JP5360019B2 - パワー半導体装置の温度測定装置 - Google Patents

パワー半導体装置の温度測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5360019B2
JP5360019B2 JP2010186545A JP2010186545A JP5360019B2 JP 5360019 B2 JP5360019 B2 JP 5360019B2 JP 2010186545 A JP2010186545 A JP 2010186545A JP 2010186545 A JP2010186545 A JP 2010186545A JP 5360019 B2 JP5360019 B2 JP 5360019B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
circuit
triangular wave
temperature detection
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010186545A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012042435A (ja
Inventor
弘幸 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2010186545A priority Critical patent/JP5360019B2/ja
Publication of JP2012042435A publication Critical patent/JP2012042435A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5360019B2 publication Critical patent/JP5360019B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Description

本発明はパワー半導体装置の温度測定装置に関し、特に、温度検出部の異常を検出するようにしたものである。
最近の車両機器では、高効率化および省エネ対策を図るために、駆動力を生む電動機の駆動システムに、昇降圧コンバータおよびインバータの搭載が行われている(例えば、特許文献1参照)。ここで、昇降圧コンバータとは、直流電源の電圧をチョッパで昇圧してインバータへ供給し、逆に電動機の回生時にインバータを整流動作させて、インバータの出力電圧をチョッパで降圧して直流電源を充電するものを言う(以下、本明細書で同じ)。
図9は、特許文献1に記載されている昇降圧コンバータを用いた車両駆動システムの概略構成を示すブロック図である。
図9において、車両駆動システムには、昇降圧コンバータ1102に電力を供給する直流電源1101、電圧の昇降圧を行う昇降圧コンバータ1102、昇降圧コンバータ1102から出力された電圧を3相電圧に変換するインバータ1103および車両を駆動する電動機1104が設けられている。なお、直流電源1101は、架線からの給電電圧または直列接続されたバッテリーから構成することができる。
そして、車両駆動時には、昇降圧コンバータ1102は、直流電源1101の電圧(例:280V)を電動機1104の駆動に適した電圧(例:750V)に昇圧し、インバータ1103に供給する。そして、スイッチング素子をオン/オフ制御することにより、昇降圧コンバータ1102にて昇圧された電圧を3相電圧に変換して、電動機1104の各相に電流を流し、スイッチング周波数を制御することで車両の速度を変化させることができる。
一方、車両の制動時には、インバータ1103は、電動機1104の各相に生じる電圧に同期してスイッチング素子をオン/オフ制御することにより、整流動作を行い、直流電圧に変換してから、昇降圧コンバータ1102に供給する。そして、昇降圧コンバータ1102は、電動機1104から生じる電圧(例:750V)を直流電源1101の電圧(例:280V)に降圧して電力の回生動作を行うことができる。
図10は、図9の昇降圧コンバータの詳細構成を示すブロック図である。
図10において、昇降圧コンバータ1102には、エネルギーの蓄積を行うリアクトルL、電荷の蓄積を行うコンデンサC、インバータ1103に流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子SW1、SW2、スイッチング素子SW1、SW2の導通および非導通を指示する制御信号をそれぞれ生成する制御回路1111、1112が設けられている。
そして、スイッチング素子SW1、SW2は直列に接続されるとともに、スイッチング素子SW1、SW2の接続点には、リアクトルLを介して直流電源1101が接続されている。ここで、スイッチング素子SW1には、制御回路1111からの制御信号に従ってスイッチング動作を行うIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)1105が設けられ、IGBT1105に流れる電流と逆方向に電流を流すフライホイールダイオードD1がIGBT1105に逆並列に接続されている。
また、スイッチング素子SW2には、制御回路1112からの制御信号に従ってスイッチング動作を行うIGBT1106が設けられ、IGBT1106に流れる電流と逆方向に電流を流すフライホイールダイオードD2がIGBT1106に逆並列に接続されている。そして、IGBT1106のコレクタは、コンデンサCおよびインバータ1103の双方に接続されている。
図11は、昇圧動作時に図10のリアクトルLに流れる電流の波形を示す図である。
図11において、昇圧動作では、スイッチング素子SW1のIGBT1105がオン(導通)すると、IGBT1105を介してリアクトルLに電流Iが流れ、LI/2のエネルギーがリアクトルLに蓄積される。
次に、スイッチング素子SW1のIGBT1105がオフ(非導通)すると、スイッチング素子SW2のフライホイールダイオードD2に電流が流れ、リアクトルLに蓄えられたエネルギーがコンデンサCに送られる。
一方、降圧動作では、スイッチング素子SW2のIGBT1106がオン(導通)すると、IGBT1106を介してリアクトルLに電流Iが流れ、LI/2のエネルギーがリアクトルLに蓄積される。
次に、スイッチング素子SW2のIGBT1106がオフ(非導通)すると、スイッチング素子SW1のフライホイールダイオードD1に電流が流れ、リアクトルLに蓄えられたエネルギーが直流電源1101へ回生される。
ここで、フライホイールダイオードD2(昇圧動作の場合)またはスイッチング素子SW2のIGBT1106(降圧動作の場合)のオン時比率(ON Duty)を変更することで、昇降圧の電圧を調整することが可能であり、概略の電圧値は以下の(1)式にて求めることができる。
/V=ON Duty(%) (1)
ただし、Vは直流電源1101の電圧、VはコンデンサCの電圧、ON DutyはフライホイールダイオードD2(昇圧動作の場合)またはスイッチング素子SW2(降圧動作の場合)のスイッチング周期に対する導通期間の割合である。
ここで、実際には負荷の変動、電源電圧Vの変動などがあるので、電圧V,Vを監視し、昇降圧された電圧が目標値となるように、オン時比率(ON Duty)の制御が行われている。
図12は、昇降圧コンバータ用のインテリジェントパワーモジュール(IPM:Intelligent Power Module)を示すブロック図である。
図12において、IPM2100は、下アームのスイッチング部2101と、上アームのスイッチング部2102と、両スイッチング部2101、2102を制御する制御回路2103とで構成されている。なお、両スイッチング部2101、2102は制御回路2103から電気的に分離されている。
スイッチング部2101および2102の夫々は、スイッチング素子SW11およびSW12を有する。これらスイッチング素子SW11およびSW12の夫々は、IGBT2111および2112と、これらIGBT2111および2112と逆並列に接続されたフライホイールダイオードD11およびD12とを有する。
各IGBT2111および2112のゲートには、ゲートドライバ2113および2114が接続されている。これらゲートドライバ2113および2114には、制御回路2103からフォトカプラ2115および2116を介してゲート制御信号が入力されていると共に、IGBT2111および2112の過電流および過熱を抑制するIGBT保護回路2117および2118からの保護信号が入力されている。
また、上アームのスイッチング部2102のIGBT2112から出力されるコンバータ出力電圧Vが出力電圧検出回路2119に供給される。この出力電圧検出回路2119では、分圧回路2120で検出した出力電圧をレベル調整回路2121でレベル調整し、このレベル調整回路2121の出力と三角波発生回路2122で生成された三角波信号とが比較器2123に供給されてPWM信号に変換される。比較器2123から出力されるPWM信号はフォトカプラ2124を介して制御回路2103に供給される。
制御回路2103では、外部の演算処理部から入力される昇降圧指令値が入力されると共に、下アームのスイッチング部2101の出力電圧検出回路2119から出力されるPWM信号がこれを平滑化するローパスフィルタ2131を介して入力される電圧比較器2132と、この電圧比較器2132から出力される昇降圧指令値と出力電圧Vとの偏差が入力されるゲート信号発生器2133とを有する。
そして、ゲート信号発生器2133から出力されるゲート制御信号がフォトカプラ2115および2116を介してスイッチング部2101および2102のゲートドライバ2113および2114に出力される。
エミッタ電流を分流してエミッタ電流値を検出するためにIGBT2111および2112にそれぞれ設けられた第2のエミッタ端子2125および2126と接地との間に、分圧抵抗R11,R12およびR21,R22がそれぞれ接続されている。そして、それぞれの分圧抵抗R11,R12およびR21,R22の接続点から出力される過電流検知信号がIGBT保護回路2117および2118に入力され、この過電流検知信号が予め設定した過電流閾値以上であるときにゲートドライバ2113および2114に対してIGBT2111および2112へのゲート電流供給を停止させるゲート電流停止信号を出力する。
また、IGBT保護回路2117および2118は、各スイッチング素子SW11およびSW12と同一チップ内に埋め込まれた温度検出用ダイオード2141および2142の順方向電圧VFを検出してチップ温度を測定する温度測定回路2143および2144をそれぞれ備えている。
これら温度測定回路2143および2144のそれぞれは、図13および図14に示すように、温度検出用ダイオード2141および2142に対して例えば200μAの定電流IFを供給する定電流源2140を有する。このように、温度検出用ダイオード2141および2142に定電流源2140からの定電流IFを供給すると、温度検出用ダイオード2141および2142の順方向電圧VFは、温度に比例した(比例定数は負)電圧値(チップ温度が150℃ではVF=1.5V、15℃ではVF=2.1V)として得られる。実際には、順方向電圧VFの変化量600mVが温度信号のフルスパンとなる。
また、温度測定回路2143および2144は、パルス幅変調(PWM)信号を生成するための発振器となる三角波発生回路2145を有し、この三角波発生回路2145から出力される三角波信号は、予め設定された下限値と上限値との間を交互に上昇および下降を繰り返すように生成される。
そして、温度測定回路2143および2144は、前述した温度検出用ダイオード2141および2142の順方向電圧VFを、図14に示すように、バッファ回路2146でインピーダンス変換した後、レベル変換回路2147に供給し、レベル変換回路2147からレベル調整された電圧Vlevを出力する。レベル変換回路2147において、三角波発生回路2145から出力される三角波信号Vtriの上限値と高温側(例えば200℃)の上側順方向電圧VFに対する電圧Vlevとを合致させ、且つ三角波信号の下限値と低温側(例えば−50℃)の下側樹方向電圧VFに対する電圧Vlevとを合致させるように、順方向電圧VFのレベル変換を行なう。なお、この変換は線形変換である。
また、レベル変換回路2147でレベル調整された出力電圧Vlevおよび三角波発生回路2145から出力される三角波信号Vtriがコンパレータ2148に入力されている。このコンパレータ2148は、出力電圧Vlevおよび三角波信号Vtriを比較して、Vlev<Vtriであるときには高レベルとなり、Vlev≧Vtriであるときに低レベルとなるPWM信号を出力する。このコンパレータ2148のPWM信号のデューティ比は電圧Vlevに比例する。
前述のように電圧Vlevは温度検出用ダイオード2141および2142の順方向電圧VFを線形変換して得ているので、デューティ比は前述した温度検出用ダイオード2141および2142の順方向電圧VFにも比例する。例えばデューティ比0%は低温(例えば+15℃)側順方向電圧VFとし、デューティ比100%は高温(例えば200℃)側順方向電圧VFとして、次段のフォトカプラ2149によるPWM信号の絶縁伝送回路を介して上アームおよび下アームのスイッチング部2101および2102から、制御回路2103側に設けられているPWM−アナログ変換器2151に温度検出用のPWM信号として伝送される。
このPWM−アナログ変換器2151によって、PWM信号をアナログ信号に変換してIGBTチップ温度に比例したIGBTチップ温度電圧信号Voutを得ることができる。このIGBTチップ温度信号は、IPM2100の上位システムに伝達され、当該上位システムで、常に、IGBTチップの温度を検出しながら、例えばIGBTチップ温度が予め設定された第1の所定温度T1を超えるとスイッチング周波数を通常スイッチング周波数の1/2に制限し、さらにIGBTチップ温度が第1の所定温度T1より高い第2の所定温度T2を超えるとスイッチング素子SW11およびSW12によるスイッチング動作(昇降圧動作)を停止する保護機能を働かせる。
この保護機能の作動は、車両の駆動に影響を与えるので、温度測定回路2143および2144でIGBTチップの温度は正確に測定されなければならない。
このため、温度測定回路2143および2144で、温度検出部となる定電流源、温度検出用ダイオードを含む回路でワイヤボンディングの断線、半田不良による断線、温度検出用ダイオードの内部断線や内部短絡が生じることによる温度測定異常が発生した場合には、温度測定が正確に行われなくなる。
したがって、温度測定回路2143および2144での異常検出を行うことが重要となる。
このような温度測定回路の異常を検出する従来例としては、例えば、サーミスタにより温度を検出する場合に、サーミスタに直列に一対の抵抗とサーミスタとにより分圧回路を構成し、抵抗とサーミスタとの接続点を負極入力端子に所定分圧電圧が形成された異常高温検出用比較器の正極入力端子に接続し、また、一対の抵抗間の接続点を断線検知専用のpnpトランジスタのベースに接続してpnpトランジスタのバイアス回路を構成し、pnpトランジスタのコレクタを比較器の出力側に接続し、サーミスタに断線が生じると、断線検知専用のトランジスタがオフ状態となり、サーミスタに異常な高温が印加されると、異常高温検出用比較器の出力状態が反転し、いずれにしても比較器の出力側が低レベルとなって異常検出を行うようにした温度検出装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、IGBTの温度を検出する定電流源からの定電流が供給されたダイオードと並列に一対の分圧抵抗を接続し、ダイオードと定電流源の接続点を比較器の正極入力端子に接続し、分圧抵抗の接続点にNチャンネルMOSFETのゲートを接続し、このMOSFETを比較器の出力側とダイオードのカソード側との間に接続することにより、ダイオードの温度上昇に伴う順方向電圧の低下によって、比較器の出力が低レベルとなり、ダイオードにオープン異常が発生したときに、分圧抵抗の電流が増加することにより、MOSFETがオン状態となって、比較器の出力が低レベルとなり、温度異常とダイオードのオープン異常とを検出するようにした温度検出装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2008−5217号公報 特開平10−62265号公報 2006−349466号公報
しかしながら、上記特許文献2および3に記載された従来例にあっては、サーミスタの断線やダイオードのオープン故障などの温度検出素子のオープン故障による異常を検出することはできるが、温度検出素子の短絡異常を検出することはできず、短絡異常を検出ためには、別途専用の短絡異常検出回路を設ける必要があり、部品点数が増加するとともに、装置が大形化するという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、パワー半導体装置における温度検出部の断線異常および短絡異常を同時に検出することが可能なパワー半導体装置の温度測定装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明の一形態によるパワー半導体装置の温度測定装置は、シリコンチップにパワースイッチング素子と温度検出用ダイオードとを設けたパワー半導体装置における前記パワースイッチング素子のチップ温度を検出するチップ温度検出回路を備えたパワー半導体装置の温度測定装置であって、前記チップ温度検出回路は、
前記温度検出用ダイオードに定電流を供給する定電流源と、前記温度検出用ダイオードの順方向電圧を入力信号としてパルス幅変調信号を出力するパルス幅変調回路とを少なくとも備え、前記パルス幅変調回路は、三角波発生回路と、該三角波発生回路から出力される三角波信号と前記入力信号とを比較して前記パルス幅変調信号を出力する比較器とを備え、前記三角波発生回路は、出力する三角波信号の上限値および下限値を、前記パワースイッチング素子の温度測定範囲における定電流を供給した時の前記温度検出用ダイオードの順方向電圧の範囲外に設定したことを特徴としている。
また、本発明の他の形態によるパワー半導体装置の温度測定装置は、前記三角波信号の上限値および下限値を、前記パワースイッチング素子の温度測定範囲における定電流を供給した時の前記温度検出用ダイオードの順方向電圧の範囲に対して、±10%〜±20%の範囲で外側となるように設定したことを特徴としている。
さらに、本発明の他の形態によるパワー半導体装置の温度測定装置は、前記比較器に入力される前記入力信号が、前記三角波発生回路から出力される三角波信号の上限値および下限値より逸脱した時に、前記チップ温度検出回路に異常が生じたものと判定する異常検出回路を備えたことを特徴としている。
さらにまた、本発明の他の形態によるパワー半導体装置の温度測定装置は、前記異常検出回路は、前記比較器に入力される前記入力信号が前記三角波発生回路から出力される三角波信号の下限値より低下した時に、前記定電流源の端子接触不良および前記温度検出用ダイオード内での短絡異常の何れかが発生したものと判定し、前記三角波信号の上限値を超過した時に、前記温度検出用ダイオードのワイヤボンディングの断線および当該温度検出用ダイオード内での断線の何れかが発生したものと判定することを特徴としている。
本発明によれば、シリコンチップにパワー素子と温度検出用ダイオードとを設けたパワー半導体装置の温度を検出するために、温度検出用ダイオードの端子電圧が一方の入力端子に入力される比較器の他方の入力端子に三角波発生回路から出力される三角波信号を供給することにより、パルス幅変調(PWM)信号を形成する際に、三角波信号の上限値および下限値を温度検出用ダイオードの温度測定範囲における順方向電圧の範囲外に設定するようにしたので、パルス幅変調信号のデューティ比に基づいて温度検出用ダイオードを含むチップ温度検出回路の断線異常および短絡異常の双方を検出することができるという効果が得られる。
本発明の第1の実施形態に係る昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの構成を示すブロック図である。 温度検出用ダイオードの順方向電圧とシリコンチップ温度との関係を示すシリコンチップ温度算出マップの内容を示す特性線図である。 温度測定回路の具体的構成を示す回路図である。 三角波信号の上限値および下限値と温度測定範囲電圧との関係を示す説明図である。 温度検出用ダイオードへの定電流供給経路を示す説明図である。 温度検出用ダイオードへの定電流供給経路の異常を示す説明図である。 パルス幅変調信号のデューティ比と温度測定範囲および異常検出範囲との関係を示す説明図である。 温度測定回路の出力電圧と温度測定範囲および異常検出範囲との関係を示す説明図である。 従来の昇降圧コンバータを用いた車両駆動システムの概略構成を示すブロック図である。 図9の昇降圧コンバータの概略構成を示すブロック図である。 昇圧動作時に図4のリアクトルに流れる電流の波形を示す図である。 従来の昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールを示す概略構成を示すブロック図である。 従来の温度検出用ダイオードを示す図であって、(a)は温度検出用ダイオードの回路図、(b)は温度検出用ダイオードの温度と順方向降下電圧との関係を示す特性図である。 温度測定回路を示す回路図である。
以下、本発明の実施形態に係る信号伝送回路について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る信号伝送回路が適用される昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュール(IPM:Inteligent Power Module)の概略構成を示すブロック図である。
図1において、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールは、負荷へ流入する電流を制御する上アーム1および下アーム2を備えている。これら上アーム1および下アーム2には、負荷へ流入する電流を通電および遮断するパワースイッチング素子SWU、SWDを有する。これらパワースイッチング素子SWU、SWDの導通および非導通を指示する制御信号がそれぞれ制御回路3で生成される。ここで、制御回路3は、CPUまたは論理IC、あるいは論理ICとCPUが搭載されたシステムLSIなどで構成することができる。
また、上アーム1、下アーム2のパワースイッチング素子SWU、SWDは直列に接続されている。そして、パワースイッチング素子SWUには、ゲート信号SU4に基づいてスイッチング動作を行うIGBT5が設けられ、IGBT5に流れる電流と逆方向に電流を流すフライホイールダイオードDU1がIGBT5に並列に接続されている。また、IGBT5が形成されたシリコンチップには、チップの温度変化に対応する順方向電圧が得られる温度検出用ダイオードDU2が設けられているとともに、エミッタ電流を分流してエミッタ電流値を検出するためにIGBT5に設けられた第2のエミッタ端子に接続された抵抗RU1、RU2により過電流を検出する過電流検出部11が設けられている。
また、パワースイッチング素子SWDには、ゲート信号SD4に従ってスイッチング動作を行うIGBT6が設けられ、IGBT6に流れる電流と逆方向に電流を流すフライホイールダイオードDD1がIGBT6に並列に接続されている。また、IGBT6が形成されたシリコンチップには、チップの温度変化に対応する順方向電圧が得られる温度検出用ダイオードDD2が設けられているとともに、エミッタ電流を分流してエミッタ電流値を検出するためにIGBT6に設けられた第2のエミッタ端子に接続された抵抗RD1、RD2により過電流を検出する過電流検出部12が設けられている。
温度検出用ダイオードDU2およびDD2は、図2に示すように、ダイオード1個では温度変化による順方向電圧がおおよそ0.5V〜0.7Vと低くて取り扱いにくいため、3個のダイオードを直列接続する構成を採用して温度変化による順方向電圧をチップ温度200℃で1.38V、−50℃で2.43Vとなるように設定してある。
そして、上アーム1側には、IGBT5の制御端子を駆動するためのゲート信号SU4を生成するゲートドライバIC7が設けられるとともに、内蔵する定電流源から温度検出用ダイオードDU2に例えば200μAの定電流を供給し、このときの温度検出用ダイオードDU2の順方向電圧VFでなる過熱検知信号SU6を監視する温度測定回路13が設けられ、且つ過電流検出部11からの過電流検知信号SU5を監視してIGBT保護信号を生成し、IGBT保護信号をゲートドライバIC7に供給するIGBT保護回路9が設けられている。
また、下アーム2側には、IGBT6の制御端子を駆動するためのゲート信号SD4を生成するゲートドライバIC8が設けられるとともに、内蔵する定電流源から温度検出用ダイオードDD2に例えば200μAの定電流を供給し、このときの温度検出用ダイオードDD2の順方向電圧VFでなる過熱検知信号SD6を監視する温度測定回路14が設けられ、且つ過電流検出部12からの過電流検知信号SD5を監視してIGBT保護信号を生成し、IGBT保護信号をゲートドライバIC8に供給する温度測定部を含むIGBT保護回路10が設けられている。
そして、IGBT保護回路9および10は、過電流検知信号SD5,SU5の電流値が予め設定した所定電流値Iovを超えた場合に、ゲート信号の出力を停止するIGBT保護信号をゲートドライバIC7および8に出力する。
温度測定回路13および14は、共に同じ回路構成を有し、両者を代表して温度測定回路13の構成を説明すると、図3に示すように構成されている。すなわち、定電流源70から定電流IFを温度検出用ダイオードDU2に供給したときの温度検出用ダイオードDU2の順方向電圧VFを、バッファアンプIC1でインピーダンス変換した後、レベル変換器77に供給し、レベル変換器77からレベル調整された電圧Vlevを出力する。
このレベル変換器77は、オペアンプIC2を有し、このオペアンプIC2の反転入力端子にバッファアンプIC1の出力が抵抗R14を介して入力されている。また、オペアンプIC2の非反転入力端子には、直流電源Vcc1を抵抗R11およびR12で分圧した電位Vcc11が入力されている。さらに、直流電源Vcc1が抵抗R13を介してオペアンプIC2の反転入力端子および抵抗R14との間に供給され、オペアンプIC2の反転入力端子と出力端子との間に抵抗R15が接続されている。
このレベル変換器77の出力電圧Vlevは、下記(1)式で表わされる。
Figure 0005360019
なお、このレベル変換は線形変換である。
また、温度測定回路13は、パルス幅変調回路76を備えている。このパルス幅変調回路76は、三角波信号Vtriを発生する三角波発生回路78とコンパレータIC5とを備えている。
三角波発生回路78は、コンパレータIC3とこのコンパレータIC3の出力が入力される積分器を構成するオペアンプIC4とを備えている。コンパレータIC3の反転入力側には、直流電源Vcc1を抵抗R21およびR22で分圧した電位Vcc12が入力され、非反転入力側にはオペアンプIC4の出力端子が抵抗R26を介して接続され、さらに、コンパレータIC3の非反転入力端子および出力端子間に抵抗R25が接続されている。
また、コンパレータIC3の出力端子には、直流電源Vcc1が抵抗R23を介して接続され、さらにコンパレータIC3の出力端子が抵抗R24を介してオペアンプIC4の反転入力端子に接続されている。
オペアンプIC4の反転入力端子および出力端子間には積分用コンデンサC11が接続されている。
上記構成を有する三角波発生回路78から出力される三角波信号Vtriの上限値Vsuおよび下限値Vsdは下記(2)式および(3)式で表される。
Figure 0005360019
Figure 0005360019
但し、Vic3LOWは、コンパレータIC3の「L」レベル出力である。また、「//」はその前後に示す抵抗等を並列接続した際の合成値を簡易表記したものであり、例えば(3)式の「R24//R25」は抵抗R24と抵抗R25とを並列接続した時の合成抵抗値を示す。以下においても同様である。
ここで、三角波発生回路78の上限値Vsuおよび下限値Vsdで設定される三角波振幅範囲と、温度検出用ダイオードDU2およびDD2から出力される温度測定範囲の上側電圧Vと下側電圧Vとの関係が図4に示すように設定されている。
すなわち、温度検出用ダイオードDU2およびDD2から出力される順方向電圧VFの電圧範囲は、図2について前述したように、チップ温度は高温側の200℃でVF=1.38Vとなり、低温側の−50℃でVF=2.43Vとなる。そして、三角波信号Vtriの上限値Vsuおよび下限値Vsdは、温度検出用ダイオードDU2の上側順方向電圧VFから下側順方向電圧VFを減算した差電圧ΔVF(VF−VF=1.05)の例えば10%の値0.105Vを異常検出範囲として設定し、上側順方向電圧VFに値0.105Vを加算して上限値Vsu(2.535V)を設定し、下側順方向電圧VFから値0.105Vを減算して下限値Vsd(1.275V)を設定している。
このため、三角波信号Vtriの下限値1.275V〜1.38Vの範囲が温度検出部の異常検出範囲となり、1.38V〜2.43Vの範囲が温度検出用ダイオードDU2およびDD2の温度測定範囲となり、2.43V〜2.535Vの範囲が温度検出部の異常検出範囲となる。
ここで、温度検出用ダイオードDU2およびDD2に対する定電流源70からの電流供給経路で、異常が発生する箇所としては、図5に示すように、回路素子と電気的接続媒体とに分けることができ、回路素子としては定電流源の出力、回路パターン、端子ケース埋設の電極リード、温度検出用ダイオードのアノード電極、温度検出用ダイオードのカソード電極、端子ケース埋設の電極リード、回路パターン、定電流源のグランド(GND)となる。
一方、電気的接続媒体としては、定電流源と回路パターンとの間が半田、回路パターンと端子ケース埋設の電極リードとの間が半田、端子ケース埋設の電極リードと温度検出用ダイオードのアノード電極との間がワイヤボンディング、温度検出用ダイオードのアノード電極と端子ケース埋設の電極リードとの間がワイヤボンディング、端子ケース埋設の電極リードと回路パターンとの間が半田、回路パターンと定電流源のグランド(GND)との間が半田となっている。
温度検出用ダイオードDU2およびDD2の電流供給経路が上記のように構成されているので、この電流供給経路が正常である場合には、チップ温度によって温度検出用ダイオードDU2およびDD2の順方向電圧は前述した1.38V〜2.43Vの範囲となる。
しかしながら、図6(a)〜(c)に示す場合には、温度測定回路13および14のバッファアンプIC1の入力信号レベルが定電流源70の電源電圧レベルとなる。
すなわち、図6(a)に示すように、定源流源70とバッファアンプIC1の非反転入力端子との間の接続点と温度検出用ダイオードDU2またはDD2との間を接続するワイヤボンディングの断線、図6(b)に示すように、温度検出用ダイオードDU2またはDD2とグランドとの間の断線、図6(c)に示すように、温度検出用ダイオードDU2またはDD2のチップ内の断線の場合には、バッファアンプIC1の入力信号レベルが温度測定範囲の上側順方向電圧VFを超える定電流源70の電源電圧レベルとなる。
一方、図6(d)および(e)に示す場合には温度測定回路13および14のバッファアンプIC1の入力信号レベルがグランド(GND)レベルとなる。
すなわち、図6(d)に示すように、定電流源70とバッファアンプIC1の非反転入力端子および温度検出用ダイオードDU2またはDD2の接続点との間の半田不良による断線、図6(e)に示すように、温度検出用ダイオードDU2またはDD2のチップ内の短絡の場合にはバッファアンプIC1の入力信号レベルが温度測定範囲の下側順方向電圧VF未満となるグランド(GND)レベルとなる。
そして、レベル変換器77でレベル調整された出力電圧Vlevおよび三角波発生回路78から出力される三角波信号VtriがコンパレータIC5に入力されている。このコンパレータIC5は、出力電圧Vlevおよび三角波信号Vtriを比較して、Vlev<Vtriであるときには高レベルとなり、Vlev≧Vtriであるときに低レベルとなるPWM信号を出力する。
したがって、温度検出用ダイオードDU2およびDD2に対する定電流供給経路が正常である場合には、図7に示すように、コンパレータIC5からチップ温度に応じた8.3%〜91.7%の範囲のデューティ比となるPWM信号が出力される。
ところが、前述した図6(a)〜(c)に示す断線状態が生じた場合には、バッファアンプIC1の入力信号が定電流源の電源電圧レベルとなるので、コンパレータIC5から出力されるデューティ比は図7に示すように91.7%を超える異常検出範囲となる。
逆に、図6(d)および(e)に示す定電流源70と端子ケース埋設の電極リードとの間の半田不良による断線および温度検出用ダイオードDU2またはDD2のチップ内の短絡が生じた場合には、バッファアンプIC1の入力信号がグランドレベルとなるので、コンパレータIC5から出力されるデューティ比は図7に示すように8.3%未満となる異常検出範囲となる。
このコンパレータIC5から出力されるPWM信号は、次段のフォトカプラ90によるPWM信号の絶縁伝送回路を介して上アーム1および下アーム2から、制御回路3側に設けられているPWM−アナログ変換回路91に温度検出用のPWM信号として伝送される。
このPWM−アナログ変換回路91では、フォトカプラ90から入力されるPWM信号を2値信号に変換する2値化回路92に供給し、この2値化回路92でデューティ比が0%では電圧V1、デューティ比が100%では電圧V2となる2値信号を生成し、この2値信号をバッファ回路93でインピーダンス変換した後に、ローパスフィルタ回路94で平滑化して直流レベルに変換することにより、IGBTチップ温度に比例したIGBTチップ温度信号Voutを得ることができる。
ここで、ローパスフィルタ回路94から出力される温度電圧信号VoutとコンパレータIC5から出力されるPWM信号との関係は下記(4)式で表すことができる。
Figure 0005360019
ただし、Vceは2値化回路92のトランジスタTR61の飽和状態におけるコレクタ・エミッタ間の電圧であり、概ね0.15Vである。
ここで、2値化回路92の直流電源Vcc2の電圧を5Vとすると、この2値化回路92からトランジスタTR61がオンした場合は0.5Vが、トランジスタTR61がオフした場合には4.5Vが出力される。
このため、ローパスフィルタ回路94の出力電圧Voutは0.5V〜4.5Vの範囲の値となる。このローパスフィルタ回路94の出力範囲を0.5V〜4.5Vとする理由は、出力信号線の断線、グランド(GND)・電源との短絡などの異常検知するためである。
すなわち、ローパスフィルタ回路94の出力電圧Voutと温度検出用ダイオードDU2およびDD2の温度測定範囲との関係は、図8に示すようになる。出力電圧Voutが0V〜0.5Vの範囲では出力信号線の断線異常の検出範囲となり、0.5V〜0.832Vの範囲で定電流供給経路の異常検出範囲となり、0.832V〜4.168Vの範囲が温度検出用ダイオードDU2およびDD2による温度測定範囲となり、4.168V〜4.5Vの範囲が定電流供給経路の異常検出範囲となり、4.5V〜5Vの範囲が出力信号線の短絡異常検出範囲となる。
そして、ローパスフィルタ回路94から出力されるIGBTチップ温度信号Voutは、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの上位システムに伝達され、当該上位システムで、常に、IGBTチップの温度を検出しながら、例えばIGBTチップ温度が予め設定された第1の所定温度T1を超えるとスイッチング周波数を通常スイッチング周波数の1/2に制限し、さらにIGBTチップ温度が第1の所定温度T1より高い第2の所定温度T2を超えるとスイッチング素子SWUおよびSWDによるスイッチング動作(昇降圧動作)を停止する保護機能を働かせる。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
全体的な動作としては、外部の上位システムから制御指令値が制御回路3のゲート信号発生器21に入力されると、このゲート信号発生器21で、入力された制御指令値と上アーム1および下アーム2のIGBT5および6を制御したときの出力電圧Vとを比較し、制御指令値に出力電圧Vが一致するようにIGBT5および6に対するゲート制御信号を生成し、生成したゲート制御信号をそれぞれフォトカプラ22および23を介して上アーム1および下アーム2のゲートドライバIC7および8に出力する。
これにより、ゲートドライバIC7および8からゲート信号SU4およびSD4がIGBT5および6のゲートに出力されて、IGBT5および6のゲートが駆動されることにより、出力電圧Vが制御指令値に一致するようにスイッチング動作される。
このとき、温度検出用ダイオードDU2およびDD2への定電流供給経路が正常である場合には、前述したように、温度検出用ダイオードDU2およびDD2の順方向電圧VFが図4に示すように測定可能なチップ温度−50℃〜+200℃に対応する2.43V〜1.38Vの範囲となっている。
このため、温度測定回路13および14のコンパレータIC5から出力されるPWM信号のオンデューティ比が、図5に示すように、91.7%〜8.3%の範囲となっており、このPWM信号がフォトカプラ90を介してPWM−アナログ変換回路91に供給される。このPWM−アナログ変換回路91では2値化回路92でPWM信号を例えば0.5Vの電圧V1および例えば4.5Vの電圧V2に2値化し、この2値化信号をバッファ回路93でインピーダンス変換してからローパスフィルタ回路94で積分してIGBT温度電圧信号Voutを得ることができる。
このときのIGBT温度電圧信号Voutは、図7に示すように、4.168V〜0.832Vの範囲となり、チップ温度に対応した出力電圧となる。
このIGBT温度電圧信号Voutは、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの上位システムに伝達され、当該上位システムで、常に、IGBTチップの温度を検出しながら、例えばIGBTチップ温度が予め設定された第1の所定温度T1を超えるとスイッチング周波数を通常スイッチング周波数の1/2に制限し、さらにIGBTチップ温度が第1の所定温度T1より高い第2の所定温度T2を超えるとスイッチング素子SWUおよびSWDによるスイッチング動作(昇降圧動作)を停止する保護機能を働かせる。
この温度検出用ダイオードDU2およびDD2への定電流供給経路が正常な状態から、例えば、前述した図6(a)〜(c)に示す端子ケース埋設電極リードと温度検出用ダイオードのアノード電極との間のワイヤボンディングの断線、温度検出用ダイオードのカソード電極と端子ケース埋設の電極リードとの間のワイヤボンディングの断線、温度検出用ダイオードのチップ内の断線が発生した場合には、定電流源70の電源電圧がそのまま温度測定回路13および14のバッファアンプIC1の入力信号レベルとなる。このため、レベル変換器77から出力される出力電圧Vlevが図4に示す2.43Vを超過することになり、コンパレータIC5から出力されるPWM信号のオンデューティ比が図7に示す91.7%を超える状態となる。
このPWM信号がフォトカプラ90を介してPWM−アナログ変換回路91に供給されるので、ローパスフィルタ回路94から出力されるIGBT温度電圧信号Voutが図8に示すように4.18V〜4.5Vの範囲となり、このIGBT温度電圧信号Voutが昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの上位システムに伝達される。このため上位システムで、IGBT温度電圧信号Voutが温度検出部の異常検出範囲であることを認識し、温度検出用ダイオードDU2またはDD2の定電流検出経路に断線異常が発生していることを検出することができる。
逆に、温度検出用ダイオードDU2またはDD2の定電流供給経路に、図6(d)または(e)に示す定電流源の出力と回路パターンとの間の半田不良による断線または温度検出用ダイオードのチップ内断線が生じた場合には、温度測定回路13または14のバッファアンプIC1の入力電圧レベルがグランド(GND)レベルとなる。
このため、コンパレータIC5から出力されるPWM信号のオンデューティ比が図7に示すように8.3%未満となり、温度検出部の異常検出範囲となる。
このPWM信号がフォトカプラ90を介してPWM−アナログ変換回路91に供給されることにより、2値化回路92で0.5Vに近い2値化出力が出力される。この2値化出力がバッファ回路93でインピーダンス変換されてローパスフィルタ回路94で積分されることにより、このローパスフィルタ回路94から図8に示す温度検出部異常検出範囲0.5V〜0.832VのIGBTチップ温度電圧信号Voutが出力される。このIGBT温度電圧信号Voutが昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの上位システムに伝達される。このため上位システムで、IGBT温度電圧信号Voutが温度検出部の異常検出範囲であることを認識し、温度検出用ダイオードDU2またはDD2の定電流検出経路に定電流源70側の断線異常または温度検出用ダイオードのチップ内の短絡異常が発生していることを検出することができる。
さらに、温度検出用ダイオードDU2およびDD2の定電流供給経路が正常である状態で、PWM−アナログ変換回路91のローパスフィルタ回路94から出力されたIGBT温度電圧信号Voutが昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの上位システムに伝達されたときに、IGBT温度電圧信号Voutが図8に示す4.5V〜5.0Vの出力信号線異常検出範囲であるときには、出力信号線に電源短絡異常が発生しているものと判断することができる。逆に、IGBT温度電圧信号Voutが図8に示す0.5V〜0Vの出力信号線異常検出範囲にあるときには、出力信号線に断線異常が発生しているか温度測定回路13および14自体にIGBTチップ温度電圧信号Voutを出力できない電源電圧供給停止等による異常が発生するものと判断することができる。
このように、上記実施形態によると、温度検出用ダイオードDU2およびDD2の温度測定範囲の下側順方向電圧VFおよび上側順方向電圧VFの測定範囲に対して、パルス幅変調を行うための三角波信号Vtriの下限値Vsdおよび上限値Vsuを、測定範囲外に設定するようにした。
このため、パルス幅変調信号のオンデューティ比が温度測定範囲の上側順方向電圧VFに対応するデューティ比を超えたときに、図6(a)〜(c)の断線異常であると判断することができ、逆にパルス幅変調信号のオンデューティ比が温度測定範囲の下側順方向電圧VFに対応するデューティ比未満に低下したときに、図6(d)または(e)の定電流源70の出力側断線異常または温度検出用ダイオードDU2またはDD2のチップ内の短絡異常であることを検出することができる。これらの異常検出はPWM−アナログ変換回路91で変換したアナログ信号からも異常検出することができる。
さらに、PWM−アナログ変換回路91で、パルス幅変調信号を2値化回路92で2値化する際に、電圧範囲を電源電圧Vcc2およびグランド電位に対してそれぞれ制限した制限範囲に設定することにより、PWM−アナログ変換回路91から出力されたIGBTチップ温度電圧信号Voutに基づいて上位システムとPWM−アナログ変換回路91間の出力信号線の異常や温度測定回路13および14自体の出力異常も検出することができる。
なお、上記実施形態においては、三角波信号Vtriの上限値Vsuおよび下限値Vsdを、パワースイッチング素子としてのIGBTの温度測定範囲における定電流を供給した時の温度検出用ダイオードDU2,DD2の順方向電圧の検出範囲の±10%外側に設定した場合について説明したが、±10%を超えて±20%までの範囲で上限値Vsuおよび下限値Vsdを設定するようにしてもよい。この場合、上限値Vsuおよび下限値Vsdが温度検出用ダイオードDU2,DD2の順方向電圧の検出範囲に対して±20%を超えるときには、使用電圧範囲が広くなって、電力供給源を変更する必要が生じ、また±10%未満とする正常な温度測定範囲と異常検出範囲との判別を正確に行うことが困難となる。
また、上記実施形態においては、上アーム1および下アーム2のパワー素子としてIGBT5および6を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、IGBT5および6に代えてMOSFETを適用することもできる。この場合には、温度検出用ダイオードDD2およびDU2のアノード領域とMOSFETのソース領域もしくはドレイン領域のうち低電位側の領域を、常に高い電圧での逆バイアス状態とすることができ、MOSFET側からの温度検出用ダイオードDD2およびDU2のアノード領域への漏れ込みを確実に抑制して、シリコンチップ温度Tcを高精度で検出することができる。
また、上記実施形態においては、上アーム1および下アーム2と制御回路3との間の絶縁をフォトカプラで行なう場合について説明したが、これに限定されるものではなく、空芯型絶縁トランス等の絶縁機器を適用することができる。
さらに、上記実施形態においては、温度測定回路13,14からIGBTチップ温度電圧信号Voutを上位システムに出力する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、温度測定回路13,14を例えばマイクロコンピュータ等の演算処理装置を含んで構成し、温度検出処理および異常検出処理を行なわすようにしてもよい。
1…上アーム、2…下アーム、3…制御回路、5,6…IGBT、7,8…ゲートドライバIC、9,10…IGBT保護回路、11,12…過電流検出部、SWU,SWD…パワースイッチング素子、DD2,DU2…温度検出用ダイオード、13,14…温度測定回路、70…定電流源、IC1…バッファアンプ、76…パルス幅変調回路、77…レベル変換器、78…三角波発生回路、IC3…コンパレータ、IC4…オペアンプ、IC5…コンパレータ、90…フォトカプラ、91…PWM−アナログ変換回路、92…2値化回路、93…バッファ回路、94…ローパスフィルタ回路

Claims (4)

  1. シリコンチップにパワースイッチング素子と温度検出用ダイオードとを設けたパワー半導体装置における前記パワースイッチング素子のチップ温度を検出するチップ温度検出回路を備えたパワー半導体装置の温度測定装置であって、
    前記チップ温度検出回路は、
    前記温度検出用ダイオードに定電流を供給する定電流源と、
    前記温度検出用ダイオードの順方向電圧を入力信号としてパルス幅変調信号を出力するパルス幅変調回路とを少なくとも備え、
    前記パルス幅変調回路は、三角波発生回路と、該三角波発生回路から出力される三角波信号と前記入力信号とを比較して前記パルス幅変調信号を出力する比較器とを備え、
    前記三角波発生回路は、出力する三角波信号の上限値および下限値を、前記パワースイッチング素子の温度測定範囲における定電流を供給した時の前記温度検出用ダイオードの順方向電圧の範囲外に設定したことを特徴とするパワー半導体装置の温度測定装置。
  2. 前記三角波信号の上限値および下限値を、前記パワースイッチング素子の温度測定範囲における定電流を供給した時の前記温度検出用ダイオードの順方向電圧の範囲に対して、±10%〜±20%の範囲で外側となるように設定したことを特徴とする請求項1に記載のパワー半導体装置の温度測定装置。
  3. 前記比較器に入力される前記入力信号が、前記三角波発生回路から出力される三角波信号の上限値および下限値より逸脱した時に、前記チップ温度検出回路に異常が生じたものと判定する異常検出回路を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のパワー半導体装置の温度測定装置。
  4. 前記異常検出回路は、前記比較器に入力される前記入力信号が前記三角波発生回路から出力される三角波信号の下限値より低下した時に、前記定電流源の端子接触不良および前記温度検出用ダイオード内での短絡異常の何れかが発生したものと判定し、前記三角波信号の上限値を超過した時に、前記温度検出用ダイオードのワイヤボンディングの断線および当該温度検出用ダイオード内での断線の何れかが発生したものと判定することを特徴とする請求項3に記載のパワー半導体装置の温度測定装置。
JP2010186545A 2010-08-23 2010-08-23 パワー半導体装置の温度測定装置 Expired - Fee Related JP5360019B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010186545A JP5360019B2 (ja) 2010-08-23 2010-08-23 パワー半導体装置の温度測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010186545A JP5360019B2 (ja) 2010-08-23 2010-08-23 パワー半導体装置の温度測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012042435A JP2012042435A (ja) 2012-03-01
JP5360019B2 true JP5360019B2 (ja) 2013-12-04

Family

ID=45898919

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010186545A Expired - Fee Related JP5360019B2 (ja) 2010-08-23 2010-08-23 パワー半導体装置の温度測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5360019B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103884445A (zh) * 2014-03-06 2014-06-25 深圳市汇川技术股份有限公司 驱动器功率模块温度检测电路
JP6428547B2 (ja) * 2015-09-25 2018-11-28 株式会社デンソー 温度検出装置
JP6686352B2 (ja) * 2015-09-30 2020-04-22 サンケン電気株式会社 温度検出回路
CN105552848A (zh) * 2016-01-21 2016-05-04 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 过热保护电路及电机控制装置
JP6698388B2 (ja) * 2016-03-14 2020-05-27 ローム株式会社 半導体装置
CN112098817A (zh) * 2020-09-18 2020-12-18 天津兆讯电子技术有限公司 温度自检结构与温度自检方法、安全芯片和电子卡
CN117589323B (zh) * 2024-01-19 2024-03-26 常州通宝光电股份有限公司 一种高压隔离区温度采集电路

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006349466A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Nissan Motor Co Ltd 温度検出装置
JP2008005217A (ja) * 2006-06-22 2008-01-10 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 演算増幅器を用いたアナログ回路
JP4848856B2 (ja) * 2006-06-22 2011-12-28 富士電機株式会社 デジタル・アナログ変換器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012042435A (ja) 2012-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5360019B2 (ja) パワー半導体装置の温度測定装置
KR102294347B1 (ko) 정션 온도 및 전류 감지 기법
US7112935B2 (en) Current sensor using mirror MOSFET and PWM inverter incorporating the same
JP5786571B2 (ja) パワー半導体装置の温度測定装置
JP2010199490A (ja) パワー半導体装置の温度測定装置およびこれを使用したパワー半導体モジュール
US9595889B2 (en) System and method for single-phase and three-phase current determination in power converters and inverters
US10250124B2 (en) Power converter for controlling switching elements during regenerative control of an inverter
CN104247245B (zh) 功率转换装置的控制装置
US9059706B2 (en) Drive circuit for switching element
US8797700B2 (en) Apparatus for detecting temperature of switching elements
JP5974548B2 (ja) 半導体装置
JP6070635B2 (ja) 半導体装置
US20240106347A1 (en) Systems and methods for controlled active discharge for inverter for electric vehicle
JP2008268002A (ja) フォトカプラの寿命予測装置、電力変換装置およびフォトカプラの寿命予測方法
TW201106590A (en) Parallel connected PFC converters
JP5239573B2 (ja) 電源装置
CN103944366A (zh) 电力变换装置
MXPA04005093A (es) Controlador de vehiculo.
RU2632916C1 (ru) Переключающее устройство, устройство преобразования мощности, устройство возбуждения двигателя, нагнетатель воздуха, компрессор, кондиционер воздуха, холодильник и морозильный аппарат
KR102362713B1 (ko) 열 소손 방지 기능을 포함하는 전력 변환 장치
JP2015033149A (ja) 半導体素子の駆動装置及びそれを用いた電力変換装置
CN110710091B (zh) Dc/dc转换器的控制装置
CN113711481A (zh) 驱动电路
JP4507918B2 (ja) 単電源電圧計測回路
US20230261653A1 (en) Drive control circuit for power semiconductor element, power semiconductor module, and power converter

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121015

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130625

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130819

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5360019

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees