JP5363165B2 - 微細凹凸パターンの形成方法及び形成装置 - Google Patents

微細凹凸パターンの形成方法及び形成装置 Download PDF

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Description

本発明は微細凹凸パターンの形成方法及び形成装置に係り、特に転写後のレジスト層をモールドから微細凹凸パターンを損傷させることなく剥離するための剥離技術に関する。
近年、半導体製造におけるリソグラフィ工程においては、集積回路の高速、高集積化実現のため、露光工程で紫外線(KrF、ArF、F2レーザ)を利用したものが開発されている。今後は、更に短波長のEUV光(極端紫外光)を利用した技術開発が進んでいるが、装置コストが高価である等の問題がある。
また、これまで微細パターニングに利用されてきた電子ビーム露光技術では露光に長時間必要なため、現状では特殊用途の少量試作に利用されるのみであり、大量生産が求められる半導体製造などには応用できないという問題がある。
これら両方の問題(装置コスト、スループット)を解決する方法として、ポリマーを材料としてナノサイズの微細凹凸パターンを基板上に形成し、半導体、記録メディア、光学素子などの高機能デバイスを製造するナノインプリント技術が注目を集めている。
ナノインプリント法とは、電子ビーム露光などで微細凹凸パターンを形成したモールド(型)に、レジスト(樹脂材料)を塗布した基板を押付け、モールドの微細凹凸パターンをレジスト層に転写する方法である。
ナノインプリント技術の特徴としては、微細化による装置コストがEUV方式などと比較して安価であり、数十ナノサイズの微細凹凸パターン形状が転写可能であることが確認されている。
しかし、ナノインプリント技術では、基板上のレジスト層に微細凹凸パターンを転写した後、レジスト層とモールドとを剥離する際にレジスト層に転写された微細凹凸パターンが損傷を受け易いという剥離不良の問題がある。これは、ナノインプリント技術は微細凹凸パターンを形成するために、モールドとレジスト層とを接触させる転写工程を取ることによって生じる避けがたい根本的な問題である。
この剥離不良問題を改善するための対策は今までも幾つか提案されている。例えば特許文献1には、剥離開始点を検出し、それに基づいて剥離力を制御するようにしている。また、特許文献2には、モールドにあらかじめ曲面をもたせることで剥離をアシストする方法が開示されている。また、特許文献3には、微細凹凸パターンに対してモールドの剥離方法を制御する方法が開示されている。
特開2007−081048号公報 特開2004−288845号公報 特開2007−296683号公報
しかしながら、特許文献1〜3のいずれの剥離方法を採用しても、剥離不良問題を本質的に解決することができない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、微細凹凸パターンを転写する側のモールドと、転写される側の転写用基板とを剥離する際に、転写用基板のレジスト層に転写された微細凹凸パターンが損傷を受けることを効果的に防止できるので、ナノサイズの微細凹凸パターンであっても高精度な微細凹凸パターンを形成することができる微細凹凸パターンの形成方法及び形成装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、基板上にレジスト層が形成された転写用基板のレジスト層に、モールドの微細凹凸パターンを転写して硬化した後、前記転写用基板と前記モールドとを剥離する剥離工程を備えた微細凹凸パターンの形成方法において、前記剥離工程は、前記転写用基板を前記レジスト層側が凸な所定曲率に湾曲させる湾曲化工程と、前記転写用基板と前記モールドとを互いに引き剥がす方向に剥離力を付与して剥離する際に、前記転写用基板の周縁部を前記転写用基板の前記湾曲方向に追従して首を振る構造の周縁部固定手段で固定した状態で基板裏面側を加圧して、前記転写用基板の前記所定曲率を剥離開始から剥離終了まで維持する加圧工程と、とを備えることを特徴とする微細凹凸パターンの形成方法を提供する。
また、本発明の請求項2は前記目的を達成するために、基板上にレジスト層が形成された転写用基板のレジスト層に、モールドの微細凹凸パターンを転写して硬化した後、前記転写用基板と前記モールドとを剥離する剥離工程を備えた微細凹凸パターンの形成方法において、前記剥離工程は、前記転写用基板の基板裏面側に、当接面が凸状な所定曲率に形成された固体物を当接させた状態で前記当接面に形成された多数の吸引孔で前記基板裏面を吸引することによって前記転写用基板を前記レジスト層側が凸な所定曲率に湾曲させる湾曲化工程と、前記転写用基板と前記モールドとを互いに引き剥がす方向に剥離力を付与して剥離する際に、前記転写用基板の周縁部を固定した状態で前記固体物の吸引によって生じる反力によって前記当接面で前記基板裏面側を加圧して、前記転写用基板の前記所定曲率を剥離開始から剥離終了まで維持する加圧工程と、とを備えることを特徴とする微細凹凸パターンの形成方法を提供する。
本発明の請求項1によれば、転写用基板を所定曲率に湾曲化した後、転写用基板とモールドとを互いに引き剥がす方向に剥離力を付与して剥離する際に、転写用基板の周縁部を固定した状態で転写用基板の基板裏面側を加圧して該転写用基板の所定曲率を剥離開始から剥離終了まで維持するようにした。この基板裏面側の加圧により、剥離力で転写用基板が変形しない剛性を付与した状態で剥離を行うことができ、転写用基板の所定曲率が剥離開始から剥離終了まで変わらないので、剥離開始から剥離終了まで剥離速度を略一定にすることができる。これにより、転写用基板のレジスト層に転写された微細凹凸パターンが損傷を受けないように剥離することができる。したがって、ナノサイズの微細凹凸パターンであっても高精度な微細凹凸パターンを形成することができる。
本発明の形成方法において、前記所定曲率は、曲率半径Rで1400〜2800mmの範囲であることが好ましい。
本発明の形成方法において、前記基板裏面側に前記所定曲率の当接面を有する固体物を当接させることにより前記転写用基板を湾曲させると共に、該当接面に形成された多数の吸引孔で前記基板裏面を吸引することにより前記基板裏面側を前記固体物の当接面で加圧することが好ましい。
これは、湾曲化工程と加圧工程とを行う好ましい態様として、所定曲率を有すると共に吸引孔を有する当接面を備えた固体物を用いたものである。
本発明の形成方法において、前記基板裏側を流体で加圧することにより、前記転写用基板の湾曲と前記基板裏面側への加圧とを一緒に行うことが好ましい。
これは、湾曲化工程と加圧工程とを行う好ましい別態様として、基板裏側を流体で加圧するようにしたものである。流体であれば固体物と違って、所望の所定曲率に適宜調整できる。
本発明の形成方法において、前記加圧工程は、前記剥離力を付与する前のタイミングで行うことが好ましい。
これにより、剥離力で転写用基板が変形しない剛性を確実に確保した後で剥離を開始することができるので、剥離開始から剥離終了まで剥離速度を更に一定にでき、微細凹凸を一層損傷しにくくできる。
本発明の形成方法において、前記転写用基板が前記所定曲率に湾曲化する湾曲領域にのみ前記モールドの微細凹凸パターンが転写されていることが好ましい。
転写用基板の周縁部を固定すると、転写用基板の周縁部は所定曲率になりにくく、その領域は剥離速度が一定になりにくいが、本発明では、転写用基板が所定曲率に湾曲化する湾曲領域にのみモールドの微細凹凸パターンが転写されるようにしたので、剥離速度の一定化を一層向上できる。
本発明の請求項7は前記目的を達成するために、基板上にレジスト層が形成された転写用基板のレジスト層に、モールドの微細凹凸パターンを転写して硬化した後、前記転写用基板と前記モールドとを剥離する剥離装置を備えた微細凹凸パターンの形成装置において、前記剥離装置は、前記転写用基板の周縁部を固定する周縁部固定手段と、前記転写用基板の基板裏面側に設けられ、加圧流体によって前記基板裏面側を膨らませることによって前記転写用基板を所定曲率に湾曲させると共に前記基板裏面を加圧する流体式の加圧手段と、前記転写用基板と前記モールドとを互いに引き剥がす方向に剥離力を付与する剥離力付与手段と、を備えると共に、前記周縁部固定手段は、前記転写用基板の湾曲方向に追従して首を振る構造に形成されていることを特徴とする微細凹凸パターンの形成装置を提供する。
また、本発明の請求項8は前記目的を達成するために、基板上にレジスト層が形成された転写用基板のレジスト層に、モールドの微細凹凸パターンを転写して硬化した後、前記転写用基板と前記モールドとを剥離する剥離装置を備えた微細凹凸パターンの形成装置において、前記剥離装置は、前記転写用基板の周縁部を固定する周縁部固定手段と、前記転写用基板の基板裏面側に、当接面が凸状な所定曲率に形成された固体物を当接させた状態で前記当接面に形成された多数の吸引孔で前記基板裏面を吸引することによって前記転写用基板を前記所定曲率に湾曲させると共に、前記吸引によって生じる反力によって前記当接面で前記基板裏面を加圧する固体式の加圧手段と、前記転写用基板と前記モールドとを互いに引き剥がす方向に剥離力を付与する剥離力付与手段と、を備えたことを特徴とする微細凹凸パターンの形成装置を提供する。
本発明の請求項7及び8は、本発明を装置として構成したものであり、請求項7は加圧手段として流体式のもので構成し、請求項8は固体式のもので構成した。
本発明の形成装置において、前記所定曲率は、曲率半径Rで1400〜2800mmの範囲であることが好ましい。
本発明の形成装置において、前記周縁部固定手段は、前記転写用基板の周縁部を挟み込む構造に形成されていることが好ましい。
周縁部固定手段が転写用基板の周縁部を挟み込む構造にすることで、基板裏面からの加圧に対して転写用基板の周縁部を確実に固定することができる。
本発明の形成装置において、周縁部固定手段は、前記転写用基板の湾曲方向に追従して首を振る構造に形成されていることが好ましい。
これは、転写用基板の周縁部を固定すると、転写用基板の周縁部は所定曲率になりにくいという問題を装置的に解決したものである。即ち、周縁部固定手段が転写用基板の湾曲方向に追従して首を振るので、転写用基板の周縁部まで精度良く所定曲率に形成できる。したがって、モールドの微細凹凸パターンを転写する転写用基板の転写領域に制限をもたせなくてもよくなる。
本発明の微細凹凸パターンの形成方法及び装置によれば、微細凹凸パターンを転写する側のモールドと、転写される側の転写用基板とを剥離する際に、転写用基板のレジスト層に転写された微細凹凸パターンが損傷を受けることを効果的に防止できる。したがって、ナノサイズの微細凹凸パターンであっても高精度な微細凹凸パターンを形成することができる。
微細凹凸パターンの形成ステップを示す工程図 転写工程でモールドと転写用基板とが合体した合体物を説明する説明図 本発明の微細凹凸パターンの形成装置において流体式加圧手段を備えた剥離装置を説明する説明図 周縁部固定手段に固定された転写用基板周縁部の湾曲状態を説明する説明図 周縁部固定手段に設けられた挟み込み構造及び首振り構造を説明する説明図 本発明における剥離メカニズムを説明する説明図 本発明の微細凹凸パターンの形成装置において固体式加圧手段を備えた剥離装置を説明する説明図 試験Aにおいて3通りの剥離方法を説明する概念図 試験Aの試験結果を説明する表図 試験Bの試験結果を説明する表図
添付図面に従って本発明の微細凹凸パターンの形成方法及び形成装置の好ましい実施形態を詳細に説明する。
本発明の微細凹凸パターンの形成方法の各工程を説明しながら、本発明の特徴部分である剥離方法及び剥離装置について説明する。
〈モールドの製作〉
金属材料に、半導体微細加工技術を用いて三次元立体加工を行って、図1(A)に示すように、微細凹凸パターン10Aを備えたモールド(型)10を成形する。この場合、金属材料で原版を成形加工し、原版を樹脂材料に転写加工して樹脂スタンパを作製し、この樹脂スタンパをモールド10として使用してもよい。モールド10の材料としては、目的に応じて適宜選択できるが、金属、石英、樹脂等を好適に使用できる。金属材料としては、Ni、Si又はSiO2、Cu、Cr、Ptなどを使用でき、樹脂材料としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、フッソ樹脂等を使用できる。
そして、作製したモールド10の微細凹凸パターン10Aの表面に剥離層を被覆することが好ましい。剥離剤は後記する転写・硬化工程後にモールド10とレジスト層12の転写界面で剥離時の応力による不良が発生せずに剥離できるように、微細凹凸パターン10Aの表面に形成することが好ましい。剥離剤材料としては、モールド側に付着、結合しやすく、レジスト層側に吸着しにくいという目的に合う材料がよく、適宜選択できる。中でもレジスト層側に吸着しにくいと言う点で、電気陰性度の低いフッ素系樹脂が好ましい。
剥離層の厚みとしては、厚過ぎると微細凹凸パターン10Aが変化するため、可能な限り薄層化することが好ましく、具体的には5nm以下が好ましく、3nm以下がより好ましい。
剥離層の形成方法としては、剥離剤の塗布又は蒸着を用いることができる。さらに、剥離層を形成した後、ベーキング等の手段によりモールド10への密着性を高め、剥離層自体の強度を向上することが好ましい。
上記の如く製作したモールド10を使用して、塗布工程、転写工程、剥離工程を行うことで転写用基板14のレジスト層12に微細凹凸パターン12Aを形成する。
[塗布工程]
図1(A)に示すように、レジスト層12を形成する樹脂素材を溶媒に溶解したレジスト液を基板16に塗布して、基板16上にレジスト層12が形成された転写用基板14を形成する。レジスト層12を形成する樹脂素材としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び光硬化性樹脂を好ましく使用できる。また、基板16の材料としては、例えばガラス基板、Si基板等を用いることができる。
レジスト液を基板16上に塗布する方法としては、下記の方法を好適に使用できる。
(1)インクジェットなどの液滴装置で基板上の適切な場所に滴下し、レジスト液自体の流動性により広げて基板16上に均一に塗布する。
(2)スピン塗布により、基板16を回転させることにより基板16上に滴下したレジスト液を広げて均一に塗布する。
(3)バーコータなどを用いて基板16上に均一に塗布する。
基板16上に塗布されるレジスト層12の厚さは、例えば、エリプソメーター等を用いた光学的な測定法、又は触針式段差計、原子間力顕微鏡(AFM)等の接触測定法等により計測できる。
[転写工程]
次に、図1(B)に示すように、転写用基板14のレジスト層12に、モールド10の微細凹凸パターン10Aを転写する。一般的に、モールド10を転写用基板14のレジスト層12に載せた重みだけでは、モールド10に形成された微細凹凸パターン10Aの凹部にレジスト層12のレジスト液が充填されないので、転写されない。そこで、モールド10の微細凹凸パターン10Aを転写用基板14のレジスト層12に転写するには、周囲の圧力条件を変化させて、強制的に充填することが必要となる。例えば次の充填方法を好適に使用できる。
(1)モールド10をレジスト層12に向けてプレス機などで加圧する。この場合、レジスト層12を加圧や加熱することでレジスト液を微細凹凸パターン10Aの凹部に一層充填し易くなる。
(2)レジスト液を基板16上に塗布後、レジスト層12の上にモールド10を載せて加熱・減圧の条件下に置く。これにより、微細凹凸パターン10Aの凹部に残った空気や気泡が除去されるので、レジスト液が凹部に充填される。
[硬化工程]
次に、モールド10の微細凹凸パターン10Aが転写されたレジスト層12を硬化する。これにより、図2に示すように、モールド10と転写用基板14とが合体した合体物20が形成される。図2(A)は合体物20の縦断面図であり、図2(B)は上面図である。なお、本実施の形態では、合体物20が円形状のもので説明するが、これに限定されるものではなく、例えば四角形状でもよい。
レジスト層12の硬化方法としては次の方法を好適に使用できる。
(1)光硬化性樹脂の場合は硬化開始剤の反応する波長帯域の硬化光をレジスト層12に照射することで硬化する。図1(B)は、光を通す透明なモールド10の裏面から硬化光を照射してレジスト層12を硬化する例である。
(2)溶剤に可溶なレジスト素材の場合は溶媒に溶解し、転写後に乾燥することで硬化する。
(3)熱可塑性の天然高分子の場合は、転写後にレジスト層12を冷却することで硬化する。
[剥離工程]
次に、図1(C)に示すように、転写用基板14とモールド10とを互いに引き剥がす方向に剥離力Fを付与して剥離する。図1(C)は、転写用基板14を固定してモールド10を垂直方向上向きに引っ張ることによりモールド10を転写用基板14から剥離する例である。
かかる、剥離工程において、従来はレジスト層12に転写された微細凹凸パターン12Aが、モールド10を転写用基板14から剥離する際の剥離不良によって損傷するという問題があった。特に、転写される微細凹凸パターンがナノサイズの極めて細かい凹凸形状では、損傷の度合いが大きかった。
そこで、本発明では、剥離工程として、転写用基板14をレジスト層12側が凸な所定曲率に湾曲させる湾曲化工程と、転写用基板14とモールド10とを互いに引き剥がす方向に剥離力を付与して剥離する際に、転写用基板14の周縁部を固定した状態で基板裏面側を加圧して、転写用基板14の所定曲率を剥離開始から剥離終了まで維持する加圧工程と、行うことで解決するようにした。
図3は、本発明における流体式加圧手段を備えた剥離装置の説明図である。
図3に示すように、剥離装置は、主として、周縁部固定手段24と、流体式加圧手段26と、剥離力付与手段32と、で構成される。
図3(A)に示すように、周縁部固定手段24は、転写工程においてモールド10と転写用基板14とが合体した合体物20を基台22上に載置した状態で転写用基板14の周縁部を固定するものである。周縁部固定手段24は、主として、基台22上の周縁部に支持された環状部材24Aと、環状部材24Aの上面よりも幅広に形成された環状押圧板24Bと、で構成される。
環状押圧板24Bには、等間隔に複数本のボルト24Cが螺合した状態で貫通すると共に、環状部材24Aのボルト対応位置には、上面から内部に向けて垂直に雌ネジが刻設される。ボルト24Cの配置位置としては、環状押圧板24Bの120度間隔(ボルト3本)や90度間隔(ボルト4本)で配置することが好ましいが、等間隔であればボルト本数は限定されない。これにより、押圧板24Bを貫通したボルト24C先端部が環状部材24Aに形成された雌ネジに螺合することができる。また、環状部材24Aの高さは、転写用基板14周縁部の厚みよりも低くなっていると共に、押圧板24Bの上面には、ボルト24Cに螺合するナット部材24Dが設けられる。
したがって、図3(B)に示すように、上記の合体物20を基台22に載置した状態で、環状押圧板24Bに貫通したボルト24C先端部を環状部材24Aの雌ネジに螺合して環状押圧板24Bを環状部材24Aに連結すると共に、ナット部材24Dを締めつけて環状押圧板24Bを環状部材24A側に押圧する。これにより、転写用基板14の周縁部が基台22と環状押圧板24Bとにより挟み込まれるので、周縁部固定手段24によって、転写用基板14の周縁部を確実に固定することができる。
環状押圧板24Bの材質としては、転写用基板14を湾曲させたときに、転写用基板14の周縁部も固定した状態で且つ湾曲し易いように弾性部材(例えばゴム製)が好適である。
また、流体式加圧手段26は、基台22上の環状部材24A内に敷設された円形なゴム製シート28と、基台22を貫通して基台上面22Aに加圧流体の吹出口30Aを有する配管30と、配管30に連結された加圧流体供給装置(図示せず)とで構成される。そして、ゴム製シート28の周縁部は接着剤により基台上面22Aに接着される。これにより、ゴム製シート28と基台上面22Aとの間には、接着剤で接着されていない非接着領域が形成される。したがって、配管30の吹出口30Aから加圧流体を非接着領域に供給することにより、ゴム製シート28を膨らませることができる。加圧流体は、気体又は液体を使用でき、通常は空気又は水を使用するとよい。
また、剥離力付与手段32は、図3(C)に示すように、モールド10に垂直方向の剥離力Fを付与して、モールド10を転写用基板14から引き剥がすための手段であればどのようなものでもよい。
そして、上記の流体式加圧手段を備えた剥離装置を用いて本発明の剥離方法を行うには、先ず図2の合体物20を、図3(B)のようにゴム製シート28上に載置すると共に、転写用基板14の周縁部を周縁部固定手段24で固定する。
次に、加圧流体供給装置から加圧流体を配管30を介して吹出口30Aから基台上面22Aとゴム製シート28との間の非接着領域に供給してゴム製シート28を膨らませることにより、周縁部固定手段24によって周縁部が固定された転写用基板14の基板裏面を加圧する。これにより、転写用基板14のレジスト層側が凸に湾曲化する。転写用基板14が湾曲化する曲率としては、曲率半径Rで1400〜2800mmの範囲であることが好ましい。
次に、剥離力付与手段32を駆動して転写用基板14からモールド10を剥離する。その際に、転写用基板14の曲率を剥離開始から剥離終了まで維持するように加圧したままで剥離を行う。
これにより、剥離時に転写用基板14のレジスト層12に転写された微細凹凸パターン12Aが損傷を受けることを効果的に防止できる。したがって、例えばナノサイズの微細凹凸パターン12Aであっても高精度な微細凹凸パターンを形成することができる。
かかる剥離工程において、図4に示すように、周縁部固定手段24によって固定された転写用基板14の周縁部領域Wは所定曲率になりにくい。したがって、転写用基板14が所定曲率に湾曲化する湾曲領域(周縁部領域Wの内側)にのみモールド10の微細凹凸パターン10Aが転写されることが好ましい。
かかる問題を装置的に解決するには、図5のように、上記の周縁部固定手段24が湾曲方向に首振りする構造であることが好ましい。即ち、周縁部固定手段24は、主として、基台22の周縁部に所定の等間隔を置いて立設された複数の支柱24aと、支柱24aの上端部にピン24bを介して回動自在に支持された回動部材24cと、回動部材24cに固定された下板24dと、ボルト24eが螺合した状態で貫通する上板24fと、スカート状に形成されたシール部材24gとで構成される。回動部材24cの上下方向の厚みは、転写用基板14の周縁部とゴム製シート28の周縁部とを合計した厚みよりも薄くなるように形成される。支柱24aは120度(3本の支柱)又は90度間隔(4本の支柱)であることが好ましいが、等間隔であれば限定されない。
また、回動部材24cには、ボルト24e先端部が螺合する雌ネジが刻設されると共に、上板24fの上面には押さえ用ナット部材24hが設けられる。
そして、上板24fと下板24dとの間に、転写用基板14の周縁部とゴム製シート28の周縁部とを位置決めした状態で、上板24fに貫通したボルト24e先端部を回動部材24cの雌ネジに螺合して上板24fを回動部材24cに連結すると共に、ナット部材24hを締めつけて上板24fを下板24d側に押圧する。これにより、転写用基板14の周縁部とゴム製シート28の周縁部とは上板24fと下板24dとに挟持固定される。また、下板24dに支持されたシール部材24gがスカート状に設けられることで、配管30の吹出口30Aから吹き出された流体が外部に洩れないようにシールされる。
これにより、加圧流体供給装置から加圧流体を配管30を介して吹出口30Aから基台22上面22Aとゴム製シート28との間に供給してゴム製シート28を膨らませることにより、周縁部固定手段24によって周縁部が固定された転写用基板14の基板裏面を加圧する。したがって、転写用基板14のレジスト層側が凸に湾曲化する。この場合、周縁部固定手段24は、ピン24bを介して回動し、湾曲方向に首振りするので、周縁部固定手段24によって固定された転写用基板14の周縁部領域Wが所定曲率になりにくいという問題を解決できる。
図6は、本発明における剥離工程を行うことにより、微細凹凸パターン12Aが損傷を受けにくいメカニズムを説明する模式図である。図6(A)は本発明における剥離工程を行った場合の剥離開始時と剥離途中時の転写用基板14の曲率を示す。
図6(A)から分かるように、本発明における剥離工程は、剥離開始時も剥離途中時も転写用基板14の所定曲率を剥離に適切な同じ曲率半径Rに維持した状態で剥離を行うことができるので、剥離開始から剥離終了まで略一定の剥離速度で剥離することができる。
ここで「剥離速度」とは、モールド10と転写用基板14のレジスト層12との転写界面における単位剥離時間当たりの剥離面積量をいい、剥離速度が一定とは、剥離開始から剥離終了まで単位剥離時間当たりの剥離面積量が一定であることをいう。
このように、転写用基板14の曲率を剥離開始から剥離終了まで同じにできる理由は、転写用基板14の周縁部を固定枠24Aで固定した状態で転写用基板14の基板裏面側を加圧することにより転写用基板14が強く緊張した状態になり、転写用基板14には剥離力Fによって変形しないだけの剛性が付与されるためであると考察される。
このように、剥離開始から剥離終了までの剥離速度を略一定にすることによって、図6(A)の剥離途中時の図から分かるように、転写用基板14の周縁部側に近い微細凹凸の剥離が終了する頃には中央部近傍(剥離終端界面部分)の微細凹凸の剥離がかなり進んでいる。これにより、最後に剥離される剥離終端界面である中央部の微細凹凸が大きな剥離速度で一気に剥離されることはない。この結果、最後に剥離される中央部の微細凹凸に加わる衝撃応力が減少するので、中央部の微細凹凸が損傷を受けることを効果的に防止できる。
これに対して、図6(B)は、転写用基板14の周縁部を固定枠24Aや固定しても転写用基板14の基板裏面を加圧しない場合の剥離開始時と剥離途中時の転写用基板14の曲率を示すものである。
図6(B)のように、転写用基板14の周縁部を固定しても転写用基板14を加圧しないと、転写用基板14は剥離力Fによって曲率の変わる自由面を形成する。これにより、剥離開始時の転写用基板14は本発明の剥離工程と同じ曲率半径Rを形成するが、剥離が進行した剥離途中時の転写用基板14は曲率半径R1となり、剥離開始時の曲率半径Rよりも小さくなる。剥離進行にしたがって転写用基板14の曲率半径が小さくなると、図6(B)の剥離途中時の図から分かるように、転写用基板14の周縁部側に近い微細凹凸の剥離が終了しているにもかかわらず中央部近傍(剥離終端界面部分)の微細凹凸の剥離が全く行われていない状態が形成される。これにより、最後に剥離される剥離終端界面である中央部の微細凹凸が大きな剥離速度で一気に剥離されることになる。この結果、最後に剥離される中央部の微細凹凸に加わる衝撃応力が増大するので、中央部の微細凹凸が破壊してしまう。
図7は、図3で説明した流体式加圧手段とは別態様の固体式加圧手段を備えた剥離装置の概念図である。
図7(A)に示すように、周縁部固定手段24は、円筒形状に形成された環状部材24Aが設けられ、環状部材24Aの上端は内側に折曲して鍔部24Eを形成している。環状部材24Aの材質としては、合体物20を環状部材24A内に収納し易いように伸縮性を有するゴム製のものが好適である。また、後記する固体物34を環状部材24Aに対して上下方向にスライド自在な構造にすれば、環状部材24Aの材質を伸縮しない金属や樹脂で形成することもできる。
また、固体式加圧手段33は、当接面34Aが凸状な所定曲率に形成されると共に該当接面34Aに多数の吸引孔34Bが形成された固体物34と、吸引孔34Bに連通する固体物34の内部空間34Cから空気を吸引する吸引配管36と、吸引配管36に連結される吸引装置(図示せず)とで構成される。
剥離力付与手段32は、図7(C)に示すように、モールド10に垂直方向の剥離力を付与して、モールド10を転写用基板14から引き剥がすための手段であればどのようなものでもよい。
そして、上記の固体式加圧手段33を備えた剥離装置を用いて本発明の剥離方法を行うには、先ず図7(B)に示すように、モールド10と転写用基板14の合体物20を固体物34の当接面34Aに載置すると共に、転写用基板14の周縁部を周縁部固定手段24で固定する。この場合、環状部材24Aと鍔部24Eとを切り離した別の部材とし、図3で説明したように、転写用基板14の周縁部を挟み込める構造にすると一層よい。
次に、吸引装置を駆動して固体物34の内部空間34C内を減圧することにより、吸引孔34Bを介して転写用基板14の基板裏面を吸引する。これにより、転写用基板14は固体物34の当接面34Aに倣って湾曲するので、転写用基板14は所定曲率に湾曲化される。転写用基板14が湾曲化する曲率としては、曲率半径Rで1400〜2800mmの範囲であることが好ましい。
この場合、固体物34を環状部材24Aにスライド移動できる構造にすると共に、固体物34の裏面にシリンダ装置35を設けて、固体物34をモールド側にスライドして押圧することで、転写用基板14を所定曲率に湾曲化させてもよい。
シリンダ装置35は、図示しないシリンダ本体と、シリンダロッド35Aと、固体物34の裏面を押圧ロッド35Bと、シリンダロッド35Aと押圧ロッド35Bとを連結するピン35Cと、によって構成される。
また、固体物34と環状部材24Aとの間には隙間が形成されると共に、その隙間がリング状の弾性部材(Oリング)37によってシールされる。この弾性部材37は、外力によって固体物34を図7の垂直方向に対して±5mm以内で傾けることが可能である。
したがって、転写用基板14を湾曲させるためにシリンダ装置35で固体物34をスライドさせて転写用基板14を押圧するときに、シリンダ装置35のピン35Cと上記の弾性部材37とによって固体物34が若干傾斜可能なので、転写用基板14に対して押圧力を均等に付与することができる。これにより、転写用基板14が固体物34の当接面34Aに精度良く倣って湾曲する。
また、本発明における剥離工程では、上記した転写用基板14の所定曲率の湾曲に加えて、吸引によって生じる反力によって固体物34の当接面34Aで転写用基板14の基板裏面を加圧する。
次に、剥離力付与手段32を駆動して転写用基板14からモールド10を剥離する際に、転写用基板14の曲率を剥離開始から剥離終了まで維持するように、転写用基板14の基板裏面を固体物34の当接面34Aで加圧したままで剥離を行う。
これにより、上記した流体式加圧手段26を備えた剥離装置のときに説明したと同じ理由により、剥離時に転写用基板14のレジスト層12に転写された微細凹凸パターン12Aが損傷を受けることを効果的に防止できる。
次に、本発明の実施例を説明する。
[試験A]
試験Aでは、本発明の実施例1、比較例1、及び比較例2の3通りの剥離方法について剥離性を調べた。
実施例1は、図8(A)に示すように、図3で説明した剥離装置を使用して本発明における剥離方法を実施した場合である。転写用基板14の周縁部を周縁部固定手段24で固定すると共に、流体式加圧手段26で基板裏面から0.5MPaのアシスト圧で加圧して転写用基板14を曲率半径で2100mmの曲率になるように湾曲させた。そして、0.5MPaのアシスト圧を保持したまま、モールド10に垂直方向上向きの剥離力Fを加えて転写用基板14からモールド10を剥離した。
比較例1は、図8(B)に示すように、図3で説明した剥離装置を使用したが転写用基板14の基板背面を流体で加圧しなかった(アシスト圧0)以外は実施例1と同様である。
比較例2は、図8(C)に示すように、モールド10の一方端側に剥離力Fを付与して、モールド10を転写用基板14の一方端側から他方端側に向けて剥離していった場合である。
モールド10の作製、塗布工程、転写工程、硬化工程は、実施例1、比較例1、比較例2ともに共通である。
〈モールドの作製〉
縦・横100mm×100mm、厚み1mmのニッケル(Ni)材料を用いて、縦・横20mm×20mmのパターン形成エリアに、幅0.5μm、高さ2μm、ピッチ1μmの微細凹凸パターン(ライン&スペース形状)をステッパによるパターニング及びドライエッチングで作成し、モールド10とした。
〈塗布工程〉
UV硬化樹脂材料(例えば東洋合成製PAK−01)を含むレジスト液を、直径が147mm(6インチ)で厚みが0.7mmの円板状のガラス基板16(信越化学製)上にスピンコート塗布装置で塗布した。これにより、ガラス基板16上にレジスト層12が形成された転写用基板14を作製した。
〈転写工程〉
転写用基板14のレジスト層12に、微細凹凸パターン10Aが形成されているモールド10を位置合わせした。そして、モールド側からインプリント装置でレジスト層12を加圧することで微細凹凸パターン10Aの凹部に残存している空気を圧力変化により除去しながら、モールド10の微細凹凸パターン10Aをレジスト層12に転写した。
〈硬化工程〉
転写工程の後、レジスト層12に光硬化樹脂の硬化波長である365nmの光を照射し、レジスト層12を硬化した。
[試験結果]
試験結果を、図9の表1に示す。
転写用基板14の基板裏面に0.5MPaのアシスト圧を加圧しながら剥離した実施例1は、剥離開始から剥離終了まで転写用基板14の曲率を曲率半径2100mmに均一に維持することができ、レジスト層12に転写された微細凹凸パターン12Aをモールド10から損傷なく剥離することができた。
また、転写用基板14の基板裏面にアシスト圧を加圧せずに剥離した比較例1は、剥離の途中で転写用基板14の曲率が変動して不均一化し、剥離が進むにしたがって転写用基板14の曲率半径が小さくなった。これにより、比較例1の場合には、剥離終端界面部分である転写用基板14の中央部分の微細凹凸に損傷が見られた(図8(B)参照)。
また、比較例2については、転写用基板14をモールド10から剥がす際に剥離終端界面部分である転写用基板14の他方端部分の微細凹凸に集中的に損傷が発生した(図8(C)参照)。
また、図9の表1から分かるように、実施例1は剥離に要した剥離力Fは4N(ニュートン)であり、比較例1の10Nや、比較例2の8Nよりも小さい力で剥離することができた。
なお、剥離力Fの測定は、モールド10の裏面にロードセルを取り付け、ロードセルを介してモールド10を垂直方向上向きに引っ張って、モールド10と転写用基板14とが完全に剥離するまでに要する剥離力Fの最大値を測定した。
[試験B]
試験Bでは、転写用基板14の基板裏面を加圧する適切なアシスト圧の範囲及び適切な曲率半径について調べた。モールド作製、塗布工程及び転写工程は、試験Aと同様であり、剥離工程において、アシスト圧を0〜1.3MPaの範囲で変化させた。アシスト圧0が試験Aの比較例1に相当する。
試験Bの結果を図10の表2に示す。
図10の表2から分かるように、アシスト圧が0.3〜1.0MPaの範囲で曲率半径が2800〜1400mmの範囲に形成した試験2〜4は、剥離不良が発生することなく転写用基板14のレジスト層12に良好な微細凹凸パターンを形成することができた。
一方、アシスト圧が0で曲率半径が∞(平坦)の試験1は、剥離終端界面部分である転写用基板14の中央部分の微細凹凸に損傷が発生していた。
アシスト圧が1.3MPaで曲率半径が1000mmの試験5は、湾曲させ過ぎて転写用基板14のガラス基板16に破断が見られた。
10…モールド、12…レジスト層、14…転写用基板、16…基板、20…合体物、22…基台、24…周縁部固定手段、24A…環状部材、24B…押圧板、26…流体式加圧手段、28…ゴム製シート、30…配管、32…剥離力付与手段、33…固体式加圧手段、34…固体物、36…吸引配管

Claims (10)

  1. 基板上にレジスト層が形成された転写用基板のレジスト層に、モールドの微細凹凸パターンを転写して硬化した後、前記転写用基板と前記モールドとを剥離する剥離工程を備えた微細凹凸パターンの形成方法において、
    前記剥離工程は、
    前記転写用基板を前記レジスト層側が凸な所定曲率に湾曲させる湾曲化工程と、
    前記転写用基板と前記モールドとを互いに引き剥がす方向に剥離力を付与して剥離する際に、前記転写用基板の周縁部を前記転写用基板の前記湾曲方向に追従して首を振る構造の周縁部固定手段で固定した状態で基板裏面側を加圧して、前記転写用基板の前記所定曲率を剥離開始から剥離終了まで維持する加圧工程と、とを備えることを特徴とする微細凹凸パターンの形成方法。
  2. 基板上にレジスト層が形成された転写用基板のレジスト層に、モールドの微細凹凸パターンを転写して硬化した後、前記転写用基板と前記モールドとを剥離する剥離工程を備えた微細凹凸パターンの形成方法において、
    前記剥離工程は、
    前記転写用基板の基板裏面側に、当接面が凸状な所定曲率に形成された固体物を当接させた状態で前記当接面に形成された多数の吸引孔で前記基板裏面を吸引することによって前記転写用基板を前記レジスト層側が凸な所定曲率に湾曲させる湾曲化工程と、
    前記転写用基板と前記モールドとを互いに引き剥がす方向に剥離力を付与して剥離する際に、前記転写用基板の周縁部を固定した状態で前記固体物の吸引によって生じる反力によって前記当接面で前記基板裏面側を加圧して、前記転写用基板の前記所定曲率を剥離開始から剥離終了まで維持する加圧工程と、とを備えることを特徴とする微細凹凸パターンの形成方法。
  3. 前記所定曲率は、曲率半径Rで1400〜2800mmの範囲であることを特徴とする請求項1又は2の微細凹凸パターンの形成方法。
  4. 前記基板裏側を流体で加圧することにより、前記転写用基板の湾曲と前記基板裏面側への加圧とを一緒に行うことを特徴とする請求項1又は3の微細凹凸パターンの形成方法。
  5. 前記加圧工程は、前記剥離力を付与する前のタイミングで行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか1の微細凹凸パターンの形成方法。
  6. 前記転写用基板が前記所定曲率に湾曲化する湾曲領域にのみ前記モールドの微細凹凸パターンが転写されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1の微細凹凸パターンの形成方法。
  7. 基板上にレジスト層が形成された転写用基板のレジスト層に、モールドの微細凹凸パターンを転写して硬化した後、前記転写用基板と前記モールドとを剥離する剥離装置を備えた微細凹凸パターンの形成装置において、
    前記剥離装置は、
    前記転写用基板の周縁部を固定する周縁部固定手段と、
    前記転写用基板の基板裏面側に設けられ、加圧流体によって前記基板裏面側を膨らませることによって前記転写用基板を所定曲率に湾曲させると共に前記基板裏面を加圧する流体式の加圧手段と、
    前記転写用基板と前記モールドとを互いに引き剥がす方向に剥離力を付与する剥離力付与手段と、を備えると共に、
    前記周縁部固定手段は、前記転写用基板の湾曲方向に追従して首を振る構造に形成されていることを特徴とする微細凹凸パターンの形成装置。
  8. 基板上にレジスト層が形成された転写用基板のレジスト層に、モールドの微細凹凸パターンを転写して硬化した後、前記転写用基板と前記モールドとを剥離する剥離装置を備えた微細凹凸パターンの形成装置において、
    前記剥離装置は、
    前記転写用基板の周縁部を固定する周縁部固定手段と、
    前記転写用基板の基板裏面側に、当接面が凸状な所定曲率に形成された固体物を当接させた状態で前記当接面に形成された多数の吸引孔で前記基板裏面を吸引することによって前記転写用基板を前記所定曲率に湾曲させると共に、前記吸引によって生じる反力によって前記当接面で前記基板裏面を加圧する固体式の加圧手段と、
    前記転写用基板と前記モールドとを互いに引き剥がす方向に剥離力を付与する剥離力付与手段と、を備えたことを特徴とする微細凹凸パターンの形成装置。
  9. 前記所定曲率は、曲率半径Rで1400〜2800mmの範囲であることを特徴とする請求項7又は8の微細凹凸パターンの形成装置。
  10. 前記周縁部固定手段は、前記転写用基板の周縁部を挟み込む構造に形成されていることを特徴とする請求項7〜9の何れか1の微細凹凸パターンの形成装置。
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