JP5357835B2 - 鉄道車両の組立台車枠及びその亀裂検出システム - Google Patents

鉄道車両の組立台車枠及びその亀裂検出システム Download PDF

Info

Publication number
JP5357835B2
JP5357835B2 JP2010130857A JP2010130857A JP5357835B2 JP 5357835 B2 JP5357835 B2 JP 5357835B2 JP 2010130857 A JP2010130857 A JP 2010130857A JP 2010130857 A JP2010130857 A JP 2010130857A JP 5357835 B2 JP5357835 B2 JP 5357835B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
beam member
air chamber
side beam
pressure
carriage frame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010130857A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011255754A (ja
Inventor
勝太 山本
毅 八木
徳蔵 宮地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Railway Technical Research Institute
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Railway Technical Research Institute filed Critical Railway Technical Research Institute
Priority to JP2010130857A priority Critical patent/JP5357835B2/ja
Publication of JP2011255754A publication Critical patent/JP2011255754A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5357835B2 publication Critical patent/JP5357835B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)

Description

本発明は、鉄道車両の組立台車枠及びその亀裂検出システムに関し、特に、補助空気室を有する空気ばね台車において、鉄道車両の走行に影響を与えることなく亀裂を検出することの出来る鉄道車両の組立台車枠及びその亀裂検出システムに関する。
鉄道車両の走行装置の一部である台車枠は、走行の安全性に関わる重要部品である。故に、一定期間毎に車体から台車装置を切り離して行う重要部検査等の定期検査において、これに亀裂を生じていないかなどについて検査を受けることとなっている。かかる亀裂検査では、磁粉探傷法のような非破壊検査により、検査が行われる。
鉄道車両の台車枠の1つに、10mm程度の厚さの鋼板を溶接で組み立てた組立台車枠がある。例えば、特許文献1では、鋼板を加工して筒状にし、レーザ溶接で組み立てた組立台車枠が開示されている。また、特許文献2では、横梁の内部空間を空気ばねの補助空気室として利用した空気ばね台車の組立台車枠を開示している。
組立台車枠では特に溶接部において亀裂が発生しやすく、定期検査においてこれを磁粉探傷法で検査している。かかる非破壊検査方法では、表面に与えられた塗装を剥がす手間の掛かる工程が必要となっている。また、塗装を剥がさなくても検査可能な渦電流探傷法のような非破壊検査方法も、例えば、特許文献3に開示されている。しかしながら、多くの溶接部の1つ1つについて検査を行うにはやはり手間が掛かるのである。
ところで、溶接構造物の亀裂の検出方法として、例えば、特許文献4では、橋梁等の地上に設置される大型溶接構造物において、構造部材を中空にして内部圧力の変化を測定する方法を提案している。構造部材の内部に所定の圧力で気体を封入するポンプを大型構造物の近傍に設置するとともに検出器を構造部材上に設置して、内部圧力の変化を測定しながら発生した貫通亀裂を検知している。かかる方法によれば、膨大な数の溶接部の1箇所毎に検査を行う必要はなく、1又は数箇所の検出器をモニタするだけで、早期に、確実に、且つ容易に貫通亀裂を検知できると述べている。
特開2008−55952号公報 特開2006−15820号公報 特開平9−269316号公報 特開2001−215178号公報
鉄道車両でも台車枠に発生した亀裂を早期に、確実に、且つ容易に検出できることが望まれる。例えば、閉じた内部空間を有する組立台車枠では、特許文献4のように、該内部空間の圧力変化を測定して亀裂を検出でき得る。しかしながら、気体を封入された大型構造物とは異なり、例えば、空気ばねからの圧力変化を与えられる組立台車枠では、特許文献4のような単純な圧力変化の測定による亀裂の検知はできない。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、補助空気室を有する空気ばね台車において、鉄道車両の台車枠に発生した亀裂を効率的に検出することの出来る鉄道車両の組立台車枠及びその亀裂検出システムの提供である。
本発明による組立台車枠は、鋼板を屈曲加工した梁部材を溶接して組み立てられ、2本の側梁部材を略平行に配置しこれらの間に2本の横梁部材を渡して略井桁状にした組立台車枠であって、前記側梁部材及び/又は前記横梁部材は少なくとも一部に気体を封入可能に区切られた小区画を有し、前記小区画はその内部圧力を検知するための圧力検知装置を与えられ、前記側梁部材近傍に配置される空気ばねとオリフィスを介して連結される補助空気室を与えられるとともに、前記補助空気室と前記小区画との間には前記オリフィスの断面よりも小なる断面の連通口を与えられていることを特徴とする。
かかる発明によれば、空気ばねからの圧力変化を与えられる組立台車であっても、入庫から出庫までの庫に停車中にあっては、空気ばねは働いておらず、これによる圧力変化は無く、圧力検知装置により組立台車枠に発生した微小な亀裂を効率的に検出することが出来る。一方、運行に供用中にあっては、空気ばねが稼働しているため、微小な亀裂が発生しても亀裂から漏洩する空気と同量の空気を細孔から供給され得るので、微小な亀裂が空気ばねの特性に影響を与えない。すなわち、鉄道車両の走行に影響を与えることなく、台車枠に発生した亀裂を効率的に検出出来るのである。
上記した発明において、前記補助空気室は前記側梁部材の内部に設けられていることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、組立台車枠のサイズをコンパクトにしつつ、庫に停車中にあっては亀裂を内部圧力の変化で効率的に検出することが出来るとともに、運行に供用中にあっては、微小な亀裂が発生しても空気ばねの特性に影響を与えない。
本発明による組立台車枠に生じる亀裂を検出するためのシステムは、鋼板を屈曲加工した梁部材を溶接して組み立てられ、2本の側梁部材を略平行に配置しこれらの間に2本の横梁部材を渡して略井桁状にした組立台車枠に生じる亀裂を検出するためのシステムであって、前記側梁部材及び/又は前記横梁部材は少なくとも一部に気体を封入可能に区切られた小区画を有し、前記小区画はその内部圧力を検知するための圧力検知装置を与えられ、前記側梁部材近傍に配置される空気ばねとオリフィスを介して連結される補助空気室を与えられるとともに、前記補助空気室と前記小区画との間には前記オリフィスの断面よりも小なる断面の連通口を与えられ、更に、前記組立台車枠と離れて位置するモニター装置と、前記圧力検知装置に接続されて前記モニター装置に向けて信号を送出する送信機と、を含むことを特徴とする。
かかる発明によれば、空気ばねからの圧力変化を与えられる組立台車であっても、入庫から出庫までの庫に停車中にあっては、空気ばねは働いておらず、これによる圧力変化は無く、圧力検知装置により組立台車枠に発生した微小な亀裂を効率的に検出することが出来る。一方、運行に供用中にあっては、空気ばねが稼働しているため、微小な亀裂が発生しても亀裂から漏洩する空気と同量の空気を細孔から供給し得るので、微小な亀裂は空気ばねの特性に影響を与えない。すなわち、鉄道車両の走行に影響を与えることなく、台車枠に発生した亀裂を効率的に検出出来るのである。
上記した発明において、空気ばねの高さを検出する車両高さ検出装置を有することを特徴してもよい。かかる発明によれば、入庫から出庫までの庫に停車中にあっては、空気ばねの高さによって、すなわち車両のわずかな傾きとして、これを自動的に効率よく測定し、発生した亀裂を効率よく検出することが出来る。
上記した発明において、前記補助空気室は前記側梁部材の内部に設けられていることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、組立台車枠のサイズをコンパクトにしつつ、庫に停車中にあっては亀裂を内部圧力の変化で効率よく検出することが出来るとともに、運行に供用中にあっては、微小な亀裂が発生しても空気ばねの特性に影響を与えない。
本発明による組立台車枠の斜視図である。 本発明による組立台車枠の要部の分解斜視図である。 本発明による組立台車枠の要部の斜視図である。 本発明による組立台車枠の要部の断面図(図3の断面III−III)である。 本発明による組立台車枠の要部の断面図である。 本発明による組立台車枠の要部の断面図(図1の断面I−I)である。 本発明による組立台車枠の要部の断面図(図1の断面II−II)である。 本発明による組立台車枠の亀裂検出システムのブロック図である。
以下に、本発明による1つの実施例である組立台車枠について、図1乃至図8を用いて詳細に説明する。
図1に示すように、鉄道車両の組立台車枠10は、一対の側梁部材11及び12と、一対の横梁部材13及び14と、一対のつなぎ梁部材15及び16と、4つのバネ箱17a乃至17dと、一対のまくらばね受け18a及び18bと、を含む。ここで、X軸、Y軸及びZ軸を次の様に定める。すなわち、鉄道車両に取り付けられたときの前後方向をX軸方向(図1において右斜め下側を正)、鉄道車両に取り付けられたときの幅方向をY軸方向(図1において右斜め上側を正)、鉄道車両に取り付けられたときの高さ方向をZ軸方向(図1において、上側を正)とする。
図2を併せて参照すると、略角筒形状の側梁部材11は、胴部111a及び111bと、平板117及び118とからなる。胴部111a及び111bは、プレス等により屈曲加工された鋼板である。より詳細には、胴部111aは、X−Z平面上でX軸に沿って延びる側壁113aの上下縁から+Y方向に向けて延びる上壁112a、下壁114aを備えてなり、横断面(Z−Y断面)で見ると略コの字形状をなしている。胴部111aは鏡像関係にある形状の胴部111bとその開口部を互いに向かい合わせて、各胴部の上壁112a及び上壁112b同士、並びに下壁114a及び下壁114b同士をつき合せてその当接部を溶接される。なお、下壁114a及び下壁114bには、胴部111aの長手方向の両端部から中央部に向けて斜め下方に向かうようにそれぞれ傾斜部が形成されている。溶接された胴部111a及び111bには、これらを組み合わせた両端の開口部を閉塞するように平板117及び118を接合される。
側梁部材11は、その側壁113aに貫通穴115a及び116aを備え、また、その側壁113bに貫通穴115b及び116bを備えている。側壁113aの貫通穴115a及び116aは、X軸方向に沿って互いに離間し、且つ、下壁114aの両傾斜部の間に位置する。側壁113bの貫通穴115b及び116bはそれぞれ貫通穴115a及び116aに対向する位置に設けられる。また、側壁113aには、後述するバルブ孔119が平板117と貫通穴115aとの間に設けられている。
側梁部材12も、側梁部材11と同様の構造を有するので、その詳細説明は省略する。側梁部材11及び12は、側壁113bと側壁123bとを対向させてY軸方向に互いに離間して、その長手方向をX軸方向と平行にして配置される。
図3を併せて参照すると、横梁部材13及び14は、円筒形状の鋼管に、その両端の開口部を閉塞するように円形の平板を溶接して形成される。かかる鋼管は矩形の鋼板の対辺を屈曲加工して付き合わせ、突き合わせ部を溶接して形成されるが、押し出し材などを使用しても構わない。
再び図1乃至図3を参照すると、横梁部材13は、その一端部が側梁部材11の貫通穴115aから115bを貫通するように、側梁部材11に挿着される。横梁部材13と貫通穴115a及び115bとの接合部は、それぞれ全周に亘って溶接されている(特に図3参照)。横梁部材13の他端部は、側梁部材12の貫通穴125bから125aを貫通するように、側梁部材12に挿着される。横梁部材13と貫通穴125a及び125bとの接合部は、それぞれ全周に亘って溶接されている。
同様に、横梁部材14も、その両端をそれぞれ側梁部材11の貫通穴116aから116bへ、また、側梁部材12の貫通穴126bから126aと挿入されて、各接合部は全周溶接されている。以上により、溶接連結された側梁部材11及び12並びに横梁部材13及び14は、平面視して井桁状に配置される。
横梁部材13及び14の−Y側の端部はまくらばね受け18aに、+Y側の端部はまくらばね受け18bに、それぞれ覆われている。まくらばね受け18a及び18bの上部には、鉄道車両の車体の底部を支持するまくらばねである空気ばね40a及び40bがそれぞれ接続されている。後述するように、空気ばね40a及び40bの内部の空気室は、まくらばね受け18a及び18b内部の補助空気室に連通する。
互いに略平行に配置された横梁部材13及び14の間には、つなぎ梁部材15及び16が互いに所定の距離を置いてその長手方向をX軸方向に沿うように配置される。このつなぎ梁部材15及び16は、その断面を矩形形状とする鋼管からなる。つなぎ梁部材15の両開口部は、横梁部材13及び14の円筒側面に当接させて、その当接面全周に亘り溶接される。
側梁部材11の両端には、バネ箱17a及び17bがそれぞれ溶接されている。同様に、側梁部材12の両端には、バネ箱17c及び17dがそれぞれ溶接されている。バネ箱17a乃至17dは、下方に開口する箱状の鋼材からなり、鉄道車両の車軸軸受けに支持されるバネをその内部に収容する。
図4に示すように、横梁部材13は、その一端の側壁部に連結孔191を備え、連結孔191は、横梁部材13及び側梁部材11の閉空間同士を連結する。さらに、横梁部材13は、その略中央の側壁部に横梁部材13及びつなぎ梁部材15の閉空間同士を連結する図示しない連結孔をも備える。これにより、側梁部材11、横梁部材13、及びつなぎ梁部材15の閉空間同士を連結させた台車枠閉空間19aが形成されるのである。同様に、横梁部材14は、その一端と略中央との側壁部にそれぞれ図示しない連結孔を備え、かかる連結孔により、横梁部材14及び側梁部材12の閉空間同士と、横梁部材14及びつなぎ梁部材16の閉空間同士とを連結する。これにより、側梁部材12、横梁部材14、及びつなぎ梁部材16の閉空間同士を連結させた台車枠閉空間19bが形成される。
図1及び図5を参照すると、側梁部材11の側壁113aには、組立台車枠10の外部から台車枠閉空間19までを貫通するバルブ孔119が備えられる。バルブ孔119内面には螺刻がなされている。バルブ孔119には圧力調整可能なエアバルブ31aが螺合され、外部に対して台車枠閉空間19aの気密が保たれているのである。同様に、側梁部材12の側壁123aに設けられたバルブ孔129(図2参照)には、エアバルブ31b(図8参照)が螺合され、外部に対して台車枠閉空間19bの気密が保たれている。
エアバルブ31aは、バルブ本体32と取り付けベース部34とで構成される。バルブ本体32の一端はその外周を螺刻され、後述する圧力測定装置21の取り付けを可能とする。バルブ本体32の他端には取り付けベース部34が設けられている。取り付けベース部34は、六角形状のフランジ部35と凸部36とからなり、凸部36はその外周を螺刻されている。この凸部36は、ガスケット37を挟んでバルブ孔119に螺合される。バルブ本体32は、公知の自動車タイヤ用バルブなどと同じ内部構造を有するので、その説明は省略する。側梁部材12に螺合されたエアバルブ31bについても同様である。
ここで、図6に示すように、空気ばね40aの内部である空気室41aは、まくらばね受け18aの内部である閉空間で構成される補助空気室42aとオリフィス43aによって連通されている。空気室41aは略円筒形のゴム筒で囲まれ、主に上下に伸縮することで容積を変化し得る。空気室41aと補助空気室42aとの間にオリフィス43aを設けることで、空気の圧縮性及びゴムの伸縮性を利用するばねとしての特性と、オリフィス43aを流れる空気の圧力損失を利用した振動を減衰させる特性とを得ることができる。オリフィス43の内径は例えば13〜20mmである。
空気ばね40bについても、図示しないが、同様にその内部がオリフィスによってまくらばね受け18bの内部に備えられる補助空気室と連通されている。なお、空気ばね40a及び40b内部の空気室及び補助空気室には空気を送り込むための図示しないコンプレッサが接続されている。
図7に示すように、まくらばね受け18aの内部の補助空気室42aには、横梁部材13の端部が突出している。横梁部材13の突出端部近傍には細孔44aが設けられる。細孔44aは、まくらばね受け18a内部の補助空気室42aと台車枠閉空間19aとを連通させている。ここで、細孔44aの内径は空気ばね40aの性能に影響を与えないよう、例えば、空気ばね40aの動作に伴う補助空気室42aの圧力変化の如き、急激な圧力変化を台車枠閉空間19aに直接、伝達しないように小さく定め得る。換言すれば、細孔44aの内径は補助空気室42aの平均圧力を台車枠閉空間19aに与えるように定め得る。
具体的には、細孔44aの内径は、少なくともオリフィス43aの内径よりも小である。本実施例においては、細孔44aの内径はオリフィス43aの内径の約1/10であり、これは空気ばね40aの平均ばね定数などで変化し得る。
まくらばね受け18aと同様に、まくらばね受け18bについてもその内部の補助空気室には横梁部材14端部が突出している。その近傍には図示しない細孔が設けられ、補助空気室と台車枠閉空間19bとを連通させている。
次に、上記した組立台車枠10の亀裂検出システムの構成について説明する。
図8に示すように、亀裂検出システム100は、複数の組立台車枠10に螺合されたエアバルブ31a群及び31b群と、各エアバルブ31a及び31bに着脱自在に螺合される圧力測定装置21群と、モニター装置200と、を含む。
圧力測定装置21は、圧力検知装置である圧力センサ22と、送信機23と、ケース24(図5参照)と、を含む。シリコン・ダイヤフラム式の圧力センサ22は、気体の圧力を測定し得る。送信機23は、圧力センサ22の圧力測定結果を圧力信号として、後述する受信機201に無線で送信し得る。図5を併せて参照すると、ケース24は中空の円筒形状をなし、その一端には蓋部材が嵌合される。圧力センサ22及び送信機23は、ケース24の一端部に配設される。ケース24の他端は、ケース中心部近傍までの深さを有する開口凹部25が凹設され、その凹部側壁を螺刻され、バルブ本体32を螺合している。開口凹部25の底面28には円筒形状の突起部26が設けられ、その側壁には小孔29が開口している。小孔29は、底面28に近接して配置される圧力センサ22まで連通する。突起部26の周囲には、底面28に当接するようにガスケット27が設けられる。
モニター装置200は、受信機201とモニタ202と記録計203とからなり、受信機201は、鉄道車両編成毎に設けても良く、送受信状態によっては車両毎あるいは組立台車枠毎に設けても構わない。
更に、上記した亀裂検出システム100の使用方法について詳述する。
鉄道車両は運行に供用された後、車庫内に入庫され停車される。図1、図6及び図7を参照すると、乗務員等は空気ばね40aに接続される図示しないコンプレッサを停止させる。コンプレッサの停止により、運行に供用中において空気ばね40aに供給されていた空気の供給が停止する。さらに、乗務員等は組立台車枠10の亀裂検出システム100を作動させ、鉄道車両を静置する。亀裂検出システム100の作動により、圧力測定装置21内の圧力センサ22は、台車枠閉空間19a及び19b内の圧力の継続的な測定を開始する。
図8を併せて参照すると、圧力センサ22は検知した圧力を電気信号に変換し、同信号を送信機23に送る。送信機23は、同信号をデジタル処理して圧力信号とし、これを受信機201に向けて送信する。受信機201は、該信号を受信し、所定の信号処理を施した上で処理済信号をモニタ202に送る。モニタ202は、台車枠閉空間19a及び19b内の圧力値を文字等によりその画面上に表示する。表示された圧力値は車両の点検員等によって監視され得る。また、かかる圧力値はモニタ202に接続された記録計203に所定の時間間隔で記録される。記録された圧力値は、運行前検査において点検され得る。
このように、鉄道車両が庫に停車中にあっては、空気ばね40aは働いておらず、これによる空気室41a、補助空気室42a及び台車枠閉空間19aの圧力変化はない。ここで、台車枠閉空間19aにおいて、内部と外部とをつなぐ微小な貫通亀裂が存在する場合に、かかる亀裂より空気が漏洩するため圧力が低下する。かかる圧力の低下を上記した圧力センサ22により検知し、その結果、貫通亀裂を検出できる。補助空気室42aに同様の貫通亀裂が存在する場合には、補助空気室42aの圧力が低下し、細孔44aを通じて台車枠閉空間19aの圧力を低下させるから、これも検出できる。台車枠閉空間19b、及びこれと連通する補助空気室においても同様に亀裂を検出できる。
また、上記のように鉄道車両がコンプレッサを停止させて長時間静止している場合においては、圧力センサ22による亀裂の検出に併せて、空気ばね40a又は40bの高さの変化によって、すなわち車両のわずかな傾きとしても組立台車枠に発生した亀裂を検出し得る。例えば、台車枠閉空間19aから外部に連通する亀裂が発生した場合、かかる亀裂から外部に空気が漏洩し、細孔44aを通じて補助空気室42a及び空気室41aの圧力が徐々に低下する。そして、空気ばね40aの高さが低くなり、車両が空気ばね40bから40aに向けた方向に傾くのである。かかる傾きを検出するため、空気ばね40a及び40bの近傍には台車枠10と車両との距離を測定するセンサを備える。
上記について、コンプレッサの停止後にあっては、台車枠閉空間19aの圧力は自然減により徐々に低下する。200l程度の容積の台車枠閉空間19aにおいて、この圧力低下を亀裂による圧力変化に換算すれば、最大で開口面積0.003mm程度の亀裂による圧力変化と等価であると換算された。つまり、かかる大きさよりも開口面積の大きい亀裂は、コンプレッサの停止後にあっても圧力変化として、また空気ばね40a又は40bの高さの変化(容積の変化)として検出できるのである。一方、一般的に鉄道車両で問題とされる亀裂は、0.003mm程度よりも大きい、例えば、0.04mm程度の開口面積を有するものであるから、鉄道車両が車庫に入庫している間において、台車枠閉空間19a又は19bの圧力の低下、あるいは、空気ばね40a又は40bの高さの変化による車両の傾きとして、これを十分に検出できるのである。
更に、上記した台車枠10の貫通亀裂を検出する方法は、鉄道車両の走行安定性に影響を及ぼすような大きさの亀裂の検出を対象とするものではない。すなわち鉄道車両の走行安定性に影響を与えない程度の0.04mm程度の開口面積の小さい貫通亀裂の検出を対象としており、亀裂を通過する空気の流量は少ない。
ところで、亀裂検出システム100を備えた鉄道車両の運行供用中において、コンプレッサは稼働しており、空気室41a及び補助空気室42aには必要に応じて空気が供給される。補助空気室42aと連通する台車枠閉空間19aにも細孔44aを通じて空気が供給される。つまり、上述の圧力変化により亀裂を検出する方法において必要となる圧力を、空気ばね40aのコンプレッサにより、予め台車枠閉空間19aに負荷しておくことができる。
ここで台車枠閉空間19aと外部とをつなぐ微小な貫通亀裂が発生すると、台車枠閉空間19aから亀裂を通じて外部に空気が流出する。しかし、コンプレッサの稼働中は、細孔44aを通じて台車枠閉空間19aに流出した空気と同量の空気が供給されるため、亀裂によって空気ばね40aの特性に影響を与えることはなく、鉄道車両の走行安定性に影響を及ぼすこともない。
本実施例によれば、組立台車枠10の側梁部材11及び/又は横梁部材13は少なくとも気体を封入可能に区切られた台車枠閉空間19を有し、その内部圧力を検知するための圧力測定装置21を与えられる。この側梁部材11近傍に配置される空気ばね40a又は40bとオリフィスを介して連結される補助空気室を与えられるとともに、補助空気室と台車枠閉空間19との間にはオリフィスの断面よりも小なる断面の細孔を与えられる。
これによれば、空気ばね40a又は40bからの圧力変化を与えられる組立台車枠10であっても、入庫から出庫までの庫に停車中にあっては、台車枠閉空間19a又は19bの圧力の低下、あるいは、空気ばね40a又は40bの高さ(容積)の変化によって、すなわち車両のわずかな傾きとして発生した亀裂を検出することが出来る。つまり、磁粉探傷法や渦電流探傷法のような台車枠10の外表面を走査する非破壊検査方法によることなく、効率的に亀裂を検出できるのである。また、運行に供用中においては、台車枠閉空間19a又は19bに発生した亀裂によって、空気ばね40a又は40bの特性に影響を与えることがない。
なお、例えば、細孔の代わりに逆止弁を設けてもよい。空気ばねに接続されるコンプレッサにより台車枠閉空間に空気を供給できて、庫に停車中でも亀裂の検出を可能とし、また走行中における空気ばね40aの特性に影響を与えることもない。しかし、本実施例のように、逆止弁を設けるまでもなく、細孔を設けることで亀裂の検出が可能である。
他の実施例として、空気ばね40a及び40bをそれぞれ側梁部材11及び12に接続し、空気ばね40a及び40bの内部の各空気室とそれぞれ連通する補助空気室を側梁部材11及び12の内部に備えるようにしてもよい。この場合、各空気室と側梁部材11及び12の内部の各補助空気室は、それぞれオリフィスによって連通される。各補助空気室は、それぞれ側梁部材11及び12の内部の一部を占めて他部に対して仕切られており、細孔によって他部と連通する。ここで、台車枠閉空間は側梁部材11内部の他部、横梁部材13内部及びつなぎ梁部材15内部と、側梁部材12の他部、横梁部材14内部及びつなぎ梁部材16内部との2つから構成される。かかる実施例においては、上記した実施例と同様に組立台車枠に発生した亀裂を検出する効果を損なうことなく、組立台車枠のサイズをコンパクトにし得る。
上記した実施例として、補助空気室は各所に設けられ得る。例えば、横梁部材13及び14の内部に設けてもよい。
ここまで本発明による代表的な実施例及びこれに伴う変形例について述べたが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、適宜、当業者によって変更され得る。すなわち、当業者であれば、添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、種々の代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
10 組立台車枠
11、12 側梁部材
13、14 横梁部材
15、16 つなぎ梁部材
19a、19b 台車枠閉空間
21 圧力測定装置
31a、31b エアバルブ
40a、40b 空気ばね
42a 補助空気室
43a オリフィス
44a 細孔
100 亀裂検出システム

Claims (5)

  1. 鋼板を屈曲加工した梁部材を溶接して組み立てられ、2本の側梁部材を略平行に配置しこれらの間に2本の横梁部材を渡して略井桁状にした組立台車枠であって、
    前記側梁部材及び/又は前記横梁部材は少なくとも一部に気体を封入可能に区切られた小区画を有し、前記小区画はその内部圧力を検知するための圧力検知装置を与えられ、
    前記側梁部材近傍に配置される空気ばねとオリフィスを介して連結される補助空気室を与えられるとともに、前記補助空気室と前記小区画との間には前記オリフィスの断面よりも小なる断面の連通口を与えられていることを特徴とする鉄道車両の組立台車枠。
  2. 前記補助空気室は前記側梁部材の内部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両の組立台車枠。
  3. 鋼板を屈曲加工した梁部材を溶接して組み立てられ、2本の側梁部材を略平行に配置しこれらの間に2本の横梁部材を渡して略井桁状にした組立台車枠に生じる亀裂を検出するためのシステムであって、
    前記側梁部材及び/又は前記横梁部材は少なくとも一部に気体を封入可能に区切られた小区画を有し、前記小区画はその内部圧力を検知するための圧力検知装置を与えられ、
    前記側梁部材近傍に配置される空気ばねとオリフィスを介して連結される補助空気室を与えられるとともに、前記補助空気室と前記小区画との間には前記オリフィスの断面よりも小なる断面の連通口を与えられ、
    更に、
    前記組立台車枠と離れて位置するモニター装置と、
    前記圧力検知装置に接続されて前記モニター装置に向けて信号を送出する送信機と、を含むことを特徴とする鉄道車両の組立台車枠の亀裂検出システム。
  4. 空気ばねの高さを検出する車両高さ検出装置を有することを特徴とする請求項3記載の亀裂検出システム。
  5. 前記補助空気室は前記側梁部材の内部に設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の亀裂検出システム。
JP2010130857A 2010-06-08 2010-06-08 鉄道車両の組立台車枠及びその亀裂検出システム Expired - Fee Related JP5357835B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010130857A JP5357835B2 (ja) 2010-06-08 2010-06-08 鉄道車両の組立台車枠及びその亀裂検出システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010130857A JP5357835B2 (ja) 2010-06-08 2010-06-08 鉄道車両の組立台車枠及びその亀裂検出システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011255754A JP2011255754A (ja) 2011-12-22
JP5357835B2 true JP5357835B2 (ja) 2013-12-04

Family

ID=45472443

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010130857A Expired - Fee Related JP5357835B2 (ja) 2010-06-08 2010-06-08 鉄道車両の組立台車枠及びその亀裂検出システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5357835B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104691569A (zh) * 2013-12-05 2015-06-10 南车青岛四方机车车辆股份有限公司 转向架及其构架
JP6615505B2 (ja) * 2015-06-17 2019-12-04 東日本旅客鉄道株式会社 磁粉探傷検査装置
WO2017029721A1 (ja) * 2015-08-19 2017-02-23 株式会社日立製作所 鉄道車両用台車
JP6642917B2 (ja) * 2016-06-30 2020-02-12 公益財団法人鉄道総合技術研究所 鉄道車両用中空車軸の損傷検出システム
JP6697352B2 (ja) * 2016-08-22 2020-05-20 川崎重工業株式会社 鉄道車両用台車
JP6796470B2 (ja) * 2016-12-01 2020-12-09 株式会社日立製作所 鉄道車両用台車およびその製造方法
JP7277748B2 (ja) * 2019-07-22 2023-05-19 日本製鉄株式会社 鉄道車両用台車および鉄道車両
CN113799836B (zh) * 2020-08-14 2023-03-21 中车唐山机车车辆有限公司 一种轨道车辆及其转向架
CN113063710B (zh) * 2021-02-24 2022-11-08 上海市市政工程管理咨询有限公司 一种用于桥梁工程的桥梁裂缝测量装置
CN114084184B (zh) * 2021-09-26 2023-07-25 中车青岛四方机车车辆股份有限公司 构架以及转向架、轨道车辆

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000302377A (ja) * 1999-04-19 2000-10-31 Hitachi Constr Mach Co Ltd 建設機械および亀裂検出装置
JP2001215178A (ja) * 2000-02-03 2001-08-10 Nkk Corp 構造物の亀裂検知方法及びその装置
JP3840477B2 (ja) * 2004-03-01 2006-11-01 泉陽機工株式会社 軌条の亀裂検査方法及び軌条装置
JP2008055952A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Tokyu Car Corp 鉄道車両台車用の構造物及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011255754A (ja) 2011-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5357835B2 (ja) 鉄道車両の組立台車枠及びその亀裂検出システム
JP5305399B2 (ja) 鉄道車両の組立台車枠及びその亀裂検出システム
EP2277037A2 (en) Method of and an apparatus for in situ ultrasonic rail inspection of a railroad rail
ES2556824T3 (es) Procedimiento de detección de un defecto o defectos en una vía de ferrocarril, y un vehículo ferroviario para ser usado en un procedimiento de este tipo
CN106442736B (zh) 用于单轴压缩测量含瓦斯煤冲击倾向性指标及声学特征的试验装置、试验系统和试验方法
KR101370630B1 (ko) 차량용 액슬하우징 누수검사장치
CN110206999B (zh) 智能巡检膜密封煤气柜及膜密封煤气柜智能巡检系统
JP2006275954A (ja) 軸受監視システム、及び軸受監視プログラム
JP4871415B1 (ja) 車載バッテリー用ベントプラグの検査方法
AU2020435919B2 (en) Rolling search unit for ultrasonic railroad rail inspection
JP6642917B2 (ja) 鉄道車両用中空車軸の損傷検出システム
JP2018090171A (ja) 状態監視装置
KR101060854B1 (ko) 브레이크 디스크를 포함한 허브의 스플라인 검사장치
CN111289196B (zh) 弹性元件振动传递测试装置及系统
KR20160034497A (ko) 초음파 탐상장치
CN208187696U (zh) 一种改进型阀类检测台
US20200132537A1 (en) Load sensing system for a railway truck assembly
KR100287706B1 (ko) 에어 크리너 검사장치
JP2010032413A (ja) 測定装置および鉄道車両
JP3840477B2 (ja) 軌条の亀裂検査方法及び軌条装置
WO2011030412A1 (ja) コンテナ応力検知装置及びこれを備えたトレーラー
KR101131431B1 (ko) 촉매품질 테스트장치 및 그 테스트방법
CN207922989U (zh) 一种用于电磁阀壳体开窗后的检查治具
JPH01224634A (ja) 空気洩れ検査方法並びにその装置
JP2001215178A (ja) 構造物の亀裂検知方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120501

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120809

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20120809

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130815

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130816

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130830

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees