JP5359980B2 - 電力変換装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体モジュールと、該半導体モジュールの制御端子に接続した制御回路基板とを備えた電力変換装置の製造方法に関する。
直流電力と交流電力との間で電力変換を行う電力変換装置として、図14に示すごとく、半導体モジュール91と、該半導体モジュール91を冷却する冷却チューブ94とを積層したものが知られている(下記特許文献1参照)。個々の半導体モジュール91は、電力変換回路を構成するスイッチング素子を内蔵する本体部910と、該スイッチング素子に導通し本体部910の端面から突出する制御端子92とを有する。本体部910の、制御端子92を設けた側とは反対側の端面には、高電圧用のパワー端子(図示しない)が複数個設けられている。また、図14に示すごとく、全ての制御端子92が同一方向を向くように、複数個の半導体モジュール91が積層配置されている。
この電力変換装置90では、図15に示すごとく、全ての制御端子92を制御回路基板95に接続し、該制御回路基板95によって個々の半導体モジュール91の動作制御を行っている。これにより、上記パワー端子に入力された直流電圧を交流電圧に変換して他のパワー端子から出力したり、交流電圧を直流電圧に変換して出力したりする。
図15に示すごとく、制御回路基板95には複数個の接続用貫通孔96が形成されている。この接続用貫通孔96に制御端子92の先端を挿入することにより、制御端子92と制御回路基板95とを電気的に接続している。
一方、図14に示すごとく、半導体モジュール91と冷却チューブ94は、収納ケース98に収納されている。収納ケース98の壁部980には、制御回路基板95をボルト等で固定するための固定部97が形成されている。
電力変換装置90を製造する際には、半導体モジュール91と冷却チューブ94とを収納ケース98内において積層した後、制御端子92を接続用貫通孔96に挿入する。しかしながら、制御端子92の位置は積層方向xにばらついているため、全ての制御端子92を同時に接続用貫通孔96に挿入することは難しい。そのため、従来の電力変換装置90は図15に示すごとく、櫛歯状の治具93を使って制御端子92の位置ばらつきを矯正した後で、接続用貫通孔96に制御端子92を挿入している。
特開2007−42948号公報
しかしながら、上記製造方法を用いると、図15に示すごとく、収納ケース98と制御回路基板95との間に、治具93を挿入するためのスペースを確保する必要があり、電力変換装置90を小型化しにくいという問題があった。また、図14に示すごとく、収納ケース98の壁部980の中央部分99に、制御回路基板95を固定するための固定部97を仮に設けた場合、その固定部97が邪魔になって治具93を挿入できなくなる。そのため、壁部980の中央部分99には固定部97を設けることができず、電力変換装置90のレイアウト自由度を高められないという問題があった。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたもので、治具を用いなくても、全ての制御端子を制御回路基板の接続用貫通孔に容易に挿入できる電力変換装置の製造方法を提供しようとするものである。
本発明は、電力変換回路を構成するスイッチング素子を内蔵した本体部を有し、上記スイッチング素子に導通した制御端子が上記本体部の端面から突出した複数個の半導体モジュールと、
該半導体モジュールを上記本体部の両主面から冷却する複数個の冷却チューブと、
個々の上記制御端子と接続する複数個の接続用貫通孔を有し、上記スイッチング素子の動作を制御する制御回路基板とを備える電力変換装置の製造方法であって、
上記制御端子の突出方向を揃えつつ、少なくとも一つの上記半導体モジュールと、他の少なくとも一つの上記半導体モジュールとの、上記制御端子の先端の上記突出方向における高さ位置が、積層方向において互いに異なるように上記複数個の半導体モジュールと上記複数個の冷却チューブとを積層して積層体を形成する積層工程と、
ばね部材を用いて上記積層体を上記積層方向に加圧する加圧工程と、
上記制御端子の突出方向に直交するように上記制御回路基板を配置する配置工程と、
上記積層体と上記制御回路基板とを該制御回路基板の主面に平行な方向へ相対的に移動することにより、上記制御回路基板に挿入されていない複数個の上記制御端子のうち、その先端が上記制御回路基板の主面に最も近い特定の上記制御端子と、該特定の制御端子に対応する特定の上記接続用貫通孔とを位置合わせした後、上記制御回路基板と上記積層体とを相対的に接近させることにより、上記特定の制御端子を上記特定の接続用貫通孔に挿入する挿入工程と、
該挿入工程を全ての上記制御端子と上記接続用貫通孔との間で繰り返して行った後、全ての上記制御端子を上記各接続用貫通孔に接続する接続工程と、
をこの順に行うことを特徴とする電力変換装置の製造方法にある(請求項1)。
本発明の作用効果について説明する。本発明では、上記積層工程において、制御端子の先端の高さ位置が積層方向に全て一定にならないように、半導体モジュールと冷却チューブとを積層する。そして、上記挿入工程を複数回繰り返して行う。
このようにすると、治具を用いなくても、制御回路基板の接続用貫通孔に全ての制御端子を容易に挿入することが可能になる。すなわち、上記積層工程を行って製造した積層体は、制御端子の先端の高さ位置が積層方向において一定でないため、全ての制御端子を接続用貫通孔に一度に挿入する必要がなく、複数回に分けて挿入することができる。積層方向における、隣り合う制御端子と制御端子の間隔はばらつきが生じ得るため、全ての制御端子を接続用貫通孔に一度に挿入するのは困難であるが、制御回路基板の主面に最も近い特定の制御端子のみを接続用貫通孔に位置合わせして挿入することは容易である。この位置合わせ作業と挿入作業を繰り返して行うことにより、最終的に、全ての制御端子を接続用貫通孔に挿入することが可能になる。これにより、治具を用いなくても、全ての制御端子を接続用貫通孔に容易に挿入することができる。
以上のごとく、本発明によれば、治具を用いなくても、全ての制御端子を制御回路基板の接続用貫通孔に容易に挿入できる電力変換装置の製造方法を提供することができる。
実施例1における、電力変換装置の平面図であって、図2のC−C断面図。 図1のA−A断面図。 図1のB−B断面図。 実施例1における、積層工程を説明するための平面図。 実施例1における、積層工程を説明するための断面図。 実施例1における、配置工程を説明するための断面図。 実施例1における、挿入工程を説明するための拡大断面図。 図7に続く図であって、特定の制御端子と挿入用貫通孔を位置合わせした状態の断面図。 図8に続く図であって、特定の制御端子を挿入用貫通孔に挿入した状態の断面図。 図9に続く図であって、別の制御端子と挿入用貫通孔を位置合わせした状態の断面図。 図10に続く図であって、別の制御端子を挿入用貫通孔に挿入した状態の断面図。 実施例2における、電力変換装置の断面図。 実施例3における、電力変換装置の断面図。 従来例における、電力変換装置の製造工程を説明するための斜視図。 図14に続く斜視図であって、治具で制御端子を整列した後に制御回路基板を接続する工程の説明図。
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
上記積層工程において、上記制御端子の長さが互いに異なる複数種類の上記半導体モジュールと上記冷却チューブとを積層することにより、上記制御端子の先端の上記高さ位置を互いに異ならせることが好ましい(請求項2)。
この場合には、本体部の高さ位置を揃えた状態で半導体モジュールと冷却チューブとを積層することにより、制御端子の高さ位置が積層方向に一定でない積層体を容易に製造することができる。それゆえ、構造的に安定した積層体を製造することができる。
また、上記積層工程において、上記制御端子の長さが互いに等しい複数個の上記半導体モジュールと上記冷却チューブとを積層し、上記突出方向における個々の上記半導体モジュールの配置位置を異ならせることにより、上記制御端子の先端の上記高さ位置を互いに異ならせても良い(請求項3)。
このようにすると、一種類の半導体モジュールのみを用いて、制御端子の先端の高さ位置が積層方向に一定でない積層体を製造することができる。そのため、複数種類の半導体モジュールを用意する必要がなく、電力変換装置の製造コストを低減することができる。
また、上記積層工程において、上記制御端子の長さが等しい複数個の第1半導体モジュールと上記冷却チューブとを積層して、上記制御端子の先端の上記高さ位置が互いに等しい第1小積層体を形成すると共に、上記第1半導体モジュールとは上記制御端子の長さが異なる複数個の第2半導体モジュールと上記冷却チューブとを積層して、上記制御端子の先端の上記高さ位置が互いに等しく、該高さ位置が上記第1小積層体とは異なる第2小積層体を形成することにより、少なくとも2個の小積層体を有するように上記積層体を形成することが好ましい(請求項4)。
このようにすると、上記挿入工程を小積層体ごとに行うことが可能になる。そのため、挿入工程を半導体モジュール毎に行う場合と比較して、挿入工程を行う回数を減らすことができる。また、制御端子の先端を一段ずつ異ならせる場合と比較して、半導体モジュールの種類あるいは高さ位置の変更を少なくすることが可能になる。そのため、電力変換装置の製造コストを低減することができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる電力変換装置1の製造方法につき、図1〜図11を用いて説明する。
図1〜図3に示すごとく、本例は、複数個の半導体モジュール2と、複数個の冷却チューブ4と、制御回路基板6とを備える電力変換装置1の製造方法である。個々の半導体モジュール2は、図2、図3に示すごとく、電力変換回路を構成するスイッチング素子を内蔵した本体部20を有し、該スイッチング素子に導通した制御端子3が本体部20の端面22から突出するよう形成されている。
図2に示すごとく、冷却チューブ4は、半導体モジュール2を本体部20の両主面61から冷却している。
また、制御回路基板6は、個々の制御端子3と接続する複数個の接続用貫通孔60を有し、スイッチング素子の動作を制御している。
本例では、積層工程(図4、図5参照)と、配置工程(図6参照)と、挿入工程(図7〜11参照)と、接続工程(図2参照)とをこの順に行う。
積層工程では、図5に示すごとく、制御端子3の突出方向を揃えつつ、制御端子3の先端30の突出方向Yにおける高さ位置が全て異なるように、複数個の半導体モジュール2と複数個の冷却チューブ4とを積層して積層体5を形成する。
また、配置工程では、図6に示すごとく、制御端子3の突出方向Yに直交するように制御回路基板6を配置する。
挿入工程では、図7、図8に示すごとく、積層体5と制御回路基板6とを制御回路基板6の主面61に平行な方向に相対的に移動することにより、制御回路基板6に挿入されていない複数個の制御端子3のうち、その先端30が制御回路基板6の主面61に最も近い特定の制御端子3aと、該特定の制御端子3aに対応する特定の接続用貫通孔60aとを位置合わせする。その後、図9に示すごとく、制御回路基板6と積層体5とを相対的に接近させることにより、特定の制御端子3aを特定の接続用貫通孔60aに挿入する。
この後、上記挿入工程を繰り返す。すなわち、図10に示すごとく、制御回路基板6に挿入されていない複数個の制御端子3のうち、その先端30が制御回路基板6の主面61に最も近い特定の制御端子3bと、該特定の制御端子3bに対応する特定の接続用貫通孔60bとを位置合わせする。そして図11に示すごとく、制御回路基板6と積層体5とを相対的に接近させることにより、特定の制御端子3bを特定の接続用貫通孔60bに挿入する。
上記挿入工程を全ての制御端子3と接続用貫通孔60との間で繰り返し行った後、図2に示すごとく、はんだ13等の導電性材料を用いて、全ての制御端子3を各接続用貫通孔60に接続する接続工程を行う。
以下、詳説する。
図1に示すごとく、本例の電力変換装置1は、隣り合う冷却チューブ4が、その両端において連結管10で接続されている。また、積層方向Xにおける一方の端部に位置する冷却チューブ4には、冷媒を導入するための導入管11と、冷媒を導出するための導出管12が取り付けられている。導入管11から冷媒を導入すると、冷媒は連結管10を通って全ての冷却チューブ4内を流れ、導出管12から導出する。これにより、半導体モジュール2を冷却している。
図1に示すごとく、隣り合う冷却チューブ4の間には、それぞれ2個の半導体モジュール2が介在している。また、図3に示すごとく、半導体モジュール2は、それぞれ2個のパワー端子21を有する。パワー端子21には、直流電源(図示しない)の正電極に接続される正極端子21aと、直流電源の負電極に接続される負極端子21bと、交流負荷に接続される交流端子21cとがある。制御回路基板6が半導体モジュール2内のスイッチング素子を制御することにより、正極端子21aと負極端子21bとの間に印加される直流電圧を交流電圧に変換して、交流端子21cから出力する。
また、本例の電力変換装置1は、車両に搭載して使用する。車両には三相交流モータ(図示しない)が搭載されている。本例の電力変換装置1で得られた交流電力を用いて三相交流モータを駆動して、車両を走行させている。
図1〜図3に示すごとく、本例の電力変換装置1は、積層体5を収納する収納ケース7を備える。図3に示すごとく、収納ケース7には、ケース内側に突出するリブ部71が形成されている。このリブ部71には、制御回路基板6側へ突出する固定部16が設けられている。この固定部16の先端160に、ボルト18等を用いて制御回路基板6を固定している。固定部16の先端160は、収納ケース7の端面70から制御回路基板6側へ突出している。
また、図1に示すごとく、収納ケース7内には、積層体5を固定するためのばね部材14と、該ばね部材14によって冷却チューブ4bが凹むことを防止するための凹み防止板15が収納されている。ばね部材14の付勢力を使って積層体5を収納ケース7の内面75に押し当てることにより、積層体5を収納ケース7に固定している。
一方、積層工程においては、図4に示すごとく、積層方向Xにおける半導体モジュール2の厚さよりも長い連結管10を使って、隣り合う冷却チューブ4を予め接続しておく。そして、冷却チューブ4間に半導体モジュール2を配置し、ばね部材14を収納ケース7内に収納して、ばね部材14ごと積層体5に押圧力Fを加え、収納ケース7の内面75に積層体5を押し当てる。これにより、図1に示すごとく、連結管10を圧縮し、冷却チューブ4と半導体モジュール2とを密着させる。その後、図1に示すごとく、ばね部材14を固定するための円柱部材17を、ばね部材14と収納ケース7との間に介在させ、押圧力Fを解除する。
また、図5に示すごとく、本例では積層工程において、制御端子3の長さが互いに異なる複数種類の半導体モジュール2と冷却チューブ4とを積層することにより、制御端子3の先端30の高さ位置を互いに異ならせている。また、積層方向Xの一方の端部から他方の端部へ向かうほど、制御端子3の長さが徐々に短くなり、先端の高さ位置が一段ずつ低くなるようにしている。
また、本例では、積層工程が終了した後、積層方向Xにおける各制御端子3の位置ずれ量を測定し、上記挿入工程における制御端子3と接続用貫通孔60との位置合わせ作業を行う際に利用している。例えば、図5に示すごとく、冷媒の導出パイプ12が取り付けられている冷却チューブ4aの一方の主面を基準面40とし、この基準面40から各制御端子3までの距離dを画像認識カメラ等で測定する。この距離dを用いて、各制御端子3の、設計値からの位置ずれ量を算出する。上記位置合わせ作業を行う際に、積層体5と制御回路基板6とを、算出した位置ずれ量だけ積層方向Xに相対移動することにより、制御端子3と接続用貫通孔60との位置合わせを容易に行うことが可能になる。
各制御端子3の位置ずれ量を測定する別の方法としては、例えば、積層方向Xにおける半導体モジュール2の全数をNとし(本例では8個)、基準面40からN番目の半導体モジュール2の制御端子3hまでの距離の設計値をT1、該距離の実測値をT1+L(mm)とした場合、基準面40からn番目の半導体モジュール2の制御端子3の位置ずれ量を、
n×L/N
として推定することもできる。
また、各制御端子3の位置ずれ量を測定する別の方法としては、積層体5の圧縮量(図4参照)の設計値をT2、該圧縮量の実測値をT2−M(mm)とし、半導体モジュール2の数をNとした場合、基準面40からn番目の半導体モジュール2の制御端子3の位置ずれ量を、
n×M/N
として推定することもできる。
本例の作用効果について説明する。図5に示すごとく、本例では積層工程において、制御端子3の先端30の高さ位置が積層方向Xに全て一定にならないように、半導体モジュール2と冷却チューブ4とを積層する。そして、挿入工程を複数回繰り返して行う。
このようにすると、治具を用いなくても、制御回路基板6の接続用貫通孔60に全ての制御端子3を容易に挿入することが可能になる。すなわち、上記積層工程を行って製造した積層体5は、制御端子3の先端30の高さ位置が積層方向Xにおいて一定でないため、全ての制御端子3を接続用貫通孔60に一度に挿入する必要がなく、複数回に分けて挿入することができる。積層方向Xにおける、隣り合う制御端子3と制御端子3の間隔はばらつきが生じ得るため、全ての制御端子3を接続用貫通孔60に一度に挿入するのは困難であるが、制御回路基板6の主面61に最も近い特定の制御端子3aのみを接続用貫通孔60aに位置合わせして挿入することは容易である。図7〜図11に示すごとく、位置合わせ作業と挿入作業を繰り返して行うことにより、最終的に、全ての制御端子3を接続用貫通孔60に挿入することが可能になる。これにより、治具を用いなくても、全ての制御端子3を接続用貫通孔60に容易に挿入することができる。
また、本例では、制御端子3を接続用貫通孔60に挿入する際に治具を用いないので、電力変換装置1のレイアウト自由度を高めることができる。例えば図1に示すごとく、積層方向Xにおける、収納ケース7の中央部分に、収納ケース7の端面70(図3参照)から突出するように、制御回路基板95を固定するための固定部16を設けることができる。
従来のように(図15参照)、制御端子92を接続用貫通孔96に挿入する際に治具93を用いる場合は、収納ケース98の中央部分99(図14)に固定部を形成すると、この固定部が邪魔になって治具93を挿入できなくなるが、本例では挿入時に治具を用いないため、このような不具合が生じない。
また、本例では図5に示すごとく、積層工程において、制御端子3の長さが互いに異なる複数種類の半導体モジュール2と冷却チューブ4とを積層することにより、制御端子3の先端30の高さ位置を互いに異ならせている。
この場合には、本体部20の高さ位置を揃えた状態で半導体モジュール2と冷却チューブ4とを積層することにより、制御端子3の高さ位置が積層方向Xに一定でない積層体5を容易に製造することができる。それゆえ、構造的に安定した積層体5を製造することができる。
以上のごとく、本例によれば、治具を用いなくても、全ての制御端子3を制御回路基板6の接続用貫通孔60に容易に挿入できる電力変換装置1の製造方法を提供することができる。
(実施例2)
本例は、積層体5の構成を変更した例である。図12に示すごとく、本例では、積層工程において、制御端子3の長さが互いに等しい複数個の半導体モジュール2と冷却チューブ4とを積層し、突出方向Yにおける個々の半導体モジュール2の配置位置を異ならせることにより、制御端子3の先端30の高さ位置を互いに異ならせている。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
本例の作用効果について説明する。本例では、図12に示すごとく、一種類の半導体モジュール2のみを用いて、制御端子3の先端30の高さ位置が積層方向に一定でない積層体5を製造することができる。そのため、複数種類の半導体モジュール2を用意する必要が無く、電力変換装置1の製造コストを低減することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を備える。
(実施例3)
本例は、積層体5の構成を変更した例である。本例では、図13に示すごとく、積層工程において、制御端子3の長さが等しい複数個の第1半導体モジュール2aと冷却チューブ4とを積層して、制御端子3の先端30の高さ位置が互いに等しい第1小積層体50aを形成する。また、第1半導体モジュール2aとは制御端子3の長さが異なる複数個の第2半導体モジュール2bと冷却チューブ4とを積層して、制御端子3の先端30の高さ位置が互いに等しく、該高さ位置が第1小積層体50aとは異なる第2小積層体50bを形成する。これにより、2個の小積層体50a,50bを有するように積層体5を形成している。
なお、同様に、3個以上の小積層体50を有するように積層体5を形成してもよい。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
本例の作用効果について説明する。上述のようにすると、挿入工程を小積層体50ごとに行うことが可能になる。そのため、挿入工程を半導体モジュール2毎に行う場合と比較して、挿入工程を行う回数を減らすことができる。また、制御端子3の先端を一段ずつ異ならせる場合と比較して、半導体モジュール2の種類あるいは高さ位置の変更を少なくすることが可能になる。そのため、電力変換装置1の製造コストを低減することができる。
1 電力変換装置
2 半導体モジュール
20 本体部
3 制御端子
30 (制御端子の)先端
4 冷却チューブ
5 積層体
6 制御回路基板
60 接続用貫通孔
61 (制御回路基板の)主面

Claims (4)

  1. 電力変換回路を構成するスイッチング素子を内蔵した本体部を有し、上記スイッチング素子に導通した制御端子が上記本体部の端面から突出した複数個の半導体モジュールと、
    該半導体モジュールを上記本体部の両主面から冷却する複数個の冷却チューブと、
    個々の上記制御端子と接続する複数個の接続用貫通孔を有し、上記スイッチング素子の動作を制御する制御回路基板とを備える電力変換装置の製造方法であって、
    上記制御端子の突出方向を揃えつつ、少なくとも一つの上記半導体モジュールと、他の少なくとも一つの上記半導体モジュールとの、上記制御端子の先端の上記突出方向における高さ位置が、積層方向において互いに異なるように上記複数個の半導体モジュールと上記複数個の冷却チューブとを積層して積層体を形成する積層工程と、
    ばね部材を用いて上記積層体を上記積層方向に加圧する加圧工程と、
    上記制御端子の突出方向に直交するように上記制御回路基板を配置する配置工程と、
    上記積層体と上記制御回路基板とを該制御回路基板の主面に平行な方向へ相対的に移動することにより、上記制御回路基板に挿入されていない複数個の上記制御端子のうち、その先端が上記制御回路基板の主面に最も近い特定の上記制御端子と、該特定の制御端子に対応する特定の上記接続用貫通孔とを位置合わせした後、上記制御回路基板と上記積層体とを相対的に接近させることにより、上記特定の制御端子を上記特定の接続用貫通孔に挿入する挿入工程と、
    該挿入工程を全ての上記制御端子と上記接続用貫通孔との間で繰り返して行った後、全ての上記制御端子を上記各接続用貫通孔に接続する接続工程と、
    をこの順に行うことを特徴とする電力変換装置の製造方法。
  2. 請求項1において、上記積層工程において、上記制御端子の長さが互いに異なる複数種類の上記半導体モジュールと上記冷却チューブとを積層することにより、上記制御端子の先端の上記高さ位置を互いに異ならせることを特徴とする電力変換装置の製造方法。
  3. 請求項1において、上記積層工程において、上記制御端子の長さが互いに等しい複数個の上記半導体モジュールと上記冷却チューブとを積層し、上記突出方向における個々の上記半導体モジュールの配置位置を異ならせることにより、上記制御端子の先端の上記高さ位置を互いに異ならせることを特徴とする電力変換装置の製造方法。
  4. 請求項1において、上記積層工程において、上記制御端子の長さが等しい複数個の第1半導体モジュールと上記冷却チューブとを積層して、上記制御端子の先端の上記高さ位置が互いに等しい第1小積層体を形成すると共に、上記第1半導体モジュールとは上記制御端子の長さが異なる複数個の第2半導体モジュールと上記冷却チューブとを積層して、上記制御端子の先端の上記高さ位置が互いに等しく、該高さ位置が上記第1小積層体とは異なる第2小積層体を形成することにより、少なくとも2個の小積層体を有するように上記積層体を形成することを特徴とする電力変換装置の製造方法。
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