JP5358155B2 - 代用乳組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、幼畜用の代用乳組成物およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、子牛、子豚、子山羊、その他の幼動物等に給与する代用乳組成物およびその製造方法に関するものであり、本発明における代用乳組成物は、保存時の温度変化による油脂の染み出し(オイルオフ)と粉末の固結(ブロッキング)を抑制するものである。
子牛、子豚、子羊、子山羊等の幼畜類の飼育に当っては、母乳の代替に人工的に造られた代用乳組成物を給与して飼育することが広く行われている。代用乳組成物は、脱脂粉乳やホエーなどの乳蛋白素材を主原料とし、これに動物性油脂や植物性油脂等の油脂類、穀類、糖類、ミネラルなどを配合した粉末である。代用乳の製造方法としては、脱脂粉乳、粉末油脂、穀粉など粉末の原材料を混合して粉末状にする方法、もしくは粉末原材料の混合物を温水で造粒する方法、また、粉末原材料の混合物に液状油脂もしくは液状油脂の乳化液を用いて造粒する製造方法等が知られている。子牛等に給与する際には、代用乳の粉末を温水に溶解して用いる。
代用乳組成物には栄養面での特性の他に、給与する際に取り扱いやすい物性であることが求められる。取扱いの際に求められる特性としては、(1)粉末としてのさらさら感があること、(2)温水添加時に沈降性があること、(3)溶解時のダマの発生が抑制され過度の泡立ちが抑制されること、(4)溶解時に油滴の乳化安定性があること等が挙げられる。(1)のさらさら感については、自動哺乳機等を用いる際に、代用乳組成物が円滑に供給されるか否かで重要である。自動哺乳機では、ホッパーに供給した代用乳組成物が自動的に装置に供給される必要があり、代用乳組成物のさらさら感が良好であり、粉末の流動性に優れることが求められる。(2)の温水添加時の沈降性については、代用乳調製時の作業性の面で重要となる。代用乳組成物を飛散することなく代用乳を調製するために、代用乳組成物が温水にいち早くなじみ、短時間で温水に沈降することが求められる。 (3)の溶解時のダマの発生抑制、過度の泡立ち発生抑制については、代用乳調製時の作業性や器具の洗浄面で重要となる。代用乳組成物が短時間で溶け残りなく温水に溶解すること、さらには、特に自動哺乳機等の機械を用いて代用乳を給与する際には、過度の泡立ちにより送液に不具合を生じる場合もあることから、過度の泡立ちを抑制することが求められる。(4)の乳化時の油滴安定性については、代用乳調製時の器具の洗浄面で重要となる。代用乳調製時の温度や過度の攪拌により油滴が破壊され油脂が溶出すると、溶出した油脂が器具に付着し洗浄しにくくなる。特に、溶出した油脂が冷却された場合、油脂が固形として析出することから洗浄における負担が大きくなる。このことから溶解時の油滴の乳化安定性が求められる。
さらに、代用乳を給与する際の取り扱いやすさに関するこれらの特性を維持した上で、長期の保存性を有することが重要となる。代用乳組成物については、常温での保存であるため、外気の気温変化等による油脂の染み出しや粉末の固結が起こりやすい。長期にわたる保存において、製造直後の物性を安定的に維持することが求められる。
代用乳組成物の保存性に関しては、これまでに、保存中の粉末の固結を抑制する解決策が開示されている。例えば、代用乳原料中にトレハロースを含有させることによって保存中の固結性を抑制する方法が開示されている(特許文献1参照)。また、エステル交換した油脂を粉末原料に噴霧して造粒することで保存中の固結性を抑制する方法が開示されている(特許文献2参照)。さらに、上昇融点が10〜20℃である植物性油脂を含有する粉末油脂を用いることで、抗固結性に優れた代用乳を調製できることが開示されている(特許文献3参照)。しかしながら、これらの方法は、保存中に任意の一定温度に保管したときの固結を抑制するものであり、保存中の温度変化による固結を抑制するものではない。保存中の温度変化による粉末の固結を抑制する方法として、規定量の乳蛋白質原料、油脂中の植物性油脂量からなる粉末油脂を用いて水で造粒する方法が開示されているが(特許文献4参照)、油脂の染み出しの抑制には到っていない。すなわち、代用乳組成物において、保存中の温度変化に対する油脂の染み出しと粉末の固結の両方を抑制することに関しては、依然として課題となっている現状にある。
特開2007−222131号公報 特許第3971390号公報 特開2008−104458号公報 特開2006−094710号公報
本発明は、保存中の温度変化に対する油脂の染み出しと粉末の固結のいずれをも抑制した代用乳組成物およびその製造方法の提供を課題とする。
本発明者らは、このような課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、飽和脂肪酸を結合するHLB5以下の乳化剤を添加することで、保存時の温度変化による油脂の染み出しと粉末の固結のいずれをも抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、HLB5以下である飽和脂肪酸結合型乳化剤と油脂とを含有する代用乳組成物である。
本発明はまた、HLB5以下である飽和脂肪酸結合型乳化剤を添加した油脂の粒状物を含有する代用乳組成物である。HLB5以下である飽和脂肪酸結合型乳化剤に結合している飽和脂肪酸の炭素数が16以上であることを特徴とする前記の代用乳組成物である。
本発明はまた、乳蛋白質粉末、粉末油脂を含む粉末原材料にHLB5以下である飽和脂肪酸結合型乳化剤を添加した油脂又は油脂の乳化物を噴霧して造粒することを特徴とする代用乳の製造方法である。
本発明はまた、油脂に、HLB5以下である飽和脂肪酸結合型乳化剤を添加して乳化し噴霧乾燥して粉末油脂を得、この粉末油脂に乳蛋白質粉末を混合した粉末原材料を造粒することを特徴とする代用乳の製造方法である。
本発明はまた、飽和脂肪酸結合型乳化剤に結合している飽和脂肪酸が炭素数16以上である前記の代用乳の製造方法である。
本発明によれば、保存時の温度変化による油脂の染み出し(オイルオフ)と粉末の固結(ブロッキング)が抑制された代用乳組成物を提供することができる。
本発明を実施するにあたっては、代用乳組成物に飽和脂肪酸を有するHLB5以下の乳化剤を添加する。HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)値は界面活性剤の水と油への親和性の程度を表す値である。HLB値は0から20までの値を取り、0に近いほど親油性が高く20に近いほど親水性が高くなる。飽和脂肪酸を結合するHLB5以下の乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルが挙げられる。原材料や製造工程の違いにより、飽和脂肪酸を結合するHLB5以下の乳化剤以外の乳化剤を併用する必要がある場合でも、乳化剤自体の混合物ではないので、HLB値は各乳化剤のHLB値の加重平均とはしない。その乳化剤がHLB5を超えるものであっても、HLB5以下の乳化剤を使用してさえいれば、本発明の効果は損なわれることは無く、本発明の目的を達成できる。HLBの低い乳化剤は親油性が高く油中水型乳化剤として好適に用いられるが、本発明の試験結果に示されるように代用乳組成物の油脂の染み出しと粉末の固結のいずれの抑制にも効果があることは予想を超えるほどの顕著な効果である。低HLBの乳化剤により油脂結晶化に作用することによる予期以上の効果である。
結合する飽和脂肪酸としては、炭素数16以上であることが望ましい。炭素数16以上の飽和脂肪酸としては炭素数16のパルミチン酸、炭素数18のステアリン酸、炭素数22のベヘン酸などが挙げられる。炭素数16以上の飽和脂肪酸を用いることにより、代用乳組成物の油脂の染み出しと粉末の固結のいずれの抑制にも効果がある理由は、炭素数の多いものほど油脂の結晶化に影響を及ぼしやすいためと思われる。下記試験の結果では、その分岐点が炭素数16であった。
乳化剤の添加方法としては、液状油脂に添加して液状油脂または液状油脂の乳化液として噴霧して造粒する方法が挙げられる。液状油脂に乳化剤を添加した乳化液を噴霧乾燥し粉末油脂としたものと他の粉末原材料を混合してもよい。
代用乳組成物の調製は脱脂粉乳、ホエー蛋白質濃縮物(WPC)などの乳蛋白質粉末素材、植物性油脂や動物性油脂を用いた粉末油脂、穀類、糖類、ミネラル、ビタミン類、賦形材などからなる粉末原材料を任意の割合で混合した粉末原材料の混合物に、液状油脂もしくは液状油脂の乳化液を噴霧して造粒させるか、液状油脂もしくは液状油脂の乳化液を噴霧乾燥し粉末油脂にしてから乳蛋白質粉末素材、穀類、糖類、ミネラル、ビタミン類、賦形材などからなる粉末原材料を任意の割合で混合した粉末原材料と混合する。本発明においては、代用乳組成物に用いる粉末原材料の種類、配合量は特に限定されない。
液状油脂としては、パーム油、パーム核油、ヤシ油、大豆油、菜種油、コーン油等の植物性油脂および牛脂、豚脂等の動物性油脂を用いることができる。また、これらの油脂の硬化油や分別油も用いることができ、さらにはこれらを任意の割合で混合した混合油も用いることができる。これらの油脂の中には常温で固体状の油脂もあるが、造粒時には加温して液体状の油脂として噴霧することから、ここでは液状油脂と表現している。最終的な代用乳組成物が温水添加時に良好な溶解性を合わせ持つために、液状油脂として用いる油脂の上昇融点は20〜45℃であることが望ましい。本発明では、これらの液状油脂を用いる場合、液状油脂に飽和脂肪酸を結合するHLB5以下の乳化剤を加温溶解したもの、さらには、この乳化剤を溶解した液状油脂を水中に乳化させた乳化液を噴霧する。
飽和脂肪酸を結合するHLB5以下の乳化剤を液状油脂に添加する場合、乳化剤の添加量は液状油脂量に対して0.1%から3%であることが望ましく、0.5%から1.5%までが特に望ましい。0.1%より少ないと保存時の温度変化による油脂染み出しと粉末の固結の抑制への効果が低く、逆に3%を超えると、保存時の温度変化による油脂染み出しと粉末の固結の抑制効果は認められるものの、温水溶解時に溶け残りが出やすく、溶解性に劣る場合がある。
本発明の代用乳組成物の製造方法、造粒方法については、特定の装置に限定されるものではない。粉末原材料の混合物を造粒機内で熱風により流動させ、そこに飽和脂肪酸を結合するHLB5以下の乳化剤を添加した液状油脂もしくはそれを用いた乳化液を噴霧ノズルにより微粒化することで造粒する。また、液状油脂もしくは液状油脂の乳化液を噴霧乾燥し粉末油脂にしてから乳蛋白質粉末素材、穀類、糖類、ミネラル、ビタミン類、賦形材などからなる粉末原材料を任意の割合で混合した粉末原材料と混合する製造方法であってもよい。
本発明の代用乳組成物は、保存時の温度変化による油脂染み出しと粉末の固結の両方を抑制するものである。具体的には、常温で保存する代用乳組成物を夏場の高温時に想定される気温まで昇温後、再度降温した場合に発生し易い油脂の染み出しと粉末の固結の両方を抑制するものである。なお、本発明の代用乳組成物の粒子の大きさは、約100〜3000μmである。
以下に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
脱脂粉乳45重量%、ホエー蛋白質濃縮物(WPC)17重量%、ホエー粉5重量%、粉末油脂(油脂分80%)13重量%、ミネラル・ビタミン・糖類7重量%を粉末で混合した粉末混合物と、パーム油12重量%、乳化剤1重量%からなる液状油脂を用意した。液状油脂中の乳化剤1重量%の内訳は、レシチン0.4重量%、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB11)0.4重量%、ポリグリセリンステアリン酸エステル(HLB3)0.2重量%とした(なお、ポリグリセリンステアリン酸エステルに結合している飽和脂肪酸であるステアリン酸の炭素数は18である)。上記粉末混合物5kgをグラッド造粒機(大川原製作所社製)に入れ、85℃の熱風を用いて流動化させた。そこにパーム油と乳化剤を合わせた総量13重量%の液状油脂を同量の水を用いて乳化させた乳化液を噴霧ノズルにより噴霧した。乳化液の調製は、75℃に加温した液状油脂と60℃に加温した温水をTKホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて予備乳化した後、均質機(三和機械社製)を用いて均質圧5MPaで処理した。調製した乳化液は噴霧中の温度を60℃以上に保った。噴霧速度50g/分で乳化液を噴霧し、噴霧終了後3分間乾燥したのち、造粒機より取り出し、代用乳組成物を得た[実施品1]。
脱脂粉乳45重量%、ホエー蛋白質濃縮物(WPC)17重量%、ホエー粉5重量%、粉末油脂(油脂分80%)13重量%、ミネラル・ビタミン・糖類7重量%を粉末で混合したものと、パーム油12重量%、乳化剤1重量%からなる液状油脂を用意した。乳化剤1重量%の内訳は、レシチン0.4重量%、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB11)0.4重量%、ポリグリセリンベヘン酸エステル(HLB3)0.2重量%とした。(なお、ポリグリセリンベヘン酸エステルに結合している飽和脂肪酸であるベヘン酸の炭素数は22である。)以下、実施例1と同様にして代用乳組成物を得た[実施品2]。
脱脂粉乳45重量%、ホエー蛋白質濃縮物(WPC)17重量%、ホエー粉5重量%、粉末油脂(油脂分80%)13重量%、ミネラル・ビタミン・糖類7重量%を粉末で混合したものと、パーム油12重量%、乳化剤1重量%からなる液状油脂を用意した。乳化剤1重量%の内訳は、レシチン0.4重量%、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB11)0.4重量%、ショ糖パルミチン酸エステル(HLB1)0.2重量%である。(なお、ポリグリセリンパルミチン酸エステルに結合している飽和脂肪酸であるパルミチン酸の炭素数は16である。)以下、実施例1と同様にして代用乳組成物を得た[実施品3]。
脱脂粉乳48重量%、ホエー蛋白質濃縮物(WPC)17重量%、ポリグリセリンベヘン酸エステル(HLB3)を含む粉末油脂(油脂分80%)28重量%、ミネラル・ビタミン・糖類7重量%を粉末で混合した粉末原材料を用意した。ポリグリセリンベヘン酸エステル(HLB3)を含む粉末油脂(油脂分80%)については、ヤシ油20重量%、パーム油27重量%、カゼインナトリウム6重量%、デキストリン2重量%、乳化剤2重量%、水41重量%からなる乳化液を調合し、噴霧乾燥することにより得た。乳化剤2重量%の内訳は、レシチン0.6重量%、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB11)0.6重量%、ソルビタンステアリン酸エステル(HLB6)0.55重量%、ポリグリセリンベヘン酸エステル(HLB3)0.25重量%とした(なお、ポリグリセリンベヘン酸エステルに結合している飽和脂肪酸であるベヘン酸の炭素数は22である)。乳化液の調合はTKホモミキサーによる予備乳化後、均質圧15MPaの均質処理を行い、140℃の熱風中で噴霧乾燥させることで粉末油脂を得た。本粉末油脂を含む粉末原材料5kgをグラッド造粒機(大川原製作所社製)に入れ、90℃の熱風を用いて流動化させた。そこに噴霧ノズルにより50g/分の速度で60℃の温水を噴霧し造粒を行った。噴霧終了後3分間乾燥したのち、造粒機より取り出し、代用乳組成物を得た[実施品4]。
実施例1から4の配合を表1に示す。
Figure 0005358155
[比較例1]
脱脂粉乳45重量%、ホエー蛋白質濃縮物(WPC)17重量%、ホエー粉5重量%、粉末油脂(油脂分80%)13重量%、ミネラル・ビタミン・糖類7重量%を粉末で混合したものと、パーム油12重量%、乳化剤1重量%からなる液状油脂を用意した。乳化剤1重量%の内訳は、レシチン0.5重量%、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB11)0.5重量%とした。以下、実施例1と同様にして代用乳組成物を得た。
[比較例2]
脱脂粉乳45重量%、ホエー蛋白質濃縮物(WPC)17重量%、ホエー粉5重量%、粉末油脂(油脂分80%)13重量%、ミネラル・ビタミン・糖類7重量%を粉末で混合したものと、パーム油12重量%、乳化剤1重量%からなる液状油脂を用意した。乳化剤1重量%の内訳は、レシチン0.4重量%、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB11)0.4重量%、ポリグリセリンステアリン酸エステル(HLB7)0.2重量%とした。以下、実施例1と同様にして代用乳組成物を得た。
[比較例3]
脱脂粉乳45重量%、ホエー蛋白質濃縮物(WPC)17重量%、ホエー粉5重量%、粉末油脂(油脂分80%)13重量%、ミネラル・ビタミン・糖類7重量%を粉末で混合したものと、パーム油12重量%、乳化剤1重量%からなる液状油脂を用意した。乳化剤1重量%の内訳は、レシチン0.4重量%、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB11)0.4重量%、ショ糖オレイン酸エステル(HLB1)0.2重量%とした。(なお、ショ糖オレイン酸エステルは飽和脂肪酸結合型ではなく、不飽和脂肪酸結合型である。)以下、実施例1と同様にして代用乳組成物を得た[比較品3]。
[比較例4]
脱脂粉乳45重量%、ホエー蛋白質濃縮物(WPC)17重量%、ホエー粉5重量%、粉末油脂(油脂分80%)13重量%、ミネラル・ビタミン・糖類7重量%を粉末で混合したものと、パーム油12重量%、乳化剤1重量%からなる液状油脂を用意した。乳化剤1重量%の内訳は、レシチン0.4重量%、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB11)0.4重量%、ショ糖ラウリン酸エステル(HLB3)0.2重量%とした。以下、実施例1と同様にして代用乳組成物を得た[比較品4]。
比較例1から4の配合を表2に示す。
Figure 0005358155
[試験例1]
実施例および比較例で調製した実施品1〜4、比較品1〜4について、温水溶解時の溶解性試験、温度処理時の粉末の固結試験を実施した。
温水溶解時の溶解性試験:市販のジューサー(テスコム社製)に40℃の温水を500mL秤量し、実施品、比較品のそれぞれ70gを添加した。15秒間の攪拌ののち、代用乳溶解物を目開き0.5mmのふるい上に開け、ふるい上に残った残渣の重量を測定し、残渣量とした。残渣量が1g未満のものを◎、1g以上3g未満のものを○、3g以上5g未満のものを×とした。
温度処理時の粉末の固結試験:実施品、比較品のそれぞれ200gを市販のジッパー付きのビニール袋にとり、インキュベーター(カトー社製)を用いて35℃雰囲気下で4時間放置後、5℃に冷却して4時間放置する温度処理を3回繰り返した。粉末の固結の様子は目視により判断し、固結が認められないものを◎、固結が認められるが極少ないものを○、半分以上の部分で固結が認められたものを×とし、極少ないものから半分未満のものまでを△とした。
実施品1〜4、比較品1〜4について、温水溶解時の溶解性試験、温度処理時の粉末の固結試験を実施した結果を表3に示す。
Figure 0005358155
溶解性試験のふるい上残渣量は液状油脂の溶け残り量の目安になる。実施品2、4の溶解性は非常に良好であったが、実施品1、3、比較品2、4はやや劣り、比較品1、3では残渣量が多く溶解性は劣った。
温度処理時の粉末の固結試験では油の染み出しによって固結量が変化することから、粉末の油の染み出しを評価できる。実施品1から4では固結しないか、あるいは固結しても極少量であった。これに対して、比較品1〜4では固結量は多く、半分以上固結する粉末も見られた。この結果より、飽和脂肪酸、特に炭素数16以上の飽和脂肪酸を結合するHLB5以下の乳化剤を添加した液状油脂を用いた代用乳では油の染み出し量を低減することができることが分かった。
[試験例2]
実施例で得られた実施品1〜4と比較例で得られた比較品1〜4について、液状油脂の染み出し試験を実施した。
液状油脂の染み出し試験:実施品1〜3と比較品1〜4のそれぞれの液状油脂(ここでは、パーム油と乳化剤の混合物からポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのみを除いたもの)を用意した。実施品4については噴霧乾燥して粉末油脂を製造する前の油脂の乳化液を用いた。75℃に加温したのち液状油脂を直径30mm、高さ20mmのガラス製ビンに満量入れ、5℃冷蔵庫に一晩放置した。一晩放置したガラス製ビンの蓋をとり、蓋を下にした状態でろ紙の上に置き、25℃のインキュベーターに24時間放置して、油脂の染み出しによるろ紙の重量変化を求めた。24時間放置後のろ紙の重量増加量がガラス製ビンに充填した液状油脂の重量に対して2%未満であるものを○、2%以上5%未満であるものを△、5%以上のものを×とした。
実施品1〜4と比較品1〜4の液状油脂について、液状油脂の染み出し試験を実施した結果を表4に示す。
Figure 0005358155
実施品1〜4の液状油脂の染み出し量はすべて2%未満であった。これに対し、比較品1〜4の液状油脂の染み出し量は2%以上となった。この結果より、飽和脂肪酸、特に炭素数16以上の飽和脂肪酸を結合するHLB5以下の乳化剤を添加した液状油脂については、液状油脂そのものの油脂染み出し量が低くなる結果となった。本発明による代用乳組成物の保存時の温度変化による染み出し抑制については、特に炭素数16以上の飽和脂肪酸を結合するHLB5以下の乳化剤を液状油脂に添加することにより達成されるものである。



Claims (5)

  1. HLB5以下であり、かつ結合している飽和脂肪酸の炭素数が16以上である飽和脂肪酸結合型乳化剤と油脂とを含有する代用乳組成物。
  2. HLB5以下であり、かつ結合している飽和脂肪酸の炭素数が16以上である飽和脂肪酸結合型乳化剤を添加した油脂の粒状物を含有する代用乳組成物。
  3. HLB5以下であり、かつ結合している飽和脂肪酸の炭素数が16以上である飽和脂肪酸結合型乳化剤を添加した油脂の乳化物の粒状物を含有する代用乳組成物。
  4. 乳蛋白質粉末、粉末油脂を含む粉末原材料にHLB5以下であり、かつ結合している飽和脂肪酸の炭素数が16以上である飽和脂肪酸結合型乳化剤を添加した油脂又は油脂の乳化物を噴霧して造粒することを特徴とする代用乳の製造方法。
  5. 油脂に、HLB5以下であり、かつ結合している飽和脂肪酸の炭素数が16以上である飽和脂肪酸結合型乳化剤を添加して乳化し噴霧乾燥して粉末油脂を得、この粉末油脂に乳蛋白質粉末を混合した粉末原材料を造粒することを特徴とする代用乳の製造方法。
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