JP5363352B2 - 巻上機の駆動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気チェーンブロック等の巻上機を駆動する電動モータを制御する巻上機の駆動制御装置に関する。
荷物つまり吊荷を上下動するための巻上機には、電気チェーンブロックやホイスト等がある。電気チェーンブロックは、ロードチェーンが掛け渡されたスプロケットを駆動することにより、ロードチェーンの一端部に設けられた荷物吊り下げ用の下フックを上下動させて荷物の巻上げと巻下げを行うようにしており、ロードチェーンの他端部は巻上機本体に設けられたチェーン収納器つまりチェーンバケットに収納されるようになっている。ホイストは、ワイヤが巻き付けられるドラムを駆動することにより、ワイヤの下端部に設けられた荷物吊り下げ用の下フックを上下動させて荷物の巻上げと巻下げを行うようにしている。スプロケットやドラムは電動モータにより回転駆動するようにしており、多くの巻上機においては、電動モータとして誘導モータが使用されている。
このような巻上機には、吊荷の巻上げと巻下げの速度を作業者がスイッチ操作することにより変化させるようにしたタイプがあり、電動モータの回転速度を変化させるために、特許文献1に記載されるように、巻上機の駆動制御装置にはインバータが設けられている。
特開平10−291783号公報
電気チェーンブロック等の巻上機を用いて、吊荷の巻下げ運転を行うときには、吊荷の荷重により回転体には巻下げ方向のトルクが加わり、電動モータが動力を必要としないことから、電動モータは出力せずに発電機状態となって回生電力を発生させる。インバータ制御により巻下げ運転を行う際には、発電された電力がインバータ直流部にあるコンデンサに戻り、コンデンサに電荷が蓄えられることにより電圧が上昇し、コンデンサや他の素子等の電子機器の耐圧を超えることになる。これを防止するために、規定電圧に達したときには、放電抵抗器に電流を流すことによって熱として消費させて電圧を下げるようにしている。この放電抵抗器は、放熱性を高めるためにかなりの大きさとなっており、放電抵抗器を含めた部品点数が増加するだけでなく、巻上機本体のサイズの大型化が避けられないという問題点がある。しかも、放電抵抗器は作業者が直接触れると、火傷をする程度にまで高温となる。
本発明の目的は、インバータ制御される巻上機を巻下げ運転する際に回生電力の発生を防止することにある。
本発明の他の目的は、巻上機の駆動制御装置に放電抵抗器を設けることを不要として、巻上機を小型化することにある。
本発明の巻上機の駆動制御装置は、吊荷を巻上げおよび巻下げする回転体を有し、当該回転体を電動モータにより駆動するようにした巻上機の駆動制御装置であって、前記回転体に取り付けられるブレーキディスク、当該ブレーキディスクのねじ部にねじ結合されるブレーキ歯車、前記ブレーキディスクのディスク部と前記ブレーキ歯車との間に配置されるラチェットホイール、および当該ラチェットホイールが前記回転体の巻下げ方向に回転するのを阻止するラチェットを備えたメカニカルブレーキと、電源から供給される交流電力を直流に整流して前記電動モータの回転速度に応じた交流に生成するインバータと、吊荷の巻下げ運転を開始するときに、前記ラチェットが前記回転体により巻下げ方向に回転して前記ラチェットホイールに噛み合うまで前記インバータの出力を停止する制御手段とを有することを特徴とする。本発明の巻上機の駆動制御装置は、前記出力軸に連結されるブレーキディスク、当該ブレーキディスクに対して接近離反移動自在の締結ディスク、当該締結ディスクに前記ブレーキディスクに向けてばね力を加えるばね部材、および前記回転体を駆動するときに前記締結ディスクを前記ブレーキディスクから離反する方向に吸引するコイルを備えた電磁ブレーキを有し、吊荷の巻下げ運転を開始するときに、前記コイルに通電して前記電磁ブレーキを開放してから前記電動モータを起動させる起動タイミングを遅延させることを特徴とする。
本発明によれば、吊荷の巻下げ運転を行うときに、メカニカルブレーキのラチェットホイールがラチェットに噛み合うまではインバータの主力が停止されるので、吊荷の荷重により巻下げ方向に電動モータの出力軸が回転駆動されても、電動モータからは回生電力が発生することが防止される。これにより、インバータに放電抵抗を設けることが不要となり、巻上機を小型化することが可能となる。
本発明の一実施の形態としての巻上機である電気チェーンブロックを示す正面図である。 図1の右側面図である。 図1に示された巻上機本体の拡大断面図である。 図3に示された電磁ブレーキを示す拡大断面図である。 メカニカルブレーキのラチェットホイールとラチェットの噛み合いが解かれた状態における図3のA−A線拡大断面図である。 メカニカルブレーキのラチェットホイールとラチェットが噛み合った状態における図5と同様の部分を示す拡大断面図である。 巻上機の駆動制御装置を示すブロック図である。 吊荷の巻下げ運動がなされる際における電磁ブレーキと電動モータの駆動制御アルゴリズムを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1および図2に示されるように、巻上機としての電気チェーンブロックは巻上機本体10を有している。巻上機本体10はハウジング11を有し、このハウジング11の長手方向中央の上側部には、上フックつまり上吊具12が装着されており、巻上機本体10はこの上吊具12により吊り下げられた状態で使用される。ハウジング11内には上吊具12の下側に位置させて回転体としてのスプロケット13が図2に破線で示されるように装着され回転自在となっており、このスプロケット13にはロードチェーン14が掛け渡されている。このロードチェーン14の一端部には、下フックつまり下吊具15が設けられており、この下吊具15には荷物つまり吊荷が引っ掛けられるようになっている。
スプロケット13を回転駆動することにより下吊具15に引っ掛けられた吊荷は、巻上げ移動されたり、巻下げ移動されることになる。図1および図2に示されるように、ハウジング11にはロードチェーン14の他端部側を収容するためのチェーン収納器つまりチェーンバケット16が取り付けられており、吊荷が巻き上げられるとロードチェーン14の他端部側はチェーンバケット16内に入り込み、吊荷が巻下げられるとチェーンバケット16内からロードチェーン14が繰り出されることになる。巻上機本体10には、操作入力部17がケーブル18を介して接続されており、操作入力部17に設けられた巻上げ用スイッチと巻下げ用スイッチを作業者が操作することにより吊荷の巻上げ動作と巻下げ動作が行われる。
図3に示されるように、スプロケット13は中空のスプロケット軸21に固定されており、このスプロケット軸21の両端部はハウジング11に取り付けられた軸受22により支持され、スプロケット軸21はハウジング11内に回転自在に装着されている。ハウジング11内にはスプロケット13に対して巻上機本体10の長手方向一方側に位置させて、誘導型の電動モータ23が装着されており、電動モータ23のロータに固定された出力軸24は電動モータ23の両端面から外方に突出している。出力軸24の一方の突出端部24aは、ハウジング11に固定された支持板つまりブラケット25に設けられた軸受26によって回転自在に支持され、ブラケット25には電磁ブレーキ27が装着されている。
この電磁ブレーキ27は、図4に示されるように、コイル28が環状となって組み込まれるソレノイドケース29を有し、このソレノイドケース29は複数本の締結ロッド31によりブラケット25に取り付けられている。ブラケット25とソレノイドケース29との間にはブラケット25に対向するように被締結側のブレーキディスクつまり回転ディスク32が配置され、この回転ディスク32は図3に示されるように出力軸24の突出端部24aにスプライン等の固定手段により固定されている。回転ディスク32とソレノイドケース29との間には、回転ディスク32に対向しこれに対して接近離反移動自在に締結側のブレーキディスクつまり締結ディスク33が配置されている。この締結ディスク33に形成された貫通孔34には締結ロッド31が貫通しており、締結ディスク33は締結ロッド31により回転が規制された状態で締結ロッド31に案内されて軸方向に移動する。
ソレノイドケース29の中心部にはばねケース35が設けられており、このばねケース35内には、締結ディスク33に対して回転ディスク32に向かう方向のばね力を加える圧縮コイルばね36がばね部材として装着されている。回転ディスク32の両側にはブレーキライニング37a,37bが設けられており、圧縮コイルばね36のばね力により締結ディスク33が回転ディスク32に向けて押し付けられると、ブレーキライニング37a,37bを介して締結ディスク33と回転ディスク32がブラケット25に密着して出力軸24はロックされる。
したがって、電磁石つまりソレノイドを構成するコイル28に対して通電を停止させた状態のもとでは、ばね力により締結ディスク33が回転ディスク32にブレーキライニング37aを介して密着するとともに回転ディスク32がブレーキライニング37bを介してブラケット25に密着するので、出力軸24は回転ディスク32を介してブラケット25に締結されてロックされ、電磁ブレーキ27は締結状態となる。一方、コイル28に通電すると、締結ディスク33が磁力によりばね力に抗してコイル28に向けて吸引され、締結ディスク33は回転ディスク32から離れることになり、電磁ブレーキ27は出力軸24の回転を許容する開放状態となる。
図3に示されるように、電動モータ23の出力軸24の他方の突出端24bは、ハウジング11に取り付けられる軸受41により回転自在に支持され、出力軸24はスプロケット軸21の内部に回転自在に組み込まれた駆動軸42に継手43を介して連結されている。この駆動軸42は出力軸24の一部を構成しており、その先端部はハウジング11に取り付けられた軸受44に支持されている。
ハウジング11には駆動軸42と平行に減速軸45が軸受46を介して回転自在に装着され、駆動軸42の先端部に設けられた小歯車47は、減速軸45の端部に設けられた大歯車48と噛み合っている。この小歯車47と大歯車48により駆動軸42の回転を減速して減速軸45に伝達する減速機構49が形成されている。
スプロケット軸21の外側にはメカニカルブレーキ50が装着されている。このメカニカルブレーキ50は、円筒形状のねじ部51と、このねじ部51の一端部に設けられたディスク部52とが一体となったブレーキディスク53を有している。ブレーキディスク53はねじ部51の内周面に設けられたスプライン等の固定手段によりスプロケット軸21に固定されている。
メカニカルブレーキ50は、電磁力により作動する電磁ブレーキ27に比して大きな制動トルクが得られる。このメカニカルブレーキ50を、電磁ブレーキ27に加えて、スプロケット13側つまり負荷側に設けることにより、大きな負荷がスプロケット13に加わっても、確実にスプロケット13の回転を規制することができる。
ねじ部51の外周面には雄ねじ54aが形成されており、この雄ねじ54aには、雌ねじ54bが形成されたブレーキ歯車55がねじ結合されている。このブレーキ歯車55は、減速軸45に設けられた連結歯車56に噛み合っており、駆動軸42の出力は減速軸45を介してブレーキ歯車55に伝達される。連結歯車56よりもブレーキ歯車55は大径となっており、減速軸45の回転は減速されてブレーキ歯車55に伝達される。
ブレーキ歯車55の端面はディスク部52に対向しており、ブレーキ歯車55とディスク部52との間には、ラチェットホイール57が回転自在に装着されている。ディスク部52にはブレーキライニング58aが設けられ、ブレーキ歯車55の端面にはブレーキライニング58bが設けられており、ブレーキ歯車55がブレーキディスク53に対して締結方向つまりディスク部52に接近する方向に相対回転すると、両方のブレーキライニング58a,58bがラチェットホイール57に密着し、メカニカルブレーキ50は締結状態となる。これにより、ラチェットホイール57を介してブレーキディスク53とブレーキ歯車55は締結された状態となる。一方、ブレーキ歯車55がブレーキディスク53に対して締結を解除する方向つまりディスク部52から離れる方向に相対回転すると、ブレーキディスク53とブレーキ歯車55との締結が解除されて、メカニカルブレーキ50は開放状態となる。
このように、ブレーキ歯車55がブレーキディスク53に対して相対回転すると、ブレーキ歯車55がブレーキディスク53のねじ部51にねじ結合されているので、ブレーキ歯車55はブレーキディスク53に対して締結位置と開放位置との間を軸方向に移動することになる。ブレーキ歯車55の開放限の位置は、ねじ部51の先端に取り付けられたストッパ59により規制されるようになっている。
電動モータ23を正転方向に回転させて吊荷の巻上げ運転を行うときには、電磁ブレーキ27を開放し、電動モータ23によって図3において矢印で示すように出力軸24は正転方向に回転駆動される。これにより、減速軸45を介してブレーキ歯車55は出力軸24と同方向の締結方向に回転駆動され、ブレーキ歯車55はブレーキディスク53にラチェットホイール57を介して締結されるので、巻上げ方向に駆動される出力軸24によりスプロケット13は巻上げ方向に駆動され、下吊具15に吊り下げられた吊荷は、スプロケット13に掛け渡されたロードチェーン14により巻上げられる。
図5および図6はそれぞれ図3におけるA−A線拡大断面図である。電動モータ23の出力軸24を正転方向に駆動すると、図5において減速軸45が矢印U1で示す巻上げ方向に回転駆動されるので、ブレーキ歯車55はラチェットホイール57を介してブレーキディスク53に締結されて、矢印U2で示す方向に回転駆動される。これにより、スプロケット13が巻上げ方向に駆動され、ロードチェーン14に吊り下げられた吊荷の巻上げ運転が行われる。なお、図5および図6においては、ブレーキ歯車55と連結歯車56の外径線が実線で示され、ピッチ線が一点鎖線で示されている。
図5および図6に示されるように、ハウジング11には、ラチェットホイール57に噛み合うラチェット60が揺動自在に装着されており、図示しないばね部材によりラチェット60にはその先端がラチェットホイール57の外周面に接触する方向にばね力が加えられている。ラチェット60は、ラチェットホイール57が矢印D2方向つまり巻下げ方向に回転すると、図6に示されるように、ラチェットホイール57に噛み合ってラチェットホイール57が矢印D2で示す方向に回転するのを阻止する。
吊荷を下吊具15により吊り下げた状態のもとで吊荷の上下動を停止させるときには、電動モータ23への電力供給を停止させるとともに電磁ブレーキ27への電力供給を停止させて電磁ブレーキ27を締結状態とすることになる。このときには、図6に示されるように、ラチェットホイール57にラチェット60が噛み合ってスプロケット軸21はロックされる。つまり、このときには、吊荷の荷重によりスプロケット軸21には巻下げ方向D2に回転力が加えられるが、出力軸24の回転が電磁ブレーキ27により停止されており、ブレーキ歯車55によりラチェットホイール57はディスク部52に締結された状態となるので、吊荷の荷重により巻下げ方向D2の回転力がスプロケット軸21に加わることになる。これにより、図6に示されるように、ラチェット60がラチェットホイール57に噛み合ってスプロケット13はロックされて回転が規制される。このように、メカニカルブレーキ50によってスプロケット軸21がロックされるので、電磁ブレーキ27を開放したとしても吊荷が巻下がることが防止される。
一方、電動モータ23を逆転させて吊荷の巻下げ運転を行うときには、コイル28に電力を供給して電磁ブレーキ27を開放し、電動モータ23によって出力軸24を逆転方向に回転駆動する。このときには、吊荷によってスプロケット軸21には巻下げ方向の回転力が加わった状態のもとで、出力軸24が巻下げ方向に駆動され、減速軸45は巻下げ方向D1に回転駆動される。これにより、ブレーキ歯車55はブレーキディスク53に対して締結を解く方向に相対回転してメカニカルブレーキ50は開放状態となる。したがって、ラチェット60がラチェットホイール57に図6に示されるように噛み合った状態となっていても、ラチェットホイール57に対するディスク部52とブレーキ歯車55の密着が解かれ、吊荷の荷重によりスプロケット軸21は巻下げ方向に回転駆動される。
電動モータ23の巻下げ方向の回転速度よりも吊荷によりスプロケット軸21に加わる巻下げ方向の回転速度が高くなると、ブレーキ歯車55はラチェットホイール57をディスク部52に密着する方向に相対回転することになる。これにより、図6に示されるように、ラチェット60が噛み合った状態のラチェットホイール57によりスプロケット軸21は回転が規制されてロックされる。このように、電動モータ23の巻下げ方向の回転によりメカニカルブレーキ50の開放動作と、吊荷の荷重によるメカニカルブレーキ50の制動動作とが繰り返されて、ブレーキライニング58a,58bをラチェットホイール57に滑らせながら、出力軸24の回転にほぼ同期した状態となって、吊荷は巻下げられることになる。この巻下げ運動時には、メカニカルブレーキ50は出力軸24による開放動作と、吊荷の荷重による制動動作とを繰り返すことになるので、出力軸24には吊荷による逆転方向の回転力つまり回転トルクが加わることはない。
しかしながら、巻下げ運転を開始するときに、ラチェット60が図5に示されるようにラチェットホイール57に噛み合っていない状態となっていると、巻下げ運転によりラチェット60がラチェットホイール57に図6に示されるように噛み合うまで、メカニカルブレーキ50が動作しない状態となって、出力軸24は逆転方向の回転力つまり回転トルクが加わることになる。
図7は巻上機の駆動制御装置を示すブロック図である。三相交流電流を供給する電源61はコントローラ62およびインバータ63を介して誘導式の電動モータ23に接続されており、コントローラ62には操作入力部17が接続されている。操作入力部17には巻上げ運転させるときに操作される巻上げ運転指令スイッチ、巻下げ運転させるときに操作される巻下げ運転指令スイッチ、およびそれぞれの速度を指令する速度指令スイッチが設けられている。
インバータ63は三相交流を直流に変換する直流部つまり整流回路部と、整流回路部で整流されて平滑コンデンサで平滑化された直流電流から三相交流を生成するパワーモジュールとを有し、電動モータ23には速度指令スイッチの操作に基づいて指令速度に対応した周波数の交流電流が印加される。コントローラ62は、操作入力部17の速度指令スイッチと運転指令スイッチからの指令信号に基づいて、周波数信号と出力電圧信号を出力し、インバータ63に設けられたパワーモジュールドライバによりパワーモジュールはスイッチング駆動される。
コントローラ62には整流回路64を介して電磁ブレーキ27が接続されている。電磁ブレーキ27は直流電流により作動する直流の電磁ブレーキであり、電動モータ23に供給される交流電流は整流回路64により整流されて電磁ブレーキ27のコイル28に供給される。
上述した巻上機を用いて吊荷を巻上げ操作する際には、作業者が操作入力部17の速度指令スイッチを操作することにより巻上げ速度が入力されるとともに巻上げ運転指令スイッチが操作される。これにより、電磁ブレーキ27のコイル28に電力が供給されて電磁ブレーキ27は開放状態に切り換えられ、正転方向に駆動される電動モータ23によってスプロケット13が正転方向に駆動されて吊荷は設定された速度で巻上げされる。
巻上機を用いて吊荷を巻下げ操作する際には、作業者が操作入力部17の速度指令スイッチを操作することにより巻下げ速度が入力されるとともに巻下げ運転指令スイッチが操作される。これにより、電磁ブレーキ27のコイル28に電力が供給されて電磁ブレーキ27は開放状態に切り換えられ、逆転方向に駆動される電動モータ23によってスプロケット13が逆転方向に駆動されて吊荷は設定された速度で巻下げられる。
巻下げ運転を開始するときに、上述したように、ラチェット60が図5に示されるようにラチェットホイール57に噛み合っていない状態となっていると、吊荷の荷重により図6に示されるようにラチェット60がラチェットホイール57に噛み合うまでは、出力軸24は逆転方向の回転力を受けて逆転駆動される。このように、電磁ブレーキ27の開放からメカニカルブレーキ50が作動するまでに動作時間があると、吊荷の荷重により電動モータ23が発電機状態となって、インバータ63が過電圧トリップを起こすことになる。
そこで、巻下げ運転開始時には、コントローラ62からの信号により、コイル28に通電して電磁ブレーキ27を開放してから電動モータ23を駆動させるまでの起動タイミングを遅延させるようにしている。遅延タイミングは、ラチェット60がラチェットホイール57に確実に噛み合うまでの時間に設定されている。したがって、吊荷の荷重により電動モータ23の出力軸24が逆転方向に駆動されても、電動モータ23には電力が供給されていないので、電動モータ23からは回生電力が発生することが防止される。
図8は吊荷の巻下げ運動がなされる際における電磁ブレーキと電動モータの駆動制御アルゴリズムを示すフローチャートである。作業者が巻下げ運転を指令したことがステップS1において検出されると、コイル28に電力が印加されて電磁ブレーキ27はステップS2において開放状態に切り換えられるとともに、ステップS3において始動タイミング制御が実行される。この始動タイミング制御によってラチェット60がラチェットホイール57に噛み合うまでの動作時間が経過した後には、電動モータ23を始動させるための電力供給が行われる(ステップS4)。電動モータ23が始動することにより、ステップS6において巻下げ運転終了が判定されるまで、ステップS5の吊荷の巻下げ運転が実行される。
このように、電磁ブレーキ27の開放から電動モータ23の起動までを電動モータ23の起動タイミングを遅延させることにより、電動モータ23の出力軸24が吊荷の荷重により逆転駆動されることに起因する回生発電は発生しなくなる。したがって、インバータ63に放電抵抗器を設けることが不要となり、巻上機の部品点数を低減することが可能となるとともに、巻上機を小型化することが可能となる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上述した巻上機は下吊具15が設けられた索条としてのロードチェーン14が掛け渡されるスプロケット13を回転体とした電気チェーンブロックであるが、ホイストにも本発明を適用することができる。ホイストにおいては、下吊具が設けられた索条としてのワイヤが掛け渡される回転体としてのドラムを有しており、ドラムを駆動するための電動モータの出力軸には、電気チェーンブロックと同様に、電磁ブレーキが設けられることになる。また、電動モータ23と電磁ブレーキ27の作動を制御するコントローラの形態としては、マイクロプロセッサを有しROMに格納されたソフトウエアにより電動モータの始動タイミングを設定するようにした形態と、マイクロプロセッサを使用することなく、スイッチング機器を有するディスクリート方式とした形態としても良い。
10…巻上機本体、11…ハウジング、13…スプロケット(回転体)、14…ロードチェーン、15…下吊具、17…操作入力部、21…スプロケット軸、23…電動モータ、24…出力軸、27…電磁ブレーキ、28…コイル、32…回転ディスク、33…締結ディスク、36…圧縮コイルばね、37a,37b…ブレーキライニング、50…メカニカルブレーキ、51…ねじ部、52…ディスク部、53…ブレーキディスク、55…ブレーキ歯車、57…ラチェットホイール、60…ラチェット、61…電源、62…コントローラ、63…インバータ、64…整流回路。

Claims (2)

  1. 吊荷を巻上げおよび巻下げする回転体を有し、当該回転体を電動モータにより駆動するようにした巻上機の駆動制御装置であって、
    前記回転体に取り付けられるブレーキディスク、当該ブレーキディスクのねじ部にねじ結合されるブレーキ歯車、前記ブレーキディスクのディスク部と前記ブレーキ歯車との間に配置されるラチェットホイール、および当該ラチェットホイールが前記回転体の巻下げ方向に回転するのを阻止するラチェットを備えたメカニカルブレーキと、
    電源から供給される交流電力を直流に整流して前記電動モータの回転速度に応じた交流に生成するインバータと、
    吊荷の巻下げ運転を開始するときに、前記ラチェットが前記回転体により巻下げ方向に回転して前記ラチェットホイールに噛み合うまで前記インバータの出力を停止する制御手段とを有することを特徴とする巻上機の駆動制御装置。
  2. 請求項1記載の巻上機の駆動制御装置において、前記出力軸に連結されるブレーキディスク、当該ブレーキディスクに対して接近離反移動自在の締結ディスク、当該締結ディスクに前記ブレーキディスクに向けてばね力を加えるばね部材、および前記回転体を駆動するときに前記締結ディスクを前記ブレーキディスクから離反する方向に吸引するコイルを備えた電磁ブレーキを有し、吊荷の巻下げ運転を開始するときに、前記コイルに通電して前記電磁ブレーキを開放してから前記電動モータを起動させる起動タイミングを遅延させることを特徴とする巻上機の駆動制御装置。
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