JP6024219B2 - 織機の駆動装置 - Google Patents
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Description
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1にしたがって説明する。
織機は、左右一対のフレーム間に主軸が回転可能に支持されており、主軸は、主軸の回転に同期して機械的に駆動される織機上の各装置に回転力を伝達する駆動軸として用いられ、いわゆる織機のクランク軸としての機能を有する。主モータは、ベルト伝動装置を介して主軸を回転駆動する。
織機を運転する場合は、電磁接触器25の電磁コイル25MCは、常に励磁状態に保持され、常閉接点25bは開状態に保持される。また、第3の電磁接触器22の電磁コイル22MCも織機の運転中、常に励磁状態に保持され、常開接点22aは閉状態に保持される。織機の起動時には、第1の電磁接触器15の電磁コイル15MCが励磁されて常開接点15aが閉状態に保持され、第2の電磁接触器16の電磁コイル16MCが消磁されて常開接点16aは開状態に保持される。そして、主モータMにはデルタ結線回路12を介して商用電源11から電力が供給され、主モータMは大きなトルクで急速に立ち上がる。そのため、起動初期の状態でも必要な筬打ち力が得られる起動トルクで主モータMが駆動される。
(1)織機の駆動装置は、主モータMとして三相交流モータを備え、主モータMは商用電源11にデルタ結線回路12で接続され、かつ商用電源11に接続されたインバータ装置13にスター結線回路14で接続されている。デルタ結線回路12には第1の電磁接触器15の常開接点15aが設けられ、スター結線回路14には第2の電磁接触器16の常開接点16aが設けられている。そして、両電磁接触器15,16の励消磁制御により、織機の起動時には商用電源11によってデルタ結線回路12を介して主モータMが駆動され、通常運転時にはインバータ装置13によってスター結線回路14を介して主モータMが駆動される。したがって、インバータ装置13として大容量で大型の装置を使用しなくても、織機の起動初期から織物に織段が発生することを防止できる筬打ち力が確保された起動トルクで、主モータMが駆動される。
次に第2の実施形態を図2にしたがって説明する。
この実施形態の駆動装置は、スター結線回路14を停電時に通電状態に保持する通電保持手段の構成が第1の実施形態と異なり、その他の構成は第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
一方、停電が発生すると、第3の電磁接触器22は消磁され、それまで閉状態に保持されていた常開接点22aは開状態になり、商用電源11からの電力供給は停止される。一方、第1の電磁接触器15及び第2の電磁接触器16は、電源28から電力供給を受けるため、第1の電磁接触器15の常開接点15aは開状態に保持され、第2の電磁接触器16の常開接点16aは閉状態に保持され、主モータMはスター結線回路14を介してインバータ装置13から電力供給を受ける状態に保持される。商用電源11からインバータ装置13への電力供給が停止された状態でも、インバータ装置13は、コンデンサ18に充電された電力を使用して、100ミリ秒程度の短時間は出力が可能である。そして、制御装置27は、停電発生信号を確認すると、インバータ装置13に主モータMを直流制動させる出力を行わせる指令を行う。その結果、100ミリ秒程度の短時間、主モータMが直流制動されて、主軸の回転が減速された後、主軸が電磁ブレーキにより制動されて織機が支障なく停止される。
(5)商用電源11の停電時に、デルタ結線回路12又はスター結線回路14を通電状態に保持する通電保持手段は、デルタ結線回路12に設けられた常開接点15aの第1の電磁接触器15及びスター結線回路14に設けられた常開接点16aの第2の電磁接触器16に接続されたバックアップ用の電源28である。そのため、通常運転時に閉状態に保持されている常開接点16aは、停電時でも閉状態に保持される。そのため、インバータ装置13から短時間、直流制動用の電力が出力されると、その間、主モータMは直流制動で減速される。したがって、停電時でも主モータMの直流制動を利用して支障なく織機の運転を停止することができる。また、織機には、主モータM用のバックアップ用の電源はないが、他の装置用のバックアップ用の電源が装備されているため、そのバックアップ用の電源を使用すれば、第1の実施形態のように通電保持手段として常閉接点25bを有する電磁接触器25を設ける場合に比べて、通電保持手段を設けるために必要なスペースを確保し易い。
○ 停電時に、インバータ装置13のコンデンサ18に充電されている電力を主モータMに供給して主モータMの直流制動を行うための回路は、スター結線回路14に限らず、デルタ結線回路12を使用してもよい。即ち、第1の実施形態のように、常閉接点25bを有する電磁接触器25を通電保持手段として用いる構成において、常閉接点25bをデルタ結線回路12に設けられた第1の電磁接触器15の常開接点15aと並列に接続した構成としてもよい。この場合、停電時には、インバータ装置13から出力される電力は、デルタ結線回路12を介して主モータMに供給され、主モータMが直流制動される。しかし、スター結線回路14を介して電力が供給される方が、デルタ結線回路12を介して電力が供給される場合に比べて、主モータMが効率良く減速される。
○ 停電時にデルタ結線回路12を利用して主モータMの直流制動を行う構成においては、バックアップ用の電源28を第1の電磁接触器15にのみ接続した構成としてもよい。
○ 電磁ブレーキは、主軸に設けられた構成であっても、主モータMに設けられた構成であってもよい。
Claims (4)
- 主モータとして三相交流モータを備え、前記主モータは商用電源にデルタ結線回路で接続され、かつ前記商用電源に接続されたインバータ装置にスター結線回路で接続され、前記デルタ結線回路には第1の電磁接触器の常開接点が設けられ、前記スター結線回路には第2の電磁接触器の常開接点が設けられ、前記両電磁接触器の励消磁制御により、織機の起動時には前記商用電源で前記デルタ結線回路を介して前記主モータを駆動し、通常運転時には前記インバータ装置によって前記スター結線回路を介して前記主モータを駆動する織機において、
前記インバータ装置として、コンバータ回路、コンデンサ及びインバータ回路を備えた装置が使用され、前記インバータ装置と前記主モータの間には、前記デルタ結線回路又は前記スター結線回路を停電時に通電状態に保持する通電保持手段を備えており、
前記インバータ装置から前記デルタ結線回路又は前記スター結線回路を介して前記主モータへ直流制動用の電流を停電時に供給させる制御装置を備えていることを特徴とする織機の駆動装置。 - 前記通電保持手段は、前記スター結線回路を停電時に通電状態に保持する請求項1に記載の織機の駆動装置。
- 前記通電保持手段は、前記デルタ結線回路又は前記スター結線回路の前記常開接点と並列に接続された常閉接点を有する電磁接触器である請求項1又は請求項2に記載の織機の駆動装置。
- 前記通電保持手段は、前記デルタ結線回路及び前記スター結線回路の前記常開接点の電磁接触器の少なくとも一方に接続されたバックアップ用の電源である請求項1又は請求項2に記載の織機の駆動装置。
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