JP2008005217A - 演算増幅器を用いたアナログ回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】演算増幅器の出力信号のオフセット及びゲインを調整するための抵抗値を、回路素子の信頼性が低下することなく、精度良く、製造コストを下げることなく容易に調整すること。
【解決手段】オペアンプ73の+入力端子の電位を半分に設定し、オペアンプ73の−入力端子と電源との間、並びに同−入力端子とアースとの間に、それぞれ同数のオフセット調整用抵抗器R13、R13A〜R13C及びR16A〜R16Cを並列接続する。また、オペアンプ73の−入力端子と出力端子との間に、増幅率の分子を決定するための抵抗器として複数の抵抗器R15A〜R15Cを並列接続し、−入力端子とこの端子に接続されるバッファ回路71の出力端子との間に、同増幅率の分母を決定するための抵抗器として複数の抵抗器R14A〜R14Cを並列接続する。それら抵抗器のうち調整で不要となった抵抗器を並列接続から切り離す。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用の電圧コンバータ装置等に組み込まれる演算増幅器を用いたアナログ回路に関し、特に、回路素子のバラツキによる出力信号へのオフセット及びゲインに対する影響を容易に補正することが可能な演算増幅器を用いたアナログ回路に関する。
近年、車両機器においては、高効率化、省エネルギー対策として、図4に示す駆動力を生む電動機11を有する車両駆動システム10では、大別して電源12と、昇降圧コンバータ13と、インバータ14とが含まれている。但し、電動機11は、車両の駆動時には3相のモータであるが、車両の制動時には発電機となる。また、矢印Y1で車両駆動時に流れるエネルギーの方向を示し、矢印Y2で車両制動時に流れるエネルギーの方向を示す。
電源12は、架線からの給電電圧又は直列接続されたバッテリーから構成される。
昇降圧コンバータ13は、車両駆動時には電源12の電圧VL(例:280V)を、モータ11の駆動に適した電圧VH(例:750V)に昇圧し、車両の制動時には発電機となるモータ11から生じる電圧VH(例:750V)を電源回路の電圧VL(例:280V)に降圧して電力の回生動作を行う。
インバータ14は、車両駆動時には昇降圧コンバータ13により昇圧された電圧VHから、3相モータ11の各相に電流を流すように、インバータ14内部のスイッチング素子をON/OFF制御し、このスイッチングの周波数により車両の速度を変化させる。また、車両制動時には、モータ11の各相に生じる電圧に同期してスイッチング素子をON/OFF制御し、いわゆる整流動作を行い、直流電圧に変換して回生を行う。
次に、昇降圧コンバータ13の詳細構成を図5に示し、その説明を行う。昇降圧コンバータ13は、大別してリアクトル16と、コンデンサ17と、2つのスイッチング素子21,22と、これらスイッチング素子21,22を制御する制御回路23a,23bとを備えて構成されている。最近の車両機器の駆動系のスイッチング素子21,22は、図5に示すように、IGBT25(又は26)と、このIGBT25(又は26)のエミッタ・コレクタ間に、並列にダイオード27(又は28)を接続して構成されている。つまり、ダイオード27(又は28)は、IGBT25(又は26)に流れる電流とは逆方向で電流を流すように接続されている。
この昇降圧コンバータ13の昇降圧動作の原理を説明する。また、昇圧時にリアクトル16に流れる電流波形を図6に示す。
最初に、昇圧動作を説明する。図6の時刻t0〜t1間、時刻t2〜t3間、時刻t4〜t5間に示すように、スイッチング素子21のIGBT25がON(導通)すると、リアクトル16に電流Iが流れ、リアクトル16(インダクタンスL)にLI2/2のエネルギーが蓄積される。
一方、時刻t1〜t2間、時刻t3〜t4間、時刻t5以降に示すように、スイッチング素子21のIGBT25がOFF(非導通)すると、スイッチング素子22のダイオード28に電流Iが流れて、リアクトル16に蓄えられたエネルギーがコンデンサ17に送られる。
次に、降圧動作を説明する。スイッチング素子22のIGBT26がON(導通)すると、リアクトル16に電流Iが流れ、リアクトル16にLI2/2のエネルギーが蓄積される。
一方、スイッチング素子22のIGBT26がOFF(非導通)すると、スイッチング素子21のダイオード27に電流が流れて、リアクトル16に蓄えられたエネルギーが電源12へ回生される。
このようにスイッチング素子21又は22のON時間(ONデューティ)を変更する事で、昇降圧の電圧を調整する事が可能であり、概略の値は次式にて求める事が出来る。
L/VH=ONデューティ (%)
L:電源電圧
H:昇圧後の電圧
ONデューティ:スイッチイング素子21又は22のスイッチング周期に対する導通期間の割合。
しかし、実際には負荷の変動、電源電圧の変動などがあるので、昇降圧後の電圧VHを監視し、目標値となるように、スイッチング素子21,22のON時間(ONデューティ)の制御を行う。
図7は、昇降圧コンバータ用IPM30のブロック図である。IPM30は、大きく分けて、上アームのスイッチング部31と、下アームのスイッチング部32と、制御部23とを備えて構成され、高電圧回路側の各スイッチング部31,32と、低電圧回路側の制御部23とは電気的に絶縁が必要であり、このためフォトカプラ34,35,36,37,38や図示せぬパルストランスなどを用いて、信号の授受を行うようになっている。
上アームのスイッチング部31は、上述したスイッチング素子22と同一チップ内に埋め込まれた温度検出用ダイオード40と、IGBT26のエミッタとアース間に直列接続された2つの抵抗器41,42の間と温度検出用ダイオード40のアノード側とに接続されたIGBT保護回路43と、このIGBT保護回路43の出力側とIGBT26のゲート側との間に接続されたゲートドライバ44と、温度検出用ダイオード40のアノード側に接続されたIGBTチップ温度検出部45とを備えて構成されている。
下アームのスイッチング部32は、上述したスイッチング素子21と同一チップ内に埋め込まれた温度検出用ダイオード50と、IGBT25のエミッタとアース間に直列接続された2つの抵抗器51,52同士の間と温度検出用ダイオード50のアノード側とに接続されたIGBT保護回路53と、このIGBT保護回路53の出力側とIGBT25のゲート側との間に接続されたゲートドライバ54と、温度検出用ダイオード50のアノード側に接続されたIGBTチップ温度検出部55と、昇圧後の電圧VHを検出するVH検出回路56とを備えて構成されている。
VH検出回路56は、入力される電圧VHを分圧する分圧回路57と、この分圧回路57で分圧された電圧のレベルを調整するレベル調整回路58と、三角波を生成する三角波生成器59と、その三角波とレベル調整後の電圧を比較し、この比較結果得られる「L」又は「H」レベルの電圧をフォトカプラ38へ出力する比較器60とを備えて構成されている。
制御部23は、フォトカプラ38からの「L」に対応する「0」又は「H」に対応する「1」の信号を平滑化して直流レベルに変換するLPF(Low Pass Filter)62と、このLPF62からの直流レベルと昇降圧指令値とを比較するVH比較器63と、このVH比較器63の比較結果に応じて、昇圧後の電圧VHが昇降圧指令値に応じた所定電圧値となるようにゲート信号をフォトカプラ34,36へ出力するゲート信号発生器64とを備えて構成されている。
このような構成のIPM30において、本発明の対象となる部分は、システムとしてIPM30の稼動状態を制御するために、スイッチング素子22,21と同一チップ内に埋め込まれた温度検出用ダイオード40,50のVF電圧により、IGBT26,25のチップ温度を測定するIGBTチップ温度検出部45,55である。
これらIGBTチップ温度検出部45,55を、上アームのスイッチング部31のIGBTチップ温度検出部45を代表して図8に内部ブロック図を示し、その説明を行う。
IGBTチップ温度検出部45は、高電圧回路側に、温度検出用ダイオード40のアノード側に接続された定電流源70と、定電流源70と温度検出用ダイオード40との間に+入力が接続されたオペアンプによるバッファ回路71と、レベル変換器77と、三角波発生器78と、三角波発生器78及びレベル変換器77の出力側に接続されたオペアンプによるコンパレータ79と、このコンパレータ79の出力側に抵抗器80を介してゲートが接続され、ソースが抵抗器82を介してデジタル・アナログ変換器90のフォトカプラ35に接続されたFET(Field Effect Transistor)81とを備えて構成されている。
レベル変換器77は、バッファ回路71の出力に抵抗器72を介して−入力が接続されたオペアンプ73及び、当該オペアンプ73の入出力の間に接続された抵抗器74、第1の電源Vcc1及びアース間並びにオペアンプ73の+,−入力の間に接続された抵抗器75,76とを備えて構成されている。
デジタル・アナログ変換器90は、フォトカプラ35と、2値化回路91と、バッファ回路92と、LPF回路(低域通過フィルタ)93とを備えて構成されている。
フォトカプラ35は、第1の電源Vcc1とFET81との間に接続されると共に抵抗84が並列接続された発光ダイオード85と、この発光ダイオード85からの発光光を受光する受光ダイオード87とを備え、受光ダイオード87が、トランジスタ88のベースと第2の電源Vcc2との間に接続され、また、受光ダイオード87のカソードとトランジスタ88のコレクタとの間に抵抗器89が接続されて構成されている。
このフォトカプラ35のトランジスタ88のエミッタに2値化回路91が接続され、この2値化回路91の出力側に+入力が接続されると共に−入力と出力とが接続されたオペアンプによるバッファ回路92が接続され、このバッファ回路92の出力にLPF回路93が接続されている。
このようなIGBTチップ温度検出部45によってIGBT26の温度を測定する場合、定電流源70からIGBT26と同一チップ内に埋め込まれた温度検出用ダイオード40に定電流を供給する。これによって、温度検出用ダイオード40の両電圧VF(VF電圧信号とも称す)が、図9に示すように温度に比例した電圧値となる。即ち、温度検出用ダイオード40のチップ温度が165℃ではVF=1.5V、25℃ではVF=2.0Vとして得られ、実際にはVFの変化量500mVが温度信号のフルスパンとなる。
図10は、上記のバッファ回路71と、レベル変換器77と、三角波発生器78と、コンパレータ79とを有して成るVF/PWM変換回路100の詳細を示す。
三角波発生器78は、コンパレータ101及びオペアンプ102と、これら101,102の−,+入力端子と出力端子並びに電源Vcc1及びアースとの間に図示のように接続された抵抗器R21,R22、R23,R24,R25,R26と、コンデンサC11とを備えて構成されている。図8と同じ構成については同じ符号を用いて説明する。
三角波発生器78からは三角波信号が所定の上限値と下限値との間で発生されている。
温度検出用ダイオード40の両電圧VFは、バッファ回路71でインピーダンス変換された後、レベル変換器77にて、三角波信号の上限値と高温(例:165℃)側VFとが合致、三角波信号の下限値と低温(例:25℃)側VFとが合致するように、増幅及びレベルの加減算が行われる。
つまり、レベル変換器77は、三角波信号の上限と下限との幅のレベル(振幅)に、VF電圧信号の幅のレベルが一致するようにVF電圧信号の幅を拡大する(ゲインの調整)と共に、この拡大したVF電圧信号のレベルの上下が三角波の上限と下限の位置に一致させる(オフセットの調整)。ゲインとオフセットの調整は次のように行う。
図10において、抵抗R11,R12にて電源Vcc1の電圧を分圧してオペアンプ73の+入力とし、電源Vcc1とオペアンプ73の−入力との間に接続した抵抗R13によってオフセット量を決定する。また、バッファ回路71の出力とオペアンプ73の−入力との間に接続された抵抗R14とオペアンプ73の−入力と出力との間に接続された抵抗R15とによってオペアンプ73のゲインを決定する。
このレベル合わせを行った後、後段のコンパレータ79にてレベル変換器77の出力電圧Vlevと、三角波発生器の出力電圧Vtriとを比較し、Vlev>Vtriの場合はコンパレータ79の出力を「L」、Vlev<Vtriの場合は「H」とする。
この動作によって生成されるコンパレータ79の出力パルスのデューティは、VF電圧信号に比例する。例えばデューティ0%は低温(例:25℃)側VF、100%は高温(例:165℃)側VFとして、次段のフォトカプラ35によるPWM信号の絶縁伝送回路を介して、上及び下アームのスイッチング部31,32から制御部23の2値化回路91へPWM信号として伝送される。
このPWM信号は、2値化回路91において、当該PWM信号のデューティが0%ではV1、100%ではV2なる電圧(2値化信号V1/V2)が形成されて出力される。この2値化信号V1/V2をバッファ回路92でインピーダンス変換した後、LPF回路93にて平滑化して直流レベルに変換すると、温度検出用ダイオード40の両端電圧VFに相当する各アームと絶縁された出力電圧(IGBTチップ温度電圧信号)Voutを得る事が出来る。
このようにして得られたIGBTチップ温度に比例した電圧信号Voutは、昇降圧コンバータ13の上位のシステム(図示せず)に伝達され、そのシステムが常にIGBT25,26の温度を検出しながら、例えばIGBTチップ温度が所定の温度T1を超過すると、スイッチング周波数を1/2にし、更に所定の温度T2を超過するとスイッチング(昇降圧動作)を停止する保護機能を働かせる。
この保護機能の作動は車両の駆動に影響を与えるので、IGBT25,26のチップ温度は正確に測定されなければならなず、概ね±5%の精度が要求される。チップ温度の測定の際の誤差要因は大別すると、IGBTチップに埋め込まれた温度検出用ダイオード40,50の両電圧VF値及び温度係数のバラツキと、バッファ回路71、レベル変換器77、三角波発生器78、フォトカプラ(PWM信号の絶縁伝送回路)35、2値化回路91、バッファ回路92及びLPF回路93から成る回路系のバラツキとの2種類となる。
温度検出用ダイオード40,50のVF値のバラツキは、半導体プロセスに起因する要因が主で有るので、全体の許容誤差±5%のうち、例えばその6割である±3%をVF値のバラツキとして見込むと、回路系では±2%の誤差に抑制する必要がある。このため各々の回路では±0.5%の誤差に抑えた性能が求められる。
このため、抵抗素子、定電圧素子、オペアンプ等の回路素子は高精度品を用いる必要があるが、車両の環境温度は−40〜+105℃と広範囲での動作保証、車両用としての高信頼性及びクレームを生じた場合の敏速な対応が求められる点から、国内の大手半導体メーカー等の車載対応ICから選択せざるをえない。
図10に示すVF/PWM変換回路100において、定電流源70(図10には不図示、図8参照)から供給される定電流IFにより、温度検出用ダイオード40に生ずる温度に比例した順方向降下電圧(チップ温度が165℃ではVF=1.5V、25℃ではVF=2.0V)がバッファ回路71でインピーダンス変換され、レベル変換器77に供給される。
レベル変換器77のオペアンプ73の+入力端子には、電源Vcc1の電位を抵抗器R11とR12で分圧した電位Vcc11に固定されているので、オペアンプ73の出力電圧は下式(1)で表される。
Figure 2008005217
一方、三角波発生器78からの三角波信号の上限値Vsuと下限値Vsdは下式(2)及び(3)で表される。なお、コンパレータ101の−入力端子には電源Vcc1を抵抗器R21とR22で分圧された電位Vcc12に固定されている。
Figure 2008005217
Figure 2008005217
但し、V723LOWは、コンパレータ101の「L」レベル出力である。また、「//」はその前後に示す抵抗等を並列接続した際の合成値を簡易表記したものであり、例えば(3)式の「R24//R25」はR24とR25とを並列接続した時の合成抵抗値を示す。以下においても同様である。
このような三角波発生器78の出力信号の上限値Vsuと下限値Vsdの三角波と、レベル変換器77の出力とを、コンパレータ79で比較して、下式(4)〜(6)で表される温度に比例したパルス幅のPWM信号を生成する。
Figure 2008005217
Figure 2008005217
Figure 2008005217
このPWM信号は、図11に詳細構成を示すデジタル・アナログ変換器90のフォトカプラ35で絶縁された後、2値化回路91、バッファ回路92、LPF回路93へ伝送される。このPWM信号のデューティ(Duty)とLPF回路93の出力(IGBTチップ温度電圧信号Vout)との関係は下式(7)で表される。
Figure 2008005217
但し、Vceは、TR61の飽和状態におけるコレクタ・エミッター間の電圧であり、概ね0.15Vである。また、VLPFは、LPF回路93の出力である。
これらの式(1)〜(7)において、±0.1%の高精度抵抗器を用いれば、LPF回路93の出力の誤差は電源Vcc1,Vcc2のバラツキに依存することになる。
特に、Vcc1はフルスパンが500mVの信号を取り扱う回路に用いられるので高安定、高精度な電圧源が必要とされ、高精度なシャントレギュレータを用いる必要がある。また、Vcc2はフルスパンが4Vの信号を取り扱うので、Vcc1よりも高い精度は要求されない。
電源Vcc1にシャントレギュレータを用いた場合の電位Vcc1と、電源Vcc2にシャントレギュレータを用いた場合の電位Vcc2のバラツキは、正規分布として扱うことができる。
これらの基準電圧源の電圧バラツキは上式(1)〜(7)において、Vcc1,Vcc2の値が変わるので、温度に比例したLPF回路93の出力において、温度幅が130℃で出力電圧幅が4Vに割り当てているスパン、及び温度25℃で出力が4.5Vに割り当てているオフセットが影響を受ける事になる。
上記のVcc1を変動させた場合のLPF回路93の出力への影響を図12及び図13に、Vcc2を変動させた場合のLPF回路93の出力への影響を図14及び図15に示す。
cc1,Vcc2の出力電圧のバラツキの分布が正規分布とした場合、分布の中心値から3σまでの範囲において、IGBTチップ温度電圧信号(LPF出力)Voutに生じる誤差及び区間内累積分布割合を統計計算した。この結果、1.2σ以下(母集団の77%)では、回路による温度計測は、最大±2.88%以下に抑制出来るが、残りの23%は±2.88%を超過してしまうので、図10に示したレベル変換器77における抵抗器R13をオフセット調整用、R15をゲイン調整用として抵抗値を変更しなければならない。
このため、抵抗器R13,R15に関しては、±5σ以内であれば調整出来るように、予め抵抗値の低い素子を実装しておき、これをレーザートリミング装置で抵抗パターンを部分的に切断することによって目標とする調整値に合致させる。
この目標値を得るために、例えば回路基板にIGBTに内蔵された温度検出用ダイオード40,50が接続される端子に、チップ温度が135℃相当の電圧1.607V、40℃相当の1.946Vを模擬VF信号として入力し、その時に得られる2つのLPF出力信号レベルから計算により求める手法、または抵抗値をレーザートリミング装置でトリミングしながら、LPF出力信号の目標値に対する誤差をフィードバックする手法がある。これとは別に、抵抗器R13,R15に関しては未実装としておき、試験によって調整抵抗値が定まった時点で、後実装を行う手法もある。
この種の従来の演算増幅器を用いたアナログ回路(レベル変換器77)として、例えば特許文献1に記載のものがある。
特開2005−2909号公報
ところで、従来の演算増幅器を用いたアナログ回路に該当するレベル変換器77においては、前述したように、抵抗器R13,R15に関しては、±5σ以内であれば調整出来るように、予め抵抗値の低い素子を実装しておき、これをレーザートリミング装置で抵抗パターンを部分的に切断することによって目標とする調整値に合致させるようにしたが、このトリミング工程では下記の問題がある。
まず、調整抵抗値を本来の値よりも低くしているため、製品の全数について抵抗値のトリミングを行う必要が有り、1.2σ以下(母集団の77%)に関しては、抵抗値の調整が不要であるにも関わらずトリミング工数が必ず発生し、その分、回路製造コストが高くなる。
また、細いレーザービームによる切断では、抵抗パターンを部分的に切断し、このトリミング後に抵抗素子に対して保護膜をコーティングするが、これが使用中の熱サイクルによって劣化して空気中の水分が付着し、抵抗値が変化することがあるので、その分、信頼性が低い。
更に、調整抵抗値が定まった時点で、後実装を行う手法もある。しかし、後実装のため、回路基板及び初期実装回路素子に2度にわたる高温加熱が実施され、このため回路素子の信頼性が低下する。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、演算増幅器の出力信号のオフセット及びゲインを調整するための抵抗値を、回路素子の信頼性が低下することなく、精度良く、製造コストを下げることなく容易に調整することができる演算増幅器を用いたアナログ回路を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1による演算増幅器を用いたアナログ回路は、演算増幅器を用いたアナログ回路において、前記演算増幅器の正入力端子の電位を電源電圧の半分に設定し、該演算増幅器の負入力端子と電源との間に複数の抵抗器を並列接続してなる第1並列回路を接続し、前記演算増幅器の負入力端子とアースとの間に、前記第1並列回路と同数であって、第1並列回路を構成する抵抗器と抵抗値がほぼ等しい抵抗器を並列接続してなる第2並列回路を接続し、前記演算増幅器のオフセット量が所望値となるように第1,第2並列回路の所定の抵抗器を並列回路から切り離すことを特徴とする。
この構成によれば、本来調整が不要な1.2σ以下(母集団の77%)に関しては、調整工程が不要となる。また、調整が必要な場合であっても、並列回路を構成する抵抗器を切り離すことで並列回路の抵抗値を変化させている。従来の抵抗パターンの部分的な除去と異なり、不要となった抵抗器を並列回路から完全に切り離してしまうため、使用時の雰囲気により抵抗値が変化することがない。また、電源電圧は変動が小さいものが望ましい。更に、演算増幅器の出力信号のオフセットを所定値に調整することができる。この手法によれば従来のような、1.2σ以下(母集団の77%)に関して調整不要であるにも関わらず、調整抵抗値が本来の値よりも低いために100%の抵抗値のトリミングを行う必要が無くなる。このトリミング工程が不要となるので、アナログ回路の回路素子の信頼性が低下することなく、精度良く、製造コストを下げることなく容易に調整することができる。
また、本発明の請求項2による演算増幅器を用いたアナログ回路は、請求項1において、前記第1並列回路を構成する複数の抵抗器の抵抗値は、相互に異なり基準となる抵抗器の抵抗値に対して2のべき乗となる抵抗値であることを特徴とする。
この構成によれば、2のべき乗とする重み付けによってオフセット電流の値を有効に変化させることができる。
また、本発明の請求項3による演算増幅器を用いたアナログ回路は、請求項1または2において、前記負入力端子と前記電源との間に、前記演算増幅器のオフセット量を設定する設定用抵抗器を更に接続したことを特徴とする。
この構成によれば、設定用抵抗器によって演算増幅器の出力信号のオフセットを所定値に調整することができる。
また、本発明の請求項4による演算増幅器を用いたアナログ回路は、演算増幅器を用いたアナログ回路において、前記演算増幅器の負入力端子と出力端子との間に、増幅率の分子を決定するための抵抗器として複数の抵抗器を並列接続してなる第3並列回路を接続し、前記演算増幅器の負入力端子と当該負入力端子に接続される前段回路の出力端子との間に、同増幅率の分母を決定するための抵抗器として複数の抵抗器を並列接続してなる第4並列回路を接続し、前記演算増幅器の増幅率が所望値となるように、第3,第4並列回路の抵抗器のうちの一部を並列回路から切り離すことを特徴とする。
この構成によれば、抵抗器を切り離す前の、分子を決定する抵抗器の並列回路の抵抗値と分母を決定する抵抗器の並列回路の抵抗値は、それぞれ、演算増幅器の増幅率が所定値となるように設定されている。しかしながら、実際には抵抗値の誤差等の要因で増幅率が狙った値とならないため、分子を決定する抵抗器の並列回路,分母を決定する抵抗器の並列回路のいずれかもしくは双方について、一部の抵抗器を切り離すことで増幅率を微調整し、所望の増幅率を得る。
この場合、分子を決定する抵抗器ならびに分母を決定する抵抗器は必ず必要となるため、並列回路を構成する抵抗器のうち分子側、分母側それぞれ1つは、粗調整用として切り離さないものとし、残りの抵抗器を微調整用として切り離し可能に実装するとよい。
この場合も本来調整が不要な1.2σ以下(母集団の77%)に関しては、調整工程が不要となる。
また、調整が必要な場合であっても、並列回路を構成する抵抗器を切り離すことで並列回路の抵抗値を変化させている。従来の抵抗パターンの部分的な除去と異なり、不要となった抵抗器を並列回路から完全に切り離してしまうため、使用時の雰囲気により抵抗値が変化することがない。
この手法によれば従来のような、1.2σ以下(母集団の77%)に関して調整不要であるにも関わらず、調整抵抗値が本来の値よりも低いために100%の抵抗値のトリミングを行う必要が無くなる。このトリミング工程が不要となるので、アナログ回路の回路素子の信頼性が低下することなく、精度良く、製造コストを下げることなく容易に調整することができる。
また、本発明の請求項5による演算増幅器を用いたアナログ回路は、請求項1または4において、前記抵抗器は、厚膜抵抗体を抵抗実装用パッドに実装したものであり、前記オフセット量の調整のために切り離す抵抗器について、前記厚膜抵抗体を実装したまま前記厚膜抵抗体を所定の幅で切断除去することを特徴とする。
この構成によれば、演算増幅器のゲインは、増幅率の分子を決定するための複数の抵抗器の並列抵抗値と、同増幅率の分母を決定するための複数の抵抗器の並列抵抗値との比で決定される。このため、ゲインを調整する際に、それら抵抗器のうち必要数の抵抗器の抵抗皮膜をレーザービームなどで必要領域除去して抵抗値を必要な値に変化させればよい。
また、本発明の請求項6による演算増幅器を用いたアナログ回路は、請求項1または4において、前記抵抗器は、チップ抵抗部を抵抗実装用パッドに実装したものであり、前記オフセット量の調整のために切り離す抵抗器について、前記チップ抵抗部を前記抵抗実装用パッドから取り外すことを特徴とする。
この構成によれば、演算増幅器のゲインは、増幅率の分子を決定するための複数の抵抗器の並列抵抗値と、同増幅率の分母を決定するための複数の抵抗器の並列抵抗値との比で決定される。このため、ゲインを調整する際に、それら抵抗器のうち必要数の抵抗器をレーザービームなどで除去して合成抵抗値を必要な値に変化させればよい。この手法においても上記請求項5と同様な作用効果が得られる。
また、本発明の請求項7による演算増幅器を用いたアナログ回路は、請求項1に記載の演算増幅器を用いたアナログ回路と、請求項4に記載の演算増幅器を用いたアナログ回路とを組合せたことを特徴とする。
この構成によれば、オフセット及びゲインの調整を上記請求項1または4に記載したように行うことができる。
また、本発明の請求項8による演算増幅器を用いたアナログ回路は、演算増幅器を用いたアナログ回路において、該演算増幅器の負入力端子と電源との間に複数の抵抗器を並列接続し、該抵抗器を介して前記演算増幅器へ流入する第1の電流と、前記演算増幅器の負入力端子とアースとの間複数の抵抗器を並列接続し、該抵抗器を介して前記演算増幅器から流出する第2の電流とが等しくなるように前記複数の抵抗器の抵抗値を選定し、前記演算増幅器のオフセット量が所望値となるように前記の抵抗器を並列回路から切り離すことを特徴とする。
この構成によれば、上記請求項1に記載したと略同様の作用効果を得ることが可能となる。
また、本発明の請求項9による演算増幅器を用いたアナログ回路は、請求項8において、前記各並列回路において、並列回路を構成する複数の抵抗器の抵抗値は、相互に異なり基準となる抵抗器の抵抗値に対して2のべき乗となる抵抗値であることを特徴とする。
この構成によれば、上記請求項2に記載したと略同様の作用効果を得ることが可能となる。
以上説明したように本発明によれば、演算増幅器の出力信号のオフセット及びゲインを調整するための抵抗値を、回路素子の信頼性が低下することなく、精度良く、製造コストを下げることなく容易に調整することができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。但し、本明細書中の全図において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適時省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る演算増幅器を用いたアナログ回路であるレベル変換器を適用したVF/PWM変換回路の構成を示す回路図である。
図1に示すVF/PWM変換回路110が、従来のVF/PWM変換回路100と異なる点は、レベル変換器120に、1つのオフセット設定用抵抗器R13と、第1並列回路として3個一組のオフセット微調整用抵抗器R13A,R13B,R13Cと第2並列回路として同じく3個一組のオフセット微調整用抵抗器R16A,R16B,R16Cと、第3並列回路として3個一組のゲイン調整用抵抗器R14A,R14B,R14Cと第4並列回路として3個一組のゲイン調整用抵抗器R15A,R15B,R15Cとを備え、所望の抵抗器Rを並列回路から切り離すことによって、オペアンプ73の出力信号のオフセット及びゲインを調整するようにしたことにある。
なお、オフセット設定用抵抗器R13は、従来から存在する抵抗器R13をオフセット設定用としたものである。
更に説明すると、オペアンプ73の+入力端子の電位を、抵抗器R11の抵抗値=抵抗器R12の抵抗値とする事によって電源Vcc1の電圧の1/2に設定を行い、電源Vcc1とオペアンプ73の−入力端子との間に1組のオフセット微調整用抵抗器R13A,R13B,R13Cを、アースとオペアンプ73の負入力端子との間にもう1組のオフセット微調整用抵抗器R16A,R16B,R16Cを並列接続する。
この回路構成では、一方のオフセット微調整用抵抗器R13A,R13B,R13Cは71の出力電位を負方向に変化させ、他方のオフセット微調整用抵抗器R16A,R16B,R16Cは73の出力電位を正方向に変化させ、オフセットの微調整の役割を担う。
ここで、第1並列回路(抵抗器R13A,13B,13C)の合成抵抗値と第2並列回路(抵抗器16A,16B,16C)の合成抵抗地を同じにしておく、即ち抵抗器R13A=R16A,R13B=R16B,R13C=R16Cとすれば、抵抗器R13A,R13B,R13C,R16A,R16B,R16Cの全てが実装されている状態では、互いにオフセット調整は相殺される。従って、本来調整が不要な1.2σ以下(母集団の77%)については調整工程が不要となり、オフセット設定用抵抗器R13のみによって初期のレベル合わせを行うことができる。
また、R13B=1/2×R13A、R13C=1/4×R13Aなる抵抗値とすれば、R13A,R13B,R13C及びR16A,R16B,R16Cから、片側の抵抗器Rを削除して1〜3個の抵抗器Rの組合せで、正負合計の14段階、等間隔のオフセット調整が出来る事になる。
一方、ゲイン調整としては、オペアンプ73の−入力端子と出力端子との間に接続されて増幅率の分子を決定する抵抗器として、複数の抵抗器R15A,R15B,R15Cを並列接続した第4並列回路を用い、これを1組のゲイン調整用抵抗器とする。また、オペアンプ73の−入力端子とその前段のバッファ回路71の出力端子との間に接続されて増幅率の分母を決定する抵抗器として、複数の抵抗器R14A,R14B,R14Cを並列接続した第3並列回路を用い、これを他の1組のゲイン調整用抵抗器とする。
これらゲイン調整用抵抗器R14A,R14B,R14Cの合成抵抗値及びR15A,R15B,R15Cの合成抵抗値は、所望のゲインを得るための初期値となるように各抵抗器の抵抗値を選択する。なお、演算増幅器の増幅率(ゲイン)の設定には、オペアンプ73の−入力端子と出力端子との間、及びオペアンプ73の−入力端子とバッファ回路71の出力端子との間にそれぞれ抵抗器を接続することが必須となる。このため、第3並列回路および第4並列回路を構成する抵抗器のうちそれぞれ1つ(たとえばR15AとR16A)は切り離されることがない。
実際には、ゲインはオペアンプ73の−入力端子と出力端子との間に並列接続されている抵抗器R15A,R15B,R15の組合せによる増幅率の分子を定める並列抵抗値と、オペアンプ73の−入力端子とバッファ回路71の出力端子との間に並列接続されている抵抗器R13A,R13B,R13Cの組合せによる増幅率の分母を定める並列抵抗値との比で決定されるため、96系列の抵抗値の組合せにより概ね等間隔に調整ができるように各並列回路の抵抗値を選定すればよい。
これらのオフセット調整用抵抗器R13、R13A〜R13C及びR16A〜R16C、ゲイン調整用抵抗器R14A〜R14C及びR15A〜R15Cを備えたオペアンプ73の出力は、下式(8)で表される。
Figure 2008005217
この式(1)において、オフセット及びゲイン調整を行うため、取外し又は抵抗膜を除去する対象の抵抗器Rには、抵抗値に∞を代入すると、オペアンプ73の出力電圧Vlevが求まる。
但し、ゲイン調整によってオフセット量も変化するので、オフセット変化量によっては、オフセット量も調整により補正を行う必要がある。
次に、図2を参照してオフセット及びゲインの調整方法について説明する。図2は、各オフセット調整用抵抗器R13、R13A〜R13C及びR16A〜R16Cと、ゲイン調整用抵抗器R14A〜R14C及びR15A〜R15Cとの構成を示し、(a)は抵抗値調整前の構成、(b)は抵抗値調整後の構成を示す図である。
抵抗器Rは、図2(a)に示すように、ランド部201に銅配線パターン202が溶着固定された抵抗実装用パッドに、チップ抵抗部203が図示せぬ表面実装手段により半田204で固着されている。チップ抵抗部203の表面には、セラミック基板に厚膜抵抗体を塗布や焼成するか、又は金属箔膜をスパッタなどで形成した後に、保護膜がコーティングされている。
このような抵抗器Rに対してオフセット又はゲイン調整のため、不要となって並列回路から切り離される抵抗器Rに対して、図2(b)に示すように、チップ抵抗部203における保護膜及び厚膜抵抗体又は金属箔膜の所望範囲の抵抗皮膜除去領域203aを、図示せぬレーザービームなどで切断・除去する。この調整によって、並列回路から不要となった抵抗器が切り離され、並列回路の抵抗値を変化させてオフセット又はゲインを所定値とすることができる。
この他、図3(b)に示すように、不要となった抵抗器Rを並列回路から切り離す際、チップ抵抗部203の半田付け領域をレーザービームで加熱し、半田204を溶解させた状態でチップ抵抗部203を取り外しても良い。これは、チップ抵抗部203の両端に半田鏝を押し当て、半田204を溶解させた状態でチップ抵抗部203を取り外しても良い。このようにしても、並列回路から不要となった抵抗器を切り離すことができ、並列回路の抵抗値を変化させてオフセット又はゲインを所定値とすることができる。
なお、本実施の形態では、電源Vcc1,Vcc2の電圧のバラツキに限定して述べたが、例えば温度検出用ダイオード40,50のVFの温度特性によるバラツキ、及び温度検出用ダイオード40,50に印加する定電流IFのバラツキに対しても補償する事が可能である。
以上説明したように本実施の形態のレベル変換器120によれば、オペアンプ73の+入力端子の電位を半分に設定し、同オペアンプ73の−入力端子と電源との間、並びに同−入力端子とアースとの間に、それぞれ同数のオフセット調整用抵抗器R13A〜R13C及びR16A〜R16Cを並列接続し、これら抵抗器のうちオフセット調整で不要となった抵抗器を並列回路から切り離すようにした。
オフセット調整で不要となった抵抗器を並列回路から切り離すことによって、並列回路の合成抵抗値を必要な値に変化させることができ、オペアンプ73の出力信号のオフセットを所定値に調整することができる。これによって、全製品のうち、回路素子のバラツキの1.2σ以下(母集団の77%)の製品に関しては、抵抗器のトリミング工程が不要になり、製品コストを削減する事が可能となる。また、調整が必要な場合には対象となる値の抵抗素子を並列回路から切り離すこと、具体的には抵抗器を回路基板から取り外すか、または抵抗器の抵抗被膜を広い幅でレーザービームなどで完全に切断・除去出来る。また、不要となった抵抗器を並列回路から切り離してしまうため、製品の使用環境に対する耐劣化の面で優れ、車載用として用いた場合でも高信頼性を保有する事が可能となる。
また、オペアンプ73の−入力端子と電源Vcc1との間に、同−入力端子とアースとの間よりも1つ多い抵抗器R13を並列接続し、この多く接続された1つの抵抗器R13を除く−入力端子と電源Vcc1との間の複数の抵抗器R13A〜R13Cと、同−入力端子とアースとの間の複数の抵抗器R16A〜R16Cとの並列抵抗値を等しくした。
このように正負互いに同数の抵抗器の抵抗値を等しくしたので、互いにオフセット調整が相殺される。この場合に、−入力端子と電源Vcc1との間に余分に1つ並列接続された抵抗器R13のみによってオペアンプ73の初期の出力レベル(オフセット量)を設定することができる。
また、−入力端子と電源Vcc1との間に1つ多く並列接続された抵抗器R13を除く複数の抵抗器R13A〜R13Cの抵抗値と、同−入力端子とアースとの間に並列接続された複数の抵抗器R16A〜R16Cの抵抗値との比が、2のべき乗となる値をとるようにした。このような2のべき乗とする重み付けによって、オフセット電流の値を有効に変化させることができる。
また、オペアンプ73の−入力端子と出力端子との間に、増幅率の分子を決定するための抵抗器として複数の抵抗器R15A〜R15Cを並列接続し、同−入力端子と当該−入力端子に接続される前段の回路であるバッファ回路71の出力端子との間に、同増幅率の分母を決定するための抵抗器として複数の抵抗器R14A〜R14Cを並列接続し、これら抵抗器R14A〜R14C及びR15A〜R15Cのうち、ゲイン調整により不要となった抵抗器を並列回路から切り離す。並列回路からの切り離しは、抵抗器の抵抗皮膜を切断・除去してもよいし、抵抗器自体を取り外してもよい。これによって容易にゲイン調整を行うことができる。
また、増幅率の分子を決定するための複数の抵抗器R15A〜R15Cの並列抵抗値と、同増幅率の分母を決定するための複数の抵抗器R14A〜R14Cの並列抵抗値とを等しくした。これによって、抵抗器の並列回路からの切り離しによるゲイン調整が容易となる。
なお、上記の例においては、抵抗R11とR12で電源Vcc1の電圧を半分に分圧したが、これに限らない。
即ち、オペアンプ73の−入力端子と電源Vcc1との間に抵抗R13のほかに複数の抵抗器を並列接続し、該抵抗器を介してオペアンプ73へ流入する第1の電流と、オペアンプ73の−入力端子とアースとの間に複数の抵抗器を並列接続し、該抵抗器を介してオペアンプ73から流出する第2の電流とが等しくなるように、電源電圧の分圧比、複数の抵抗器の抵抗値を選定しておけば、互いにオフセット調整は相殺され、本来調整が不要な1.2σ以下(母集団の77%)については調整工程が不要となり、オフセット設定用抵抗器R13のみによって初期のレベル合わせを行うことができる。
更に、前記各並列回路において、並列回路を構成する複数の抵抗器の抵抗値は、相互に異なり基準となる抵抗器の抵抗値に対して2のべき乗となる抵抗値を選定しておけば調整が容易である。並列回路の抵抗値に調整を上記の例のように抵抗器を切り離すことで行えることはいうまでもない。
本発明の実施の形態に係る演算増幅器を用いたアナログ回路であるレベル変換器を適用したVF/PWM変換回路の構成を示す回路図である。 上記レベル変換器における各オフセット調整用抵抗器とゲイン調整用抵抗器との構成を示し、(a)は抵抗値調整前の構成、(b)は抵抗値調整後の構成を示す図である。 上記レベル変換器における各オフセット調整用抵抗器とゲイン調整用抵抗器との他の構成を示し、(a)は抵抗値調整前の構成、(b)は抵抗値調整後の構成を示す図である。 車両駆動システムの構成を示すブロック図である。 車両駆動システムにおける昇降圧コンバータの構成を示すブロック図である。 昇降圧コンバータの昇圧動作時にリアクトルに流れる電流波形図である。 昇降圧コンバ−タ用IPMの構成を示すブロック図である。 昇降圧コンバ−タ用IPMにおけるIGBTチップ温度検出部の構成を示すブロック図である。 IGBTチップ温度検出部における定電流回路によるIGBTチップ温度検出ダイオードの順方向電圧の温度特性図である。 従来のレベル変換器を用いたVF/PWM変換回路の構成を示す回路図である。 昇降圧コンバ−タ用IPMにおけるデジタル・アナログ変換器の構成を示す回路図である。 上記の第1の電源の電圧を変動させた場合のIGBTチップ温度電圧信号のスパン変化を示す図である。 上記の第1の電源の電圧を変動させた場合のIGBTチップ温度電圧信号のオフセット変化を示す図である。 上記の第2の電源の電圧を変動させた場合のIGBTチップ温度電圧信号のスパン変化を示す図である。 上記の第2の電源の電圧を変動させた場合のIGBTチップ温度電圧信号のオフセット変化を示す図である。
符号の説明
10 車両駆動システム
11 電動機
12 電源
13 昇降圧コンバータ
14 インバータ
16 リアクトル
17,C42 コンデンサ
21,22 スイッチング素子
23a,23b 制御回路
25,26 IGBT
27,28,84 ダイオード
30 昇降圧コンバータ用IPM
31 上アームのスイッチング部
32 下アームのスイッチング部
34,35,36,37,38 フォトカプラ
40,50 温度検出用ダイオード
41,42,51,52,80,82,89、R11,R12,R14,R15,R51,R52 抵抗器
43,53 IGBT保護回路
44 ゲートドライバ
45,55 IGBTチップ温度検出部
40,50 温度検出用ダイオード
56 VH検出回路
57 分圧回路
58 レベル調整回路
59 三角波生成器
60 比較器
62 LPF
63 VH比較器
64 ゲート信号発生器
70 定電流源
77 レベル変換器
78 三角波発生器
85 発光ダイオード
87 受光ダイオード
88,TR61 トランジスタ
90 デジタル・アナログ変換器
91 2値化回路
92 バッファ回路
93 LPF回路
71,92 バッファ回路
73,102 オペアンプ
79,101 コンパレータ
R13 オフセット設定用抵抗器
R13A,R13B,R13C,R16A,R16B,R16C オフセット微調整用抵抗器
R14A,R14B,R14C,R15A,R15B,R15C ゲイン調整用抵抗器
Vcc1 第1の電源(又は電源電圧)
Vcc2 第2の電源(又は電源電圧)
Vout IGBTチップ温度電圧信号(LPF出力)

Claims (9)

  1. 演算増幅器を用いたアナログ回路において、
    前記演算増幅器の正入力端子の電位を電源電圧の半分に設定し、該演算増幅器の負入力端子と電源との間に複数の抵抗器を並列接続してなる第1並列回路を接続し、前記演算増幅器の負入力端子とアースとの間に、前記第1並列回路と同数であって、第1並列回路を構成する抵抗器と抵抗値がほぼ等しい抵抗器を並列接続してなる第2並列回路を接続し、前記演算増幅器のオフセット量が所望値となるように第1,第2並列回路の所定の抵抗器を並列回路から切り離すことを特徴とする演算増幅器を用いたアナログ回路。
  2. 前記第1並列回路を構成する複数の抵抗器の抵抗値は、相互に異なり基準となる抵抗器の抵抗値に対して2のべき乗となる抵抗値であることを特徴とする請求項1に記載の演算増幅器を用いたアナログ回路。
  3. 前記負入力端子と前記電源との間に、前記演算増幅器のオフセット量を設定する設定用抵抗器を更に接続したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の演算増幅器を用いたアナログ回路。
  4. 演算増幅器を用いたアナログ回路において、
    前記演算増幅器の負入力端子と出力端子との間に、増幅率の分子を決定するための抵抗器として複数の抵抗器を並列接続してなる第3並列回路を接続し、前記演算増幅器の負入力端子と当該負入力端子に接続される前段回路の出力端子との間に、同増幅率の分母を決定するための抵抗器として複数の抵抗器を並列接続してなる第4並列回路を接続し、前記演算増幅器の増幅率が所望値となるように、第3,第4並列回路の抵抗器のうちの一部を並列回路から切り離すことを特徴とする演算増幅器を用いたアナログ回路。
  5. 前記抵抗器は、厚膜抵抗体を抵抗実装用パッドに実装したものであり、
    前記オフセット量の調整のために切り離す抵抗器について、前記厚膜抵抗体を実装したまま前記厚膜抵抗体を所定の幅で切断除去することを特徴とする請求項1または請求項4に記載の演算増幅器を用いたアナログ回路。
  6. 前記抵抗器は、チップ抵抗部を抵抗実装用パッドに実装したものであり、
    前記オフセット量の調整のために切り離す抵抗器について、前記チップ抵抗部を前記抵抗実装用パッドから取り外すことを特徴とする請求項1または請求項4に記載の演算増幅器を用いたアナログ回路。
  7. 請求項1に記載の演算増幅器を用いたアナログ回路と、請求項4に記載の演算増幅器を用いたアナログ回路とを組合せたことを特徴とする演算増幅器を用いたアナログ回路。
  8. 演算増幅器を用いたアナログ回路において、
    該演算増幅器の負入力端子と電源との間に複数の抵抗器を並列接続し、該抵抗器を介して前記演算増幅器へ流入する第1の電流と、前記演算増幅器の負入力端子とアースとの間複数の抵抗器を並列接続し、該抵抗器を介して前記演算増幅器から流出する第2の電流とが等しくなるように前記複数の抵抗器の抵抗値を選定し、前記演算増幅器のオフセット量が所望値となるように前記の抵抗器を並列回路から切り離すことを特徴とする演算増幅器を用いたアナログ回路。
  9. 前記各並列回路において、並列回路を構成する複数の抵抗器の抵抗値は、相互に異なり基準となる抵抗器の抵抗値に対して2のべき乗となる抵抗値であることを特徴とする請求項8に記載の演算増幅器を用いたアナログ回路。
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