以下、本発明の実施形態について図1〜9を用いて説明する。尚、以下の説明では、複合機100を例に挙げて説明を行う。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(複合機100の構成)
まず、図1、図2を用い、本発明の実施形態に係る複合機100(画像形成装置に相当)の概略を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る複合機100の模型的正面断面図である。図2は本発明の実施形態に係る画像形成部2の一部拡大模型的断面図である。
図1に示すように、複合機100の最上部に、原稿を押さえる原稿カバー101が設けられ、その下方に、原稿を読み取って画像データを出力する画像読取部1aが配される。又、複合機100の内部には、給紙部1b、搬送路1c、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのトナーを用いてトナー像を形成する画像形成部2、中間転写部1d、定着ユニット3等が配される。
又、複合機100の正面前方には、複合機100の動作開始を指示するためのスタートキー11や、タッチパネル式の液晶表示部12を有する操作パネル1e(表示部に相当)が設けられる(図1に破線で図示)。例えば、操作パネル1eは、使用者の設定指示を受け付け、又、複合機100の状態などの情報伝達の表示を行う。
給紙部1bは、記録媒体として普通紙、再生紙、ラベル用紙、OHPシート等の各種用紙(A4、B4等の各サイズの用紙に対応)を収納し、画像形成の際、用紙を供給する。搬送路1cは、供給された用紙を排出トレイ13まで搬送する。そのため、搬送路1cには、搬送ローラ対14等が複数設けられる。
画像形成部2は、画像データに基づき記録媒体に印刷を行うため画像(トナー像)を形成する。そして、画像形成部2は、図1に示すように、ブラック用(2Bk)と、イエロー用(2Y)と、シアン用(2C)と、マゼンタ用(2M)の計4つが設けられる。また、トナー像形成のため、画像データに基づき、帯電後の各感光体ドラム22の走査・露光を行って、静電潜像を形成する露光装置21が設けられる。
このように、本実施形態の複合機100は、複数色のトナーを用いてカラー画像を形成可能である。尚、各画像形成部2は、使用するトナーの色が異なるが、基本的構成は同様であり、以下の説明では特に説明する場合を除き、画像形成部2についてBk、Y、C、Mの記号は省略する。
そして、図2に示すように、各画像形成部2は、同図中に示す矢印方向に回転可能に支持され、モータ(不図示)等により、所定の方向に回転駆動される像担持体としての感光体ドラム22を備える。又、感光体ドラム22の周囲には、帯電装置23、現像ユニット5、清掃装置24、除電装置25などが配される。
帯電装置23は、感光体ドラム22の表面を帯電させる。露光装置21は、帯電後の感光体ドラム22表面を画像データにあわせ走査・露光し、静電潜像を形成する。そして、現像ユニット5は、トナーを担持し、トナーを感光体ドラム22に飛翔させるため、所定の電圧(現像バイアス)が印加される現像ローラ51を備える。現像ユニット5は静電潜像にトナーを供給してトナー像を現像する(可視像化する)。清掃装置24は、感光体ドラム22の表面を清掃する。除電装置25は、例えば、アレイ状のLEDを有し、感光体ドラム22に光を照射し、現像後の感光体ドラム22の電位を0(ゼロ)に近づける。
尚、本実施形態の複合機100では、感光体ドラム22と除電装置25は、ユニット化(一体化)され、ドラムユニット4(交換可能なユニットに相当)として構成される。又、現像ユニット5(交換可能なユニットに相当)も、例えば、現像ローラ51を含む複数の回転体や現像ローラ51やトナーに電圧を印加する回路等を含み、ユニット化される。
そして、各画像形成部2では、例えば、ドラムユニット4と現像ユニット5は、交換可能であり、複合機100から取り外すことができる。即ち、複合機100は、画像形成装置に装着され、交換可能であるユニットを有する。例えば、ドラムユニット4や現像ユニット5を交換する場合、複合機100の正面カバー102(図7(a)参照。図7(a)において開閉方向の一例を白抜矢印で図示)を開けて、交換作業が行われる。尚、正面カバー102の開閉を検知するための開閉検知センサS1が設けられる(図7(a)参照。)。例えば、開閉検知センサS1は光センサやインターロックスイッチ等で構成できる。
ドラムユニット4の感光体ドラム22は、例えば、使用されるにつれて徐々に表面が摩耗する。又、除電装置25は、点灯しないLEDが現れるなど、経年変化が生じうる。又、現像ユニット5でも、現像ローラ51や現像装置内でのトナーの固着等により経年変化が生ずる。経年変化が生ずると、形成されるトナー像の濃度が低下する等の問題が生ずる。そこで、例えば、各画像形成部2でのドラムユニット4と現像ユニット5は、寿命が管理され、交換時期に到ると、交換される。尚、ドラムユニット4と現像ユニット5以外の帯電装置23や清掃装置24も交換可能とし、寿命が管理されても良い。
図1に戻り、説明を続ける。中間転写部1dは、画像形成部2の上方に設けられ、画像形成部2が形成したトナー像の1次転写を受け、用紙に2次転写を行う。そして、中間転写ベルト15は、下側の外周面と各感光体ドラム22が当接するように、駆動ローラ16、従動ローラ17、4本の1次転写ローラ18等に張架される。駆動ローラ16にはモータ、ギア等の駆動手段(不図示)が接続され回転する。
中間転写ベルト15は、駆動ローラ16の回転で、図1において時計方向(矢印方向)に周回する。ここで、各1次転写ローラ18は、各感光体ドラム22に対向して1本ずつ回転可能に配され、各1次転写ローラ18に所定の大きさの電圧(転写バイアス)が印加される。電圧印加により、各色のトナー像が各感光体ドラム22から中間転写ベルト15に1次転写される。この1次転写の際、各色のトナー像はずれなく重ね合わせられる。
そして、中間転写ベルト15に当接し、駆動ローラ16に対向し、回転可能に支持される2次転写ローラ19が中間転写部1dに設けられる。駆動ローラ16と中間転写ベルト15のニップに用紙とトナー像が進入した際、所定の電圧(転写バイアス)が2次転写ローラ19に印加され、トナー像は用紙に2次転写される。ベルトクリーニング装置15aは、残トナー等を中間転写ベルト15から除去し、清掃する。尚、中間転写部1dもユニット化して交換可能とし、寿命が管理されても良い。
定着ユニット3(交換可能なユニットに相当)は、用紙に転写されたトナー像を定着させる。定着ユニット3内には、例えば、発熱体31を内蔵する加熱ローラ32と、加熱ローラ32に圧接し、定着ニップを形成する加圧ローラ33が設けられる。尚、加熱ローラ32の温度を適切に保ち、又、過昇温を検出するため、温度センサ34が設けられる。用紙は定着ユニット3を通過する際に加圧・加熱され、トナー像が用紙に定着する。その後に、用紙は排出トレイ13に排出され、画像形成が完了する。
尚、定着ユニット3も交換可能となっており、複合機100から取り外すことができる。例えば、定着ユニット3を交換する場合、複合機100の側面カバー103(図1において、開閉方向の一例を白抜矢印で図示)を開けて、交換作業が行われる。尚、側面カバー103の開閉を検知するための開閉検知センサS2が設けられる。例えば、開閉検知センサS2も、光センサやインターロックスイッチ等で構成できる。
定着ユニット3では、例えば、使用しているうちに、加熱ローラ32や加圧ローラ33の摩耗やトナーの固着等により、経年変化が生ずる。そうすると、定着性能の低下が生ずることがある。そのため、定着ユニット3は、寿命が管理され、交換時期に到ると、交換される。尚、定着ユニット3は、発熱体31や温度センサ34の断線や故障等により交換されることもある。
(複合機100のハードウェア構成)
次に、図3に基づき本発明の実施形態に係る複合機100のハードウェア構成を説明する。図3は、本発明の実施形態に係る複合機100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係る複合機100は、内部に制御部6を有する。制御部6は、各画像形成部2や中間転写部1d等を制御し、複合機100全体の制御を司る。例えば、制御部6は、中央演算処理装置としてのCPU61や、その他、制御用チップや各部との通信のための構成を含む。尚、図3では、制御部6は、1つとして図示しているが、制御部6は、全体制御や画像処理を行うメイン制御部と、各種回転体を回転させるモータ等のON/OFF等を制御するエンジン制御部等、機能ごとに分割して複数種設けられてもよい。
そして、制御部6は、記憶部62が接続される。記憶部62は、ROM、RAM、HDD、フラッシュROM等の記憶装置の組み合わせで構成される。記憶部62は複合機100の制御用プログラム、制御用データ、設定データ、画像読取部1aで読み取られた画像データ等を記憶できる。制御部6のCPU61は、記憶部62に格納され、展開される制御プログラムに基づき複合機100の各部の制御や演算を行う。又、記憶部62は、各ユニットの寿命を検知するため、各ユニットが装着されてからなされた印刷枚数のカウント値を記憶する。
そして、制御部6は、画像読取部1a、給紙部1b、搬送路1c、中間転写部1d、各画像形成部2、定着ユニット3、操作パネル1e等と接続される。制御部6は、記憶部62の制御プログラムやデータに基づき、各部の動作を制御する。
又、制御部6は、I/F部63(インターフェイス部)と接続される。I/F部63は、各種コネクタ、ソケット等を備え、又、各種通信規格で通信を行うためのチップ、コントローラ、モデム等を内蔵する。例えば、I/F部63は、ネットワークや公衆回線等により複数の外部のコンピュータ200(例えば、パーソナルコンピュータ)や相手方のFAX装置300と接続され、例えば、画像データを外部のコンピュータ200や相手方FAX装置300(インターネットFAXでもよい)に送信することができる(スキャナ機能、FAX機能)。又、外部のコンピュータ200や相手方FAX装置300からの画像データに基づき印刷を行うこともできる(プリンタ機能、FAX機能)。
又、制御部6には、側面カバー103の開閉を検知するための開閉検知センサS2や、正面カバー102(図7(a)参照)の開閉を検知するための開閉検知センサS1が接続される。これにより、制御部6は、側面カバー103や正面カバー102の開閉を検知することができる。
(取付状態でのユニットにおける通信)
次に、図4に基づき、本発明の実施形態に係る複合機100でのユニットにおける通信を説明する。図4は、本発明の実施形態に係る複合機100での取付状態での各ユニットでの通信を説明するためのブロック図である。図5は、本発明の実施形態に係るタグ7を読み取るためのリーダライタ8が実装された基板の一例を示す斜視図である。
上述したように、本実施形態の複合機100は、ドラムユニット4、現像ユニット5、定着ユニット3が例えば、交換可能なユニットとして、取り付けられる。そして、これらのドラムユニット4、現像ユニット5、定着ユニット3には、図4に示すように、それぞれRFIDのタグ7(記憶媒体に相当、例えば、ICチップ)が取り付けられる。
尚、図4や以下の説明では、ブラックの画像形成部2Bkのものについては、識別的にBkの符号を付す(ドラムユニット4Bk、現像ユニット5Bk)。イエローの画像形成部2Yのものについては、識別的にYの符号を付す(ドラムユニット4Y、現像ユニット5Y)。シアンの画像形成部2Cのものについては、識別的にCの符号を付す(ドラムユニット4C、現像ユニット5C)。マゼンタの画像形成部2Mのものについては、識別的にMの符号を付す(ドラムユニット4M、現像ユニット5M)。尚、以下の説明では、色に関係なく共通して説明される事項について、識別的な符号としてのBk、Y、C、Mは省略する場合がある。
各タグ7には、ユニットが何かを示すユニットの種類、ユニットの形式番号、ユニットが対応する色(ブラック用、イエロー用、シアン用、マゼンタ用の区別)の情報、対応機種、製造シリアルナンバー、製造場所等、各ユニットを識別するための識別情報が記憶される。即ち、タグ7は、ユニットに取り付けられ、ユニットを識別するための識別情報を記憶する。尚、タグ7についても、識別的にBk、Y、C、M等の識別的な符号を付しても良いが、各ドラムユニット4や各現像ユニット5に取り付けられる各タグ7は、記憶する識別情報が異なるものの、同様のものでよいので、共通した符号を付しておく。
そして、各タグ7を読み取るために、リーダライタ8が複合機100内に設けられる(例えば、図4では、各ドラムユニット4の各タグ7読取用のリーダライタ8A、各現像ユニット5の各タグ7読取用のリーダライタ8B、定着ユニット3のタグ7読取用のリーダライタ8Cを図示)。各リーダライタ8は、各タグの識別情報を取得でき、又、各タグ内のメモリに、各種データを書き込むことができる。例えば、図5に示すように、各リーダライタ8は、基板として設けられる。尚、図5に示すリーダライタ基板は、ドラムユニット4用のリーダライタ8A、又は、現像ユニット5用のリーダライタ8Bの一例を示す。
リーダライタ8A、8B(リーダライタ基板)には、図5に示すように、タグ7と通信するための4つのアンテナ81が設けられる。そして、図5では、図示しないが、各アンテナ81での通信を制御する通信制御部やメモリなど、各タグ7とリーダライタ8間や制御部6との通信を行うためのチップ、電子部品等が基板に実装される。各ドラムユニット4や各現像ユニット5は並列して取り付けられるので、例えば、ドラムユニット4用のリーダライタ8Aや、現像ユニット5用のリーダライタ8Bを、それぞれ、複合機100の正面視奥側や各画像形成部2の上方や下方等に適宜配しておく。そして、ドラムユニット4や現像ユニット5を取り付けると、各タグ7は、各リーダライタ8のアンテナ81に対向する位置となるように、各ユニットに取り付けられる。尚、複合機100に取り付けられる定着ユニット3は、1つなので、スペースや定着ユニット3のタグ7の位置にあわせ定着ユニット3用のリーダライタ8Cが機内に設けられる。
そして、各リーダライタ8は、制御部6に対し通信可能に接続される。制御部6は、例えば、電源投入時や定期的に各リーダライタ8に対応する各タグ7を読み取らせ、各タグ7から識別情報を取得する。これにより、制御部6は、複合機100に取り付けられている各ドラムユニット4や各現像ユニット5や定着ユニット3が適切であるか等を確認する。又、制御部6は、読み取って得られた識別情報が変化していれば(例えば、識別情報中のシリアル番号に着目)、ユニットが交換されたと把握することができる。
又、各ドラムユニット4、各現像ユニット5、定着ユニット3には、上述したように、寿命が設定される。この寿命は、例えば、使用を開始してからの印刷枚数を基準とする(例えば、数万枚)。交換可能な各ユニットの寿命管理のため、制御部6は、例えば、記憶部62に、各ユニットの使用を開始してから、現在までの各ユニットの累計印刷枚数をカウント値として記憶させ、印刷が行われるごとに更新させる。
(各ユニットの寿命検知)
次に、図6に基づき、本発明の実施形態に係る複合機100での交換可能な各ユニットの寿命検知制御の一例を説明する。図6は、本発明の実施形態に係る複合機100での交換可能な各ユニットの寿命検知制御の一例を示すフローチャートである。
図6でのスタートは、例えば、コピーやプリンタとして機能する場合などの印刷開始時である。尚、この時、複合機100には適切なユニットが装着されている状態である。
そして、給紙、用紙搬送、トナー像形成、定着等の印刷が行われる(ステップ♯1)。次に、制御部6は、記憶部62は、使用した交換可能なユニットのカウント値を1枚増加させる(カウントアップさせる)(ステップ♯2)。例えば、白黒印刷である場合、記憶部62は、ブラックの画像形成部2Bkのドラムユニット4Bkと現像ユニット5Bkと定着ユニット3のみカウント値を増やす。又、例えば、カラー印刷を行った場合、使用した色の画像形成部2のドラムユニット4と現像ユニット5と定着ユニット3のカウント値を増やす。
そして、制御部6は全ジョブが完了したかを確認する(ステップ♯3)。もし、ジョブが完了していなければ(ステップ♯3のNo)、ステップ♯1に戻る。一方、ジョブが完了していれば(ステップ♯3のYes)、制御部6は記憶部62の交換可能な各ユニットのカウント値を確認し、寿命に到達したユニットがあるかを確認する(ステップ♯4)。
もし、寿命に到達したユニットがあれば、制御部6は、その寿命に到ったユニットを例えば、操作パネル1eの液晶表示部12に表示させ(ステップ♯5)、処理は終了する(エンド)。これにより、使用者は寿命が到達したユニットのユニット交換の必要性を認識できる。一方、寿命に到ったユニットが無ければ(ステップ♯4のNo)、処理を終了する(エンド)。尚、寿命に到ったユニットがあれば、制御部6は複合機100を印刷可能な状態で維持しても良いし、ユニットが交換されるまで印刷不可状態で維持しても良い。
(ユニットの交換)
次に、図7、図8を用いて、本発明の実施形態に係る複合機100での交換可能なユニットの交換の一例を説明する。図7(a)は、本発明の実施形態に係る複合機100の右側面の模式図であり、(b)は、本発明の実施形態に係るリーダ9の一例を示す斜視図である。図8は、本発明の実施形態に係る複合機100での交換可能なユニットの交換時の操作パネル1eの液晶表示部12の表示の一例を示す説明図である。
図6で説明した各ユニットの寿命が検知された場合、使用者は、新たなユニットを取り寄せる。そして、本実施形態の複合機100のユニット交換では、メンテナンスを行うサービスマンが行っても良いが、使用者が容易にユニットの交換が行える。そのための構成を以下に説明する。
図7(a)に示すように、本実施形態の複合機100の右側面には、I/F部63の各種コネクタ、ソケット等が露出する。そして、この各種コネクタ、ソケットには、ドラムユニット4、現像ユニット5、定着ユニット3等のタグ7の識別情報を読み取るためのリーダ9(読取部に相当)を取り付けることができる。又、リーダ9は、タグ7を無線通信で読み取る(タグ7は、RFIDのタグ)。言い換えると、I/F部63には、リーダ9を取付可能なコネクタ631が設けられる。即ち、複合機100は、画像形成装置の外面に設けられ、リーダ9を取り付けるI/F部63を有する。
そして、図7(b)は、リーダ9の一例を示す。図7(b)に示すリーダ9は、USB接続方式のものである。従って、I/F部63のコネクタ631は、USB規格に基づくものとなる。尚、タグ7を読み取り、又、I/F部63を介し、タグ7が記憶する識別情報を制御部6に伝達できれば、リーダ9は、USB規格のものに限る必要はない。そして、リーダ9がタグ7を読み取り識別情報を示すデータを制御部6が受け取ることで、制御部6は、識別情報に基づき、取り付けられようとするユニットが何であるかや、装着すべき位置等を認識できる。
又、リーダ9は、例えば、複合機100に同梱しても良いし、自らユニットの交換を行う使用者に対してのみ販売するようにしてもよい。そして、リーダ9は、使用しない時、複合機100から外せる。そしてリーダ9には、例えば、リーダ9のコネクタ91に被せるキャップ92が設けられ、使用しないとき、キャップ92を被せておくことで、リーダ9のコネクタ91を保護することができる。
そして、例えば、ユニットを新品に交換する際、使用者は、交換しようとするユニットを輸送用の梱包箱や包装から取り出し、タグ7をリーダ9に読み取らせる。或いは、同様のタグ7を梱包箱に取り付けておき、梱包箱をリーダ9にかざすようにしても良い。これにより、制御部6は、交換しようとするユニットがいかなる種類のユニットであるか、何色用のドラムユニット4、又は、現像ユニット5であるか等が装着前に認識される。即ち、リーダ9は、画像形成装置の外部に露出するとともに、インターフェイス部に対し脱着でき、ユニットの装着前にタグ7を読み取る。その後、制御部6は、図8に示すような、表示を操作パネル1eの液晶表示部12に行わせる。
尚、本説明では、どの色でも基本的に同様であるため、ブラックの画像形成部2Bkのドラムユニット4Bk又は現像ユニット5Bkを取り替える際の例を説明する。そして、図8は、ブラックの画像形成部2Bkのドラムユニット4Bk又は現像ユニット5Bkを取り替える際の液晶表示部12の表示の一例である。例えば、液晶表示部12の表示の内、左側が新たなユニットが取り付けられる位置を表示する位置表示領域F1に割り当てられる。
そして、位置表示領域F1では、例えば、各画像形成部2を意味する円形図形が表示される(円形以外でも良い)。本説明では、ブラックのドラムユニット4Bk又は、現像ユニット5Bkを交換しようとするので、液晶表示部12には、各画像形成部2のうち、新たなドラムユニット4や現像ユニット5が取り付けられる位置の画像形成部2Bkの位置を示すBkの文字が記入された円形図形が点滅する。これにより、新たなドラムユニット4又は現像ユニット5を取り付ける位置、場所が使用者に示される。
そして、位置表示領域F1の右方に、例えば、文字による交換手順を示す交換手順表示領域F2が設けられる。そして、使用者は、交換手順表示領域F2に示された交換手順を参照して、ユニット交換を行うことができる(例えば、図8では、1番目の項目として、「前カバーを開ける」を表示。前カバーに関しては、図7(a)参照。)。これらの位置表示領域F1や交換手順表示領域F2での表示により、使用者は、取付位置や手順等を間違えることなく、正確にユニット交換を行うことができる。言い換えると、液晶表示部12への表示で、使用者のユニット交換のガイドがなされる。尚、交換手順表示領域F2には、文字情報の他、交換方法を示す画像が表示されても良い。即ち、複合機100はタグ7を読み取った際、ユニットの交換に関する情報を表示する操作パネル1eを有する。
尚、交換手順表示領域F2の右方端には、前頁キーK1と次頁キーK2が設けられる。例えば、表示すべき交換手順が多い場合や、画像を多数表示させる場合など、複数ページに及ぶ場合、例えば、次頁キーK2を押下することで、次頁分の交換手順に関する内容が表示される(例えば、図8の例では、6番目の項目以降)。一方、前頁キーK1を押せば、前頁の交換手順に関する内容が表示される。
又、ユニット交換の手順は、液晶表示部12による表示だけでなく、音声によって行っても良い。例えば、図7(a)に示すように、例えば、操作パネル1eの下面には、操作音等を出す発音部SPが設けられる(図3参照)。制御部6は、この発音部SPからユニット交換の交換手順を使用者に教える音声をださせ、使用者のユニット交換のガイドがなされてもよい。即ち、複合機100は、タグ7を読み取った際に、ユニットの交換に関する音声を発する発音部SPを有する。
(各ユニット交換時の制御)
次に、図9に基づき、本発明の実施形態に係る複合機100でのユニット交換時の制御の一例を説明する。図9は、本発明の実施形態に係る複合機100でのユニット交換時の制御の一例を示すフローチャートである。
まず、図9におけるスタートは、使用者がユニット交換を行おうとする時点である。そして、使用者によって、複合機100のI/F部63にリーダ9が接続される(取り付けられる)(ステップ♯21)。尚、使用者は、リーダ9を常時接続しておく場合は、このステップはスキップできる。
そして、使用者は交換しようとするユニットのタグ7をリーダ9にかざす(ステップ♯22)。次に、リーダ9は、タグ7から識別情報を読み取る(ステップ♯23)。制御部6は、読み取られた識別情報を受ける(ステップ♯24)。更に、制御部6は、交換しようとするユニットの位置、種類等を認識する(ステップ♯25)。又、制御部6は、新品かを確認する(ステップ♯26)。
もし、交換しようとするユニットの識別情報が、例えば、以前使用されていたユニットの識別情報(例えば、記憶部62に記憶)と一致する場合や、タグ7に使用履歴が残っている場合等、新品でなく使用済みユニットであれば(ステップ♯26のNo)、例えば、液晶表示部12にエラー表示を行い(ステップ♯27)、制御を終了する(エンド)。これにより、使用者による寿命到達が到達しているユニットの誤装着を防ぐことができる。
一方、新品のユニットと認められれば(ステップ♯26のYes)、制御部6は、識別情報に基づき、交換しようとするユニットが、適合するユニットかを確認する(ステップ♯28)。例えば、交換しようとするユニットが、他機種用のものであり適合しない場合(ステップ♯28のNo)、エラー表示を行い(ステップ♯27)、制御を終了する(エンド)。
もし、適合すると認められれば(ステップ♯28のYes)、制御部6は、交換の対象であり、交換前の装着されているユニットの識別情報とカウント値を、退避的に記憶部62に別途記憶させる(ステップ♯28)。即ち、記憶部62はカウント値を0とする場合、カウント値をゼロとする前のユニットに関する識別情報とカウント値も保存しておく。
更に、制御部6は、新たなユニットに交換されれば、以後、使用が開始されるので、交換しようとするユニットのカウント値を0(ゼロ)とする(ステップ♯29)。即ち、リーダ9が新たなユニットのタグ7を読み取った場合、記憶部62は、カウント値を0とする。これにより、使用者の操作無しで、カウント値を0とできる。
そして、交換しようとする新たなユニットの交換のガイドを液晶表示部12や発音部SPで始める(ステップ♯31)。又、制御部6は、開閉検知センサS1でドラムユニット4や現像ユニット5交換のため正面カバー102が開けられたことや、開閉検知センサS2で定着ユニット3交換のため、側面カバー103が開けられたことと、開けられたカバーが閉じられたことを確認する(ステップ♯32)。言い換えると、開閉検知センサS1や開閉検知センサS2の出力切り替わりに基づき、カバーの開閉を検知する(ステップ♯32)。この検知は、何れかのカバーの開閉が検知されるまで続く(ステップ♯32のNo)。これにより、ユニット交換のため、何れかのカバーが開けられ、ユニット交換終了により、何れかのカバーが閉じられたことが確認される。
そして、カバー開閉が検知されれば、制御部6は、交換されたと推測されるユニットのタグ7をリーダライタ8に読み取らせ、識別情報を取得する(ステップ♯33)。識別情報には、ユニットの種別や対応する色を示す情報が含まれるので、制御部6は、この推測をリーダ9で読み取った識別情報に基づき立てることができる。例えば、制御部6は、リーダ9で読み取ったタグ7の識別情報に基づき、交換しようとするユニットの取付位置のアンテナ81に対向するタグ7をリーダライタ8に読み取らせる。次に、制御部6は、適切なユニット交換が行われたかを確認する(ステップ♯34)。
例えば、リーダ9で読み取りしたユニットの識別情報では、制御部6は、ブラックのドラムユニット4Bkの交換が行われると認識した場合、前面カバー102の開閉を検知すれば、制御部6は、ブラックのドラムユニット4Bkのタグ7に対向するリーダライタ8Aに、ドラムユニット4Bkのタグ7を読み取らせる。そして、制御部6は、リーダライタ8Aで読み取ったドラムユニット4Bkのタグ7の識別情報と、リーダ9での読み取りで得られた識別情報とが一致すれば、適切にユニット交換が行われたと判断する。
一方、リーダライタ8Aからのドラムユニット4Bkのタグ7の識別情報が、前面カバー102の開閉検知前と同じであれば、制御部6は、交換されていない、或いは、誤った位置にユニットが取り付けられた等(例えば、イエローのドラムユニット4Y)、不適切なユニット交換が行われたと判断できる。
適切なユニット交換が行われたと判断できれば(ステップ♯34のYes)、本制御は終了する(エンド)。一方、不適切なユニット交換が行われたと判断できれば(ステップ♯34のNo)、例えば、制御部6は、カウント値を0にしたユニットのカウント値を、0とする前のカウント値に戻す(ステップ♯35)。そして、例えば、制御部6は、リーダ9で読み取った識別情報に一致するタグ7を探すため、各リーダライタ8に、全てのタグ7の読み取りを行わせる(ステップ♯36)。そして、例えば、誤装着されたユニットの位置を特定し、位置表示とともに、誤装着されたユニットを取り外した上で、もう一度、リーダ9にかざすべき旨等のエラー表示(ステップ♯37)を行う。その後、例えば、一旦、制御は終了される(エンド)。
このようにして、本発明の構成では、読取部(例えば、リーダ9)が新たなユニットの記憶媒体(例えば、タグ7)を読み取った場合、記憶部62はカウント値を0とするので、確実、容易に、ユニットのカウント値を0とすることができる。又、使用者によるユニット交換での使用者の作業量を減らすことができる。又、使用者が、交換したユニットと異なるユニットについて誤ってカウント値を0とすることや、カウント値を0としない場合も生ずることがなく、使用者がユニット交換を行ってもユニットの寿命管理は適切に行われる。
又、読取部は、画像形成装置(例えば、複合機100)の外部に露出するので、ユニットの装着前でも、カウント値を0とすることができる。又、読取部は、脱着でき、ユニットの自らの交換を希望する使用者に対してのみ読取部を用意すれば良い。即ち、読取部を画像形成装置に常設しなくて良く、画像形成装置の製造コストを下げることができる。又、読取部は、必要な時にだけ画像形成装置に取り付ければよいので、画像形成装置本体の省スペース化、小型化が図れるとともに、画像形成装置を使用する上で読取部が邪魔にならない。又、表示部は、ユニットの交換に関する情報を表示する。又、発音部SPは、ユニットの交換に関する音声を発して、音声ガイダンスを行う。従って、ユニットの誤装着を減らすことができる。又、記憶媒体及び読取部を簡易、安価にすますことができる。又、以前に装着されていたユニットに関する識別情報とカウント値も保存しておくので、使用者が誤って、古いユニットを取り付けようとしても、画像形成装置は、古いユニットであると認識できる。又、読取部が記憶媒体を読み取って、カウント値が0とされた後、ユニット交換が結果的に行われなくても、交換前のカウント値に戻すことができる。
以下、別実施形態を説明する。上述の実施形態では、リーダ9は、取り外し可能である例を示したが、リーダ9は、複合機100に固定的に設けられていても良い(常設されていても良い)。又、上述の実施形態では、記憶媒体として、RFIDのタグ7(ICタグ)を例に挙げ、リーダ9として無線通信によりタグ7を読み取る例を示した。しかし、記憶媒体としては、接触式のメモリ等でも構わない。このとき、リーダ9は、メモリに接触して、識別情報を読み取ることになる。
又、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。