JP5359120B2 - 高輝度ラミネートインキ組成物およびそれを用いてなる耐レトルト性軟包装材。 - Google Patents

高輝度ラミネートインキ組成物およびそれを用いてなる耐レトルト性軟包装材。 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂被膜されたアルミニウムペーストを有する耐レトルト用高輝度ラミネートインキ組成物に関する。更に詳しくは、アルミニウム微粉末の表面にアクリル樹脂被膜層を有する樹脂被膜アルミニウムペーストに於いて、該ペーストがインキに配合された時、優れた耐レトルト性、耐薬品性を有する耐レトルト用高輝度ラミネートインキ組成物およびそれを用いてなる耐レトルト性軟包装材に関する。
近年、テレビ、オーデイオ、携帯電話等の家電製品のプラスチック塗装や化粧品外装等の各種身の回り製品には高輝度のメタリック塗装、印刷が行われている。これらの場合は輝度感の高いアルミニウム顔料が使われる場合が多い。しかしながらこれらに用いられるアルミニウム顔料をフイルム等に印刷し、軟包装用製品に応用した場合、ボイル/レトルト処理により、アルミニウム顔料の印刷面が褪色したり、消失することが多く、実用上大きな課題となっていた。アルミウムは、化学的活性が強いためアルミニウム微粉末の表面を何らかの方法により強固に被覆する必要があった。
樹脂でアルミニウム表面を被覆しても活性の強いアルミニウムとの接触を完全に遮断するのは困難であった。例えば、特開2001−115061号公報等には樹脂被覆したアルミ顔料を含む印刷インキ、塗工液に架橋性の樹脂、硬化剤を添加し、インキ層、塗工層自体を強固にすることが行われているが、十分にインキ被膜を硬化させても、完全にアルミニウムの活性に由来する褪色、消失を防ぐことは困難であった。
特に、プラスチックフイルムを基材とする軟包装分野においては各種フイルムに対して印刷適性を有し、また耐レトルト性の優れた高輝度ラミネートインキが望まれているがそのような耐レトルト性を有するラミネートインキはなかった。
特開2001−115061号公報 特開2002−121423号公報 特開平9−71734号公報 特開2003−213157号公報 特開2005−146111号公報
本発明の目的は、上記のようなレトルト処理に伴う課題を解決し、耐薬品性に優れ、また輝度感に優れた樹脂被覆アルミニウムペーストを用いた耐レトルト用高輝度ラミネートインキ組成物およびそれを用いてなる耐レトルト性軟包装材を提供することである。
本発明者らは、前記した課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、アクリル樹脂で被覆されたアルミニウムペーストにおいて特定の樹脂層の厚さを有するものが、軟包装材のレトルト適性が優れていることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、粒子径が5〜20μmのアルミニウム微粉末をアクリル樹脂で被覆することにより得られた樹脂被覆アルミニウムペースト、およびバインダー樹脂を含む高輝度インキ組成物において、下記(1)〜(3)を特徴とする耐レトルト用高輝度ラミネートインキ組成物に関する。
(1)樹脂被覆アルミニウムペーストが高輝度インキ組成物中、固形分換算で2〜30重量%である。
(2)アクリル樹脂で被覆されたアルミニウム微粉末の樹脂被覆層の厚さが0.02〜0.04μmである。
(3)バインダー樹脂がポリウレタン樹脂および塩酢ビ樹脂を含む。
さらに本発明は、アクリル樹脂を構成する不飽和単量体が、不飽和二重結合を2個以上有する単量体を5%以上含むことを特徴とする上記載の耐レトルト用高輝度ラミネートインキ組成物に関する。
上記の耐レトルト用高輝度ラミネートインキ組成物を、基材に印刷してなる耐レトルト性高輝度積層体。
本発明の耐レトルト用高輝度ラミネートインキ組成物を軟包装材に用いると、ボイル/レトルト処理を行ってもインキ印刷部分が褪色、消失することなく、また輝度インキの
特性である輝度感を保持できる。そのため意匠性、美称性に優れた軟包装材が得られる。
本発明の高輝度ラミネートインキ組成物は、従来の輝度インキと異なり、食品用途としてボイル、レトルト処理工程があるものについても適用可能である。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の高輝度ラミネートインキ組成物に使用される樹脂被覆されたアルミニウムペーストはインキ皮膜に輝度感、例えばメタクリック調を付与し、視覚を通して製品全体の意匠性、美称性を高めるものである。皮膜の輝度感は一般には、アルミニウム微粉末固有の色調の他、アルミニウム微粉末のインキ皮膜中、もしくはインキ表面近傍での配列、配向による構造因子にも依存する。輝度感を得るにはアルミニウム微粉末の性状、例えば表面処理方法、粒子径、或いは濃度等の適性化が必要である。
アルミニウム微粉末としては、公知の方法で製造したものを使用できる。例えばボールミル粉砕法、スタンプミル法、蒸着解砕法等がある。アルミニウム微粉末は、脂肪酸等で処理し、適正な粒度、大きさ、安定性を得ることができる。
従来の一般的なアルミニウムペーストは、アルミニウム微粉末の素材をボールミルや他の粉砕機で、フレーク状(鱗片状)に潰しながら、脂肪酸で表面処理を行い、製造するのが一般的であり、その脂肪酸の種類によりリーフイングタイプとノンリーフィングタイプの2種類がある。この2つのタイプは、表面処理剤の違いによりインキ塗膜層でのアルミニウムの配列が異なってくる。
本発明においては、アルミニウム微粉末はアクリル樹脂で被覆されており、タイプ的にはノンリーフィングに属する。アクリル樹脂による被覆は、重合性の不飽和単量体より重合、一般にはラジカル重合により得られる。
不飽和二重結合を有する単量体としては、例えば、ラウリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有する不飽和単量体;アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド基を有する不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート等の三級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸;N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素不飽和単量体;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の芳香族不飽和単量体;ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の含珪素不飽和単量体;オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の含フッ素不飽和単量体、イソシアネート基をブロックした不飽和単量体等の不飽和基を一つ有する単量体類、及びジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能性不飽和単量体等が挙げられる。活性水素を有しない不飽和単量体としては、前記不飽和単量体の内、カルボキシル基、水酸基、メチロール基、シラノール基、アミド基、1級、2級アミノ基等を含有しない不飽和単量体が挙げられる。
その他、不飽和二重結合を3個以上有するモノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等がある。
本発明においては不飽和二重結合を2個以上有する単量体をアクリル樹脂中に5%以上用い、また、芳香族環を有する単量体を10%以上有することが好ましい。不飽和二重結合を2個以上有する単量体としてはトリメチロールプロパントリアクリレートが好ましい。また芳香族環を有する単量体としてはスチレンが好ましい。
アクリル樹脂は、不飽和単量体のラジカル重合により得ることが好ましい。重合開始剤は水溶性開始剤、油溶性開始剤共に使用可能である。これら重合開始剤は、不飽和単量体に対して0.05〜5%の範囲内で好適に用いられる。温度は40〜100℃が好ましく、レドックス開始剤では80℃以下で十分である。重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソブチルバレロニトリル、等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、クミルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、ラウリルパーオキサイド、ジーtーブチルパーオキサイド、ジー2ーエチルヘキシルパーオキシジンカーボネイト等の有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の無機パーオキサイド化合物がある。有機または無機パーオキサイド化合物は、還元剤と組み合わせてレドックス系開始剤として使用することも可能である。用いられる還元剤としては、L−アスコルビン酸、L−ソルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、ロンガリット等が挙げられる。
アルミニウム微粉末のアクリル樹脂による被覆は、例えばステンレス製の反応容器中にミネラルスピリット、ヘキサン、ソルベントナフサ等の溶媒を用い、アルミニウム微粉末の存在下、不飽和単量体を重合することで得られる。重合に際しては、架橋させる目的で不飽和二重結合を2個以上有する架橋剤、硬化剤を使用したり、分子量を調節する目的で公知の連鎖移動剤、例えばオクチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、ターシャルドデシルメルカプタン、チオグリコール酸等の使用も可能である。重合は窒素雰囲気下で反応温度、60〜110℃で、1時間〜7時間行う事が好ましい。また、重合開始剤濃度は、0.01〜10重量%以下が好ましい。不飽和単量体の重合後、溶剤置換を通して目的とする溶剤に変えたり、未反応の単量体、表面に吸着、固着していない樹脂等の除去が行われる。
本発明に使用されるアルミニウム微粉末は、粒子径が5〜20μmのものが好ましい。粒子径が5μm以下の場合は得られるインキの粘度が高くなり、レベリング性が低下し、印刷効果(印刷物の外観品質)の低下がおこる。20μm以上の場合は、インキ塗膜の隠蔽力が低下したり、ドクター筋の発生、印刷効果の低下が起こりやすい。更に好ましくは8〜15μmである。
アルミニウム微粉末は一般に鱗片状の形をしており、形状は粒子径と厚みにより表される。粒子径は粒子の大きな面をなす側の平均粒子径で光散乱による粒度分布測定装置、或いは電子顕微鏡による直接観察で測定される。本発明においては、光散乱法による粒子径をD50値(累積重量50%粒子径)の平均粒子径とした。
樹脂被覆されたアルミニウムペーストの樹脂被覆層の厚さは、アルミ微粉末に対する不飽和単量体の相対的な仕込み量、重合開始剤濃度、不飽和二重結合を2個以上有する単量体の使用量により調整できる。不飽和単量体の重合によりアルミニウム微粉末表面上にアクリル樹脂を析出させ、樹脂層を形成する。反応終了後に濾過、洗浄、溶剤置換工程によりペースト化する。このような方法によりアルミニウムペーストを調製することで耐ボイル、レトルト性、輝度感に極めて優れた印刷物、積層体、軟包装袋が得られる。アクリル樹脂被覆層の厚さは、0.02μm以上であることが好ましい。被覆層の厚さが0.02μm以下であると耐ボイル、レトルト性が劣る傾向にある。被覆層は厚い方が好ましいが、0.05μm以上になると、その樹脂層が厚いことからインキ被膜中でのアルミペースト同士の相対的な位置、配向性に影響が出て輝度感が低下する。そのため好ましくは0.02〜0.05μmである。
樹脂被覆層の厚みは、直接的には電子顕微鏡による断面写真により得られる。例えば、樹脂被覆されたアルミニウムに金属蒸着し、エポキシ樹脂に埋包、硬化し、ミクロトームによりアルミニウムの断面を出し、電子顕微鏡で観察する方法で得られる。
高輝度ラミネートインキ組成物中のアルミニウムペーストの固形含有量は2〜30重量%が好ましい。2重量%以下の場合では隠蔽力、輝度感が低下する傾向がある。30重量%以上の場合では、インキの粘度が高くなり、インキ流動性が低下する。更に好ましくは5〜20重量%である。
次に本発明では、バインダー樹脂として、ウレタン樹脂、ビニル系共重合物、塩酢ビ樹脂、ポリアミド樹脂、硝化綿、塩素化ポリオレフイン樹脂、アルキッド樹脂、ロジン樹脂等を使用できる。本発明においてはウレタン樹脂もしくはウレタン樹脂/塩酢ビ樹脂が好適に用いられる。ウレタン樹脂は各種基材への密着性がよく耐ボイル、レトルトを得る上で好ましい。また、塩酢ビ樹脂は、インキ中でのアルミペーストの安定化、印刷後の耐ブロッキング性向上の点で好ましい。
本発明で利用可能なポリウレタン樹脂は、従来からの既知の方法で製造でき、製造方法は特に制限されるものではない。例えば、ポリオール化合物と有機ジイソシアネート化合物とをイソシアネート基が過剰となる割合で反応させ、ポリオールの末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを調整し、次いでこれを溶媒中で鎖延長剤、反応停止剤とを反応させる二段法があげられる。二段法は均一な重合体溶液が得られやすい点で好ましい。溶媒としては、エステル系溶剤、ケトン系溶剤およびアルコール系溶剤の単独または2種以上の混合物を用いることができる。
ここで、利用可能なポリオール化合物としては、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体などのポリエーテルポリオール類;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタジオール、メチルペンタジオール、ヘキサジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、メチルノナンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの飽和および不飽和の低分子グリコール類と、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、バーサティック酸グリシジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステルと、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸などの二塩基酸もしくはこれらの無水物とを脱水縮合せしめて得られるポリエステルポリオール類;その他ポリカーボネートジオール類、ポリブタジエングリコール類、ビスフェノールA酸化エチレンまたは酸化プロピレンを付加して得られるグリコール類;ダイマージオール類などの各種公知のポリオールが挙げることができる。これらのポリオールは、単独で用いても、2種以上併用しても良い。
なお、これらのポリオールのうち、グリコール類と二塩基酸から得られるポリオールを用いる場合には、グリコール類のうち5モル%までを各種ポリオールに置換することができる。すなわち、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリトール等のポリオールに置換してもよい。
得られるポリウレタン樹脂の溶解性、乾燥性、耐ブロッキング性等を考慮して適宜決定されるが、通常は分子量500〜6,000が好ましい。分子量が500未満になると溶解性の低下に伴い印刷適性が劣る傾向にあり、また6,000を超えると乾燥性および耐ブロッキング性が低下する。
次に、利用可能な有機ジイソシアネート化合物としては,芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のジイソシアネート類が挙げることができる。たとえば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4、4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等である。
次に、ポリオール化合物と有機ジイソシアネートとを反応させる際のポリウレタン樹脂の製造方法は特に限定されるものではない。たとえば、ポリオール化合物と有機ジイソシアネートとを反応させる際の条件は有機ジイソシアネートを過剰にする他に特に限定はないが、イソシアネート基/水酸基のモル当量比が1.2/1〜3/1の範囲内にあることが望ましい。イソシアネート基/水酸基のモル当量比が1.2/1以下であると得られたポリウレタン樹脂が脆弱なため、印刷インキに使用した際にブロッキングが発生し易くなる。一方、イソシアネート基/水酸基のモル当量比が3/1以上であると樹脂の製造に粘度が高くなってしまい、反応中にゲル化し易くなる。また反応温度は通常80℃〜200℃の間で行われ、好ましくは90℃〜150℃の間で行うのがよい。
上記のポリウレタン化反応は、溶剤中で行ってもよいし、無溶剤雰囲気下で行ってもよい。溶剤を使用する場合は、後に示す溶剤を反応時の温度および粘度、副反応の制御の面から適宜選択して用いるとよい。また無溶剤雰囲気下でポリウレタン化反応をする場合は、均一なポリウレタン樹脂を得るために、攪拌が十分可能な程度に温度を上げて粘度を下げて行うことが望ましい。ウレタン化反応は10分〜5時間行うのが望ましく、反応の終点は粘度測定、IR測定によるNCOピーク、滴定によるNCO%測定等により判断される。
更に、ポリオール化合物と有機ジイソシアネートを反応させて末端イソシアネート基を有するプレポリマーを合成した後、鎖延長剤および反応停止剤を用いてポリウレタン樹脂中に尿素結合を導入し、ポリウレタン・ウレア樹脂とすることで、塗膜物性は更に向上する。
次に、尿素結合を導入する際に利用可能な鎖延長剤としては、各種公知のアミン類を使用することが出来る。たとえばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンなどが挙げられる。その他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の分子内に水酸基を有するジアミン類およびダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等もその代表例として挙げられる。
次に、利用可能な反応停止剤としては、C8以上C22以下の長鎖アルキル基を有する脂肪族アミン化合物、脂肪族アミド化合物が挙げられる。脂肪族アミン化合物としては、オクチルアミン、ラウリルアミン、ココナットアミン、ミリスチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、パルミチルアミン等の単独もしくは2種以上混合して用いられる。脂肪酸アミド化合物としては、オクタン酸アミド、デカン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド等の単独もしくは2種以上混合して用いられる。
8以上C22以下の長鎖アルキル基を有する脂肪族アミン化合物またはC8以上C22以下の長鎖アルキル基を有する脂肪族アミド化合物をポリウレタン樹脂の末端に導入することにより耐ブロッキング性が向上する。長鎖アルキル基は表面活性な性質を示すため、塗膜形成過程で表面に配向し、ポリウレタン樹脂の耐ブロッキング性を改善していると考えられる。
なお、ポリウレタン樹脂中に尿素結合を導入する製造方法も、特に限定されるものではないが、プレポリマーの両末端に有する遊離のイソシアネート基の数を1とした場合の鎖延長剤および反応停止剤中のアミノ基の合計数量が0.5〜1.3の範囲内であることが好ましい。アミノ基の合計数量が0.5未満の場合、乾燥性、耐ブロッキング性、塗膜強度が充分でなく、1.3より過剰になると、鎖延長剤および反応停止剤が未反応のまま残存し、印刷物に臭気が残りやすい。
上記製造法において使用される溶剤としては、通常、印刷インキ用の溶剤としてよく知られているメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の非芳香族炭化水素系溶剤が挙げられ、これらを単独または2種類以上の混合物で用いる。なお反応時に、上記のケトン系溶剤を使用した場合、ケトンと鎖延長剤として使用するアミンとの間でケチミンが生じ、円滑な反応を阻害する。ケチミンの発生を抑え、反応を円滑にするために少量の水を併用することが望ましい。
本発明においては、ウレタン樹脂の製造を芳香族系溶媒中で行うことも可能であるが、作業環境の安全性の点で非芳香族系溶媒を使うことが好ましい。例えば、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤等である。
ポリウレタン樹脂の平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)測定により得られ、ポリスチレン換算で算出された重量平均分子量を示す。平均分子量は5,000〜100,000の範囲内とすることが好ましい。ポリウレタン樹脂の数平均分子量が5,000未満の場合には、これをバインダーとして用いた印刷インキの乾燥性、耐ブロッキング性、皮膜強度、耐油性等が低下しやすく、一方、10,000を越える場合は印刷インキの粘度が高くなり、印刷皮膜の光沢が低くなる傾向がある。
次に本発明では塩酢ビ樹脂も好適に使用できる。塩酢ビ樹脂は、塩化ビニルモノマー、脂肪酸ビニルモノマーおよび一分子中に不飽和炭素−炭素二重結合を有し、かつ官能基を有するモノマーを共重合反応させたものである。
本発明に使用される脂肪酸ビニルモノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、モノクロロ酸ビニル、バーサキック酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが挙げられる。
ここで、一分子中に炭素−炭素不飽和二重結合を有し、且つ、官能基を有するモノマーにおける官能基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、イソシアノ基、エポキシ基などが挙げられる。
ヒドロキシル基を有するモノマーとしては、ビニルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシスチレン、N−メチロールアクリルアミドなどが挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、イソ吉草酸、マレイン酸、フマル酸、誘導体の例として、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸塩、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
又、イソシアノ基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート等の他、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネートと反応させて得られるものが挙げられる。
又、エポキシ基を有するモノマーとしては、グリシジルメタクリレート、グリシジルシンナメート、グリシジルアリルエーテル、グリシジルビニルエーテル、ビニルシクロヘキサンモノエポキサイド、1、3−ブタジエンモノエポキサイドなどが挙げられる。
要求性能に応じてこれらの内から1種、又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明において、塩酢ビ系樹脂の重合方法としては、従来からの既知の方法で製造でき、製造方法は特に制限されるものではない。例えば、重合器内に水と分散剤と重合開始剤を仕込み、脱気した後、塩化ビニルモノマーの一部と脂肪酸ビニルモノマーを圧入して反応をスタートさせ、残りの塩化ビニルモノマーを反応中に圧入しながら重合を行なう懸濁重合法が挙げられる。
又、同様な樹脂は市販されており、例えば、日信化学(株)のニッシンビニル等が挙げられる。
重合開始剤としては、前述のアクリル樹脂の重合に用いたものがそそまま使用できる。例えば過酸化ベンゾイル、アゾイソブチルバレノニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルオクトエート、クメンヒドロキシペルオキシド等が用いられ、重合温度は50〜140℃、好ましくは70〜140℃である。
得られる重合体の好ましい重量平均分子量は、5,000〜100,000である。
上記製造方法に使用される溶剤としては芳香族系溶剤の使用も可能であるが、作業環境の安全、衛生性の観点からは非芳香族系溶剤が好ましい。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの使用が可能である。溶剤は2種類以上の混合物でもよい。
本発明の高輝度インキ組成物に使用されるポリウレタン樹脂と塩酢ビ樹脂の含有比率(固形重量比)は、基材への密着性の面から、95:5〜50:50が好ましい。更に好ましくは、80:20〜60:40である。
次に、本発明の高輝度ラミネートインキ組成物で利用する溶剤としては、前述の通り非芳香族系溶剤が好ましい。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系有機溶剤、アセトン,メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系有機溶剤、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素系有機溶剤、および、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの脂環族炭化水素系有機溶剤を挙げることができ、バインダー樹脂の溶解性や乾燥性などを考慮して、混合して利用することが好ましい。これらの有機溶剤の使用量としては、通常のインキでは30重量%以上含有される。
さらに、本発明では、接着性や各種耐性の向上を目的として、各種ハードレジン、ワックスを添加することができる。
ここで、ハードレジンとしては、ダイマー酸系樹脂、マレイン酸系樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、ダンマー樹脂、コーパル樹脂、塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。これらのハードレジンを利用すると、特に表面処理の行われていないプラスチックフィルムに対して、接着性の向上効果が期待できる。
また、高輝度インキ組成物では、耐ブロッキング性の向上を目的として、ワックス成分を含有させることができる。 ワックスとしては、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックスなどの既知の各種ワックスが利用できる。
さらに、レベリング剤、界面活性剤、可塑剤等の各種インキ用添加剤を必要に応じて使用できる。
これらの材料を利用して高輝度ラミネートインキ組成物を製造する方法として、まず、バインダー樹脂、有機溶剤、および必要に応じて界面活性剤などをディスパーなどで充分攪拌混合した後、樹脂被覆したアルミペーストを添加混合する方法が好ましい。
以上の材料と製造方法から得られた高輝度ラミネートインキ組成物は裏刷り用グラビアインキ組成物として、プラスチックフィルム(1)上へグラビア印刷される。プラスチックフイルム(1)としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの延伸および無延伸ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、セロファン、ビニロンなどを挙げることができる。本用途としては、ポリエステルフイルムであるポリエチレンテレフタレートとナイロンが好ましい。
ヒートシール性プラスチックフイルム(2)としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、非配向ポリプロピレン、配向ポリプロピレン等が好ましい。フィルム厚さは25〜80μmが好ましい。
プラスチックフイルム(1)とヒートシール性プラスチックフイルム(2)の間には必要に応じてバリアー性基材を設けることが可能である。バリアー性基材としては、金属蒸着フイルム、シリカおよび/またはアルミナ蒸着フイルム、アルミ箔等がある。バリアー性基材を設けることにより、内容物に対するガス、光等の影響を排除できる。
印刷構成としては、通常のラミネートインキの印刷に用いるのと同様な構成が可能である。例えば、構成(A):プラスチックフイルム(1)/高輝度ラミネートインキ層/接着剤層/ヒートシール性プラスチックフイルム(2)、構成(B):プラスチックフイルム(1)/高輝度ラミネートインキ層/接着剤層/バリア性基材/接着剤層/ヒートシール性プラスチックフイルム(2)、構成(C):プラスチックフイルム(1)/接着剤層/バリアー性基材/接着剤層/高輝度ラミネートインキ層/接着剤層/ヒートシール性プラスチックフイルム(2)等が挙げられる。
以下,実施例でもって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、本実施例において「部」および「%」は「重量部」および「重量%」を表す。
(調製例1)<樹脂被覆アルミペーストの調製>
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器にアルミニウム顔料ペースト(樹脂被覆のなし)500g、ミネラルスピリット5000g,ジビニルベンゼン5g、メチルメタクリレート50g、ブチルアクリレート25g、スチレン20g、アゾビスイソブチロニトリル0.3gを仕込み80℃で3時間反応させ、冷却し反応溶液を得た。次に濾過、洗浄を行い、プロピレングリコールモノメチルエーテルに置換し樹脂被覆アルミペースト(アルミペーストA)を得た。
(調製例2〜7、10,11)<樹脂被覆アルミペーストの調製>
調製例2〜7、10,11は、調製例1と同様な方法で樹脂被覆アルミペーストを調製した。使用した不飽和単量体、開始剤を表1に示す。尚、調製例8,9は樹脂被覆のない脂肪酸処理のみのアルミペーストである。
(調整例12)<ポリウレタン樹脂の調製>
(重合例)撹拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四ツ口フラスコに数平均分子量2,000のポリプロピレングリコール313部とイソホロンジイソシアネート63部および酢酸エチル60.0部を仕込み、窒素気流下に90℃で6時間反応させた。次いでイソホロンジアミン21部、酢酸エチル360.0部、イソプロピルアルコール180.0部を添加し、固形分40%、25℃における粘度200mPaS、重量平均分子量9,000のポリウレタン樹脂のワニス(ウレタン樹脂ワニス)を得た。分子量はUV検出器、屈折率計を備えたGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフイ、Shodex DS−4、昭和電工社製)を使用し、ポリスチレン換算により算出した。
(調製例13)<塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体ワニスの調製>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ樹脂、ソルバインTA5R 日信化学(株)製)25部を、酢酸エチル75部に混合溶解させて、試験用塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体ワニス(塩酢ビワニス)を得た。
(調製例14)<白インキの調製>
次に調製例12で得られたウレタン樹脂ワニス12部、および調製例13で得られた塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体ワニス(塩酢ビワニス)19.2部と酸化チタン(チタニックスJR800(テイカ(株)製)40部、メチルシクロヘキサン:イソプロピルアルコール:酢酸エチル=40:40:20(重量比)からなる混合溶剤28.8部を配合後、サンドミルで分散、混練し下地用の白インキを作成した。
参考実施例1)
調製例1で得られた樹脂被覆アルミニウムペーストA、調製例12で得られたウレタン樹脂ワニス45部、および調製例13で得られた塩酢ビワニス8部、未処理シリカ(富士シリシア(株)製 サイリシア450 粒子径5.2μm)を1.0部、メチルエチルケトン:イソプロピルアルコール:酢酸エチル=40:40:20(重量比)からなる混合溶剤29.5部を配合後、ディスパーで20分攪拌して高輝度ラミネートインキ組成物Aを得た。
次に、高輝度ラミネートインキ組成物Aをグラビア校正機(版深30μm)にてナイロン(Ny、エンブレムON−RT、ユニチカ社製、膜厚15μm)に印刷し、続けて調製例14で得た白インキを重ね刷りした。
耐レトルト性、ラミネート強度、ヒートシール強度等を評価、測定する目的で、ラミネート物、ヒートシール物を作成した。ラミネート物は前記印刷物にイソシアネート系接着剤(TM−250,CAT−RT80、何れも東洋モートン社製)を固形分で3g/m2
の塗付量になるよう塗布し、無延伸ポリプロピレンフイルム(トレファンZK93K、東レ社製、膜厚60μm)を積層し、40℃で3日間エージングして評価試料とした。ヒー
トシール物は、前記ラミネート物をヒートシール温度180℃、ニップ圧20N/cm2、ヒートシール時間1秒にてヒートシールし、評価試料とした。
(実施例6、7、参考実施例2〜5、比較例1〜6)
実施例6、7、参考実施例2〜5、比較例1〜6におけるアルミペースト、バインダー樹脂等の配合比を表2に示す。高輝度インキ組成物の調製は参考実施例1と同様である。白インキは参考実施例1と同じものを使用した。また、印刷、ラミネート、ヒートシール物の作成も参考実施例1と同様である。
高輝度ラミネートインキ組成物を用いた印刷物、ラミネート物、ヒートシール物について、下記の方法で印刷効果、テープ接着性、耐アルカリ性、耐レトルト性、輝度感、ラミネート強度、ヒートシール強度を評価した。結果を表3に示す。
(印刷効果)
フイルム印刷面のインキのレベリング性の良否について、色の濃淡の均一性の観点より目視評価した。
〇: レベリング性が非常良好である
〇△: 〃 良好である
△: 〃 普通である
△×: 〃 劣っている
×: 〃 非常に劣っている
(テープ接着性の評価)
フイルム印刷面にセロハンテープ(ニチバン社製 幅12mm)を貼り付け、指で5回圧着した後、テープを剥離した。テープを貼り付けた面積と、インキ皮膜がフイルムから剥離した面積との比較から、フイルムに対する接着性を評価した。
〇: インキ皮膜が全く剥離しなかったもの
〇△:インキ皮膜が剥離した面積がテープ接着面積約75%のもの
△: 〃 約50% 〃
△×: 〃 約25% 〃
×: インキ皮膜の全面が剥離したもの
(耐アルカリ性の評価)
フイルム印刷面へ3%NaOH溶液を滴下し、常温で24時間放置後、目視にて変褪色を評価した。
〇: 褪色がない
〇△: 〃 極僅かである
△: 〃 多い
△×: 〃 著しい
×: 〃 極めて著しい
(輝度感の評価)
ラミネート物の輝度感をレトルト処理前後で目視評価した。
〇:輝度感が変化が殆どない
〇△: 〃 僅かに低下した
△: 〃 かなり低下した
△×: 〃 著しい
×: 〃 極めて著しい
(耐レトルト性試験)
前記ラミネート物を製袋し、内部に食酢:ケチャップ:サラダ油=1:1:1の混合物を詰め、ヒートシール後、レトルト釜にて135℃の熱水中で30分間レトルト処理を行った。
〇: 褪色がない
〇△: 〃 極僅かである
△: 〃 多い
△×: 〃 著しい
×: 〃 極めて著しい
(ラミネート強度測定)
このラミネート物を幅15mmの短冊状に切り、剥離試験機(テンシロン、インテスコ社製)にて剥離速度30cm/分、剥離角度90度(T型剥離)にてラミネート強度を測定した。
(ヒートシール強度測定)
ヒートシール物を幅15mmの短冊状に切りサンプルとした。測定条件はラミネート強度測定条件と同じである。
Figure 0005359120
DVB:ジビニルベンゼン
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
BA:ブチルアクリレート
St:スチレン
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
Figure 0005359120
Figure 0005359120

Claims (3)

  1. 粒子径が5〜20μmのアルミニウム微粉末をアクリル樹脂で被覆することにより得られた樹脂被覆アルミニウムペースト、およびバインダー樹脂を含む高輝度インキ組成物において、下記(1)〜(3)を特徴とする耐レトルト用高輝度ラミネートインキ組成物。
    (1)樹脂被覆アルミニウムペーストが高輝度インキ組成物中、固形分換算で2〜30重量%である。
    (2)アクリル樹脂で被覆されたアルミニウム微粉末の樹脂被覆層の厚さが0.02〜0.05μmである。
    (3)バインダー樹脂がポリウレタン樹脂および塩酢ビ樹脂を含む。
  2. アクリル樹脂を構成する不飽和単量体が、不飽和二重結合を2個以上有する単量体を5%以上含むことを特徴とする請求項1記載の耐レトルト用高輝度ラミネートインキ組成物。
  3. 請求項1または2記載の耐レトルト用高輝度ラミネートインキ組成物を、基材に印刷してなる耐レトルト性高輝度積層体。
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