JP4507918B2 - 単電源電圧計測回路 - Google Patents
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Description
図4において、100は直流電源であり、架線からの給電電源またはバッテリが使用される。直流電源100の電圧が供給される昇降圧コンバータ200は、車両の駆動時には、直流電源100の電圧VL(例えば200[V])を三相電動機400の駆動に適した電圧VH(例えば1000[V])に昇圧し、車両の制動時には、発電機として動作する三相電動機400の上記電圧VHを電圧VLに降圧して直流電源100に回生する。
そして、車両の制動時には、各相に生じる電圧に同期してスイッチング素子をオンオフ制御することにより、いわゆる整流動作を行い、電動機400から出力される三相交流電圧を直流電圧に変換して昇降圧コンバータ200側に回生している。
図5において、スイッチSW1,SW2は、インバータ300の直流入力端子とGND(グランド)との間に直列接続された半導体スイッチング素子IGBT1,IGBT2と、これらにそれぞれ逆並列接続された還流ダイオードD1,D2とにより構成されている。また、CNT1,CNT2はスイッチング素子IGBT1,IGBT2の制御回路である。
スイッチング素子IGBT1,IGBT2同士の接続点は、直流電源100の正極にリアクトルLを介して接続されている。また、スイッチング素子IGBT2のコレクタはインバータ300の直流入力端子に接続され、上記コレクタとGNDとの間にはコンデンサCが接続されている。
・昇圧動作
(1)スイッチング素子IGBT1がオン(導通)するとリアクトルLに電流iが流れ、Li2/2のエネルギーが蓄積される。
この間の電流変化率di/dtは、図6に示すようにVL/Lである。
(2)スイッチング素子IGBT1がオフ(非導通)すると、スイッチング素子IGBT2側のダイオードD2に電流が流れ、リアクトルLに蓄えられたエネルギーがコンデンサCに送られる。
この間の電流変化率di/dtは、図6に示すように(VL−VH)/Lである。
上記動作の繰り返しにより、コンデンサCの電圧は直流電源100の電圧よりも高い電圧に昇圧されていく。
(1)スイッチング素子IGBT2がオンすると、コンデンサCの正極側からリアクトルLに電流iが流れ、Li2/2のエネルギーが蓄積される。
(2)スイッチング素子IGBT2がオフすると、スイッチング素子IGBT1側のダイオードD1に電流が流れ、リアクトルLに蓄えられたエネルギーが直流電源100に回生される。
上記動作の繰り返しにより、コンデンサCの電圧は次第に降圧されていくことになる。
[数式1]
VL/VH=オンデューティ[%]
しかるに、実際には負荷の変動や電源電圧の変動等があるため、昇降圧コンバータ200の出力電圧VHを監視し、これが指令値に一致するようにスイッチング素子IGBT1,IGBT2のオンデューティをフィードバック制御している。
上アームスイッチング部220は、スイッチング素子IGBT2Aの過電流検知素子221及び過熱検知素子222を備え、IGBT保護回路223は、各素子221,222の検知出力によりスイッチング素子IGBT2Aのゲートをオフさせるための制御信号をゲート駆動回路224に出力可能である。
同様に、下アームスイッチング部210も、過電流検知素子211、過熱検知素子212、IGBT保護回路213、ゲート駆動回路214を備えている。
このVH検出回路215は、出力電圧VHを分圧する分圧回路216と、その出力電圧のレベルを調整するレベル調整器217と、三角波発生器218と、レベル調整器217の出力信号と三角波とを比較して二値化したPWM信号を出力する比較器219とから構成されている。
上記電圧V2は、正電源216P及び負電源216Nを有するバッファとしての双電源演算増幅器216Qの非反転入力端子に入力され、低インピーダンスに変換された分圧電圧VOUTが図7のレベル調整器217に出力されるようになっている。
この三角波と、レベル調整器217を介した分圧電圧とが比較器219により比較され、デューティが0〜100[%]の二値化されたPWM信号が出力される。このPWM信号によりフォトカプラ242の発光ダイオードに電流を流し、受光トランジスタから発生する光電流を負荷抵抗により電圧変換した後、ローパスフィルタ231によりフィルタリングしてアナログ信号に変換する。この信号は、前述の如くVH検出値に相当する信号としてVH比較器232に入力される。
一方、従来から、図7に示したようなIPMを低コスト化して小型化する要請があり、分圧回路216における演算増幅器を単電源化できれば、上記要請に応えることができる。
従って、図8の演算増幅器216Qを上記の単電源の演算増幅器(μPC842)に置き換えた場合、図9の入出力特性(縦軸及び横軸のスケールを異ならせてある)に示すように、例えば、被計測電圧の最大値であるVHMAX=1000[V]の時には、分圧比(=(R1+R2)/R2)を286とすれば演算増幅器の出力電圧が上限値の3.5[V]となるが、下限値は約0.7[V]であるため、比例配分により、VH=0〜約200[V]の範囲では演算増幅器の出力電圧が約0.7[V]で固定されてしまい、VHを正確に検出できずに電圧計測範囲の不感帯を生じてしまう問題があった。
また、前述した特許文献1には、上述した電圧計測範囲の不感帯を解消するための具体的な手段は特に開示されていない。
前記分圧手段の非電圧計測点側の電位を、前記演算増幅器の出力電圧下限値以上であって入力電圧上限値以下である基準電圧値に保持する基準電圧発生手段を備えたものである。
これにより、本発明では、前記基準電圧以上であって被計測電圧上限値(演算増幅器の出力電圧上限値により決まる)までの広範囲の電圧を計測可能とする。
この伝送手段は、請求項4に記載するように、フォトカプラによって構成すれば良い。
図1において、20は、例えば前述した日本電気株式会社製の「μPC842」等の単電源演算増幅器であり、入力電圧を低インピーダンスに変換して出力するものである。演算増幅器20の正電源端子には直流電源(正電源)21が接続され、負電源端子は接地されている。また、非反転入力端子には、分圧抵抗R1,R2の相互接続点(分圧点)が接続され、反転入力端子は演算増幅器20の出力端子に接続されている。
この安定化電源回路の一例としては、例えば、日本電気株式会社製の「μPC1944T」を用いることができ、単電源演算増幅器20の出力電圧下限値VoutLである0.7[V]以上の電圧である1.26[V]を、基準電圧Vshuntとして出力可能である。そして、この基準電圧Vshuntが分圧抵抗R2の非電圧計測点側の一端に加えられている。なお、基準電圧発生手段22の具体的構成は、上記所定の直流電圧を高精度かつ安定して出力できるものであれば特に限定されない。
上述した可変シャント式安定化電源回路は外付け抵抗により出力電圧(基準電圧)が可変であるため、単電源演算増幅器20や被計測電圧に応じて所望の基準電圧を出力させることができる。
例えば、VHMAXが1000[V]、Vshuntが1.26[V]の場合、分圧抵抗R1,R2の直列回路の両端電圧は998.74[V]になる。分圧抵抗R1,R2の直列回路を流れる電流を0.5[mA]とすると、直列回路の合成抵抗は1997.48[kΩ]となり、分圧比(=(R1+R2)/R2)を従来と同様に286とすれば、R1=1990.05≒1990[kΩ]、R2≒6.99≒7[kΩ]となる。
よって、分圧抵抗R1,R2をこれらの値に設定すれば演算増幅器20の出力電圧VOUTが上限値を超えることはない。
[数式2]
V2=(VH−Vshunt)/Rr+Vshunt
Rr:分圧比(=(R1+R2)/R2)
Vshunt:基準電圧発生手段22の出力電圧(基準電圧)
VH:電圧計測点23の電圧
図2から明らかなように、この実施形態によれば、電圧計測点23の電圧VHが0[V]の時でも、演算増幅器20の出力電圧として基準電圧Vshunt(=1.26[V])がオフセットとして現れるが、電圧計測点23の電圧VHが基準電圧Vshuntを超えて最大値VHMAXに至るまでの範囲では、演算増幅器20からVHに応じた分圧電圧が出力されることになる。
すなわち、この実施形態では電圧計測範囲の不感帯が0〜1.26[V](=Vshunt)になってフルスケール(1000[V])に対し約0.13[%]相当になり、図8の従来技術における0〜200.2[V](フルスケールに対し約20[%])よりも大幅に狭めることができる。
そして、図7のVH比較器232では、ローパスフィルタ231のアナログ出力電圧を昇降圧指令値と比較し、上アーム及び下アームスイッチング素子IGBT2A,IGBT1Aに対するゲート信号を作成するものである。
なお、例えば特開平5−181991号公報には、単電源の演算増幅器を用いて複数の交流入力電圧を加算する加算回路において、複数の交流入力電圧を基準電圧によりレベルシフトさせる技術が記載されている。しかしながら、この公知技術は、本発明のような単極性の電圧を計測対象としていない点、本発明と異なって単電源から基準電圧を二つ作成している点などにおいて、目的や構成、作用が相違するものである。
21:直流電源
22:基準電圧発生手段
23:電圧計測点
217:レベル調整器
218:三角波発生器
219:比較器
231:ローパスフィルタ
242:フォトカプラ
R1,R2:分圧抵抗
R3:抵抗
Claims (5)
- 電圧計測点の単極性の電圧を分圧する分圧手段と、この分圧手段により分圧された電圧をインピーダンス変換して出力する単電源の演算増幅器と、を備えた単電源電圧計測回路において、
前記分圧手段の非電圧計測点側の電圧値を、前記演算増幅器の出力電圧下限値以上であって入力電圧上限値以下である基準電圧値に保持する基準電圧発生手段を備えたことを特徴とする単電源電圧計測回路。 - 請求項1に記載した単電源電圧計測回路において、
被計測電圧値の0〜100%に相当して振幅が変化する三角波と前記演算増幅器の出力信号とを比較して、被計測電圧値を所定デューティのパルスに変換する手段を備えたことを特徴とする単電源電圧計測回路。 - 請求項2に記載した単電源電圧計測回路において、
前記パルスを絶縁して伝送する伝送手段を備えたことを特徴とする単電源電圧計測回路。 - 請求項3に記載した単電源電圧計測回路において、
前記伝送手段がフォトカプラであることを特徴とする単電源電圧計測回路。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載した単電源電圧計測回路において、
前記基準電圧発生手段が、可変シャント式安定化電源回路であることを特徴とする単電源電圧計測回路。
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