JP7180164B2 - 包装材、包装容器及び蓋体 - Google Patents
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Description
さらに、金属層を用いた包装材を電子レンジで加熱した場合、電子レンジ内のマイクロ波が金属層表面で反射して、火花が生じ、電子レンジの故障や事故を招く危険性があり、また、包装容器内の内容物を十分に加熱することができないという問題もある。
特許文献1の包装材は、金属光沢感が良好であり、優れた美観を備えたものであるが、太陽光下で視認した場合に反射光が眩しすぎるという問題があった。
[1]少なくとも、プラスチックフィルム、光沢印刷層及びシーラント層が、この順に外層側から積層されている構成を備えた包装材であって、前記光沢印刷層が光輝性顔料を含み、下記の測定条件で測定した前記包装材の反射光の強度が、下記条件1及び2を満たす、包装材。
<測定条件>
前記包装材のシーラント層側の表面に、透明粘着剤層を介して黒色板を貼り合わせ、前記包装材、透明粘着剤層及び黒色板を積層したサンプルを作製する。前記サンプルの法線方向から45度傾いた可視光線を前記サンプルの前記包装材側の表面に入射し、入射光の正反射方向を基準角度の0度として、前記基準角度を中心とした±15.0度の範囲において、0.1度ごとに反射光の強度を測定する。
<条件1>
前記基準角度における反射光の強度の1/2以下の強度に最初に到達するプラス方向の角度を「α1」、前記基準角度における反射光の強度の1/2以下の強度に最初に到達するマイナス方向の角度を「α2」とした際に、(α1+|α2|)/2が2.0度以下を示す。
<条件2>
前記基準角度における反射光の強度の1/20以下の強度に最初に到達するプラス方向の角度を「η1」、前記基準角度における反射光の強度の1/20以下の強度に最初に到達するマイナス方向の角度を「η2」とした際に、η2以上η1以下の角度範囲における反射光の強度分布図の歪度の絶対値が0.70以下を示す。
[2]少なくとも一部が、上記[1]に記載された包装材で形成されている包装容器。
[3]上記[1]に記載の包装材で形成されている蓋体。
本発明の包装材は、少なくとも、プラスチックフィルム、光沢印刷層及びシーラント層が、この順に外層側から積層されている構成を備えた包装材であって、前記光沢印刷層が光輝性顔料を含み、下記の測定条件で測定した前記包装材の反射光の強度が、下記条件1及び2を満たすものである。
<測定条件>
前記包装材のシーラント層側の表面に、透明粘着剤層を介して黒色板を貼り合わせ、前記包装材、透明粘着剤層及び黒色板を積層したサンプルを作製する。前記サンプルの法線方向から45度傾いた可視光線を前記サンプルの前記包装材側の表面に入射し、入射光の正反射方向を基準角度の0度として、前記基準角度を中心とした±15.0度の範囲において、0.1度ごとに反射光の強度を測定する。
<条件1>
前記基準角度における反射光の強度の1/2以下の反射強度に最初に到達するプラス方向の角度を「α1」、前記基準角度における反射光の強度の1/2以下の反射強度に最初に到達するマイナス方向の角度を「α2」とした際に、(α1+|α2|)/2が2.0度以下を示す。
<条件2>
前記基準角度における反射光の強度の1/20以下の強度に最初に到達するプラス方向の角度を「η1」、前記基準角度における反射光の強度の1/20以下の強度に最初に到達するマイナス方向の角度を「η2」とした際に、η2以上η1以下の角度範囲における反射光の強度分布図の歪度の絶対値が0.70以下を示す。
以下、測定条件について、並びに、条件1及び2について説明する。
図8は、包装材の反射強度の測定方法を説明する図である。
包装材の反射強度を測定するためには、まず、包装材1のシーラント層4側の表面に、透明粘着剤層40を介して黒色板50を貼り合わせたサンプル100を作製する。次に、サンプル100の法線方向から45度傾いた可視光線をサンプル100の包装材1側の表面に入射する。図8の実線の矢印が入射光を示す。そして、入射光の正反射方向(図8の破線の矢印の方向)を基準角度として、基準角度を中心とした±15.0度の範囲において、0.1度ごとに反射光の強度を測定する。
サンプル100の透明粘着剤層40の屈折率は、被着体10及び黒色板50の屈折率との屈折率差が0.05以内のものを用いることができ、好ましくは屈折率差が0.00である。本明細書において、屈折率は、波長589nmの屈折率を意味する。
反射強度を測定する装置については、特に制限はなく、汎用の変角光度計(ゴニオフォトメーター)を用いることができる。本発明においては、変角光度計として、村上色彩技術研究所社製の品番GP-200(光束内傾斜角0.5度以内)を使用し、受光絞りの目盛りは「4」、光束絞りの目盛りは「3」とした。
条件1は、基準角度の反射強度の1/2以下の反射強度に最初に到達するプラス方向の角度を「α1」、基準角度における反射強度の1/2以下の反射強度に最初に到達するマイナス方向の角度を「α2」とした際に、(α1+|α2|)/2が2.0度以下を示すことを要求している。
(α1+|α2|)/2は、1.8度以下であることが好ましく、1.6度以下であることがより好ましい。
条件2は、基準角度の反射強度の1/20以下の反射強度に最初に到達するプラス方向の角度を「η1」、基準角度における反射光の強度の1/20以下の反射強度に最初に到達するマイナス方向の角度を「η2」とした際に、η2以上η1以下の角度範囲における反射光の強度分布図の歪度の絶対値が0.70以下を示すことを要求している。
反射光の強度分布図の歪度の絶対値が0.70以下であることは、反射光の強度分布図の形状が正規分布に近い形状であることを意味している。一方、反射光の強度分布図の歪度の絶対値が0.70超であることは、反射光の強度分布図の形状が正規分布の形状から遠ざかることを意味している。
本発明者らは鋭意検討した結果、反射光の強度分布図が正規分布の形状から遠ざかった場合、人間は、反射強度の急激な変化を認識しやすくなり、過度な金属光沢によって眩しく感じることを見出した。
したがって、η2以上η1以下の角度範囲において、反射光の強度分布図の歪度の絶対値を0.70以下とすることにより、太陽光下で包装材を視認した際に、反射光の眩しさを抑制することができる。
なお、条件2の歪度の絶対値が小さすぎると、包装材に傷等の欠陥が生じた場合に目立ちやすくなる傾向がある。このため、条件2の歪度は0.10以上であることが好ましい。
図1~図4に、本発明の包装材の厚み方向の積層構成の概略を示す。図1~図4においては、上が外層側であり、下が内層側である。包装材1は、少なくとも、プラスチックフィルム2、光沢印刷層3a及びシーラント層4が、この順に外層側から積層されていればよく、構成層として、その他の層を含んでいてもよい。
例えば、図1~図4に示すように、光沢印刷層3aとシーラント層4との間に、両面に接着剤層6を介して積層された中間基材層5を有していてもよい。また、図2に示すように、光沢印刷層3aの外層側に絵柄印刷層3bを有してもよいし、図4に示すように、光沢印刷層3aと並列して絵柄印刷層3bを有していてもよい。また、図3に示すように、光沢印刷層3aの内層側に接して黒色地色印刷層3cを有していてもよい。また、図4に示すように、光沢印刷層3aの内層側に白色地色印刷層3dを有していてもよい。なお、図示しないが、図1~図3の光沢印刷層3aの内層側に白色地色印刷層3dを有していてもよい
また、プラスチックフィルム2と光沢印刷層3aとの間や、光沢印刷層3aとシーラント層4との間に、ガスバリア層(図示せず)が形成されていてもよい。
本発明の包装材は、具体的には、外層側から順に以下のような積層構成を例示することができる。なお、「/」は各層の境界を意味する。
(1)プラスチックフィルム/光沢印刷層/中間基材層/シーラント層
(2)プラスチックフィルム/ガスバリア層/光沢印刷層/シーラント層
(3)プラスチックフィルム/ガスバリア層/光沢印刷層/中間基材層/シーラント層
(4)プラスチックフィルム/光沢印刷層/ガスバリア層/中間基材層/シーラント層
なお、光沢印刷層3を外側から視認できるようにする観点から、光沢印刷層3aよりも外層側に形成される層は、光透過性を有するものとする。
プラスチックフィルム2は、包装材1の外層側の基材として役割を担うものであり、光沢印刷層3aを外観から視認できるように、光透過性を有する材料で構成される。
具体的には、例えば、ポリエチレン(PE)系やポリプロピレン(PP)系等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン-ビニルエステル共重合体ケン化物、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、各種ナイロン(Ny)等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)等が挙げられる。プラスチックフィルムは、一軸延伸又は二軸延伸されたものであってもよい。また、上記のうちの2種以上の樹脂フィルムが積層された複合フィルムであってもよい。これらプラスチックフィルムは、インフレーション法、あるいは、溶融押し出しコーティング法で形成したものであってもよい。
電子レンジ用、レトルト容器用の包装材のプラスチックフィルムの具体例としては、ポリエステルフィルムの単体、ナイロン等のポリアミドフィルムの単体、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムの一種以上を含む複合フィルムが挙げられる。前記複合フィルムの例としては、PET/Ny/PET、外層側からPET/Nyの構成からなる共押出し延伸フィルムが挙げられる。また、前記複合フィルムとしては、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムの一種以上と、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム及びポリ塩化ビニリデンフィルムの一種以上とを組み合わせることも好ましい。
本発明の包装材は、プラスチックフィルムとシーラント層との間に、光輝性顔料を含む光沢印刷層を有する。
光沢印刷層3aは、図1~図3に示すように、包装材の全面に有していてもよいし、図4に示すように、包装材の一部のみに有していてもよい。また、図2に示すように、光沢印刷層3aの外層側の一部に絵柄印刷層3bを有していてもよい。また、図4に示すように、包装材の厚み方向の同じ位置に並列して、光沢印刷層3a及び絵柄印刷層3bを有していてもよい。
また、光沢印刷層3aによって、文字、図形、記号、模様、パターン等の絵柄を形成してもよい。
このように、パール顔料は、金属そのものではなく、主に金属酸化物により構成されてなるものであるが、金属光沢感を生じさせることができる着色剤である。
白色パール顔料は、雲母等の母体を覆う被覆層が二酸化チタン等の無色高屈折率材料であり、かつ被覆層の厚みが0.1~0.15μm程度と比較的小さいものであり、光のほぼすべての波長を反射するため、白色もしくは銀色に見える。
干渉パール顔料は、雲母等の母体を覆う被覆層が二酸化チタン等の無色高屈折率材料であり、かつ被覆層の厚みが白色パール顔料よりも大きく、0.15μm超のものである。この厚みによって、反射光及び透過光が変化し、種々の干渉色を生じる。虹彩色パールと呼ばれる場合もある。
着色パール顔料は、有彩色であり、雲母等の母体を覆う被覆層を酸化第二鉄等の有色高屈折率材料としたもの、白色パール顔料の周囲をさらに酸化第二鉄等の有色高屈折率材料もしくはその他の有色顔料で被覆したもの、又は、雲母等の母体を覆う被覆層中に顔料やその他の着色剤を添加したもの等がある。
この場合、特に、あらゆる方向から見ても深みのある金色の光沢感を得るためには、着色パール顔料として、白色パール顔料の周囲を酸化第二鉄で被覆した着色パール顔料又は雲母等の母体を覆う被覆層が酸化第二鉄である着色パール顔料を用いることが好ましく、さらには、白色パール顔料及び干渉パール顔料のうちから選ばれる1種以上として、白色パール顔料を用いることがより好ましい。
パール顔料は、このように多量に添加しても、電子レンジで加熱する際の火花の発生や局所的な過熱を抑制できる点で好適である。また、前述のようにパール顔料を多量に添加することにより、入射光の大部分を光沢印刷層の表層付近で反射させることができるため、内部拡散によって反射強度分布が歪むことが抑制され、条件2を満たしやすくできる。
金属鱗片は、例えば、上記金属又は合金をプラスチックフィルム上に真空蒸着してなる金属薄膜をプラスチックフィルムから剥離し、剥離した金属薄膜を粉砕、攪拌することにより得ることができる。
光沢印刷層中に微量の黒色顔料を含むことにより、表層付近に存在する光輝性顔料で反射されなかった光を黒色顔料で吸収することができるため、内部拡散による反射強度分布が歪むことが抑制され、条件2を満たしやすくできる。
また、光輝性顔料がパール顔料の場合、光沢印刷層中に微量の黒色顔料を含むことにより、パール顔料を透過した補色が光沢印刷層よりも内層側で反射することが抑制されるため、深みのあるパール塗色を得ることができる。
黒色顔料の平均一次粒子径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値d50として求められる。
印刷層は、プラスチックフィルム2やガスバリア層の内層側の表面に裏刷り印刷することにより形成されることが好ましい。あるいはまた、中間基材層5やシーラント層4の外層側の表面に表刷り印刷した後、プラスチックフィルム2やガスバリア層に接着層を介して貼り合わされることにより形成されるものであってもよい。また、包装材1に対して全面印刷であっても、部分印刷であってもよい。
ビヒクルとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂や塩素化ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化型ポリ(メタ)アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロースやエチルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルオキシエチルセルロース等の繊維素系樹脂、塩化ゴムや環化ゴム等のゴム系樹脂、石油系樹脂、ロジン、カゼイン等の天然樹脂、アマニ油や大豆油等の油脂類等、及び溶剤が挙げられる。これらは、1種単独でも、2種以上を併用してもよい。溶剤としては、上述したパール顔料を含むインキに用いられるものと同様の溶剤を用いることが好ましい。
さらに、必要に応じて、例えば、充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤等の任意の添加剤を添加することができる。
これらのうち、印刷時の作業環境及び食品衛生等の観点から、芳香族系溶剤は含まないことが好ましい。
このため、印刷層を形成するインキに用いられる溶剤としては、ミネラルスピリットのような高沸点の溶剤を用いることが好ましくなく、1気圧における沸点が150℃以下であることが好ましく、より好ましくは130℃以下、さらに好ましくは120℃以下である。
本発明の包装材は、プラスチックフィルム2とシーラント層4との間に絵柄印刷層3bを有していてもよい。絵柄印刷層3bは、例えば、光沢印刷層3aの外層側に形成したり(図2)、包装材の厚み方向の同じ位置で光沢印刷層3aと並列するように形成したりすることができる(図4)。
絵柄印刷層の厚みは特に限定されるものではなく、1.5~5μm程度であることが好ましく、より好ましくは1.5~3μmである。
光輝性顔料がパール顔料の場合、パール顔料による金属光沢性に深みや重厚感を付与する観点から、図3に示すように、光沢印刷層3aの内層側に接して、黒色地色印刷層3cが設けられていることが好ましい。
黒色地色印刷層は、JIS Z8781-4:2013に準拠して測定される国際照明委員会(CIE)規格のL*a*b*表色系のL*値が20以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。
黒色地色印刷層は、光沢印刷層を有する箇所の全面に形成してもよいし、光沢印刷層を有する箇所の一部のみに形成してもよい。光沢印刷層を有する箇所の全面に黒色地色印刷層を形成した場合、光沢印刷層の全面で前述した効果を得ることができる。また、光沢印刷層を有する箇所の一部に黒色地色印刷層を形成した場合、面内で金属光沢性の変化を付与することができる。黒色地色印刷は単色ベタ印刷であることが好ましい。
黒色地色印刷層の黒色顔料としては、近赤外線反射性又は近赤外線透過性を有する黒色顔料が好ましい。近赤外線反射性を有する黒色顔料としては、マンガンを必須とし、これに少なくとも1種のマンガン以外の金属元素を含んでなる複合酸化物が挙げられ、近赤外線透過性を有する黒色顔料としては、アゾメチンアゾ顔料、ペリレン系顔料等が挙げられる。
前記複合酸化物に含まれるマンガン以外の金属元素は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。複合酸化物に含まれるマンガン以外の金属元素としては、例えば、カルシウム、バリウム等の第2族元素;イットリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム等の第3族元素;チタン、ジルコニウム等の第4族元素;ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム等の第13族元素;アンチモン、ビスマス等の第15族元素等の金属元素が挙げられる。これらの中でも、第2族元素、第4族元素、第15族元素が好ましく、カルシウム、チタン、及びビスマスがより好ましく、カルシウム及びチタンがさらに好ましい。複合酸化物の特に好ましい具体例としては、マンガン、カルシウム及びチタンを含む複合酸化物が挙げられる。
複合酸化物の構造は、特に限定されるものではないが、安定した構造やその発色等の観点から、ペロブスカイト構造、斜方晶構造、六方晶構造等であることが好ましく、ペロブスカイト構造であることがさらに好ましい。
マンガン系複合酸化物は、例えば、WO2016/125906A1に記載されている。
ペリレン系顔料は、ペリレンテトラカルボン酸二無水物の六員環を構成している酸素原子2個を脱落させた構造を有する顔料であり、ペリレンブラック等が挙げられる。
本発明の包装材は、図4に示すように、光沢印刷層3aの内層側に白色地色印刷層3dを有することが好ましい。白色地色印刷層を形成することにより、被包装物の種類等によっては、該被包装物の見栄えをよくすることができる。なお、上述した黒色地色印刷層を有する場合、黒色地色印刷層よりも内層側に白色地色印刷層を形成することが好ましい。白色地色印刷層は単色ベタ印刷で形成されることが好ましい。
白色地色印刷層の厚みは特に限定されるものではなく、1.5~5μm程度であることが好ましく、より好ましくは1.5~3μmである。
シーラント層4は、内層側の面が被包装物と直接接触し、被包装物を保護する役割を担うものである。特に、包装材1で液状物の包装容器が形成される場合には、シーラント層4は液状物が浸透しないような材質であることが好ましい。また、パウチ化のためにシーラント層4の最内層がヒートシール性を有していることが好ましい。
また、上記プロピレン系樹脂は、目的に応じて使い分けることが好ましい。具体的には、耐寒性能を重視する場合(例えば冷凍食品の包装材)にはエチレン-プロピレンブロック共重合体が好ましく、透明性を重視する場合にはエチレン-プロピレンランダム共重合体が好ましく、耐熱性重視の場合はプロピレン単独重合体が好ましい。また、自動蒸通機構を備えた容器の場合、高温時にシール強度が低下することによって蒸気抜けさせやすくできるという観点から、エチレン-プロピレンブロック共重合体が好ましい。
イージーピール性とは、例えば、蓋付容器の蓋体の包装材1のシーラント層4が容器本体と接合される場合、蓋付容器を開封する際、蓋体を容器本体から剥離しやすいという特性を言う。
イージーピール性を有するシーラント層は、2種以上の樹脂を用いて、一の樹脂(容器本体との密着性が良好な樹脂)と他の樹脂(容器本体との密着性が良好ではなく、前記一の樹脂と非相溶な樹脂)とを混合することにより形成することができる。このような樹脂は容器の素材によって異なるため一概には言えないが、容器がPPから形成されている場合、一の樹脂(容器本体との密着性が良好な樹脂)であるPPと、他の樹脂(容器本体との密着性が良好ではなく、前記一の樹脂と非相溶な樹脂)であるPE、ポリブテン及びポリスチレンから選ばれる一種以上とを混合した樹脂からシーラント層を形成することにより、PP製の容器に対してイージーピール性を付与できる。
なお、シーラント層を多層構成として、シーラント層の容器本体と接合される側(包装材における最内層)のみにイージーピール性を付与してもよい。
ガスバリア層は、プラスチックフィルム2とシーラント層4との間のいずれかに、必要に応じて設けることができる。ガスバリア層は、包装材1による被包装物と包装材1の外部環境との間で、酸素や水蒸気等の透過を遮断する役割を担うものである。また、可視光や紫外線等の透過を遮断する遮光性も付与するものであってもよい。ガスバリア層は、1層のみから構成されるものであっても、2層以上の複数層で構成されてもよい。
ガスバリア層が、光沢印刷層3aの外層側に形成される場合には、プラスチックフィルム2と同様に、光沢印刷層3aを外観から視認できるように、光透過性を有する材料で構成される。
ガスバリア層の一例である蒸着膜としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の無機物又はこれらの酸化物により形成することができる。これらの中でも、包装材が電子レンジ用である場合は、被包装物の食品等を電子レンジのマイクロ波で十分に加熱できるようにする観点から、ケイ素酸化物やアルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等の無機酸化物が好ましい。
蒸着膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング等の物理蒸着(PVD)法、プラズマ化学気相成長や熱化学気相成長、光化学気相成長等の化学蒸着(CVD)法等が挙げられる。
ガスバリア層の一例であるガスバリア性塗布膜としては、例えば、一般式R1 nM(OR2)m(式中、R1、R2は炭素数1~8の有機基、Mは金属原子である。nは0以上の整数、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価である。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン-ビニルアルコール共重合体とを、ゾル-ゲル法触媒、酸、水及び有機溶剤の存在下で、ゾル-ゲル法により重縮合して得られた塗工液を塗布し、50~300℃で、0.05~60分間加熱処理することにより形成することができる。
塗布方法としては、例えば、グラビアロールコーター等のロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコート、アプリケータ等の塗布手段により行うことができる。1回又は複数回の塗布で、塗布膜の乾燥膜厚が0.01~30μm程度となることが好ましく、より好ましくは0.05~20μm、さらに好ましくは0.1~10μmである。
ガスバリア性塗布膜は、ガスバリア性の向上の観点から、蒸着膜の表面に形成されることが好ましい。
(1’)プラスチックフィルム/蒸着膜/光沢印刷層/シーラント層
(2’)プラスチックフィルム/蒸着膜/ガスバリア性塗布膜/光沢印刷層/シーラント層
(3’)プラスチックフィルム/光沢印刷層/蒸着膜/中間基材層/シーラント層
(4’)プラスチックフィルム/光沢印刷層/ガスバリア性塗布膜/蒸着膜/中間基材層/シーラント層
中間基材層は、包装材1の強度の向上や加工適性の向上、包装材の風合いの変化を目的としたり、他の層を形成するための基材として用いたりするために、必要に応じて設けられる層である。中間基材層の構成材料としては、例えば、プラスチックフィルムや紙等が挙げられる。
プラスチックフィルムの場合は、光沢印刷層3aの外層側に形成される上述したプラスチックフィルムと同様のものを用いることができる。
紙の場合は、包装材1に、賦形性や耐屈曲性、剛性等の特性を付与することもでき、例えば、高サイズ性の晒又は未晒のクラフト紙、純白ロール紙、板紙、種々の加工紙等を使用することができる。紙の坪量は、通常、50~600g/m2程度のものが好ましく、より好ましくは60~500g/m2、さらに好ましくは70~450g/m2である。包装材1が軟包装用途である場合は、150g/m2未満であることが好ましく、紙カップや液体紙容器等の紙容器用途の場合は、200g/m2以上であることが好ましい。
包装材1においては、各構成層は、各層間の接合強度の向上の観点から、接着剤層6を介して積層されていてもよい。接着剤層は、公知のドライラミネート用接着剤を用いた方法により形成することができる。
ドライラミネート用接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂やメラミン樹脂等によるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤(例えば、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物)、反応型(メタ)アクリル酸系接着剤、クロロプレンゴムやニトリルゴム、スチレン-ブタジエンゴム等によるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケートや低融点ガラス等による無機系接着剤等が挙げられる。
包装材1は、図10に示すように、プラスチックフィルムとシーラント層との間の一部の領域に、熱軟化性樹脂層7を有していてもよい。
熱軟化性樹脂層7を、図10に示すように、包装材1の縁部近傍の一部に形成し、かつ、熱軟化性樹脂層を、室温以下の温度環境では所定の強度を有するが、高温の温度環境で所定の強度が低下する樹脂から構成することにより、電子レンジで加熱し、包装容器内の圧力が上昇した際に、シーラント層の一部が破壊するとともに、熱軟化性樹脂層の一部が界面剥離又は凝集破壊し、蒸気を逃がすことができる。詳しくは、自動蒸通機構の第二の実施形態において説明する。
本発明の包装容器は、少なくとも一部が、前記包装材で形成されているものである。
前記包装材で形成されることにより、金属そのものが用いられていなくても、金属光沢による高級感のある包装容器が得られる。
前記包装材は、金属光沢による高級感を付与したい所望の部分に適用されればよく、包装容器の全体が前記包装材で形成されても、あるいはまた、一部のみに前記包装材が用いられてもよい。
包装容器としては、パウチや蓋付容器が挙げられる他、カップやトレーが挙げられる。これら包装容器は、前述した包装材を一部に含むものである。すなわち、これら包装容器は、中間基材層として紙を含む包装材で形成されたものであってもよい。
パウチの具体的形状は、例えば、後述する図5の電子レンジ用のパウチの形状が挙げられる。なお、パウチはレトルト容器(高温、高圧での殺菌処理された容器)であってもよく、さらには、電子レンジ用の包装容器や、レトルト容器以外の容器であってもよい。
蓋付容器の具体的形状としては、収容部を有する容器本体と、前記収容部を封止するように前記容器本体に接合された蓋体とを備えた構成を有し、前記蓋体が前記包装材で形成されたものが挙げられる。
包装容器は、上述したように電子レンジ用として好適に用いることができる。また、包装容器は、レトルト容器としても用いることができる。
また、この際、プラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルムの単体、ナイロン等のポリアミドフィルムの単体、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムの一種以上を含む複合フィルムを用いることが好ましい。
また、この際、中間基材としては、ポリエステルフィルムの単体、ナイロン等のポリアミドフィルムの単体、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムの一種以上を含む複合フィルム、並びに、紙を用いることが好ましい。
また、この際、シーラント層としては、プロピレン単独重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体、エチレン-プロピレンランダム共重合体等のプロピレン系樹脂やHDPEが好ましい。
より具体的には、レトルト容器、電子レンジ用の容器である場合、容器を構成する包装材は、下記(A1)~(A12)の何れかの積層構成とすることが好ましい。なお、「/」は各層の境界を意味する。また、(A1)~(A12)において、PET及びNyは延伸フィルムであることが好ましい。
(A2)PET/ガスバリア層/光沢印刷層/Ny/エチレン-プロピレンブロック共重合体
(A3)PET/光沢印刷層/ガスバリア層/Ny/エチレン-プロピレンブロック共重合体
(A4)PET/光沢印刷層/PET/エチレン-プロピレンブロック共重合体
(A5)PET/ガスバリア層/光沢印刷層/PET/エチレン-プロピレンブロック共重合体
(A6)PET/光沢印刷層/ガスバリア層/PET/エチレン-プロピレンブロック共重合体
(A7)共押出し延伸フィルム(PET/Ny/PET)PET/光沢印刷層/PET/エチレン-プロピレンブロック共重合体
(A8)共押出し延伸フィルム(PET/Ny/PET)/ガスバリア層/光沢印刷層/PET/エチレン-プロピレンブロック共重合体
(A9)共押出し延伸フィルム(PET/Ny/PET)/光沢印刷層/ガスバリア層/PET/エチレン-プロピレンブロック共重合体
(A10)PBT/光沢印刷層/Ny/エチレン-プロピレンブロック共重合体
(A11)PBT/ガスバリア層/光沢印刷層/Ny/エチレン-プロピレンブロック共重合体
(A12)PBT/光沢印刷層/ガスバリア層/Ny/エチレン-プロピレンブロック共重合体
なお、電子レンジ用の容器において後述する第二の実施形態の自動蒸通機構の構成を採用する場合、プラスチックフィルムとシーラント層との間の一部に、上述した熱軟化性樹脂層を形成すればよい。
図5に、本発明の包装容器の一実施形態であるパウチの一例を示す。図5のパウチ10は電子レンジ用であり、胴部11と底部12とをヒートシールして形成されたスタンディング形式のパウチである。図5に示すように、胴部11は、互いに対向して配置された表主面シート13aと裏主面シート13bとからなる一対の主面シート13を含み、重ね合わせられた一対の主面シート13の側縁14近傍が互いにヒートシールされている。一対の主面シート13の下縁15間に、底部12を形成する底面シート16が配置されている。
そして、一対の主面シート13及び底面シート16によって囲まれる領域内に、内容物を収容する収容空間17が形成される。底面シート16は、収容空間17側に向かって凸状に曲げられ、その周縁近傍を、重なり合う主面シート13の下部とともにヒートシールされている。底面シート16が一対の主面シート13の下端の形状を保持することにより、パウチ10に自立性が付与され、スタンディング形式のパウチとすることができる。
図5のパウチ10は、表主面シート13aと裏主面シート13bの上縁18の間に開口19が形成されており、開口19から内容物を収容することができる。内容物を収容後、開口19が形成されている上縁18近傍をヒートシールすることにより包装容器を密封することができる。パウチ10から内容物を取り出す際は、ノッチ23から上縁18近傍を引き裂いて開封する。
なお、包装材1が用いられるシート以外のシートは、例えば、包装材1において、パール顔料を含む光沢印刷層3aが形成されていないものや、印刷層を含まないもの等を用いることができる。
容器が電子レンジ用の場合、内容物である食品等の加熱調理により発生する蒸気によってパウチ内の圧力が上昇した際に、収容空間内の蒸気を自動的に外部に逃がし、パウチの破裂を防止する自動蒸通機構を有することが好ましい。自動蒸通機構は、容器の周縁近傍に形成することが好ましい。
図5に示す電子レンジ用のパウチは、上記のような開口22、第1未シール領域21及び収容空間17側に張り出したヒートシール部(張出部25a)によって、自動蒸通機構20が形成されている。具体的には、加熱により容器内の圧力が上昇した際に、ヒートシール部25のうちの張出部25aの箇所が強い負荷を受け、張出領域25の箇所が先に剥離するため、収容空間17と第1未シール領域21とが連通し、外部に蒸気を逃がすことができる。
図5のタイプの自動蒸通機構のさらなる詳細は、特開2015-120550号公報、特開2016-74457号公報、特開2016-74458号公報に記載されている。
図11に示す包装容器(パウチ)10は、図10に示す包装材(プラスチックフィルムとシーラント層との間であって、縁部近傍の一部に熱軟化性樹脂層を有する包装材)の縁部周辺をヒートシールしてパウチ化したものである。また、図12は、図11の包装容器10の縁部周辺のヒートシール部25のXI-XIでの断面図である。
図11に示すように、熱軟化性樹脂層7は、包装容器10のヒートシール部25の少なくとも一部の領域において、パウチを封止するためのヒートシール部25の内縁から外縁に亘って形成されていることが必要になる。こうした位置に設けられた熱軟化性樹脂層7は、電子レンジで加熱されて高温になることによってその強度が低下する。
図12に示すように、熱軟化性樹脂層7は、電子レンジで加熱等されて包装容器10内の空気の膨張や内容物に含まれる水蒸気によって内圧が上昇したとき、ヒートシール部25内縁近傍のシーラント層4の任意の個所「A」を起点として、シーラント層4の一部が破壊するとともに、熱軟化性樹脂層7の一部が界面剥離又は凝集破壊する(符号Bの破線は、シーラント層4が破壊する仮想線、及び、熱軟化性樹脂層7が界面剥離又は凝集破壊する仮想線を示す。)。その結果、当該破壊箇所から空気や水蒸気が抜け、包装容器10の内圧を低下させることができる。
なお、第二の実施形態の自動蒸通機構は、後述する蓋付容器に適用することも可能である。
(B2)PET/ガスバリア層/光沢印刷層/熱軟化性樹脂層/LLDPE
(B3)PET/光沢印刷層/ガスバリア層/熱軟化性樹脂層/LLDPE
(B4)Ny/光沢印刷層/熱軟化性樹脂層/LLDPE
(B5)Ny/ガスバリア層/光沢印刷層/熱軟化性樹脂層/LLDPE
(B6)Ny/光沢印刷層/ガスバリア層/熱軟化性樹脂層/LLDPE
図6及び7に、本発明の蓋付容器の実施形態の一例を示す。図6は、上面図であり、図7は、図6のIV-IV断面図である。図6及び7に示す蓋付容器30は、収容部31が形成された容器本体32と、容器本体32の収容部31を封止するように容器本体32に接合された蓋体33とを備えている。図6においては、容器本体32の形状は、略矩形状であるが、特に限定されるものではない。また、容器本体32は、その成形方法も特に限定されるものではなく、例えば、射出成形により成形されたトレーや、深絞り成形によって形成された容器であってもよい。
また、容器本体32の材質は、蓋体33と接合されるものであることから、通常、PPやPET等の熱可塑性樹脂等であり、特に、電子レンジ用の蓋付容器である場合は、耐熱性等の観点から、PPが好適に用いられる。
蓋体33と容器本体32との接合は、具体的には、容器本体32のフランジ部34の接合ライン35でなされている。接合ライン35は、例えば、蓋体33とフランジ部34とのヒートシールにより形成されたものであっても、接着剤層等の別個の構成要素で形成されたものであってもよい。
例えば、フランジ部34が容器本体32の中央に向かって突出した突出部34aを有しており、この突出部34aに沿って、接合ライン35も容器の中央に向かって凸状に形成された突出ライン35aを有している。このような形態で接合ライン35が形成されていることにより、加熱による蓋付容器30内の圧力上昇に伴い、上記の接合ライン35のうち、突出ライン35aの箇所から剥離しやすくなり、容器本体32の収容部31と外部とを連通させることができ、蓋付容器30内の蒸気を外部に逃がすことができる。
なお、図6及び7に示す蓋付容器30においては、突出部34aが、フランジ部34の対向する長辺上に、それぞれ形成されているが、突出部34aは、必ずしも2個形成されていなくてもよい。
本発明の蓋体は、上述した本発明の包装材で形成されているものである。
また、蓋体が電子レンジ用やレトルト容器として用いられる場合、プラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルムの単体、ナイロン等のポリアミドフィルムの単体、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムの一種以上を含む複合フィルムを用いることが好ましい。
また、蓋体が電子レンジ用やレトルト容器として用いられる場合、中間基材層としては、ポリエステルフィルムの単体、ナイロン等のポリアミドフィルムの単体、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムの一種以上を含む複合フィルム、並びに、紙を用いることが好ましい。
また、蓋体が電子レンジ用やレトルト容器として用いられる場合、シーラント層としては、耐熱性とイージーピール性とを兼ね備えた樹脂からなるフィルムを用いることが好ましい。このようなフィルムは容器の種類により異なるが、容器が汎用樹脂であるプロピレン系樹脂の場合、PPと、PE、ポリブテン及びポリスチレンから選ばれる一種以上とを混合した樹脂からなるフィルムを用いることが好ましい。なお、シーラント層を多層構成として、シーラント層の容器本体と接合される側(包装材における最内層)のみにイージーピール性を付与してもよい。
(C1)PET/光沢印刷層/Ny/イージーピール性を備えたシーラント層
(C2)PET/ガスバリア層/光沢印刷層/Ny/イージーピール性を備えたシーラント層
(C3)PET/光沢印刷層/ガスバリア層/Ny/イージーピール性を備えたシーラント層
(C4)PET/光沢印刷層/PET/イージーピール性を備えたシーラント層
(C5)PET/ガスバリア層/光沢印刷層/PET/イージーピール性を備えたシーラント層
(C6)PET/光沢印刷層/ガスバリア層/PET/イージーピール性を備えたシーラント層
(C7)Ny/光沢印刷層/Ny/イージーピール性を備えたシーラント層
(C8)Ny/ガスバリア層/光沢印刷層/Ny/イージーピール性を備えたシーラント層
(C9)Ny/光沢印刷層/ガスバリア層/Ny/イージーピール性を備えたシーラント層
(C10)Ny/光沢印刷層/EVOH/イージーピール性を備えたシーラント層
(C11)Ny/EVOH/光沢印刷層/イージーピール性を備えたシーラント層
[実施例1]
外層側から、プラスチックフィルム/蒸着膜/ガスバリア性塗布膜/光沢印刷層/白色地色印刷層/接着剤層/中間基材層/接着剤層/シーラント層の順に積層された包装材サンプルを作製した。各層の構成は下記のとおりである。
・プラスチックフィルム:PET(厚み12μm)
・ガスバリア層:プラスチックフィルムの一方の表面に、コロナ放電処理を施した後、厚み10nmのケイ素酸化物の蒸着膜を形成した。さらに、酸素及びアルゴンの混合ガスによるプラズマ処理を施した後、エチルシリケート及びポリビニルアルコールを主成分とする塗工液をグラビアロールコーターで塗布することにより、乾燥膜厚300nmのガスバリア性塗布膜を形成した。
・光沢印刷層:ガスバリア層の表面の全面に、下記の光沢印刷層用金色インキ1をグラビア印刷して乾燥し、乾燥膜厚3μmの光沢印刷層を形成した。
・白色地色印刷層:さらに、光沢印刷層の上の全面に、白色顔料インキをグラビア印刷して乾燥し、乾燥膜厚3μmの白色地色印刷層を形成した。
・中間基材層:白色地色印刷層の表面に、ポリウレタン系接着剤を用いたドライラミネート法により、延伸Ny(厚み15μm)を貼り合わせた。
・シーラント層:中間基材層の表面に、ポリウレタン系接着剤を用いたドライラミネート法により、CPP(エチレン-プロピレンブロック共重合体の単層フィルム、厚み70μm)を貼り合わせた。
・白色パール顔料(平均長さ15μm、平均厚み0.2μm):10質量部
・有色パール顔料(雲母の被覆層が酸化第二鉄である有色パール顔料、平均長さ15μm、平均厚み0.2μm):20質量部
・カーボンブラック:0.001質量部
・沈降防止剤(微粒子シリカ):0.1質量部
・バインダー樹脂(ポリウレタン系樹脂):10質量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル、イソプロパノールの混合溶剤):60質量部
光沢印刷層用金色インキ1の白色パール顔料の添加量を8質量部、有色パール顔料の添加量を16質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の包装材を得た。
光沢印刷層用金色インキ1の白色パール顔料の添加量を4質量部、有色パール顔料の添加量を8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の包装材を得た。
比較例1の包装材として、市販のレトルト食品の包装材を準備した。該包装材の層構成は、PET(厚み12μm)/ケイ素酸化物の蒸着膜(厚み10nm)/エチルシリケート及びポリビニルアルコールを主成分とする塗布膜(厚み300nm)/アルミ燐片(金属鱗片)を含む光沢印刷層(厚み3μm)/白色地色印刷層(厚み3μm)/ポリウレタン系接着剤層/延伸Ny(厚み15μm)/ポリウレタン系接着剤層/CPP(エチレン-プロピレンブロック共重合体の単層フィルム、厚み70μm)、である(「/」は各層の境界を意味する)。
実施例1~3及び比較例1の包装材のCPP側の面に、透明粘着剤層を介して黒色板を貼り合わせ、実施例1~3及び比較例1の包装材、透明粘着剤層及び黒色板を積層したサンプルを作製した。CPPと透明粘着剤層との屈折率差、及び、透明粘着剤層と黒色板との屈折率差は何れもが0.05以内とした。
次いで、変角光度計(村上色彩技術研究所社製の品番GP-200、光束内傾斜角0.5度以内)にサンプルをセットして、サンプルの法線方向から45度傾いた可視光線をサンプルの包装材側の表面に入射し、入射光の正反射方向を基準角度の0度として、前記基準角度を中心とした±15.0度の範囲において、0.1度ごとに反射光の強度を測定した。なお、測定時において、受光絞りの目盛りは「4」、光束絞りの目盛りは「3」に合わせた。
得られた角度ごとの反射強度を元に、条件1の(α1+|α2|)/2、及び、条件2の歪度を算出した。
3-1.金属光沢による美観
屋内の蛍光灯の照明下で、実施例1~3及び比較例1の包装材をプラスチックフィルム側から観察し、金属光沢による美観を評価した。金属光沢による美観が良好なものを3点、どちらとも言えないものを2点、金属光沢による美観に劣るものを1点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。結果を表1に示す。
<評価基準>
A:平均点が2.5以上
B:平均点が1.5以上2.5未満
C:平均点が1.5未満
実施例1~3及び比較例1の包装材のプラスチックフィルム側の面に晴天下での太陽光が当たるようにして観察した際の眩しさを評価した。それほど眩しいとは感じないものを3点、どちらとも言えないものを2点、眩しすぎるものを1点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。結果を表1に示す。
<評価基準>
A:平均点が2.5以上
B:平均点が1.5以上2.5未満
C:平均点が1.5未満
なお、表中では評価していないが、実施例1~3の包装材を電子レンジ加熱(600Wで2分間)したところ、火花が生じたり、局所的な過熱によって穴が生じたりすることがなかった。
2 プラスチックフィルム
3a 光沢印刷層
3b 絵柄印刷層
3c 黒色地色印刷層
3d 白色地色印刷層
4 シーラント層
5 中間基材層
6 接着剤層
7 熱軟化性樹脂層
10 包装容器
11 胴部
12 底部
13 主面シート
14 側縁
15 下縁
16 底面シート
17 収容空間
18 上縁
19 開口
20 自動蒸通機構
21 第1未シール領域
22 開口
23 第2未シール領域
24 ノッチ
25 ヒートシール部
25a 張出部
30 蓋付容器
31 収容部
32 容器本体
33 蓋体
34 フランジ部
35 接合ライン
100 サンプル
Claims (11)
- 少なくとも、プラスチックフィルム、光沢印刷層及びシーラント層が、この順に外層側から積層されている構成を備えた包装材であって、
前記プラスチックフィルムが、光透過性を有し、
前記光沢印刷層の厚みが1~10μmであり、
前記光沢印刷層がパール顔料を含み、
前記パール顔料の含有量が、前記光沢印刷層の全固形分の40質量%以上90質量%以下であり、
下記の測定条件で測定した前記包装材の反射光の強度が、下記条件1及び2を満たす、包装材。
<測定条件>
前記包装材のシーラント層側の表面に、透明粘着剤層を介して黒色板を貼り合わせ、前記包装材、透明粘着剤層及び黒色板を積層したサンプルを作製する。前記サンプルの法線方向から45度傾いた可視光線を前記サンプルの前記包装材側の表面に入射し、入射光の正反射方向を基準角度の0度として、前記基準角度を中心とした±15.0度の範囲において、0.1度ごとに反射光の強度を測定する。
<条件1>
前記基準角度における反射光の強度の1/2以下の強度に最初に到達するプラス方向の角度を「α1」、前記基準角度における反射光の強度の1/2以下の強度に最初に到達するマイナス方向の角度を「α2」とした際に、(α1+|α2|)/2が2.0度以下を示す。
<条件2>
前記基準角度における反射光の強度の1/20以下の強度に最初に到達するプラス方向の角度を「η1」、前記基準角度における反射光の強度の1/20以下の強度に最初に到達するマイナス方向の角度を「η2」とした際に、η2以上η1以下の角度範囲における反射光の強度分布図の歪度の絶対値が0.70以下を示す。 - 前記パール顔料は、白色パール顔料及び干渉パール顔料のうちから選ばれる1種以上と、着色パール顔料のうちから選ばれる1種以上とを含む、請求項1に記載の包装材。
- 前記光沢印刷層の内層側に接して、黒色地色印刷層が設けられている、請求項2に記載の包装材。
- 前記光沢印刷層が0.5質量%以下の黒色顔料を含む、請求項1~3の何れか1項に記載の包装材。
- 電子レンジ用である、請求項1~4のいずれか1項に記載の包装材。
- 少なくとも一部が、請求項1~4のいずれか1項に記載された包装材で形成されている包装容器。
- 前記包装容器がパウチである、請求項6に記載の包装容器。
- 収容部を有する容器本体と、前記収容部を封止するように前記容器本体に接合された蓋体とを備えた蓋付容器であり、前記蓋体が前記包装材で形成されている、請求項6に記載の包装容器。
- 電子レンジ用である、請求項6~8のいずれか1項に記載の包装容器。
- レトルト容器である、請求項6~9のいずれか1項に記載の包装容器。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の包装材で形成されている蓋体。
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