JP6615505B2 - 磁粉探傷検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁粉探傷検査装置に関し、特に鉄道車両の台車枠のキズを検査するのに好適な磁粉探傷検査装置に関するものである。
鉄道車両の台車には、走行駆動装置としてのモータやブレーキ装置が組み付けられているものがあり、このような台車においては、モータやブレーキ装置を構成するキャリパが台車枠にそれぞれ設けられた受け座と呼ばれる部位に取り付けられる。受け座は台車枠の表面から突出あるいは盛り上がるように形成されるとともに、モータは重量の大きな機材であり重量による大きな曲げモーメントが受け座に作用する一方、キャリパの受け座には制動時に加わる力による大きな曲げモーメントが作用する。そのため、これらの受け座の基部すなわち受け座と台車枠表面との結合部には、多大な曲げ応力が作用し亀裂が生じやすい。
従来、受け座の基部に発生する亀裂を早期に発見するため、磁粉探傷装置が用いられている。磁粉探傷装置は、周知のように、磁性材表面を磁化し、その前又は後に磁粉を散布して、割れ等の傷が存在すると、その形状に応じて磁極が発生して磁粉の分布密度が変化して模様が形成される現象を利用して、検査部位を磁化しつつ磁粉を散布して紫外線照射により蛍光磁粉模様を観察して探傷を行うものである。
なお、鉄道車両の台車は複雑な構造物であるため、従来は、取り扱いの容易なコの字状をなすヨーク式磁粉探傷器が用いられることが多かった。
特開2006−242762号(特許第4409465号)公報 特開平5−34318号公報
しかしながら、ヨーク式磁粉探傷器を使用する場合、台車のように探傷領域が広くまた探傷したい部位が湾曲していることが多いため、検査箇所に応じてヨークを何度も当て直す必要があり、作業が煩雑で時間も長くかかっていた。また、本発明者らが検査対象としている新幹線の車両の台車にあっては、モータやキャリパの受け座の基部の近傍に圧縮空気等を供給する管が車軸と平行な方向に複数本配設されている(図3参照)。そのため、この配管が邪魔となって磁粉探傷器のヨークの先端を所望の部位に接触させることが困難な箇所があり、その場合わざわざ配管を取り外して検査しなくてはならないという課題があった。
ところで、従来、磁粉探傷装置に関する発明としては、例えば特許文献1や特許文献2に開示されているものがある。
このうち、特許文献1に開示されている発明は、鉄道車両の車輪に磁極としての4個のローラーを取り付けた4極型の磁粉探傷器を装着し、車輪と磁粉探傷器を相対的に変位させることにより、車輪踏面の全周、かつ全方位の踏面キズの磁粉探傷を行なう鉄道車輪踏面の磁粉探傷検査装置に関するものである。
特許文献2に開示されている発明は、容器等に取付けられた管の溶接部等の欠陥を発見するために工夫された磁粉探傷器であり、スティック状の磁化部を被検査体の一端に接近させて被検査体を磁化するとともに磁束を被検査体の表面上の長手軸に沿って端部から反対端まで誘導させ、被検査部に磁粉を散布して磁束分布の乱れ等を検出するというものである。
本発明は、特許文献2の発明が解決しようとする課題と同じような課題も解決するものである。すなわち、特許文献2の図11に示されているように、コの字状をなすヨーク式磁粉探傷器を用いて容器等に取付けられた管の基部の溶接部の欠陥を発見する探傷検査を行おうとすると、ヨークの先端を所望の部位に接近させることが困難であるため、検査が行なえないという課題である。
上記のような課題を解決するため、特許文献2の発明は、スティック状の磁化部を被検査体の一端に接近させて被検査体を磁化するとともに磁束を被検査体の表面上の長手軸に沿って端部から反対端まで誘導させるようにしている。しかるに、特許文献2の発明の検査対象は、容器等に取付けられた管の溶接部であるため、上記のような構成が有効であるが、本発明の検査対象である鉄道車両の台車枠に設けられているモータやブレーキ構成部品を取り付ける受け座の基部の検査には適用することが困難である。
本発明は、上記のような背景の下になされたもので、鉄道車両の台車枠に設けられているモータやブレーキ構成部品を取り付ける受け座の周辺部の亀裂を検査するのに好適な磁粉探傷検査装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、
磁性材からなる検査対象物の探傷検査部位を磁化し、その表面に散布された磁粉の模様を観察することでキズの有無を検出する検査に使用する磁粉探傷検査装置であって、
検査対象物の表面より突出している突出部をコアもしくはコアの一部として利用して、前記突出部の基部周辺に磁力線を波及可能なコイルを内蔵した磁化ヘッドを備え
前記突出部の基部周辺のキズを磁粉探傷可能であるようにした。
上記のような手段によれば、検査対象物の探傷検査部位の近傍の構造が複雑であったり、探傷検査部位の周辺に作業の邪魔になる配管その他の部品が設けられている場合にも、検査対象物ある突出部をコアもしくはコアの一部として利用して、探傷検査部位である突出部の基部周辺を磁化させることができるため、磁粉探傷法によるキズの有無を検出する検査を行うことができる。
ここで、望ましくは、検査対象物は鉄道車両の台車枠であり、前記突出部は前記コイルの軸方向長さよりも長い突出量を有しブレーキ装置もしくはその構成部品を取り付けるための部品受け座であり、前記磁化ヘッドは、コアを内蔵しない空芯コイル方式の磁化ヘッドとして構成され、前記コイルの内側に前記突出部が挿通可能な開口部を有するように構成する。
かかる構成によれば、ブレーキ装置もしくはその構成部品を取り付けるための部品受け座は台車枠からの突出量がコイルの軸方向長さよりも長いため、磁化ヘッドがコアを内蔵しない空芯コイル方式の磁化ヘッドであっても、探傷検査部位である部品受け座の基部周辺を磁化させて検査することができる。
また、望ましくは、前記磁化ヘッドには、前記部品受け座が有する凹部に係合可能な係止部を設ける。
ブレーキ装置もしくはその構成部品(キャリパ)を取り付けるための部品受け座には、軽量化のための開口や部品を固定するボルトが挿通される穴、係止用の凹部等が設けられるので、これらの凹部等に係合可能な係止部を磁化ヘッドに設けることにより、検査の際に磁化ヘッドを部品受け座に係止するための手段が不要となり、容易に検査作業を行うことができる。
さらに、検査対象物は鉄道車両の台車枠であり、
前記突出部は、取付け面を有する主壁体と、該主壁体と交差する方向の側壁体と、を備え、走行駆動装置もしくはその構成部品を取り付けるための部品受け座であり、
前記磁化ヘッドは、一部が突出したコア体を内蔵し、前記コア体の先端部は前記突出部の前記主壁体に面接触可能な形状に形成され、前記主壁体の縁部に前記コア体の先端部が接触された状態では前記側壁体が前記コア体と連続した磁芯として作用して、前記突出部の基部周辺を通過する磁力線を形成可能に構成するようにしてもよい。
かかる構成によれば、磁化ヘッドは一部が突出したコア体を内蔵しコア体の先端部は突出部の前体に面接触可能な形状に形成されているため、主壁体と側壁体との交差部位に前記コア体の先端部が接触された状態にされると、部品受け座の側壁体が前記コア体と連続した磁芯として作用して探傷検査部位である部品受け座の基部周辺を磁化させて、磁粉探傷法によりキズの有無を検査することができる。また、鉄道車両の台車枠においては、走行駆動装置(モータ)もしくはその構成部品を取り付けるための部品受け座は、取付け面を有する主壁体および該主壁体と交差する方向の側壁体を備えた突出部として構成されるので、上記構成により、モータの受け座の基部周辺を磁粉探傷法により検査することができる。
ここで、望ましくは、前記磁化ヘッドを搭載可能な支持台を有するフレームと、前記磁化ヘッドの姿勢を変換可能な姿勢変換手段と、前記磁化ヘッドの高さを調整可能な高さ調整手段と、を備え、前記磁化ヘッドの姿勢を変換することで、前記コア体の先端部を前記突出部の異なる部位に接触可能に構成されたヘッド搬送手段を設ける。
かかる構成によれば、走行駆動装置(モータ)もしくはその構成部品を取り付けるための部品受け座が、主壁体としての前壁と該前壁の縁部から該前壁と交差する方向に形成された側壁体としての側壁や上壁を有するような形状である場合に、磁化ヘッドの姿勢と高さを変えて部品受け座の前壁の複数の縁部に接触させることができるため、1つの磁化ヘッドでモータ用の部品受け座の複数の探傷検査部位をそれぞれ磁化させて、検査することができる。
さらに、望ましくは、前記ヘッド搬送手段は、前記フレームの上部に設けられ前記磁化ヘッドの上方側へ延設する天板と、該天板の下面に取り付けられた光源と、前記天板の周縁部より垂下される暗幕とを備えるようにする。
これにより、検査を行う作業場が明るい場所である場合にも、検査対象物の探傷検査部位の近傍を暗くすることができ、磁粉探傷法によりキズの有無を検査することができる。
本発明によれば、鉄道車両の台車枠に設けられているモータやブレーキ構成部品を取り付ける受け座の周辺部の亀裂を検査するのに好適な磁粉探傷検査装置を実現することができるという効果が得られる。
本発明の実施形態に係る磁粉探傷検査装置を構成するモータ受け座用の磁化ヘッドの構成例を示すもので、(A)は後方側から見た斜視図、(B)は平面図、(C)は背面図である。 本発明の実施形態に係る磁粉探傷検査装置を構成するキャリパ受け座用の磁化ヘッドの構成例を示すもので、(A)は前方側から見た斜視図、(B)は後方側から見た斜視面、(C)は正面図である。 本発明の実施形態に係る磁粉探傷検査装置が使用される新幹線車両の台車の構成例を示す平面図である。 図3の台車を構成する台車枠の構成を示す平面図および正面図である。 実施形態の磁粉探傷検査装置を構成する磁化ヘッドの具体的な使用状態を示すもので、(A)はキャリパ受け座用の磁化ヘッドの使用状態を示す概略斜視図、(B)はモータ受け座用の磁化ヘッドの使用状態(横姿勢)を示す概略斜視図、(C)はモータ受け座用の磁化ヘッドの使用状態(縦姿勢)を示す概略斜視図である。 実施形態の磁粉探傷検査装置を構成する磁化ヘッドの具体的な使用状態を示す台車枠要部の概略斜視図である。 実施形態の磁粉探傷検査装置を構成するモータ受け座用の磁化ヘッド(図1)を移動させるヘッド搬送台車の構成例を示す全体斜視図である。 図7のヘッド搬送台車においてモータ受け座用磁化ヘッドを縦姿勢に変換した状態を示す背面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る磁粉探傷検査装置の実施形態について、詳細に説明する。なお、以下に説明する磁粉探傷検査装置は、図3に示すような新幹線車両用の台車のモータおよびブレーキ構成部品であるキャリパを取り付ける受け座の周辺部の亀裂を検査することに向けて設計されたものである。また、以下の説明では、モータを取り付ける受け座をモータ受け座、キャリパを取り付ける受け座をキャリパ受け座と称する。
図1は、本実施形態の磁粉探傷検査装置を構成するモータ受け座用の磁化ヘッド10の一例を示すもので、(A)は後方側から見た斜視図、(B)は平面図、(C)は背面図である。
図1に示すように、モータ受け座用の磁化ヘッド10は、箱状をなすヘッドケース11と、該ケース11の側壁外面に設けられた一対の取っ手12A,12Bと、ヘッドケース11の後壁11aの中央に形成された開口部11bより端部が突出したプレート状のコア(鉄芯)13とを備え、コア13は断面L字状の一対の取付具14A,14Bによってヘッドケース11の後壁11aに固定されている。なお、図1の磁化ヘッド10においては、コア13は磁性材料で構成され、前壁11aは非磁性材料で構成されている。
また、コア13の先端には、テーパ面13aが形成されており、先端に向かって断面積を減少させることで磁力線密度を高めるとともに、台車側のモータ受け座との接触面積が小さくされることで、充分な接触圧が得られるようになっている。さらに、図1の磁化ヘッド10は、図1(B)に破線で示すように、コア13の後端側がヘッドケース11の内部まで延設されているとともに、図1(C)に破線で示すように、コア13を囲繞するコイル15がヘッドケース11の内部に設けられ、単一磁化方式のヘッドとして構成されている。そして、ヘッドケース11の前壁11cには、コイル15に電流を流すケーブル(図示省略)の端部が接続される一対のコネクタ端子16A,16Bが設けられている。
図2は、キャリパ受け座用の磁化ヘッド20の一例を示すもので、(A)は前方側から見た斜視図、(B)は後方側から見た斜視面、(C)は正面図である。
図2に示すように、キャリパ受け座用の磁化ヘッド20は、箱状をなすヘッドケース21と、該ヘッドケース21の上壁外面に設けられた取っ手22と、ヘッドケース21の後壁21aに下向きに設けられた係止部としての引っかけ金具23とを備え、ヘッドケース21には前後に貫通するように開口部21Aが形成されている。
また、図2(C)に破線で示すように、開口部21Aを囲繞するコイル25がヘッドケース21の内部に設けられ、空芯コイル方式の磁化ヘッドとして構成されている。そして、ヘッドケース21の前壁21bには、該コイル25に電流を流すケーブル(図示省略)の端部が接続される一対のコネクタ端子26A,26Bが設けられている。
キャリパ受け座は台車枠からの突出量がコイルの軸方向長さよりも長いため、磁化ヘッドがコアを内蔵しない空芯コイル方式の磁化ヘッドであっても、受け座に嵌合させた際に受け座がコアとして作用して、探傷検査部位である突出部の基部周辺を磁化させることができる。また、上記のように、引っかけ金具23を設けることにより、検査の際に磁化ヘッドを部品受け座に取り付けるための手段が不要となり、容易に検査作業を行うことができる。
続いて、図1および図2の磁化ヘッドを用いて亀裂を探傷する検査対象としての台車枠と探傷部位について説明する。
図3は新幹線車両の台車を上方から見た平面図であり、31A,31Bは車軸、32A〜32Dは車軸31A,31Bの両端に取り付けられた車輪である。また、33A,33Bは走行駆動装置としてのモータ、34A〜34Dはブレーキ構成部品であるキャリパ、35A,35Bはエアクッション(空気バネ)である。
図4(A)は図3の台車から車輪32A〜32Dやモータ33A,33B、キャリパ34A〜34D等の部品を取り外した状態の台車枠30を上方から見た平面図、図4(B)は台車枠30を前方側から見た正面図である。
台車枠30は、磁性材である鉄鋼で形成されており、図4(A)に示されているように、両端に前記車軸31A,31Bを支承するための軸受け35A〜35Dを有する互いに平行な一対のサイドフレーム(縦梁)36A,36Bと、サイドフレーム36A,36B間に横架された互いに平行な一対のメインフレーム(横梁)37A,37Bと、メインフレーム37A,37B間に横架された一対のサブフレーム(連結梁)38A,38Bと、を備える。
上記メインフレーム37A,37Bはそれぞれ円筒状をなしており、その両端部のサイドフレーム36A,36Bとの結合部の近傍に、キャリパ34A〜34Dを取り付けるためのキャリパ受け座39A〜39Dが設けられている。また、サイドフレーム36A,36Bの中央からやや外側にずれた部位には、モータ33A,33Bを取り付けるためのモータ受け座39E,39Fが設けられている。キャリパ受け座39A〜39Dにはキャリパ34A〜34Dが、またモータ受け座39E,39Fにはモータ33A,33Bがそれぞれボルトとナットによって固定される。
キャリパ受け座39A〜39Dは、先端側に向かってやや下り傾斜するように設けられ、軽量化を図るため中央には開口部39aがそれぞれ形成されている。図2に示すキャリパ受け座用の磁化ヘッド20の引っかけ金具23は、この開口部39aに係合される。より詳細に説明すると、磁化ヘッド20は、その開口部21Aに例えばキャリパ受け座39Cが挿入されるように移動させた後、上方から引っかけ金具23をキャリパ受け座39Cの開口部39aに挿入させるようにして係合させる。
これにより、キャリパ受け座39Cは、内部にコイル25を有する磁化ヘッド20のコアとして機能することとなる。その結果、図5(A)に示すように、キャリパ受け座39Cの基部すなわちメインフレーム37Bとの結合部に、コイル25に電流を流すことで発生した磁力線が届くようになり、キャリパ受け座39Cの基部に磁粉液を散布した際に亀裂等のキズを視覚的に検出し易くなる。図5(A)において、点線P1で囲まれた部分が探傷領域である。なお、磁粉液には蛍光磁粉が含まれており、後述のように、磁粉液を散布した部位にブラックライト等により紫外線を照射することで見え易くすることができる。
図6には、キャリパ受け座39Cに磁化ヘッド20を取り付け、モータ受け座39Fの上縁部に磁化ヘッド10のコア13の先端を当接させた状態が示されている。ただし、実際の作業では、磁化ヘッド20と磁化ヘッド10が同時に台車枠30に対して用いられることはなく、別々に使用される。
モータ受け座39E,39Fは、正面視ほぼ矩形のトレー状をなしており、軽量化を図るため複数の開口部39bがそれぞれ形成されている。
本実施形態におけるモータ受け座用の磁化ヘッド10は、後壁より突出するコア13の先端が、モータ受け座39E,39Fの前壁の上縁または前壁の左縁部または右縁部にそれぞれ当接された状態で、内部のコイル15に電流が流される。これによって、磁化ヘッド10のコア13とモータ受け座39Eまたは39Fの上壁または側壁とが連続したコアとして機能し、図5(B),(C)に示すように、コイル15で発生した磁力線がモータ受け座の基部の探傷領域P2,P3まで届くようになり、亀裂等のキズを検出することができる。
なお、図4(B)において、モータ受け座39Fにハッチングが付されている部位が、磁化ヘッド10のコア13の先端が当接される部位である。この図面から分かるように、モータ受け座39E,39Fの基部を、図1の磁化ヘッド10を用いて探傷する場合、ヘッドを水平姿勢と垂直姿勢に変換しながら3回に分けて、コア13の先端をモータ受け座の前壁に当接させてコイル15に電流を流す作業を行うことで、それぞれの領域における亀裂の検出が可能となる。
また、モータ受け座39E,39Fは台車枠からの突出量が少ないが、上記のように磁化ヘッド10が後壁から一部が突出したコア13を内蔵しコア13の先端部がモータ受け座の前壁に面接触可能な形状に形成されているため、モータ受け座39E,39Fの前壁の縁部にコア13の先端部が接触された状態ではモータ受け座の上壁や側壁がコア13と連続した磁芯として作用して探傷検査部位である部品受け座の基部周辺を磁化させて、磁粉探傷法によりキズの有無を検査することができる。
図6には、キャリパ受け座39Cに磁化ヘッド20を取り付け、モータ受け座39Fの上縁部に磁化ヘッド10のコア13の先端を当接させた状態が示されている。ただし、実際の作業では、磁化ヘッド20と磁化ヘッド10が同時に台車枠30に対して用いられることはなく、別々に使用される。
上記のように、検査対象物の探傷検査部位の近傍の構造が複雑であったり、探傷検査部位の周辺に作業の邪魔になる部品が設けられている場合にも、図1の磁化ヘッド10や図2の磁化ヘッド20によれば、検査対象物ある突出部をコアもしくはコアの一部として利用して、探傷検査部位である前記突出部の基部周辺を磁化させることができるため、磁粉探傷法によりキズの有無を検査することができる。
次に、上記モータ受け座用の磁化ヘッド10を、モータ受け座39E,39Fの前壁の上縁または前壁の左縁部と右縁部に順次当接させて、効率よく探傷検査作業を行えるように開発したヘッド搬送台車について、図7を用いて説明する。
図7に示すヘッド搬送台車40は、縦長な金属製の本体フレーム41と、該本体フレーム41の下部に設けられた箱状の支持台42と、該支持台42の上に昇降可能に載置された可動テーブル43と、本体フレーム41の上部に設けられた天板44を備える。本体フレーム41の上部に天板44を設けているのは、該天板44の下面にブラックライトを設け周縁部より暗幕を吊り下げることによって、磁化ヘッド10による探傷部を暗くした状態で紫外線を照射して蛍光磁粉を発光させ、キズを視認し易くするためである。
本実施形態のヘッド搬送台車40においては、上記支持台42の下面にキャスター45が設けられ、装置全体が移動可能に構成されているとともに、支持台42の上部と可動テーブル43の下面との間には、例えばボールネジやXリンク等を備えた昇降機構46が設けられており、後部(図7では手前側)に設けられたハンドル47を手動で回転させることで可動テーブル43を上昇させたり下降させたりすることができるように構成されている。Xリンク方式の昇降機構は公知であるので、詳しい構成の図示および説明は省略する。
上記可動テーブル43の上面には、2本の脚部48A,48Bを有し磁化ヘッド10を回動可能に保持する保持体48と、該保持体48を支持する支持ブロック49と、保持体48を貫通するように挿入される回動中心軸50と、該回動中心軸50の両端部を支持する一対の支持プレート51A,51Bとが設けられている。また、支持プレート51A,51Bには、磁化ヘッド10を左方向へ回動させる際に回動中心軸50が挿通される嵌合穴51a(図8参照)と、磁化ヘッド10を右方向へ回動させる際に回動中心軸50が挿通される嵌合穴51bが形成されている。図7には表われないが、保持体48の脚部48A,48Bにも回動中心軸50が挿通される嵌合穴がそれぞれ形成されている。図8には、このうち脚部48Bの嵌合穴48bが示されている。
上記磁化ヘッド10を、図5(B)のように、モータ受け座39Fの上縁部に接触させて基部を探傷する場合には、磁化ヘッド10は図7に示すように、水平な姿勢で保持体48上に載置される。一方、上記磁化ヘッド10を、図5(C)のように、モータ受け座39Fの側縁部に接触させて探傷する場合には、図8に示すように、保持体48の脚部48Aに回動中心軸50が挿通され、磁化ヘッド10を右方向(図7では左方向)へ90度回動させることで垂直姿勢した状態で保持体48上に載置される。
なお、保持体48の脚部48Bの先端外側面には、回動を容易にするため、テーパ面48cが形成されている。図示しないが脚部48Aの先端部も同様である。モータ受け座39Fの反対側の側壁基部を探傷する場合には、保持体48の脚部48Bと支持プレート51A,51Bの嵌合穴51b(図8参照)に回動中心軸50を挿通させ、磁化ヘッド10を左方向へ90度回動させることで垂直姿勢した状態で保持体48上に載置される。
上記のように、図7のような構成のヘッド搬送台車40を備えた磁粉探傷検査装置によれば、1つの磁化ヘッド10で、モータ受け座の複数(実施例では3箇所)の探傷検査部位を磁化させて、検査することができる。
また、図7のヘッド搬送台車40は、フレーム41の上部に磁化ヘッドの上方側へ延設する天板44と、該天板の下面に取り付けられた光源(ブラックライト)と、前記天板の周縁部より垂下される暗幕とを備えるため、検査を行う作業場が明るい場所である場合にも、検査対象物の探傷検査部位の近傍を暗くすることができ、磁粉探傷法によりキズの有無を検査することができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、モータ(走行駆動装置)とブレーキ装置の両方が取り付けられる台車の受け座基部を探傷する装置に適用した場合について説明したが、モータまたはブレーキ装置の一方が取り付けられる台車の受け座基部、モータやブレーキ装置以外であって大きな重量もしくは荷重が作用する部位であって台車枠表面より突出している箇所の基部を探傷する場合にも適用することができる。
10 モータ受け座用の磁化ヘッド
11 ヘッドケース
13 コア(鉄芯)
15 コイル
20 キャリパ受け座用の磁化ヘッド
21 ヘッドケース
23 引っかけ金具(係止部)
25 コイル
30 台車枠
31A,31B 車軸
36A,36B サイドフレーム(縦梁)
37A,37B メインフレーム(横梁)
38A,38B サブフレーム(連結梁)
39A〜39D キャリパ受け座(部品受け座)
39E,39F モータ受け座(部品受け座)
40 ヘッド搬送台車
41 本体フレーム
42 支持台
43 可動テーブル
46 昇降機構
50 回動中心軸

Claims (6)

  1. 磁性材からなる検査対象物の探傷検査部位を磁化し、その表面に散布された磁粉の模様を観察することでキズの有無を検出する検査に使用する磁粉探傷検査装置であって、
    検査対象物の表面より突出している突出部をコアもしくはコアの一部として利用して、前記突出部の基部周辺に磁力線を波及可能なコイルを内蔵した磁化ヘッドを備え
    前記突出部の基部周辺のキズを磁粉探傷可能であることを特徴とする磁粉探傷検査装置。
  2. 検査対象物は鉄道車両の台車枠であり、前記突出部は前記コイルの軸方向長さよりも長い突出量を有しブレーキ装置もしくはその構成部品を取り付けるための部品受け座であり、前記磁化ヘッドは、コアを内蔵しない空芯コイル方式の磁化ヘッドとして構成され、前記コイルの内側に前記突出部が挿通可能な開口部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の磁粉探傷検査装置。
  3. 前記磁化ヘッドには、前記部品受け座が有する凹部に係合可能な係止部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の磁粉探傷検査装置。
  4. 検査対象物は鉄道車両の台車枠であり、
    前記突出部は、取付け面を有する主壁体と、該主壁体と交差する方向の側壁体と、を備え、走行駆動装置もしくはその構成部品を取り付けるための部品受け座であり、
    前記磁化ヘッドは、一部が突出したコア体を内蔵し、前記コア体の先端部は前記突出部の前記主壁体に面接触可能な形状に形成され、前記主壁体の縁部に前記コア体の先端部が接触された状態では前記側壁体が前記コア体と連続した磁芯として作用して、前記突出部の基部周辺を通過する磁力線を形成可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁粉探傷検査装置。
  5. 前記磁化ヘッドを搭載可能な支持台を有するフレームと、前記磁化ヘッドの姿勢を変換可能な姿勢変換手段と、前記磁化ヘッドの高さを調整可能な高さ調整手段と、を備え、前記磁化ヘッドの姿勢を変換することで、前記コア体の先端部を前記突出部の異なる部位に接触可能に構成されたヘッド搬送手段を設けたことを特徴とする請求項4に記載の磁粉探傷検査装置。
  6. 前記ヘッド搬送手段は、前記フレームの上部に設けられ前記磁化ヘッドの上方側へ延設する天板と、該天板の下面に取り付けられた光源と、前記天板の周縁部より垂下される暗幕とを備えることを特徴とする請求項5に記載の磁粉探傷検査装置。
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