以下、本発明の第1の実施形態を、図1ないし図11に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態にかかる画像形成装置の構成を正面からみた説明図である。図2は、図1に示された画像形成装置の本発明の一実施形態にかかる現像装置の断面図である。図3は、図2中のIII−III線に沿う断面図である。図4は、図1に示された現像装置の現像スリーブの斜視図である。図5は、図4に示された現像スリーブの外表面の展開図である。
画像形成装置101は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像則ちカラー画像を、一枚の転写材としての記録紙107(図1に示す)に形成する。なお、イエロー、マゼンダ、シアン、黒の各色に対応するユニットなどを、以下、符号の末尾に各々Y,M,C,Kを付けて示す。
画像形成装置101は、図1に示すように、装置本体102と、給紙ユニット103と、レジストローラ対110と、転写ユニット104と、定着ユニット105と、複数のレーザ書き込みユニット122Y,122M,122C,122Kと、複数のプロセスカートリッジ106Y,106M,106C,106Kとを少なくとも備えている。
装置本体102は、例えば、箱状に形成され、フロア上などに設置される。装置本体102は、給紙ユニット103と、レジストローラ対110と、転写ユニット104と、定着ユニット105と、複数のレーザ書き込みユニット122Y,122M,122C,122Kと、複数のプロセスカートリッジ106Y,106M,106C,106Kを収容している。
給紙ユニット103は、装置本体102の下部に複数設けられている。給紙ユニット103は、前述した記録紙107を重ねて収容するとともに装置本体102に出し入れ自在な給紙カセット123と、給紙ローラ124とを備えている。給紙ローラ124は、給紙カセット123内の一番上の記録紙107に押し当てられている。給紙ローラ124は、前述した一番上の記録紙107を、転写ユニット104の後述する搬送ベルト129と、プロセスカートリッジ106Y,106M,106C,106Kの後述する現像装置113の感光体ドラム108との間に送り出す。
レジストローラ対110は、給紙ユニット103から転写ユニット104に搬送される記録紙107の搬送経路に設けられており、一対のローラ110a,110bを備えている。レジストローラ対110は、一対のローラ110a,110b間に記録紙107を挟み込み、該挟み込んだ記録紙107をトナー像に重ね合わせ得るタイミングで、転写ユニット104とプロセスカートリッジ106Y,106M,106C,106Kとの間に送り出す。
転写ユニット104は、給紙ユニット103の上方に設けられている。転写ユニット104は、駆動ローラ127と、従動ローラ128と、搬送ベルト129と、転写ローラ130Y,130M,130C,130Kとを備えている。駆動ローラ127は、記録紙107の搬送方向の下流側に配置されており、駆動源としてのモータなどによって回転駆動される。従動ローラ128は、装置本体102に回転自在に支持されており、記録紙107の搬送方向の上流側に配置されている。搬送ベルト129は、無端環状に形成されており、前述した駆動ローラ127と従動ローラ128との双方に掛け渡されている。搬送ベルト129は、駆動ローラ127が回転駆動されることで、前述した駆動ローラ127と従動ローラ128との回りを図中半時計回りに循環(無端走行)する。
転写ローラ130Y,130M,130C,130Kは、それぞれ、プロセスカートリッジ106Y,106M,106C,106Kの感光体ドラム108との間に搬送ベルト129と該搬送ベルト129上の記録紙107とを挟む。転写ユニット104は、転写ローラ130Y,130M,130C,130Kが、給紙ユニット103から送り出された記録紙107を各プロセスカートリッジ106Y,106M,106C,106Kの感光体ドラム108の外表面に押し付けて、感光体ドラム108上のトナー像を記録紙107に転写する。転写ユニット104は、トナー像を転写した記録紙107を定着ユニット105に向けて送り出す。
定着ユニット105は、転写ユニット104の記録紙107の搬送方向の下流に設けられ、互いの間に記録紙107を挟む一対のローラ105a,105bを備えている。定着ユニット105は、一対のローラ105a,105b間に転写ユニット104から送り出されてきた記録紙107を押圧加熱することで、感光体ドラム108から記録紙107上に転写されたトナー像を、該記録紙107に定着させる。
レーザ書き込みユニット122Y,122M,122C,122Kは、それぞれ、装置本体102の上部に取り付けられている。レーザ書き込みユニット122Y,122M,122C,122Kは、それぞれ、一つのプロセスカートリッジ106Y,106M,106C,106Kに対応している。レーザ書き込みユニット122Y,122M,122C,122Kは、プロセスカートリッジ106Y,106M,106C,106Kの後述の帯電ローラ109により一様に帯電された感光体ドラム108の外表面にレーザ光を照射して、静電潜像を形成する。
プロセスカートリッジ106Y,106M,106C,106Kは、それぞれ、転写ユニット104と、レーザ書き込みユニット122Y,122M,122C,122Kとの間に設けられている。プロセスカートリッジ106Y,106M,106C,106Kは、装置本体102に着脱自在である。プロセスカートリッジ106Y,106M,106C,106Kは、記録紙107の搬送方向に沿って、互いに並設されている。
プロセスカートリッジ106Y,106M,106C,106Kは、図2に示すように、カートリッジケース111と、帯電装置としての帯電ローラ109と、感光体ドラム(像担持体ともいう)108と、クリーニング装置としてのクリーニングブレード112と、現像装置113と、を備えている。このため、画像形成装置101は、帯電ローラ109と、感光体ドラム108と、クリーニングブレード112と、現像装置113と、を少なくとも備えている。
カートリッジケース111は、装置本体102に着脱自在で、かつ帯電ローラ109と、感光体ドラム108と、クリーニングブレード112と、現像装置113と、を収容している。帯電ローラ109は、感光体ドラム108の外表面を一様に帯電する。感光体ドラム108は、現像装置113の後述する現像ローラ115と間隔をあけて配されている。感光体ドラム108は、軸芯を中心として回転自在な円柱状又は円筒状に形成されている。感光体ドラム108は、対応するレーザ書き込みユニット122Y,122M,122C,122Kにより、外表面上に静電潜像が形成される。感光体ドラム108は、外表面上に形成されかつ担持する静電潜像にトナーが吸着して現像し、こうして得られたトナー像を搬送ベルト129との間に位置付けられた記録紙107に転写する。クリーニングブレード112は、記録紙107にトナー像を転写した後に、感光体ドラム108の外表面に残留した転写残トナーを除去する。
現像装置113は、図2に示すように、現像剤供給部114と、ケース125と、現像剤担持体としての現像ローラ115と、規制部材としてのドクタブレード116とを少なくとも備えている。
現像剤供給部114は、収容槽117と、攪拌部材としての一対の攪拌スクリュー118と、を備えている。収容槽117は、感光体ドラム108と長さが略等しい箱状に形成されている。また、収容槽117内には、該収容槽117の長手方向に沿って延びた仕切壁119が設けられている。仕切壁119は、収容槽117内を第1空間120と、第2空間121とに区画している。また、第1空間120と第2空間121とは、両端部が互いに連通している。
収容槽117は、第1空間120と第2空間121との双方に現像剤126を収容する。現像剤126は、トナーと、磁性キャリア(磁性粉ともいう)とを含んでいる。トナーは、第1空間120と、第2空間121とのうち現像ローラ115から離れた側の第1空間120の一端部に、適宜供給される。トナーは、乳化重合法又は懸濁重合法により製造された球状の微粒子である。なお、トナーは、種々の染料又は顔料を混入・分散した合成樹脂で構成される塊を粉砕して得られても良い。トナーの平均粒径は、3μm以上でかつ7μm以下である。また、トナーは、粉砕加工などにより形成されても良い。
磁性キャリアは、第1空間120と第2空間121との双方に収容されている。磁性キャリアの平均粒径は、20μm以上でかつ50μm以下である。
攪拌スクリュー118は、第1空間120と第2空間121それぞれに収容されている。攪拌スクリュー118の長手方向は、収容槽117、現像ローラ115及び感光体ドラム108の長手方向と平行である。攪拌スクリュー118は、軸芯周りに回転自在に設けられており、軸芯周りに回転することで、トナーと磁性キャリアとを攪拌するとともに、該軸芯に沿って現像剤126を搬送する。
図示例では、第1空間120内の攪拌スクリュー118は、現像剤126を前述した一端部から他端部に向けて搬送する。第2空間121内の攪拌スクリュー118は、現像剤126を他端部から一端部に向けて搬送する。
前述した構成によれば、現像剤供給部114は、第1空間120の一端部に供給されたトナーを、磁性キャリアと攪拌しながら、他端部に搬送し、この他端部から第2空間121の他端部に搬送する。そして、現像剤供給部114は、第2空間121内でトナーと磁性キャリアとを攪拌し、軸芯方向に搬送しながら、現像ローラ115の外表面に供給する。
ケース125は、箱状に形成され、前述した現像剤供給部114の収容槽117に取り付けられて、該収容槽117とともに、現像ローラ115などを覆う。また、ケース125の感光体ドラム108と相対する部分には、開口部125aが設けられている。
現像ローラ115は、円柱状に形成され、第2空間121と、感光体ドラム108との間でかつ前述した開口部125aの近傍に設けられている。現像ローラ115は、感光体ドラム108と収容槽117との双方と平行である。現像ローラ115は、感光体ドラム108と間隔をあけて配されている。現像ローラ115と感光体ドラム108との間の空間は、現像剤126のトナーを感光体ドラム108に吸着させて、静電潜像を現像してトナー像を得る現像領域131をなしている。現像領域131では、現像ローラ115と感光体ドラム108とが相対する。
現像ローラ115は、図2及び図3に示すように、芯金134と、円筒状のマグネットローラ(磁石体ともいう)133と、前述した円筒状の現像スリーブ132とを備えている。芯金134は、長手方向が感光体ドラム108の長手方向と平行に配され、前述したケース125に回転することなく固定されている。
マグネットローラ133は、磁性材料で構成され、かつ円筒状に形成されているとともに、図示しない複数の固定磁極が取り付けられている。マグネットローラ133は、芯金134の外周に軸芯回りに回転することなく固定されている。
固定磁極は、長尺で棒状の磁石であり、マグネットローラ133に取り付けられている。固定磁極は、マグネットローラ133則ち現像ローラ115の長手方向に沿って延びており、該マグネットローラ133の全長に亘って設けられている。前述した構成のマグネットローラ133は、現像スリーブ132内に収容されている(内包されている)。
一つの固定磁極は、前述した攪拌スクリュー118と相対している。該一つの固定磁極は、汲み上げ磁極をなしており、現像スリーブ132即ち現像ローラ115の外表面上に磁気力を生じて、収容槽117の第2空間121内の現像剤126を現像スリーブ132の外表面に吸着する。
他の一つの固定磁極は、前述した感光体ドラム108と相対している。この固定磁極は、現像磁極をなしており、現像スリーブ132即ち現像ローラ115の外表面上に磁気力を生じて、現像スリーブ132と感光体ドラム108との間に磁界を形成する。この固定磁極は、該磁界によって磁気ブラシを形成することで、現像スリーブ132の外表面に吸着された現像剤126のトナーを感光体ドラム108に受け渡すようになっている。
前述した汲み上げ磁極と現像磁極との間には、少なくとも一つの固定磁極が設けられている。この少なくとも一つの固定磁極は、現像スリーブ132即ち現像ローラ115の外表面上に磁気力を生じて、現像前の現像剤126を感光体ドラム108に向けて搬送するとともに、現像済みの現像剤126を感光体ドラム108から収容槽117内まで搬送する。
前述した固定磁極は、現像スリーブ132の外表面に現像剤126を吸着すると、現像剤126の磁性キャリアが該固定磁極が生じる磁力線に沿って複数重ねさせて、該現像スリーブ132の外表面上に立設(穂立ち)させる。このように、磁性キャリアが磁力線に沿って複数重なって現像スリーブ132の外表面上に立設する状態を、磁性キャリアが現像スリーブ132の外表面上に穂立ちするという。すると、この穂立ちした磁性キャリアに前述したトナーが吸着する。則ち、現像スリーブ132は、マグネットローラ133の磁力により外表面に現像剤126を吸着する。
現像スリーブ132は、図4に示すように、円筒状に形成されている。現像スリーブ132は、マグネットローラ133を内包し(収容し)て、軸芯回りに回転自在に設けられている。現像スリーブ132は、その内周面が固定磁極に順に相対するように回転される。現像スリーブ132は、アルミニウム合金、真鍮、ステンレス鋼(SUS)、導電性の樹脂などの非磁性材料で構成されている。現像スリーブ132は、表面処理装置1(図11(a)に示す)によって外表面に粗面化処理が施されている。
アルミニウム合金は、加工性、軽さの面で優れている。アルミニウム合金を用いる場合には、A6063、A5056及びA3003を用いるのが好ましい。SUSを用いる場合には、SUS303、SUS304及びSUS316を用いるのが好ましい。なお、図示例では、現像スリーブ132は、アルミニウム合金で構成されている。
現像スリーブ132の外径は、14mm〜30mm程度であるのが望ましい。現像スリーブ132の軸(軸芯)方向の長さは、300mm〜350mm程度であるのが望ましい。
また、現像スリーブ132の外表面には、図4、図5、図6(a)及び図7に示すように、平面視が楕円形状の凹み139が多数設けられている。凹み139は、勿論、現像スリーブ132の外表面に凹に形成され、その長手方向が現像スリーブ132の長手方向に沿った状態で配置されている。即ち、凹み139は、その長手方向が現像スリーブ132の長手方向と平行又は略平行に配置されている。なお、図示例では、凹み139の長手方向は、現像スリーブ132の長手方向に対して若干傾いて、略平行に配置されている。このように、本発明では、凹み139の長手方向が現像スリーブ132の長手方向と平行又は略平行に配置されていることを、凹み139の長手方向が現像スリーブ132の長手方向と平行に配置されているという。
さらに、凹み139は、図5、図6(a)及び図7に示すように、現像スリーブ132の長手方向に沿って複数並べられて配置されているとともに、現像スリーブ132の周方向に互いに隣り合うもの同士は、当該凹み139の長さの約半分程度位置ずれして配置されている。さらに、凹み139は、図11(a)に示す表面処理装置1により現像スリーブ132の外表面に形成されるため、当該現像スリーブ132の外表面上に図5中の一点鎖線で示す螺旋上に並べられて配置されている。
また、前述した凹み139は、現像スリーブ132の長手方向に沿って互いに隣り合う当該凹み139の端同士が重なるように規則的に多数(複数)配置されている。本実施形態では、現像スリーブ132の長手方向に沿って互いに隣り合う凹み139は、互いに端が重なり、現像スリーブ132の周方向に沿って互いに隣り合う凹み139は、互いに間隔をあけて配置されている。なお、本発明では、現像スリーブ132の周方向及び長手方向に互いに隣り合う凹み139間の間隔が一定となるように配置されていることを、凹み139が規則的に配置されているという。なお、凹み139間の間隔とは、当該凹み139の平面視の中心間の間隔である。即ち、現像スリーブ132の周方向及び長手方向に互いに隣り合う凹み139間の間隔は、一定となっている。また、本発明では、現像スリーブ132の周方向及び長手方向に互いに隣り合う凹み139間の間隔が一定でないことを、凹み139が不規則に配置されているという。
規則的に配置されている例として、例えば、図5に示すように、凹み139が一列の螺旋状で周方向に同ピッチ(同間隔)で配置されている場合などがある。また、上記において凹み139の配置が二列またはそれ以上の螺旋状の場合も同様である。
さらに、現像スリーブ132の長手方向に互いに端同士が重なり合う凹み139の長手方向の重ね合わせ率を以下の式1に示すように定義する。
(l/L)×100(%)・・・・・・式1
なお、Lは、図8に示すように、凹み139の現像スリーブ132の長手方向の長さを示し、lは、図8に示すように、互いに隣り合う凹み139同士が重なる部分の現像スリーブ132の長手方向の長さを示している。これらのL及びlは、現像スリーブ132が完全な円筒形に形成されて、寸法誤差の全く無い理想的な形状である場合に、当該現像スリーブ132の外表面に形成される寸法を示している。例として、図9(a)には、前述した長手方向の重ね合わせ率が50%の場合の現像スリーブ132の長手方向の断面を示し、図9(b)には、前述した長手方向の重ね合わせ率が0%の場合の現像スリーブ132の長手方向の断面を示している。
前述した長手方向の重ね合わせ率が少ないと、現像スリーブ132の真円度や同軸度が低くて、凹み139の長さが変化した場合に、現像スリーブ132の外表面において凹み139の端同士が重ならない部分が生じる可能性がある。現像スリーブ132の外表面において、凹み139の端同士が重なる部分と凹み139の端同士が間隔をあける(重ならない)部分とが混在すると、現像スリーブ132の周方向において現像剤126の搬送力にむらが生じ、形成した画像に濃度ムラが生じる。このため、凹み139の長さが変化しても、当該凹み139の端同士が確実に重なるためには、長手方向の重ね合わせ率が10%以上であるのが望ましい。長手方向の重ね合わせ率が10%未満となると、凹み139の端同士が重なる部分と凹み139の端同士が間隔をあける(重ならない)部分とが混在するからである。
また、長手方向の重ね合わせ率を大きくしておくと、複数の凹み139に亘る当該凹み139の底の長さ(以下、稜線長さと記す)が短くなっていき、図11に示す表面処理装置1により凹み139を形成する際の加工時間が短くなり生産性が低下する。例えば、図10には、外径が2mmの後述するエンドミル21を用いて、深さが0.08mmの凹み139を形成した場合の長手方向の重ね合わせ率、稜線長さ及び生産性の関係を示す。図10中の一方の縦軸は、長手方向の重ね合わせ率が零%であるときの生産性を示す加工時間を1とし、図10中の他方の縦軸は、長手方向の重ね合わせ率が100%であるときの稜線長さを1として、長手方向の重ね合わせ率が変化したときの稜線長さと生産性の変化を示している。図10によれば、長手方向の重ね合わせ率が50%を超えると、稜線長さの変化が小さくなり、加工時間が急激に増加して生産性が低下する。よって、長手方向の重ね合わせ率は50%以下とするのが望ましい。上記の事柄を考慮して、本発明では、長手方向の重ね合わせ率を種々検討して定めるのが望ましい。
また、凹み139は、図6(b)に示すように、その幅方向(即ち、現像スリーブ132の周方向)の断面形状がV字状に形成され、図6(c)に示すように、その長手方向(即ち、現像スリーブ132の長手方向)の断面形状が円弧状の曲面に形成されている。さらに、凹み139は、図11(a)に示す表面処理装置1により現像スリーブ132の外表面に形成されるため、図7に示すように、その長手方向が若干弓状に湾曲している。なお、本発明では、その長さが幅よりも長く、外縁が曲線で形成されていれば、その長手方向や直線であっても若干湾曲していても、総称して楕円形状とする。また、図7以外の図面では、凹み139は、細長い小判状に示しているが、実際には、凹み139は、図7に示すように、その長手方向が若干弓状に湾曲した楕円形状に形成されている。
さらに、凹み139の長手方向の長さ(長径)は、0.3mm以上でかつ2.3mm以下となっており、幅方向の幅(短径)は、0.1mm以上でかつ0.7mm以下となっているとともに、その深さは、0.03mm以上でかつ0.15mm以下となっている。さらに、凹み139は、現像スリーブ132の外表面100mm2当たり50〜500個程度設けられている。即ち、複数(多数)の凹み139の総容量が、現像スリーブ132の外表面100mm2当たり0.5mm3以上でかつ7.0mm3以下となっている。さらに、凹み139は、現像スリーブ132とともに回転する感光体ドラム108の周方向に1mm当たり1.0個以上でかつ3.0個以下設けられている。なお、図5、図6(a)及び図7では、図中の左右方向が現像スリーブ132の長手方向となっている。
一般に凹み139が深いほど現像剤126の搬送性能は向上するが溝を外表面に設けた従来の現像スリーブと同様に周期的なピッチムラが発生しやすくなる。一方、凹み139が浅いほどピッチムラは発生しにくくなるが現像剤126の搬送性能が低下する。特に近年では、小粒径のトナーや磁性キャリアの画像形成技術の進歩及び近接現像の画像形成技術の進歩等により画像再現性が向上しているため、ピッチムラが発生しやすくなっている。そこで、前述した現像スリーブ132では、凹み139の深さを浅めに設定し、当該凹み139の分布密度を増やすことで現像剤搬送性能とピッチムラ防止の両立を図っている。また、現像スリーブ132の長手方向に互いに隣り合う凹み139の端同士を重ね合わせることにより、当該現像スリーブ132の真円度や同軸度などの寸法制度が低くても、現像スリーブ132の長手方向に沿って並ぶ凹み139間に当該凹み139が形成されていない部分が無くなるため、現像剤126の搬送力が大きくなる。これにより、凹み139の深さを浅くしても、所望の現像剤126の搬送力を得ることができる。深さを浅くすると、凹み139がある部分と凹み139が無い部分の電界強度の差が小さくなることなどにより、高画質化を図ることができる。
ドクタブレード116は、現像装置113の感光体ドラム108寄りの端部に設けられている。ドクタブレード116は、現像スリーブ132の外表面と間隔をあけた状態で、前述したケース125に取り付けられている。ドクタブレード116は、所望の厚さを越える現像スリーブ132の外表面上の現像剤126を収容槽117内にそぎ落として、現像領域131に搬送される現像スリーブ132の外表面上の現像剤126を所望の厚さにする。
前述した構成の現像装置113は、現像剤供給部114でトナーと磁性キャリアとを十分に攪拌し、この攪拌した現像剤126を固定磁極により現像スリーブ132の外表面に吸着する。そして、現像装置113は、現像スリーブ132が回転して、複数の固定磁極により吸着した現像剤126を現像領域131に向かって搬送する。現像装置113は、ドクタブレード116で所望の厚さになった現像剤126を感光体ドラム108に吸着させる。こうして、現像装置113は、現像剤126を現像ローラ115に担持し、現像領域131に搬送して、感光体ドラム108上の静電潜像を現像して、トナー像を形成する。
そして、現像装置113は、現像済みの現像剤126を、収容槽117に向かって離脱させる。さらに、そして、収容槽117内に収容された現像済みの現像剤126は、再度、第2空間121内で他の現像剤126と十分に攪拌されて、感光体ドラム108の静電潜像の現像に用いられる。なお、現像装置113は、現像剤供給部114が例えば感光体ドラム108に供給されるトナーの濃度が低下したことを後述するトナー濃度センサが検知すると、撹拌スクリュー118の回転駆動によりトナーを現像ローラ115に向けて繰り出すようになっている。
前述した構成の画像形成装置101は、以下に示すように、記録紙107に画像を形成する。まず、画像形成装置101は、感光体ドラム108を回転して、この感光体ドラム108の外表面を一様に帯電ローラ109により−700Vに帯電する。感光体ドラム108の外表面にレーザ光を照射して、感光体ドラム108を露光して、画像部分を−150Vに減衰させて、該感光体ドラム108の外表面に静電潜像を形成する。そして、静電潜像が現像領域131に位置付けられると、この静電潜像に−550Vの現像バイアス電圧を印加して、現像装置113の現像スリーブ132の外表面に吸着した現像剤126が感光体ドラム108の外表面に吸着して、静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム108の外表面に形成する。
そして、画像形成装置101は、給紙ユニット103の給紙ローラ124などにより搬送されてきた記録紙107が、プロセスカートリッジ106Y,106M,106C,106Kの感光体ドラム108と転写ユニット104の搬送ベルト129との間に位置して、感光体ドラム108の外表面上に形成されたトナー像を記録紙107に転写する。画像形成装置101は、定着ユニット105で、記録紙107にトナー像を定着する。こうして、画像形成装置101は、記録紙107にカラー画像を形成する。
一方、転写されずに感光体ドラム108上に残ったトナーはクリーニングブレード112によって回収される。残留トナーを除去された感光体ドラム108は図示しない除電ランプで初期化され、次回の画像形成プロセスに供される。
また、前述した画像形成装置101では、環境変動や経時変動による画質の変動を抑えるために、プロセスコントロールを行なっている。具体的には、まず現像装置113における現像能力を検出する。例えば、あるトナーパターンの画像を、現像バイアス電圧を一定にした条件下で感光体ドラム108上に形成し、その画像濃度を図示しない光センサで検出し、濃度変化から現像能力を把握する。そして、この現像能力が所定の目標現像能力になるように、トナー濃度の目標値を変更することで、画質を一定に保つことができる。例えば、光センサで検出したトナーパターンの画像濃度が、目標現像濃度よりも薄い場合には、トナー濃度を高くするように、図示しない制御手段としてのCPUが撹拌スクリュー118を回転駆動するモータの駆動回路を制御する。一方、光センサで検出したトナーパターンの画像濃度が、目標現像濃度よりも薄い場合には、トナー濃度を低くするように、CPUが前述したモータの駆動回路を制御する。ここで、上記トナー濃度は図示しないトナー濃度センサで検知される。なお、感光体ドラム108上に形成されるトナーパターンの画像濃度は、現像スリーブ132による画像濃度周期ムラの影響で多少変動することがある。
前述した現像スリーブ132は、図11(a)に示す表面処理装置1によって外表面に凹み139が形成される。
表面処理装置1は、図11(a)に示すように、ベース3と、保持部4と、回転駆動部としてのモータ2と、移動手段としての工具移動部5と、工具6と、制御手段としての図示しない制御装置とを備えている。
ベース3は、平板状に形成されて、工場のフロアやテーブル上等に設置される。ベース3の上面は、水平方向と平行に保たれる。ベース3の平面形状は、矩形状に形成されている。
保持部4は、固定保持部7と、スライド保持部8とを備えている。固定保持部7は、ベース3の長手方向の一端部から立設した固定柱9と、この固定柱9の上端部に設けられた回転チャック10とを備えている。回転チャック10は、厚手の円板状に形成され、固定柱9の上端部にその中心を中心として回転自在に支持されている。回転チャック10の回転中心は、ベース3の表面と平行に配置されており、回転チャック10の中心部には円柱状のチャックピン11が立設している。勿論、チャックピン11は、回転チャック10と同軸に配置されている。
スライド保持部8は、スライダ12と、スライド柱13と、この固定柱9の上端部に設けられた回転チャック14とを備えている。スライダ12は、ベース3の表面即ち回転チャック10のチャックピン11の軸芯に沿ってスライド自在に設けられている。また、スライダ12は、回転チャック10のチャックピン11の軸芯方向の位置が適宜固定される構成となっている。
スライド柱13は、スライダ12から立設している。回転チャック14は、厚手の円板状に形成され、スライド柱13の上端部に取り付けられたモータ2の出力軸に取り付けられている。回転チャック14の回転中心は、固定保持部7の回転チャック10のチャックピン11と同軸に配置されている。回転チャック14の中心部には円柱状のチャックピン15が立設している。勿論、チャックピン15は、回転チャック14と同軸に配置されている。
前述した保持部4は、スライド保持部8が固定保持部7から離れた状態で、チャックピン11,15間に凹み139が形成される前の現像スリーブ132が位置付けられて、そして、保持部4は、スライド保持部8が固定保持部7に近づけられて、チャックピン11,15の先端が現像スリーブ132の端部内に侵入して、当該チャックピン11,15間に現像スリーブ132を挟んだ状態で、スライダ12が固定される。こうして、保持部4は、チャックピン11,15間に現像スリーブ132を挟んで、当該現像スリーブ132を保持する。
モータ2は、スライド保持部8のスライド柱13の上端部に取り付けられている。モータ2は、回転チャック14をその中心回りに回転駆動する。モータ2は、回転チャック14を回転駆動することで、チャックピン11,15間に挟まれた現像スリーブ132をその軸芯回りに回転させる。
工具移動部5は、リニアガイド16と、図示しない移動用アクチュエータと、を備えている。リニアガイド16は、レール17と、スライダ18とを備えている。レール17は、ベース3上に設置されている。レール17は、直線状に形成されているとともに、その長手方向がベース3の長手方向、チャックピン11,15即ちチャックピン11,15間に挟まれた現像スリーブ132の軸芯と平行に配されている。スライダ18は、レール17に該レール17の長手方向に沿って移動自在に支持されている。
移動用アクチュエータは、ベース3に取り付けられているとともに、前述したスライダ18をベース3の長手方向、チャックピン11,15即ちチャックピン11,15間に挟まれた現像スリーブ132の軸芯に沿って、スライド移動させる。
工具6は、工具本体19と、工具回転部としての工具回転用モータ20と、回転工具としてのエンドミル21と、を備えている。工具本体19は、スライダ18から立設した柱状に形成されている。
工具回転用モータ20は、工具本体19の上端部に取り付けられている。工具回転用モータ20は、図11(b)に示すように、その出力軸22が工具本体19の上端部からチャックピン11,15間に挟まれた現像スリーブ132に向かって突出した状態に配置されている。工具回転用モータ20の出力軸22は、その軸芯がベース3の表面と平行でかつチャックピン11,15間に挟まれた現像スリーブ132の軸芯と交差(図示例では直交)する状態で配置されている。
エンドミル21は、全体として円柱状に形成され、工具回転用モータ20の出力軸22の先端部に取り付けられている。このため、エンドミル21は、その軸芯がベース3の表面と平行でかつチャックピン11,15間に挟まれた現像スリーブ132の軸芯と交差(図示例では直交)する状態で配置されている。また、エンドミル21は、工具本体19の上端部からチャックピン11,15間に挟まれた現像スリーブ132に向かって突出した状態に配置されている。
エンドミル21は、図11(c)に示すように、円柱状の本体部23と、二つの切削刃24とを備えている。本体部23は、工具本体19に取り付けられる。切削刃24は、本体部23の現像スリーブ132寄りの先端部に周方向に間隔をあけて設けられている。切削刃24は、図11(d)に示すように、本体部23の先端部の外縁よりも当該本体部23即ちエンドミル21の外周方向に突出して設けられ、螺旋状に延在して形成されている。また、本実施形態では、エンドミル21の切削刃24の先端の外縁25の断面は、図11(c)に示すように、鋭角をなすように形成されている。
前述した工具6は、工具回転用モータ20がエンドミル21をその軸芯回りに回転することで、現像スリーブ132の外表面に凹み139を形成する。
制御装置は、周知のRAM、ROM、CPUなどを備えたコンピュータである。制御装置は、回転駆動部としてのモータ2と、工具移動部5の移動用アクチュエータと、工具6の工具回転用モータ20などと接続しており、これらを制御して、表面処理装置1全体の制御を司る。
制御装置は、現像スリーブ132の外表面に凹み139を多数形成する際には、回転駆動部としてのモータ2で現像スリーブ132をその軸芯回りに回転させて、工具回転用モータ20でエンドミル21をその軸芯回りに回転させながら、移動用アクチュエータにより工具を現像スリーブ132の軸芯(長手方向)に沿って移動させる。そして、制御装置は、切削刃24がエンドミル21の回転に伴い断続的に現像スリーブ132の外表面に切削加工を施して、凹み139を多数形成する。
このとき、切削刃24の外縁の曲率半径により現像スリーブ132の長手方向の凹み139の円弧の曲率半径を定め、切削刃24の切り込み量により凹み139の深さを定め、工具6の移動速度により凹み139の現像スリーブ132の長手方向の間隔を定める。また、現像スリーブ132の外表面に周方向に設ける凹み139の数をnとし、回転駆動部としてのモータ2の回転数即ち現像スリーブ132の回転数をN1とし、エンドミル21の切削刃24の数をmとし、エンドミル21の回転数をN2とすると、制御装置は、以下の式2を満たすように、回転駆動部としてのモータ2と、工具移動部5の移動用アクチュエータと、工具6の工具回転用モータ20を制御する。
N2=N1×〔m/[(n/2)−0.5]〕・・・式2
制御装置は、これらの各要件を適宜変更することで、凹み139の大きさや密度を任意に変更して、現像スリーブ132の外表面を加工することができる。
さらに、制御装置には、キーボードなどの各種の入力装置や、ディスプレイなどの各種の表示装置が接続している。
次に、前述した構成の表面処理装置1を用いて現像スリーブ132の外表面に切削加工を施して、現像スリーブ132を製造する工程を、以下説明する。
まず、制御装置に入力装置から現像スリーブ132の品番などを入力する。そして、制御装置が、工具6の回転工具としてのエンドミル21を加工開始位置即ち現像スリーブ132の一方の端部に位置付けた後、凹み139が形成される前の現像スリーブ132を保持部4に保持する。このとき、現像スリーブ132とチャックピン11,15などが同軸になる。
そして、入力装置から作業開始命令を入力すると、前述した式2に基づいて、制御装置が、回転駆動部としてのモータ2と、工具移動部5の移動用アクチュエータと、工具6の工具回転用モータ20を駆動する。すると、軸芯回りに回転するエンドミル21の切削刃24が、断続的に現像スリーブ132の外表面に切削加工を施すことで、凹み139が形成される。即ち、凹み139は、軸芯回りに回転される回転工具6によって、現像スリーブ132の外表面に切削加工が施されて形成される。
また、回転駆動部としてのモータ2と、工具移動部5の移動用アクチュエータと、工具6の工具回転用モータ20が同時に駆動するので、凹み139が軸芯回りに回転される回転工具6によって現像スリーブ132の外表面に切削加工が施されて形成される際に、エンドミル21と交差(図示例では直交)する状態に配置された現像スリーブ132がその軸芯回りに回転されながら、エンドミル21と現像スリーブ132とが当該現像スリーブ132の長手方向に相対的に移動されて、凹み139が、形成される。
エンドミル21が、現像スリーブ132の加工終了位置即ち現像スリーブ132の他方の端部に位置付けられて、前述した現像スリーブ132の外表面の切削加工が終了すると、回転駆動部としてのモータ2と、工具移動部5の移動用アクチュエータと、工具6の工具回転用モータ20を停止する。そして、スライド保持部8を固定保持部7から離して、保持部7,8のチャックピン11,15間から外表面に凹み139が多数形成された現像スリーブ132を取り出して、新たな現像スリーブ132を保持部4に保持させる。こうして、現像スリーブ132の外表面に切削加工を施して、外表面に凹み139を多数形成して、前述した現像スリーブ132(図4に示す)が得られる。
本実施形態によれば、凹み139間の凸部が加工前の現像スリーブ132の平坦な外表面となるので、当該外表面に従来のサンドブラスト加工により形成されるような尖がった凸部が無く、凹み139はより大きな凹み139に形成されているので、経年変化によっても、凹み139が摩耗しにくくなり、よって、経年変化による現像剤126の搬送量の低下を抑制できる。
また、現像スリーブ132は、凹み139の加工前の当該現像スリーブ132の真円度や同軸度の精度が低くて、凹み139を形成する際にエンドミル21と現像スリーブ132の外表面との間の距離が変化して、凹み139の大きさにムラが生じても、現像スリーブ132の長手方向に沿って互いに隣り合う凹み139の端が互いに重なるように規則的に配置されているので、現像スリーブ132の長手方向に沿って互いに隣り合う凹み139の端同士が重なり続けることとなる。したがって、現像スリーブ132の外表面の周方向において凹み139が形成されていない部分の面積と凹み139が形成された部分の面積との割合が変化し難くなっている。このために、現像スリーブ132の外表面に現像剤126が一様に吸着することとなって、画像の濃度ムラが生じることを防止できる。よって、高精度な材料を用いなくても画像の濃度ムラが生じることを防止することができる。更に、今後の高速機での高画質維持の為に更に汲み上げ量を増加させることに対応できる。
さらに、凹み139を規則的に配置するので、最適な現像剤126のくみ上げ量を確保しながら長寿命化を図ることができる加工条件を設定することが容易で、かつ、設定された条件で確実に凹み139を形成でき、加工性に優れるという効果を奏でる。
さらに、現像スリーブ132の外表面に長手方向に長い複数個の凹み139が規則的に配置され、この凹み139の総容積を該現像スリーブ132の外表面の面積100mm2当たり0.5mm3以上にしているので、現像剤126の十分な搬送力が得られる。
また、凹み139を同形状同寸法で規則的に配置することで搬送性のムラによる画像ムラを防止し、且つ、感光体ドラム108の外表面の周方向1mm当たりに現像スリーブ132の凹み139が1.0以上存在するので、現像領域131内に常に複数の凹み139を存在させることができ、現像剤126のスリップによる画像ムラを防止することができる。
凹み139の長手方向が現像スリーブ132の長手方向と平行に配置されているので、汲み上げられる現像剤126を当該現像スリーブ132の長手方向に沿って並設させることとなり、そのために、現像スリーブ132が回転しても、汲み上げた現像剤126が該現像スリーブ132の外表面から脱落しにくくなり、よって、楕円形状の凹み139が従来から用いられてきた溝と同様の作用効果を奏でて、現像剤126の汲み上げ量を確保することができる。
凹み139の現像スリーブ132の長手方向の断面が円弧状に形成されているので、凹み139内に収容できる現像剤126の量を多くすることができる、十分な量の現像剤126を搬送することができる。
現像スリーブ132の周方向に互いに隣り合う凹み139同士が現像スリーブ132の長手方向に位置ずれしているので、現像スリーブ132の外表面に凹み139が形成されていない箇所や凹み139が多く形成されている箇所などが生じることを防止できる。したがって、現像スリーブ132の外表面に吸着する現像剤126にムラが生じることを防止即ち現像スリーブ132の外表面に一様に現像剤126を吸着することができる。したがって、画像のムラが生じることを防止できる。
凹み139が現像スリーブ132の外表面に螺旋上に配置されているので、現像スリーブ132の外表面に吸着する現像剤126にムラが生じることを防止即ち現像スリーブ132の外表面に一様に現像剤126を吸着することができる。したがって、画像のムラが生じることを防止できる。
エンドミル21によって現像スリーブ132の外表面に凹み139を形成するので、凹み139を確実に規則的に現像スリーブ132の外表面に形成することができる。したがって、画像のムラが生じることを防止できる。
現像スリーブ132をその軸芯回りに回転させかつエンドミル21を移動させながら凹み139を形成するので、凹み139を確実に規則的に現像スリーブ132の外表面に形成することができる。したがって、画像のムラが生じることを防止できる。
現像装置113、プロセスカートリッジ106Y,106M,106C,106K及び画像形成装置101は、前述した現像ローラ115を備えているので、経年変化による現像剤126の搬送量の低下を抑制できるとともに、画像のムラが生じることを防止できる。
前述した実施形態では、凹み139の現像スリーブ132の周方向の断面をV字状に形
成しているが、本発明では、図12(a)乃至図12(c)に示すように、凹み139の現像スリーブ132の周方向の断面を円弧状に形成しても良い。図示例では、凹み139の現像スリーブ132の周方向と長手方向の双方の断面を円弧状に形成している。この場合、図14に示すように、エンドミル21の切削刃24の外縁25を円弧状に形成することで、凹み139の現像スリーブ132の周方向の断面を円弧状に形成している。また、この場合に限らず、現像スリーブ132の周方向の断面における凹み139の内面と現像スリーブ132の外表面とのなす角度θ(図13に示す)は、前述した現像磁極の影響で発生する現像濃度差を避けるために60度以下であるのが好ましい。なお、これらの図12乃至図14において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明する。
これらの図12乃至図14に示す場合によれば、凹み139の現像スリーブ132の長手方向と周方向の双方の断面が円弧状に形成されているので、凹み139内に収容できる現像剤126の量を多くすることができる、十分な量の現像剤126を搬送することができる。
次に、本発明の第2の実施形態を、図15ないし図19に基づいて説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
図15に示す本実施形態の現像スリーブ132では、外表面に形成された平面視が楕円形状の凹み139は、前述した第1の実施形態と同様に、その長手方向が現像スリーブ132の長手方向に沿いかつ若干湾曲した楕円形状に形成され、かつ当該現像スリーブ132の外表面上に図16中の一点鎖線で示す螺旋上に並べられて配置されている。
また、前述した凹み139は、図16及び図17(a)に示すように、現像スリーブ132の周方向に沿って互いに隣り合う当該凹み139の端同士が重なるように規則的に多数(複数)配置されている。本実施形態では、現像スリーブ132の周方向に沿って互いに隣り合う凹み139は、互いに端が重なり、現像スリーブ132の長手方向に沿って互いに隣り合う凹み139は、互いに間隔をあけて配置されている。こうして、現像スリーブ132の外表面は、周方向の端が互いに連なる凹み139によって、規則性を有しかつ不連続の島状の凸部となっている。
さらに、現像スリーブ132の周方向に互いに端同士が重なり合う凹み139の幅方向の重ね合わせ率を以下の式3に示すように定義する。
(P0−P)/P0×100(%)・・・・・・式3
なお、P0は、図18(a)に示すように、凹み139の現像スリーブ132の周方向の幅を示し、Pは、図18(a)に示すように、現像スリーブ132の周方向に沿って互いに隣り合う凹み139間の間隔を示している。これらのP0及びPは、現像スリーブ132が完全な円筒形に形成されて、寸法誤差の全く無い理想的な形状である場合に、当該現像スリーブ132の外表面に形成される寸法を示している。なお、例として、図18(b)及び図18(c)には、前述した周方向の重ね合わせ率がゼロ%の場合の現像スリーブ132の平面形を示し、図18(d)及び図18(e)には、前述した周方向の重ね合わせ率が0%を超えている場合の現像スリーブ132の平面形を示している。
また、図19には、前述した周方向の重ね合わせ率を変化させたときの前述した稜線長さの変化を示している。この図19によれば、重ね合わせ率が大きくなると稜線長さが短くなり現像剤126搬送性は低下し、重ね合わせ率が大きくなって周方向の凹み139間の間隔が小さくなることは凹み139の加工時間が長時間化することから、周方向の重ね合わせ率は極力小さい方が良く、2%〜10%が望ましいことが明らかである。
また、図20には、周方向に互いに隣り合う凹み139の端同士が重なっている場合と、周方向に互いに隣り合う凹み139の端が互いに間隔をあけている場合の当該凹み139の深さの変化に対する現像剤126の搬送量の変化を示す。この図20により、凹み139が重なっている場合の方が凹み139の深さの偏差に対する搬送量への影響が少ないことが確認できた。
よって、図18(b)及び(c)に示す凹み139が重なっていない場合では、凹み139の深さが深くなると凹みの容積、凹みの稜線共に増加し、凹み139の深さの偏差により現像剤126の搬送量の変化が大きく、図18(d)及び(e)に示す凹み139が重なっている場合では、凹み139の深さが深くなると凹み139の容積は増えるが、凹み139の稜線長さは減少するため相殺され現像剤126の搬送量の変化は少なくなることが明らかとなった。上記の事柄を考慮して、本発明では、周方向の重ね合わせ率を種々検討して定めるのが望ましい。
また、本実施形態においても、凹み139は、図17(b)に示すように、その幅方向(即ち、現像スリーブ132の周方向)の断面形状がV字状に形成され、図17(c)に示すように、その長手方向(即ち、現像スリーブ132の長手方向)の断面形状が円弧状の曲面に形成されている。
本実施形態によれば、前述した第1の実施形態と同様に、凹み139間の凸部が加工前の現像スリーブ132の平坦な外表面となるので、当該外表面に従来のサンドブラスト加工により形成されるような尖がった凸部が無く、凹み139はより大きな凹み139に形成されているので、経年変化によっても、凹み139が摩耗しにくくなり、よって、経年変化による現像剤126の搬送量の低下を抑制できる。
また、現像スリーブ132は、凹み139の加工前の当該現像スリーブ132の真円度や同軸度の精度が低くて、凹み139を形成する際にエンドミル21と現像スリーブ132の外表面との間の距離が変化して、凹み139の大きさにムラが生じても、現像スリーブ132の周方向に沿って互いに隣り合う凹み139の端が互いに重なるように規則的に配置されているので、現像スリーブ132の周方向に沿って互いに隣り合う凹み139の端同士が重なり続けることとなる。したがって、現像スリーブ132の外表面の周方向において凹み139が形成されていない部分の面積と凹み139が形成された部分の面積との割合が変化し難くなっている。このために、現像スリーブ132の外表面に現像剤126が一様に吸着することとなって、画像の濃度ムラが生じることを防止できる。よって、高精度な材料を用いなくても画像の濃度ムラが生じることを防止することができる。更に、今後の高速機での高画質維持の為に更に汲み上げ量を増加させることに対応できる。
また、本実施形態においても、前述した第1の実施形態と同様に、本発明では、図21(a)乃至図21(c)に示すように、凹み139の現像スリーブ132の周方向の断面を円弧状に形成しても良い。図示例では、凹み139の現像スリーブ132の周方向と長手方向の双方の断面を円弧状に形成している。この図21に示す場合によれば、凹み139の現像スリーブ132の長手方向と周方向の双方の断面が円弧状に形成されているので、凹み139内に収容できる現像剤126の量を多くすることができる、十分な量の現像剤126を搬送することができる。
また、前述した第1及び第2の実施形態では、凹み139の現像スリーブ132の周方向の断面をV字状に形成しているが、本発明では、切削刃24の外縁25の形状を適宜変更することで、図22及び図23に示すように、凹み139の現像スリーブ132の周方向の断面形状を適宜変更しても良い。図22は、V字状の凹み139の底が平坦に形成された場合を示し、図23は、V字状の凹み139の底が円弧状に形成された場合を示している。なお、図22及び図23において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
また、前述した実施形態では、モータ2,20やアクチュエータを同時に連続して動作させて、凹み139を現像スリーブ132の外表面に螺旋上に配置し、かつ各々の凹み139を若干弓状に湾曲して形成しているが、本発明では、図24及び図25に示すように、モータ2,20やアクチュエータを適宜完結的に動作させて、凹み139を現像スリーブ132の長手方向に沿って直線状に形成しても良いとともに、複数の凹み139を現像スリーブ132の周方向に沿って直線上に配置しても良い。
さらに、前述した実施形態などでは、凹み139を楕円形状に形成しているが、本発明では、前述した実施形態よりも外径D1の小さいエンドミル21(図26(b)に示す)を用いて、凹み139を、図26(a)に示すように、平面視を円形に形成しても良い。なお、図26(a)には、現像スリーブ132の長手方向に沿って互いに隣り合う凹み139の端同士を重ねている場合を示しているが、勿論、本発明では、現像スリーブ132の周方向に沿って互いに隣り合う凹み139の端同士を重ねてもよい。
また、前述した実施形態では、現像スリーブ132の周方向に互いに隣り合う凹み139を、当該凹み139の長さの約半分位置をずらして配置している。しかしながら、本発明では、現像スリーブ132の周方向に互いに隣り合う凹み139同士を、当該凹み139の長さの1/3、1/4などの任意の長さ位置をずらして配置しても良い。
さらに、前述した実施形態では、エンドミル21を現像スリーブ132の長手方向に沿って移動させることで、これらエンドミル21と現像スリーブ132とを相対的に移動させているが、勿論、本発明では、エンドミル21と現像スリーブ132とのうち少なくとも一方を現像スリーブ132の長手方向に沿って移動して、これらを相対的に移動させても良い。
また、前述した実施形態では、同一形状の凹み139を現像スリーブ132の外表面に規則的に配置しているが、本発明では、図27(a)に示すように、現像スリーブ132の長手方向中央部から両端部に向かって徐々に凹み139が深くなるように形成しても良い。このようにすることで、現像スリーブ132の長手方向中央部から両端部に向かって徐々に凹み139の容積が大きくなり、図27(b)に示すように、現像剤126がドクタギャップを通過する際に発生する摩擦抵抗力や磁気吸引力により現像ローラ115に撓みが発生した状態で現像スリーブ132の長手方向中央部のドクタギャップが広くなったときでも、現像ローラ115における長手方向(軸方向)の現像剤126搬送量を均一にでき、そのため、画像の濃度ムラが生じることを防止できる。
また、本発明では、図28に示すように、現像スリーブ132の長手方向中央部から両端部に向かって徐々に凹み139の平面視の面積が大きくなるように且つ互いの間隔が両端部に向かって徐々に狭くなるように(即ち、不規則的に)多数配置して形成しても良い。このようにすることで、現像スリーブ132の長手方向中央部から両端部に向かって徐々に凹み139の容積が大きくなり、現像ローラ115における長手方向の現像剤126搬送量を均一にでき、そのため、画像の濃度ムラが生じることを防止できる。
また、本発明では、図29に示すように、現像スリーブ132の長手方向中央部から両端部に向かって徐々に凹み139の単位面積当たりの個数が多くなるように、即ち、互いの間隔が両端部に向かって徐々に狭くなるように(即ち、不規則的に)多数配置して形成しても良い。このようにすることで、現像スリーブ132の長手方向中央部から両端部に向かって徐々に凹み139の容積が大きくなり、現像ローラ115における長手方向の現像剤126搬送量を均一にでき、そのため、画像の濃度ムラが生じることを防止できる。なお、図27乃至図29において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。また、本発明の目的に反しない限り、上述した凹み139の深さ、平面視の面積、及び、単位面積当たりの個数を、それぞれ適宜組み合わせた構成としても良い。さらに、図28及び図29では、現像スリーブの周方向に互いに隣り合う凹みの端同士が重なる場合を示しているが、本発明では、勿論、現像スリーブの長手方向に互いに隣り合う凹みの端同士が重なってもよい。
前述した画像形成装置101では、プロセスカートリッジ106Y,106M,106C,106Kはカートリッジケース111と帯電ローラ109と感光体ドラム108とクリーニングブレード112と現像装置113とを備えている。しかしながら、本発明ではプロセスカートリッジ106Y,106M,106C,106Kは少なくとも現像装置113を備えていれば良く、カートリッジケース111と帯電ローラ109と感光体ドラム108とクリーニングブレード112を必ずしも備えていなくても良い。また、前述した実施形態では画像形成装置101は装置本体102に着脱自在なプロセスカートリッジ106Y,106M,106C,106Kを備えている。しかしながら本発明では画像形成装置101は現像装置113を備えていれば良く、プロセスカートリッジ106Y,106M,106C,106Kを必ずしも備えていなくても良い。
つぎに、本発明の発明者らは、前述した第1の実施形態の現像スリーブ132を複数種製造し、これらの現像スリーブ132の効果を確認した。結果を以下の表1に示す。
表1に結果を示す実験では、以下の本発明品1ないし本発明品4及び比較例1ないし比較例3の現像スリーブ132を備えた現像ローラ115を用いて画像形成装置101で形成した画像の濃度ムラ及び300,000枚給紙後の画像の濃度低下を評価した。
本発明品1は、外径が2mmのエンドミル21を用い、現像スリーブ132の回転数を400rpmとし、エンドミル21の回転数を25500rpmとし、エンドミル21の現像スリーブ132の長手方向の移動速度を0.35mm/rev(回転)で表面処理装置1を駆動して、外径が18mmのアルミニウム合金で構成された現像スリーブ132に凹み139を形成した。
凹み139の当該現像スリーブ132の周方向の断面を曲率半径が0.1mmの円弧状とし、現像スリーブ132の長手方向の断面を曲率半径が1.0mmの円弧状とし、現像スリーブ132の周方向の凹み139間の間隔を0.22mmとし、現像スリーブ132の長手方向の凹み139間の間隔を0.7mmとなり、現像スリーブ132の長手方向に沿って互いに隣り合う凹み139の端同士が重なるように当該凹み139を、現像スリーブ132の外表面に螺旋状に形成した。こうして得られた現像スリーブ132内にマグネットローラ133を収容し、現像ローラ115を製造し、この現像ローラ115を用いて画像形成装置101により画像を形成した。
本発明品2は、外径が2mmのエンドミル21を用い、現像スリーブ132の回転数を400rpmとし、エンドミル21の回転数を25500rpmとし、エンドミル21の現像スリーブ132の長手方向の移動速度を0.3mm/rev(回転)で表面処理装置1を駆動して、外径が18mmのアルミニウム合金で構成された現像スリーブ132に凹み139を形成した。
凹み139の当該現像スリーブ132の周方向の断面を曲率半径が0.1mmの円弧状とし、現像スリーブ132の長手方向の断面を曲率半径が1.0mmの円弧状とし、現像スリーブ132の周方向の凹み139間の間隔を0.22mmとし、現像スリーブ132の長手方向の凹み139間の間隔を0.6mmとなり、現像スリーブ132の長手方向に沿って互いに隣り合う凹み139の端同士が重なるように当該凹み139を、現像スリーブ132の外表面に螺旋状に形成した。こうして得られた現像スリーブ132内にマグネットローラ133を収容し、現像ローラ115を製造し、この現像ローラ115を用いて画像形成装置101により画像を形成した。
本発明品3は、外径が2mmのエンドミル21を用い、現像スリーブ132の回転数を400rpmとし、エンドミル21の回転数を25500rpmとし、エンドミル21の現像スリーブ132の長手方向の移動速度を0.3mm/rev(回転)で表面処理装置1を駆動して、外径が18mmのアルミニウム合金で構成された現像スリーブ132に凹み139を形成した。
凹み139の当該現像スリーブ132の周方向の断面を曲率半径が0.1mmの円弧状とし、現像スリーブ132の長手方向の断面を曲率半径が1.0mmの円弧状とし、現像スリーブ132の周方向の凹み139間の間隔を0.22mmとし、現像スリーブ132の長手方向の凹み139間の間隔を0.6mmとなり、現像スリーブ132の長手方向に沿って互いに隣り合う凹み139の端同士が重なるように当該凹み139を、現像スリーブ132の外表面に螺旋状に形成した。こうして得られた現像スリーブ132内にマグネットローラ133を収容し、現像ローラ115を製造し、この現像ローラ115を用いて画像形成装置101により画像を形成した。
本発明品4は、外径が2mmのエンドミル21を用い、現像スリーブ132の回転数を400rpmとし、エンドミル21の回転数を25500rpmとし、エンドミル21の現像スリーブ132の長手方向の移動速度を0.25mm/rev(回転)で表面処理装置1を駆動して、外径が18mmのアルミニウム合金で構成された現像スリーブ132に凹み139を形成した。
凹み139の当該現像スリーブ132の周方向の断面を曲率半径が0.1mmの円弧状とし、現像スリーブ132の長手方向の断面を曲率半径が1.0mmの円弧状とし、現像スリーブ132の周方向の凹み139間の間隔を0.22mmとし、現像スリーブ132の長手方向の凹み139間の間隔を0.5mmとなり、現像スリーブ132の長手方向に沿って互いに隣り合う凹み139の端同士が重なるように当該凹み139を、現像スリーブ132の外表面に螺旋状に形成した。こうして得られた現像スリーブ132内にマグネットローラ133を収容し、現像ローラ115を製造し、この現像ローラ115を用いて画像形成装置101により画像を形成した。
比較例1は、表面粗さがRz10μmとなるようにサンドブラスト加工を施した現像スリーブ132内にマグネットローラ133を収容し、現像ローラを製造し、この現像ローラ115を用いて画像形成装置101により画像を形成した。
比較例2は、深さが0.09mmのV溝を周方向等間隔に、互いに平行に72本設けた現像スリーブ132内にマグネットローラ133を収容し、現像ローラ115を製造し、この現像ローラ115を用いて画像形成装置101により画像を形成した。
比較例3は、表面粗さがRz25μmとなるように前述した特許文献3に示された電磁ブラスト加工を施した現像スリーブ132内にマグネットローラ133を収容し、現像ローラ115を製造し、この現像ローラ115を用いて画像形成装置101により画像を形成した。
なお、画像の形成にあたっては、平均粒径35μmの磁性キャリアと、乳化重合法により製造され、平均粒径5μmのトナーを含み、トナー濃度を7重量%に調整した現像剤126を用い、現像バイアスをDCの−550Vに固定した。
画像の評価にあたっては、一色で一様の濃度所謂ベタ画像を出力し、V溝のピッチおよび現像ローラ115の回転ピッチに相当する間隔での濃度ムラの発生状況を評価した。目視で濃度ムラを確認できないレベルを○、目視で濃度ムラを確認できるレベルを×とした。また、ベタ画像の6箇所で分光濃度計による濃度測定を行ない、6箇所の平均値を濃度とした。初期及び300,000枚給紙後に濃度測定を行ない、初期に対する300,000枚給紙後の濃度の低下が7%未満であれば◎、10%未満であれば○、10%以上であれば×とした。
比較例1では、上記の条件で得られた現像ローラを用いて画像形成装置で画像を形成したところ、濃度ムラの無い、良好な画像が得られた。しかし、300,000枚給紙後においては、濃度低下が発生した。
比較例2では、上記の条件で得られた現像ローラを用いて画像形成装置で画像を形成したところ、V溝のピッチで濃度ムラが発生した。また、300,000枚給紙後でも濃度低下は発生しなかったが、勿論、V溝のピッチで濃度ムラが発生した。
比較例3では、上記の条件で得られた現像ローラを用いて画像形成装置で画像を形成したところ、濃度ムラの無い、良好な画像が得られた。しかし、300,000枚給紙後においては濃度低下が発生した。
前述した比較例1ないし3に対して、本発明品1ないし4では、上記の条件で得られた現像ローラ115を用いて画像形成装置101で画像を形成したところ、濃度ムラの無い、良好な画像が得られた。また、300,000枚給紙後でも濃度低下は発生せず、濃度ムラの無い、良好な画像が得られた。こうして、前述した第1に実施形態に示されたように、現像スリーブ132の長手方向に沿って互いに隣り合う凹み139の端を重ねることで、濃度ムラが発生せず、経年変化の少ない画像を得ることが明らかとなった。
また、本発明の発明者らは、前述した第2の実施形態にかかる現像スリーブ132を製造して、そのときの凹み139を計測した。結果を、図30乃至図32に示す。この場合、本発明品として、外径が6mmのエンドミル21を用い、現像スリーブ132の回転数を400rpmとし、エンドミル21の回転数を14100rpmとし、エンドミル21の現像スリーブ132の長手方向の移動速度を1mm/rev(回転)で表面処理装置1を駆動して、外径が18mmのアルミニウム合金で構成された現像スリーブ132に凹み139を形成した。
更に、本発明品では、凹み139の当該現像スリーブ132の周方向の断面を曲率半径が0.4mmの円弧状とし、現像スリーブ132の長手方向の断面を曲率半径が3.0mmの円弧状とし、現像スリーブ132の周方向の凹み139間の間隔を0.40mmとし、現像スリーブ132の長手方向の凹み139間の間隔を2.0mmとなり、現像スリーブ132の周方向に沿って互いに隣り合う凹み139の端同士が重なるように当該凹み139を、現像スリーブ132の外表面に螺旋状に形成した。
このときの本発明品の重ならない場合の凹み139の深さの変化に対する凹み139の幅及び長さの変化を図30に示し、重ならない場合の凹み139の深さの変化に対する凹み139の1個の容積の変化を図31に示し、重ならない場合の凹み139の深さの変化に対する現像スリーブ132の外表面100mm2当たりの凹み139の容積の変化を図16に示す。また、図16には、本発明品の他に、比較例1として外表面に100本の溝を形成した従来から用いられてきた現像スリーブ及び凹みを重ならないように配置した現像スリーブと、比較例2として多数の凹みを互いに重ならないように外表面に形成した現像スリーブとを示している。このように、図14乃至図16によれば、前述した表面処理装置1を用いることで、所定の大きさの凹み139を確実に形成できることが明らかとなった。また、図16によれば、比較例2に対して本発明品が、深さの変化に対する凹みの容積の変化が少ないこと即ち凹み139の大きさにばらつきによる現像剤126の搬送量のばらつきが少ないことが明らかとなった。
前述した第1の実施形態では、現像スリーブ132の長手方向のみに沿って互いに隣り合う凹み139の端同士を重ね、第2の実施形態では、現像スリーブ132の周方向のみに沿って互いに隣り合う凹みの端同士を重ねたが、本発明では、現像スリーブ132の長手方向に沿って互いに隣り合う凹み139の端同士を重ね、かつ現像スリーブ132の周方向に沿って互いに隣り合う凹みの端同士を重ねてもよいことは勿論である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱し
ない範囲で種々変形して実施することができる。