JP2011239623A - 電力変換装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電力変換装置1は、半導体モジュール21と冷却管61とを積層してなる半導体積層ユニット2と、半導体積層ユニットを収容するフレーム3と、半導体積層ユニットの積層方向Xの後端202に配されて、半導体積層ユニットを積層方向に加圧するバネ部材4と、バネ部材を半導体積層ユニットとの間に挟持するとともにフレームに係合する係合板5とを有する。フレームは、半導体積層ユニットの積層方向の後端に向かって開口する後方開口部31を形成してなると共に、後方開口部の両脇に係合壁部32を有する。係合板は、後方開口部の幅よりも長く、バネ部材の一部に対向する部分に切欠部51を形成してなる。係合板の両端部52がフレームの係合壁部の内側面に係合している。
【選択図】図1
Description
次いで、押圧治具による押圧を開放することにより、図29、図30に示すごとく、板バネ96を一部復元させて、板バネ96の両端部961を支承ピン97に支承させると共に、両端部961とフレーム95の内壁とにより支承ピン97を挟持する。これにより板バネ96の付勢状態を維持し、この板バネ96の付勢力によって半導体積層ユニット94を積層方向Xに加圧した状態とする。
その結果、電力変換装置9の大型化を招いてしまう。
また、板バネ96を配置した後、板バネ96とフレーム95の内壁との間に支承ピン97を配置する必要があるため、組み付け工数の増加という問題も生じる。
該半導体積層ユニットを収容すると共に該半導体積層ユニットの積層方向に直交する高さ方向の少なくとも一方の面が開口したフレームと、
上記半導体積層ユニットの積層方向の後端に配されて、該半導体積層ユニットを積層方向に加圧するバネ部材と、
該バネ部材を上記半導体積層ユニットとの間に挟持するとともに上記フレームに係合する係合板とを有し、
上記フレームは、上記半導体積層ユニットの積層方向の後端に向かって開口する後方開口部を形成してなると共に、該後方開口部の両脇に係合壁部を有し、
上記係合板は、上記後方開口部の幅よりも長く、また、上記バネ部材の一部に対向する部分に切欠部を形成してなり、
上記係合板の両端部が上記フレームの係合壁部の内側面に係合していることを特徴とする電力変換装置にある(請求項1)。
上記フレームに、上記半導体積層ユニットを、該半導体積層ユニットの積層方向の後端が上記後方開口部側となるように配置すると共に、上記バネ部材を上記半導体積層ユニットの積層方向の後端に配置する配置工程と、
次いで、上記バネ部材の後端部に押圧治具を当接し、該押圧治具を前方に押し込むことにより、上記バネ部材を圧縮変形させて、該バネ部材の後端を上記フレームの上記係合壁部の内側面よりも前方へ押し込む圧縮工程と、
次いで、上記切欠部に上記押圧治具が配されるように、上記係合板を上記高さ方向から上記バネ部材と上記係合壁部との間に差し込む差込工程と、
次いで、上記押圧治具による押し込み力を解除して上記バネ部材を復元させることにより、上記係合板を上記係合壁部に係合させる係合工程とを有することを特徴とする電力変換装置の製造方法にある(請求項8)。
それゆえ、バネ部材を押圧するための押圧治具を、押圧前の状態からフレーム内に配置する必要がない。換言すれば、フレーム内に押圧治具を配置するためのスペースを設ける必要がない。
このように、バネ部材による半導体積層ユニットへの加圧力の保持も、上記係合板をフレームに係合させることにより実現できるため、支承ピン等をフレーム内に配置する必要がない。
その結果、フレームの小型化を容易にして、電力変換装置の小型化を容易にすることができる。
そこで、本発明においては、上記係合板に上記切欠部を設けたことにより、係合板と押圧治具との干渉を防ぎ、半導体積層ユニットを積層方向に加圧した状態を維持しながら上記バネ部材を円滑にフレーム内に配置することができる。
また、上述のごとく、上記フレームの上記積層方向の外側から半導体積層ユニットに向かって上記バネ部材を圧縮することができるため、半導体積層ユニットをバランスよく押圧しやすいという観点からも、組み付け作業性を向上させることができる。
また、これにより、押圧治具によって上記フレームの上記積層方向の外側から半導体積層ユニットに向かって上記バネ部材を圧縮することができるため、半導体積層ユニットをバランスよく押圧しやすい。その結果、組み付け作業性を向上させることができる。
なお、上記半導体モジュールと上記冷却管とは、直接密着していてもよいし、絶縁材等を介して密着していてもよい。
また、上記第1の発明及び上記第2の発明において、「前」、「後」との表現を用いたが、これは、上記バネ部材が上記半導体積層ユニットを押圧する方向を「前」、その反対方向を「後」と、便宜的に定義したものである。
この場合には、押圧治具によって平面部分を押すことにより、上記バネ部材を積層方向に正確かつ容易に圧縮することができる。
この場合には、上記平面部分を容易かつ確実に形成することができる。
この場合には、上記バネ部材と上記平板部材との位置ずれを防ぐことができ、バネ部材による半導体積層ユニットの加圧状態を安定させることができる。
この場合には、圧縮前における上記半導体積層ユニットの積層方向の寸法が、上記フレームよりも大きくても、上記後方開口部から一部をはみ出させた状態で、フレーム内に半導体積層ユニットを配置することができる。それゆえ、一層、電力変換装置の生産効率を向上させることができる。
この場合には、上記係合板が、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管を固定する固定手段としての役割をも果たすことができる。それゆえ、フレーム内における半導体積層ユニットの安定性を確保すると共に、電力変換装置の部品点数を少なくすることができる。
この場合には、上記庇部によって上記バネ部材が上記高さ方向へずれることを防ぐことができる。
この場合には、上記半導体積層ユニットに対する上記バネ部材の加圧力を調整することができる。すなわち、厚みの大きい係合板を採用することによって、上記バネ部材の変位を大きくして加圧力を高めることができ、厚みの小さい係合板を採用することによって、上記バネ部材の変位を小さくして加圧力を弱めることができる。
これにより、例えば、半導体積層ユニットやフレーム等に積層方向の寸法バラツキがあっても、所望の加圧力を半導体積層ユニットに作用させることができる。
本発明の実施例にかかる電力変換装置につき、図1〜図10を用いて説明する。
本例の電力変換装置1は、図1、図4に示すごとく、半導体積層ユニット2と、フレーム3と、バネ部材4と、係合板5とを有する。
フレーム3は、半導体積層ユニット2を収容すると共に該半導体積層ユニット2の積層方向Xに直交する高さ方向Zの双方の面が開口している。
バネ部材4は、半導体積層ユニット2の積層方向Xの後端202に配されて、該半導体積層ユニット2を積層方向Xに加圧する。
係合板5は、バネ部材4を半導体積層ユニット2との間に挟持するとともにフレーム3に係合する。
図2、図3に示すごとく、係合板5は、後方開口部31の幅よりも長く、また、バネ部材4の一部に対向する部分に切欠部51を形成してなる。
そして、図1、図2に示すごとく、係合板5の両端部52がフレーム3の係合壁部32の内側面に係合している。
複数の冷却管61は、積層方向Xに直交する方向に長く、その長手方向(以下、この方向を適宜「横方向Y」という。)の両端部において、隣り合う冷却管61同士が変形可能な連結管62によって連結されて、一つの冷却器6を構成している。冷却器6は、積層方向Xの後端に配された冷却管61における横方向Yの両端部に接続した冷媒導入管631及び冷媒排出管632を有する。なお、冷却器6はアルミニウム等、熱伝導性に優れた金属からなる。
冷媒導入管631及び冷媒排出管632は、後方開口部31を通じて、フレーム3の外側へ突出している。
バネ部材4は、冷媒導入管631と冷媒排出管632との間において、半導体積層ユニット2の後端202に配されている。
バネ部材4は、螺旋状に巻回してなるコイルバネ40からなり、その一端に平板部材41を設けてなる。平板部材41は、図5に示すごとく、コイルバネ40の内側に嵌入して該コイルバネ40と平板部材41との位置ずれを防ぐための位置決め凸部411を突出形成してなる。
まず、配置工程において、図6に示すごとく、フレーム3に、半導体積層ユニット2を、その後端202が後方開口部31側となるように配置すると共に、バネ部材4を半導体積層ユニット2の後端202に配置する。
次いで、係合工程において、押圧治具7による押し込み力を解除してバネ部材4を復元させることにより、係合板5を係合壁部32に係合させる。
以上により、図1、図4に示す電力変換装置1が得られる。
また、図10に示すごとく、上記係合工程において組み付けられる係合板5に設けた切欠部51は、押圧治具7の太さよりも大きい幅を有する。例えば押圧治具7が正四角柱であれば、切欠部51の幅は、その断面形状(正四角形)の一辺の長さよりも少なくとも長く、また、対角長さよりも長いことが好ましい。また、例えば押圧治具7が円柱であれば、切欠部51の幅は、その断面形状(円形)の直径よりも長い。
本例の電力変換装置1において、フレーム3が、後方開口部31を形成してなると共に、後方開口部31の両脇に係合壁部32を有する。そのため、バネ部材4を半導体積層ユニット2の後端202に配置する際に、フレーム3の外側から半導体積層ユニット2に向かってバネ部材4を圧縮することができる。
それゆえ、バネ部材4を押圧するための押圧治具7を、押圧前の状態からフレーム3内に配置する必要がない。換言すれば、フレーム3内に押圧治具7を配置するためのスペースを設ける必要がない。
このように、バネ部材4による半導体積層ユニット2への加圧力の保持も、係合板5をフレーム3に係合させることにより実現できるため、支承ピン(図27〜図30における符号97参照)等をフレーム3内に配置する必要がない。
その結果、フレーム3の小型化を容易にして、電力変換装置1の小型化を容易にすることができる。
そこで、本例においては、係合板5に切欠部51を設けたことにより、係合板5と押圧治具7との干渉を防ぎ、半導体積層ユニット2を積層方向Xに加圧した状態を維持しながらバネ部材4を円滑にフレーム3内に配置することができる。
また、上述のごとく、フレーム3の積層方向Xの外側から半導体積層ユニット2に向かってバネ部材4を圧縮することができるため、半導体積層ユニット2をバランスよく押圧しやすいという観点からも、組み付け作業性を向上させることができる。
また、バネ部材4は、コイルバネ40からなり、平板部材41は位置決め凸部411を突出形成してなる。これにより、バネ部材4と平板部材41との位置ずれを防ぐことができ、バネ部材4による半導体積層ユニット2の加圧状態を安定させることができる。
これにより、例えば、半導体積層ユニット2やフレーム3等に積層方向Xの寸法バラツキがあっても、所望の加圧力を半導体積層ユニット2に作用させることができる。
本例は、図11、図12に示すごとく、半導体積層ユニット2の幅よりも大きい幅を有する後方開口部31をフレーム3に設けた電力変換装置1の例である。
すなわち、半導体積層ユニット2における横方向Yの最大寸法W1よりも、後方開口部31における横方向Yの寸法W2の方が大きい。ここで、半導体積層ユニット2における横方向Yの最大寸法W1は、冷却器6の横方向Yの最大寸法であって、冷却管61の長さである。
その他は、実施例1と同様である。
つまり、例えば、フレーム3内にまず冷却器6を配置した後、隣り合う冷却管61の間に半導体モジュール21を挿入配置する場合、隣り合う冷却管61の間の隙間を充分に大きくした状態の冷却器6をフレーム3に配置することがある。そして、その後、フレーム3内において、冷却器6を積層方向Xに圧縮変形させて、冷却管61の間隔を狭める。
それゆえ、一層、電力変換装置1の生産効率を向上させることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図13、図14に示すごとく、係合板5における高さ方向Zの一端に、半導体積層ユニット2へ向かって突出した庇部54を設けた例である。
庇部54は、係合板5を電力変換装置1に装着した状態において、バネ部材4における平板部材41とコイルバネ40の一部とを、高さ方向Zから覆うように形成されている。
また、平板部材41の高さ方向Zの一端は、庇部54に当接している。
上記差込工程においては、庇部54を設けていない方の端部から、係合板5をバネ部材4(平板部材41)と係合壁部32との間に差し込み、庇部54が平板部材41に接触した段階で、差し込みを完了するようにすることができる。
その他は、実施例1と同様である。
その結果、バネ部材4による安定した加圧状態を維持することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図15〜図19に示すごとく、係合板5が、冷媒導入管631及び冷媒排出管632を、フレーム3との間で挟持して固定するための管固定部55を備えている例である。
本例において、係合板5は、バネ部材4の後端部(平板部材41)を支承する中央部分501と、その左右において中央部分501よりも高さ方向Zの寸法が小さい一対の翼部502とを有する。
そして、係合板5の翼部502は、支承凹部341と対向する部分に、一対の凹状の上記管固定部55を形成してなる。
その他は、実施例1と同様である。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図20〜図22に示すごとく、冷却器6が、冷媒導入管631及び冷媒排出管632を、半導体積層ユニット2の積層方向Xの前端201に備えている電力変換装置1の例である。
換言すれば、バネ部材4及び係合板5を、冷却器6における冷却管冷媒導入管631及び冷媒排出管632を配設していない側の端部に配置した例である。
その他は、実施例1と同様である。
そのため、係合板5の構成を簡素化することができると共に、係合板5の剛性を高くすることができる。
また、実施例1のように、冷媒導入管631及び冷媒排出管632を後方開口部31から突出させる必要がないため、後方開口部31の横方向Yの寸法を小さくすることも可能となる。その結果、フレーム3の剛性も高くしやすい。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
2 半導体積層ユニット
202 (半導体積層ユニットの)後端
21 半導体モジュール
3 フレーム
31 後方開口部
32 係合壁部
4 バネ部材
5 係合板
51 切欠部
52 (係合板の)端部
6 冷却器
61 冷却管
7 押圧治具
X 積層方向
Claims (9)
- 電力変換回路の一部を構成する半導体モジュールと該半導体モジュールを冷却する冷却器を構成する複数の冷却管とを積層してなる半導体積層ユニットと、
該半導体積層ユニットを収容すると共に該半導体積層ユニットの積層方向に直交する高さ方向の少なくとも一方の面が開口したフレームと、
上記半導体積層ユニットの積層方向の後端に配されて、該半導体積層ユニットを積層方向に加圧するバネ部材と、
該バネ部材を上記半導体積層ユニットとの間に挟持するとともに上記フレームに係合する係合板とを有し、
上記フレームは、上記半導体積層ユニットの積層方向の後端に向かって開口する後方開口部を形成してなると共に、該後方開口部の両脇に係合壁部を有し、
上記係合板は、上記後方開口部の幅よりも長く、また、上記バネ部材の一部に対向する部分に切欠部を形成してなり、
上記係合板の両端部が上記フレームの係合壁部の内側面に係合していることを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1に記載の電力変換装置において、上記バネ部材は、後端部に、上記積層方向に直交する平面部分を有することを特徴とする電力変換装置。
- 請求項2に記載の電力変換装置において、上記平面部分は、上記バネ部材の端部に設けた平板部材によって構成されていることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項3に記載の電力変換装置において、上記バネ部材は、螺旋状に巻回してなるコイルバネからなり、上記平板部材は、上記コイルバネの内側に嵌入して該コイルバネと上記平板部材との位置ずれを防ぐための位置決め凸部を突出形成してなることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電力変換装置において、上記後方開口部は、上記半導体積層ユニットの幅よりも大きい幅を有することを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電力変換装置において、上記冷却器は、冷却媒体を導入するための冷媒導入管と冷却媒体を排出するための冷媒排出管とを、積層方向の後端に配された上記冷却管に固定してなり、上記係合板は、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管を、上記フレームとの間で挟持して固定するための管固定部を備えていることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電力変換装置において、上記係合板は、上記高さ方向の一端に、上記半導体積層ユニットへ向かって突出した庇部を有することを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の電力変換装置を製造する方法であって、
上記フレームに、上記半導体積層ユニットを、該半導体積層ユニットの積層方向の後端が上記後方開口部側となるように配置すると共に、上記バネ部材を上記半導体積層ユニットの積層方向の後端に配置する配置工程と、
次いで、上記バネ部材の後端部に押圧治具を当接し、該押圧治具を前方に押し込むことにより、上記バネ部材を圧縮変形させて、該バネ部材の後端を上記フレームの上記係合壁部の内側面よりも前方へ押し込む圧縮工程と、
次いで、上記切欠部に上記押圧治具が配されるように、上記係合板を上記高さ方向から上記バネ部材と上記係合壁部との間に差し込む差込工程と、
次いで、上記押圧治具による押し込み力を解除して上記バネ部材を復元させることにより、上記係合板を上記係合壁部に係合させる係合工程とを有することを特徴とする電力変換装置の製造方法。 - 請求項8に記載の電力変換装置の製造方法において、異なる厚みの複数種類の上記係合板を用意しておき、上記差込工程においては、上記複数種類の係合板から選択した一つの上記係合板を上記バネ部材と上記係合壁部との間に差し込むことを特徴とする電力変換装置の製造方法。
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