以下、本発明を実施するための最良形態について説明する。尚、あくまで最良の形態であり、本発明が適用可能なパチンコ遊技機、各手段が存在する場所や機能等、各種処理に関しての各ステップの順序、フラグのオン・オフのタイミング、各ステップの処理を担う手段名等に関し、以下の態様に限定されるものではない。例えば、本最良形態は従来の第1種遊技機であるが、これに何ら限定されず、第3種や複合機等も本発明の対象となり得る。
はじめに、図1を参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の外観を説明する。まず、該パチンコ遊技機は、外枠に対して前枠が回動可能に固定されている構成を採っている。該前枠には、遊技領域1を有する遊技盤を収容する収容枠が形成されており、この収容枠に遊技盤が保持されている。該遊技盤には、内レール及び外レールにより区画された遊技領域1が形成されており、この遊技領域1に、特別図柄の表示等を行う特別遊技表示部14a及び装飾図柄の表示等を行う装飾図柄表示部14bを含むディスプレー14と、打球の流入を検知可能なセンサが取り付けられている始動入賞口11と、特別遊技中に所定条件で図示しないソレノイドで駆動され得る、遊技球が流入し易い「開状態」と遊技球が流入不能な「閉状態」に可変する大入賞口12と、いずれの入賞口にも入賞しなかった打球を遊技領域外に排出するためのアウト口20とが設けられている。更に、前枠右下には、遊技領域へ遊技球を発射する際の発射強度を連続的又は段階的に変化させ得る、遊技球発射装置と接続したハンドル10が設置されている。
図2は、該パチンコ遊技機の背面であり、遊技者の利益と直接関係する制御を行う主制御装置(メイン基板)100、遊技内容に興趣性を付与する装飾図柄表示部14b上での各種演出を司る表示制御装置(サブ基板)1000、賞球払出機構19(賞球タンク19a、賞球レール19b)、賞球払出装置18等が、前枠裏面(遊技側と反対側)に設けられている。
次に、図3及び図4のブロック図を参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の各要素について説明する。まず、主制御装置100は、各種周辺機器、即ち、遊技球が入賞した際に入賞信号を発するセンサが取り付けられた始動入賞口11、通常遊技状態においては閉状態であるが特別遊技状態においては開状態に可変する大入賞口12、特別図柄や装飾図柄が変動表示及び停止表示等を行なうディスプレー(識別情報表示部)14、特別図柄以外の表示制御(例えば、装飾図柄の変動・停止表示、特別遊技中の表示等)を行う表示制御装置1000、賞球払出制御手段150からの指示に基づき所定個数の賞球を払い出す賞球払出装置18と情報伝達可能に接続されている。尚、ディスプレー14は、特別図柄表示部14aと装飾図柄表示部14bとから成り立っており、前者は主制御装置100により、後者は表示制御装置1000により制御される。以下、各要素について詳述する。
まず、主制御装置100は、遊技者に有利な特別遊技状態に移行するか否かの判定を行う特別遊技移行決定手段110と、特別図柄表示部14a上で所定時間特別図柄を変動させた後に停止表示する制御を行う特別図柄表示制御手段120と、表示制御装置1000側で表示制御を行うに際して必要なすべての情報{例えば、停止図柄情報、停止図柄の属性情報(例えば、確率変動当たり、通常当たり、外れ)、変動態様に関する情報(例えば、変動時間)、特別遊技の開始信号・状態情報・終了信号等}を送信するための情報送信手段130と、停止した特別図柄が所定態様であるか否かの判定を行なうと共に、所定態様である場合には、大入賞口12を所定条件で開状態にするという特別遊技を実行するための特別遊技移行判定実行手段140と、始動入賞口11等をはじめとする各種入賞口への遊技球の入賞に基づき所定の賞球の払出を行うように賞球払出装置18を制御する賞球払出制御手段150とを有している。
ここで、特別遊技移行決定手段110は、始動入賞口11へ遊技球が入賞したか否かを判定する始動入賞口入賞判定手段111と、始動入賞口11への遊技球の入賞に基づき遊技内容決定乱数を取得するか否かを判定すると共に、判定結果に応じて遊技内容決定乱数(例えば、当選乱数、変動態様決定乱数、特別図柄決定乱数等)を取得する乱数取得判定実行手段112と、取得した遊技内容決定乱数に基づく図柄変動が許可されていない場合に当該乱数を保留情報記憶手段113aに記憶するための保留情報記憶判定実行手段113と、遊技内容決定乱数に基づき、特別図柄の停止図柄と変動態様(変動時間等)を決定する図柄内容決定手段114とを有している。
また、特別図柄表示制御手段120は、前記図柄内容決定手段114により決定された変動時間を管理するための図柄変動時間管理手段121を更に有している。ここで、図柄変動時間管理手段121は、ゼロクリア可能なタイマ121a(デクリメントカウンタ)を更に有している。
次に、本最良形態に係るパチンコ遊技機における周辺機器について詳述する。まず、ディスプレー14は、前記のように、主制御装置100からの指示に基づき特別図柄の変動表示及び停止表示を行なうと共に、現時点での保留情報の報知を行なう特別図柄表示部14aと、後述する表示制御装置1000からの指示に基づき装飾図柄の変動表示及び停止表示並びに特別遊技中の表示を行なうことを含め、特別遊技移行とは直接関係しない各種演出表示を行なう装飾図柄表示部14bとを有している。
以下、本最良形態に係る表示制御装置1000について詳述する。まず、表示制御装置1000は、主制御装置100側からの表示情報{例えば、停止図柄の種類、図柄の変動時間や図柄の属性(当たりの普通図柄、当たりの確率変動図柄、外れ図柄)、図柄変動の開始タイミングや確定表示タイミング情報、特別遊技開始信号・状態情報・終了信号等}を受信するための表示情報受信手段1100と、装飾図柄表示部14bでの表示に関する一切の制御を司る表示制御手段1200とを有している。尚、表示制御装置1000は、図示しないが、他にも、装飾図柄が変動していない状況で行うデモ表示、確率変動遊技時に行う特殊背景表示等を行う各種手段を有している。
まず、表示情報受信手段1100は、主制御装置100からの図柄情報を一時記憶するためのメイン側情報一時記憶手段1110を有している。尚、メイン側情報一時記憶手段1110に一時記憶された図柄情報は、以下で説明する各処理において、後述の各種手段により必要に応じ適宜参照される。
次に、表示制御手段1200は、装飾図柄表示部14b上での装飾図柄の変動表示や停止表示に関する制御を司る装飾図柄表示制御手段1210と、装飾図柄表示部14b上で特殊変動態様時の表示処理に関する一切の制御を司る特殊変動態様表示制御手段1220と、装飾図柄表示部14b上で特別遊技中の表示処理に関する一切の制御を司る特別遊技中表示制御手段1230と、装飾図柄表示部14b上で特別遊技直後の図柄変動における表示処理に関する一切の制御を司る特別遊技直後演出表示制御手段1240とを有している。
まず、装飾図柄表示制御手段1210は、メイン側情報一時記憶手段1110内に一時記憶された主制御装置100からの図柄情報に基づき、装飾図柄の停止図柄と変動態様を決定するための装飾図柄表示内容決定手段1211と、前記決定された装飾図柄の停止図柄と変動態様を一時記憶するための装飾図柄情報一時記憶手段1212と、装飾図柄表示部14b上での装飾図柄に関する変動時間の時間管理を行う図柄変動時間管理手段1213とを有している。ここで、装飾図柄表示内容決定手段1211は、装飾図柄の変動態様を決定する際に参照するための装飾図柄内容決定テーブル1211aを更に有している。また、図柄変動時間管理手段1213は、時間を計測可能なタイマ1213aを更に有している。
次に、特殊変動態様表示制御手段1220は、特殊変動態様における装飾図柄の変動態様の詳細情報(例えば、どのタイミングで装飾図柄表示領域区画画像(以後、単に「区画画像」という)を拡大・移動するか、どのタイミングでどのような数字図柄配列を表示するか等)を決定するための特殊変動態様詳細情報決定手段1221と、合成画像を生成する際に必要な各画像に関する制御情報を管理するためのフレームバッファ展開管理手段1222と、特殊変動態様における各種処理タイミング{例えば、区画画像の拡大タイミング(時間)、区画画像の移動タイミング(時間)、数字画像配列表示タイミング}を時間管理するための特殊変動態様表示時間管理手段1223と、合成画像を生成する際に必要な各画像情報を一時記憶するためのフレームバッファ管理手段1224と、合成画像を生成する制御を司る画像合成制御手段1225と、装飾図柄表示部14b上に表示する情報(合成画像情報)を一時記憶するための表示情報一時記憶手段1226と、合成画像データを色信号と同期信号とからなるビデオ信号(アナログ信号)に変換し装飾図柄表示部14b上に表示するためのRAMDAC1227と、特殊変動態様における各画像情報を記憶するための特殊変動態様用画像情報記憶手段(ROM)1228とを更に有している。
ここで、特殊変動態様詳細情報決定手段1221は、特殊変動態様の変動態様の詳細情報を決定する際に参照するための特殊変動態様詳細情報決定テーブル1221aを更に有している。
次に、フレームバッファ展開管理手段1222は、番号画像に関する制御情報に基づき番号画像を番号画像フレームバッファ1224aに展開するための番号画像フレームバッファ展開手段1222aと、区画画像に関する制御情報に基づき区画画像を区画画像フレームバッファ1224bに展開するための区画画像フレームバッファ展開手段1222bと、背景画像に関する制御情報に基づき背景画像を背景フレームバッファ1224cに展開するための背景画像フレームバッファ展開手段1222cとを更に有している。ここで、番号画像フレームバッファ展開手段1222aは、番号画像に関する制御情報を一時記憶するための番号画像制御情報一時記憶手段1222a1を更に有している。また、区画画像フレームバッファ展開手段1222bは、区画画像を拡大する制御を司る拡大制御手段1222b1と、区画画像を移動する制御を司る移動制御手段1222b2と、区画画像に関する拡大・移動タイミングを一時記憶するための拡大・移動タイミング一時記憶手段1222b3と、区画画像に関する制御情報を一時記憶するための区画画像制御情報一時記憶手段1222b4とを有している。また、背景画像フレームバッファ展開手段1222cは、背景画像に関する制御情報を一時記憶するための背景画像制御情報一時記憶手段1222c1を更に有している。
次に、特殊変動態様表示時間管理手段1223は、時間を計測可能なタイマ1223aを更に有している。
また、フレームバッファ管理手段1224は、合成画像の元となる番号画像情報を一時記憶するための番号画像フレームバッファ1224aと、合成画像の元となる区画画像情報を一時記憶するための区画画像フレームバッファ1224bと、合成画像の元となる背景画像情報を一時記憶するための背景フレームバッファ1224cとを更に有している。
次に、特殊変動態様用画像情報記憶手段(ROM)1228は、特殊変動態様における番号画像情報を記憶するための番号画像情報記憶手段1228aと、特殊変動態様における区画画像情報を記憶するための区画画像情報記憶手段1228bと、特殊変動態様のおける背景画像情報を記憶するための背景画像情報記憶手段1228cとを更に有している。
また、特別遊技直後演出表示制御手段1240は、特別遊技直後用の演出を行うか否かを判定するための特別遊技直後演出表示判定手段1241と、特別遊技直後用の演出を行うか否か判定する際に参照する時間を管理する特別遊技直後演出時間管理手段1242とを更に有している。ここで、特別遊技直後演出時間管理手段1242は、時間を計測可能なタイマ1242aを更に有している。
次に、本最良形態に係る処理の流れを説明する。まず、図5は、主制御装置100が行う一般的な処理の流れを示したメインフローチャートである。図5に示すように、主制御装置100は、第1種特別遊技決定用乱数取得処理300、第1種特別遊技移行決定・特別図柄表示処理400、第1種特別遊技実行処理500、賞球払出処理600の各処理をループして行っている。そして、各処理の条件が成立した際、当該処理を行うこととし、当該条件が不成立の場合には当該処理をスキップしている。各処理の概要を説明する(以下で詳述されている処理を除く)と、賞球払出処理600は、賞球払出に係るいずれかの入賞口(始動入賞口、大入賞口等)に入賞した際、賞球払出制御手段150が、賞球払出装置18に対して払出指示を出し、これを受けて、賞球払出装置18が、指示を受けた数分賞球を払出す、というものである。以下、第1種特別遊技決定用乱数取得処理300から詳述する。尚、本最良形態における処理では、ある処理の途中(終了していない状況)で他の処理に移行し、かつ、他の処理が終了した後に当該処理の途中に戻る必要がある場合には、他の処理が終了した後に再び当該処理の途中に戻ることを担保するため、例えば、当該処理の途中から他の処理に移行する際にフラグを発生させる等のステップが存在する。但し、フローチャートが複雑になるので、以下のフローチャートでは、このようなステップは場合により割愛することとする。
はじめに、図6のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係る主制御装置100側で行われる第1種特別遊技決定用乱数取得処理300について説明する。まず、ステップ302で、始動入賞口入賞判定手段111が、始動入賞口11に入賞したか否かを判定する。ステップ302でYesの場合、ステップ304で、乱数取得判定実行手段112は、保留情報記憶手段113aを参照し、保留球が上限(例えば4個)でないか否かを判定する。ステップ304でYesの場合、ステップ306で、乱数取得判定実行手段112は、遊技内容決定乱数(当選乱数、変動態様決定乱数、特別図柄決定乱数等)を取得し、保留情報記憶判定実行手段113が、何個目の保留であるかという情報と共に当該乱数を保留情報記憶手段113aにセットし、次の処理(第1種特別遊技移行決定・特別図柄表示処理400)に移行する。尚、ステップ302及びステップ304でNoの場合も、次の処理(第1種特別遊技移行決定・特別図柄表示処理400)に移行する。
次に、図7のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係る主制御装置100側で行われる第1種特別遊技移行決定・特別図柄表示処理400について説明する。まず、ステップ402で、特別遊技移行決定手段110は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する。ステップ402でYesの場合、ステップ404で、図柄内容決定手段114が、遊技内容決定乱数(例えば、当選乱数及び特別図柄決定乱数)に基づいて特別図柄に関する停止図柄を決定すると共に、遊技内容決定乱数(例えば、当選乱数及び変動態様決定乱数)に基づいて特別図柄の変動態様(変動時間)を決定する。次に、ステップ406で、情報送信手段130が、ステップ404で決定した特別図柄に関する図柄情報(停止図柄情報、停止図柄の属性情報、変動態様情報等)を表示制御装置1000側に送信する。次に、ステップ408で、図柄変動時間管理手段121が、所定時間(前記図柄内容決定手段114が決定した図柄の変動時間)をタイマ121aにセットする。次に、ステップ410で、特別図柄表示制御手段120は、特別図柄表示部14a上で、前記図柄内容決定手段114により決定された変動態様に従い、特別図柄の変動表示を開始する。そして、ステップ412で、図柄変動時間管理手段121が、前記所定時間に到達したか否かを判定する。ステップ412でYesの場合、ステップ414で、情報送信手段130が、所定時間に到達した旨のコマンドを表示制御装置1000側に送信する。次に、ステップ416で、特別図柄表示制御手段120は、特別図柄表示部14a上での特別図柄の変動表示を停止し、前記図柄内容決定手段114により決定された停止図柄を確定停止図柄として表示制御する。次に、ステップ418で、特別遊技移行決定手段110は、特別図柄表示部14a上で停止した特別図柄が特定態様(当たり)であるか否かを判定し、特定態様である場合には、ステップ420で、第1種特別遊技実行フラグをオンにし、次の処理(第1種特別遊技実行処理500)に移行する。他方、ステップ402でNoの場合、ステップ422で、特別遊技移行決定手段110は、特別図柄が変動中であるか否かを判定する。ステップ422でYesの場合、ステップ412に移行する。尚、ステップ412及びステップ422でNoの場合も、次の処理(第1種特別遊技実行処理500)に移行する。
次に、図8のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係る主制御装置100側で行われる第1種特別遊技実行処理500について説明する。まず、ステップ502で、特別遊技移行判定実行手段140が、第一種特別遊技実行フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ502でYesの場合、ステップ503で、情報送信手段130は、表示制御装置1000側に特別遊技開始信号を送信する。次に、ステップ504及びステップ506で、特別遊技移行判定実行手段140は、第一種特別遊技実行フラグをオフにすると共に第一種特別遊技実行継続フラグをオンにし、ステップ510に移行する。
他方、ステップ502でNoの場合、ステップ508で、特別遊技移行判定実行手段140は、特別遊技実行継続フラグがオンであるか否かを判定する。そして、ステップ508でYesの場合には、ステップ510に移行する。尚、ステップ508でNoの場合には、特別遊技移行判定実行手段140は、特別遊技の許可が下りていないと判定し、次の処理(賞球払出処理600)に移行する。
次に、ステップ510で、特別遊技移行判定実行手段140は、ラウンド継続フラグがオンであるか否か、換言すれば、当該ラウンドが途中であるか否かを判定する。ステップ510でYesの場合、即ち、当該ラウンドが途中である場合、以下で詳述するステップ512〜520の処理を行うことなく、ステップ521に移行する。他方、ステップ510でNoの場合、即ち、当該ラウンドの開始直前である場合、まず、ステップ512で、特別遊技移行判定実行手段140は、タイマをゼロクリアすると共に所定値(例えば30秒)セットする。次に、ステップ514で、特別遊技移行判定実行手段140は、入賞球カウンタをゼロクリアする。そして、ステップ516で、特別遊技移行判定実行手段140は、ラウンド数カウンタに1を加算する。尚、ラウンド数カウンタ内に記憶されているラウンド数は、特別遊技開始直後(初期値)は0であり、以後ラウンドを重ねていく毎に1ずつインクリメントされる。次に、ステップ518で、特別遊技移行判定実行手段140は、ラウンド継続フラグをオンにする。そして、ステップ520で、特別遊技移行判定実行手段140は、大入賞口12のソレノイドを駆動して大入賞口12を開放し、ステップ521に移行する。
次に、ステップ521で、情報送信手段130は、表示制御装置1000側に特別遊技状態情報(例えば、現在のラウンド数、入賞個数、ラウンド残り時間等)を送信する。そして、ステップ522で、特別遊技移行判定実行手段140は、入賞球カウンタを参照して当該ラウンドで所定球(例えば10球)の入賞球があったか否かを判定する。ステップ522でYesの場合には、ステップ526に移行する。他方、ステップ522でNoの場合、ステップ524で、特別遊技移行判定実行手段140は、タイマ121aを参照して所定時間が経過したか否かを判定する。ステップ524でYesの場合にはステップ526に移行し、ステップ524でNoの場合には次の処理(賞球払出処理600)に移行する。
次に、ステップ526で、特別遊技移行判定実行手段140は、ソレノイドの駆動を停止して大入賞口12を閉鎖する。そして、ステップ528で、特別遊技移行判定実行手段140は、ラウンド継続フラグをオフにする。次に、ステップ530で、特別遊技移行判定実行手段140は、ラウンド数カウンタを参照して、当該ラウンドが最終ラウンドか否かを判定する。ステップ530でYesの場合、ステップ532で、特別遊技移行判定実行手段140は、第一種特別遊技実行継続フラグをオフにする。そして、ステップ534で、情報送信手段130は、表示制御装置1000側に特別遊技終了信号を送信し、次の処理(賞球払出処理600)に移行する。尚、ステップ530でNoの場合にも、次の処理(賞球払出処理600)に移行する。
次に、図9のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係る表示制御装置1000側で行われる装飾図柄表示内容決定・表示処理1000について詳述する。まず、ステップ1002で、装飾図柄表示制御手段1210は、装飾図柄変動中フラグがオフか否か、即ち、現在装飾図柄変動中でないか否かを判定する。ステップ1002でYesの場合、ステップ1004で、装飾図柄表示制御手段1210は、メイン側情報一時記憶手段1110を参照し、主制御装置100側から図柄情報を受信したか否かを判定する。ステップ1004でYesの場合、ステップ1006で、装飾図柄表示制御手段1210は、装飾図柄変動中フラグをオンにする。次に、ステップ1008で、特別遊技直後演出表示判定手段1241は、特別遊技直後フラグがオンであるか否か、即ち、当該保留に係る図柄変動は特別遊技終了後1回転目であるか否かを判定する。尚、この「特別遊技直後フラグオン」は、後述する特別遊技中表示制御処理1500のステップ1516において、特別遊技終了直後に発生するフラグである。
ここで、本発明の特徴である特殊変動態様処理や特別遊技直後の表示処理を説明する前に、通常の図柄変動処理を説明する。ステップ1008でNoの場合、ステップ1020で、装飾図柄表示内容決定手段1211は、メイン側情報一時記憶手段1110内に一時記憶された主制御装置100側からの図柄情報に基づき、装飾図柄内容決定テーブル1211aを参照して、装飾図柄の変動態様と停止図柄を決定する。次に、ステップ1022で、装飾図柄表示内容決定手段1211は、前記ステップ1020で決定した装飾図柄の変動態様及び停止図柄を装飾図柄情報一時記憶手段1212に一時記憶する。次に、ステップ1024で、特殊変動態様表示制御手段1220は、前記ステップ1020で決定した装飾図柄の変動態様として「特殊変動態様」が選択されたか否かを判定する。ステップ1024でNoの場合、ステップ1028で、装飾図柄表示制御手段1210は、装飾図柄表示部14bのエリアAで、決定された変動態様で装飾図柄の変動表示を開始する。そして、ステップ1032で、装飾図柄表示制御手段1210は、メイン側情報一時記憶手段1110を参照し、主制御装置100側から確定表示コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ1032でYesの場合、ステップ1034で、装飾図柄表示制御手段1210は、装飾図柄表示部14bのエリアAに、前記ステップ1020で決定した停止図柄を確定表示する。そして、ステップ1036で、装飾図柄表示制御手段1210は、装飾図柄変動中フラグをオフにし、次の処理(特別遊技中表示制御処理1500)に移行する。
次に、本発明の特徴である特殊変動態様処理について説明する。ステップ1024でYesの場合、即ち、前記ステップ1020で決定した装飾図柄の変動態様として「特殊変動態様」が選択された場合、ステップ1026で、特殊変動態様表示制御手段1220は、特殊変動態様処理フラグをオンにし、後述するステップ1100の特殊変動態様表示処理に移行する。そして、ステップ1100のサブルーチンで特殊変動態様表示処理を行なった後、ステップ1032に移行し、前記と同様の処理を行なう。尚、当該ステップ1100については後述する。
次に、本発明の特徴である特別遊技直後の表示処理について説明する。ステップ1008でYesの場合、即ち、当該保留に係る図柄変動が特別遊技終了後1回転目の場合、ステップ1010で、特別遊技直後演出表示制御手段1240は、特別遊技直後フラグをオフにする。次に、ステップ1012で、特別遊技直後演出時間管理手段1242は、タイマ1242aを参照し、所定時間内であるか否か、即ち、当該保留に係る図柄変動の開始が特別遊技終了後から所定時間内であるか否かを判定する(換言すれば、特別遊技終了時に保留が存在するか否かを判定する)。ステップ1012でYesの場合、ステップ1014で、特別遊技直後演出表示判定手段1241は、メイン側情報一時記憶手段1110内に一時記憶された主制御装置100側からの図柄情報を参照し、当該保留に係る図柄変動(停止図柄)が当たりか否かを判定する。ステップ1014でYesの場合、即ち、特別遊技終了後1回転目の保留球が当たりの場合、ステップ1016で、特別遊技直後演出表示制御手段1240は、装飾図柄表示部14bのエリアAに、特別遊技の最終ラウンドから継続して表示されている「大吉」(特別遊技中表示制御処理1500のステップ1510参照)に「超」を付け、「超大吉」を表示する(図23参照)。即ち、特別遊技の最終ラウンドと連動した表示を行い、表示内容に一体性を持たせる演出を行なう。尚、この際、特別遊技直後演出表示制御手段1240は、エリアBにおいてはすべての装飾図柄列の変動表示を行なう。次に、ステップ1018で、装飾図柄表示内容決定手段1211は、メイン側情報一時記憶手段1110内に一時記憶された主制御装置100側からの図柄情報に基づき、装飾図柄内容決定テーブル1211aを参照して、装飾図柄の停止図柄を決定して装飾図柄情報一時記憶手段1212に一時記憶し、ステップ1032に移行する。次に、ステップ1032で、装飾図柄表示制御手段1210は、メイン側情報一時記憶手段1110を参照し、主制御装置100側から確定表示コマンドを受信したか否かを判定する。そして、ステップ1032でYesの場合、ステップ1034で、装飾図柄表示制御手段1210は、装飾図柄表示部14bのエリアAに、前記ステップ1018で決定した停止図柄を確定表示する。即ち、主制御装置100側から確定表示コマンドを受信するまでは、エリアAに「超大吉」を、エリアBに装飾図柄変動表示をし続け、主制御装置100側から確定表示コマンドを受信した後は、エリアAに装飾図柄の停止図柄(確定図柄)を表示する。そして、ステップ1036で、装飾図柄表示制御手段1210は、装飾図柄変動中フラグをオフにし、次の処理(特別遊技中表示制御処理1500)に移行する。尚、ステップ1012でNoの場合、即ち、当該保留に係る図柄変動の開始が特別遊技終了後から所定時間内に行われなかった場合(換言すれば、特別遊技終了後に保留が存在しなかった場合)や、ステップ0014でNoの場合、即ち、特別遊技終了後の1回転目の保留球が当たりでない場合には、ステップ1020に移行し、通常通りの図柄変動(又は特殊変動態様)が実行される。具体的には、図柄変動開始直前までは、装飾図柄表示部14bのエリアAに「大吉」が表示されているが、図柄変動開始時点から、当該エリアに装飾図柄の変動表示が行なわれる。
尚、ステップ1002でNoの場合には、ステップ1030に移行し、特殊変動態様表示制御手段1220は、特殊変動態様処理フラグがオンであるか否か、即ち、現在特殊変動態様処理中であるか否かを判定する。ステップ1030でYesの場合にはステップ1100に移行し、ステップ1030でNoの場合には、ステップ1032に移行する。また、ステップ1004でNoの場合、即ち、図柄変動中でも主制御装置100側から図柄情報を受信してもいない場合には、次の処理(特別遊技中表示制御処理1500)に移行する。ステップ1032でNoの場合も、次の処理(特別遊技中表示制御処理1500)に移行する。
次に、図10のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係る表示制御装置1000側で行われる特殊変動態様表示処理1100について説明する。まず、ステップ1102で、特殊変動態様表示制御手段1220は、継続フラグがオフであるか否か、即ち、現在特殊変動態様表示中でないか否かを判定する。ステップ1102でYesの場合、ステップ1104で、特殊変動態様表示制御手段1220は、継続フラグをオンにする。次に、ステップ1106で、特殊変動態様詳細情報決定手段1221は、特殊変動態様詳細情報決定テーブル1221aを参照して、フレーム拡大タイミング及びフレーム移動タイミングを抽選により決定する。即ち、変動態様の種類(大枠)は前記のようにステップ1020で決定するが、ここでは、当該変動態様である特殊変動態様の詳細を決定している。次に、ステップ1108で、特殊変動態様詳細情報決定手段1221は、前記ステップ1106で決定したフレーム拡大タイミング及びフレーム移動タイミングを拡大・移動タイミング一時記憶手段1222b3に一時記憶する。次に、ステップ1110で、特殊変動態様表示時間管理手段1223は、タイマ1223aをスタートする。尚、タイマ1223aは、特殊変動態様表示処理が行なわれている間計時し続ける。具体的には、番号画像フレームバッファ、区画画像フレームバッファ及び背景画像フレームバッファの展開(更新)タイミング(時間)等を計時する。
次に、後述するステップ1200の番号画像表示処理、後述するステップ1300の区画画像表示処理及び後述するステップ1400の背景画像表示処理に移行する。尚、これらの処理は同時進行的に行なわれる。
次に、ステップ1112で、画像合成制御手段1225は、番号画像フレームバッファ1224a、区画画像フレームバッファ1224b及び背景フレームバッファ1224cに展開されている各画像データ(番号画像、区画画像及び背景画像)を合成して合成画像を生成すると共に、表示情報一時記憶手段1226に転送(一時記憶)する。ここで、図15は、当該画像合成の概念図である。図中、手前が番号画像フレームバッファ1224a、真中が区画画像フレームバッファ1224b及び後ろが背景フレームバッファ1224cであり、夫々、番号画像配列、区画画像及び背景画像が展開されている。これらを合成することにより、3個の区画画像の夫々に番号画像が1つずつ配置され、かつ、区画画像内でのみ背景画像が顕在化した画像が形成される。
フローチャートの説明に戻ると、ステップ1114で、特殊変動態様表示制御手段1220は、表示情報一時記憶手段1226に記憶されている合成画像をRAMDAC1227を介してディスプレーに表示する。次に、ステップ1116で、特殊変動態様表示時間管理手段1223は、タイマ1223aを参照し、タイムアップしたか否かを判定する。ステップ1116でYesの場合、ステップ1118で、特殊変動態様表示制御手段1220は、継続フラグをオフにする。次に、ステップ1120で、特殊変動態様表示制御手段1220は、特殊変動態様処理フラグをオフにし、次の処理(ステップ1032)に移行する。尚、ステップ1116でNoの場合にも、次の処理(ステップ1032)に移行する。また、ステップ1102でNoの場合には、ステップ1110に移行する。
次に、図11のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係る表示制御装置1000側で行われる番号画像表示処理1200について説明する。まず、ステップ1202で、特殊変動態様詳細情報決定手段1221は、特殊変動態様詳細情報決定テーブル1221a及びタイマ1223aを参照し、当該変動時間に対応した番号画像配列パターンを決定する(例えば、「242」)。次に、ステップ1204で、特殊変動態様詳細情報決定手段1221は、前記ステップ1202で決定した番号画像配列パターンを番号画像制御情報一時記憶手段1222a1に一時記憶する。次に、ステップ1206で、番号画像フレームバッファ展開手段1222aは、区画画像制御情報一時記憶手段1222b4に記憶されている区画画像の座標位置情報及び番号画像制御情報一時記憶手段1222a1に記憶されている番号画像配列パターンに基づき、番号画像情報記憶手段1228aから当該番号画像データを読み出し、当該番号画像配列を番号画像フレームバッファ1224a上に展開し、次の処理(ステップ1112)に移行する。
次に、図12のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係る表示制御装置1000側で行われる背景画像表示処理1300について説明する。まず、ステップ1302で、特殊変動態様詳細情報決定手段1221は、特殊変動態様詳細情報決定テーブル1221a及びタイマ1223aを参照し、選択された背景動画像のうち、当該変動時間に対応した背景画像(スライド・フレーム)を決定(抽出)する。次に、ステップ1304で、特殊変動態様詳細情報決定手段1221は、前記ステップ1302で決定した背景画像(スライド・フレーム)情報を背景画像制御情報一時記憶手段1222c1に一時記憶する。次に、ステップ1306で、背景画像フレームバッファ展開手段1222cは、背景画像制御情報一時記憶手段1222c1に記憶されている背景画像(スライド・フレーム)情報に基づき背景画像情報記憶手段1228cから当該背景画像データ(スライド・フレーム)を読み出し、当該背景画像(スライド・フレーム)を背景フレームバッファ1224c上に展開し、次の処理(ステップ1112)に移行する。
次に、図13のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係る表示制御装置1000側で行われる区画画像表示処理1400について説明する。まず、ステップ1402で、特殊変動態様表示時間管理手段1223は、タイマ1223aを参照し、区画画像拡大タイミングに到達したか否か、即ち、区画画像を拡大するか否かを判定する。ステップ1402でYesの場合、ステップ1404で、拡大制御手段1222b1は、区画画像制御情報一時記憶手段1222b4に一時記憶されている区画画像のサイズを参照して拡大後の区画画像のサイズを演算すると共に、区画画像制御情報一時記憶手段1222b4に当該演算後の区画画像のサイズを一時記憶(更新)し、ステップ1410に移行する。他方、ステップ1402でNoの場合、ステップ1406で、特殊変動態様表示時間管理手段1223は、タイマ1223aを参照し、区画画像移動タイミングに到達したか否か、即ち、区画画像を移動するか否かを判定する。ステップ1406でYesの場合、ステップ1408で、移動制御手段1222b2は、区画画像制御情報一時記憶手段1222b4に記憶されている区画画像の座標位置を参照して移動後の区画画像の座標位置を演算すると共に、区画画像制御情報一時記憶手段1222b4に当該演算後の区画画像の座標位置を一時記憶(更新)し、ステップ1410に移行する。尚、ステップ1406でNoの場合にも、ステップ1410に移行する。次に、ステップ1410で、区画画像フレームバッファ展開手段1222bは、区画画像情報記憶手段1228bから区画画像データを読み出すと共に、区画画像制御情報一時記憶手段1222b4に記憶されている区画画像情報に基づき当該区画画像を区画画像フレームバッファ1224bに展開し、次の処理(ステップ1112)に移行する。
次に、図14のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係る表示制御装置1000側で行われる特別遊技中表示制御処理1500について説明する。まず、ステップ1502で、特別遊技中表示制御手段1230は、特別遊技中表示フラグがオフであるか否か、即ち、特別遊技中でないか否かを判定する。ステップ1502でYesの場合、ステップ1504で、特別遊技中表示制御手段1230は、メイン側情報一時記憶手段1110を参照し、主制御装置100側から特別遊技開始信号を受信したか否かを判定する(ステップ503参照)。ステップ1504でYesの場合、ステップ1506で、特別遊技中表示制御手段1230は、特別遊技中表示フラグをオンにし、次の処理(ステップ1508)に移行する。尚、ステップ1502でNoの場合にも、次の処理(ステップ1508)に移行する。次に、ステップ1508で、特別遊技中表示制御手段1230は、メイン側情報一時記憶手段1110内に一時記憶された主制御装置100側からの特別遊技状態信号を参照し、当該ラウンドが最終ラウンドであるか否かを判定する(ステップ521参照)。ステップ1508でYesの場合、ステップ1510で、特別遊技中表示制御手段1230は、装飾図柄表示部14bのエリアAに「大吉」を表示する(図20)。次に、ステップ1512で、特別遊技中表示制御手段1230は、メイン側情報一時記憶手段1110を参照し、主制御装置100側から特別遊技終了信号を受信したか否かを判定する(ステップ534参照)。ステップ1512でYesの場合、ステップ1514で、特別遊技中表示制御手段1230は、特別遊技中表示フラグをオフにする。次に、ステップ1516で、特別遊技直後演出表示制御手段1240は、特別遊技直後フラグをオンにする。そして、ステップ1518で、特別遊技直後演出時間管理手段1242は、特別遊技終了後から1回転目の図柄変動開始までの時間を計測するためにタイマ1242aをスタートし、次の処理(装飾図柄表示内容決定・表示処理1000)に移行する。尚、ステップ1504及びステップ1512でNoの場合にも、次の処理(装飾図柄表示内容決定・表示処理1000)に移行する。
次に、図面を参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の作用について説明する。まず、図1に示すように、遊技者が、ハンドル10を時計回りに回転させると当該回転角度に応じて遊技球が遊技領域1に発射される。そして、遊技球が始動入賞口11に入賞した場合、当該入賞に基づき、特別図柄表示部14a上では特別図柄が変動表示を開始する一方、装飾図柄表示部14b上では装飾図柄の変動が開始する。以下、変動態様として特殊変動態様が選択された場合の、装飾図柄表示部14b上での装飾図柄の表示例をまず説明し、次いで、特別遊技中及び特別遊技終了直後における装飾図柄表示部14bでの表示例を説明する。
まず、図16は、三列の装飾図柄列の特定組み合わせ(「242」)が装飾図柄表示部14b上に表示されている様子を示したものである。図16に示されるように、夫々の装飾図柄は、周囲とは区画画像で区画されており、区画画像内の所定位置に数字画像が配置されていると共に、区画画像内には動画像である背景画像が区画画像一杯に表示されている。そして、装飾図柄表示部14bには、龍オブジェクトの動画像が背景動画像として潜在的に表示されており、前記区画画像内では当該動画像が顕在化する一方、前記区画画像以外のエリアでは前記動画像は隠されている。したがって、前記動画像は、三個の区画画像内だけという、限られた範囲で表示されている。そして、図17は、図16の状態からすべての装飾図柄が下方向に移動した様子を示したものである。図16と比較すると、龍オブジェクトが上に位置していると共に、龍オブジェクトが左方向に位置している。これは、潜在的に表示されている動画像に対してすべての装飾図柄が相対的に下方に移動したことに加え、前記動画像自体も、図16から図17の時間分、龍オブジェクト自体が左方向に移動するように変化したためである。次に、図18は、図16の状態から中央の装飾図柄が停止し、両端の装飾図柄のみが変動表示をしている様子を示したものである。図16と比較すると、中央の装飾図柄内の龍オブジェクトの高さは同じであるが位置が左方向に移動している一方、左右の区画画像内の龍オブジェクトは上に位置していると共に、龍オブジェクトが左方向に位置している。これは、潜在的に表示されている動画像に対して左右の装飾図柄が相対的に下方に移動したことに加え、前記動画像自体も、図16から図18の時間分、龍オブジェクト自体が左方向に移動するように変化したためである。
次に、図19は、図16の状態から左右の区画画像が拡大した様子を示したものである。図19に示されるように、左右の装飾図柄に関しては、区画画像が拡大している一方、区画画像内の数字画像は中央の装飾図柄と同一のサイズを維持している。また、区画画像内には背景画像が表示されているが、前記のように数字画像自体は装飾図柄の拡大前後で大きさが不変であるので、左右の装飾図柄においては、中央の装飾図柄と比較して背景画像の表示エリアが拡大している。
次に、図20〜図22を参照しながら、特別遊技中及び当該特別遊技終了直後における装飾図柄表示部14bでの表示内容(特に、当該特別遊技終了直後の図柄変動が「外れ」である場合)についてまず説明する。まず、特別遊技中は、特別遊技中であることを遊技者に認識させるような表示(例えば、「大当たり中」といった表示)を行なうと共に、現在のラウンド数や大入賞口への入賞個数等を表示する。そして、最終ラウンドである15ラウンド開始直後、図20に示すように、「大吉」という表示が、装飾図柄表示部14bのエリアAで行なわれる。その後、図21に示すように、当該特別遊技終了後の最初の装飾図柄変動がエリアAで行なわれることになる。ここで、図22は、このときの内部状態を示したタイミングチャートである。図22に示すように、特別遊技終了間際で「大吉」という表示がエリアAで行なわれ、通常遊技に移行した時点で装飾図柄変動表示がエリアAで行なわれることが分かる。
次に、図20、図23及び図24を参照しながら、特別遊技中及び当該特別遊技終了直後における装飾図柄表示部14bでの表示内容(特に、当該特別遊技終了直後の図柄変動が「大当たり」である場合)について説明する。まず、特別遊技中は、前記の場合と同様、特別遊技中であることを遊技者に認識させるような表示(例えば、「大当たり中」といった表示)を行なうと共に、現在のラウンド数や大入賞口への入賞個数等を表示する。そして、最終ラウンドである15ラウンド開始直後、図20に示すように、「大吉」という表示が、装飾図柄表示部14bのエリアAで行なわれる。その後、図23に示すように、「超大吉」という表示が所定時間行なわれた後、エリアAに大当たり図柄(例えば「777」)が確定表示される。そして、再び大入賞口が開放して特別遊技に移行する。ここで、図24は、このときの内部状態を示したタイミングチャートである。図24に示すように、特別遊技終了間際では、前記の場合と同様、「大吉」という表示がエリアAで行なわれる。しかしながら、通常遊技に移行しても、エリアAで装飾図柄変動表示は行なわれず、その代わりにエリアAでは「超大吉」という表示が行なわれる。そして、装飾図柄変動表示は、エリアBという、遊技者が確認し難い小さいエリアで行なわれる。
本最良形態によれば、識別情報表示領域区画画像が拡大した場合でも識別画像(例えば数字画像)が粗くならないので、凝った変動態様表示を行なった場合でも遊技者を幻滅させる事態を回避することができるという効果を奏する。更に、識別情報表示領域区画画像と識別画像を異なったパーツとして保有しているので、識別情報表示領域区画画像の大きさや識別情報表示領域区画画像内での識別画像の位置を変更することにより、無数の識別情報パターンを構築できるという効果も奏する。
更に、識別情報表示領域区画画像と識別画像を別々のバッファ領域に一旦展開した上で画像合成しているので、例えば、識別情報表示領域区画画像の更新タイミングと識別画像の更新タイミングが異なる場合には、更新が不要な画像データをあらためて記憶手段から呼び出す必要が無くなる結果、処理速度が速くなるという効果を奏する。
更に、識別情報表示領域区画画像が拡大した場合でも識別画像(例えば数字画像)が粗くならないので、凝った変動態様表示を行なった場合でも遊技者を幻滅させる事態を回避することができるという効果を奏する。加えて、識別情報表示領域区画画像、識別画像及び背景画像を異なったパーツとして保有しているので、識別情報表示領域区画画像の大きさ、識別情報表示領域区画画像内での識別画像の位置及び背景画像の種類を変更することにより、無数の識別情報パターンを構築できるという効果も奏する。
更に、識別情報表示領域区画画像を拡大した場合でも、識別画像の大きさが維持されるので、識別情報表示領域区画画像内に表示される背景画像について広い表示領域が確保できるという効果も奏する。
更に、識別情報表示領域区画画像が拡大された場合でも識別画像の大きさは変わらないので、動画像表示を行なった場合でも、当該識別画像が邪魔になることなく存分に動画像表示を楽しませることができるという効果を奏する。
更に、識別情報表示領域区画画像、識別画像及び背景画像を別々の展開領域に一旦展開した上で画像合成しているので、例えば、識別情報表示領域区画画像の更新タイミングと識別画像の更新タイミングが異なる場合には、更新が不要な画像データをあらためて記憶手段から呼び出す必要が無くなる結果、処理速度が速くなるという効果を奏する。
更に、所定の識別情報表示領域区画画像と当該枠内に配置された識別画像(例えば数字画像)とから構成される識別情報が画像表示装置上で複数表示されている場合、当該複数の識別情報の夫々の枠内に画像(例えば動画像)を表示する際、同一ソースの画像が表示されるように構成されているので、夫々異なる画像が表示される場合と比較して記憶させる画像量を低減させることができると共に、作業領域数の減少及び画像合成の簡素化を図ることができるという効果を奏する。
更に、背景画像が動画像であるので、識別情報表示領域区画画像の移動に伴い一体どのような動画像が表示されるのかということを遊技者に期待させることが可能になり、その結果、更に遊技の興趣性を高めることができるという効果を奏する。
更に、識別情報表示領域区画画像、識別画像及びベース背景画像を別々の展開領域に一旦展開した上で画像合成しているので、例えば、識別情報表示領域区画画像の更新タイミング、識別画像の更新タイミング及びベース背景画像の更新タイミングが異なる場合には、更新が不要な画像データをあらためて記憶手段から呼び出す必要が無くなる結果、処理速度が速くなるという効果を奏する。
更に、識別情報表示領域区画画像が移動可能であり、当該移動により表示されるベース背景画像領域が変化するように構成されているので、従来の枠と背景とが一体化した識別情報とは異なり、識別情報表示領域区画画像と背景画像とが別体であることを遊技者に意識させることが可能になり、これまでにない表示内容に基づく遊技の興趣性の高揚を達成できるという効果を奏する。更に、同一ソースのベース背景画像でありながら表示される領域が変化するので、単一画像データに基づいても、無数の変動態様を構築できるという効果も奏する。
更に、特別遊技終了直後の識別情報変動が大当たりである場合には、第一識別情報表示部では、第一識別情報の変動表示を通常通り行なう一方で、遊技者が注視する第二識別情報表示部上では、当該特別遊技が継続中であると遊技者を錯覚させた上で大当たり告知表示を行うよう構成されているので、大当たりに係る識別情報変動より前に大当たり告知されたような印象を遊技者に抱かせることが可能になるという効果を奏する。
次に、本最良形態の変更例について説明する。上記最良形態では、特別遊技終了直後の保留球が大当たりである場合に装飾図柄表示部14b上に「超大吉」と表示することによりあたかも特別遊技が継続乃至は連続するような印象を遊技者に抱かせる処理を行なったが、本変更例では、通常遊技中(非特別遊技中の意)のある保留球が大当たりである場合に当該保留球の直前の保留球に係る図柄変動や停止図柄と一体性を持たせた上で、当該保留球の図柄変動中に一旦装飾図柄を仮停止して特定図柄配列(リーチ目配列)を表示し、その後再変動表示をして大当たり図柄を表示するという処理を行なうものである。
まず、図4のブロック図を参照しながら、本変更例に係るパチンコ遊技機の各種手段を説明する。尚、本変更例では、各種手段及び各種ステップについてはすべて「(2)」が付されているものとし、特記した事項を除き、上記最良形態と同一である。
上記最良形態との相違点は、まず、装飾図柄情報一時記憶手段1212(2)である。本変更例においては、当該保留に係る変動態様と停止図柄だけでなく、前回の保留に係る変動態様と停止図柄も一時記憶されている。更に、装飾図柄表示制御手段1210(2)は、現在連続回転状態であるかを管理する連続回転管理手段1214(2)を有している。ここで、連続回転管理手段1214(2)は、図柄停止後の時間をカウントするタイマ1214a(2)を更に有している。
次に、図25のフローチャートを参照しながら、本変更例に係る表示制御装置1000(2)側で行われる装飾図柄表示内容決定・表示処理1000(2)について詳述する。まず、ステップ1002(2)で、装飾図柄表示制御手段1210(2)は、装飾図柄変動中フラグがオフか否か、即ち、現在装飾図柄変動中でないか否かを判定する。ステップ1002(2)でYesの場合、ステップ1004(2)で、装飾図柄表示制御手段1210(2)は、メイン側情報一時記憶手段1110(2)を参照し、主制御装置100(2)側から図柄情報を受信したか否かを判定する。ステップ1004(2)でYesの場合、ステップ1006(2)で、装飾図柄表示制御手段1210(2)は、装飾図柄変動中フラグをオンにする。次に、ステップ1008(2)で、装飾図柄表示内容決定手段1211(2)は、連続回転フラグがオンであるか否かを判定する。ここで、この「連続回転フラグ」とは、現在連続回転状態にあるか否かの判別フラグであり、後述するように、前回の保留に係る図柄変動が停止してから所定時間以内に主制御装置100(2)側から図柄情報を受信した場合には「オン」になり所定時間を超えた場合には「オフ」になる。そして、ステップ1008(2)でYesの場合には、ステップ1010(2)で、装飾図柄表示内容決定手段1211(2)は、主制御装置100(2)側からの図柄情報が当たり図柄情報であるか否かを判定する。ステップ1010(2)でYesの場合、ステップ1012(2)で、装飾図柄表示内容決定手段1211(2)は、主制御装置100(2)側の図柄情報に基づき装飾図柄の停止図柄を決定すると共に、装飾図柄情報一時記憶手段1212(2)にアクセスして、前回の保留に係る装飾図柄の変動態様情報と停止図柄情報を取得し、これら情報と前記主制御装置100(2)側からの図柄情報に基づき変動態様を決定する。この際、好適には、(パーツA)前回の変動態様と同じ変動表示を所定時間行ない、特定態様であるリーチ目で一旦停止する変動態様、(パーツB)所定時間前記リーチ目で停止(又は揺れ表示)する変動態様、(パーツC)前記リーチ目から再変動を開始し、所定の変動表示を行なった後、決定した停止図柄を表示する変動態様、から構成される変動態様を選択する。尚、パーツAに関しては前回と異なる変動態様であってもよい。そして、ステップ1016(2)で、装飾図柄表示内容決定手段1211(2)は、前記ステップで決定した装飾図柄の変動態様及び停止図柄を装飾図柄情報一時記憶手段1212(2)に一時記憶する。次に、ステップ1018(2)で、装飾図柄表示制御手段1210(2)は、決定された変動態様で装飾図柄の変動表示を開始する。そして、ステップ1020(2)で、装飾図柄表示制御手段1210(2)は、メイン側情報一時記憶手段1110(2)を参照し、主制御装置100(2)側から確定表示コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ1020(2)でYesの場合、ステップ1022(2)で、装飾図柄表示制御手段1210(2)は、前記ステップで決定した停止図柄を確定表示する。次に、ステップ1024(2)及びステップ1026(2)で、連続回転管理手段1214(2)は、タイマ1214a(2)をスタートすると共に連続回転フラグをオンにする。そして、ステップ1028(2)で、装飾図柄表示制御手段1210(2)は、装飾図柄変動中フラグをオフにし、次の処理{特別遊技中表示制御処理1500(2)}に移行する。
他方、ステップ1008(2)及びステップ1010(2)でNoの場合には、通常通り、ステップ1014(2)で、装飾図柄表示内容決定手段1211(2)は、メイン側情報一時記憶手段1110内に一時記憶された主制御装置100(2)側からの図柄情報に基づき、装飾図柄内容決定テーブル1211a(2)を参照して、装飾図柄の変動態様と停止図柄を決定し、ステップ1016(2)に移行する。
また、ステップ1004(2)でNoの場合には、ステップ1030(2)で、連続回転管理手段1214(2)は、所定時間が経過したか否かを判定する。ステップ1030(2)でYesの場合、ステップ1032(2)で、連続回転管理手段1214(2)は、連続回転フラグをオフにし、次の処理{特別遊技中表示制御処理1500(2)}に移行する。
次に、図26を参照しながら、本変更例に係るパチンコ遊技機の作用について説明する。尚、本図は、すべて装飾図柄表示部14b上での表示内容である。ここで、図中、「Tc」が前回(外れ)の保留に係る図柄変動の変動時間であり、「TD」が今回(当たり)の保留に係る図柄変動の変動時間である。まず、前回の保留に係る図柄変動から説明すると、図柄変動を開始して所定時間「TC1」経過後、第一図柄が「7」で停止する。そして、更に所定時間「TC2」経過後、第二図柄も「7」で停止する。これにより、変動中の第三図柄を除き同一図柄で停止したので、以後リーチ変動状態に突入する。当該リーチ変動状態では、例えば、図示するように第三図柄が「コマ送り変動」を行い、リーチ変動から「TC3」後に、「770」が表示される(内部的には、この表示が当該図柄変動の確定停止図柄である)。ここで、次の保留に係る図柄変動が間髪置かずに開始するので、遊技者は前回の図柄変動がまだ継続中であると錯覚する。そして、今回の変動(好適にはコマ送り変動)が開始してから所定時間「TD1」後、リーチ目である「773」で一旦所定時間(「TD2」)停止する(完全停止状態ではなく、僅かながら揺れ表示状態としてもよい)。これにより、遊技者は、一旦停止したような演出が行なわれるので、この停止をもって前回の図柄変動が終了したと錯覚すると共に、当該停止図柄がリーチ目であるので、次の図柄変動に高い期待感を抱くようになる。そして、変動を再開してから所定時間後(「TD3」)、第一図柄が「7」で停止する。そして、更に所定時間「TD4」経過後、第二図柄も「7」で停止する。これにより、変動中の第三図柄を除き同一図柄で停止したので、以後リーチ変動状態に突入する。当該リーチ変動状態では、例えば、図示するように第三図柄が「コマ送り変動」を行い、リーチ変動から「TD5」後に、大当たり図柄である「777」が表示される。このように、TC+TD1が前回の図柄変動時間であり、TD−TD1を今回の図柄変動時間であると遊技者を錯覚させると共に、今回の図柄変動の途中にリーチ目を一旦停止表示することにより、あたかも遊技者は前回の図柄変動の確定図柄が当該リーチ目であると錯覚させることが可能になる。
本変更例によれば、識別情報変動が大当たりである場合には、第一識別情報表示部では、第一識別情報の変動表示を通常通り行なう一方で、遊技者が注視する第二識別情報表示部上では、当該識別情報変動の直前に行なわれていた識別情報変動が継続中であると遊技者を錯覚させた上で一旦特定態様(リーチ目)を表示し、続いて再度変動することにより大当たり識別情報を停止表示するよう構成されている。したがって、遊技者に対して、前記特定態様(リーチ目)は前記直前の変動表示が停止した結果表示されたものであり、前記大当たり識別情報は当該変動が停止した結果表示されたものであると自然に認識させることができる。そのため、これまで当該変動途中でリーチ目や大当たり報知する場合とは異なり、あたかも当該変動より前の変動時にリーチ目等が表示されたと錯覚し、スロットマシンと同等のリーチ目の喜びを遊技者に付与することが可能になるという効果を奏する。
また、その他の変更例として、本最良形態では、画像合成制御手段1225は、合成元となる各画像を一旦夫々のバッファ上に展開し、当該バッファ上の画像情報を用いて合成画像を生成しているが、当該バッファを介さずに、ROMから順次画像情報を展開し合成画像を生成してもよい。具体的には各画像のレイヤ情報(重ね合わせ情報)などを用いて、各画像の重ね合わせの制御を行う。一例として、区画画像の位置と大きさに基づき、当該区画画像内に組み込まれるべき背景画像(ベース背景画像の一部)のみを背景画像情報記憶手段から読み出すように構成してもよい。