JP2018123333A - グラビアインキおよび印刷物 - Google Patents

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大輔 前田
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Abstract

【課題】印刷適性や印刷層の光沢が良好であり、更に耐ブロッキング性および接着性での基材汎用性と、耐熱性、耐油性を両立することができるグラビアインキを提供すること。
【解決手段】紙基材またはプラスチック基材に印刷するためのグラビアインキであって、バインダー樹脂(A)および炭化水素系ワックス(B)を含有し、下記(1)および(2)を満たすことを特徴とするグラビアインキ。
(1)炭化水素系ワックス(B)の日本工業規格JIS K 2207で規定された25℃
における硬度(針入度)が、0.5〜12である。
(2)グラビアインキ100質量%中、炭化水素系ワックス(B)を0.1〜2.5質量%含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、グラビアインキおよびその印刷物に関する。
各種プラスチック基材、紙基材を包装材料に使用する場合、通常基材の装飾または表面保護のために印刷インキを用いた印刷が施される。印刷を施した基材は、その後スリット工程を経て、最終的には食品包装用、化粧品包装、その他あらゆる用途に向けたパッケージとなる。
フィルム基材、紙基材に印刷される多くの場合、グラビア印刷方式が採用されている。グラビア印刷方式に用いられる版は文字や模様などの部分が凹版であり、このセルにインキが入る程度に版にインキを浸し、版を回転させながら、表面をドクターブレードにより余分なインキを掻き落とし、グラビアインキを基材へ転移、着肉させる。この印刷方式は微細な濃淡が表現できるので、写真などの豊かな階調の再現には最適であり、なおかつ高速印刷が可能であるため大量生産に向いている。ただし、印刷における作業環境改善の推進が成されてきており、トルエンなどの芳香族溶剤を使用しないノントルエン系溶剤のインキが主流である。一方、食品メーカーやコンバーターなどからは包装物の多様化、包装技術の高度化に伴い、印刷インキに対して高度の品質、性能が要求されるようになってきている。
グラビアインキに求められる特性としては、フィルム基材、紙への表刷り印刷の分野において、包装物の外面に印刷層が形成される表刷り印刷インキの性能としては、印刷適性はもちろんのこと、フィルム・紙基材に対する密着性、印刷して巻き取られた時にインキがフィルム基材の裏面にインキ取られ防止のための、耐ブロッキング性、印刷物における印刷面同士の耐ブロッキング性、更にはテーブルクロスなどに用いられている軟質塩化ビニルシートと印刷物間での耐塩ビブロッキング性、印刷面が傷つかないための耐摩擦性、油脂に対する耐油性、製袋時の耐熱性などといった各種耐性が要求されている。
また、近年、野菜・果物などの食品包装用フィルムとして防曇性能を有する「防曇フィルム」の市場が拡がってきている。これら生鮮食品は消費者の手元に届くまで冷蔵又は低温状態に置かれ搬送や販売されるが、その過程で急激な温度・湿度の環境変化があると、食品に含まれる水分が蒸発したり、結露が生じるなどで包装フィルムの内面に水分が水滴となって付着し、フィルム表面に「曇り」が生じて内容物の認識が困難になるという問題があった。また、いちご、もやし、きのこなどの生鮮食品は包装フィルムの内面に付着した水分が水滴となり、ふたたび食品に再付着することで品質が急激に低下し、商品の価値が損なわれる問題もあった。「防曇フィルム」は界面活性剤が塗布あるいは練り込まれた基材であるため、曇りを抑制することができるが、インキ被膜と接触して圧力が生じた場合にインキ被膜が剥がれることがあり、防曇フィルムと印刷層との耐ブロッキング性も課題の中の重要な一つであった。
そこで、特許文献1などではポリアミド樹脂とセルロース樹脂をバインダーとする印刷インキが開示されているが、ポリアミド樹脂を主なバインダーするインキはインキ被膜が脆いため、印刷機のガイドロールとの摩擦によりインキが転移し、印刷物の外観を損ねてしまう問題があった。そこで特許文献2のようにポリウレタン系で高速印刷に適したインキが提案され、更には高速印刷かつ耐ブロッキング性を改善したポリウレタン系グラビアインキでは、キレート化剤、アミドワックス成分を使用することが例示されている(特許文献3、4、5)。また、特許文献6では網点再現性、接着性と臭気に優れた紙用グラビ
アインキが例示されている。しかしながら、印刷性能や物性は更に高レベルなものが必要とされており、印刷適性、各種基材への耐ブロッキング性、耐油性、耐熱性を満足するものは未だ発明されていない。
特開平9−296143号公報 特開2012−012597号公報 特開2013‐127038号公報 特開2015−205993号公報 特開2016−043600号公報 特開2014−058653号公報
本発明は印刷適性や印刷層の光沢が良好であり、更に耐ブロッキング性および接着性での基材汎用性と、耐熱性、耐油性を両立することができるグラビアインキを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、以下に記載のグラビアインキを用いることで上記課題を解決することを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、紙基材またはプラスチック基材に印刷するためのグラビアインキであって、バインダー樹脂(A)および炭化水素系ワックス(B)を含有し、下記(1)および(2)を満たすことを特徴とするグラビアインキに関する。
(1)炭化水素系ワックス(B)の日本工業規格JIS K 2207で規定された25℃
における硬度(針入度)が、0.5〜12である。
(2)グラビアインキ100質量%中、炭化水素系ワックス(B)を0.1〜2.5質量%含有する。
また、本発明は、表刷り用である上記グラビアインキに関する。
また、本発明は、炭化水素系ワックス(B)が、ポリエチレンワックス(b1)、ポリプロピレンワックス(b2)およびフィッシャー・トロプシュ・ワックス(b3)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む上記グラビアインキに関する。
また、炭化水素系ワックス(B)のJIS K7112に規定された23℃における密
度が、925〜990kg/m3である上記グラビアインキに関する。
また、本発明は、更に、脂肪酸アミド(C)を含有する上記グラビアインキに関する。
また、本発明は、炭素数10〜25の脂肪族炭化水素基を有する脂肪酸アミドを含有する上記グラビアインキに関する。
また、本発明は、炭化水素系ワックス(B)と脂肪酸アミド(C)との質量比(B)/(C)が、(B)/(C)=90/10〜10/90の範囲内である上記グラビアインキに関する。
また、本発明は、ポリウレタン樹脂(A1)、セルロース系樹脂(A2)およびポリアミド樹脂(A3)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む上記グラビアインキに関
する。
また、本発明は、上記グラビアインキにより印刷された印刷物に関する。
本発明のグラビアインキにより、印刷適性や印刷層の光沢が良好であり、更に耐ブロッキング性および接着性での基材汎用性と、耐熱性、耐油性を両立することができた。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
本発明の一実施態様は、紙基材またはプラスチック基材に印刷するためのグラビアインキであって、バインダー樹脂(A)および炭化水素系ワックス(B)を含有し、下記(1)および(2)を満たすことを特徴とするグラビアインキである。
(1)炭化水素系ワックス(B)の日本工業規格JIS K 2207で規定された25℃における硬度(針入度)が、0.5〜12である。
(2)グラビアインキ100質量%中、炭化水素系ワックス(B)を0.1〜2.5質量%含有する。
本発明者らは、グラビアインキ100質量%中に、JIS K 2207における硬度(
針入度)が0.5〜12である炭化水素系ワックス(B)を0.1〜2.5質量%含有させることにより、印刷適性と印刷面の光沢、更に耐ブロッキング性が両立できることを見出した。炭化水素系ワックス(B)の含有量としては、グラビアインキ100質量%中に0.1〜2.2質量%含有することが好ましい。炭化水素系ワックス(B)の針入度が0.5以上にて耐摩擦性が良好となり、12以下にて耐ブロッキング性が飛躍的に向上する。炭化水素系ワックス(B)の硬度(針入度)は、好ましくは0.5〜10、より好ましくは0.5〜9である。
グラビアインキのインキ被膜は、適度な弾性をもつが、滑り性に乏しいため耐ブロッキング性と耐摩擦性が課題であった。しかし、上記特性を有する炭化水素系ワックス(B)を一定の配合量でグラビアインキに使用すると、炭化水素系ワックス(B)とバインダー樹脂(A)との相溶性が向上し、インキ被膜の弾性と滑り性が大幅に向上して、インキ被膜の耐ブロッキング性における基材汎用性が向上するものと推測できる。
本発明のグラビアインキは表刷り用としての使用が好ましい。本明細書において、表刷り、裏刷りとは、紙基材およびプラスチック基材に印刷した場合、基材/白/色の順で印刷され、印刷面からみて印刷模様が確認できる場合を表刷り、基材/色/白の順で印刷され、基材面からみて印刷模様が確認できる場合を裏刷りとする。以下、本発明のグラビアインキを構成する各材料について説明する。
<バインダー樹脂(A)>
バインダー樹脂(A)は、熱可塑性樹脂であることが好ましく、印刷後に印刷塗膜(被膜)を形成可能な樹脂が適宜選択される。なお、本明細書において熱可塑性樹脂とは、加熱することで軟化して成形可能となり、冷却すると固化する特性を持つ樹脂のことを表す。
バインダー樹脂(A)がゴム弾性を有する場合、ガラス転移温度(Tg)が−50℃以上40℃未満であることが好ましく、更には動的粘弾性測定において30℃における貯蔵弾性率が107〜109Paであるものが好ましい。バインダー樹脂(A)がゴム弾性を有
さない場合は、ガラス転移温度が40℃〜200℃であるものが好ましい。また、いずれの場合でも有機溶剤に溶解可能なものが好ましい。
なお本明細書においてバインダー樹脂(A)のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)による測定値である。
更に、バインダー樹脂(A)はガラス転移温度が−50℃以上40℃未満である樹脂と、ガラス転移温度が40℃以上200℃以下である樹脂とを併用することが好ましい。更に好ましくは、ガラス転移温度が−50℃〜0℃である樹脂と、ガラス転移温度が50℃〜190℃である樹脂とを併用することである。
本明細書においてゴム弾性とは、高分子鎖が部分的に結合あるいは凝集して3次元のネットワーク構造を形成し、全体が連結しているため固体のようにふるまうが、部分鎖のブラウン運動は停止しておらず部分鎖がいろいろなコンフォメーションをとれることから、弾性が顕著に現れる性質のことを示す。
バインダー樹脂(A)の例としては、以下に限定されるものではないが、ポリウレタン系樹脂(A1)、セルロース系樹脂(A2)、ポリアミド樹脂(A3)、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合樹脂、塩化ビニル−アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ダンマル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、ポリアセタール樹脂、石油樹脂、およびこれらの変性樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
上記の中でも、ポリウレタン系樹脂(A1)、セルロース系樹脂(A2)、ポリアミド樹脂(A3)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、ダンマル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂および環化ゴムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むバインダー樹脂(A)が好ましい。
更には、ポリウレタン系樹脂(A1)、セルロース系樹脂(A2)およびポリアミド樹脂(A3)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むバインダー樹脂(A)が好ましい。
また、バインダー樹脂(A)は少なくとも二種の樹脂を含有することが好ましい。好ましくは、ポリウレタン樹脂(A1)/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリウレタン樹脂(A1)/セルロース系樹脂(A2)、ポリアミド樹脂(A3)/セルロース系樹脂(A2)、アクリル樹脂/セルロース系樹脂(A2)、から選ばれる組み合わせであり、バインダー樹脂(A)100質量%中、二種の樹脂が合計で80〜100質量%含むことが好ましく、さらに好ましくは90〜100質量%である。
更に、ポリウレタン樹脂(A1)/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリウレタン樹脂(A1)/セルロース系樹脂(A2)、ポリアミド樹脂(A3)/セルロース系樹脂(A2)、アクリル樹脂/セルロース系樹脂(A2)は、それぞれ質量比で95/5〜30/70であることが好ましい。より好ましくは質量比で90/10〜50/50である。この配合比および組み合わせのとき、後述する炭化水素系ワックス(B)を併用することにより、耐摩擦性、耐ブロッキング性、耐熱性、耐油性が飛躍的に向上する。
また、バインダー樹脂(A)は、直鎖構造でも良いし、分岐構造、架橋構造、グラフト構造となっていても良い。分子量としては重量平均分子量で5,000〜100,000
のものが好ましい。さらに好ましくは10,000〜80,000である。
<ポリウレタン樹脂(A1)>
ポリウレタン樹脂(A1)は、重量平均分子量が10,000〜100,000のものが好ましく、ガラス転移温度が−60℃〜0℃であることが好ましく、更には動的粘弾性測定において30℃における貯蔵弾性率E’が107〜109Paであるものが好ましい。
なお、ポリウレタン樹脂(A1)のガラス転移温度はDSC測定値である。
また、ポリウレタン樹脂(A1)は、アミン価および/または水酸基価を有するものが好ましく、アミン価は1〜20mgKOH/gであることが好ましい。また水酸基を有するものが特に好ましく、水酸基価は1〜20mgKOH/gであることが好ましい。
ポリウレタン樹脂(A1)は、ポリエーテルポリオール由来の構造単位を含むものが好ましく、その含有量はポリウレタン樹脂(A1)固形分100質量%中、5〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜60質量%であり、更に好ましくは10〜50質量%である。
ポリウレタン樹脂(A1)は特に制限はなく、公知の方法により適宜製造される。例えば、ポリオールとポリイソシアネートからなるポリウレタン樹脂や、ポリオールとポリイソシアネートからなる末端イソシアネートのウレタンプレポリマーと、アミン系鎖延長剤を反応させることにより得られるポリウレタン樹脂などが好ましい。
ポリオールとしては、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油ポリオール、水素添加ひまし油ポリオール、ダイマージオール、水添ダイマージオールなどが挙げられる。中でもポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオールの使用が好ましい。
ポリエーテルポリオールは、例えば、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルポリオール類が挙げられる。中でもポリテトラメチレングリコールやポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールが好ましく、数平均分子量は200〜7,000であることが好ましい。数平均分子量は、末端を水酸基として水酸基価から計算するものであり、(式1)により求められる。
(式1)ポリオールの数平均分子量=1000×56.1× 水酸基の価数/水酸基価
ポリエステルポリオールとしては、例えば、二塩基酸とジオールとのエステル化反応により得られる縮合物等が挙げられる。二塩基酸としては、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、グルタル酸、1、4−シクロヘキシ
ルジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等が挙げられる。ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3,5−トリメチルペンタンジオール、2、4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,2−アルカンジオール、1,3−アルカンジオール、1−モノグリセライド、2−モノグリセライド、1−モノグリセリンエーテル、2−モノグリセリンエーテル、ダイマージオール、水添ダイマージオール等が挙げられる。
ジオールは、なかでも分岐構造を有するジオールが好ましい。分岐構造とは、ジオールに含まれるアルキレン基の水素原子の少なくとも1つがアルキル基によって置換された、アルキル側鎖を有するジオールを意味し、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、および2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。これらは、印刷適性、印刷効果、耐ブロッキング性を向上させるため特に好ましい。
これらのポリエステルポリオールは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。なお、二塩基酸としてはセバシン酸、アジピン酸が特に好ましい。また、ヒドロキシル基を3個以上有するポリオール、カルボキシル基を3個以上有する多価カルボン酸を併用することもできる。
ポリエステルポリオールの数平均分子量は、好ましくは200〜7,000である。数平均分子量は、前記(式1)により求めることが可能である。本発明に用いるポリエステルポリオールの酸価は1.0mgKOH/g以下であることが好ましく、0.5mgKOH/g以下であることがより好ましい。
更に、ポリウレタン樹脂(A1)は、更に低分子ジオールと、ポリイソシアネートからなる構造単位を有するものが好ましい。低分子ジオールの含有量はポリウレタン樹脂(A1)の所望の貯蔵弾性率やガラス転移温度とするため、使用量の制限はないが、ポリウレタン樹脂(A1)固形分100質量%中、0.5〜20.0質量部であることが好ましく、更に好ましくは1.0〜10.0質量%である。低分子ジオールとしては、分子量で50〜800のものが好ましく、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3,5−トリメチルペンタンジオール、2、4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,2−アルカンジオール、1,3−アルカンジオール、1−モノグリセライド、2−モノグリセライド、1−モノグリセリンエーテル、2−モノグリセリンエーテル、ダイマージオール、水添ダイマージオール等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。以下に限定されるものではないが、例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ビス−クロロメチル−ジフェニルメタン
−ジイソシアネート、2,6−ジイソシアネート−ベンジルクロライドやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が挙げられる。これらは3量体となってイソシアヌレート環構造となっていても良い。これらのポリイソシアネートは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。中でも好ましくはトリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体である。
アミン系鎖延長剤としては、以下に限定されるものではないが、分子量500以下が好ましく、ジアミン系、多官能アミン系等のものが挙げられ、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、p−フェニレンジアミンなどのジアミン系鎖延長剤の他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど水酸基を有するジアミン系鎖延長剤も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。また必要に応じて3官能以上の多官能のアミン系鎖延長剤も使用出来、具体的には、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン:(IBPA、3,3’−ジアミノジプロピルアミン)、トリエチレンテトラミン、N−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン:(スペルミジン)、6,6−イミノジヘキシルアミン、3,7−ジアザノナン−1,9−ジアミン、N,N’−ビス(3‐アミノプロピル)エチレンジアミンが挙げられる。中でも好ましくはイソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イミノビスプロピルアミンである。
また、過剰反応停止を目的とした重合停止剤として、一価の活性水素化合物を用いることもできる。かかる化合物としては例えば、1級、2級のアミノ基を有するモノアミン化合物であれば特に限定されないが、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類や2−エタノールアミンなどのアミノアルコール類等があげられる。更に、特にポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L−アラニン等のアミノ酸を反応停止剤として用いることができる。重合停止剤を用いるときには、末端停止剤と鎖延長剤とを一緒に使用して鎖延長反応を行ってもよく、また鎖延長剤によりある程度鎖延長反応を行った後に末端停止剤を単独に添加して末端停止反応を行ってもよい。一方、末端停止剤を用いなくても分子量のコントロールは可能であるが、この場合には鎖延長剤を含む溶液中にプレポリマーを添加する方法が反応制御という点で好ましい。
ポリウレタン樹脂(A1)の合成法は、ポリオール、低分子ジオール等をポリイソシアネートと反応させたのちアミン系鎖延長剤および必要に応じて重合停止剤と反応させてポリウレタン樹脂にすることが好ましい。例えば、ポリオールとポリイソシアネートを必要に応じイソシアネート基に不活性な溶媒を用い、また、更に必要であればウレタン化触媒を用いて50℃〜150℃の温度で反応させ(ウレタン化反応)、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを製造し、次いで、このプレポリマーにアミン系鎖延長剤を反応させてポリウレタン樹脂を得るプレポリマー法、あるいは、高分子ポリオールとポリイソシアネートとアミン系鎖延長剤および(および重合停止剤)を一段で反応させてポリウレタン樹脂(A1)を得るワンショット法など公知の方法により製造することが出来る。また、アミン系鎖延長剤は、高分子ポリオールとともにポリイソシアネートとウレタン化反応で使用することもできる。
プレポリマーを製造するに当たり、ポリオールとポリイソシアネートとの量は、ポリイ
ソシアネートのイソシアネート基のモル数と高分子ポリオールの合計の水酸基のモル数の比であるNCO/OH比=1.1〜3.0の範囲となるようにすることが好ましい。更に好ましくはNCO/OH比=1.3〜2.5である。
また、プレポリマーの合成には有機溶剤を用いることが反応制御の面で好ましい。使用できる有機溶剤としてはイソシアネート基と反応不活性な有機溶剤が好ましく、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;クロルベンゼン、パークレンなどのハロゲン系炭化水素などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上混合し混合溶媒として用いることもできる。
さらに、このプレポリマーの合成反応には触媒を用いることもできる。使用できる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリンなどの3級アミン系の触媒;スズ、亜鉛などの金属系の触媒などが挙げられる。これらの触媒は通常ポリオール化合物に対して0.001〜1モル%の範囲で使用される。
上記で得られた末端にイソシアネート基を有するプレポリマーとアミン系鎖延長剤であるジアミン、トリアミンなどとを10〜60℃で反応させ、末端に活性水素基を含有する高分子量のポリウレタン樹脂(A1)が得られる。
また、プレポリマー中のイソシアネート基のモル数に対するアミン系鎖延長剤のアミノ基の合計モル数の比は1.01〜2.00、好ましくは1.03〜1.06の範囲となるようにして反応させることが好ましい。
<セルロース系樹脂(A2)>
セルロース系樹脂(A2)としては、例えばニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース等が挙げられ、アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、更にアルキル基が置換基を有していても良い。中でも、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロースが好ましい。特に好ましくはニトロセルロースである。分子量としては重量平均分子量で5,000〜1,000,000のものが好ましく、10,000〜200,000が更に好ましい。また、ガラス転移温度が120℃〜180℃であるものが好ましい。
(ニトロセルロース)
ニトロセルロースは、天然セルロースと硝酸とを反応させて、天然セルロース中の無水グルコピラノース基の6員環中の3個の水酸基を、硝酸基に置換した硝酸エステルとして得られるものが好ましく、平均重合度35〜480、更には50〜200の範囲のものが好ましい。平均重合度が50以上の場合、インキ被膜の強度が向上し、耐摩擦性、耐もみ性が向上するため好ましい。又、平均重合度が200以下の場合、溶剤への溶解性、インキの低温安定性、併用樹脂との相溶性が向上するため好ましい。また、窒素分は10.5〜12.5質量%であることが好ましい。
<ポリアミド樹脂(A3)>
本発明のグラビアインキに使用できるポリアミド樹脂(A3)は以下に限定されるものではないが、多塩基酸と多価アミンとを重縮合して得ることが出来る熱可塑性ポリアミドが挙げられる。特には重合脂肪酸および/またはダイマー酸を含有する酸成分と、脂肪族および/または芳香族ポリアミンの反応物を含むポリアミド樹脂が好ましく、更には一級
および二級モノアミンを一部含有するものが好ましい。ポリアミド樹脂(A3)はイソプロパノールに対する溶解度が30質量%以上のものが好ましい。アルコールへの溶解性が30質量%以上である場合、インキの印刷適性、顔料分散性、光沢、発色性、低温安定性が良好となる。
ポリアミド樹脂(A3)の原料で使用される多塩基酸としては、以下に限定されるものではないが、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、スベリン酸、グルタル酸、フマル酸、ピメリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、テレフタル酸、1、4−シクロヘキシルジカルボン酸、トリメリット酸、ダイマー
酸、水添ダイマー酸、重合脂肪酸が挙げられ、とくにその中でもダイマー酸、水添ダイマー酸、重合脂肪酸が好ましい。ここで、重合脂肪酸とは、乾性または半乾性油脂脂肪酸あるいは、そのエステル重合、エステル交換反応等により得られるもので、一塩基性脂肪酸、二量化重合脂肪酸、三量化重合脂肪酸等を含むものである。
多塩基酸には、モノカルボン酸を併用することもできる。併用されるモノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、安息香酸、シクロヘキサンカルボン酸等が挙げられる。
多価アミンとしては、ポリアミン、一級及び二級モノアミン挙げることができる。ポリアミド樹脂(A3)に使用されるポリアミンとしてはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メチルアミノプロピルアミン等の脂肪族ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミンを挙げることができ、脂環族ポリアミンとしては、シクロヘキシレンジアミン、イソホロンジアミン等を挙げることができる。また、芳香脂肪族ポリアミンとしてはキシリレンジアミン、芳香族ポリアミンとしてはフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等を挙げることができる。さらに、一級及び二級モノアミンとしては、n−ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミンなどを挙げることができる。
ポリアミド樹脂(A3)は、通常のポリアミド樹脂(A3)の合成方法と同様の方法で製造することができる。反応温度は、180〜230℃で、反応中は不活性ガス中で行うことが好ましく、脱水反応であるため分留設備を使用することが好ましい。更に反応は減圧で行っても良い。また、反応成分のカルボキシル基:アミノ基の当量比は、0.9:1.0〜1.0:0.9であることが好ましい。
また、ポリアミド樹脂(A3)は、軟化点が100〜140℃、重量平均分子量が2,000〜70,000の範囲であることが好ましい。軟化点が100℃以上の場合は、印刷物のインキ被膜の表面タック切れが良好となり、ブロッキングを防ぐ。軟化点が140℃以下の場合はインキ被膜が柔軟となり基材への接着性が向上する。重量平均分子量の範囲はとしては2,000以上の場合はインキの被膜強度が良好となり、耐摩擦性、耐熱性、高速印刷適性が向上する。分子量が70,000以下の場合はインキの粘度が低粘度化でき、貯蔵安定性が良好となる。なお、軟化点はJISK2207(環球法)で測定された値を表す。
ポリアミド樹脂(A3)は、重合脂肪酸、(水素添加)ダイマー酸に由来する構造を有することが好ましい。重合脂肪酸を使用する場合は、不飽和脂肪酸を含む一塩基性脂肪酸あるいは、そのエステル重合によって得られたものが好ましく、炭素数が16から22の不飽和脂肪酸またはそのエステルの重合により得られるものが好ましい。重合脂肪酸を単独あるいは任意の割合で併用することができる。更に、プラスチックフィルムに対する接着性、耐ブロッキング性、耐油性、耐熱性の面から、ポリアミド樹脂(A3)は一級または二級モノアミン成分としてアルカノールアミンを用いられ、分子内に水酸基を有するこ
とが好ましい。
<塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂としては、塩化ビニルと酢酸ビニルが共重合したものであれば、特段限定されない。分子量としては重量平均分子量で5,000〜100,000のものが好ましく、20,000〜70,000が更に好ましい。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂の固形分100質量%中、酢酸ビニルモノマー由来の構造は1〜30質量%が好ましく、塩化ビニルモノマー由来の構造は70〜95質量%であることが好ましい。この場合有機溶剤への溶解性が向上、更に基材への密着性、被膜物性、耐ブロッキング性等が良好となる。
また、有機溶剤への溶解性が向上するため、ケン化反応、変性反応あるいは共重合でビニルアルコール構造由来の水酸基を含むものが更に好ましく、水酸基価として20〜200mgKOH/gであることが好ましい。また、ガラス転移温度は50℃〜90℃であることが好ましい。
<アクリル樹脂>
本発明でグラビアインキに使用するアクリル樹脂としては、不飽和二重結合を有するモノマーを、重合開始剤を用いて溶媒中で重合させることで得られるアクリル樹脂が使用可能である。ここで不飽和二重結合を有するモノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル化合物、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の少なくとも1個のN−置換メチロール基を含有する(メタ)アクリル酸アミド誘導体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアミノアルキルエステル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類の(メタ)アクリル酸のモノまたはジエステル類、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の酸基を有するビニル化合物等が例示できる。本発明のグラビアインキのプラスチックフィルムに対する接着性、耐熱性の面から、カルボキシル基および/または水酸基を有するアクリル樹脂が好ましく、アクリル樹脂に水酸基を持たせる場合、アクリル樹脂として構成するモノマーとして(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル化合物を含有するものが好ましい。以上のアクリル樹脂の重量平均分子量は、30,000〜100,000の範囲であることが好ましい。また、アクリル樹脂はガラス転移温度(Tg)が40〜110℃であることが好ましい。
なお、アクリル樹脂および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂のガラス転移温度は、DSCにより測定できるが、以下で表されるFOXの式によっても推算することができる。<FOX式>1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+…+Wi/Tgi+…+Wn/Tgn
〔上記FOX式は、n種の単量体からなる重合体を構成する各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度をTgi(K)とし、各モノマーの質量分率を、Wiとしており、(W1+W2+…+Wi+…Wn=1)である。〕
本発明のグラビアインキ100質量%中、バインダー樹脂(A)は固形分にて3.0〜
25.0質量%で含まれることが好ましい。また、4.5〜20.0質量%で含まれることが更に好ましい。
<炭化水素系ワックス(B)>
本発明において使用する炭化水素系ワックス(B)としては、以下に限定されるものではないが、ポリエチレンワックス(b1)、ポリプロピレンワックス(b2)およびフィッシャー・トロプシュ・ワックス(b3)、パラフィンワックス、マイクロスタリンワックス等が挙げられる。中でも、ポリエチレンワックス(b1)、ポリプロピレンワックス(b2)およびフィッシャー・トロプシュ・ワックス(b3)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む炭化水素系ワックス(B)が好ましく、ポリエチレンワックス(b1)、フィッシャー・トロプシュ・ワックス(b3)からなる群より選ばれる少なくとも一種がより好ましい。
炭化水素系ワックス(B)は硬度(針入度)が0.5〜12の範囲内の場合、バインダー樹脂(A)との相溶性が良好となり、インキ被膜の滑り性が付与されるため耐摩擦性、耐スクラッチ性および耐ブロッキング性が向上する。また、更にグラビア印刷における版かぶり性も良好となる。炭化水素系ワックス(B)は、JIS K7112(B法)に規
定された23℃における密度が、900〜990kg/m3であることが好ましい。更に
好ましくは925〜990kg/m3である。また、炭化水素系ワックス(B)は、DS
C測定における融点が90〜150℃であることが好ましく、更に好ましくは100〜125℃である。炭化水素系ワックス(B)の融点は、DSCDSC昇温曲線における吸熱ピークのピークトップ(極小値)の融点を表す。
またグラビアインキ印刷面の光沢および重ね刷りでの印刷効果が向上するため、平均粒子径が1〜10μmであることが好ましい。更には2〜8μmが好ましい。なお、炭化水素系ワックス(B)における平均粒子径とは、レーザー回折・光散乱法での測定におけるD50の値を表す。更に、炭化水素系ワックス(B)は、JIS K 6862に準拠して
測定された140℃における溶融粘度が、20〜8000mPa・sであることが好ましい。
<ポリエチレンワックス(b1)>
ポリエチレンワックス(b1)は、エチレン重合型ポリエチレンと熱分解型低密度ポリエチレンに分類される。エチレン重合型ポリエチレンは、更に高密度重合ポリエチレン、低密度重合ポリエチレン、酸化ポリエチレン、酸変性ポリエチレン、特殊モノマー変性ポリエチレンに分けられ、いずれのタイプのものを使用しても良いし、併用して使用しても良い。酸変性ポリエチレンは、エチレンの重合時にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、などの酸性モノマーと共重合されたものが好ましく、特殊モノマー変性ポリエチレンは、エチレンの重合時にアクリル酸エステル、スチレンモノマー、酢酸ビニル等が共重合されたものが好ましい。
中でも、高密度重合ポリエチレン、低密度重合ポリエチレン、酸化ポリエチレン、酸変性ポリエチレン、特殊モノマー変性ポリエチレンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むポリエチレンワックス(b1)が好ましい。また、ポリエチレンワックス(b1)は、粘度法による分子量が2000〜8000であるものが特に好ましく、数平均分子量では500〜6000であることが好ましい。ポリエチレンワックス(b1)において、数平均分子量はGPC測定から求めた値である。
また、ポリエチレンワックス(b1)は、JIS K7112(B法)に規定された2
3℃における密度が、925〜990kg/m3であることが好ましい。また、JIS K 6862に準拠して測定された140℃における溶融粘度が、50〜8000mPa・sであることが好ましい。また、ポリエチレンワックス(b1)は、酸価を有していても良い。酸価を有する場合、酸価は0.5〜70mgKOH/gであることが好ましい。また
、ポリエチレンワックス(b1)は、DSC測定における融点が90〜150℃であることが好ましく、更に好ましくは100〜120℃である。
<ポリプロピレンワックス(b2)>
ポリプロピレンワックス(b2)は、粘度法による分子量が5000〜30000であるものが特に好ましく、数平均分子量では1000〜40000であることが好ましい。また、ポリプロピレンワックス(b2)は、JIS K7112(B法)に規定された2
3℃における密度が、900〜990kg/m3であることが好ましく、更に好ましくは
925〜990kg/m3である また、JIS K 6862に準拠して測定された180℃における溶融粘度が、50〜2000mPa・sであることが好ましい。また、ポリプロピレンワックス(b2)は、酸価を有していても良い。酸価を有する場合、好ましくは0.5〜70mgKOH/gである。また、ポリプロピレンワックス(b2)は、DSC測定における融点が90〜150℃であることが好ましく、更に好ましくは100〜120℃である。
<フィッシャー・トロプシュ・ワックス(b3)>
フィッシャー・トロプシュ・ワックス(b3)とは、フィッシャー・トロプシュ製法により一酸化炭素と水素を原料に製造されたそのワックスであり、ほぼ飽和の、分枝を有しない直鎖の分子構造からなる。その直鎖構造により、高融点、低粘度、硬質である。フィッシャー・トロプシュ・ワックス(b3)は長期間熱に晒されても劣化がほとんどなく、極めて高い熱安定性を示す。
フィッシャー・トロプシュ・ワックス(b3)は、数平均分子量が400〜2000であることが好ましい。また、フィッシャー・トロプシュ・ワックス(b3)は、JIS
K7112(B法)に規定された23℃における密度が、925〜990kg/m3であ
ることが好ましい。また、JIS K 6862に準拠して測定された140℃における溶
融粘度が、1〜200mPa・sであることが好ましい。また、フィッシャー・トロプシュ・ワックス(b3)は、酸価を有していても良い。酸価を有する場合、好ましくは0.5〜50mgKOH/gである。また、フィッシャー・トロプシュ・ワックス(b3)は、DSC測定における融点が90〜130℃であることが好ましく、更に好ましくは100〜120℃である。
炭化水素系ワックス(B)のグラビアインキへの添加方法は特に制限は無く、インキの顔料分散工程において顔料、バインダー樹脂(A)と共に炭化水素系ワックス(B)を混合して分散しても良いし、あらかじめ炭化水素系ワックス(B)を有機溶剤で分散したものをグラビアインキ中に添加して含有させても良い。分散の方法は特に制限は無く、ディスパー、ローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
<脂肪酸アミド(C)>
本発明のグラビアインキでは炭化水素系ワックス(B)に加え、脂肪酸アミド(C)を含有することが好ましい。両者を併用することによって、耐ブロッキング性における基材汎用性などの被膜物性が飛躍的に向上する。使用する脂肪酸アミド(C)は、炭素数10〜25の脂肪族炭化水素基とアミド基を有するものが好ましい。脂肪酸アミド(C)は、グラビアインキ中では溶解、あるいは分散されているが、印刷後には印刷被膜の表面に配向し、滑り性を発現させて印刷ロールで重なる基材に対する耐ブロッキング性を向上させると考えられる。
尚、炭素数10〜25の脂肪族炭化水素基とは、直鎖、分岐、環状構造を有する飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基を指し、アルキル基、アルケニル基、アルケンジイル基、
シクロアルキル基等が挙げられる。これらの内、直鎖構造を有する飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基が好ましい。
脂肪酸アミド(C)としては、以下に示すモノアミド(C1)、置換アミド(C2)、ビスアミド(C3)、メチロールアミド(C4)、エステルアミド(C5)等が挙げられ、モノアミド(C1)、置換アミド(C2)、およびビスアミド(C3)からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。脂肪酸アミド(C)の含有量は、グラビアインキ100質量%中0.01〜3質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましい。
<モノアミド(C1)>
モノアミド(C1)は、下記一般式(1)で表される。
一般式(1)
1−CONH2
(式中、R1は、炭素数10〜25の脂肪族炭化水素基を表す。)
モノアミド(C1)としては、例えば、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等が挙げられる。
<置換アミド(C2)>
置換アミド(C2)は、下記一般式(2)で表される。
一般式(2)
2−CONH−R3
(式中、R2およびR3は、炭素数10〜25の脂肪族炭化水素基を表し、同一でも異なっていても良い。)
置換アミド(C2)としては例えば、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド等が挙げられる。
<ビスアミド(C3)>
ビスアミド(C3)は、下記一般式(3)または一般式(4)で表される。
一般式(3)
4−CONH−R5−HNCO−R6
一般式(4)
7−NHCO−R8−CONH−R9
(式中、R4、R6、R7、およびR9は、炭素数10〜25の脂肪族炭化水素基を表し、同一でも異なっていても良く、R5およびR8は、アルキレン基またはアリーレン基を表す。)
ビスアミド(C3)としては、例えば、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド等が挙げられる。
<メチロールアミド(C4)>
メチロールアミド(C4)は、下記一般式(5)で表される。
一般式(5)
10−CONHCH2OH
(式中、R10は、炭素数10〜25の脂肪族炭化水素基を表す。)
メチロールアミド(C4)としては、例えば、メチロールパルミチン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘン酸アミド、メチロールヒドロキシステアリン酸アミド、メチロールオレイン酸アミド、メチロールエルカ酸アミド等が挙げられる。
<エステルアミド(C5)>
エステルアミド(C5)は、下記一般式(6)で表される。
一般式(6)
11−CONH−R12−OCO−R13
(式中、R11およびR13は、炭素数10〜25の脂肪族炭化水素基を表し、同一でも異なっていても良く、R12は、アルキレン基またはアリーレン基を表す。)
エステルアミド(C5)としては、例えば、ステアロアミドエチルステアレート、オレイロアミドエチルオレアレート等が挙げられる。
なお、アリーレン基としてはフェニレン基、トルイレン基、m‐キシリレン基から選ばれる少なくとも一種が好ましい。
脂肪酸アミド(C)の融点は、50℃〜150℃であることが好ましい。該当するものとしては、モノアミド(C1)としては。例えば、ラウリン酸アミド(融点87℃)、パルミチン酸アミド(融点100℃)、ステアリン酸アミド(融点101℃)、ベヘン酸アミド(融点110℃)、ヒドロキシステアリン酸アミド(融点107℃)、オレイン酸アミド(融点75℃)、エルカ酸アミド(融点81℃)等が挙げられる。置換アミド(C2)としては、例えば、N−オレイルパルミチン酸アミド(融点68℃)、N−ステアリルステアリン酸アミド(融点95℃)、N−ステアリルオレイン酸アミド(融点67℃)、N−オレイルステアリン酸アミド(融点74℃)、N−ステアリルエルカ酸アミド(融点69℃)等が挙げられる。ビスアミド(C3)としては例えば、メチレンビスステアリン酸アミド(融点142℃)、エチレンビスステアリン酸アミド(融点145℃)、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド(融点145℃)、エチレンビスベヘン酸アミド(融点142℃)、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド(融点140℃)、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド(融点142℃)、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド(融点135℃)、エチレンビスオレイン酸アミド(融点119℃)、エチレンビスエルカ酸アミド(融点120℃)、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド(融点110℃)、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド(融点141℃)、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド(融点136℃)、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド(融点118℃)、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド(融点113℃)等が挙げられる。メチロールアミド(C4)としては例えば、メチロールステアリン酸アミド(融点110℃)等が挙げられる。エステルアミド(C5)としては例えば、ステアロアミドエチルステアレート(融点82℃)等が挙げられる。上記の中でも分子量が200〜800のものが好ましい。更に好ましくは250〜700である。
また、脂肪酸アミド(C)を構成する脂肪酸としては、炭素数10〜22の飽和脂肪酸および/または炭素数16〜25の不飽和脂肪酸が好ましく、炭素数12〜18の飽和脂肪酸および/または炭素数18〜22の不飽和脂肪酸を含有することがより好ましい。飽和脂肪酸として好ましくは、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ヒドロキシステアリン酸、不飽和脂肪酸として好ましくは、オレイン酸、エルカ酸である。ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の脂肪酸からなる脂肪酸アミド(C)が特に好ましい。
本発明のグラビアインキは、更にポリエチレンワックス(b1)および/またはフィッシャー・トロプシュ・ワックス(b3)と、脂肪酸アミド(C)とを含有することが好ま
しい。脂肪酸アミド(C)の使用比率は、質量比で脂肪酸アミド(C):炭化水素系ワックス(B)=10:90〜90:10であることが好ましい。更に好ましくは脂肪酸アミド(C):ポリエチレンワックス(B)=20:80〜80:20である。また、本発明のグラビアインキ100質量%中、脂肪酸アミド(C)とポリエチレンワックス(E)の合計は0.3〜3質量%含有することが好ましい。
<顔料>
本発明のグラビアインキにおいては、顔料を含むことが好ましく、グラビアインキ100質量%中、0.2〜38質量%含むことが好ましい。なお、顔料は、有機顔料、無機顔料、体質顔料のいずれでも使用は可能であるが、無機顔料では酸化チタンを含むもの、体質顔料としては、シリカ、硫酸バリウム、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが好ましい。有機顔料では、有機化合物、有機金属錯体からなるものの使用が好ましい。有機顔料は、以下の例には限定されないが、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系などの顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。
以下に、有機顔料として好ましいものの具体的な例をカラーインデックスで示す。以下に示す黒色顔料、藍色顔料、緑色顔料、赤色顔料、紫色顔料、黄色顔料、橙色顔料、茶色顔料からなる群より選ばれる少なくとも一種または二種以上が好ましい。また更には、黒色顔料、藍色顔料、赤色顔料、黄色顔料、からなる群より選ばれる少なくとも一種または二種以上が好ましい。特に藍色顔料、赤色顔料での使用が特に好ましい。
<黒色顔料>
具体的には、C.I.ピグメントブラック1〜34の黒色顔料のうち、有機化合物または有機金属錯体である黒色顔料が好ましく、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7、C.I.ピグメントブラック9、C.I.ピグメントブラック20などが挙げられる。
<藍色顔料>
具体的には、C.I.ピグメントブルー1〜80の藍色顔料のうち、有機化合物または有機金属錯体である藍色顔料が好ましく、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:5、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー24:1、C.I.ピグメントブルー25、C.I.ピグメントブルー26、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー64、C.I.ピグメントブルー75、C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントブルー80などが挙げられる。
<緑色顔料>
具体的には、C.I.ピグメントグリーン1〜50の緑色顔料のうち、有機化合物または有機金属錯体である緑色顔料が好ましく、例えば、C.I.ピグメントグリーン1、C.I.ピグメントグリーン4、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン8、C.I.ピグメントグリーン10、C.I.ピグメントグリーン36などが挙げられる。
<赤色顔料>
具体的には、C.I.ピグメントレッド1〜279の赤色顔料のうち、有機化合物または有機金属錯体である赤色顔料が好ましく、例えば、C.I.ピグメントレッド1〜C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド20、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド43、C.I.ピグメントレッド46、C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド48:5、C.I.ピグメントレッド48:6、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド49:3、C.I.ピグメントレッド52、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド52:2、C.I.ピグメントレッド53、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド53:2、C.I.ピグメントレッド53:3、C.I.ピグメントレッド54、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド58、C.I.ピグメントレッド58:1、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:3、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド63:3、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド89、C.I.ピグメントレッド95、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド119、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド136、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド147、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド164、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド181、C.I.ピグメントレッド182、C.I.ピグメントレッド183、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド200、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド210、C.I.ピグメントレッド211、C.I.ピグメントレッド213、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメン
トレッド216、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド223、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド237、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド239、C.I.ピグメントレッド240、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド247、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド251、C.I.ピグメントレッド253、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド256、C.I.ピグメントレッド257、C.I.ピグメントレッド258、C.I.ピグメントレッド260、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド263、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド266、C.I.ピグメントレッド268、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントレッド270、C.I.ピグメントレッド271、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントレッド279、などが挙げられる。
<紫色顔料>
具体的には、C.I.ピグメントバイオレット1〜50の紫色顔料のうち、有機化合物または有機金属錯体である紫色顔料が好ましく、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット2、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット3:1、C.I.ピグメントバイオレット3:3、C.I.ピグメントバイオレット5:1、C.I.ピグメントバイオレット13、C.I.ピグメントバイオレット19(γ型、β型)、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット25、C.I.ピグメントバイオレット27、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット31、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントバイオレット38、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントバイオレット50、などが挙げられる。
<黄色顔料>
具体的には、C.I.ピグメントイエロー1〜219の黄色顔料のうち、有機化合物または有機金属錯体である黄色顔料が好ましく、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー42、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー120、ピグメントイエロー125、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピグメント、イエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー148、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185およびC.I.ピグメントイエロー213等が挙げられる。
<橙色顔料>
具体的には、C.I.ピグメントオレンジ1〜81の橙色顔料のうち、有機化合物または有機金属錯体である橙色顔料が好ましく、例えば、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ37、C.I.ピグメントオオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ59、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、又はC.I.ピグメントオレンジ74などが挙げられる。
<茶色顔料>
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、又はC.I.ピグメントブラウン26などが挙げられる。
以上のうち、好ましくは、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメント レッド185、C.I.ピグメントレッド
122、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメント レッド166、C.I.ピグメントバイ
オレット23、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも一種または二種以上を使用することが好ましい。
更に、具体的には、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメント レッド185、C.I.ピグメントレッド122
、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメント レッド166、C.I.ピグメントバイオレッ
ト23、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメント
ブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントブラック7等の使用が好ましい。
本発明のグラビアインキにおける色相は、必要に応じて他の色相のインキ組成物(基本色として、黄、紅、藍、墨の合計5色、プロセスガマット外色として赤(橙)、草(緑)、紫の3色、更に透明黄、牡丹、朱、茶、パール)と混合して使用しても良い。
一方、無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカなどの白色無機顔料が挙げられる。無機顔料の中では酸化チタンの使用が特に好ましい。酸化チタンは、白色を呈し、着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から好ましく、印刷性能の観点から該酸化チタンはシリカおよび/またはアル
ミナ処理を施されているものが好ましい。
白色以外の無機顔料としては、例えば、アルミニウム粒子、マイカ(雲母)、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられ、アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングタイプまたはノンリーフィングタイプいずれでも良い。
顔料は、グラビアインキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちインキ組成物の総質量に対して1〜50質量%、インキ組成物中の固形分質量比では10〜90質量%の割合で含まれることが好ましい。また、これらの顔料は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
<有機溶剤>
本発明のグラビアインキは、液状媒体として有機溶剤を含むことが好ましい。以下に限定されるものではないが、使用される有機溶剤としては、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、エステル系有機溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール系有機溶剤、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤など公知の有機溶剤を使用でき、混合して使用しても良い。中でも、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤を含まない有機溶剤(ノントルエン系有機溶剤)がより好ましい。更に好ましくはエステル系有機溶剤、アルコール系有機溶剤からなる有機溶剤が好ましい。この場合インキ100質量%中、6質量%以下の量でグリコールエーテル系有機溶剤を含んで良い。なお、本発明のグラビアインキは、液状媒体として水を含んでいても良いが、その含有量は液状媒体100質量%中0.1〜5質量%が好ましい。
<添加剤>
本発明のグラビアインキは、添加剤として従来公知のものを適宜含むことができ、インキ組成物の製造においては必要に応じて添加剤、例えば顔料誘導体、分散剤、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、粘度調整剤、キレート架橋剤、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、上記以外のワックス成分、イソシアネート系硬化剤、シランカップリング剤などを使用することができる。
(キレート架橋剤)
本発明のグラビアインキには、キレート架橋剤を使用することが好ましい。キレート架橋剤としては、金属キレート架橋剤として、チタンキレート、ジルコニウムキレート等が使用できる。チタンキレートとしては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトラメチルチタネート、テトラステアリルチタネートなどのチタンアルコキシド、トリエタノールアミンチタネート、チタニウムアセチルアセテトナート、チタニウムテトラアセチルアセトナート、テトライソプロポキシチタン、チタニウムエチルアセトアセテテート、チタニウムラクテート、オクチレングリコールチタネート、n−ブチルリン酸エステルチタン、プロパンジオキスチタンビス(エチルアセチルアセテート)などのチタンキレートを挙げることができる。ジルコニウムキレートとしては、ジルコニウムプロピオネート、ジルコニウムアセチルアセテート等が例示できる。キレート架橋剤のなかでも、架橋反応後にアセチルアセトンを発生しないキレート架橋剤が、環境上の観点から好ましい。
キレート架橋剤の含有量は、グラビアインキ中、0.1〜5.0質量%であることが好
ましく、0.5〜2.0質量%であればさらに好ましい。含有量が0.1質量%以上であると耐熱性、耐油性、耐塩ビブロッキング性が向上し、5.0質量%以下の場合は、インキの経時安定性が良好となる。これらのキレート架橋剤を使用することによって、特にプラスチック基材や表面コートされた紙基材に対する接着性が高くなるとともに、形成されたインキ被膜の耐摩擦性が向上するという効果を奏する。
顔料を安定に分散させるため分散剤を併用することもできる。分散剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性などの界面活性剤を使用することができる。分散剤は、インキの保存安定性の観点からインキの総質量100質量%に対して0.1〜10.0質量%でインキ中に含まれることが好ましい。さらに、0.1〜3.0質量%の範囲で含まれることがより好ましい。
<グラビアインキの製造>
本発明のグラビアインキは、バインダー樹脂(A)、炭化水素系ワックス(B)等を液状媒体中に溶解および/または分散することにより製造することができる。以下に限定されるものではないが、例えば、顔料、ポリウレタン樹脂(A1)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエチレンワックス(b1)および必要に応じて分散剤を混合し、有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、更にポリウレタン樹脂(A1)、必要に応じて他の樹脂や添加剤などを配合することによりグラビアインキを製造することができる。また、顔料分散体の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては一般に使用される、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
グラビアインキの粘度は、グラビア印刷法での高速印刷(50〜300m/分)に対応させるため、B型粘度計での25℃における粘度が40〜500cpsの粘度範囲であることが好ましい。より好ましくは50〜400cpsである。この粘度範囲は、ザーンカップ#4での粘度が9秒〜50秒程度に相当する。なお、グラビアインキの粘度は、使用される原材料の種類や量、例えば顔料、バインダー樹脂(A)、有機溶剤などの量を適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の有機顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
<印刷物>
基材上に、本発明のグラビアインキを用いて印刷した後、揮発成分を除去することによって印刷層を形成し、印刷物を得ることができる。印刷方法としてはグラビア印刷方式であり、例えば、グラビア印刷に適した粘度及び濃度にまで希釈溶剤で希釈され、単独でまたは混合されて各印刷ユニットに供給され、塗布される。その後、オーブンによる乾燥によって被膜を定着することで得ることができる
<プラスチック基材>
本発明の印刷物に使用できるプラスチック基材は、フィルム基材であることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ乳酸などのポリエステル、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのポリスチレン系樹脂、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロハンなどのフィルム基材、およびこれらの複合材料からなるフィルム基材が挙げられる。プラスチック基材は、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの金属あるいは金属酸化物が蒸着されていても良く、更に蒸着面をポリビニルアルコールなどの塗料
でコーティング処理を施されていても良い。一般的に印刷される基材表面はコロナ処理などの表面処理が施されている場合が多い。さらにこれらプラスチック基材については、予め防曇剤の塗工、練り込み、マット剤の表面塗工、練り込みなどプラスチックフィルムを加工して得られるフィルムも使用する事が可能である。
防曇剤は界面活性剤が好ましく、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどの多価アルコール脂肪酸エステルやエチレンオキサイド付加物などのイオン系界面活性剤を1種あるいは複数用いられる。
<紙基材>
更に、本発明の印刷物作製には紙基材を用いても良い。該紙基材としては通常の紙や段ボールなどであり膜厚としては特に指定は無いが、例えば、0.2mm〜1.0mm、20〜150g/m2のものが使用でき、印刷表面がコロナ処理されていても良い。また紙
基材は意匠性を付与させる目的で表面がアルミなどの金属で蒸着処理されていても良く、また、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂やその他の樹脂などで表面コート処理を施されていても良く、さらにコロナ処理などの表面処理が施されていても良い。例えばコート紙やアート紙などが挙げられる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、部および%は、特に注釈の無い場合、それぞれ質量部および質量%を表わす。
(水酸基価)
JIS K0070に従って求めた。
(酸価)
JIS K0070に従って求めた。
(アミン価)
アミン価は、樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要とする塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数でJISK0070に準じて以下の方法に従って求めた。
試料を0.5〜2g精秤した(試料固形分:Sg)。精秤した試料にメタノール/メチルエチルケトン=60/40(質量比)の混合溶液50mLを加え溶解させた。得られた溶液に指示薬としてブロモフェノールブルーを加え、得られた溶液を0.2mol/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行なった。溶液の色が緑から黄に変化した点を終点とし、この時の滴定量(AmL)を用い、下記(式2)によりアミン価を求めた。
(式2)アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S [mgKOH/g]
(重量平均分子量)
重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置(東ソー株式会社製HLC−8220)を用いて分子量分布を測定し、ポリスチレンを標準物質に用いた換算分子量として求めた。下記に測定条件を示す。
カラム:下記カラムを直列に連結して使用した。
東ソー株式会社製ガードカラムHXL−H
東ソー株式会社製TSKgelG5000HXL
東ソー株式会社製TSKgelG4000HXL
東ソー株式会社製TSKgelG3000HXL
東ソー株式会社製TSKgelG2000HXL
検出器:RI(示差屈折計)
測定条件:カラム温度40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
(合成例1)[ポリウレタン樹脂PU1]
数平均分子量700のポリプロピレングリコール(以下「PPG700」)200部、イソホロンジイソシアネート(以下「IPDI」)127部、および酢酸エチル81.8部を窒素気流下にて80℃で4時間反応させ、末端イソシアネートウレタンプレポリマーの樹脂溶液を得た。次いでイソホロンジアミン(以下「IPDA」)49.5部、2−エタノールアミン(以下「2EtAm」)3部、酢酸エチル/イソプロパノール(以下「IPA」)=50/50(質量比)の混合溶剤803.9部を混合したものに、得られた末端イソシアネートウレタンプレポリマーの樹脂溶液を40℃で徐々に添加し、次に80℃で1時間反応させ、固形分30%、アミン価9.5mgKOH/g、水酸基価7.3mgKOH/g、重量平均分子量40000のポリウレタン樹脂溶液PU1を得た。
(合成例2)[ポリウレタン樹脂PU2]
アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールとの反応により得られる数平均分子量2000のポリエステルポリオール(以下「PMPA」)150部、PPG700
50部、IPDI 103.4部、および酢酸エチル75.8部を窒素気流下に80℃で
4時間反応させ、末端イソシアネートウレタンプレポリマーの樹脂溶液を得た。次いでIPDA 43.6部、2EtAm1.0部、酢酸エチル/IPA=50/50(質量比)
の混合溶剤736.2部を混合したものに、上記末端イソシアネートウレタンプレポリマーの樹脂溶液を40℃で徐々に添加し、次に80℃で1時間反応させ、固形分30%、アミン価8.2mgKOH/g、水酸基価2.4mgKOH/g、重量平均分子量42000のポリウレタン樹脂溶液PU2を得た。
表1に記載の炭化水素系ワックス(B)について、下記に従い各特性値を測定した。
硬度(針入度)は、JIS K2207に従い、25℃において測定した。
密度は、JIS K7112(B法)に従い、23℃において測定した。
融点は、DSC(示差走査熱量測定測定)により融点を求めた。なお、測定機は株式会社リガク製 DSC8231を使用し、測定温度範囲25〜180℃、昇温速度10℃/分、DSC曲線における吸熱ピークのピークトップ(極小値)を融点とした。
ガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量測定測定)により求めた。なお、測定機は株式会社リガク製 DSC8231を使用し、測定温度範囲−50〜250℃、昇温速度10℃/分、DSC曲線におけるガラス転移に基づく吸熱開始温度と終了温度との中点をガラス転移温度とした。
平均粒子径は、炭化水素系ワックス(B)を酢酸エチル/イソプロパノール=50/50(質量比)の混合溶剤を添加して、固形分10%の分散液を、レーザー回折・散乱法にて測定し、D50の値を平均粒子径とした。なお、D50とは体積基準の累積分布におけ
るメジアン径を表す。なお、測定機はマイクロトラックベル社製 マイクロトラックMT3000IIを用いた。
また、本発明のグラビアインキの作製に使用した脂肪酸アミド(C)を表2に示した。
(実施例1)[グラビアインキS1の作製]
バインダー樹脂(A)として、ポリウレタン樹脂溶液PU1(固形分30%)を31部、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ソルバインTAO:日信化学工業社製 塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール=91/2/7(質量比)の共重合樹脂、固形分30%酢酸エチル溶液))を14部、炭化水素系ワックス(B)としてポリエチレンワックス(ハネウェル社製 A−C400A)を0.8部、藍顔料であるC.I.ピグメントブルー
15:3を11部、酢酸n−プロピル/IPA=70/30(質量比)の溶液43.2部を混合し、アイガーミルで30分間分散し、グラビアインキS1を得た。
(実施例2〜44)[グラビアインキS2〜S44の作成]
表3−1、表3−2に記載された原料および配合に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、グラビアインキS2〜S44をそれぞれ得た。表中の略称は以下を表す。また、表中、単位の標記のない数値は、部を表し、空欄は配合していないことを表す。
バーサミド750:BASF社製 軟化点116℃ 末端アミノ基含有ポリアミド樹脂 (固形分30%イソプロパノール溶液)
DLX5−8:ICI Novel enterprises社製 ニトロセルロース 窒
素分12.0% (固形分30%イソプロパノール溶液)
ダイヤナールBR−107:三菱レイヨン社製 アクリル樹脂 30%酢酸エチル/イソプロピルアルコール溶液、重量平均分子量60000、ガラス転移温度50℃、酸価3.5mgKOH/g。
(実施例45)<グラビアインキの印刷>
上記で得られたグラビアインキS22およびS1を、MEK:酢酸n−プロピル(以下「NPAC」):IPA=40:40:20(質量比)からなる混合溶剤により、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈し、S22は腐蝕175線ベタ版(版深25μm)、S1(藍)はヘリオ175線グラデーション版(版式コンプレスト グラデーション100%〜3%)を備えたグラビア印刷機により、以下の基材の処理
面に、基材/S29/S1の順で表刷り印刷を印刷速度80m/分で行い、印刷物J1(OPP)、K1(防曇)、L1(紙基材)を得た。
<基材>
・OPP:片面コロナ放電処理された2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(フタムラ化学社製 FOR 厚さ25μm)
・防曇:両面防曇処理OPPフィルム(フタムラ化学社製 AF−662 厚さ25μm

・紙基材:コート処理紙(大王製紙社製 製品名 リュウオウコート紙 65g/m2
(実施例46〜88)
表3−1および表3−2に記載されたグラビアインキS2〜S44について、表5−1および表5−2に記載の印刷構成にて印刷を行い、印刷物J2〜J44(OPP)、K2〜K44(防曇)、L2〜L44(紙基材)を得た。
(比較例1〜12)[グラビアインキT1〜T12の作製]
表4に示す原料を使用する以外は上記実施例1と同様の方法にてグラビアインキT1〜T12を得た。表中、単位の標記のない数値は、部を表し、空欄は配合していないことを表す。
(比較例13〜24)
表4に記載されたグラビアインキT1〜T12について、表6に記載の印刷構成にて実施例45と同様の方法で表刷り印刷を行い、印刷物JJ1〜JJ12(OPP)、KK1〜KK12(防曇)、LL1〜LL12(紙基材)を得た。表6中、「印刷状態が悪く未評価」とは、グラビアインキ中の成分の凝集や析出が顕著であったため、評価不可能であったことを表す。
<評価>
グラビアインキS1〜S44(実施例)、T1〜T12(比較例)および、印刷物J1〜J44(OPP)、K1〜K44(防曇)、L1〜L44(紙基材)、印刷物JJ1〜JJ12(OPP)、KK1〜KK12(防曇)、LL1〜LL12(紙基材)を用いて、以下の評価を行った。
<版かぶり性>
グラビアインキS1〜S44(実施例)、T1〜T12(比較例)について版かぶり性評価を行った。なお、希釈溶剤はMEK:NPAC:IPA=40:40:20とし、粘度をザーンカップ#3で16秒(25℃)とし、印刷機における版の空転60分後の、版かぶり部分の面積を目視判定し、評価を行った。
○・・・・版かぶり面積が0〜5%である(良好)
○△・・・版かぶり面積が6〜10%である(実用可)
△・・・・版かぶり面積が11〜30%である(やや不良)
△×・・・版かぶり面積が31〜50%である(不良)
×・・・・版かぶり面積が50%以上である(極めて不良)
なお、○、○△は実用上問題がない範囲である。
<トラッピング性>
印刷物J1〜J44、JJ1〜JJ12、L1〜L44およびLL1〜LL12についてキーエンス社製マイクロスコープ(VHX−5000)を用いてトラッピング性評価を行った。なお、評価はグラデーション柄部分で行った。
○・・・・印刷ムラが版深70%未満で発生する(良好)
○△・・・印刷ムラが版深70%以上〜80%未満で発生する(実用可)
△・・・・印刷ムラが版深80%以上〜90%未満で発生する(やや不良)
△×・・・印刷ムラが版深90%以上〜100%未満で発生する(不良)
×・・・・重ねの紅インキがすべて網点となり、全く濡れ広がっていない(極めて不良)なお、○、○△は実用上問題がない範囲である。
<光沢>
印刷物J1〜J44(OPP)、JJ1〜JJ12(OPP)のグラデーション100%部についてBYK‐Gardner社製 Micro−TRI−gross mete
rの60°の光沢値および目視にて、光沢を評価した。
○・・・・・光沢値50以上のもの(良好)
○△・・・・光沢値20以上50未満のもの(実用可)
△・・・・・目視でややマット感のあるもの(やや不良)
△×・・・・マット感が強いもの(不良)
×・・・・・光沢が無いもの(極めて不良)
なお、○、○△は実用上問題がない範囲である。
<耐摩擦性>
印刷物J1〜J44(OPP)およびJJ1〜JJ12(OPP)について、それぞれ被膜強度につきテスター産業(株)製学振型摩擦堅牢度試験器を用いて測定し、以下の評価基準で評価を行った。尚、測定条件は、試験片20mm幅、荷重200g、30回往復、対カナキン3号とした。
○・・・・・インキ被膜の取られなし(良好)
○△・・・・インキ被膜の取られる面積が10%未満(実用可)
△・・・・・インキ被膜の取られる面積が10%以上30%未満(やや不良)
△×・・・・インキ被膜の取られる面積が30%以上50%未満(不良)
×・・・・・全面とられ(極めて不良)
なお、○、○△は実用上問題がない範囲である。
<耐ブロッキング性>
印刷物J1〜J44(OPP)、K1〜K44(防曇)、L1〜L44(紙基材)および、JJ1〜JJ12(OPP)、KK1〜KK12(防曇)、LL1〜LL12(紙基
材)について、以下の条件にて耐ブロッキング性の評価を行った。
(試料および圧力)
OPP印刷物の印刷面/塩ビシート 0.5kg/cm2
OPP印刷物の印刷面/OPP基材の非コロナ処理面 0.5kg/cm2
防曇OPPフィルム印刷物/防曇OPPフィルムの処理面 5.0kg/cm2
紙基材印刷物/紙基材の非コート面 5.0kg/cm2
(静置条件)40℃−80%RH 14時間
(評価方法)印刷面と各種基材とを引き剥がし、印刷面からのインキ被膜の取られ(剥がれ)具合を目視で判定。
なお上記において、塩ビシート以下を表す。
塩ビシート:軟質塩ビシート 株式会社ハギテック製 型番2556−607−02 厚さ0.2mm
判定基準
○・・・・・印刷面のインキ被膜が全く剥離せず、剥離抵抗の小さいもの(良好)
○△・・・・インキ被膜の剥離面積が1%以上5%未満であり、剥離抵抗の小さいもの(実用可)
△・・・・・インキ被膜の剥離面積が5%以上20%未満のもの(やや不良)
△×・・・・インキ被膜の剥離面積が20%以上50%未満のもの(不良)
×・・・・・インキ被膜が50%以上剥離するもの(極めて不良)
なお、○、○△は実用上問題がない範囲である。
<接着性>
印刷物J1〜J44(実施例)およびJJ1〜JJ12(比較例)について、それぞれ25℃で1日間放置後、印刷面に幅12mmの粘着テープ(ニチバン社製 セロハンテープ)を貼り付け、これを急速に剥がしたときの印刷面の外観の状態を目視判定した。尚、判定基準は以下の通りとした。
○・・・・・印刷面のインキ被膜が全く剥離しないもの(良好)
○△・・・・インキ被膜の剥離面積が1%以上5%未満であるもの(実用可)
△・・・・・インキ被膜の剥離面積が5%以上20%未満のもの(やや不良)
△×・・・・インキ被膜の剥離面積が20%以上50%未満のもの(不良)
×・・・・・インキ被膜が50%以上剥がれるもの(極めて不良)
なお、○、○△は実用上問題がない範囲である。
<耐熱性>
印刷物J1〜J44(実施例)およびJJ1〜JJ12(比較例)について、それぞれ2cm×10cmの大きさに切り、同じ大きさに切ったアルミ箔(厚さ30μm)と印刷物の印刷面とを重ねあわせた。センチネル社製ヒートシーラーを用いて、2×9.8N/cm2の圧力で、120℃1秒間アルミ箔を押圧し、アルミ箔を剥がしたときのインキ被
膜の剥がれ具合を目視で判定した。尚、判定基準は以下の通りとした。
○・・・・・印刷面のインキが全く剥離しないもの(良好)
○△・・・・インキ被膜の剥離面積が1%以上5%未満であるもの(実用可)
△・・・・・インキ被膜の剥離面積が5%以上20%未満のもの(やや不良)
△×・・・・インキ被膜の剥離面積が20%以上50%未満のもの(不良)
×・・・・・インキ被膜が50%以上剥がれるもの(極めて不良)
なお、○、○△は実用上問題がない範囲である。
<耐油性>
印刷物J1〜J44(実施例)およびJJ1〜JJ12(比較例)について、それぞれ2cm×20cmの大きさに切り、印刷面に溶融した市販のマーガリン(商品名:ネオソフト雪印乳業(株)製)を全面に塗布し、25℃で6時間静置した後、テスター産業(株
)製学振型摩擦堅牢度試験機でインキの剥離度合いを目視で判定した。条件は荷重200g、10回往復、対カナキン3号とした。尚、判定基準は以下の通りとした。
○・・・・・印刷面のインキが全く剥離しないもの(良好)
○△・・・・インキ被膜の剥離面積が1%以上5%未満であるもの(実用可)
△・・・・・インキ被膜の剥離面積が5%以上20%未満のもの(やや不良)
△×・・・・インキ被膜の剥離面積が20%以上50%未満のもの(不良)
×・・・・・インキ被膜が50%以上取られるもの(極めて不良)
なお、○、○△は実用上問題がない範囲である。
評価結果から、本発明のグラビアインキを用いることで、印刷適性や印刷層の光沢が良好であり、更に耐ブロッキング性および接着性での基材汎用性と、耐熱性、耐油性を両立することができた。更に本発明では、重ね刷りでの印刷適性(トラッピング性)の大幅な向上を確認できた。
Figure 2018123333
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Claims (9)

  1. 紙基材またはプラスチック基材に印刷するためのグラビアインキであって、バインダー樹脂(A)および炭化水素系ワックス(B)を含有し、下記(1)および(2)を満たすことを特徴とするグラビアインキ。
    (1)炭化水素系ワックス(B)の日本工業規格JIS K 2207で規定された25℃における硬度(針入度)が、0.5〜12である。
    (2)グラビアインキ100質量%中、炭化水素系ワックス(B)を0.1〜2.5質量%含有する。
  2. 表刷り用であることを特徴とする、請求項1に記載のグラビアインキ。
  3. 炭化水素系ワックス(B)が、ポリエチレンワックス(b1)、ポリプロピレンワックス(b2)およびフィッシャー・トロプシュ・ワックス(b3)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のグラビアインキ。
  4. 炭化水素系ワックス(B)のJIS K7112に規定された23℃における密度が、
    925〜990kg/m3であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のグラビ
    アインキ。
  5. 更に、脂肪酸アミド(C)を含有することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のグラビアインキ。
  6. 脂肪酸アミド(C)が、炭素数10〜25の脂肪族炭化水素基を有する脂肪酸アミドを含有することを特徴とする請求項5に記載のグラビアインキ。
  7. 炭化水素系ワックス(B)と脂肪酸アミド(C)との質量比(B)/(C)が、(B)/(C)=90/10〜10/90の範囲内であることを特徴とする請求項5または6に記載のグラビアインキ。
  8. バインダー樹脂(A)が、ポリウレタン樹脂(A1)、セルロース系樹脂(A2)およびポリアミド樹脂(A3)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載のグラビアインキ。
  9. 請求項1〜8いずれかに記載のグラビアインキにより印刷された印刷物。
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