JP5358626B2 - 車両の前部車体 - Google Patents

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本発明は、車体の前後をダッシュボードロアパネルで仕切り、ダッシュボードロアパネルの車幅外方にフロントピラーのインナピラーが設けられ、ダッシュボードロアパネルの車体前方にエンジンルーム側補強部材が設けられた車両の前部車体に関する。
車両の前部車体は、車体の前後をパネル面で仕切るダッシュボードロアパネルと、車体前後方向に延びるフロントサイドフレームと、フロントサイドフレームの後方にそれぞれ配置されたフロントピラーと、フロントサイドフレームの外側で、フロントピラーの前部にその後端がそれぞれ連結され、車体前後方向に延びるダッシュボードアッパサイドと、フロントサイドフレームとダッシュボードアッパサイドとの間に設けられたダンパハウジングと、を備え、ダッシュボードアッパサイドの車幅方向外側には、フロントピラーの前壁に対面するフランジを有するビード状係止部材が設けられたものがある。
この車両の前部車体によれば、フロントピラーの前壁に対面するフランジを有するビード状係止部材で、ダンパハウジングのダンパベース後退を抑制し、ダッシュボードロアパネルの室内への侵入を抑制することが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
特開2010−23634公報
このような特許文献1の車両の前部車体では、ダッシュボードロアパネルは面積が広いので軽量化のため薄板である。そのためフロントピラーのインナピラーとの結合部の結合強度が不足することがある。衝突時の大入力によりこの結合部が破断すると、例えば、エンジン等(モータなどの駆動ユニットを含む。以下同じ)の室内侵入量が増大する。そこで、結合部の結合強度を向上させる必要がある。しかし、手法としてダッシュボードロアパネルを厚板化するとコストの高騰を招くばかりでなく、車体の軽量化を図ることはできない。
本発明は、面積が広いダッシュボードロアパネルは薄板を使用しつつも、ダッシュボードロアパネルとフロントピラーのインナピラーとの結合部の結合強度を向上させることができ、例えば、オフセット衝突時にエンジン等が後退し、ダッシュボードロアパネルが室内側に押されても、ダッシュボードロアパネルの破断を防止でき、エンジン等の室内侵入量を抑制することができる車両の前部車体を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、車体の前後をパネル面で仕切るダッシュボードロアパネルと、このダッシュボードロアパネルの車幅外方に設けられるフロントピラーのインナピラーと、ダッシュボードロアパネルのパネル面を車体後方から部分的に補強する室内側補強部材と、ダッシュボードロアパネルを挟んで室内側補強部材に結合するダンパベーススチフナと、を備えた車両の前部車体であって、インナピラー、室内側補強部材及びダンパベーススチフナが、ダッシュボードロアパネルより板厚の厚い鋼板で形成されるとともに、インナピラーに、ダッシュボードロアパネルとの結合部より前方に延長した延長部が設けられ、延長部が、ダンパベーススチフナに結合されることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、ダッシュボードロアパネルに、ダッシュボードロアパネルの端部を室内側に折り返して結合部を構成する第1のフランジが形成され、ダンパベーススチフナに、ダンパベーススチフナの端部をエンジンルーム側に折り返した第2のフランジが形成され、第1のフランジをインナピラーに結合するとともに、第2のフランジをインナピラーの延長部に結合することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、ダッシュボードロアパネルの傾斜面に沿って、フロントサイドフレームが車体の前後方向に延ばされ、室内側補強部材が、ブレーキマスタパワーを支持するマスタパワー補強板であり、マスタパワー補強板が、フロントサイドフレームと結合することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、ダッシュボードロアパネルの前方に、ダンパユニットを支持するダンパハウジングを備え、ダンパハウジングに、ダンパハウジングの上部が構成されるダンパベースと、このダンパベースから下方に延ばされたダンパベーススチフナと、を備え、ダンパベーススチフナは、予めダンパベースと一体化されて組付けられることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、ダッシュボードロアパネルに、ハーネスを通過させるパネル側開口が形成され、ダンパベーススチフナに、パネル側開口を臨ます開口が形成され、ダンパベーススチフナが、ダッシュボードロアパネルを挟んで室内側補強部材に結合されることを特徴とする。
本発明は以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明では、車両の前部車体に、車体の前後をパネル面で仕切るダッシュボードロアパネルと、このダッシュボードロアパネルの車幅外方に設けられるフロントピラーのインナピラーと、ダッシュボードロアパネルのパネル面を車体後方から部分的に補強する室内側補強部材と、ダッシュボードロアパネルを挟んで室内側補強部材に結合するダンパベーススチフナと、を備える。
インナピラー、室内側補強部材及びダンパベーススチフナが、ダッシュボードロアパネルより板厚の厚い鋼板で形成される。
インナピラーに、ダッシュボードロアパネルとの結合部より前方に延長した延長部が設けられ、延長部が、ダンパベーススチフナに結合されたので、面積が広いダッシュボードロアパネルは薄板を使用しつつも、ダッシュボードロアパネルとフロントピラーのインナピラーとの結合部の結合強度を向上させることができ、例えば、オフセット衝突時にエンジン等が後退しダッシュボードロアパネルが室内側に押されても、ダッシュボードロアパネルの破断を防止でき、エンジン等の室内侵入量を抑制することができる。
なお、室内側補強部材は、ブレーキマスタパワー(ブレーキマスタシリンダ)を取付ける取付部を、部分的に補強するスチフナであるので、重量は軽い。ダンパベーススチフナも、インナピラーと室内側補強部材とを連結する目的であるので同様に重量は軽い。
請求項2に係る発明では、ダッシュボードロアパネルに、ダッシュボードロアパネルの端部を室内側に折り返して結合部を構成する第1のフランジが形成され、ダンパベーススチフナに、ダンパベーススチフナの端部をエンジンルーム側に折り返した第2のフランジが形成され、第1のフランジをインナピラーに結合するとともに、第2のフランジをインナピラーの延長部に結合する。
すなわち、第2のフランジは、ダンパベーススチフナの端部をエンジンルーム側に折り返したものなので、例えば、車体に前方衝突の荷重(前突荷重)が作用する場合に、エンジン等のエンジンルーム内の内容物がダッシュボードロアパネルを押す力が、第2のフランジが剥離される方向に働くことはない。せん断方向であるので大きな荷重に耐えることができる。従って、前突荷重に対して、第2のフランジとインナピラーの延長部との結合強度を高めることができる。この結果、ダッシュボードロアパネルの側方のインナピラーでダッシュボードロアパネルが支持され、さらに、ダッシュボードロアパネルの破断を防止でき、エンジン等の室内侵入量を抑制することができる。
請求項3に係る発明では、フロントサイドフレームが、ダッシュボードロアパネルの傾斜面に沿って車体の前後方向に延ばされる。
室内側補強部材が、ブレーキマスタパワーを支持するマスタパワー補強板であり、マスタパワー補強板が、フロントサイドフレームと結合するので、ダッシュボードロアパネルの傾斜面下方のフロントサイドフレームでマスタパワー補強板を支持することができる。この結果、マスタパワー補強板に結合するダンパベーススチフナの第2のフランジの剥離を防止することができる。
請求項4に係る発明では、ダッシュボードロアパネルの前方に、ダンパユニットを支持するダンパハウジングを備える。ダンパハウジングに、ダンパハウジングの上部が構成されるダンパベースと、このダンパベースから下方に延ばされたダンパベーススチフナと、を備える。
ダンパベーススチフナは、予めダンパベースと一体化されて組付けられるので、ダンパベースから下方のダンパベーススチフナを容易にアッセンブリーすることができる。
請求項5に係る発明では、ダッシュボードロアパネルに、ハーネスを通過させるパネル側開口が形成される。ダンパベーススチフナに、パネル側開口を臨ます開口が形成され、ダンパベーススチフナが、ダッシュボードロアパネルを挟んで室内側補強部材に結合されるので、室内(車室)側とエンジンルーム側とのハーネスの連通を妨げることなく、ダッシュボードロアパネルの強度及び剛性も確保を図ることができる。
本発明に係る車両の前部車体を示す斜視図である。 図1に示された車両の前部車体のフロントバルクヘッドを外した斜視図である。 図2の3−3線断面図である。 図1に示された車両の前部車体のダッシュボードロアパネルを外した斜視図である。 図1に示された車両の前部車体の車室側から見た斜視図である。 図5の6−6線断面図である。 図1に示された車両の前部車体のエンジンルーム側下方から見た斜視図である。 図7の8部拡大図である。 本発明に係る車両の前部車体の比較検討図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1〜図5に示されたように、車体11は、車体11の前後をパネル面16aで仕切るダッシュボードロアパネル16と、ダッシュボードロアパネル16の傾斜面16bに沿って車体11の前後方向に延ばされたフロントサイドフレーム17,17と、これらのフロントサイドフレーム17,17の先端に設けられたフロントバルクヘッド18と、このダッシュボードロアパネル16の車幅外方に設けられるフロントピラー21のインナピラー22と、インナピラー22の中間から車体前方に延ばされたアッパメンバ24と、このアッパメンバ24の先端から下方に円弧状に下方に指向して延ばされたロアメンバ(アッパメンバの垂直部)25と、ダッシュボードロアパネル16のパネル面16aを車体後方から部分的に補強する室内側補強部材26と、ダッシュボードロアパネル16を挟んで室内側補強部材26に結合するダンパベーススチフナ27と、ダッシュボードロアパネル16の前方に設けられ、ダンパユニット29を支持するダンパハウジング31と、を備える。
車両の前部車体は、図5に示されたように、ダッシュボードロアパネル16、フロントピラー21のインナピラー22及びダンパハウジング31廻りの接合の構造である。
フロントサイドフレーム17は、フロントサブフレーム(不図示)が取付けられる取付用ブラケット39が設けられ、後端からフロアフレーム32が延ばされる。フロントサイドフレーム17は、車幅方向に延ばされるアウトリガー33でサイドシル34に連結される。また、フロントサイドフレーム17は、ダッシュボードロアパネル16を介して室内側補強部材26に結合するサイドフレーム側結合部35が形成される。
ダッシュボードロアパネル16は、車体前部のエンジンルーム13と、このエンジンルーム13の後方に設けられる室内(車室)12と、を仕切る部材である。また、ダッシュボードロアパネル16は、ダッシュボードロアパネル16の端部を室内12側に折り返して結合部42を構成する第1のフランジ36が形成される。第1のフランジ36は、インナピラー22に結合する。さらに、ダッシュボードロアパネル16は、インナピラー22、室内側補強部材26及びダンパベーススチフナ27に比べて板厚の薄い鋼板で形成される。
結合部42は、ダッシュボードロアパネル16の第1のフランジ36と、インナピラー22の結合エリア22a(図6参照)と、で構成される。
ダッシュボードロアパネル16に、ハーネス37(図7参照)を通過させるパネル側開口38と、室内側補強部材26で補強され、ブレーキマスタパワー(不図示)が取付けられるブレーキ取付座41と、が形成される。
さらに、図2及び図4に示されたように、ダッシュボードロアパネル16のエンジンルーム13側にステアリングシャフト(不図示)が貫通するステアリング軸ジョイント部材45が設けられ、室内12側にダッシュボードロアパネル16を補強する室内側補強部材26及び補強板46が設けられている。
フロントバルクヘッド18は、図1に示されたように、上部に設けられるとともに車幅方向に延ばされるフロントバルクヘッドアッパ(上横メンバ)47と、下部に設けられるとともに車幅方向に延ばされるフロントバルクヘッドロア(下横メンバ)48と、これらのフロントバルクヘッドアッパ47の両端部とフロントバルクヘッドロア48の中間部とを繋ぐ左右のフロントバルクヘッドサイド(縦メンバ)49,49と、からなる。
ロアメンバ25の中間部は、フロントサイドフレーム17に連結部材51で連結され、ロアメンバ25の先端は、フロントバルクヘッドロア48の両端に接続されている。
フロントピラー21は、インナピラー22とアウタピラー(不図示)とから形成される。フロントピラー21の下端は、サイドシル34に接続され、上端からはルーフレール52(図7参照)が車体後方に延ばされている。
図6に示されたように、インナピラー22は、ダッシュボードロアパネル16より板厚の厚い鋼板で形成されるとともに、インナピラー22に、ダッシュボードロアパネル16との結合部42(第1フランジ36)より前方に延長した延長部55が設けられ、延長部55が、アッパメンバ(サイドメンバ)24を介して室内側補強部材26に一端(第1及び第2の本体部側接続部)62,63を結合するダンパベーススチフナ27の他端(第2のフランジ)59に結合される。
なお、図6に示されるS1は、延長部55の延長範囲である。また、×印はスポット溶接箇所を示す。
アッパメンバ24は、閉断面が構成される外板28が設けられている。
ダンパハウジング31は、ダンパハウジング31の周囲が構成される側壁部56と、ダンパハウジング31の上部が構成されるダンパベース57と、このダンパベース57から下方に延ばされたダンパベーススチフナ27と、を備える(図1も参照)。
図7及び図8に示されたように、ダンパベーススチフナ27は、予めダンパベース57と一体化されて組付けられる。
ダンパベーススチフナ27は、ダッシュボードロアパネル16より板厚の厚い鋼板で形成される。
ダンパベーススチフナ27は、ダッシュボードロアパネル16及びダンパベース57に接続する本体部58と、ダンパベーススチフナ27の端部(本体部58の端部)をエンジンルーム13側に折り返したダンパベーススチフナ27の他端としての第2のフランジ59と、が形成される。
本体部58は、パネル側開口38を臨ます開口61と、ダッシュボードロアパネル16を介して室内側補強部材26に接続されるダンパベーススチフナ27の一端としての第1及び第2の本体部側接続部62,63と、ダンパベース57に接続する第1及び第2のダンパベース接続部64,65と、が形成される。
すなわち、図6〜図8に示されたように、第2のフランジ59は、アッパメンバ(サイドメンバ)24を介してインナピラー22の延長部55に結合する。さらに、ダンパベーススチフナ27に、パネル側開口38を臨ます開口61が形成され、ダンパベーススチフナ27は、ダッシュボードロアパネル16を挟んで室内側補強部材26に結合される。
図5に示されたように、室内側補強部材26は、ブレーキマスタパワー(不図示)を支持するマスタパワー補強板であり、室内側補強部材(マスタパワー補強板)26は、ダッシュボードロアパネル16より板厚の厚い鋼板で形成される。
マスタパワー補強板26は、ダッシュボードロアパネル16を介して第1及び第2の本体部側接続部62,63にそれぞれ接続される第1及び第2のマスタパワー側接続部66,67と、ダッシュボードロアパネル16を介してフロントサイドフレーム17と結合する下部結合部68と、パネル側開口38を臨ますマスタパワー側開口69と、を備える(図3も参照)。
下部結合部68は、図3に示されたように、ダッシュボードロアパネル16を介してフロントサイドフレーム17のサイドフレーム側結合部35に接続される。
図9(a)に示されたように、実施例の車両の前部車体では、ダッシュボードロアパネル16は、ダッシュボードロアパネル16の端部を室内12側に折り返して結合部42を構成する第1のフランジ36が形成され、第1フランジ36がアッパメンバ(サイドメンバ)24を介してインナピラー22に接続されている。なお、×印はスポット溶接箇所を示す。
さらに、インナピラー22は、ダッシュボードロアパネル16との結合部42より前方に延長した延長部55が設けられ、延長部55が、アッパメンバ(サイドメンバ)24を介してダンパベーススチフナ27に結合されている。なお、図中S1は、延長部55の延長範囲である。
また、ダンパベーススチフナ27と室内側補強部材26とが、ダッシュボードロアパネル16を介して接合されている。
図9(b)に示されたように、比較例の車両の前部車体では、ダッシュボードロアパネル116は、ダッシュボードロアパネル116の端部を室内112側に折り返して結合部122を構成する第1のフランジ113が形成され、第1フランジ113がアッパメンバ(サイドメンバ)114を介してインナピラー115に接続されている。
また、室内側補強部材126が、ダッシュボードロアパネル116を介して接合されている。なお、×印はスポット溶接箇所を示す。
図9(c)に示されたように、車体11の前方から前突荷重が作用し、エンジン19が矢印a1の如く後退したときに、ダッシュボードロアパネル16を車体後方に押圧する荷重が作用する。
実施例の車両の前部車体では、ダッシュボードロアパネル16のエンジンルーム13側にダンパベーススチフナ27が設けられ、インナピラー22とダッシュボードロアパネル16との結合部42(第1のフランジ36)より前方に延長したインナピラー22の延長部55に、アッパメンバ(サイドメンバ)24を介して結合されている。従って、ダッシュボードロアパネル16を車体後方に押圧する荷重に対して、ダンパベーススチフナ27がない場合に比べて大きな抗力を発揮することができる。
また、ダンパベーススチフナ27に形成された第2のフランジ59のエンジン19の後退により受ける荷重の方向は、矢印a2の如く第2のフランジ59が開く方向に作用するので、第2のフランジ59はインナピラー22の延長部55に対して剥がれにくい。この結果、ダッシュボードロアパネル16のせん断方向の荷重がダンパベーススチフナ27に分散され、ダッシュボードロアパネル16の剥がれも防止することができる。
図9(d)に示されたように、比較例の車両の前部車体において車体の前方から前突荷重が作用し、エンジン119が矢印a3の如く後退したときに、ダッシュボードロアパネル116を車体後方に押圧する荷重が作用する。
比較例の車両の前部車体では、ダッシュボードロアパネル116は、ダッシュボードロアパネル116の端部を室内112側に折り返して結合部122を構成する第1のフランジ113が形成され、第1フランジ113がアッパメンバ(サイドメンバ)114を介してインナピラー115に接続されている。車体前方からの前突荷重が作用し、エンジン119が後退する場合には、ダッシュボードロアパネル116にせん断方向の荷重が働くので、ダッシュボードロアパネル116は、矢印a4の如くインナピラー115から剥がれやすい。
図2、図3、図4及び図6に示されたように、車両の前部車体では、車体11の前後をパネル面16aで仕切るダッシュボードロアパネル16と、このダッシュボードロアパネル16の車幅外方に設けられるフロントピラー21のインナピラー22と、ダッシュボードロアパネル16のパネル面16aを車体後方から部分的に補強する室内側補強部材26と、ダッシュボードロアパネル16を挟んで室内側補強部材26に結合するダンパベーススチフナ27と、を備える。
インナピラー22、室内側補強部材26及びダンパベーススチフナ27が、ダッシュボードロアパネル16より板厚の厚い鋼板で形成される。
インナピラー22に、ダッシュボードロアパネル16との結合部42(第1のフランジ36)より前方に延長した延長部55が設けられ、延長部55が、室内側補強部材26に一端(第1及び第2の本体部側接続部)62,63を結合するダンパベーススチフナ27の他端(第2のフランジ)59に結合されたので、面積が広いダッシュボードロアパネル16は薄板を使用しつつも、ダッシュボードロアパネル16とフロントピラー21のインナピラー22との結合部42の結合強度を向上させることができ、例えばオフセット衝突時にエンジン19(図9参照)等が後退しダッシュボードロアパネル16が室内12側に押されても、ダッシュボードロアパネル16の破断を防止でき、エンジン19等の室内侵入量を抑制することができる。
なお、室内側補強部材26は、ブレーキマスタパワー(ブレーキマスタシリンダ)を取付ける取付部を、部分的に補強するスチフナであるので、重量は軽い。ダンパベーススチフナ27も、インナピラー22と室内側補強部材26とを連結する目的であるので同様に重量は軽い。
図6に示されたように、車両の前部車体では、ダッシュボードロアパネル16に、ダッシュボードロアパネル16の端部を室内12側に折り返して結合部42を構成する第1のフランジ36が形成され、ダンパベーススチフナ27に、ダンパベーススチフナ27の端部をエンジンルーム13側に折り返した第2のフランジ59が形成され、第1のフランジ36をインナピラー22に結合するとともに、第2のフランジ59をインナピラー22の延長部55に結合する。
すなわち、第2のフランジ59は、ダンパベーススチフナ27の端部をエンジンルーム13側に折り返したものなので、例えば、車体11に前方衝突の荷重(前突荷重)が作用する場合に、エンジン19(図9参照)等のエンジンルーム13内の内容物がダッシュボードロアパネル16を押す力が、第2のフランジ59が剥離される方向に働くことはない。せん断方向であるので大きな荷重に耐えることができる。従って、前突荷重に対して、第2のフランジ59とインナピラー22の延長部55との結合強度を高めることができる(図9参照)。この結果、ダッシュボードロアパネル16の側方のインナピラー22でダッシュボードロアパネル16が支持され、さらに、ダッシュボードロアパネル16の破断を防止でき、エンジン19(図9参照)等の室内侵入量を抑制することができる。
図3及び図4に示されたように、車両の前部車体では、フロントサイドフレーム17が、ダッシュボードロアパネル16の傾斜面16bに沿って車体11の前後方向に延ばされる。
室内側補強部材26が、図5に示されたように、ブレーキマスタパワーを支持するマスタパワー補強板26であり、マスタパワー補強板26が、フロントサイドフレーム17と結合するので、ダッシュボードロアパネル16の傾斜面16b(図3参照)下方のフロントサイドフレーム17でマスタパワー補強板26を支持することができる。この結果、マスタパワー補強板26に結合するダンパベーススチフナ27の第2のフランジ59の剥離を防止することができる。
図2及び図7に示されたように、車両の前部車体では、ダッシュボードロアパネル16の前方に、ダンパユニット29を支持するダンパハウジング31を備える。ダンパハウジング31に、ダンパハウジング31の上部が構成されるダンパベース57と、このダンパベース57から下方に延ばされたダンパベーススチフナ27と、を備える。
ダンパベーススチフナ27は、予めダンパベース57と一体化されて組付けられるので、ダンパベース57から下方のダンパベーススチフナ27を容易にアッセンブリーすることができる。
図7に示されたように、車両の前部車体では、ダッシュボードロアパネル16に、ハーネス37を通過させるパネル側開口38が形成される。ダンパベーススチフナ27に、パネル側開口38を臨ます開口61が形成され、ダンパベーススチフナ27が、ダッシュボードロアパネル16を挟んで室内側補強部材26に結合されるので、室内(車室)12側とエンジンルーム13側とのハーネス37の連通を妨げることなく、ダッシュボードロアパネル16の強度及び剛性も確保を図ることができる。
尚、本発明に係る車両の前部車体は、図2に示すように、エンジンルーム13は、エンジン19等を収納する空間であるが、これに限るものではなく、エンジンルーム13は、エンジンのみならず動力に類するものを収納する部分をいい、例えば、エンジンの他にモータ等を含む。
本発明に係る車両の前部車体は、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。
11…車体、12…室内、13…エンジンルーム、16…ダッシュボードロアパネル、16a…パネル面、16b…傾斜面、17…フロントサイドフレーム、21…フロントピラー、22…インナピラー、26…室内側補強部材(マスタパワー補強板)、27…ダンパベーススチフナ、29…ダンパユニット、31…ダンパハウジング、36…第1のフランジ、37…ハーネス、38…パネル側開口、42…結合部、55…延長部、57…ダンパベース、59…第2のフランジ(ダンパベーススチフナの他端)、61…開口、62,63…第1及び第2の本体部側接続部(ダンパベーススチフナの一端)。

Claims (5)

  1. 車体の前後をパネル面で仕切るダッシュボードロアパネルと、このダッシュボードロアパネルの車幅外方に設けられるフロントピラーのインナピラーと、前記ダッシュボードロアパネルのパネル面を車体後方から部分的に補強する室内側補強部材と、前記ダッシュボードロアパネルを挟んで前記室内側補強部材に結合するダンパベーススチフナと、を備えた車両の前部車体であって、
    前記インナピラー、前記室内側補強部材及びダンパベーススチフナは、前記ダッシュボードロアパネルより板厚の厚い鋼板で形成されるとともに、
    前記インナピラーは、前記ダッシュボードロアパネルとの結合部より前方に延長した延長部が設けられ、該延長部は、前記ダンパベーススチフナに結合されることを特徴とする車両の前部車体。
  2. 前記ダッシュボードロアパネルは、該ダッシュボードロアパネルの端部を室内側に折り返して前記結合部を構成する第1のフランジが形成され、
    ダンパベーススチフナは、該ダンパベーススチフナの端部をエンジンルーム側に折り返した第2のフランジが形成され、
    前記第1のフランジを前記インナピラーに結合するとともに、第2のフランジを前記インナピラーの延長部に結合することを特徴とする請求項1記載の車両の前部車体。
  3. 前記ダッシュボードロアパネルの傾斜面に沿って、フロントサイドフレームが車体の前後方向に延ばされ、
    前記室内側補強部材は、ブレーキマスタパワーを支持するマスタパワー補強板であり、該マスタパワー補強板は、前記フロントサイドフレームと結合することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両の前部車体。
  4. 前記ダッシュボードロアパネルの前方に、ダンパユニットを支持するダンパハウジングを備え、
    前記ダンパハウジングは、前記ダンパハウジングの上部が構成されるダンパベースと、このダンパベースから下方に延ばされたダンパベーススチフナと、を備え、
    前記ダンパベーススチフナは、予め前記ダンパベースと一体化されて組付けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車両の前部車体。
  5. 前記ダッシュボードロアパネルは、ハーネスを通過させるパネル側開口が形成され、
    前記ダンパベーススチフナは、前記パネル側開口を臨ます開口が形成され、前記ダッシュボードロアパネルを挟んで前記室内側補強部材に結合されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車両の前部車体。
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