中で蒸発源を加熱し、蒸発した原料を基板上に堆積させる真空蒸着法、ターゲットにアルゴンイオンを衝突させて、ターゲットを構成する物質をたたき出し、対向する基板に堆積させるスパッタリング法、透明導電層形成用塗液を塗布する方法が用いられている。これらの中で、真空蒸着法やスパッタリング法は、蒸気圧の低い材料を使用する際や、精密な膜厚制御を必要とする際に有効な手段であり、操作が非常に簡便であるため、工業的に広範に利用されている。
このうちの真空蒸着法は、より具体的には、一般に、圧力が10-3Pa〜10-2Pa程度の真空中で蒸発源である固体(または液体)を加熱して、気体分子や原子に一度分解した後、再び基板表面上に薄膜として凝縮させる方法である。蒸発源の加熱方式には、抵抗加熱法(RH法)、電子ビーム加熱法(EB法、電子ビーム蒸着法)が一般的であるが、レーザ光による加熱法や高周波誘導加熱法などもある。また、フラッシュ蒸着法や、アークプラズマ蒸着法、反応性蒸着法なども知られており、これらも真空蒸着法に含まれる。また、真空蒸着法の中で、高密度プラズマアシスト蒸着(HEPE)法などの蒸発物や反応ガスのイオン化を伴うものは、イオンプレーティング法と総称されている。
ITO膜を堆積させる場合には、以前より、電子ビーム蒸着法、高密度プラズマアシスト蒸着法などのイオンプレーティング法、その他各種の真空蒸着法がよく利用されており、蒸発源にはITOの焼結体からなるITOタブレット(ITOペレットとも称される)が用いられている。
このようなITO膜は、その製造において所望の品質を得るのが容易であるものの、主原料のインジウムが希少金属で高価であるため、その低コスト化には限界がある。
これに対して、酸化亜鉛、もしくはアルミニウムやガリウムをドーパントとして含む酸化亜鉛からなる酸化亜鉛系透明導電膜は、主原料である亜鉛がきわめて低価格であり、かつ、光の透過率が高く、耐プラズマ性に優れていることから、薄膜シリコン太陽電池の電極に用いられている。また、酸化亜鉛の禁制帯幅が約3.4eVと広く、励起子エネルギが高いことから、近年、発光ダイオードへの応用も盛んに報告されている。さらには、透明薄膜トランジスタへの応用も期待されている。なお、酸化亜鉛を主成分とする酸化亜鉛系透明導電膜において、亜鉛よりも価数の大きい元素である、アルミニウムやガリウムなどのホウ素族元素をドーパントとして含ませる理由は、これによって膜の比抵抗(電気抵抗率)を小さくできるためである。
酸化亜鉛系透明導電膜の製造には、主にスパッタリング法が用いられているが、ITO膜と同様に、真空蒸着法による製造が検討されており、蒸発源としての酸化亜鉛系焼結体タブレット(ペレット)について種々の提案がなされている(特許文献1〜4参照)。
特許文献1〜4に記載されているように、酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造する際には、大気や窒素ガス雰囲気中で焼結をおこなっている。また、特許文献1には、蒸着時の安定性の観点から、焼結体タブレットの導電性を向上させるために、焼結体タブレットをアルゴン雰囲気や真空などの還元性雰囲気中で熱処理することが有効であると記載されている。
なお、スパッタリング法に用いる焼結体ターゲットの製造では、真空中でのホットプレスによる焼結法を用いる例がある。ただし、高密度が要求される、スパッタリング法に用いる焼結体ターゲットとは異なり、真空蒸着法に用いる焼結体タブレットは、密度が高すぎると、成膜時の局所加熱による熱衝撃を伴う熱応力を原因として、焼結体タブレットに割れやクラックが発生してしまう。このため、真空蒸着法に用いる焼結体タブレットの製造では、真空中でのホットプレスによる焼結法は用いられていない。
また、酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造する際に、真空中で焼結をおこなうと、酸化亜鉛はその蒸気圧が高いことから容易に揮発してしまうことや、焼結工程においてバインダの除去が急激に進み過ぎて割れやクラックが発生しやすくなることが予想される。このような理由から、酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造する際には、常圧の大気中や窒素ガス中で焼結をおこなっている。
このような成膜時における割れやクラックの発生を防止する観点から、真空蒸着法に用いる酸化亜鉛系焼結体タブレットとしては、相対密度(理論密度に対する嵩密度の割合)が50%〜70%程度のものが使用されている。したがって、スパッタリング法で用いるような、相対密度が95%以上の焼結体ターゲットに比べると、相対密度が低い分だけ、機械的強度が劣っており、熱応力による割れは防止できても、機械的な力が加わった際に欠けやすいという問題がある。
たとえば、真空蒸着装置に円柱状の酸化亜鉛系焼結体タブレットを連続的に供給するシステムを用いる場合などでは、焼結体タブレットの機械的強度が弱いと、押上げ用ロッドによってハース(炉)の貫通孔に挿入される際に、焼結体タブレットが破損して、焼結体タブレットの欠片や粉からなる破損物質が発生する場合がある。このような破損物質が存在すると、真空槽の中で、たとえば成膜ガスの導入による気流とともに舞って、基板に付着し、膜の欠陥の原因となる。
さらに、押上げ用ロッドの軸や回転テーブルの回転軸などに破損物質が堆積することによって、スムーズな駆動に支障をきたし、定期的に破損物質の除去作業が必要となる。破損量が特に多い場合には、操業を停止して破損物質の除去作業をおこなわざるを得ず、ラインの生産性を大幅に低下させてしまう。したがって、このような問題の発生を回避するために、機械的強度が高く、成膜作業時に破損しにくい、酸化亜鉛系焼結体タブレットの実現が望まれている。
また、酸化亜鉛系焼結体タブレットを用いて、真空蒸着法により成膜をおこなう際に、プラズマビームや電子ビームによる加熱に伴い、蒸発材料から原子状態で均一な蒸発が生じるが、この際に、均一な蒸発ガスに混じって数μm〜1000μm程度の大きさで蒸着材料が飛散し蒸着膜に衝突するスプラッシュ現象が生じる場合があり、このスプラッシュ現象は、ピンホール欠陥などの膜の欠陥の原因となる。したがって、このようなスプラッシュ現象の発生が抑制される、酸化亜鉛系焼結体タブレットの実現も望まれている。
特開平6−248427号公報 特開2006−117462号公報 特開2007−56351号公報 特開2007−56352号公報
本発明は、成膜時のスプラッシュ現象の発生が抑制され、かつ、機械的強度が高く、真空蒸着法による成膜作業時に破損しにくい、酸化亜鉛系焼結体タブレットを提供することを目的とする。
本発明は、真空蒸着法に用いられる、酸化亜鉛系焼結体タブレットに係る。
特に、本発明の酸化亜鉛系焼結体タブレットは、相対密度が50%〜70%であり、圧縮強さが150MPa以上であることを特徴とする。
かかる酸化亜鉛系焼結体タブレットでは、表面と内部断面における比抵抗がそれぞれ1×102Ω・cm以下、好ましくは1×10-2Ω・cm以下、さらに好ましくは1×10-3Ω・cm以下である。また、表面と内部の酸化亜鉛濃度差が0.5質量%以下である。
本発明の酸化亜鉛系焼結体タブレットは、酸化亜鉛粉末を加圧成形して得た成形体、あるいは酸化亜鉛粉末を主成分とし、酸化ガリウムなどの酸化金属粉末が添加された混合粉末を加圧成形して得た成形体を、常圧にて、900℃〜1300℃の温度で焼結させ、得られた常圧焼結体を、圧力1×10-3Pa以下の真空中にて、900℃〜1300℃の温度で還元処理することにより得られる。
なお、かかる還元処理に際して、高真空であるほど還元処理時間が短くて済むが、亜鉛の揮発も促進されるため、圧力を1×10-4Pa以上とし、処理時間を1分以上10分以下とすることが好ましい。
本発明により、真空蒸着装置への供給時に破損することがなく、かつ、導電性のさらなる向上が図られた、酸化亜鉛系焼結体タブレットが提供される。これにより、スプラッシュ現象の発生が防止され、安定した放電による成膜が可能となるとともに、成膜時に膜の欠陥の原因となる破損物質の発生が防止され、破損物質の除去作業が不要になるなど、真空蒸着法による透明導電膜の成膜における生産性の著しい向上が図られる。
焼結体タブレットの圧縮強さの検査装置を示す側面図である。
上述の問題の解決を図るために、鋭意研究をおこなった結果、本発明者は、常圧で焼結した常圧焼結体タブレットを特定の条件で還元処理することにより、得られる焼結体タブレットの導電性が向上するばかりか、著しく強度が向上するとの知見を得て、本発明の完成に至ったものである。
すなわち、本発明は、真空蒸着法に用いられる、相対密度が50%〜70%の範囲内にある酸化亜鉛系焼結体タブレットにおいて、圧縮強さを150MPa以上としている点に特徴がある。
(酸化亜鉛系焼結体タブレット)
酸化亜鉛系焼結体タブレットには、亜鉛以外の金属元素をまったく含まない酸化亜鉛からなる焼結体タブレットと、酸化亜鉛を主成分とし、亜鉛以外の金属元素をドーパントとして含む焼結体タブレットが含まれる。
ここで、亜鉛以外の金属元素をまったく含まない酸化亜鉛からなる焼結体タブレットにおいては、好ましくは純度99.9%以上、さらに好ましくは純度99.99%以上であることが好ましい。ただし、上記の純度となる範囲で不可避的不純物が存在することは許容される。
一方、酸化亜鉛を主成分とする焼結体タブレットにおいては、ガリウム、アルミニウム、スズ、インジウム、チタン、セリウム、タングステン、モリブデン、バナジウム、プラセオジム、マグネシウム、イリジウム、ルテニウム、イットリウム、ガドリニウム、ホウ素、タンタル、ニオブ、ビスマスの中から選ばれる一種以上の金属元素が含まれる。これらの金属元素は、典型的には酸化物の形態で焼結体タブレット中に存在する。これらの中でも、後述のように、低い比抵抗の膜が容易に得られるとの理由から、ガリウムが含まれることが好ましい。なお、本明細書においては、ガリウム添加の場合について実証をおこなっているが、他の添加金属元素の場合でも、本発明にしたがうことにより、所定の圧縮強さと比抵抗を有し、同様の効果を有する酸化亜鉛系焼結体タブレットが得られる。
(相対密度)
本発明の酸化亜鉛系焼結体タブレットは、真空蒸着用の酸化亜鉛系焼結体タブレットと同様に、その相対密度が50%〜70%である。ここで、相対密度を算出する際に用いられる、各組成における理論密度は、酸化物焼結体を構成する酸化亜鉛および添加酸化金属のそれぞれの密度を用いて、質量比を重みとした加重平均から算出される。
(圧縮強さ)
本発明の酸化亜鉛系焼結体タブレットの圧縮強さは、150MPa以上、好ましくは180MPa以上である。強度は高いほどよいことから、圧縮強さには上限はないが、圧縮強さが高くなっても、相対密度が70%を超えてしまうと、成膜時における局所加熱による熱衝撃を伴う熱応力により、割れやクラックが発生してしまう。相対密度が70%以下となる条件における圧縮強さの上限は、現時点では230MPa未満である。
圧縮強さの計測は、基本的に「JIS R 1608(ファインセラミックスの圧縮強さ試験方法)」に準じて実施される。たとえば、図1に示すように、得られた焼結体タブレット(1)を試料台(2)の上面に載置した状態で、焼結体タブレット(1)の上端面に金属製の冶具(3)の下端面を、0.5mm/分の速度で押し当てる。そして、焼結体タブレット(1)が破壊したときに、焼結体タブレット(1)に加えられていた荷重を測定し、圧縮強さを算出する。
ただし、本発明においては、試験片である焼結体タブレット(1)としては、円柱状で、直径Dが30mm、高さHが40mmのものを用いている。また、加圧板である治具(3)は、SUS製で、直径dが10mmであり、下端面の外周縁の全周に、C1の面取り(径方向幅が1mmで、軸方向幅が1mmのC面取り)(4)が施されている円柱状のものを使用している。また、同条件にて作製した2個の焼結体タブレット(1)について求めた算出値の平均値を圧縮強さとしている。
(比抵抗)
本発明の酸化亜鉛系焼結体タブレットの比抵抗は、安定した放電を持続するために、1×102Ω・cm以下であることが好ましい。少なくとも1×102Ω・cm以下の比抵抗の酸化亜鉛系焼結体タブレットを使用すると、局所加熱が排除され、均一に材料が加熱されるため、スプラッシュ現象が発生しにくくなる。
特に、本発明では、金属元素としてガリウムを含有させることで、相対密度が50%〜70%の範囲内にある酸化亜鉛系焼結体タブレットにおいて、1×10-2Ω・cm以下、より具体的には、1.1×10-3Ω・cm以下、さらには7×10-4Ω・cm以下という低い比抵抗を達成することができる。
本発明では、比抵抗については低いほど好ましいが、焼結体タブレットの相対密度を70%以下とする条件における比抵抗の下限は、現時点では5×10-4Ω・cm程度である。
なお、本発明においては、比抵抗は四探針法を用いて計測した値であり、具体的には、四探針法抵抗率計ロレスタEP(株式会社三菱化学アナリテック製、MCP−T360型)を使用して計測したものである。
(表面と内部の酸化亜鉛濃度差)
本発明における酸化亜鉛を主成分とし、亜鉛以外の金属元素を含む焼結体タブレットでは、その表面と内部の酸化亜鉛濃度差が0.5質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以下であることがさらに好ましい。かかる酸化亜鉛濃度差が0.5質量%を超えると、形成した膜の組成が蒸着時間に従って変化し、膜の比抵抗が変化するなどの問題が生じてしまうためである。
酸化亜鉛濃度差の計測は、たとえば、蛍光X線分析装置を用いておこなうことができる。本装置は、元素の濃度差を比較する目的で優れている装置であり、再現性もよい。
以上のような優れた特性を有する、本発明の酸化亜鉛系焼結体タブレットは、酸化亜鉛粉末を加圧成形して得た成形体、あるいは酸化亜鉛粉末を主成分とし、酸化ガリウムなどの酸化金属粉末が添加された混合粉末を加圧成形して得た成形体を、常圧にて、900℃〜1300℃の温度で焼結させ、得られた常圧焼結体を、圧力1×10-3Pa以下の真空中にて、900℃〜1300℃の温度で還元処理することにより得られる。
本発明の酸化亜鉛系焼結体タブレットの製造方法の各工程について、以下に説明する。
(造粒)
本発明の酸化亜鉛系焼結体タブレットの製造では、未仮焼の酸化亜鉛粉末と仮焼した酸化亜鉛粉末とを混合したもの、あるいは、未仮焼の酸化亜鉛粉末と酸化ガリウムなどの酸化金属粉末との混合粉末と、これらの粉末を仮焼した仮焼粉末とを混合したものを、原料粉末とするとよい。原料粉末の一部に仮焼粉末を用いることにより、相対密度が50%〜70%の焼結体タブレットを得やすくなる。なお、仮焼粉末を作製する際は、1000℃〜1300℃、好ましくは1200℃〜1250℃の温度で仮焼する。また、仮焼粉末の未仮焼粉末に対する使用量は、30質量%〜90質量%であることが好ましい。
焼結性の均一化の観点から、酸化亜鉛粉末、あるいは必要に応じて添加される酸化ガリウムなどの酸化金属粉末については、それらの平均粒径を1μm以下とすることが好ましい。また、仮焼後の混合粉末については、その平均粒径を1.5μm以下とすることが好ましい。
酸化金属粉末を添加する場合、該原料粉末の配合については、所望とされる焼結体タブレットの組成に応じて決定される。焼結体タブレットの組成として、添加物が酸化ガリウムの場合は0.01質量%〜10質量%、酸化アルミニウムの場合は0.01質量%〜10質量%、酸化スズの場合は0.01質量%〜70質量%、酸化シリコンの場合は0.01質量%〜50質量%、酸化インジウムの場合は0.01質量%〜50質量%となるように、その添加量を決定することが望ましい。焼結体タブレット中の上記酸化金属量が規定量に満たないか、規定量を超えてしまうと、いずれの場合でも得られる膜の抵抗が高くなりすぎてしまう。
次に、上記原料粉末を、純水、有機バインダとしてのポリビニルアルコール、分散剤としてのポリカルボン酸アンモニウム塩とともに、原料粉末濃度が50質量%〜80質量%、好ましくは65〜75質量%、好適には70質量%程度となるように混合し、スラリーを作製する。
次に、該スラリーを、スプレードライヤ装置を用いて噴霧および乾燥させることにより、造粒粉末を得る。この場合に、乾燥温度は80℃以上にすることが望ましい。乾燥温度が80℃未満になると、十分に乾燥した造粒粉末を得ることができないためであり、乾燥が不十分で水分量が多い造粒粉末の場合には、次の成形工程ないしは焼結工程で、割れが発生する可能性が高くなるためである。
(成形)
次に、上記造粒粉末を、たとえば、金型中で加圧する機械プレス法などにより加圧成形して、成形体を得る。該成形体を得る工程では、造粒粉末を49MPa(0.5tonf/cm2)〜147MPa(1.5tonf/cm2)の圧力で成形すると、所望の相対密度の焼結体タブレットが得られやすく望ましい。また、原料として使用している仮焼粉末の使用量と、該仮焼粉末の熱処理温度と、後工程での焼結温度を一定にすることで、焼結時の各タブレットの収縮率をほぼ同一にコントロールできる。
したがって、焼結体タブレットの寸法は、プレス成形での成形体寸法を調整することで決定できる。なお、プレス成形での金型は、内面のエッジ部分をC面取りの形状にすることによって、成形体の外面のエッジ部分にC面取りを施すと、この成形体や、この成形体を焼結させた焼結体タブレットを取り扱う際に、欠けなどの破損を防ぐことができ、好ましい。
(焼結)
次に、上記成形体を常圧で焼結することにより、酸化亜鉛からなる焼結体タブレット、あるいは酸化亜鉛を主成分とし、必要に応じてガリウムなどの金属元素を含む酸化亜鉛系常圧焼結体タブレットを得る。この際の焼結温度は、900℃〜1300℃、好ましくは1100℃〜1200℃とする。なお、焼結温度が900℃未満では、焼結が進行せず、機械的な強度の弱い常圧焼結体タブレットになる。また、焼結収縮が十分進んでいないために、焼結したタブレットの密度や寸法のばらつきが大きくなる。また、焼結温度が1300℃を超えると、亜鉛が揮発し、所定の酸化亜鉛組成からずれてしまうことになる。
なお、焼成雰囲気は、常圧であれば、大気、窒素、アルゴン、酸素のいずれの雰囲気も採用できる。また、焼結時間は、焼成炉など焼成条件により任意であるが、成形体が十分に焼結し、かつ過焼結とならない時間を設定すればよい。通常は、10時間〜20時間であり、好ましくは、15時間〜20時間である。20時間を超えて焼結すると、焼結時間に応じて生産コストが増加するとともに、亜鉛の揮発による組成ずれが生じやすくなる。
この時点における、相対密度が50%〜70%の常圧焼結体タブレットの圧縮強さは、100MPa〜130MPa程度である。
(真空還元)
次に、上記常圧焼結体タブレットに対し、真空中にて還元処理を施すことにより、本発明の酸化亜鉛系焼結体タブレットを完成させる。この際の還元圧力は1×10-3Pa以下とし、還元温度は900℃〜1300℃、好ましくは、1000℃〜1200℃とする。
常圧焼結体タブレットを構成する酸化亜鉛の蒸気圧が高いために、このような条件の還元処理により、焼結体タブレットの内部で粒子間の付着力が大きくなり、凝着が促進される。これにより、焼結体タブレットの緻密化が促進され、成膜時のロッド押し上げで加わる機械的な力によっても破損しにくい、150MPa以上の高強度のものが得られる。
さらには、焼結体タブレットの内部に酸素欠損が生じ、キャリア生成により導電性が付与され、焼結体タブレットの比抵抗を1×102Ω・cm以下とすることができる。これにより、真空蒸着法による成膜時の放電中にスプラッシュ現象などが発生せず、放電および昇華が安定するようになる。
なお、還元温度が900℃未満では、焼結体タブレットの内部まで還元が進行せず、焼結体タブレットの内部での高強度化が図られない。その結果、成膜作業時に、この焼結体タブレットが破損してしまうだけでなく、この焼結体タブレットの表面と内部で導電性にばらつきが生じることよって成膜が不安定になる。一方、還元温度が1300℃を超えると、焼結体タブレットの表面で酸化亜鉛が揮発し、所定の酸化亜鉛組成から外れてしまう。
また、還元圧力を1×10-3Paよりも高くすると、焼結体タブレットの内部まで還元が進行せず、この焼結体タブレットの内部が還元により低抵抗化されたとしても、粒子間の凝着が弱く強度が上がらない。ただし、真空処理時間などの効率性やコストを考慮すると、還元圧力を1×10-4Pa以上とすることが好ましい。
還元処理の時間は、処理条件により任意であり、焼結体タブレットの内部まで十分に還元がなされ、かつ亜鉛の揮発が抑制できる時間を設定すればよい。還元処理の効率性、生産コストを考慮すると、通常は、1分〜1時間であり、好ましくは、1分〜10分とする。
(実施例1)
まず、平均粒径が1μm以下の酸化亜鉛粉末と、平均粒径が2μm以下の酸化ガリウム粉末とを、「酸化亜鉛粉末:酸化ガリウム粉末=97質量%:3.0質量%」の割合となるように秤量し、用意した。
その中から、酸化亜鉛粉末と酸化ガリウム粉末のそれぞれについて60質量%ずつ分取し、これらの粉末を純水、分散剤としてのポリカルボン酸アンモニウム塩とともに粉末濃度が60質量%となるように調合し、混合タンク内でスラリーを作製した。そして、該スラリーを、スプレードライヤ装置(大川原化工機株式会社製、ODL−20型)を用いて噴霧および乾燥させることにより、粒径が300μm以下である混合粉末を得た。
該混合粉末を、大気圧焼結炉にて、1200℃で20時間焼成し、焼成後粉砕することにより、粒径が300μm以下の仮焼粉末を得た。そして、該仮焼粉末と、最初に用意した未仮焼の酸化亜鉛粉末および酸化ガリウム粉末の残部とを混合することにより、原料粉末を得た。
該原料粉末を、純水、有機バインダとしてのポリビニルアルコール、分散剤としてのポリカルボン酸アンモニウム塩とともに、原料粉末濃度が70質量%となるように調合し、混合タンク内でスラリーを作製した。
該スラリーを、スプレードライヤ装置を用いて噴霧および乾燥させることにより、粒径が300μm以下である造粒粉末を得た。
次に、該造粒粉末を、成形プレス機(三庄インダストリー株式会社製、ウエーブ成形プレス機)の金型中で加圧成形することにより、直径30mm、高さ40mmの円柱状の成形体を、200個得た。
さらに、得られた200個の成形体を、それぞれ電気炉にて常圧の大気中で焼結することにより、200個のガリウムを含む酸化亜鉛系常圧焼結体タブレットを得た。この際の焼結温度は1100℃、焼結時間は20時間とした。
そして、得られた200個の常圧焼結体タブレットを、それぞれ黒鉛容器内に設置し、圧力1×10-3Paの真空中にて、5℃/分の昇温速度で1100℃(最高到達温度)まで加熱し、この温度で3分保持する還元処理を施すことにより、200個のガリウムを含む酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造した。
<検査・評価>
[相対密度]
実施例1の酸化ガリウムを含む酸化亜鉛系焼結体タブレットにおける酸化ガリウム量は3.0質量%である。また、酸化亜鉛および酸化ガリウムの密度がそれぞれ5.78g/cm3、6.16g/cm3であるから、この焼結体タブレットの理論密度は、5.79g/cm3となる。一方、得られた200個の焼結体タブレットのすべてについて、直径、高さ、重量を測定し、前記理論密度に対する相対密度を算出した結果、相対密度の平均値は60%であった。
[比抵抗]
50個の試料について、四探針法抵抗率計ロレスタEP(株式会社三菱化学アナリテック製、MCP−T360型)を用いて、表面の比抵抗を測定したところ、比抵抗の平均値は6.5×10-4Ω・cmであった。
また、かかる試料について、表面の比抵抗だけでなく、内部断面の比抵抗も測定したところ、差異がなかった。
[圧縮強さ]
試料のうちの2個を試験片とし、これらの圧縮強さを、圧縮試験装置(今田製作所製、SDWS-2012型試験機)を用いて測定した。圧縮強さの平均値は202MPaであった。なお、該圧縮試験後の焼結体タブレットの破断面を観察したところ、酸化度の違いによって生じる色ムラはなかった。
[表面と内部の酸化亜鉛濃度差]
10個の試料について、表面および内部断面に対し、それぞれ蛍光X線分析装置(株式会社リガク製、ZSXprimusII)による定量分析をおこなうことにより、これら表面と内部の酸化亜鉛濃度差を調べた。濃度差の平均値は0.2質量%であった。
[蒸着試験]
50個の試料について、真空蒸着装置に連続的に供給しつつ、それぞれの試料について電子ビームを照射して蒸着をおこなった。その結果、すべての焼結体タブレットについて、自動運搬時による欠け、クラックの発生はなかった。また、成膜時のスプラッシュ現象は発生せず、放電は安定していた。
実施例1の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(実施例2)
酸化亜鉛粉末と酸化ガリウム粉末との割合を「酸化亜鉛粉末:酸化ガリウム粉末=99質量%:1.0質量%」に変えた点以外は、実施例1と同様の条件で、ガリウムを含む酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は60%、表面および内部断面の比抵抗の平均値は1.1×10-3Ω・cm、圧縮強さの平均値は190MPa、表面と内部の酸化亜鉛濃度差の平均値は0.3質量%であった。
また、得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、欠けやクラックの発生、スプラッシュ現象の発生はいずれもなく、放電は安定していた。
実施例2の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(実施例3)
酸化亜鉛粉末と酸化ガリウム粉末との割合を「酸化亜鉛粉末:酸化ガリウム粉末=91質量%:9.0質量%」に変えた点以外は、実施例1と同様の条件で、ガリウムを含む酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は60%、表面および内部断面の比抵抗の平均値は6.7×10-4Ω・cm、圧縮強さの平均値は194MPa、表面と内部の酸化亜鉛濃度差の平均値は0.2質量%であった。
また、得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、欠けやクラックの発生、スプラッシュ現象の発生はいずれもなく、放電は安定していた。
実施例3の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(実施例4)
焼結温度を900℃に変えた点以外は、実施例1と同様の条件で、ガリウムを含む酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は59%、表面および内部断面の比抵抗の平均値は6.8×10-4Ω・cm、圧縮強さの平均値は188MPa、表面と内部の酸化亜鉛濃度差の平均値は0.3質量%であった。
また、得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、欠けやクラックの発生、スプラッシュ現象の発生はいずれもなく、放電は安定していた。
実施例4の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(実施例5)
焼結温度を1300℃に変えた点以外は、実施例1と同様の条件で、ガリウムを含む酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は61%、表面および内部断面の比抵抗の平均値は6.3×10-4Ω・cm、圧縮強さの平均値は205MPa、表面と内部の酸化亜鉛濃度差の平均値は0.1質量%であった。
また、得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、欠けやクラックの発生、スプラッシュ現象の発生はいずれもなく、放電は安定していた。
実施例5の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(実施例6)
還元処理温度(最高到達温度)を900℃に変えた点以外は、実施例1と同様の条件で、ガリウムを含む酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は60%、表面および内部断面の比抵抗の平均値は7.7×10-4Ω・cm、圧縮強さの平均値は183MPa、表面と内部の酸化亜鉛濃度差の平均値は0.1質量%であった。
また、得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、欠けやクラックの発生、スプラッシュ現象の発生はいずれもなく、放電は安定していた。
実施例6の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(実施例7)
還元処理温度(最高到達温度)を1300℃に変えた点以外は、実施例1と同様の条件で、ガリウムを含む酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は61%、表面および内部断面の比抵抗の平均値は6.0×10-4Ω・cm、圧縮強さの平均値は210MPa、表面と内部の酸化亜鉛濃度差の平均値は0.3質量%であった。
また、得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、欠けやクラックの発生、スプラッシュ現象の発生はいずれもなく、放電は安定していた。
実施例7の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(実施例8)
酸化亜鉛粉末と酸化ガリウム粉末との混合粉末の代わりに、平均粒径が1μm以下の酸化亜鉛粉末(仮焼粉末60質量%、未仮焼粉末40質量%)のみを用いたことを除き、実施例1と同様に、原料粉末から、スラリー得て、造粒し、成形し、焼結し、還元処理をおこない、亜鉛以外の金属元素を含まない、酸化亜鉛からなる酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は60%、表面および内部断面の比抵抗の平均値は6.5Ω・cm、圧縮強さの平均値は205MPaであった。なお、圧縮試験後の焼結体タブレットの破断面を観察したところ、酸化度の違いによって生じる色ムラはなかった。
また、得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、欠けやクラックの発生、スプラッシュ現象の発生はいずれもなく、放電は安定していた。
実施例8の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(実施例9)
還元処理温度(最高到達温度)を900℃に変えた点以外は、実施例8と同様の条件で、亜鉛以外の金属元素を含まない、酸化亜鉛からなる酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は60%、表面および内部断面の比抵抗の平均値は9.2Ω・cm、圧縮強さの平均値は197MPaであった。なお、圧縮試験後の焼結体タブレットの破断面を観察したところ、酸化度の違いによって生じる色ムラはなかった。
また、得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、欠けやクラックの発生、スプラッシュ現象の発生はいずれもなく、放電は安定していた。
実施例9の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(比較例1)
焼結条件を変えた(得られた成形体を黒鉛容器内に設置し、焼結雰囲気を圧力1×10-3Paの真空とし、焼結温度を1100℃とし、焼結時間を3時間とした)点、および、還元処理をおこなわなかった点以外は、実施例1と同様の条件で、ガリウムを含む酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は57%、圧縮強さの平均値は178MPaであった。しかしながら、表面には真空焼結中に亜鉛が揮発したことによる脆弱層が存在し、内部断面の比抵抗の平均値は6.3×10-4Ω・cmであったが、表面の比抵抗の平均値は10Ω・cmであり、差が生じていた。また、表面と内部の酸化亜鉛濃度差は4.0質量%と大きかった。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、欠けやクラックの発生、スプラッシュ現象の発生はいずれもなく、放電は安定していた。しかしながら、酸化亜鉛濃度が蒸着時間の経過と共に変化することから、得られる膜の組成が安定しないものと考えられる。
比較例1の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(比較例2)
焼結条件を変えた(得られた成形体を黒鉛容器内に設置し、焼結雰囲気を圧力1×10-3Paの真空とし、焼結温度を900℃とし、焼結時間を3時間とした)点、および、還元処理をおこなわなかった点以外は、実施例1と同様の条件で、ガリウムを含む酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は54%であった。しかしながら、焼結温度900℃では焼結が進行しておらず、圧縮強さは40MPaと非常に低かった。また、表面の比抵抗は20Ω・cmで、内部断面の比抵抗は210Ω・cmであり、いずれも高い上に、両者の間に差が生じていた。また、真空中で亜鉛が揮発していたためか、表面と内部の酸化亜鉛濃度差は3.1質量%と大きかった。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、圧縮強さが低いため、50個中37個にクラックの発生が認められた。また、比抵抗が高いため、スプラッシュ現象の発生も認められ、安定した放電が困難であった。
比較例2の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(比較例3)
還元処理温度(最高到達時間)を800℃に、還元処理時間(還元処理温度の保持時間)を1時間に、それぞれ変えた点以外は、実施例1と同様の条件で、ガリウムを含む酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は62%、表面と内部の酸化亜鉛濃度差の平均値は0.1質量%であった。しかしながら、還元温度が低く、還元が進行していなかったため、圧縮強さは102MPaと、常圧焼結体時と変化のない値になっていた。また、表面の比抵抗は32Ω・cmで、内部断面の比抵抗は270Ω・cmであり、いずれも高い上に、両者の間に差が生じていた。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、圧縮強さが低いため、50個中4個にクラックの発生が認められた。また、比抵抗が高いためか、スプラッシュ現象の発生も認められ、安定した放電が困難であった。
比較例3の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(比較例4)
還元処理温度を1350℃に変えた点以外は、実施例1と同様の条件で、ガリウムを含む酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。しかしながら、圧縮強度は230MPaと高かったものの、相対密度が72%と高くなりすぎていた。また、還元温度が高かったため、表面には亜鉛が揮発したことによる脆弱層が存在し、内部断面の比抵抗の平均値は6.1×10-4Ω・cmと低かったが、表面の比抵抗値は15Ω・cmと高く、差が生じていた。さらに、表面で亜鉛が揮発しており、表面と内部の酸化亜鉛濃度差は4.3質量%と大きかった。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、すべての試料について、スプラッシュ現象は発生しなかったものの、使用後の焼結体タブレットにクラックが発生していた。これは、上記相対密度が高いため、熱衝撃に耐えられず、脆性破壊が起こったものと考えられる。
比較例4の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(比較例5)
還元処理時の圧力を1×10-1Paに変えた点以外は、実施例1と同様の条件で、ガリウムを含む酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は60%、表面と内部の酸化亜鉛濃度差は0.2質量%であった。しかしながら、還元処理における真空度が低かったために、還元が焼結体内部まで進行しておらず、圧縮強さは121MPaにとどまっていた。また、表面の比抵抗値は8.8×10-4Ω・cmと低かったが、内部断面の比抵抗の平均値は20Ω・cmであり、差が生じていた。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、圧縮強さが低いため、50個中3個にクラックの発生が認められた。また、内部の比抵抗が高いためか、スプラッシュ現象が発生し、安定した放電が困難であった。
比較例5の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(比較例6)
還元処理時の圧力を1×10-2Paに変えた点以外は、実施例1と同様の条件で、ガリウムを含む酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は60%、表面と内部断面の比抵抗の平均値は7.1×10-4Ω・cm、表面と内部の酸化亜鉛濃度差は0.2質量%であった。しかしながら、還元処理における真空度が足りず、内部の緻密化が促進されていなかったためか、圧縮強さは137MPaにとどまっていた。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、スプラッシュ現象は発生しなかったものの、圧縮強さが低いため、50個中2個にクラックの発生が認められた。
比較例6の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(比較例7)
還元処理時の圧力を1×10-2Paに、還元処理温度を1300℃に、それぞれ変えた点以外は、実施例1と同様の条件で、ガリウムを含む酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は60%、表面と内部断面の比抵抗の平均値は6.7×10-4Ω・cm、表面と内部の酸化亜鉛濃度差は0.3質量%であった。しかしながら、還元処理温度を1300℃と高くしたものの、還元処理時の真空圧の低さが足りず、内部の緻密化が促進されておらず、圧縮強さは145MPaにとどまっていた。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、スプラッシュ現象は発生しなかったものの、圧縮強さが低いため、50個中1個にクラックの発生が認められた。
比較例7の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(比較例8)
還元処理をおこなわない点以外は、実施例1と同様の条件で、ガリウムを含む酸化亜鉛系焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は59%であった。また、表面と内部の酸化亜鉛濃度差はなかった。しかしながら、還元処理を施しておらず、常圧焼結体のままであるため、圧縮強さは105MPaと低かった。また、比抵抗も30Ω・cmと高かった。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、圧縮強さが低いため、50個中4個にクラックの発生が認められた。また、比抵抗が高いため、スプラッシュ現象の発生も認められ、安定した放電が困難であった。
比較例7の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(比較例9)
焼結条件を変えた(得られた成形体を黒鉛容器内に設置し、焼結雰囲気を圧力1×10-3Paの真空とし、焼結温度を1100℃とし、焼結時間を3時間とした)点、および、還元処理をおこなわなかった点以外は、実施例8と同様の条件で、酸化亜鉛焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は55%、圧縮強さの平均値は192MPaであった。しかしながら、表面には真空焼結中に亜鉛が揮発したことによる脆弱層が存在し、内部断面の比抵抗の平均値は7.5Ω・cmであったが、表面の比抵抗の平均値は200Ω・cmであり、差が生じていた。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、タブレットの比抵抗が高いことからスプラッシュ現象が発生した。
比較例9の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(比較例10)
還元処理温度(最高到達時間)を800℃に、還元処理時間(還元処理温度の保持時間)を1時間に、それぞれ変えた点以外は、実施例8と同様の条件で、酸化亜鉛焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は59%であった。しかしながら、還元温度が低く、還元が進行していなかったため、圧縮強さは98MPaと、常圧焼結体時と変化のない値になっていた。また、表面と内部断面の比抵抗値に差はなかったが、比抵抗の平均値が、320Ω・cmと高かった。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、圧縮強さが低いため、50個中7個にクラックの発生が認められた。また、比抵抗が高いためか、スプラッシュ現象の発生も認められ、安定した放電が困難であった。
比較例10の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(比較例11)
還元処理温度を1350℃に変えた点以外は、実施例8と同様の条件で、酸化亜鉛焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。しかしながら、圧縮強度は249MPaと高かったものの、相対密度が64%と高くなりすぎていた。また、還元温度が高かったため、表面には亜鉛が揮発したことによる脆弱層が存在し、内部断面の比抵抗の平均値は5.1であったが、表面の比抵抗値は150Ω・cmと高く、差が生じていた。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、すべての試料について、スプラッシュ現象は発生しなかったものの、使用後の焼結体タブレットにクラックが発生していた。これは、上記相対密度が高いため、熱衝撃に耐えられず、脆性破壊が起こったものと考えられる。
比較例11の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(比較例12)
還元処理時の圧力を1×10-1Paに変えた点以外は、実施例1と同様の条件で、酸化亜鉛焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は59%であった。しかしながら、還元処理における真空度が低かったために、還元が焼結体内部まで進行しておらず、圧縮強さは124MPaにとどまっていた。また、表面の比抵抗値は8.8Ω・cmであったが、内部断面の比抵抗の平均値は222Ω・cmであり、差が生じていた。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、圧縮強さが低いため、50個中2個にクラックの発生が認められた。また、内部の比抵抗が高いため、スプラッシュ現象が発生し、安定した放電が困難であった。
比較例12の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(比較例13)
還元処理時の圧力を1×10-2Paに変えた点以外は、実施例1と同様の条件で、酸化亜鉛焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は59%、表面と内部断面の比抵抗の平均値は8.2Ω・cmであった。しかしながら、還元処理における真空度が足りず、内部の緻密化が促進されていなかったためか、圧縮強さは128MPaにとどまっていた。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、スプラッシュ現象は発生しなかったものの、圧縮強さが低いため、50個中2個にクラックの発生が認められた。
比較例13の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(比較例14)
還元処理時の圧力を1×10-2Paに、還元処理温度を1300℃に、それぞれ変えた点以外は、実施例8と同様の条件で、酸化亜鉛焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は60%、表面と内部断面の比抵抗の平均値は5.8Ω・cmであった。しかしながら、還元処理温度を1300℃と高くしたものの、還元処理時の真空圧の低さが足りず、内部の緻密化が促進されておらず、圧縮強さは139MPaにとどまっていた。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、スプラッシュ現象は発生しなかったものの、圧縮強さが低いため、50個中2個にクラックの発生が認められた。
比較例14の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
(比較例15)
還元処理をおこなわない点以外は、実施例8と同様の条件で、酸化亜鉛焼結体タブレットを製造した。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に検査をおこなった。相対密度の平均値は60%であった。しかしながら、還元処理を施しておらず、常圧焼結体のままであるため、圧縮強さは110MPaと低かった。また、比抵抗もロレスタでは測定不可能な程高かった。
得られた焼結体タブレットについて、実施例1と同様に、蒸着試験をおこなったところ、圧縮強さが低いため、50個中4個にクラックの発生が認められた。また、比抵抗が高いため、スプラッシュ現象の発生も認められ、安定した放電が困難であった。
比較例15の製造条件を表1に、その検査および試験の結果(評価)を表2にそれぞれ示す。
Figure 0005365544
Figure 0005365544
1 焼結体タブレット
2 試料台
3 治具
4 面取り

Claims (5)

  1. 酸化亜鉛焼結体、あるいは金属元素をドーパントとして含む酸化亜鉛焼結体からなり、相対密度が50%〜70%であり、圧縮強さが150MPa以上であって、表面と内部断面における比抵抗がそれぞれ1×102Ω・cm以下で、表面と内部の酸化亜鉛濃度差が0.5質量%以下であることを特徴とする、酸化亜鉛系焼結体タブレット。
  2. 前記金属元素がガリウムである、請求項1に記載の酸化亜鉛系焼結体タブレット。
  3. 比抵抗が1×10-2Ω・cm以下である、請求項2に記載の酸化亜鉛系焼結体タブレット。
  4. 酸化亜鉛粉末、あるいは酸化金属粉末を含む酸化亜鉛粉末を、加圧成形して得た成形体を、常圧にて、900℃〜1300℃の温度で焼結させ、得られた常圧焼結体を、圧力1×10-3Pa以下の真空中にて、900℃〜1300℃の温度で還元処理することを特徴とする、請求項1に記載の酸化亜鉛系焼結体タブレットの製造方法。
  5. 前記還元処理における圧力を1×10-4Pa以上とし、該還元処理の処理時間を1分以上10分以下とする、請求項4に記載の酸化亜鉛系焼結体タブレットの製造方法。
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