以下に添付図面を参照して、この移動通信端末、通信システムおよび通信方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる通信システムを示す図である。通信システム100は、携帯端末101と、マクロ基地局110と、マクロ基地局120と、フェムト基地局130と、を含んでいる。携帯端末101は、携帯電話機やPHS(Personal Handy−phone System)などの移動通信が可能な移動通信端末である。
また、携帯端末101は、マクロ基地局110、マクロ基地局120およびフェムト基地局130と無線通信が可能である。フェムト基地局130(第1の基地局)と、マクロ基地局110およびマクロ基地局120(第2の基地局)と、は互いに異なる通信方式または通信性能で通信を行う基地局である。
マクロ基地局110およびマクロ基地局120のそれぞれは、フェムト基地局130の周辺に位置している。マクロ基地局110は、マクロセル111を形成し、マクロセル111内の携帯端末(たとえば携帯端末101)との間で通信を行う。マクロ基地局120は、マクロセル121を形成し、マクロセル121内の携帯端末(たとえば携帯端末101)との間で通信を行う。
フェムト基地局130は、たとえば自宅や事務所に設置され、インターネットなどの固定ネットワーク141を介して移動通信網142に接続されている。フェムト基地局130は、フェムトセル131を形成し、フェムトセル131内の携帯端末(たとえば携帯端末101)との間で無線通信が可能である。通信システム100においては、フェムトセル131の少なくとも一部がマクロセル111およびマクロセル121と重複している。
携帯端末101は、マクロセル111のうちのフェムトセル131と重複していない部分に含まれる地点112に位置しているときはマクロ基地局110にアクセスする。マクロ基地局110へのアクセスには、たとえば、マクロ基地局110に対する待ち受けや、マクロ基地局110との間の通信が含まれる。
また、携帯端末101は、マクロセル111のうちのフェムトセル131と重複している部分に含まれる地点132に位置しているときは、マクロ基地局110およびフェムト基地局130の両方にアクセス可能な状態になる。なお、ここでは、地点132はマクロセル121にも含まれているため、地点132に位置している携帯端末101はマクロ基地局120にもアクセス可能な状態である。
携帯端末101は、周辺セル情報をあらかじめ記憶している。周辺セル情報は、たとえば、携帯端末101のフェムト基地局130へのアクセス時に携帯端末101が周辺のマクロ基地局(たとえばマクロ基地局110やマクロ基地局120)から受信する信号に基づく情報である。携帯端末101は、マクロ基地局110およびマクロ基地局120から実際に受信した信号に基づく周辺セル情報と記憶した周辺セル情報とを比較し、比較結果に基づいてフェムト基地局130の検出動作を行う。
フェムト基地局130の検出動作の結果、フェムト基地局130が検出された場合は、携帯端末101は、たとえば、フェムト基地局130との間の通信状態に応じてマクロ基地局110へのアクセスを解除し、フェムト基地局130へアクセスする。
図2は、実施の形態1にかかる携帯端末の構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、携帯端末101(図1参照)は、記憶部210と、アンテナ220と、受信部230と、比較部240と、検出部250と、を備えている。記憶部210は、周辺セル情報をあらかじめ記憶している。
たとえば、記憶部210は、携帯端末101のフェムト基地局130への初回または前回のアクセス時に受信部230によって受信され、受信部230から出力された信号に基づく周辺セル情報を記憶する。または、記憶部210は、フェムト基地局130へのアクセス時に携帯端末101が周辺のマクロ基地局から受信する予定の信号に基づく周辺セル情報をユーザ操作などによって記憶していてもよい。
周辺セル情報は、たとえば、周辺のマクロ基地局から受信する信号に含まれる報知情報を含む。報知情報は、たとえば、マクロ基地局のRAT(Radio Access Technology:無線通信方式)、マクロ基地局が使用するスクランブリングコード、マクロ基地局のセルID、マクロ基地局が使用する周波数など、マクロ基地局を特定し得る情報を少なくとも一つ含んでいる。
または、周辺セル情報は、マクロ基地局から受信する信号の受信状態の情報を含んでいてもよい。信号の受信状態は、信号の受信電力、パスロスなど、マクロ基地局に対する携帯端末101の位置を特定し得る受信状態を含む。または、周辺セル情報は、マクロ基地局から受信する信号に含まれる報知情報と、マクロ基地局から受信する信号の受信状態の情報との組み合わせを含んでいてもよい。
アンテナ220は、マクロ基地局やフェムト基地局130との間で無線通信を行うためのアンテナである。受信部230は、マクロ基地局から送信された信号を、アンテナ220を介して受信する。たとえば、受信部230は、携帯端末101のフェムト基地局130へのアクセス時に、周囲のマクロ基地局から信号を受信し、受信した信号に基づく周辺セル情報を記憶部210へ出力する。また、受信部230は、携帯端末101のフェムト基地局130への非アクセス時(たとえばマクロ基地局110へのアクセス時)に、周囲のマクロ基地局から信号を受信し、受信した信号を比較部240へ出力する。
比較部240は、記憶部210に記憶された周辺セル情報を読み出し、読み出した周辺セル情報と、受信部230から出力された周辺セル情報と、を比較する。そして、比較部240は、比較結果を検出部250へ出力する。比較部240によって出力される比較結果は、比較した各周辺セル情報の適合度を示す情報であり、たとえば、一致/不一致の情報や、周辺セル情報に含まれる複数項目のうちの一致した項目の数などの情報である。
検出部250は、比較部240から出力された比較結果に基づいてフェムト基地局130の検出動作を行う。具体的には、検出部250は、比較結果が示す周辺セル情報の適合度に基づいてフェムト基地局130の検出動作を行う。たとえば、検出部250は、周辺セル情報に含まれる項目のうちの少なくとも一部が一致したときに検出動作を行う。
検出部250は、検出動作として、たとえばフェムト基地局130から送信される報知情報を、アンテナ220を介して受信する。フェムト基地局130から送信される報知情報の受信に成功すると、検出部250は、携帯端末101がフェムト基地局130のフェムトセル131に進入したと判断する。この場合は、携帯端末101は、フェムト基地局130との間で無線通信を開始する。
図3は、実施の形態1にかかる携帯端末の動作の一例を示すフローチャートである。携帯端末101は、フェムト基地局130への非アクセス時(たとえばマクロ基地局110へのアクセス時)に、たとえば以下のような動作を行う。まず、受信部230が、周辺のマクロ基地局からの信号を受信する(ステップS301)。つぎに、比較部240が、記憶部210に記憶された周辺セル情報を読み出す(ステップS302)。
つぎに、比較部240が、ステップS301によって受信された信号に基づく周辺セル情報と、ステップS302によって読み出された周辺セル情報と(各周辺セル情報)、が一致するか否かを判断する(ステップS303)。各周辺セル情報が一致しない場合(ステップS303:No)は、ステップS301に戻って処理を続行する。
ステップS303において、各周辺セル情報が一致する場合(ステップS303:Yes)は、検出部250が、フェムト基地局130の検出動作を行い(ステップS304)、一連の動作を終了する。ステップS304によるフェムト基地局130の検出動作の結果、フェムト基地局130が検出された場合は、携帯端末101は、フェムト基地局130との間で無線通信を開始する。
このように、実施の形態1にかかる携帯端末101は、周辺セル情報をあらかじめ記憶しておき、受信した信号に基づく周辺セル情報が、記憶した周辺セル情報と同様になったときにフェムト基地局130の検出動作を行う。これにより、フェムト基地局130の周辺のマクロ基地局(たとえばマクロ基地局110およびマクロ基地局120)が携帯端末101の周辺にあるときにフェムト基地局130の検出動作を行うことが可能になる。
このため、携帯端末101がフェムトセル131に入圏している確率が高いときにフェムト基地局130の検出動作を行うことができるため、フェムト基地局130を効率よく検出することができる。また、フェムトセル131に入圏している確率が高いときにフェムト基地局130の検出動作を自動的に行うことができるため、フェムト基地局130の検出を自律的に行うことができる。
また、マクロ基地局から受信する信号を用いてフェムト基地局130の検出動作の契機を得ることができるため、マクロ基地局の無線方式とフェムト基地局の無線方式が異なっていても、フェムト基地局130の検出を効率よく自律的に行うことができる。
また、比較に用いる周辺セル情報に、信号に含まれる報知情報を含めてもよい。これにより、フェムト基地局130の周辺のマクロ基地局に対する携帯端末101の位置がフェムト基地局130へのアクセス時と同様になったことを精度よく判定することができる。このため、フェムト基地局130の検出動作を行うときに携帯端末101がフェムトセル131に入圏している確率をさらに高めることができる。したがって、フェムト基地局130をさらに効率よく検出することができる。
また、セルサーチなどに用いられるマクロ基地局からの報知情報を周辺セル情報として利用することで、特別な信号の送信や受信を行わなくてもフェムト基地局130を効率よく検出することができる。このため、マクロ基地局(たとえばマクロ基地局110)との通信に与える影響を抑えつつフェムト基地局130を効率よく検出することができる。
また、比較に用いる周辺セル情報に、信号の受信状態の情報を含めてもよい。これにより、フェムト基地局130の周辺のマクロ基地局に対する携帯端末101の位置がフェムト基地局130へのアクセス時と同様になったときにフェムト基地局130の検出動作を行うことができる。このため、フェムト基地局130の検出動作を行うときに携帯端末101がフェムトセル131に入圏している確率をさらに高めることができる。したがって、フェムト基地局130をさらに効率よく検出することができる。
また、比較に用いる周辺セル情報に、信号に含まれる報知情報と信号の受信状態の情報との組み合わせを含めてもよい。これにより、フェムト基地局130の周辺のマクロ基地局に対する携帯端末101の位置がフェムト基地局130へのアクセス時と同様になったことをさらに精度よく判定することができる。
このため、フェムト基地局130の検出動作を行うときに携帯端末101がフェムトセル131に入圏している確率をさらに高めることができる。また、セルサーチなどに用いられるマクロ基地局からの報知情報を利用することで、特別な信号の送信や受信を行わなくてもフェムト基地局130を効率よく検出することができる。
また、複数のマクロ基地局からの各信号に基づく各周辺セル情報を比較してもよい。これにより、フェムト基地局130の周辺における複数のマクロ基地局に対する携帯端末101の位置がフェムト基地局130へのアクセス時と同様になったときにフェムト基地局130の検出動作を行うことができる。このため、フェムト基地局130の検出動作を行うときに携帯端末101がフェムトセル131に入圏している確率をさらに高めることができる。したがって、フェムト基地局130をさらに効率よく検出することができる。
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2にかかる携帯端末の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、実施の形態2にかかる携帯端末400は、アンテナ410と、無線処理部420と、メモリ430と、アプリケーション部440と、USIMカード450と、を備えている。無線処理部420は、物理レイヤ処理部421と、受信電力測定部422と、平均化処理部423と、報知情報取得部424と、RRC処理部425と、を備えている。
アンテナ410および物理レイヤ処理部421は、マクロ基地局から送信された信号を受信する受信手段の一例である。また、物理レイヤ処理部421は、比較手段の比較結果に基づいてフェムト基地局の検出動作を行う検出手段の一例である。物理レイヤ処理部421は、アンテナ410を用いた無線通信の物理レイヤ処理を行う。
具体的には、物理レイヤ処理部421は、アンテナ410を介して、マクロ基地局(たとえば図1に示したマクロ基地局110やマクロ基地局120)から送信された信号を受信する。物理レイヤ処理部421は、受信した信号を受信電力測定部422および報知情報取得部424へ出力する。
また、物理レイヤ処理部421は、アンテナ410を介して、フェムト基地局(たとえば図1に示したフェムト基地局130)から送信された信号を受信することにより、フェムト基地局の検出動作を行う。また、物理レイヤ処理部421は、RRC処理部425を介して、アプリケーション部440による通信の物理レイヤ処理を行う。
受信電力測定部422は、物理レイヤ処理部421から出力された信号の受信電力を測定する。受信電力測定部422は、測定した受信電力を平均化処理部423へ出力する。平均化処理部423は、受信電力測定部422から出力された受信電力を平均化する。平均化処理部423は、平均化した受信電力をRRC処理部425へ出力する。報知情報取得部424は、物理レイヤ処理部421から出力された信号に含まれる報知情報を取得する。報知情報取得部424は、取得した報知情報をRRC処理部425へ出力する。
RRC処理部425は、アンテナ410を用いた通信のRRC(Radio Resource Control)処理を行う。また、RRC処理部425は、平均化処理部423から出力された受信電力をメモリ430に記憶させる。また、RRC処理部425は、報知情報取得部424から出力された報知情報をメモリ430に記憶させる。また、RRC処理部425は、受信手段によって受信された信号に基づく周辺セル情報と記憶手段によって記憶された周辺セル情報を比較する比較手段の一例である。
メモリ430は、フェムト基地局へのアクセス時にマクロ基地局から受信する信号に基づく周辺セル情報をあらかじめ記憶する記憶手段の一例である。アプリケーション部440は、無線処理部420を制御してマクロ基地局やフェムト基地局との間で通信を行う。USIMカード450(Universal Subscriber Identity Moduleカード)は、携帯端末400のユーザの個人情報などを記憶している。
図5は、実施の形態2にかかる携帯端末のテーブル作成動作の一例を示すフローチャートである。携帯端末400は、メモリ430に記憶する周辺セル情報を示すテーブルを、たとえば以下に示す作成動作によって作成する。まず、ネットワークサーチコマンドをユーザの操作によって受け付ける(ステップS501)。つぎに、周辺のフェムト基地局を検出するネットワークサーチを行う(ステップS502)。
つぎに、ステップS502のネットワークサーチによってフェムト基地局を検出したか否かを判断する(ステップS503)。フェムト基地局を検出していない場合(ステップS503:No)は、ステップS501に戻って処理を続行する。ステップS502のネットワークサーチによってフェムト基地局を検出した場合(ステップS503:Yes)は、検出したフェムト基地局への待ち受け処理を行う(ステップS504)。
つぎに、ステップS504の待ち受け処理が成功したか否かを判断する(ステップS505)。待ち受け処理が成功していない場合(ステップS505:No)は、ステップS502に戻って処理を続行する。待ち受け処理が成功した場合(ステップS505:Yes)は、一定時間待機する(ステップS506)。
つぎに、ユーザの操作による接続要求があるか否かを判断する(ステップS507)。接続要求がある場合(ステップS507:Yes)は、通信を開始する(ステップS508)。接続要求がない場合(ステップS507:No)は、フェムト基地局からのPCH(Paging Channel)を受信する(ステップS509)。
つぎに、ステップS509によって受信されたPCHに基づいて、フェムト基地局からの携帯端末400に対する着信要求があるか否かを判断する(ステップS510)。フェムト基地局からの携帯端末400に対する着信要求がある場合(ステップS510:Yes)は、ステップS508に移行して処理を続行する。
ステップS510において、フェムト基地局からの携帯端末400に対する着信要求がない場合(ステップS510:No)は、マクロ基地局からの信号を受信する(ステップS511)。つぎに、ステップS511によって受信された信号に基づくセル周辺情報のテーブルを作成し(ステップS512)、作成したテーブルをメモリ430に記憶する。つぎに、携帯端末400がフェムトセルに在圏か否かを判断する(ステップS513)。
ステップS513において、携帯端末400がフェムトセルに在圏である場合(ステップS513:Yes)は、ステップS506に戻って処理を続行する。携帯端末400がフェムトセルに在圏でない場合(ステップS513:No)は、一連のテーブル作成動作を終了する。このように、携帯端末400は、フェムト基地局へのアクセス時(ここではフェムト基地局に対する待ち受け時)にマクロ基地局からの信号を受信し、受信した周辺セル情報のテーブルを作成する。
ステップS512において、すでにテーブルが作成されている場合は、作成されているテーブルを新たな周辺セル情報によって更新するようにしてもよい。このように、携帯端末400は、フェムト基地局へのアクセス時に、マクロ基地局からの信号を定期的に受信し、信号を受信するごとに周辺セル情報を更新するようにしてもよい。
図6は、実施の形態2にかかる携帯端末のメモリに記憶されるテーブルの一例を示す図である。携帯端末400のメモリ430には、たとえば図6に示すテーブル600が記憶される。テーブル600には、フェムトセル情報と、周辺セル情報と、が含まれている。フェムトセル情報は、携帯端末400と無線通信可能なフェムト基地局の情報である。フェムトセル情報には、フェムト基地局を識別するフェムト基地局IDが含まれている。ここでは、携帯端末400が無線通信可能な2つのフェムト基地局があり、フェムトセル情報には2つのフェムト基地局ID「1」,「2」が含まれている。
たとえば、フェムト基地局ID「1」が示すフェムト基地局の周辺には3つのマクロ基地局があるとする。この場合は、携帯端末400は、フェムト基地局ID「1」が示すフェムト基地局にアクセス時に3つのマクロ基地局からの各信号を受信することができる。携帯端末400は、受信する各信号に基づく周辺セル情報611〜613をフェムト基地局ID「1」と対応付けてメモリ430に記憶する。
同様に、フェムト基地局ID「2」が示すフェムト基地局の周辺には3つのマクロ基地局があるとする。この場合は、携帯端末400は、フェムト基地局ID「2」が示すフェムト基地局にアクセス時に3つのマクロ基地局からの各信号を受信することができる。携帯端末400は、受信する各信号に基づく周辺セル情報621〜623をフェムト基地局ID「2」と対応付けてメモリ430に記憶する。
周辺セル情報には、報知情報と受信状態とが含まれている。報知情報は、マクロ基地局から受信した信号に含まれる報知情報である。報知情報には、RATと、スクランブリングコードと、セルIDと、周波数と、受信電力と、が含まれている。RATは、マクロ基地局が無線通信で使用する方式(たとえばCDMA)を示している。
スクランブリングコードは、RATがCDMAなどの符号分割方式の場合にマクロ基地局が符号分割に用いるコード(Code1〜Code3)を示している。セルIDは、マクロ基地局の識別情報(1,2,3,8,9,10)を示している。周波数は、マクロ基地局が無線通信で使用する周波数(Feq1,Feq2,Feq5)を示している。
受信電力は、マクロ基地局から受信した信号の受信電力[dBm]である。受信電力は、図4に示した携帯端末400の構成においては信号の平均受信電力としてメモリ430に記憶される。ただし、受信電力は、信号の平均受信電力を含む所定範囲や、信号の受信電力の上限および下限としてメモリ430に記憶されてもよい。
なお、ここでは報知情報としてRAT、スクランブリングコード、セルIDおよび周波数がメモリ430に記憶される場合について説明したが、報知情報としてメモリ430に記憶する情報はこれらに限られない。たとえば、各マクロ基地局の間でセルIDが重複していなければ、報知情報としてセルIDのみをメモリ430に記憶してもよい。また、RAT、スクランブリングコードおよび周波数の少なくともいずれかをメモリ430に記憶する報知情報から除外してもよいし、他の報知情報をメモリ430に記憶してもよい。
図7は、実施の形態2にかかる携帯端末の検出動作の一例を示すフローチャートである。携帯端末400は、たとえば以下のような検出動作を行う。なお、ここでは、図5に示したテーブル作成動作によって、フェムト基地局からの信号に基づく周辺セル情報のテーブルが作成されてメモリ430に記憶されているものとする。まず、マクロ基地局からのPCHの受信タイミングか否かを判断する(ステップS701)。
ステップS701において、PCHの受信タイミングでない場合(ステップS701:No)は、パワーセーブの処理を行い(ステップS702)、ステップS701へ戻って処理を続行する。PCHの受信タイミングである場合(ステップS701:Yes)は、マクロ基地局からのPCHを受信する(ステップS703)。
つぎに、ステップS703によって受信されたPCHに基づいて、携帯端末400に対する着信があるか否かを判断する(ステップS704)。携帯端末400に対する着信がある場合(ステップS704:Yes)は、携帯端末400に対する着信に基づく通信を開始し(ステップS705)、一連の動作を終了する。
ステップS704において、携帯端末400に対する着信がない場合(ステップS704:No)は、周辺のマクロ基地局からの信号を受信する(ステップS706)。つぎに、メモリ430に記憶されたテーブル600を読み出す(ステップS707)。つぎに、ステップS707によって読み出されたテーブル600に含まれる周辺セル情報611〜613,621〜623と、ステップS706によって受信された各信号に基づく各周辺セル情報と、を比較する(ステップS708)。
つぎに、ステップS709による比較における周辺セル情報の一致数が0であるか否かを判断する(ステップS709)。周辺セル情報の一致数が0である場合(ステップS709:Yes)は、ステップS701に戻って処理を続行する。周辺セル情報の一致数が0でない場合(ステップS709:No)は、ステップS708による比較における周辺セル情報の一致数が2より多いか否かを判断する(ステップS710)。
ステップS710において、周辺セル情報の一致数が2以下である場合(ステップS710:No)は、第一アルゴリズム(図9参照)によりフェムト基地局の検出動作を行う(ステップS711)。周辺セル情報の一致数が2より多い場合(ステップS710:Yes)は、第二アルゴリズム(図10参照)によりフェムト基地局の検出動作を行う(ステップS712)。ここで、第二アルゴリズムは、第一アルゴリズムよりもフェムト基地局の検出動作の頻度が高いアルゴリズムである。
つぎに、ステップS711またはステップS712によるフェムト基地局の検出結果に基づいて、フェムト基地局へのリセレクションを実行するか否かを判断する(ステップS713)。フェムト基地局へのリセレクションを実行しない場合(ステップS713:No)は、ステップS701に戻って処理を続行する。フェムト基地局へのリセレクションを実行する場合(ステップS713:Yes)は、フェムト基地局との通信を開始し(ステップS714)、一連の動作を終了する。
ステップS713において、携帯端末400は、たとえば、フェムト基地局から受信した信号の受信電力を測定する。そして、携帯端末400は、測定した受信電力がしきい値以上であればリセレクションを実行すると判断し、測定した受信電力がしきい値未満であればリセレクションを実行しないと判断する。
図8は、マクロ基地局から受信する信号に基づく周辺セル情報の一例を示す図である。たとえば図7に示したステップS706において受信した各信号に基づく周辺セル情報が、周辺セル情報811〜813の3つであったとする。たとえば、周辺セル情報811には、報知情報として、RAT「CDMA」、スクランブリングコード「Code1」、セルID「1」および周波数「Feq1」が含まれている。
また、周辺セル情報811には、受信状態として受信電力「xxx[dBm]」が含まれている。周辺セル情報811は、テーブル600の周辺セル情報611と一致している。同様に、周辺セル情報812および周辺セル情報813は、それぞれテーブル600の周辺セル情報612および周辺セル情報613と一致している。
したがって、図7に示したステップS709およびステップS710における周辺セル情報の一致数は3となる。この場合は、携帯端末400がフェムト基地局ID「1」に対応するフェムトセルに進入した確率が高い。このため、携帯端末400は、図7のステップS712において第二アルゴリズムによるフェムトセルの検出を行う。
ここでは周辺セル情報811〜813がそれぞれテーブル600の周辺セル情報611〜613と一致している場合について説明した。これに対して、周辺セル情報811〜813がテーブル600の周辺セル情報611〜613,621〜623のいずれとも一致しなかった場合は、携帯端末400は、その時点ではフェムトセルの検出を行わない。
また、周辺セル情報811〜813のうちの一部の周辺セル情報が周辺セル情報611〜613のいずれかと一致し、他の周辺セル情報が周辺セル情報621〜623のいずれかと一致することもあり得る。この場合は、携帯端末400がフェムト基地局ID「1」に対応するフェムトセルに進入した可能性と、携帯端末400がフェムト基地局ID「2」に対応するフェムトセルに進入した可能性と、の両方の可能性がある。
この場合は、携帯端末400は、フェムト基地局ID「1」に対応するフェムト基地局と、フェムト基地局ID「2」に対応するフェムト基地局と、の両方の検出動作を行うようにするとよい。そして、携帯端末400は、フェムト基地局ID「1」およびフェムト基地局ID「2」に対応する各フェムト基地局のうちの検出動作によって検出されたフェムト基地局との間で通信を開始する。
図9は、第一アルゴリズムによるフェムト基地局の検出を示す図である。図9において、横軸は時間を示している。周期901〜903は、携帯端末400における間欠受信の周期を示している。周期901〜903のそれぞれには、周波数Feq1を測定しPCHを受信する区間T1と、周波数Feq2の測定をする区間T2と、周波数Feq3の測定をする区間T3と、スリープ区間T4(Sleep)と、が含まれている。
符号910に示す「M」は、携帯端末400が区間T1において周波数feq1のマクロ基地局を検出するタイミングを示している。符号920に示す「M」は、携帯端末400が区間T2において周波数feq2のマクロ基地局を検出するタイミングを示している。符号930に示す「D」は、携帯端末400が区間T3において周波数feq3のフェムト基地局を検出するタイミングを示している。
このように、第一アルゴリズムでは、携帯端末400は、周期901および周期903においてフェムト基地局を検出する。たとえば、携帯端末400は、間欠受信の奇数番目の周期(周期901,903,…)においてはフェムト基地局を検出し、間欠受信の偶数番目の周期(周期902,…)においてはフェムト基地局を検出しないようにする。
図10は、第二アルゴリズムによるフェムト基地局の検出を示す図である。図10において、図9に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図10に示すように、第二アルゴリズムにおいては、携帯端末400は、周期901〜903のそれぞれにおいてフェムト基地局を検出する。たとえば、携帯端末400は、間欠受信の毎周期にフェムト基地局を検出する。
したがって、第二アルゴリズムは、第一アルゴリズムに比べてフェムト基地局の検出動作の頻度が高くなる。図7に示した例では、周辺セル情報の比較の結果、周辺セル情報の一致数が1または2である場合は第一アルゴリズムによりフェムト基地局の検出動作を行い、周辺セル情報の一致数が2より多い場合は第二アルゴリズムによりフェムト基地局の検出動作を行う。
このように、携帯端末400は、周辺セル情報の比較における各周辺セル情報の適合度に応じた頻度で検出動作を行う。たとえば、携帯端末400は、周辺セル情報の比較における各周辺セル情報の適合度に応じた間隔で検出動作を定期的に行う。これにより、フェムトセルに入圏している確率が高いときには高い頻度でフェムト基地局の検出動作を行い、フェムトセルに入圏している確率が低いときには低い頻度でフェムト基地局の検出動作を行うことができる。このため、フェムト基地局を効率よく検出することができる。
このように、実施の形態2にかかる携帯端末400によれば、実施の形態1にかかる携帯端末101と同様の効果を得ることができる。また、周辺セル情報の比較における各周辺セル情報の適合度に応じた頻度で検出動作を行う。これにより、フェムトセルに入圏している確率が高いときには高い頻度でフェムト基地局の検出動作を行い、フェムトセルに入圏している確率が低いときには低い頻度でフェムト基地局の検出動作を行うことができる。このため、フェムト基地局をさらに効率よく検出することができる。
(実施の形態3)
図11−1は、実施の形態3にかかる通信システムの動作の一例を示すシーケンス図(その1)である。図11−2は、実施の形態3にかかる通信システムの動作の一例を示すシーケンス図(その2)である。実施の形態3にかかる携帯端末400は、図4に示した携帯端末400と同様の構成を備えているものとする。
まず、図11−1に示すように、携帯端末400のアプリケーション部440が、物理レイヤ処理部421およびRRC処理部425を介して、マクロ基地局1131との間で通信を行っているとする(ステップS1101)。つぎに、携帯端末400の物理レイヤ処理部421が、マクロ基地局1131からの信号を受信する(ステップS1102)。
つぎに、物理レイヤ処理部421が、ステップS1102によって受信された信号に基づく周辺セル情報と、メモリ430に記憶された周辺セル情報と、を比較する(ステップS1103)。ここでは、各周辺セル情報が一致したものとする。つぎに、物理レイヤ処理部421が、RRC処理部425に対して、コンプレスト動作を行うことを要求するコンプレスト動作要求を出力する(ステップS1104)。
つぎに、RRC処理部425が、コンプレスト設定要求をマクロ基地局1131へ送信する(ステップS1105)。たとえば、コンプレスト設定要求は、マクロ基地局1131へ送信されるメジャメントレポートに格納して送信される。つぎに、マクロ基地局1131が、携帯端末400のRRC処理部425にコンプレスト設定応答を送信する(ステップS1106)。たとえば、コンプレスト設定応答は、携帯端末400へ送信されるメジャメントコントロールに格納して送信される。
つぎに、携帯端末400のRRC処理部425が、物理レイヤ処理部421に対してコンプレスト設定を行う(ステップS1107)。つぎに、携帯端末400の物理レイヤ処理部421およびマクロ基地局1131がコンプレストモードを起動する(ステップS1108)。つぎに、携帯端末400の物理レイヤ処理部421が、ステップS1108によって起動されたコンプレストモードによって設定されたギャップ区間においてフェムト基地局の検出動作を行う(ステップS1109)。
ステップS1109において、フェムト基地局1132が検出されたものとする。つぎに、物理レイヤ処理部421が、RRC処理部425に対してRAB(Radio Access Bearer)の切断を要求するRAB切断要求を出力する(ステップS1110)。つぎに、図11−2に示すように、RRC処理部425が、通信の保留を要求するサスペンド要求をアプリケーション部440へ出力する(ステップS1111)。
つぎに、アプリケーション部440が、ステップS1101から行っていたマクロ基地局1131との間の通信を保留する(ステップS1112)。また、携帯端末400のRRC処理部425とマクロ基地局1131とが、互いの通信の切断処理を行う(ステップS1113)。つぎに、RRC処理部425が、フェムト基地局1132の検出を要求する検出要求を物理レイヤ処理部421へ出力する(ステップS1114)。
つぎに、物理レイヤ処理部421が、フェムト基地局1132を検出する(ステップS1115)。つぎに、物理レイヤ処理部421が、フェムト基地局1132の検出結果を示す検出通知をRRC処理部425へ出力する(ステップS1116)。つぎに、携帯端末400のRRC処理部425が、物理レイヤ処理部421を介して、フェムト基地局1132との間の接続処理を行う(ステップS1117)。
つぎに、RRC処理部425が、通信の再開を要求するレジューム要求をアプリケーション部440へ出力する(ステップS1118)。つぎに、アプリケーション部440が、ステップS1112による通信の保留を解除する(ステップS1119)。これにより、携帯端末400のアプリケーション部440とフェムト基地局1132との間で通信が開始され(ステップS1120)、一連の動作を終了する。
なお、ステップS1109の後に、携帯端末400がマクロ基地局1131との間で通話やテレビ電話などのCS(Circuit Switching)呼による通信中であるか否かを判断してもよい。CS呼による通信中である場合は、ステップS1110へ移行せずに、一連の動作を終了してもよい。これにより、通話やテレビ電話などが通信切断処理によって中断されることを回避することができる。また、このときに、携帯端末400が、フェムトセルが利用可能である旨のメッセージをユーザに対して出力してもよい。
図12は、コンプレスト設定前の携帯端末における通信タイミングを示す図である。図12において、横軸は時間を示している。周期1201〜1203は、携帯端末400における間欠受信の周期を示している。周期1201〜1203のそれぞれには、マクロ基地局1131との間で通信を行わないギャップ区間G1(GAP)が設けられている。
符号1210に示す「M」は、携帯端末400が異なる周波数のマクロ基地局を検出するタイミングを示している。符号1210に示すように、携帯端末400は、ギャップ区間G1において異なる周波数のマクロ基地局を検出する。
図13は、コンプレスト設定後の携帯端末における通信タイミングを示す図である。図13において、図12に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。携帯端末400とマクロ基地局1131は、コンプレストモードを起動することによって、周期1201〜1203のそれぞれに新たなギャップ区間G2を設ける。
符号1310に示す「D」は、携帯端末400がフェムト基地局1132を検出するタイミングを示している。符号1310に示すように、携帯端末400は、新たに設けたギャップ区間G2においてフェムト基地局1132の検出動作を行う。
このように、実施の形態3にかかる携帯端末400によれば、実施の形態2にかかる携帯端末400と同様の効果を得ることができる。また、マクロ基地局1131に対してギャップ区間の設定を要求し、設定されたギャップ区間においてフェムト基地局1132の検出動作を行う。これにより、携帯端末400がフェムト基地局1132のフェムトセルに進入した確率が高いときに、携帯端末400が自律的にフェムト基地局1132の検出動作を行うことができる。
(実施の形態4)
図14は、実施の形態4にかかる携帯端末の構成を示す機能ブロック図である。図14において、図4に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。実施の形態4にかかる携帯端末400は、複数のRATによる無線通信が可能である。図14に示すように、実施の形態4にかかる携帯端末400は、図4に示した構成に加えてアンテナ1410および無線処理部1420を備えている。
無線処理部420は、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)による無線通信処理を行う。物理レイヤ処理部421は、アンテナ410を介して、WCDMA方式の無線通信を行うマクロ基地局から送信された信号を受信する。無線処理部1420は、LTE(Long Term Evolution)による無線通信処理を行う。
無線処理部1420は、物理レイヤ処理部1421と、受信電力測定部1422と、平均化処理部1423と、報知情報取得部1424と、RRC処理部1425と、を備えている。物理レイヤ処理部1421は、アンテナ1410を用いた通信の物理レイヤ処理を行う。具体的には、物理レイヤ処理部1421は、アンテナ1410を介して、LTE方式の無線通信を行うマクロ基地局またはフェムト基地局から送信された信号を受信する。
受信電力測定部1422、平均化処理部1423、報知情報取得部1424およびRRC処理部1425は、それぞれ受信電力測定部422、平均化処理部423、報知情報取得部424およびRRC処理部425と同様の構成であるため説明を省略する。なお、ここでは携帯端末400がWCDMAとLTEによる無線通信が可能である構成について説明するが、携帯端末400が使用可能なRATはこの組み合わせに限られない。
図15は、実施の形態4にかかる携帯端末のメモリに記憶されるテーブルの一例を示す図である。図15において、図6に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図15に示すように、実施の形態4においては、テーブル600のフェムトセル情報にRAT1510が含まれている。RAT1510は、フェムト基地局のRATを示し、フェムト基地局IDのそれぞれに対応している。
たとえば、フェムト基地局ID「1」に対応するRAT1510は「WCDMA」となっている。これは、フェムト基地局ID「1」に対応するフェムト基地局のRATがWCDMAであることを示している。また、フェムト基地局ID「2」に対応するRAT1510は「LTE」となっている。これは、フェムト基地局ID「2」に対応するフェムト基地局のRATがLTEであることを示している。
このように、実施の形態4にかかる携帯端末400によれば、実施の形態1にかかる携帯端末101と同様の効果を得ることができる。また、マクロ基地局から受信する信号を用いてフェムト基地局の検出動作の契機を得ることができるため、マクロ基地局の無線方式とフェムト基地局の無線方式が異なっていても、フェムト基地局の検出を効率よく自律的に行うことができる。
(実施の形態5)
図16−1は、実施の形態5にかかる通信システムの動作の一例を示すシーケンス図(その1)である。図16−2は、実施の形態5にかかる通信システムの動作の一例を示すシーケンス図(その2)である。実施の形態5にかかる携帯端末400は、図14に示した携帯端末400と同様の構成を備えているものとする。
また、マクロ基地局1131のRATはWCDMAであるとする。また、フェムト基地局1132のRATはLTEであるとする。まず、図16−1に示すように、携帯端末400のアプリケーション部440が、無線処理部1420の物理レイヤ処理部1421およびRRC処理部1425を介して、マクロ基地局1131との間でWCDMAによる通信を行っている(ステップS1601)。
図16−1および図16−2に示すステップS1602〜S1613は、図11−1および図11−2に示したステップS1102〜S1113と同様であるため説明を省略する。図16−2に示すように、ステップS1613の後に、RRC処理部425とRRC処理部1425とが、無線処理部420によるWCDMAの通信から無線処理部1420によるLTEの通信へ切り替えるRAT切替処理を行う(ステップS1614)。
つぎに、RRC処理部1425が、フェムト基地局1132の検出を要求する検出要求を物理レイヤ処理部1421へ出力する(ステップS1615)。つぎに、物理レイヤ処理部1421が、フェムト基地局1132を検出する(ステップS1616)。つぎに、物理レイヤ処理部1421が、フェムト基地局1132の検出結果を示す検出通知をRRC処理部1425へ出力する(ステップS1617)。
つぎに、携帯端末400のRRC処理部1425が、物理レイヤ処理部1421を介して、フェムト基地局1132との間の接続処理を行う(ステップS1618)。つぎに、RRC処理部1425が、通信の再開を要求するレジューム要求をアプリケーション部440へ出力する(ステップS1619)。つぎに、アプリケーション部440が、ステップS1612による通信の保留を解除する(ステップS1620)。これにより、携帯端末400のアプリケーション部440とフェムト基地局1132との間でLTEによる通信が開始され(ステップS1621)、一連の動作を終了する。
このように、実施の形態5にかかる携帯端末400によれば、実施の形態4にかかる携帯端末400と同様の効果を得ることができる。また、マクロ基地局1131に対してギャップ区間の設定を要求し、設定されたギャップ区間においてフェムト基地局1132の検出動作を行う。これにより、携帯端末400がフェムト基地局1132のフェムトセルに進入した確率が高いときに、携帯端末400が自律的にフェムト基地局1132の検出動作を行うことができる。
以上説明したように、移動通信端末、通信システムおよび通信方法によれば、フェムト基地局へのアクセス時に周囲のマクロ基地局から受信する報知情報をあらかじめ記憶しておく。そして、記憶した報知情報と同様の報知情報を受信したときに検出動作を行うことで、フェムト基地局を効率よく検出することができる。上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)互いに異なる通信方式または通信性能で通信を行う第1の基地局および第2の基地局と無線通信が可能な移動通信端末において、
前記第1の基地局へのアクセス時に前記第2の基地局から受信する信号に基づく周辺セル情報をあらかじめ記憶する記憶手段と、
前記第2の基地局から送信された信号を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された信号に基づく周辺セル情報と前記記憶手段によって記憶された周辺セル情報を比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に基づいて前記第1の基地局の検出動作を行う検出手段と、
を備えることを特徴とする移動通信端末。
(付記2)前記記憶手段は、前記第1の基地局へのアクセス時に前記第2の基地局から受信する信号に含まれる報知情報を前記周辺セル情報としてあらかじめ記憶し、
前記比較手段は、前記受信手段によって受信された信号に含まれる報知情報と前記記憶手段によって記憶された報知情報を比較することを特徴とする付記1に記載の移動通信端末。
(付記3)前記第2の基地局から受信する信号の受信状態を測定する測定手段を備え、
前記記憶手段は、前記第1の基地局へのアクセス時に前記第2の基地局から受信する信号の受信状態を前記周辺セル情報としてあらかじめ記憶し、
前記比較手段は、前記測定手段によって測定された受信状態と前記記憶手段によって記憶された受信状態を比較することを特徴とする付記1または2に記載の移動通信端末。
(付記4)前記第2の基地局から受信する信号の受信状態を測定する測定手段を備え、
前記記憶手段は、前記第1の基地局へのアクセス時に前記第2の基地局から受信する信号の受信状態を前記周辺セル情報としてあらかじめ記憶し、
前記比較手段は、前記受信手段によって受信された信号に含まれる報知情報および前記測定手段によって測定された受信状態の組み合わせと、前記記憶手段によって記憶された報知情報および受信状態の組み合わせと、を比較することを特徴とする付記1または2に記載の移動通信端末。
(付記5)前記記憶手段は、複数の前記第2の基地局から受信する各信号に基づく各周辺セル情報を記憶し、
前記受信手段は、複数の前記第2の基地局から受信する各信号をそれぞれ受信し、
前記比較手段は、前記受信手段によって受信された各信号に基づく各周辺セル情報と前記記憶手段によって記憶された各周辺セル情報を比較することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の移動通信端末。
(付記6)前記検出手段は、前記比較における前記各周辺セル情報の適合度に応じた頻度で前記検出動作を行うことを特徴とする付記5に記載の移動通信端末。
(付記7)前記第2の基地局に対してギャップ区間の設定を要求する要求手段を備え、
前記検出手段は、前記要求手段の要求によって設定されたギャップ区間において前記検出動作を行うことを特徴とする付記1に記載の移動通信端末。
(付記8)前記第1の基地局はフェムト基地局であり、
前記第2の基地局はマクロ基地局であることを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の移動通信端末。
(付記9)移動通信端末との無線通信が可能な第1の基地局と、
前記第1の基地局の周辺に位置し、前記移動通信端末へ信号を送信する第2の基地局と、
前記第1の基地局へのアクセス時に前記第2の基地局から受信する信号に基づく周辺セル情報を記憶し、前記第2の基地局から受信した信号に基づく周辺セル情報と記憶した周辺セル情報との比較結果に基づいて前記第1の基地局の検出動作を行う移動通信端末と、
を含むことを特徴とする通信システム。
(付記10)互いに異なる通信方式または通信性能で通信を行う第1の基地局および第2の基地局と無線通信が可能な移動通信端末の通信方法において、
前記第1の基地局へのアクセス時に前記第2の基地局から受信する信号に基づく周辺セル情報を記憶する記憶工程と、
前記記憶工程の後に、前記第2の基地局から送信された信号を受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信された信号に基づく周辺セル情報と前記記憶工程によって記憶された周辺セル情報とを比較する比較工程と、
前記比較工程の比較結果に基づいて前記第1の基地局の検出動作を行う検出工程と、
を含むことを特徴とする通信方法。