JP5357380B2 - 気相流動層式反応装置、多槽重合反応装置及びポリオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

気相流動層式反応装置、多槽重合反応装置及びポリオレフィン重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、気相流動層式反応装置、多槽重合反応装置及びポリオレフィン重合体の製造方法に関する。
近年、オレフィン重合用触媒の改良によりオレフィン重合体の生産能力が飛躍的に向上し、その結果、重合後における触媒除去操作を省略できるようになった。こうした高活性触媒を用いるときには、オレフィン重合を気相状態で行う方法が、重合後の操作の簡便さの点から多く採用されている。
このような気相重合には、気固系流動層を利用した気相流動層式反応装置が広く用いられている。気相流動層式反応装置は、通常、反応容器下部に孔を多数有する板(以下「ガス分散板」という。)を備えており、原料ガスはこのガス分散板から反応容器内部に流入し、重合触媒が投入された流動層での重合反応に供される。そして、重合触媒の存在下でオレフィンが重合し、重合触媒の廻りにオレフィン重合体が形成され、オレフィン重合体粒子が生成する。このようにして生成したオレフィン重合体粒子は、反応容器の下部に設けられた抜出口から抜き出される。
上記の気相流動層式反応装置の反応容器としては、直円筒形状を有する縦型の反応容器が一般的である。また、流動層から反応容器上部の内壁へのオレフィン重合体粒子の飛散の防止を目的として、反応容器の内径をその上部に向けて漸次大きくした構造を有する反応容器も知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平10−279612号公報
しかしながら、上述した反応容器を備える従来の気相流動層式反応装置においては、流動層内部において十分に成長していないオレフィン重合体粒子と十分に成長したオレフィン重合体粒子との混合状態が形成されるため、目的の十分に成長したオレフィン重合体粒子と共に未成長のオレフィン重合体粒子が反応容器から排出される現象(以下「ショートパス」という。)が、特に連続気相重合を行った場合に起こりやすくなる。
すなわち、従来の反応容器において、底部のガス分散板から流入するガスは、重合体粒子を浮遊させるわけであるが、一般に当該ガスは気泡となり、気泡同士の合体を繰り返して成長しながら流動層の中央部(反応容器の軸線側)に集まり上昇する傾向にある。そのため、中央部を上昇する重合体粒子と内壁に沿って下降する重合体粒子との対流が生じ、この対流により十分に成長した重合体粒子と未成長の重合体粒子とが均一に混合され、抜出口を反応容器の底部に設けても、未成長の重合体粒子が、抜出口から排出されてしまう。
このようにして得られるオレフィン重合体は、重合触媒の触媒活性の経時的な変化などに起因してポリマー構造上均一性に乏しくなることがあり、また、重合触媒が本来有する性能を十分に発現されていないものとなる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、気相重合を行った場合には、ポリマー構造上の均一性に優れる重合体を製造することが可能な気相流動層式反応装置、多槽重合反応装置及びポリオレフィン重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、反応容器内において、その下部に設けられたガス分散板から、該ガス分散板の上方に形成される流動層に、ガスを流入させて反応を行う気相流動層式反応装置であって、反応容器は、ガス分散板の上方におけるガスの流路が所定位置に狭隘部を有するように構成されたものであり、狭隘部の下方から上方に渡って流動層を形成して用いることを特徴とする気相流動層式反応装置(以下便宜的に「第1の反応装置」という。)を提供する。
ここで、本発明における「狭隘部」とは、ガス分散板に垂直な直線に沿って反応容器のガス分散板よりも上方側を見たとき、ガス分散板に平行なガスの流路の断面積(以下、場合により単に「断面積」という。)が単調減少した後で単調増加する領域において、当該断面積の最小値を与える部分を意味する。なお、ガスの流路の断面積は、単調減少した後直ちに単調増加してもよく、あるいは、単調減少した後しばらく最小値のまま推移し、その後単調増加してもよい。前者の場合は単調減少領域との境界の部分が狭隘部であり、また、後者の場合は断面積が最小値のまま推移する部分が狭隘部である。また、ガスの流路における狭隘部の個数は1つであっても複数であってもよい。さらに、ガスの流路が複数の狭隘部を有する場合、狭隘部同士の断面積の大小関係は特に制限されない。
上記第1の反応装置が備える反応容器は、上述の通り、ガス分散板の上方におけるガスの流路が所定位置に狭隘部を有するように構成されている。ここで、狭隘部よりも下方の領域では、ガスの流路が流入方向に沿って先細りするように形成されるため、ガス分散板から流入するガスが流動層の中央部(内壁から遠い部分)だけでなく内壁近傍においても十分な流速をもって上昇し、このガスの流れにより流動層を構成する粒子(以下「流動層粒子」という。)を質量のより小さい流動層粒子が流動層のより上層に位置するように浮遊させることができる。
また、狭隘部よりも上方の領域では、ガスの流路が流入方向に沿って先太りするように形成されるが、この領域では中央部を上昇する流動層粒子と内壁に沿って下降する流動層粒子との対流が生じ、この対流によって質量が小さい流動層粒子を狭隘部よりも上方の領域に均一に且つ安定的に滞留させることができる。
上記第1の反応装置により気相重合を行う場合、流動層粒子中の重合触媒を主成分とする粒子は、当初、質量が小さい粒子であるため、狭隘部よりも上方の領域に滞留する。そして、気相重合の進行により、重合触媒の廻りに重合体(ガスがオレフィンの場合は、オレフィン重合体)が形成され、流動層粒子の質量が増加していく。
そして、気相重合の進行により流動層粒子の質量が増加すると、当該流動層粒子は下降して狭隘部よりも下方の領域へと移動するが、狭隘部よりも下方の領域では流動層粒子の対流が抑制されているため、流動層粒子の偏析が起こりやすく、十分に成長した流動層粒子を反応容器の下部から選択的に抜き出すことができる。
このように、上記第1の反応装置によれば、気相重合を行う際に、ポリマー構造上の均一性に優れる重合体を安定的に得ることが可能となる。
上記第1の反応装置においては、反応容器が狭隘環状であり、ガス分散板が円盤状であり、反応容器とガス分散板とが同軸を中心として配置されていることが好ましい。ここで、「狭隘環状」とは、環状であって、ガスの流路が狭隘部を有するように所定位置が縊れている形状を意味する。この「狭隘環状」にはいわゆる「鼓状」などが包含される。
反応容器が狭隘環状であると、狭隘部よりも下方の領域において、反応容器の内壁近傍に存在する流動層粒子を安定的に浮遊させることにより、質量のより小さい流動層粒子が流動層のより上層に位置するように浮遊させることができ、また、狭隘部よりも上方の領域において、質量が小さい流動層粒子を一層均一に且つ安定的に滞留させることができる。
また、本発明は、反応容器内において、その下部に設けられたガス分散板から、該ガス分散板の上方に形成される流動層に、ガスを流入させて反応を行う気相流動層式反応装置であって、反応容器内において、ガス分散板の上方におけるガスの流路が所定位置に狭隘部を有するための狭隘部材を備え、狭隘部の下方から上方に渡って流動層を形成して用いることを特徴とする気相流動層式反応装置(以下便宜的に「第2の反応装置」という)を提供する。
上記第2の反応装置は、ガス分散板の上方におけるガスの流路が所定位置に狭隘部を有するための狭隘部材を備える点で、反応容器により狭隘部を有するガスの流路が形成される第1の反応装置と相違するが、狭隘部よりも下方の領域では、ガスの流路が流入方向に沿って先細りするように形成される点、及び狭隘部よりも上方の領域では、ガスの流路が流入方向に沿って先太りするように形成される点は同様である。
したがって、当該第2の反応装置においても、狭隘部よりも下方の領域では、ガス分散板から流入するガスが流動層の中央部だけでなく内壁近傍においても十分な流速をもって上昇し、このガスの流れにより流動層粒子を安定的に浮遊させることができる。
また、当該第2の反応装置においても、狭隘部よりも上方の領域では、中央部を上昇する流動層粒子と内壁に沿って下降する流動層粒子との対流が生じ、この対流によって質量が小さい流動層粒子を狭隘部よりも上方の領域に均一に且つ安定的に滞留させることができる。
更に、当該第2の反応装置においても、気相重合を行う場合、気相重合の進行により流動層粒子の質量が増加すると、当該流動層粒子は下降して狭隘部よりも下方の領域へと移動するが、狭隘部よりも下方の領域では流動層粒子の対流が抑制されているため、流動層粒子の偏析が起こりやすく、十分に成長した流動層粒子を反応容器の下部から選択的に抜き出すことができる。
このように、上記第2の反応装置によれば、気相重合を行う際に、ポリマー構造上の均一性に優れる重合体を安定的に得ることが可能となる。
また、上記狭隘部材は容易に脱着することが可能であるため、反応容器として既製の円筒型のものを用いることができ、この反応容器の形態及びガスの流入速度等に応じて上記狭隘部材の配置する位置を調整することも可能である。
上記気相流動層式反応装置において、狭隘部材が狭隘環状であり、ガス分散板が円盤状であり、狭隘部材とガス分散板とが同軸を中心として配置されていることが好ましい。
これにより、狭隘部よりも下方の領域において、反応容器の内壁近傍に存在する流動層粒子を安定的に浮遊させることにより、質量のより小さい流動層粒子が流動層のより上層に位置するように浮遊させることができ、また、狭隘部よりも上方の領域において質量が
小さい流動層粒子を一層均一に且つ安定的に滞留させることができる。
したがって、上記気相流動層式反応装置は、ガス分散板から流入するガスにより、流動層粒子を十分に浮遊させて、質量が小さい粒子を、ガスの流路の狭隘部よりも上方側により均一に且つ安定的に滞留させることができ、質量が大きい粒子を、ガスの流路の狭隘部よりも下方側により安定的に滞留させることができる。
上記第1及び第2の反応装置は、流動層粒子の中でも、質量が小さい粒子を、主にガスの流路の狭隘部よりも上方側に均一に且つ安定的に滞留させることができ、流動層粒子の中でも、質量が大きい粒子を、主にガスの流路の狭隘部よりも下方側に安定的に滞留させることができるため、流動層粒子の質量が変化する反応、例えば、オレフィン等の気相重合反応等の流動層粒子の質量が反応の進行により大きくなる反応、石炭のガス化反応やゴミの燃焼反応等の流動層粒子の質量が反応の進行により小さくなる反応といった流動層を形成する粒子の重量変化を伴う気固反応に、好適に用いられる。気相重合反応、特に、ガス分散板から、ガス分散板の上方に形成される流動層に、反応ガスを流入させて気相重合を行う反応により好適に用いられる。また、これらの反応においては、特に連続反応に好適に用いられる。
上記第1及び第2の反応装置において、質量が小さい粒子を反応容器に導入し、質量が大きい粒子を反応容器から抜き出す反応の場合は、導入口を、ガスの流路の狭隘部と流動層上面との間に有し、抜出口を、ガスの流路の狭隘部よりも下方に有することが好ましく、質量が大きい粒子を反応容器へ導入し、質量が小さい粒子を反応容器から抜き出す反応の場合は、導入口を、ガスの流路の狭隘部よりも下方に有し、抜出口を、ガスの流路の狭隘部と流動層上面との間に有することが好ましい。
また、上記第1及び第2の反応装置を用いて気相重合反応を行う場合、第1及び第2の反応装置は、反応容器内に重合触媒を導入する導入口を、ガスの流路の狭隘部と、流動層上面との間に有し、反応ガスの気相重合により生成する重合体を反応容器から抜き出す抜出口を、ガスの流路の狭隘部よりも下方に有することが好ましい。
気相重合反応の場合、重合触媒を導入する導入口が上記狭縊部よりも上方に設けられているため、導入された重合触媒及び十分に成長していない重合体粒子などの質量が小さい流動層粒子が流動層の下方にまで落下することをより抑制することができる。このことにより、上記第1及び第2の反応装置において、ショートパスをより確実に抑制することができ、流動層粒子を効率よく且つ十分に成長させることができ、ポリマー構造上の均一性に優れる重合体を製造することができる。さらには導入した重合触媒を十分に機能させることができる。また、抜出口が狭縊部より下方に設けられているため、十分に成長した流動層粒子を抜出口から容易に且つ確実に抜き出すことができる。
また、本発明は、複数の反応装置を備え、かつ、複数の反応装置が上記第1又は第2の反応装置を1つ以上含むことを特徴とする多槽重合反応装置を提供する。
本発明の多槽重合反応装置の好ましい例としては、第1又は第2の反応装置の上流側に、バルク重合反応装置、スラリー重合反応装置及び円筒型気相流動層式反応装置から選ばれる少なくとも一つの反応装置が設けられており、第1又は第2の反応装置の下流側に、円筒型気相流動層式反応装置が設けられている多槽重合反応装置を挙げることができる。
また、本発明は、上記第1又は第2の反応装置、あるいは第1又は第2の反応装置を備える上記本発明の多槽重合反応装置を用いたオレフィン重合体の製造方法であって、第1又は第2の反応装置において、流動層の上面が狭隘部よりも上方に配置されるように、ガス分散板から流動層に反応ガスを流入させ、該反応ガスの気相重合によりオレフィン重合体を得ることを特徴とするオレフィン重合体の製造方法を提供する。
上記本発明のオレフィン重合体の製造方法においては、第1又は第2の反応装置のガスの流路の狭隘部よりも下方側で、ガス分散板から流入するガスが反応容器の内壁に沿って上昇し、流動層の中央部(内壁から遠い部分)だけでなく内壁近傍においても流動層粒子を安定的に浮遊させることができる。また、ガスの流路の狭隘部よりも上方側では、流動層の上面が狭隘部よりも上方にあり、主として流動層の中央部をガスが押し上げることとなるため、その周辺部の流動層粒子は流動層の中央部から外部に向けて対流が生じる。そして、十分に成長した流動層粒子は、質量が大きくなるにしたがって落下し、抜出口から抜き出される。したがって、上記本発明のオレフィン重合体の製造方法によれば、ショートパスを抑制しつつ、流動層粒子を効率よく且つ十分に成長させることができ、ポリマー構造上の均一性に優れるオレフィン重合体を製造することができる。
上記本発明のオレフィン重合体の製造方法においては、反応ガスとして少なくとも1種以上のオレフィンガスを含有するものを用い、反応ガスの気相重合によりオレフィン重合体を得ることが好ましい。
反応ガスとして1種のオレフィンガスを用いる場合は、ポリマー構造上の均一性をより向上させたオレフィン単独重合体を製造することができる。また、反応ガスが2種以上のオレフィンガス含有する場合は、ポリマー構造上の均一性をより向上させたオレフィン共重合体を製造することができる。
本発明によれば、気相重合を行った場合には、ポリマー構造上の均一性に優れる重合体を製造することが可能な気相流動層式反応装置、該気相流動層式反応装置を備える多槽重合反応装置、並びにそれらの反応装置を用いたオレフィン重合体の製造方法を提供することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係る気相流動層式反応装置(第1の反応装置)10について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る気相流動層式反応装置10を模式的に示す断面図であり、ガス分散板及び反応容器の回転軸を含み且つガス分散板に垂直な平面で気相流動層式反応装置を切断したときの断面図である。図1に示すように、本実施形態の気相流動層式反応装置10は、反応容器11aと、反応容器の下部に設けられたガス分散板12と、反応容器11a内において、当該分散板12の上方に形成され、流動層粒子からなる流動層13とを備えている。また、上記反応容器11aは、当該ガス分散板12の上方におけるガスの流路が所定位置に狭隘部14を有するように構成され、上記流動層13は、上記狭隘部14の下方から上方に渡って形成されている。
上記第1実施形態に係る気相流動層式反応装置10において、気相流動層式反応装置10に流入口(図示しない)から流入するガスは、ガス分散板12の面方向に均一に分散されて、反応容器内に流入する。このとき、当該反応容器11aは、上記ガス分散板12の上方におけるガスの流路が所定位置に狭隘部14を有するように構成されているため、狭隘部14よりも下方の反応容器11aでは、ガス分散板12から流入するガスは反応容器11aの内壁17aに沿っても上昇することになり、流動層13の中央部(内壁から遠い部分)だけでなく内壁17a近傍においても流動層粒子を安定的に浮遊させることになる。
そして、流動層13の上面が狭隘部14よりも上方にあるため、ガスの流路の狭隘部14に合体を繰り返して集まったガスは、狭隘部より上方では再び分散されることなく、流動層13の中央部を上昇することとなる。したがって、ガスの流路の狭隘部14よりも上方側では、主として流動層の中央部をガスが押し上げることとなるため、その周辺部の流動層粒子は流動層の中央部から外部に向けて対流が生じ、その結果、流動層粒子の中でも、質量が小さい粒子を、ガス流路の狭隘部14よりも上方側により均一に且つ安定的に滞留させることができる。
また、未反応のガスは、流動層13を越えてそのまま反応容器上方に設けられた排気管より排出される。このとき排出されるガスは循環させて再び流入口に導くことにより、再利用してもよい。
第1実施形態に係る気相流動層式反応装置10によれば、気相重合反応の場合、流動層を構成する流動層粒子を十分に成長させることができ、この十分に成長した流動層粒子は、質量が大きくなるにしたがって落下し、抜出口から抜き出されるため、ショートパスを抑制しつつ、流動層粒子を効率よく且つ十分に成長させることができ、ポリマー構造上の均一性に優れる重合体を製造することができる。
次に各部について更に詳細に説明する。
(ガス分散板)
本実施形態において用いられるガス分散板12は、平面状の板に貫通した孔が複数設けられた構造を有し、一の面から他の面にガスが通り抜けるようになっている。このときの当該孔の数や位置については、特に限定されない。また、上記ガス分散板の配設位置は反応容器の下部である。したがって、流入口から流入するガスは、ガス分散板を通過して上昇することとなる。また、ガス分散板には、パウダー落下防止、或いはガス噴出し方向に指向性を持たせるために孔上にキャップ等を設けてもよい。
このガス分散板は、ガスをガス分散板12の面方向に分散させることができる。このことにより、分散されたガスは、より広範囲に流入させることができるため、流動層粒子の中でも、質量が小さい粒子を、主にガスの流路の狭隘部よりも上方側により均一に且つ安定的に滞留させることができ、流動層粒子の中でも、質量が大きい粒子を、主にガスの流路の狭隘部よりも下方側により安定的に滞留させることができる。
(反応容器)
本実施形態の反応容器11aは、縦型の連続した内面構造を有し、上述したガス分散板が反応容器11aの下部に配置されている。
上記反応容器11a内部には、ガスの流路が形成されている。また、このガスの流路は狭隘部14を有する。この狭隘部14は、ガスの流路に少なくとも1箇所設けられていればよい。
図2(a)〜(g)は、本発明の気相流動層式反応装置に係る反応容器の例を示す模式断面図であり、ガス分散板及び反応容器の回転軸を含み且つガス分散板に垂直な平面で気相流動層式反応装置を切断したときの断面図である。これらの反応容器はいずれも狭隘環状であり、ガス分散板の上方におけるガスの流路が所定位置に狭隘部を有するように構成されている。
すなわち、ガス分散板12に垂直な直線に沿って反応容器のガス分散板12よりも上方側を見たとき、図2(a)に示す反応容器は、ガス分散板12に平行なガスの流路の断面の直径が単調減少した後直ちに単調増加する形状を有しており、当該断面の直径の最小値を与える部分が狭隘部14となっている。また、単調減少領域及び単調増加領域における断面の直径の変化量はいずれも一定である。図2(b)に示す反応容器は、ガス分散板12に平行なガスの流路の断面の直径が単調減少した後直ちに単調増加する形状を有しており、当該断面の直径の最小値を与える部分が狭隘部14となっている。また、単調減少領域における断面の直径の変化量は一定であるが、単調増加領域における断面の直径の変化量は上方側ほど小さい。図2(c)に示す反応容器は、ガス分散板12に平行なガスの流路の断面の直径が単調減少した後直ちに単調増加する形状を有しており、当該断面の直径の最小値を与える部分が狭隘部14となっている。また、単調減少領域における断面の直径の変化量は上方側ほど大きく、また、単調増加領域における断面の直径の変化量は上方側ほど小さい。図2(d)に示す反応容器は、ガス分散板12に平行なガスの流路の断面の直径が単調減少した後直ちに単調増加する形状を有しており、当該断面の直径の最小値を与える部分が狭隘部14となっている。また、単調減少領域における断面の直径の変化量は一定であるが、単調増加領域における断面の直径の変化量は上方側ほど大きい。図2(e)に示す反応容器は、ガス分散板12に平行なガスの流路の断面の直径が単調減少した後直ちに単調増加する形状を有しており、当該断面の直径の最小値を与える部分が狭隘部14となっている。また、単調減少領域における断面の直径の変化量は上方側ほど小さく、また、単調増加領域における断面の直径の変化量は上方側ほど大きい。図2(f)に示す反応容器は、ガス分散板12に平行なガスの流路の断面の直径が単調減少した後、しばらく最小値のまま推移し、その後単調増加する形状を有しており、この最小値のままで推移する部分が狭隘部14となっている。また、単調減少領域及び単調増加領域における断面の直径の変化量はいずれも一定である。図2(g)に示す反応容器は、図2(a)に示す反応容器の2個が軸方向に連なった形状で、2個の狭隘部14を有するガスの流路を形成している。
上記反応容器11aは狭隘環状を有していることが好ましい。この場合、ガス分散板12から流入するガスにより、流動層粒子の中でも、質量が小さい粒子を、主にガスの流路の狭隘部よりも上方側により均一に且つ安定的に滞留させることができ、流動層粒子の中でも、質量が大きい粒子を、主にガスの流路の狭隘部よりも下方側により安定的に滞留させることができる。
また、上記狭隘部14はガスの流路のガスの流れ方向、すなわちガスの流路の上下方向に複数設けられていてもよい。なお、このように狭隘部14を複数有する場合は、流動層上面は最も下部にある狭隘部14よりも上にあればよい。
本実施形態においては、反応容器11aがガス分散板12の上方におけるガスの流路が所定位置に狭隘部を有するように構成されているため、狭隘部14よりも下方のガスの流路では、ガス分散板12から流入するガスは反応容器11aの内壁17aに沿っても上昇することになり、流動層13の中央部(内壁から遠い部分)だけでなく内壁17a近傍においても流動層粒子を安定的に浮遊させることができる。
上記ガスの流路には流動層が形成されている。流動層は、上記狭隘部14の下方から上方に渡って形成されている。さらに、ガスの流路の狭隘部14よりも上方側では、主として流動層の中央部をガスが押し上げることとなるため、その周辺部の流動層粒子は流動層の中央部から外部に向けて対流が生じる。よって、気相重合の場合、導入された重合触媒及び十分に成長していない重合体粒子などの質量が小さい流動層粒子を、狭隘部14よりも上方側により均一に且つ安定的に滞留させることができ、流動層粒子を効率よく且つ十分に成長させることができる。
上記流動層は、流動層粒子からなるが、この流動層粒子は、気相重合の場合、重合触媒、及び、重合触媒により反応ガスを重合することによって得られる重合体粒子からなる。なお、上記流動層粒子の詳細については後述する。
上述したガス分散板12が円盤状であり、反応容器11aとガス分散板12とが同軸を中心として配置されていることが好ましい。ガスの流路が上記形態であると、ガス分散板から流入するガスにより、流動層粒子の中でも、質量が小さい粒子を、主にガスの流路の狭隘部よりも上方側により均一に且つ安定的に滞留させることができ、流動層粒子の中でも、質量が大きい粒子を、主にガスの流路の狭隘部よりも下方側により安定的に滞留させることができる。また、当該装置の施工上の問題からも上記配置であることが好ましい。
また、ガス分散板12の内径と、反応容器11aの最下面の内径は、略同一であることが好ましい。換言すれば、ガス分散板12を通過したガスが、反応容器内部全体に均一に広がるように、反応容器とガス分散板とを設計することが好ましい。
また、図1に示すように本実施形態の反応容器11aは、重合反応容器として用いる場合、反応容器11a内に重合触媒を導入する導入口15と、反応ガスの気相重合により生成する流動層粒子を反応容器11aから抜き出す抜出口16とを備える。
例えば、オレフィンの重合反応においては、上記導入口15から、導入された重合触媒或いは予備重合触媒は、ガス分散板を経て流動層内に流入するオレフィンガスにより重合反応を開始し、重合触媒或いは予備重合触媒の廻りにオレフィン重合体が形成されて、オレフィン重合体粒子(流動層粒子)となる。そして、オレフィン重合体粒子は重合反応により成長し、十分に成長したオレフィン重合体粒子は、反応容器の底部に設けられた抜出口16から抜き出されることとなる。
このとき、上記導入口15は、狭隘部14と、流動層上面との間に有し、上記抜出口16は、狭隘部14よりも下方に有することが好ましい。
この場合、重合触媒を導入する導入口15が上記狭縊部よりも上方に設けられているため、導入された重合触媒及び十分に成長していない重合体粒子などの質量が小さい流動層粒子が流動層の下方にまで落下することをより抑制することができる。このことにより、本実施形態の気相流動層式反応装置において、ショートパスをより確実に抑制することができ、さらには導入した重合触媒を十分に機能させることができる。また、抜出口16が狭縊部14より下方に設けられているため、十分に成長した流動層粒子を抜出口16から容易に且つ確実に抜き出すことができる。
上記狭隘部におけるガスの流路の断面積は、反応容器11aの最下面(ガス分散板12設置部)のガスの流路の断面積の0.1倍〜0.95倍であることが好ましく、0.2倍〜0.8倍であることがより好ましく、0.3倍〜0.6倍であることが更に好ましい。上記ガスの流路の断面積が、反応容器11aの最下面のガスの流路の断面積の0.1倍未満であると、上記範囲内にある場合に比べて、狭隘部におけるガス流速が非常に高くなり、反応容器外への流動層粒子の飛散が著しく多くなることがあり、0.95倍を超えると、上記範囲内にある場合と比べて、流動層内の流動層粒子の均一混合が促進され、ショートパスが起こり易くなることがある。
上記狭隘部(狭隘部が複数ある場合は、最も下部にある狭隘部)は、ガス分散板から流動層上面までの高さ(流動層の高さ)をHとした場合、ガス分散板からの高さが0.1H〜0.9Hである位置にあることが好ましく、ガス分散板からの高さが0.2H〜0.8Hである位置にあることがより好ましく、ガス分散板からの高さが0.3H〜0.7Hである位置にあることが更に好ましい。狭隘部が、ガス分散板から0.1H未満の高さ、あるいは、0.9Hを超える高さにあると、ショートパスが起こり易くなることがある。
(流動層粒子)
本実施形態で用いられる流動層粒子は、気相重合反応の場合、上述したように重合触媒、及び、重合触媒存在下、反応ガスが重合することによって得られる重合体粒子である。本実施形態の用いられる重合触媒としては、公知のオレフィン重合触媒を使用することができ、例えば、チタンとマグネシウムとハロゲンと電子供与体とを含有する重合触媒成分を包含する不均一系重合触媒、重合体の融点が概ね単一である重合体を生成する均一系触媒等が挙げられる。この均一系触媒としては、チタン、ジルコニウム等の遷移金属からなるメタロセン錯体やメチルアルミノキサン等の共触媒を多孔質シリカに担持した重合触媒等を挙げることができる。
上記重合触媒の質量平均粒径は、5μm〜150μmであり、重合触媒の反応容器外へ飛散を低減する観点から、10μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましい。
また、助触媒、有機アルミ化合物、活性促進剤、又は有機珪素化合物も上記のような触媒と共に使用することができる。典型的な助触媒及び活性促進剤は周知であり、例えば米国特許第4,405,495号公報、4,508,842号公報等に開示されているものを用いることがきる。さらに本実施形態の重合触媒は、流動化助剤、静電気除去添加剤のような添加剤を含んでいてもよい。なお、本実施形態の重合触媒は、重合体の分子量を調整するために、水素などの連鎖移動剤を併用することも可能である。
なお、重合触媒は、重合触媒を予め少量のオレフィン類で重合させたいわゆる予備重合触媒であってもよい。予備重合において用いられるオレフィン類としては、上述した気相重合で用いられるオレフィンが挙げられる。この場合1種類のオレフィンを単独で用いてもよく、2種類以上のオレフィンを併用してもよい。
予備重合触媒の製造方法としては、特に制限されないが、スラリー重合、気相重合等が挙げられる。この中でも好ましくはスラリー重合である。この場合、製造において経済的に有利となることがある。また、回分式、半回分式、連続式のいずれを用いて製造してもよい。
予備重合触媒の質量平均粒径は、5μm〜1000μmであり、重合触媒の反応容器外への飛散を低減する観点から、10μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましい。また、このとき、粒径が20μm以下、特に10μm以下の予備重合触媒は少ないほうが好ましい。
なお、重合触媒の導入は炭化水素溶媒等に懸濁させて導入してもよく、或いはモノマーガス、窒素等の不活性ガスに同伴させて導入してもよい。
本実施形態で用いられる反応ガスとしては、特に限定されないが、例えば、α−オレフィン等のオレフィン類、極性ビニルモノマー、ジエン、又はアセチレン等が挙げられる。これらの中でもオレフィン類を用いることが好ましい。オレフィン類であれば、気相重合反応に好適である。このようなオレフィン類としては、炭素数が2以上の直鎖状オレフィンや環状オレフィン等が挙げられ、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、シクロペンテン、シクロヘキセン等が挙げられる。この中でも、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンが好ましく、エチレン、プロピレン、1−ブテンが更に好ましい。
これらの化合物の1種類を重合して、単独重合体を製造してもよく、2種類以上を重合して共重合体を製造してもよい。また、1種類を重合して単独重合体とした後、引き続き2種類以上を重合して、ブロック共重合体とすることもできる。
本実施形態の気相流動層式反応装置を用いた気相重合は、実質的に水分が存在しない環境下で行うことが好ましい。水分が存在すると、重合触媒の重合活性が低下することがある。また、重合反応系内に酸素や二酸化炭素が存在すると、重合触媒の重合活性が低下することがある。
また、反応温度は、0℃〜120℃であることが好ましく、20℃〜100℃であることがより好ましい。反応温度が0℃未満であると、重合触媒の重合活性が低下することがあり、反応温度が120℃を超えると、流動層での流動層粒子の流動性が低下することがある。
反応圧力は、常圧〜10MPaであることが好ましく、0.2MPa〜8.0MPaであることがより好ましい。反応圧力が常圧未満であると、生産性が低下することがあり、反応圧力が10MPaを超えると、反応設備のコストが高くなることがある。
また、気相重合時の流動層式反応装置内のガス流速は、5cm/s〜150cm/sであることが好ましく、10cm/s〜100cm/sであることがより好ましい。上記ガス流速が5cm/s未満であると、流動層での流動層粒子の流動性が低下し、流動層粒子の塊ができることがあり、ガス流速が150cm/sを超えると、反応容器外への流動層粒子の飛散が多くなることや、ショートパスが起こり易くなることがある。
また、重合条件下での最小流動化速度をVmin(cm/s)とすると、流動層式反応装置内のガス流速はVmin以上Vmin+20cm/s未満であることが好ましく、Vmin+2cm/s以上Vmin+10cm/s未満であることがより好ましい。なお、流動層式反応装置内のガス流速が上記範囲外であると、流動層での流動層粒子の流動性が過剰に低くなり、あるいはガス流速が高過ぎてショートパスが起こりやすくなることがある。
ここで、最小流動化速度(流動化開始速度とも称される)Vminとは、流動層において、ガス流速を流動化状態まで増加させた後、徐々に減少させて流動層の圧力損失のガス流速依存性を求め、その際の流動層の圧力損失とガス流速とのプロットにおいて折点を与えるガス流速と定義される(鞭巌・森滋勝・堀尾正靭共著、「流動層の反応工学」、第19頁)。最小流動化速度Vminの影響因子としては、固形物の粒径及び嵩比重、ガスの密度及び粘度などが挙げられるが、最小流動化速度Vminは流動層の断面形状又は断面積に依存しない。
[第2実施形態]
次に、本発明の気相流動層式反応装置(第2の反応装置)20の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図3は、本発明の気相流動層式反応装置の第2実施形態を示す模式断面図であり、ガス分散板及び反応容器の回転軸を含み且つガス分散板に垂直な平面で気相流動層式反応装置を切断したときの断面図である。図3に示すように、本実施形態の気相流動層式反応装置20は、反応容器11bと、反応容器の下部に設けられたガス分散板12と、反応容器11b内において、当該分散板12の上方に形成され、流動層粒子からなる流動層13とを備えている。また、上記反応容器11bは、当該ガス分散板12の上方におけるガスの流路が所定位置に狭隘部14を有するための狭隘部材14aを有し、上記流動層13は、上記狭隘部14の下方から上方に渡って形成されている。
上記第2実施形態に係る気相流動層式反応装置20において、気相流動層式反応装置20に流入口(図示しない)から流入するガスは、ガス分散板12の面方向に分散されて、反応容器内に流入する。このとき、当該反応容器11bは、上記ガス分散板12の上方におけるガスの流路が所定位置に狭隘部14を有するための狭隘部材14aを有することで、ガス流路の狭隘部14よりも下方の反応容器11bでは、ガス分散板12から流入するガスは狭隘部材14aの内壁17bに沿っても上昇することになり、流動層13の中央部(内壁から遠い部分)だけでなく内壁17b近傍においても流動層粒子を安定的に浮遊させることになる。
そして、流動層13の上面が上記狭隘部14よりも上方にあるため、ガス流路の狭隘部14に合体を繰り返して集まったガスは、狭隘部より上方では再び分散されることなく、流動層13の中央部を上昇することとなる。したがって、ガス流路の狭隘部14よりも上方側では、主として流動層の中央部をガスが押し上げることとなるため、その周辺部の流動層粒子は流動層の中央部から外部に向けて対流が生じ、その結果、流動層粒子の中でも、質量が小さい粒子をガスの流路の狭隘部よりも上方側に流動層粒子をより均一に且つ安定的に滞留させることができる。
また、未反応のガスは、流動層13を越えてそのまま反応容器11b上方に設けられた排気管より排出される。このとき排出されるガスは循環させて再び流入口に導くことにより、再利用してもよい。
また、上記狭隘部材14aは容易に脱着することが可能であるため、反応容器11bとして既製の円筒型のものを用いることができ、この反応容器11bの形態及びガスの流入速度等に応じて上記狭隘部材14aの配置する位置を調整することも可能である。
第2実施形態に係る気相流動層式反応装置20によれば、気相重合反応の場合、流動層を構成する流動層粒子を十分に成長させることができ、この十分に成長した流動層粒子は、質量が大きくなるにしたがって落下し、抜出口から抜き出されるため、ショートパスを抑制しつつ、流動層粒子を効率よく且つ十分に成長させることができ、ポリマー構造上の均一性に優れる重合体を製造することができる。
(反応容器)
本実施形態の反応容器11bは、反応容器として既製の円筒型のものを用いることができる。この場合、従来の一般的な縦型直円筒状の反応容器11bの内面に狭隘部材14aを装着し、結果的に上述した第1実施形態に係る気相流動層式反応装置10と同等の効果を有する反応装置を作製することが可能である。したがって、本実施形態の気相流動層式反応装置20は、既存の反応容器を利用して、簡便に作成することができるから、第1実施形態に係る気相流動層式反応装置10よりも製造コスト削減の点から効果的である。
また、この反応容器11bの内面には、狭隘部材14aが装着される。この狭隘部材14aは、ガス分散板12の上方におけるガスの流路が所定位置に狭隘部14を有するような形状を有する。この狭隘部材14aの形状は、反応容器11b内部に装着可能であり、ガスの流路が狭隘部14を有していれば特に限定されない。例えば、円筒型の反応容器11bに狭隘部材を装着した場合、円筒型の反応容器11bと狭隘部材とにより形成されるガスの流路の形状が図2に示す反応容器におけるガスの流路と同様となるような狭隘部材の形状が挙げられる。また、この狭隘部材14aは、反応容器11b内部の少なくとも一部に設けられていればよいが、上記狭隘部材14aが狭隘環状を有していることが好ましい。この場合、ガス分散板12から流入するガスにより、流動層粒子の中でも、質量が小さい粒子を、主にガスの流路の狭隘部よりも上方側により均一に且つ安定的に滞留させることができ、流動層粒子の中でも、質量が大きい粒子を、主にガスの流路の狭隘部よりも下方側により安定的に滞留させることができる。
また、上記狭隘部材14aは容易に脱着することが可能であるため、この反応容器11bの形態及びガスの流入速度等に応じて上記狭隘部材14aの配置する位置を調整することも可能である。
なお、上記狭隘部材14aは、ガスの流路が複数の狭隘部を有するような構成としてもよく、ガスの流路が複数の狭隘部を有するように狭隘部材14a自体を反応容器11b内部に複数有していてもよい。このように狭隘部14を複数有する場合は、これらの狭隘部14のうち流動層上面は最も下部にある狭隘部14よりも上にあればよい。
本実施形態においては、狭隘部材14aがガス分散板12の上方におけるガスの流路が所定位置に狭隘部を有するように反応容器の内壁に沿って配置され、このガスの流路が狭隘部14を有するため、狭隘部14よりも下方のガスの流路では、ガス分散板12から流入するガスは狭隘部材14aの内壁17bに沿っても上昇することになり、流動層13の中央部(内壁から遠い部分)だけでなく内壁17b近傍においても流動層粒子を安定的に浮遊させることができる。
上記ガスの流路には流動層が形成されている。流動層は、上記狭隘部14の下方から上方に渡って形成されている。さらに、ガスの流路の狭隘部14よりも上方側では、主として流動層の中央部をガスが押し上げることとなるため、その周辺部の流動層粒子は流動層の中央部から外部に向けて対流が生じる。よって、気相重合反応の場合、導入された重合触媒及び十分に成長していない重合体粒子などの質量が小さい流動層粒子を、狭隘部14よりも上方側により均一に且つ安定的に滞留させることができ、流動層粒子を効率よく且つ十分に成長させることができる。
上述したガス分散板12が円盤状であり、狭隘部材14aとガス分散板12とが同軸を中心として配置されていることが好ましい。狭隘部材14aが上記形態であると、ガス分散板から流入するガスにより、流動層粒子の中でも、質量が小さい粒子を、主にガスの流路の狭隘部よりも上方側により均一に且つ安定的に滞留させることができ、流動層粒子の中でも、質量が大きい粒子を、主にガスの流路の狭隘部よりも下方側により安定的に滞留させることができる。また、当該装置の施工上の問題からも上記配置であることが好ましい。
また、ガス分散板12の内径と、反応容器11bの最下面の内径は、略同一であることが好ましい。換言すれば、ガス分散板12を通過したガスが、反応容器内部全体に均一に広がるように、反応容器とガス分散板とを設計することが好ましい。
上記狭隘部におけるガスの流路の断面積は、反応容器11bの最下面(ガス分散板12設置部)のガスの流路の断面積の0.1倍〜0.95倍であることが好ましく、0.2倍〜0.8倍であることがより好ましく、0.3倍〜0.6倍であることが更に好ましい。上記ガスの流路の断面積が、0.1倍未満であると、狭隘部におけるガス流速が非常に高くなり、反応容器外への流動層粒子の飛散が著しく多くなることがあり、0.95倍を超えると、流動層内の流動層粒子の均一混合が促進され、ショートパスが起こり易くなることがある。
上記狭隘部(狭隘部が複数ある場合は、最も下部にある狭隘部)は、ガス分散板から流動層上面までの高さをHとした場合、ガス分散板からの高さが0.1H〜0.9Hである位置にあることが好ましく、ガス分散板からの高さが0.2H〜0.8Hである位置にあることがより好ましく、ガス分散板からの高さが0.3H〜0.7Hである位置にあることが更に好ましい。狭隘部が、ガス分散板から0.1H未満の高さ、あるいは、0.9Hを超える高さにあると、ショートパスが起こり易くなることがある。
また、図3に示すように本実施形態の反応容器11bは、重合反応容器として用いる場合、反応容器11b内に重合触媒を導入する導入口15と、反応ガスの気相重合により生成する流動層粒子を反応容器11bから抜き出す抜出口16とを備える。
上記導入口15は、ガスの流路の狭隘部14と、流動層上面との間に有し、上記抜出口16は、ガスの流路の狭隘部14よりも下方に有することが好ましい。
この場合、重合触媒を導入する導入口15が上記狭縊部14よりも上方に設けられているため、導入された重合触媒及び十分に成長していない重合体粒子などの質量が小さい流動層粒子が流動層の下方にまで落下することをより抑制することができる。このことにより、本実施形態の気相流動層式反応装置20において、ショートパスをより確実に抑制することができ、さらには導入した重合触媒を十分に機能させることができる。また、抜出口16が狭縊部14より下方に設けられているため、十分に成長した流動層粒子を抜出口16から容易に且つ確実に抜き出すことができる。
なお、本発明の気相流動層式反応装置は、1つの反応装置を用いた単槽重合方法だけでなく、2つ以上の反応装置を直列に配置した多槽重合方法にも使用することができる。多槽重合方法の場合、直列に連結された反応装置のうちのいずれか1つが本発明の気相流動層式反応装置であればよく、その他の反応装置は別種の反応装置であってもよい。本発明の気相流動層式反応装置と併用される反応装置としては、気相流動層式反応装置の他、バルク重合反応装置、スラリー重合反応装置、溶液重合反応装置等であってもよい。バルク重合法とは、プロピレン等の液状のオレフィンを媒体として重合を行う方法であり、スラリー重合法及び溶液重合法とは、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の不活性炭化水素溶媒中で重合を行う方法である。
また、上記多槽重合方法の場合には、前槽から本発明の気相流動層式反応装置に搬送される十分に成長していない流動層粒子を重合触媒に置き換えることができる。
本発明の対象となる流動層は気固系流動層であるが、流動層内部に液が存在しても、反応装置内ガス容積に対し10%未満の少量であれば特に問題とならない。この場合でも本発明の気相流動層式反応装置においては、気固系流動層の流動化状態を示すことができる。
また、本発明の反応容器においては、反応容器の上部に拡大部、或いは撹拌翼を設けていてもよい。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る多槽重合反応装置100について、図4を参照してより具体的に説明する。
図4に示した多槽重合反応装置100は、3つの重合反応装置110、130、150がそれぞれ移送ライン119又は136を介して直列に配置された構成を有している。
3つの重合反応装置110、130、150のうち最も上流側に配置された重合反応装置110は、バルク重合反応装置であり、第1のオレフィン(例えばプロピレン)を重合するための反応装置である。重合反応装置110が備える反応容器111には、重合触媒導入ライン112から重合触媒が、アルキルアルミニウム化合物導入ライン113からアルキルアルミニウム化合物が、有機珪素化合物導入ライン114から有機珪素化合物が、オレフィン導入ライン115から第1のオレフィンが、水素導入ライン116から水素が、それぞれ連続的に供給されて第1のオレフィンの重合が行われる。
また、反応容器111の内部には撹拌機117が設けられており、第1のオレフィンの重合の際に反応容器111の内容物を撹拌することが可能となっている。また、反応容器111の外壁はジャケット118で覆われており、第1のオレフィンの重合に伴い発生する反応熱はジャケット118で除去される。
重合反応装置110におけるバルク重合の反応条件は特に制限されないが、重合温度は、通常40〜120℃、好ましくは50〜90℃であり、重合圧力は、通常1〜100MPa、好ましくは5〜40MPaである。
反応容器111の下部には、移送ポンプ120を備える移送ライン119が設けられており、反応容器111内の反応生成物(重合触媒を含有する重合体粒子)は移送ライン120を通って重合反応装置130に移送される。
重合反応装置130は、本発明の気相流動層式反応装置であり、その基本構成は図3に示した気相流動層式反応装置20と同様であるが、重合反応装置130は循環ライン131を更に備えている。循環ライン131は循環コンプレッサー132及び熱交換器133を含んで構成されており、循環ライン131の上流端は反応容器11bの頂部に、下流端は反応容器11bの底部にそれぞれ連結されている。また、循環ライン131の熱交換器133と反応容器11bとの間には、オレフィン導入ライン134及び水素導入ライン135がそれぞれ連結されている。
また、重合反応装置130が備える反応容器11bは、流動層13の上方に拡大部18を有している。拡大部18に形成されるガスの流路は、流動層13を通過したガスが反応容器11bから循環ライン131に排出される前にガスの流速を低減する減速領域としての役割を担っている。なお、図4に示した反応容器11bは、流動層13の上方において、ガス分散板12に平行なガスの流路の断面積がガスの流れ方向に沿って単調増加するように構成されたものであるが、拡大部18の形状は上記減速領域を形成できるものであれば特に制限されない。
重合反応装置130においては、重合反応装置110からの重合触媒を含有する重合体粒子が導入口15から反応容器11b内に連続的に導入される。そして、オレフィン導入ライン134から第1のオレフィンが、水素導入ライン135から水素がそれぞれ反応容器11b内に導入され、ガス分散板12を介して上向きに吹き込まれることにより、重合触媒を含有する重合体粒子の流動層13が形成され、第1のオレフィンの重合が行われる。
流動層13を通過したガスは、拡大部18に形成されたガスの流路(減速領域)においてその流速が低減された後、反応容器11bの頂部から循環ライン131に排出される。排出されたガスは、循環コンプレッサー132により循環ライン131を循環し、熱交換器133により重合反応熱が除去された後、再び反応容器11bの底部から吹き込まれる。なお、排出されたガスを反応容器11b内に吹き込む際には、オレフィン導入ライン134からの第1のオレフィンの供給及び水素導入ライン135からの水素の供給を継続して行うことができる。
反応容器11bの抜出口16には、バルブ137を備える移送ライン136が設けられており、移送ライン136の他端は重合反応装置150の反応容器151に連結されている。流動層粒子は、反応容器11bと反応容器151との圧力差により抜出口16から抜き出され、移送ライン136を通って反応容器151内に導入される。バルブ137の開閉操作は、通常、流動層上面の高さが略一定となるように、バルブ137を開閉して流動層粒子を抜き出す。
3つの重合反応装置110、130、150のうち最も下流側に配置された重合反応装置150は、円筒型気相流動層式反応装置であり、反応容器151内のガスの流路が狭隘部を有さない点で本発明の気相流動層式反応装置とは別種の気相流動層式反応装置である。なお、反応容器151内の下部にガス分散板152が設けられている点、及び反応容器151が流動層13よりも上方に拡大部154を有している点は重合反応装置130と同様である。
また、重合反応装置150は循環ライン155を備えている。循環ライン155の上流端は反応容器151の頂部に、下流端は反応容器151の底部に、それぞれ連結されている。循環ライン155には循環コンプレッサー156及び熱交換器157が設けられており、さらに、循環ライン155の熱交換器157と反応容器151との間には、第1のオレフィン導入ライン158、第2のオレフィン導入ライン159、及び水素導入ライン160がそれぞれ連結されている。
また、重合反応装置150は、反応容器151内における流動層粒子の流動を補助するための攪拌機161を備えている。
重合反応装置150においては、重合反応装置130からの流動層粒子が、反応容器151内に間歇的に導入される。そして、第1のオレフィン導入ライン158から第1のオレフィンが、第2のオレフィン導入ライン159から第2のオレフィン(例えばエチレン)が、水素導入ライン160から水素が、それぞれ反応容器151内に導入され、ガス分散板152を介して上向きに吹き込まれることにより、重合触媒を含有する重合体粒子の流動層153が形成され、第1及び第2のオレフィンの重合が行われる。
流動層153を通過したガスは、拡大部154に形成されたガスの流路(減速領域)においてその流速が減速された後、反応容器151の頂部から循環ライン155に排出される。排出されたガスは、循環コンプレッサー156により循環ライン155を循環し、熱交換器157により重合反応熱が除去された後、再び反応容器151の底部から吹き込まれる。なお、排出されたガスを反応容器151内に吹き込む際には、第1のオレフィン導入ライン158からの第1のオレフィンの供給、第2のオレフィン導入ライン159からの第2のオレフィンの供給及び水素導入ライン160からの水素の供給を継続して行うことができる。
重合反応装置150における気相重合の反応条件は特に制限されないが、反応温度は、通常0〜120℃、好ましくは20〜100℃である。また、重合圧力は、通常0.1(常圧)〜10MPa、好ましくは0.1〜8.0MPaである。
反応容器151の下部にはバルブ163を備える製品排出ライン162が連結されており、重合反応装置150において生成した目的のオレフィン重合体粒子は製品排出ライン162から取り出される。なお、重合反応装置150における気相重合は、オレフィン重合体粒子が十分に成長するまではバルブ163を閉じた状態で行われるが、その後、流動層上面の高さが略一定となるように、バルブ163を開閉してオレフィン重合体を抜き出す。
[多段重合プロピレン共重合体の製造]
次に、本発明の気相流動層式反応装置を用いた上記多槽重合方法の具体例として、二段重合プロピレン共重合体の製造方法の一例として、前段の重合工程で生成する重合体成分を構成する単量体単位の含有割合と、後段の重合工程で生成する重合体成分を構成する単量体単位の含有割合とが異なる二段重合プロピレン共重合体(以下、場合により「A−Bタイプのポリプロピレンブロックコポリマー」という。)の製造方法について説明する。なお、以下の説明では、便宜的に、前段の重合工程を「第1の重合工程」、後段の重合工程を「第2の重合工程」と称する。
A−Bタイプのポリプロピレンブロック共重合体の製造方法において、本発明の気相流動層式反応装置は、第1又は第2の重合工程の一方のみに用いてもよく、あるいは第1及び第2の重合工程の双方に用いてもよい。
第1の重合工程は、重合体成分の全単量体単位の含有量を100質量%とした場合に、プロピレンに基づく単量体単位の含有量を96質量%以上とする重合体成分を製造する工程である。上記プロピレンに基づく単量体単位の含有量が小さすぎると、流動層粒子の耐粘着性が劣る場合がある。
この第1の重合工程では、プロピレンの単独重合を行ってもよく、プロピレン以外の単量体とプロピレンとを共重合してもよい。プロピレン以外の単量体としては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素原子数が2〜8のオレフィン(但し、プロピレンを除く。)を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。第1の重合工程で製造する重合体成分としては、好ましくは、プロピレン単独重合体及びプロピレン−エチレン共重合体である。
なお、第2の重合工程において本発明の気相流動層式反応装置が用いられる場合、第1の重合工程の重合法は特に制限されず、バルク重合法、溶液重合法、スラリー重合法又は気相重合法のいずれであってもよい。これらの重合法を、複数の反応装置で行ってもよい。また、これらの重合法を、任意に組合せてもよく、回分式、半回分式、連続式のいずれで行ってもよい。また、第1の重合工程において、重合温度は、温度0℃〜120℃、好ましくは、20℃〜100℃、重合圧力は、常圧〜10MPa、好ましくは0.2MPa〜8.0MPaである。なお、重合体の分子量を調整するために、水素などの連鎖移動剤を用いることができる。
第2の重合工程は、重合体成分の全単量体単位の含有量を100質量%とした場合に、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が65質量%〜90質量%とする重合体成分を製造する工程である。プロピレンに基づく単量体単位の含有量が65質量%未満であると、上記範囲に比べて流動層粒子の耐粘着性が劣ることがあり、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が90質量%を超えると、プロピレン系重合体の耐衝撃性が低下することがある。なお、上記範囲は、好ましくは70質量%〜85質量%であり、より好ましくは75質量%〜80質量%である。
第2の重合工程で用いられるプロピレン以外の単量体としては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素原子数が2〜8のオレフィン(但し、プロピレンを除く。)を挙げることができる。第2工程においては、上記オレフィンのうちの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。プロピレン以外の単量体としては、好ましくは、エチレンである。
なお、第1の重合工程において本発明の気相流動層式反応装置が用いられる場合、第2の重合工程の重合法は特に制限されず、バルク重合法、溶液重合法、スラリー重合法又は気相重合法のいずれであってもよい。これらの重合法を、複数の反応装置で行ってもよい。また、これらの重合法を、任意に組合せてもよく、回分式、半回分式、連続式のいずれで行ってもよい。第2の重合工程の重合法としては、好ましくは、気相重合法である。第2の重合工程の重合方法が気相重合法である場合、第1の重合工程において本発明の気相流動層式反応装置が用いられるのであれば、第2の重合工程においては本発明の気相流動層式反応装置を用いてもよく、あるいは本発明の気相流動層式反応装置以外の気相流動層式反応装置を用いてもよい。
また、第2の重合工程において、重合温度は、0℃〜120℃、好ましくは、20〜100℃、重合圧力は、常圧〜10MPa、好ましくは0.2MPa〜8.0MPaである。なお、重合体の分子量を調整するために、水素などの連鎖移動剤を用いることができる。
このように本発明の気相流動層式反応装置を用いた多槽重合方法によれば、結晶性プロピレン系重合体部と非晶性プロピレン系重合体部とを有する多段重合プロピレン共重合体も製造することができる。また、この多段重合プロピレン共重合体は、耐熱性、剛性及び耐衝撃性に優れるため、バンパーやドアトリムなどの自動車部品、レトルト食品包装容器などの各種包装容器などに用いることができる。
以下、本発明を実施例、及び比較例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[粒子]
本実施例においては、流動層粒子としてポリプロピレンパウダー(以下「PPパウダー」という。)を用いた。
(PPパウダーA)
PPパウダーAとして、平均粒径が1120μm、最小粒径が250μm、最大粒径が2060μmであるものを用いた。
(PPパウダーB)
PPパウダーBとして、平均粒径が100μm、最小粒径が12μm、最大粒径が206μmであるものを用いた。
[流動層式反応装置]
本実施例では、以下に示す反応装置A〜Eを用いた。反応装置A〜Eはいずれも最下部にガス分散板(ガス分散板径=78mmφ、ガス分散板面積=47.8cm、孔数=37個、孔径=2.5mm、孔配列=10mm間隔正方形配列)を備えるものである。
(反応装置A)
反応装置Aは、図5に示すように、狭隘部を有する反応装置である。この反応装置Aは、下部にガス分散板を有している。反応容器のサイズは、下底面内径が78mmφ、下底面から狭隘部までの高さが170mm、狭隘部の内径が46mmφ、狭隘部から上底面までの高さが200mm、上底面内径が78mmφである。狭隘部におけるガスの流路の断面積は16.6cmである。
(反応装置B)
反応装置Bは、図6に示すように、狭隘部を有する反応装置である。この反応装置Bは、下部にガス分散板を有している。反応容器のサイズは、下底面内径が78mmφ、下底面から狭隘部までの高さが120mm、狭隘部の内径が54mmφ、狭隘部から上底面までの高さが120mm、上底面内径が78mmφである。狭隘部におけるガスの流路の断面積は22.9cmである。
(反応装置C)
反応装置Cは、図7に示すように、狭隘部を有する反応装置である。この反応装置Cは、下部にガス分散板を有している。反応容器のサイズは、下底面内径が78mmφ、下底面から狭隘部までの高さが120mm、狭隘部の内径が46mmφ、狭隘部から上底面までの高さが350mm、上底面内径が78mmφである。狭隘部におけるガスの流路の断面積は16.6cmである。
(反応装置D)
反応装置Dは、図8に示すように、縦型直円筒状の反応装置である。この反応装置Dは、下部にガス分散板を有している。反応容器のサイズは、内径が78mmφ、高さが320mmである。
(反応装置E)
反応装置Eは、図9に示すように、直円錐台状の反応装置である。この反応装置Eは、下部にガス分散板を有している。反応容器のサイズは下底面内径が78mmφ、下底面から上底面までの高さが370mm、上底面内径が46mmφである。
(実施例1)
上記反応装置Aに、上記粒子Aを250g充填した後、26.8cm/sのガス流速(ガス分散板における速度)で、ガス分散板から反応容器内に乾燥窒素ガスを導入し、流動層を形成させた。このときの流動層の高さは、270mm、流動層上面の面積は30.2cmであった。10分間流動層を形成させた後、乾燥窒素ガスの導入を停止し、反応容器内の粒子を下記方法に従って測定した。なお、乾燥窒素ガスは、常温、常圧のガスとした。また、最小流動化速度は22.8cm/sであった。
(実施例2)
ガス流速を29.2cm/sとしたこと以外は実施例1と同様に行った。なお、流動層を形成させたときの流動層の高さは、310mm、流動層上面の面積は36.7cmであった。
(実施例3)
ガス流速を34.0cm/sとしたこと以外は実施例1と同様に行った。なお、流動層を形成させたときの流動層の高さは、360mm、流動層上面の面積は45.8cmであった。
(実施例4)
実施例1の反応装置Aの代わりに反応装置Bを用い、ガス流速を27.1cm/sとしたこと以外は実施例1と同様に行った。なお、流動層を形成させたときの流動層の高さは、210mm、流動層上面の面積は40.7cmであった。
(実施例5)
ガス流速を33.2cm/sとしたこと以外は実施例4と同様に行った。なお、流動層を形成させたときの流動層の高さは、230mm、流動層上面の面積は45.4cmであった。
(実施例6)
実施例1の反応装置Aの代わりに反応装置Cを用い、ガス流速を26.6cm/sとしたこと以外は実施例1と同様に行った。なお、流動層を形成させたときの流動層の高さは、330mm、流動層上面の面積は33.4cmであった。
(比較例1)
実施例1の反応装置Aの代わりに反応装置Dを用い、ガス流速を26.9cm/sとしたこと以外は実施例1と同様に行った。なお、流動層を形成させたときの流動層の高さは、150mm、流動層上面の面積は47.8cmであった。
(比較例2)
実施例1の反応装置Aの代わりに反応装置Eを用い、ガス流速を27.9cm/sとしたこと以外は実施例1と同様に行った。なお、流動層を形成させたときの流動層の高さは、190mm、流動層上面の面積は30.6cmであった。
(実施例7)
上記反応装置Bに、下から順に上記粒子Aを200g、粒子Bを10g、粒子Aを40g充填し、29.3cm/sのガス流速(ガス分散板における速度)で、ガス分散板から反応容器内に乾燥窒素ガスを導入し、流動層を形成させた。このときの流動層の高さは、220mm、流動層上面の面積は43.0cmであった。1分間流動層を形成させた後、乾燥窒素ガスの導入を停止し、反応容器内の粒子を下記方法に従って測定した。
(実施例8)
実施例7の反応装置Bの代わりに反応装置Aを用い、ガス流速を27.1cm/sとしたこと以外は実施例7と同様に行った。なお、流動層を形成させたときの流動層の高さは、270mm、流動層上面の面積は30.2cmであった。
(実施例9)
実施例7の反応装置Bの代わりに反応装置Cを用い、ガス流速を26.4cm/sとしたこと以外は実施例7と同様に行った。なお、流動層を形成させたときの流動層の高さは、330mm、流動層上面の面積は33.4cmであった。なお、粒子Bの充填位置は、ガス流路の狭隘部よりも上方約50mmの位置であった。
(実施例10)
上記反応装置Cに、下から順に上記粒子Aを120g、粒子Bを10g、粒子Aを120g充填し、26.2cm/sのガス流速(ガス分散板における速度)で、ガス分散板から反応容器内に乾燥窒素ガスを導入し、流動層を形成させた。このときの流動層の高さは、330mm、流動層上面の面積は33.4cmであった。なお、粒子Bの充填位置は、ガス流路の狭隘部よりも下方約50mmの位置であった。
(比較例3)
実施例7の反応装置Bの代わりに反応装置Dを用い、ガス流速を30.3cm/sとしたこと以外は実施例7と同様に行った。なお、流動層を形成させたときの流動層の高さは、160mm、流動層上面の面積は47.8cmであった。
(比較例4)
実施例7の反応装置Bの代わりに反応装置Eを用い、ガス流速を26.9cm/sとしたこと以外は実施例7と同様に行った。なお、流動層を形成させたときの流動層の高さは、180mm、流動層上面の面積は31.6cmであった。
[評価方法]
(小粒子割合比)
上記実施例1〜6及び比較例1,2で得られた粉体を、粉体最上部から30g、粉体最下部から30g、夫々粒子を取り出し、夫々の粒度分布を測定し、500μm以下の粒子の重量割合を求め、下記式から小粒子割合比を算出した。得られた結果を表1に示す。なお、この値が高いほど、粒径500μm以下の粒子が、粉体下部よりも粉体上部の方により多く存在することを示す。
小粒子割合比=W/W
:粉体最上部から取り出した粒子中での粒径が500μm以下の粒子の重量割合(単位:重量%)
:粉体最下部から取り出した粒子中での粒径が500μm以下の粒子の重量割合(単位:重量%)
(粒度分布の測定)
上記実施例1及び比較例1で得られた粉体の粒度分布の測定は、レーザー回折式粒度分布測定装置(SYMPATEC社製、HELOS&RODOSシステム)を使用して行った。乾燥状態で粒子を分散させて重量換算の粒度分布を測定した。得られた結果を表2に示す。
(微粒子存在度)
上記実施例7〜10及び比較例3,4で得られた粉体を、粉体最上部から下方に向かって、粒子を50gずつ順次取り出し、取り出された粒子を、その粉体の取り出し位置の下から上に向かって順番に、フラクション1、フラクション2、フラクション3、フラクション4、フラクション5とした。
次に、実施例7〜10及び比較例3,4においては、フラクション1及び2の粒度分布を測定し、各フラクション中での粒径が250μm以下の粒子の重量割合を求め、下記式から各フラクションでの微粒子存在度を算出した。得られた結果を表3に示す。なお、この値が小さいほど、微粒子が少ないことを示す。
微粒子存在度=各フラクションでの粒径が250μm以下の粒子の重量割合/粉体中での粒径が250μm以下の粒子の重量割合
また、実施例7及び比較例3においては、フラクション1〜5の粒度分布を測定し、上記と同様にして各フラクションでの微粒子存在度を算出した。得られた結果を表4に示す。
Figure 0005357380
Figure 0005357380
Figure 0005357380
Figure 0005357380
表1〜4から明らかなように、本発明の気相流動層式反応装置にかかる実施例1〜10によれば、本発明の気相流動層式反応装置によらない比較例1〜4と比べて、微粒子は層上部に十分に混合された状態で長期間滞留し易いことが判明した。したがって、本発明の気相流動層式反応装置を気相重合に適用することにより、導入された重合触媒は十分に混合された状態で流動層内部の反応装置内狭隘部より上方に滞留し、十分に成長していない重合体粒子(流動層粒子)のショートパスを抑制することができることが明らかとなった。このことにより、例えば、オレフィン重合に用いた場合は、ポリプロピレンブロックコポリマーの物性、或いは生産性が改良されるものと考えられる。
[実施例11、比較例5;多段重合プロピレン共重合体の製造]
以下の実施例及び比較例において、融解熱量(単位:J/g)は、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 DSC−7)を用いて以下のようにして測定された値を意味する。
(i)試料約10mgを50℃から200℃/分の昇温速度で220℃まで昇温し、220℃で5分間保持した。
(ii)次いで、220℃から70℃/分の高温速度で180℃まで降温し、180℃で5分間保持した。
(iii)次いで、180℃から200℃/分の降温速度で50℃まで降温し、50℃で1分間保持した。
(iv)次いで、50℃から16℃/分の昇温速度で180℃まで昇温した。
(v)上記(iv)で得られる融解曲線において、95℃の点と、融解曲線が降温側のベースラインに戻る点(約175℃の点)とを結んだ直線に基づいて融解熱量を求めた。
また、極限粘度(単位:dl/g)の測定においては、まず、ウデローベ型粘度計を用いて、溶媒をテトラリン、温度を135℃とし、0.1g/dl、0.2g/dl及び0.5g/dlの各濃度で還元粘度を測定した。次に、「高分子溶液、高分子実験学11」(共立出版会社、1982年発行)第491頁に記載の珪酸方に従い、還元粘度を濃度に対してプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって極限粘度を求めた。
また、プロピレン単位含有量(単位:重量%)は赤外吸収スペクトル法により求めた。
また、後述する重合工程(I)で生成した重合体成分量W(重量%)及び重合工程(II)で生成した重合体成分量W(重量%)は、下記式により算出した。なお、重合工程(I)で生成した重合体は、重合工程(I)−1及び(I)−2で生成した重合体の双方に由来する重合体を意味する(以下、同様である。)。
=(ΔH/ΔH)×100
=100−W
(式中、ΔHは重合工程(I)後の重合体の融解熱量(J/g)を示し、ΔHは重合工程(II)後の重合体の融解熱量(J/g)を示す。)
また、重合工程(I)で生成した重合体の極限粘度[η](dl/g)及び重合工程(II)で生成した重合体の極限粘度[η](dl/g)は、下記式により算出した。
[η]=[η]
[η]=([η]−[η]×W/100)×100/W
(式中、[η]は重合工程(I)後の重合体の極限粘度(dl/g)を示し、[η]は重合工程(II)後の重合体の極限粘度(dl/g)を示す。)
また、重合工程(I)で生成した重合体のプロピレン単位含有量P(重量%)及び重合工程(II)で生成した重合体のプロピレン単位含有量P(重量%)は、下記式により算出した。
=P
=(P−P×W/100)×100/W
(式中、Pは重合工程(I)後の重合体のプロピレン単位含有量(重量%)を示し、Pは重合工程(II)後の重合体のプロピレン単位含有量(重量%)を示す。)
また、フィッシュアイ数(単位:個/100cm)の測定においては、まず、最終生成物である多段重合プロピレン共重合体を、Tダイフィルム成形機(田辺プラスチック(株)製20mmφ押出機、100mm幅Tダイ)を用いて、温度200℃で厚み80μmのフィルムに成形した。次に、スキャナー(セイコーエプソン(株)製)を用いて、得られたフィルムの画像をコンピューターに取り込み、画像解析プログラム(旭エンジニアリング社製)を用いて画像解析し、100cm当たりの直径200μm以上のフィッシュアイの数を求めた。
(実施例11)
実施例11においては、図4に示す構成を有する多槽重合反応装置を用いて多段重合プロピレン共重合体の製造を実施した。なお、各重合反応装置における反応容器の内容積は、反応容器111で40リットル、反応容器11bで1400リットル、反応容器151で980リットルである。また、反応容器11bが備える狭隘部材14aのサイズは、下底面及び上底面の内径がそれぞれ50cmφ、下底面及び上底面と狭隘部14との距離がそれぞれ51cm、狭隘部14の内径が20cmである。また、反応容器11bにおける狭隘部材14aの下底面とガス分散板12との距離は12cmである。
<予備重合触媒成分の準備>
まず、多段重合プロピレン共重合体の製造に際し、以下のようにして予備重合触媒成分を準備した。
(1)固体触媒成分前駆体の合成
攪拌機付きSUS製オートクレーブ(内容積:200リットル)の内部を窒素置換し、ヘキサン54リットル、ジイソブチルフタレート780g、テトラエトキシシラン20.6kg及びテトラブトキシチタン2.23kgを投入して撹拌した。次に、撹拌混合物に、ブチルマグネシウムクロリドのジブチルエーテル溶液(濃度2.1モル/リットル)51リットルを、反応容器111内の温度を5℃に保ちながら4時間かけて滴下した。このときの撹拌機117の回転数は120rpmであった。滴下終了後、20℃で1時間撹拌し、内容物をろ過して固体触媒成分前駆体を得た。得られた固体触媒成分前駆体について、トルエン70リットルでの洗浄を3回行った後、トルエンを加えて固体触媒成分前駆体スラリー(以下、「スラリーA」という。)を得た。
(2)固体触媒成分の合成
攪拌機付きSUS製オートクレーブ(内容積:200リットル)の内部を窒素置換し、上記(1)で得られたスラリーAを投入した。静置後、スラリーAの体積が49.7リットルとなるようにトルエンを抜き出し、撹拌下、テトラクロロチタン30リットルとジブチルエーテル1.16kgとの混合液を投入し、さらにオルトフタル酸クロライド4.23kgを投入した。オートクレーブ内の温度を110℃として3時間撹拌し、内容物をろ過して固体成分を得た。得られた固体成分について、95℃にてトルエン90リットルでの洗浄を3回行った後、トルエンを加えてスラリー(以下、「スラリーB」という。)を得た。
次に、窒素置換したオートクレーブにスラリーBを戻して静置した後、スラリーBの体積が49.7リットルとなるようにトルエンを抜き出し、撹拌下、テトラクロロチタン15リットルとジブチルエーテル1.16kgとジイソブチルフタレート0.87kgとの混合液を投入した。オートクレーブ内の温度を105℃として1時間撹拌し、内容物をろ過して固体成分を得た。得られた固体成分について、95℃にてトルエン90リットルでの洗浄を2回行った後、トルエンを加えてスラリー(以下、「スラリーC」という。)を得た。
次に、窒素置換したオートクレーブにスラリーCを戻して静置した後、スラリーCの体積が49.7リットルとなるようにトルエンを抜き出し、撹拌下、テトラクロロチタン15リットルとジブチルエーテル1.16kgとの混合液を投入した。オートクレーブ内の温度を105℃として1時間撹拌し、内容物をろ過して固体成分を得た。得られた固体成分について、95℃にてトルエン90リットルでの洗浄を2回行った後、トルエンを加えてスラリー(以下、「スラリーD」という。)を得た。
次に、窒素置換したオートクレーブにスラリーDを戻して静置した後、スラリーDの体積が49.7リットルとなるようにトルエンを抜き出し、撹拌下、テトラクロロチタン15リットルとジブチルエーテル1.16kgとの混合液を投入した。オートクレーブ内の温度を105℃として1時間撹拌し、内容物をろ過して固体成分を得た。得られた固体成分について、95℃にてトルエン90リットルでの洗浄を2回行い、乾燥させて目的の固体触媒成分を得た。
(3)予備重合触媒成分の調製
攪拌機付きSUS製オートクレーブ(内容積:3リットル)に、充分に脱水及び脱気処理したn−ヘキサン1.5リットルと、トリエチルアルミニウム37.5ミリモルと、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン3.75ミリモルと、上記固体触媒成分15gとを投入し、オートクレーブ内の温度を約10℃に保ちながらプロピレン15gを約30分かけて連続的に供給して予備重合を行った。次に、オートクレーブ内の予備重合スラリーを、別の攪拌機付きSUS製オートクレーブ(内容積:160リットル)に移送し、液状ブタン145リットルを加えて予備重合触媒成分のスラリーとした。
<重合工程(I)−1>
多槽重合反応装置の反応容器111にプロピレン、水素、トリエチルアルミニウム、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、及び予備重合触媒成分のスラリーを連続的に供給し、連続式バルク重合を行った。重合条件は、重合温度70℃、重合圧力4.0MPaG、プロピレン供給量35kg/時間、水素供給量300ノルマルリットル/時間、トリエチルアルミニウム供給量41ミリモル/時間、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン供給量6.2ミリモル/時間、予備重合触媒成分のスラリーの供給量0.79g/時間(固体触媒成分換算)とした。また、平均滞留時間を0.24時間、重合体粒子の抜出量を3.8kg/時間とし、重合工程(I)−1で得られた重合体粒子を反応容器11bに連続的に移送して重合工程(I)−2に供した。
<重合工程(I)−2>
反応容器11bに、重合工程(I)−1で得られた重合体粒子、プロピレン及び水素を連続的に供給し、プロピレンの気相重合を行った。重合条件は、重合温度80℃、重合圧力1.8MPaG、ガス分散板におけるガス流速11.3cm/秒、反応容器11b内のプロピレン濃度と水素濃度の合計に対する水素濃度の比0.10とし、重合工程(I)−1で得られた重合体粒子の導入口15は狭隘部14よりも34cm上方に設けた。また、反応容器11b内に流動層を形成させたとき、流動層の上面は狭隘部14よりも上方に位置し、流動層の高さは約150cmであり、流動層の上面の直径は約50cmであった。また、重合工程(I)−2においては、最小流動化速度は8.8cm/sであり、平均滞留時間を4.0時間とし、生成した重合体粒子を反応容器151に間歇的に移送して重合工程(II)に供した。
<重合工程(II)>
反応容器151に、重合工程(I)−2で得られた重合体粒子、プロピレン、エチレン及び水素を連続的に供給し、プロピレン及びエチレンの気相重合を行った。重合条件は、重合温度70℃、重合圧力1.4MPaG、ガス分散板におけるガス流速19.8cm/s、反応容器151内のプロピレン濃度と水素濃度の合計に対する水素濃度の比0.0032、反応容器151内のプロピレン濃度とエチレン濃度の合計に対するエチレン濃度の比0.240とした。また、平均滞留時間を2.6時間とし、目的物である多段重合プロピレン共重合体を、反応容器151の下部に設けられた製品排出ライン162から間歇的に抜き出した。
実施例11における重合工程(I)、(II)で生成した重合体の成分量W、W、極限粘度[η]、[η]及びプロピレン単位含有量P、P、並びに最終生成物である多段重合プロピレン共重合体の極限粘度、プロピレン単位含有量及びフレッシュアイ数を表5に示す。
(比較例5)
反応容器11bから狭隘部材14aを取り除いたこと以外は実施例11で用いた多槽重合反応装置と同様の装置を用いて、以下のようにして多段重合プロピレン共重合体を製造した。
<重合工程(I)−1>
実施例11における重合工程(I)−1と同様にして、連続式バルク重合を行った。
<重合工程(I)−2>
上述の通り反応容器11bから狭隘部材を取り除き、実施例11における重合工程(I)−2と同様にしてプロピレンの気相重合を行った。このとき、反応容器11b内のプロピレン濃度と水素濃度の合計に対する水素濃度の比は0.09であり、平均滞留時間は3.8時間であり、他の条件は実施例11における重合工程(I)−2の場合と同様であった。
<重合工程(II)>
実施例11における重合工程(II)と同様にしてプロピレン及びエチレンの気相重合を行った。このとき、反応容器151内のプロピレン濃度とエチレン濃度の合計に対するエチレン濃度の比は0.242であり、他の条件は実施例11における重合工程(II)の場合と同様であった。
比較例5における重合工程(I)、(II)で生成した重合体の成分量W、W、極限粘度[η]、[η]及びプロピレン単位含有量P、P、並びに最終生成物である多段重合プロピレン共重合体の極限粘度、プロピレン単位含有量及びフレッシュアイ数を表5に示す。
Figure 0005357380
表5に示した結果から明らかなように、本発明のオレフィン重合体の製造方法にかかる実施例11では、フィッシュアイ数が充分に低減されていることが確認された。このことから、本発明のオレフィン重合体の製造方法によれば、外観及び耐衝撃性に優れ、自動車部品、家電部品などに好適に用いられるオレフィン重合体を得ることができると考えられる。
図1は、本発明の気相流動層式反応装置の第1実施形態を示す模式断面図である。 図2(a)〜(g)は、本発明の気相流動層式反応装置に係る反応容器の例を示す模式断面図である。 図3は、本発明の気相流動層式反応装置の第2実施形態を示す模式断面図である。 図4は、本発明の多槽重合反応装置の好適な一実施形態を示す概略構成図である。 図5は、本発明の実施例に係る反応装置Aを示す模式断面図である。 図6は、本発明の実施例に係る反応装置Bを示す模式断面図である。 図7は、本発明の実施例に係る反応装置Cを示す模式断面図である。 図8は、本発明の実施例に係る反応装置Dを示す模式断面図である。 図9は、本発明の実施例に係る反応装置Eを示す模式断面図である。
符号の説明
10,20…気相流動層式反応装置、11a,b…反応容器、12…ガス分散板、13…流動層、14…狭隘部、14a…狭隘部材、15…導入口、16…抜出口、17a,b…内壁、100…多槽重合反応装置。

Claims (7)

  1. 反応容器内において、その下部に設けられたガス分散板から、該ガス分散板の上方に形成される流動層に、ガスを流入させて反応を行う気相流動層式反応装置であって、
    前記反応容器内において、前記ガス分散板の上方におけるガスの流路が所定位置に狭隘部を有するための連続した内面構造を有する狭隘部材を備え、
    前記狭隘部の下方から上方に渡って流動層を形成して用いることを特徴とする気相流動層式反応装置。
  2. 前記狭隘部材が狭隘環状であり、
    前記ガス分散板が円盤状であり、
    前記狭隘部材と前記ガス分散板とが同軸を中心として配置されていることを特徴とする請求項に記載の気相流動層式反応装置。
  3. 前記ガス分散板から、該ガス分散板の上方に形成される流動層に、反応ガスを流入させて気相重合を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の気相流動層式反応装置。
  4. 前記反応容器内に重合触媒を導入する導入口を、前記狭隘部と流動層上面との間に有し、前記反応ガスの気相重合により生成する重合体を前記反応容器から抜き出す抜出口を、前記狭隘部よりも下方に有することを特徴とする請求項に記載の気相流動層式反応装置。
  5. 複数の反応装置を備え、かつ、前記複数の反応装置が請求項又はに記載の気相流動層式反応装置を1つ以上含むことを特徴とする多槽重合反応装置。
  6. 請求項又はに記載の気相流動層式反応装置の上流側に、バルク重合反応装置、スラリー重合反応装置及び円筒型気相流動層式反応装置から選ばれる少なくとも一つの反応装置が設けられており、
    請求項又はに記載の気相流動層式反応装置の下流側に、円筒型気相流動層式反応装置が設けられていることを特徴とする請求項に記載の多槽重合反応装置。
  7. 請求項3〜6のうちのいずれか一項に記載の反応装置を用いたオレフィン重合体の製造方法であって、
    前記流動層の上面が前記狭隘部よりも上方に配置されるように、前記ガス分散板から前記流動層に少なくとも1種以上のオレフィンガスを含有する反応ガスを流入させ、該反応ガスの気相重合によりオレフィン重合体を得ることを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
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