JP5108280B2 - オレフィン重合反応装置、ポリオレフィン製造システム、及び、ポリオレフィン製造方法 - Google Patents

オレフィン重合反応装置、ポリオレフィン製造システム、及び、ポリオレフィン製造方法 Download PDF

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エチレン、プロピレン等のオレフィンを重合するオレフィン重合反応装置等に関する。
従来より、容器内で、気体や液体として供給されたオレフィンモノマーを触媒の存在下で重合させ、粒状のポリオレフィン粒子を形成させるオレフィン重合反応装置が知られている。しかし、1つの容器内ではポリオレフィン粒子は完全混合状態に近くなるため、十分に成長していない粒子が排出されるショートパスや、成長しすぎた粒子が容器内に蓄積されることが起こりやすい。
この場合、生成粒子の構造上の均一性が悪く、また、触媒コストの上昇、触媒残渣の増大、成形品のフィッシュアイの増加等の問題が発生しやすい。また、完全混合であると、重合条件を変化させて異なるロットの重合を行う場合に、条件変更前に重合されたポリオレフィン粒子を容器内から完全排出させるのに時間がかかるため、規格外品が大量に生成されることとなる。これに対して、完全混合型の装置を直列に複数接続して全体としてプラグフローとすることも考えられるが、多数の装置を直列にするのでは設備コストがかかる。
そこで、1つの装置において、滞留時間分布を小さくしてプラグフロー化することが求められている。
このような装置として、特許文献1〜5のような装置が知られている。
特許2675919号公報 米国特許5235009号 特表2002−537420号公報 特表2002−520426号公報 欧州特許公開公報1484343号
しかしながら、容器内に水平方向に複数のゾーンを形成する特許文献1の方法では容器内に攪拌パドル等を設ける必要があって好ましくなく、また十分なプラグフロー化は困難である。
また、流動層を上下方向に直列に多数接続した特許文献2の方法では、各段にフリーボード部を設ける必要があるので装置の高さが巨大になる恐れがある。
また、管型反応器内でワンパスで重合させる特許文献3では、十分な滞留時間をとるためには極めて管を長くする必要がある。
また、特許文献4、5のような循環流動層型の装置も知られているが、各ポリオレフィン粒子が装置内を何回も循環するため、ポリオレフィン粒子をプラグフロー的に装置から抜き出すことは困難であり、滞留時間分布あまり小さくすることはできない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成でありながら滞留時間分布を小さくすることのできるオレフィン重合反応装置、ポリオレフィン製造システム、及び、ポリオレフィン製造方法を提供することを目的とする。
本発明にかかるオレフィン重合反応装置は、鉛直方向に伸びる円筒と、円筒内に配置され、下方に行くほど内径が小さくなると共に上端が円筒の内壁に接する複数の筒状バッフルと、円筒内に配置され、上端が閉じられると共に下方に行くほど外径が大きくなり、下端は円筒の内壁から離間されている複数の円錐バッフルと、を備える。そして、筒状バッフルと円錐バッフルとが円筒の軸方向に交互に配列されている。
本発明のオレフィン重合反応装置に、触媒を含むポリオレフィン粒子が装置の上側から下方に向かって供給されると共に、装置の下側から上方に向かってオレフィン含有ガスが供給されると、ポリオレフィン粒子は、オレフィン含有ガスと対向流で接触しながら下方に向かって流れ、ポリオレフィン粒子がオレフィンの重合によって成長する。ここで、例えば、筒状バッフルの下部付近及び円錐バッフルの下部付近では、それぞれ、ガスが流通できる水平断面積が他の部分に比べて狭くされているので、ガスの速度が速くなり、ポリオレフィン粒子の流動化を容易に行える。これにより、この部分では、ポリオレフィン粒子の混合が良好に起こり、重合による反応熱の除去が容易に行われる。一方、筒状バッフルの上部付近及び円錐バッフルの上部付近では、ガスが流通できる水平断面積が他の部分に比べて広くされているので、ガスの流速が遅くなり、ポリオレフィン粒子を非流動化状態とし、移動層とすることができる。
このようにして、円筒容器内に、ポリオレフィン粒子の移動層と流動層とを交互に形成させることができるので、所定間隔で形成される流動層において良好に除熱を行ってホットスポットの発生等を抑制しつつ、所定間隔で形成される移動層部分によってポリオレフィン粒子の鉛直方向への大きな逆混合を抑制し、プラグフローに近い状態にまで滞留時間分布を小さくすることができる。
ここで、筒状バッフルの内面と水平面とがなす傾斜角、及び、円錐バッフルの外面と水平面とがなす傾斜角が、円筒内のポリオレフィン粒子の安息角よりも大きい事が好ましい。
これにより、ポリオレフィン粒子の下部への移動がスムーズとなり、滞留時間分布を小さくしやすい。
特に、筒状バッフルの内面と水平面とがなす傾斜角、及び、円錐バッフルの外面と水平面とがなす傾斜角が、円筒内の粉体を重力により全量排出可能な角度であることがより好ましい。
特に、この場合には、ポリオレフィン粒子の移動がスムーズとなる。
また、円筒により形成される空間の水平断面積を1としたときに、筒状バッフルの下端の開口の水平断面積が0.3以下であることが好ましい。
これにより、筒状バッフルの下部付近においてポリオレフィン粒子の流動化が容易である。
また、円筒により形成される空間の水平断面積を1としたときに、円錐バッフルの下端と円筒との間に形成される隙間の水平断面積が0.3以下であることも好ましい。
これにより、円錐バッフルの下部付近においてポリオレフィン粒子の流動化が容易である。
ところで、円筒内を上昇するガスの空筒速度U0がポリオレフィン粒子の最小流動化速度Umfを超える場合には、筒状バッフルの上部や円錐バッフルの上部でも流動化が起こり、移動層が形成されにくくなって滞留時間分布が大きくなる傾向がある。
そこで、筒状バッフル及び円錐バッフルの少なくとも一方に、ガス流通させる貫通孔が形成されていることも好ましい。
これにより、主としてバッフルの貫通孔からガスが上下方向に流れ、筒状バッフルの下端開口部や、円錐バッフルの下端と円筒の内壁との隙間におけるガス流速を低くできるので、筒状バッフルの下端開口部や円錐バッフルの下端と円筒との隙間付近において移動層部分を形成でき、移動層と流動層とを交互に形成することが容易となり、特に、トータルガス流量を高くした場合に、ポリオレフィン粒子の過剰な流動化による逆混合を抑制できる。
ここで、円筒により形成される空間の水平断面積を1としたときに、バッフルあたりの貫通孔の水平面投影面積の総和が0.3以下であることが好ましく、バッフルあたりの貫通孔の水平面投影面積の総和が0.05以下であることがより好ましい。
これにより、ガスの偏流を抑制できるので、高ガス流速での滞留時間分布の広がりを抑えることができる。
本発明にかかるポリオレフィン製造方法は、上述のオレフィン重合反応装置を用い、ポリオレフィン粒子による移動層と流動層とを交互に形成させてオレフィンの重合を行うものである。
本発明のポリオレフィン製造システムは、オレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンを重合させてポリオレフィン粒子を形成するオレフィン事前重合反応装置と、オレフィン事前重合反応装置の後段に接続された上述のオレフィン重合反応装置と、を備える。
本発明のポリオレフィン製造方法は、上述のポリオレフィン製造システムを用いてオレフィンの多段重合を行うものである。
本発明によれば、簡易な構成でありながら滞留時間分布を小さくすることができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(ポリオレフィン製造システム)
本実施形態にかかるポリオレフィン製造システム100は、オレフィン事前重合反応装置5と、このオレフィン事前重合反応装置5の後段に接続されたオレフィン重合反応装置10と、を備える。
(オレフィン事前重合反応装置)
オレフィン事前重合反応装置5は、オレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンを重合させてポリオレフィン粒子を形成する。
オレフィン事前重合反応装置5としては、例えば、スラリー重合反応装置、塊状重合反応装置、攪拌槽式気相重合反応装置、流動床式気相重合反応装置、及び、これらの2以上の組み合わせが挙げられる。
スラリー重合反応装置としては、公知の重合反応装置、例えば、特公昭41−12916号公報、特公昭46−11670号公報、特公昭47−42379号公報に記載の攪拌槽型反応装置やループ型反応装置などを用いることができる。なお、スラリー重合は、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素等の不活性溶媒に、プロピレン、ブテン等のオレフィン単量体を添加したものを重合溶媒とし、重合溶媒中にオレフィン重合用触媒をスラリー状に分散させて、生成する重合体が重合溶媒に溶解しない状態で重合を行う方法である。重合は、重合溶媒が液状に保たれ、生成する重合体が重合溶媒に溶解しない温度および圧力で行い、重合温度は、通常、30〜100℃であり、好ましくは50〜80℃である。重合圧力は、通常、常圧〜10MPaG、好ましくは、0.3〜5MPaGである。
塊状重合反応装置としては、公知の重合反応装置、例えば、特公昭41−12916号公報、特公昭46−11670号公報、特公昭47−42379号公報に記載の攪拌槽型反応装置やループ型反応装置などを用いることができる。なお、塊状重合は、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素等の不活性溶媒が実質的に存在せず、プロピレン、ブテン等のオレフィン単量体を重合溶媒とし、重合溶媒中にオレフィン重合用触媒を分散させて、生成する重合体が重合溶媒に溶解しない状態で重合を行う方法である。重合は、重合溶媒が液状に保たれ、生成する重合体が重合溶媒に溶解しない温度および圧力で行い、重合温度は、通常、30〜100℃であり、好ましくは50〜80℃である。重合圧力は、通常、常圧〜10MPaG、好ましくは、0.5〜5MPaGである。
攪拌槽式気相重合反応装置としては、公知の重合反応装置、例えば、特開昭46−31969号公報、特開昭59−21321号公報に記載の反応装置を用いることができる。なお、攪拌槽式気相重合は、気体状態の単量体を媒体として、その媒体中でオレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体を攪拌機によって流動状態に保ちながら、気体状態の単量体を重合する方法である。重合温度は、通常、50〜110℃であり、好ましくは60〜100℃である。重合圧力は、攪拌槽式気相重合反応装置内でオレフィンが気相として存在し得る範囲内であればよく、通常、常圧〜5MPaG、好ましくは、0.5〜3MPaGである。
流動床式気相重合反応装置としては、公知の反応装置、例えば、特開昭58−201802号公報、特開昭59−126406号公報、特開平2−233708号公報に記載の反応装置を用いることができる。なお、流動床式気相重合は、気体状態の単量体を媒体として、その媒体中でオレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体を主として媒体の流れによって流動状態に保ちながら、気体状態の単量体を重合する方法であり、流動化を促進するため、補助的に攪拌装置を設ける場合もある。重合温度は、通常、50〜110℃であり、好ましくは60〜100℃である。重合圧力は、流動床式反応装置内でオレフィンが気相として存在し得る範囲内であればよく、通常、常圧〜5MPaG、好ましくは、1.5〜3MPaGである。
また、各反応装置の組み合わせとしては、例えば、スラリー重合反応装置又は塊状重合反応装置の後段に、流動床式気相重合反応装置又は攪拌槽式気相重合反応装置を接続した態様が挙げられる。
また、スラリー重合反応装置又は塊状重合反応装置と、その後段に接続される、例えば、流動床式気相重合反応装置、攪拌槽式気相重合反応装置、又は、後述するオレフィン重合反応装置10等の気相重合反応装置との間には、通常、未反応のオレフィンや重合溶媒とオレフィン重合体粒子とを分離するフラッシング槽が設けられる。
(オレフィン重合反応装置)
オレフィン重合反応装置10は、オレフィン事前重合反応装置5によって生成したポリオレフィン粒子に対して、実質的に気相状態でオレフィン重合反応を行わせる装置である。
このオレフィン重合反応装置10は、主として、鉛直方向に伸びる円筒12、円筒12内に複数設けられた筒状バッフル30、及び、円筒12内に設けられた円錐バッフル20を備えており、筒状バッフル30及び円錐バッフル20は、円筒の軸方向に交互に配置されている。
筒状バッフル30は、図2に示すように、下方に向かうほど内径が小さくなるようにされたテーパー円筒であり、上端30aが円筒12の内壁に接している。これにより、ガスは、下端30bの円形状の開口から上方に流通し、上端30aと円筒12との間からは流通しないようにされている。
筒状バッフル30の下端30bにおける開口の水平断面積S30は、円筒12により形成される空間の水平断面積S10に対して30%以下とすることが好ましい。
一方、円錐バッフル20は、上端20aが閉じられると共に下方に向かうほど外径が大きくなる円錐形状をなし、下端20bは、円筒12の内壁からは離間されている。これにより、ガスが、下端20bと円筒12の内壁との間を通って上方に流通することとなる。
円錐バッフル20の下端20bにおける円筒12の内壁との隙間の水平断面積S20は、円筒12により形成される空間の水平断面積S10に対して30%以下とすることが好ましい。
図2における筒状バッフル30の傾斜角α30すなわち、筒状バッフル30の内面の水平面とのなす角、及び、円錐バッフル20の傾斜角α20すなわち、円錐バッフル20の外面の水平面とのなす角は、円筒12内に存在するポリオレフィン粒子の安息角以上とされることが好ましい。これにより、ポリオレフィン粒子のスムーズな下方への移動が達成される。安息角は、例えば、35〜50°程度である。
特に、傾斜角α30及び傾斜角α20は、安息角以上であって、ポリオレフィン粒子が重力により全量自然に排出され得る角度以上とすることが好ましい。
具体的には、傾斜角α30及びα20は、55°以上とすることが好ましい。
また、円錐バッフル20と、筒状バッフル30は、いずれも円筒12の軸と同軸に配置されることが好ましい。
なお、円錐バッフル20及び筒状バッフル30は、それぞれ、図示しないサポートにより、円筒12に固定されており、このサポートによるガス流れやポリオレフィン流れへの影響はほとんどない。
図1に示すように、円筒12の下部には、オレフィンモノマーガス供給ノズル40が設けられており、ラインL30及びコンプレッサ54を介して、ガス状のオレフィンモノマーが円筒12の下部に供給される。
円筒12の上部には、ガス排出ノズル61が設けられている。円筒12内を上昇したガスは、L40を介して外部に排出され、必要に応じて設置されるサイクロン62によりガス同伴粒子が排出され、ガスは、図示しない冷却手段等を経た後にラインL30によりリサイクルされる。
また、円筒12には、円筒12の外から各筒状バッフル30の下端開口部近傍に液体オレフィンを供給する液体供給ノズル50が設けられている。この液体供給ノズル50には、液化されたオレフィンモノマーを必要に応じて供給するポンプ52及びラインL20が接続されている。
さらに、円筒12における筒状バッフル30の外面に面する部分には、ガス排出ノズル60がそれぞれ設けられている。このガス排出ノズル60は、ラインL41を介してラインL40に接続されている。この各ガス排出ノズル60から排出されるガス量は、近傍の液体供給ノズル50から供給されて気化したガス量とほぼ同じとなるようにそれぞれバルブ等により制御される。したがって、液体供給ノズル50から液化されたオレフィンモノマーが円筒12内に供給された場合でも、円筒12内のガス空筒速度は上下でほぼ一定に維持される。
また、円筒12の上部にはラインL5が接続され、オレフィン重合触媒固体粒子を含有するポリオレフィン粒子が供給される。供給されたポリオレフィン粒子は、円筒12内の最上部に設けられた粒子分散コーン59により水平方向に分散されて、最上段の円錐バッフル20に落下する。
さらに、円筒12の最下部には、ポリオレフィン粒子排出ホッパ65が設けられており、直列に接続された2つのバルブV71、V72により、ガスを放出することなく、ポリオレフィン粒子を次工程に排出することができる。
このようにして本実施形態では、ポリオレフィン事前重合反応装置5、及び、ポリオレフィン重合反応装置10により2段の重合工程が実現されているが、ポリオレフィン事前重合反応装置5を有さない1段の重合工程とすることも可能である。この場合には、ポリオレフィン重合反応装置10にオレフィン重合触媒粒子が供給され、オレフィンの重合がなされることとなる。また、ポリオレフィン事前重合反応装置5やポリオレフィン重合反応装置10のような追加のポリオレフィン重合反応装置を、ポリオレフィン重合反応装置10の後段にさらに、1又は複数設け、3段以上の重合工程を実現してもよい。
(オレフィン、ポリオレフィン、触媒等)
続いて、このようなシステムにおける、オレフィン、ポリオレフィン、触媒等について詳しく説明する。
本発明のオレフィン重合反応装置、ポリオレフィン製造方法、ポリオレフィン製造システムでは、オレフィンを重合(単独重合、共重合)して、ポリオレフィンすなわちオレフィン重合体(オレフィン単独重合体、オレフィン共重合体)の製造を行う。本発明で用いられるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどがあげられる。
これらオレフィンは1種以上用いられ、また、用いるオレフィンを各重合工程において変更してもよく、多段重合法でおこなわれる場合は、用いるオレフィンを各段において互いに異ならせてもよい。オレフィンを2種以上用いる場合のオレフィンの組み合わせとしては、プロピレン/エチレン、プロピレン/1−ブテン、プロピレン/エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/1−オクテンなどがあげられる。また、オレフィンに加え、ジエンなどの他の共重合体成分を併用してもよい。
本発明では、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体などのオレフィン重合体(単独重合体、共重合体)を好適に製造できる。特に、オレフィン系ブロック共重合体の製造に好適であり、該共重合体としては、例えば、プロピレン−プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン−プロピレン・エチレン−プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレン−プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン−プロピレン・エチレン・1−ブテンブロック共重合体などをあげることができる。これらの中でも、プロピレンに基づく単量体単位を有するブロック共重合体、いわゆる、プロピレン系ブロック共重合体の製造に好適である。なお、ここでは、「−」はブロック間の境界を、「・」は1ブロック内で二種以上のオレフィンが共重合していることを示す。
また、本発明のオレフィン重合反応装置および製造方法では、オレフィン重合体の分子量分布を広げるために、各重合工程で製造されるオレフィン重合体成分の分子量を異なるものとしてもよい。本発明は、特に、広分子量分布のオレフィン重合体の製造に好適であり、例えば、最も分子量が高い重合体成分を製造する重合工程で製造される重合体成分の極限粘度が、5〜100dl/gであり、該極限粘度は、最も分子量が低い重合体成分を製造する重合工程で製造される重合体成分の極限粘度の5倍以上であり、最も分子量が高い重合体成分を製造する重合工程で製造される重合体成分の量が、オレフィン重合体中に0.1〜80重量%含有するオレフィン重合体をあげることができる。
そして、例えば、オレフィン事前重合反応装置5にて1種のオレフィンの供給によりホモオレフィン粒子を形成し、オレフィン重合反応装置10にてこのホモオレフィン粒子に対して2種以上のオレフィンを供給してオレフィン系ブロック共重合体をさらに生成することができる。こうすると、オレフィン重合反応装置10における滞留時間分布が低いので、ポリオレフィン粒子においてホモ相とゴム相との比率を一定にしやすく、成形時の不良低減に特に効果的である。
本発明に用いるオレフィン重合用触媒としては、オレフィン重合に用いられる公知の付加重合用触媒を使用することができ、例えば、チタンとマグネシウムとハロゲンおよび電子供与体を含有する固体触媒成分(以下、触媒成分(A)と称する。)と有機アルミニウム化合物成分と電子供与体成分とを接触してなるチーグラー系固体触媒、メタロセン化合物と助触媒成分とを粒子状担体に担持してなるメタロセン系固体触媒などをあげることができる。また、これらの触媒を組み合わせて用いることもできる。
チーグラー系固体触媒の調製に用いられる触媒成分(A)としては、一般にチタン・マグネシウム複合型触媒と呼ばれているものとして使用することができ、下記のようなチタン化合物、マグネシウム化合物、および、電子供与体を接触させることにより得ることができる。
触媒成分(A)の調整に用いられるチタン化合物としては、例えば、一般式Ti(OR1a4-a(R1は炭素数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、aは0≦a≦4の数を表す。)で表されるチタン化合物があげられる。具体的には、四塩化チタン等のテトラハロゲン化チタン化合物;エトキシチタントリクロライド、ブトキシチタントリクロライド等のトリハロゲン化アルコキシチタン化合物;ジエトキシチタンジクロライド、ジブトキシチタンジクロライド等のジハロゲン化ジアルコキシチタン化合物;トリエトキシチタンクロライド、トリブトキシチタンクロライド等のモノハロゲン化トリアルコキシチタン化合物;テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン化合物をあげることができる。これらチタン化合物は、単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
触媒成分(A)の調整に用いられるマグネシウム化合物としては、例えば、マグネシウム−炭素結合やマグネシウム−水素結合を持ち、還元能を有するマグネシウム化合物、あるいは、還元能を有さないマグネシウム化合物等があげられる。還元能を有するマグネシウム化合物の具体例としては、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム等のジアルキルマグネシウム化合物;ブチルマグネシウムクロライド等のアルキルマグネシウムハライド化合物;ブチルエトキシマグネシム等のアルキルアルコキシマグネシウム化合物;ブチルマグネシウムハイドライド等のアルキルマグネシウムハイドライド等があげられる。これらの還元能を有するマグネシウム化合物は、有機アルミニウム化合物との錯化合物の形態で用いてもよい。
一方、還元能を有さないマグネシウム化合物の具体例としては、マグネシウムジクロライド等のジハロゲン化マグネシウム化合物;メトキシマグネシウムクロライド、エトキシマグネシウムクロライド、ブトキシマグネシウムクロライド等のアルコキシマグネシウムハライド化合物;ジエトキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム等のジアルコキシマグネシウム化合物;ラウリル酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム等のマグネシウムのカルボン酸塩等があげられる。これらの還元能を有さないマグネシウム化合物は、予め或いは触媒成分(A)の調製時に、還元能を有するマグネシウム化合物から公知の方法で合成したものであってもよい。
触媒成分(A)の調整に用いられる電子供与体としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類等の含酸素電子供与体;アンモニア類、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素電子供与体;有機酸ハライド類をあげることが出来る。これらの電子供与体のうち、好ましくは、無機酸のエステル類、有機酸のエステル類およびエーテル類が用いられる。
無機酸のエステル類としては好ましくは、一般式R2 nSi(OR34-n(R2は炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子を表し、R3は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。また、nは0≦n<4の数を表す。)で表されるケイ素化合物があげられる。具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ブチルメチルジメトキシシラン、ブチルエチルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、ジ−t−ブチルジエトキシシラン、ブチルメチルジエトキシシラン、ブチルエチルジエトキシシラン、t−ブチルメチルジエトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン等があげられる。
有機酸のエステル類として好ましくは、モノおよび多価のカルボン酸エステルが用いられ、それらの例として脂肪族カルボン酸エステル、脂環式カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステルがあげられる。具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸エチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル等があげられる。好ましくはメタクリル酸エステル等の不飽和脂肪族カルボン酸エステルおよびマレイン酸エステル等のフタル酸エステルであり、さらに好ましくはフタル酸ジエステルである。
エーテル類としては、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジアミルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルイソアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル等のジアルキルエーテルがあげられる。好ましくはジブチルエーテルと、ジイソアミルエーテルである。
有機酸ハライド類としては、モノおよび多価のカルボン酸ハライド等があげられ、例えば、脂肪族カルボン酸ハライド、脂環式カルボン酸ハライド、芳香族カルボン酸ハライド等があげられる。具体例としては、アセチルクロライド、プロピオン酸クロライド、酪酸クロライド、吉草酸クロライド、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド、塩化ベンゾイル、トルイル酸クロライド、アニス酸クロライド、コハク酸クロライド、マロン酸クロライド、マレイン酸クロライド、イタコン酸クロライド、フタル酸クロライド等をあげることができる。好ましくは塩化ベンゾイル、トルイル酸クロライド、フタル酸クロライド等の芳香族カルボン酸クロライドであり、さらに好ましくはフタル酸クロライドである。
触媒成分(A)の調整方法としては、例えば、下記の方法があげられる。
(1)液状のマグネシウム化合物、あるいはマグネシウム化合物および電子供与体からなる錯化合物を析出化剤と反応させたのち、チタン化合物、あるいはチタン化合物および電子供与体で処理する方法。
(2)固体のマグネシウム化合物、あるいは固体のマグネシウム化合物および電子供与体からなる錯化合物をチタン化合物、あるいはチタン化合物および電子供与体で処理する方法。
(3)液状のマグネシウム化合物と、液状チタン化合物とを、電子供与体の存在下で反応させて固体状のチタン複合体を析出させる方法。
(4)(1)、(2)あるいは(3)で得られた反応生成物をチタン化合物、あるいは電子供与体およびチタン化合物でさらに処理する方法。
(5)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物の共存下アルコキシチタン化合物をグリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物を、エステル化合物、エーテル化合物および四塩化チタンで処理する方法。
(6)有機ケイ素化合物または有機ケイ素化合物およびエステル化合物の存在下、チタン化合物を有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物を、エーテル化合物と四塩化チタンの混合物、次いで有機酸ハライド化合物の順で加えて処理したのち、該処理固体をエーテル化合物と四塩化チタンの混合物もしくはエーテル化合物と四塩化チタンとエステル化合物の混合物で処理する方法。
(7)金属酸化物、ジヒドロカルビルマグネシウムおよびハロゲン含有アルコ−ルとの接触反応物をハロゲン化剤で処理した後あるいは処理せずに電子供与体およびチタン化合物と接触する方法。
(8)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシマグネシウムなどのマグネシウム化合物をハロゲン化剤で処理した後あるいは処理せずに電子供与体およびチタン化合物と接触する方法。
(9)(1)〜(8)で得られる化合物を、ハロゲン、ハロゲン化合物または芳香族炭化水素のいずれかで処理する方法。
これらの触媒成分(A)の調整方法のうち、好ましくは、(1)〜(6)の方法である。これらの調整は通常、全て窒素、アルゴン等の不活性気体雰囲気下で行われる。
触媒成分(A)の調整において、チタン化合物、有機ケイ素化合物およびエステル化合物は、適当な溶媒に溶解もしくは希釈して使用するのが好ましい。かかる溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロへキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル化合物等があげられる。
触媒成分(A)の調整において、有機マグネシウム化合物を用いる還元反応の温度は、通常、−50〜70℃であり、触媒活性およびコストを高める観点から、好ましくは−30〜50℃、特に好ましくは−25〜35℃である。有機マグネシウム化合物の滴下時間は、特に制限はないが、通常30分〜12時間程度である。また、還元反応終了後、さらに20〜120℃の温度で後反応を行ってもよい。
触媒成分(A)の調整において、還元反応の際に、無機酸化物、有機ポリマー等の多孔質物質を共存させ、固体生成物を多孔質物質に含浸させてもよい。かかる多孔質物質としては、細孔半径20〜200nmにおける細孔容積が0.3ml/g以上であり、平均粒径が5〜300μmであるものが好ましい。該多孔質無機酸化物としては、SiO2、Al23、MgO、TiO2、ZrO2又はこれらの複合酸化物等があげられる。また、多孔質ポリマーとしては、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等のポリスチレン系多孔質ポリマー;ポリアクリル酸エチル、アクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体等のポリアクリル酸エステル系多孔質ポリマー;ポリエチレン、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、ポリプロピレン等のポリオレフィン系多孔質ポリマーがあげられる。これらの多孔質物質のうち、好ましくはSiO2、Al23、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体である。
チーグラー系固体触媒の触媒の調製に用いられる有機アルミニウム化合物成分は、少なくとも分子内に一個のAl−炭素結合を有するものであり、代表的なものを一般式で下記に示す。
4 mAlY3-m
56Al−O−AlR78
(R4〜R8は炭素数が1〜8個の炭化水素基を、Yはハロゲン原子、水素またはアルコキシ基を表す。R4〜R8はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、mは2≦m≦3で表される数である。)
有機アルミニウム化合物成分の具体例としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムハライド;トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドの混合物のようなトリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドの混合物;テトラエチルジアルモキサン、テトラブチルジアルモキサン等のアルキルアルモキサン等があげられる。これらの有機アルミニウム化合物のうち、好ましくはトリアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドの混合物、アルキルアルモキサンであり、さらに好ましくはトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドの混合物、またはテトラエチルジアルモキサンが好ましい。
チーグラー系固体触媒の調整に用いられる電子供与体成分としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類等の含酸素電子供与体;アンモニア類、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素電子供与体等の一般的に使用されるものをあげることができる。これらの電子供与体成分のうち好ましくは無機酸のエステル類およびエ−テル類である。
該無機酸のエステル類として好ましくは、一般式R9 nSi(OR104-n(式中、R9は炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子、R10は炭素数1〜20の炭化水素基であり、nは0≦n<4である)で表されるケイ素化合物である。具体例としては、テトラブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン等をあげることができる。
該エ−テル類として好ましくは、ジアルキルエーテル、一般式
Figure 0005108280

(式中、R11〜R14は炭素数1〜20の線状または分岐状のアルキル基、脂環式炭化水素基、アリール基、またはアラルキル基であり、R11またはR12は水素原子であってもよい。)で表されるジエーテル化合物があげられる。具体例としては、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン等をあげることができる。
これらの電子供与体成分のうち一般式R1516Si(OR172で表される有機ケイ素化合物が特に好ましく用いられる。ここで式中、R15はSiに隣接する炭素原子が2級もしくは3級である炭素数3〜20の炭化水素基であり、具体的には、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロペンンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;シクロペンテニル基等のシクロアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基等があげられる。また式中、R16は炭素数1〜20の炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、等の分岐鎖状アルキル基;シクロペンンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;シクロペンテニル基等のシクロアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基等があげられる。さらに式中、R17は炭素数1〜20の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基である。このような電子供与体成分として用いられる有機ケイ素化合物の具体例としては、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン等をあげることができる。
チーグラー系固体触媒の調整において、有機アルミニウム化合物成分の使用量は、触媒成分(A)に含まれるチタン原子1モル当たり、通常、1〜1000モルであり、好ましくは5〜800モルである。また、電子供与体成分の使用量は、触媒成分(A)に含まれるチタン原子1モル当たり、通常、0.1〜2000モル、好ましくは0.3〜1000モル、さらに好ましくは0.5〜800モルである。
触媒成分(A)、有機アルミニウム化合物成分および電子供与体成分は、多段重合反応装置に供給する前に予め接触させてもよく、多段重合反応装置に別々に供給して、多段重合反応装置内で接触させてもよい。また、これら成分の内の任意の2つの成分を接触させて、その後にもう1つの成分を接触させてもよく、各成分は、複数回に別けて接触させてもよい。
メタロセン系固体触媒の調製に用いられるメタロセン化合物としては、下記一般式で表される遷移金属化合物があげられる。
x
(式中、Mは遷移金属化合物を表す。xは遷移金属Mの原子価を満足する数を表す。Lは遷移金属に配位する配位子であり、Lのうち少なくとも一つはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子である。)
上記Mとしては、元素の周期律表(IUPAC1989年)第3〜6族の原子が好ましく、チタン、ジルコニウム、ハフニウムがより好ましい。
Lのシクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては、(置換)シクロペンタジエニル基、(置換)インデニル基、(置換)フルオレニル基などであり、具体的には、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、tert−ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、tert−ブチル−メチルシクロペンタジエニル基、メチル−イソプロピルシクロペンタジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、2−メチルインデニル基、3−メチルインデニル基、4−メチルインデニル基、5−メチルインデニル基、6−メチルインデニル基、7−メチルインデニル基、2−tert−ブチルインデニル基、3−tert−ブチルインデニル基、4−tert−ブチルインデニル基、5−tert−ブチルインデニル基、6−tert−ブチルインデニル基、7−tert−ブチルインデニル基、2,3−ジメチルインデニル基、4,7−ジメチルインデニル基、2,4,7−トリメチルインデニル基、2−メチル−4−イソプロピルインデニル基、4,5−ベンズインデニル基、2−メチル−4,5−ベンズインデニル基、4−フェニルインデニル基、2−メチル−5−フェニルインデニル基、2−メチル−4−フェニルインデニル基、2−メチル−4−ナフチルインデニル基、フルオレニル基、2,7−ジメチルフルオレニル基、2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル基、およびこれらの置換体等があげられる。また、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子が複数ある場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。
Lのうち、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子としては、ヘテロ原子を含有する基、ハロゲン原子、炭化水素基(但し、ここではシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を含まない。)があげられる。
ヘテロ原子を含有する基におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子等があげられ、かかる基の例としてはアルコキシ基;アリールオキシ基;チオアルコキシ基;チオアリールオキシ基;アルキルアミノ基;アリールアミノ基;アルキルホスフィノ基;アリールホスフィノ基;酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子から選ばれる少なくとも一つの原子を環内に有する芳香族もしくは脂肪族複素環基などがあげられる。ハロゲン原子の具体例としてフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられる。また、炭化水素基としてはアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基等があげられる。
二つ以上のLは、直接連結されていてもよく、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子から選ばれる少なくとも1種の原子を含有する残基を介して連結されていてもよい。かかる残基の例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基;ジメチルメチレン基(イソプロピリデン基)、ジフェニルメチレン基などの置換アルキレン基;シリレン基;ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、テトラメチルジシリレン基、ジメトキシシリレン基などの置換シリレン基;窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子などのヘテロ原子などが挙げられ、特に好ましくはメチレン基、エチレン基、ジメチルメチレン基(イソプロピリデン基)、ジフェニルメチレン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジフェニルシリレン基またはジメトキシシリレン基などがあげられる。
メタロセン化合物としては、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド等があげられる。また、ジクロライドをジメトキシドやジフェノキシドといった基に置き換えた化合物も例示することができる。
メタロセン系固体触媒の調整に用いられる助触媒成分としては、有機アルミニウムオキシ化合物、有機アルミニウム化合物、ホウ素化合物などをあげることができる。
該有機アルミニウムオキシド化合物としては、テトラメチルジアルミノキサン、テトラエチルジアミノキサン、テトラブチルジアルミノキサン、テトラヘキシルジアルミノキサン、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、ヘキシルアルミノキサンなどがあげられる。
該有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウムなどをあげることができる。
該ホウ素化合物としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどをあげることができる。
メタロセン系固体触媒の調整に用いられる粒子状担体としては、多孔性の物質が好ましく、SiO2、Al23、MgO、ZrO2、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2等の無機酸化物;スメクタイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ラポナイト、サポナイト等の粘土や粘土鉱物;ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体などの有機ポリマーなどが使用される。
メタロセン系固体触媒としては、例えば、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開昭61−108610号公報、特開昭61−276805号公報、特開昭61−296008号公報、特開昭63−89505号公報、特開平3−234709号公報、特表平5−502906号公報や特開平6−336502号公報、特開平7−224106号公報等に記載されているものを用いることができる。
また、メタロセン系固体触媒は、オレフィンの重合において、必要に応じて、有機アルミニウム化合物、ホウ素化合物などの助触媒成分を併用してもよく、併用する場合、メタロセン系固体触媒および助触媒成分は、重合反応装置に供給する前に予め接触させてもよく、重合反応装置に別々に供給して、重合反応装置内で接触させてもよい。また、各成分は、複数回に別けて接触させてもよい。
以上のオレフィン重合用触媒は、予め少量のオレフィン類で重合させたいわゆる予備重合触媒であってもよい。予備重合において用いられるオレフィン類としては、上述した重合で用いられるオレフィンが挙げられる。この場合1種類のオレフィンを単独で用いてもよく、2種類以上のオレフィンを併用してもよい。
予備重合触媒の製造方法としては、特に制限されないが、スラリー重合、気相重合等が挙げられる。この中でも好ましくはスラリー重合である。この場合、製造において経済的に有利となることがある。また、回分式、半回分式、連続式のいずれを用いて製造してもよい。
なお、重合触媒の反応装置への導入は炭化水素溶媒等に懸濁させて導入してもよく、或いはモノマーガス、窒素等の不活性ガスに同伴させて導入してもよい。
続いて、このような、システムにおいて、ポリオレフィンを製造する方法について説明する。
まず、オレフィン事前重合反応装置5において、公知の方法によりオレフィン重合用触媒を用いてポリオレフィン粒子を生成する。
そして、生成された、例えば、粒径0.5〜5.0mm程度のポリオレフィン粒子を円筒12の上部から円筒12内に投入する。一方、ラインL30を介してノズル40からオレフィンモノマーガスを供給する。重合温度は、通常、50〜110℃であり、好ましくは60〜100℃である。重合圧力は、反応装置内でオレフィンが気相として存在し得る範囲内であればよく、通常、常圧〜5MPaG、好ましくは、1.5〜3MPaGである。
そうすると、図2に示すように、ポリオレフィン粒子Pは筒状バッフル30の内部を下降し、続いて、円錐バッフル20と円筒12との隙間を下降するという状況を繰り返すこととなる。一方、オレフィンモノマーを含むガスは、筒状バッフル30の内部を上昇し、続いて、円錐バッフル20と円筒12との隙間を上昇するという状況を繰り返し、ポリオレフィン粒子と、オレフィンモノマーを含むガスは向流接触することとなり、ポリオレフィン粒子内の触媒の作用によりオレフィン重合反応が進行し、ポリオレフィン粒子が成長することとなる。
そして、本反応装置においては、断面積が狭くされた筒状バッフル30の下部付近や、円錐バッフル20の下部付近において、ガス上昇速度が、空筒速度U0よりも十分に速くなる。したがって、ガス空筒速度U0、すなわち、円筒12の水平断面積S10基準のガス上昇速度を、筒状バッフル30の下部や円錐バッフル20の下部にて局所ガス上昇速度がポリオレフィン粒子の最小流動化速度Umfよりも十分に高くなるように設定し、かつ、筒状バッフル30の上部や円錐バッフル20の上部におけるガス上昇速度を最小流動化速度Umfと同等又はそれ以下とすることができる。
これにより、ポリオレフィン粒子は、円錐バッフル20の上部付近や、筒状バッフル30の上部付近において、ほとんど流動化することなく下方に向けて移動する移動層MBとなる一方、円錐バッフル20の下部付近や、筒状バッフル30の下部付近においては、ガスにより気泡流動化がなされた流動層FBとなる。そして、流動層部分では、粒子がその場で良好に混合されることにより、重合反応熱による局所的な温度上昇が抑制されて温度の均一化に寄与することができる。また、この流動層部分は、移動層部分にはさまれているので、ポリオレフィン粒子が軸方向に過度に逆混合されて滞留時間分布が広くなる心配も少ない。
ここで、ガスの空筒速度U0は特に限定されないが、概ねU0<Umfでは、図3の(a)のように、移動層MBと気泡流動層FBとを効率よく形成できる。ここで、点線矢印はポリオレフィン粒子の動きを、実線矢印はガスの動きを示す。筒状バッフルの下端や、円錐バッフル20の下端でのポリオレフィン粒子の逆混合はほとんど起こらない。
また、U0≧Umfとなると、図(b)のように全体的に気泡流動化して滞留時間分布が大きくなる傾向があるので、図3の(c)に示すように、筒状バッフル30や、円錐バッフル20にガスを上下方向に流通させるための貫通孔32、22を形成することが好ましい。
こうすると、主として、貫通孔22、23を介してガスが流れるので、筒状バッフル30の下端の開口や、円錐バッフル20の下端と円筒12との隙間を流れるガスの量がかなり少なくなり、開口付近での流動化が抑制されて移動層MBを形成でき、粒子の逆混合が抑制されるので、滞留時間分布がそれほど広くならない。このような方法は、特に、反応効率をあげるべくガス流速を特に高めたい場合に有効である。
貫通孔32、22の開口径はそれぞれ、ポリオレフィン粒子が大量に落下することを防止できる大きさ、例えば、1〜5mm程度とされ、通常各バッフルにつき複数設けられるが、各バッフル20、30の貫通孔32、22の水平面投影面積の総和が、円筒12の水平断面積に対して30%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましい。貫通孔が多すぎると、ガスの偏流が生じやすく、ガスと粒子との接触効率が悪化する。
また、図1に示すように、円筒12の中段から、ノズル50を介して、ガス状のオレフィンモノマーや液状のオレフィンモノマーを供給しても良い。この場合、特に、重合反応により消費されるオレフィンモノマーの補給ができると共に、特に、液状のオレフィンモノマーを供給した場合には、円筒12内での蒸発する際に、蒸発潜熱によりポリオレフィン粒子の除熱も可能となり好ましい。
なお、オレフィン事前重合反応装置5を用いない場合には、例えば、粒径10〜500μm程度のオレフィン重合触媒粒子を直接円筒12内に供給すればよい。
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、図2に示すように、円錐バッフル20の上端20aの高さが筒状バッフル30の下端30bの高さよりやや下とされているが、円錐バッフル20の上端20aが筒状バッフル30の中に一部進入していてもよく、円錐バッフル20の上端20aが筒状バッフル30の下端30bと同じ高さでもよい。
続いて、本発明のオレフィン重合反応装置10について、円筒中心を鉛直軸で切断した形の半円筒型コールドモデルを用いて、滞留時間分布について検討した。
(実施例1)
図1のように、筒状バッフル及び円錐バッフル共に貫通孔の無いものを採用し、円錐バッフル下端と円筒との隙間の開口の水平断面積を円筒の水平断面積の30%とし、筒状バッフルの下端の開口の水平断面積を円筒の水平断面積の30%とした。また、ガス流量は、空筒速度U0が最小流動化速度Umfと同等となるように設定した。また、粒子としては、平均粒径900μmのポリプロピレン粒子とした。ここで、筒状バッフル及び円錐バッフルの傾斜角αはいずれも65°とした。また、円筒の内径は200mmとし、筒状バッフルと円錐バッフルとの一対の組み合わせを2組直列に接続した。このような装置において、色のついたポリプロピレン粒子10gを上部から供給し、出口から排出される粒子中の着色粒子の量を時間ごとにモニタリングし、擬似インパルス応答(デルタ応答)としての過渡応答特性曲線を得た。なお、着色粒子の量のモニタリングは、色差計(スガ試験機(株)製カラーコンピータSM−5によりL*,a*,b*色度座標におけるa*を測定し、予め作成した検量線に基づいて求めた。そして、過渡応答曲線(着色粒子濃度vs.時間)について、時間を粒子の平均滞留時間で規格化し、さらに、濃度を、時間0〜∞の期間での濃度の積分値が1となるように規格化することにより、規格化過渡応答曲線(E(τ))を求めた。そして、規格化濃度Eについてτが0〜0.25まで積分したショートパスの割合を表すパラメータPを求めたところ、図4に示すようにP=0.027となった。なお、完全混合槽(CSTR)の槽列モデルにおいて、1槽ではP=0.22、2槽直列ではP=0.09であり、実施例1の滞留時間分布は極めて狭い。
実施例1における規格化過渡応答曲線および完全混合槽の直列槽列モデルにおける2槽直列の場合のデータを図5の(a)に点線に示す。本実施例では、完全混合2槽直列モデル(N=2)程度のプラグフロー性能が得られた。
(実施例2)
ガス量を、空筒速度U0=0.75Umfとなるようにした以外は、同様にした。P=0であった。
実施例2における規格化過渡応答曲線および完全混合槽の直列槽列モデルにおける2槽直列の場合のデータを図5の(b)に点線に示す。本実施例では、完全混合12槽直列モデル程度のプラグフロー性能が得られた。
(実施例3)
円錐バッフルの形状を変更することにより円錐バッフルの下端と円筒との隙間の開口率を20%とした。また、筒状バッフルの形状を変更することにより筒状バッフルの下端の開口の開口率を10%とした。また、筒状バッフル及び円錐バッフルに貫通孔をそれぞれ形成した。貫通孔は6mm径の円形であり、各バッフルに上下方向及び左右方向にほぼ一定間隔となるように多数設けた。円錐バッフルの貫通孔の水平面投影面積の総和は、1つの円錐バッフルあたり円筒水平断面積比で22%とし、筒状バッフルの貫通孔の水平面投影面積の総和は、1つの筒状バッフルあたり円筒水平断面積比で19%とした。これ以外の条件は、実施例1と同様とした。また、ガスの空筒速度は、1.5Umfとした。パラメータPは、0.030であった。
(実施例4)
円錐バッフルの形状を変更することにより、円錐バッフルの下端と円筒との隙間の開口率を30%とした。貫通孔はそれぞれ、円錐バッフル及び筒状バッフルの下部のみに形成されるようにした。円錐バッフルの貫通孔の水平面投影面積の総和は、1つの円錐バッフルあたり円筒水平断面積比で3%とし、筒状バッフルの貫通孔の水平面投影面積の総和は、1つの筒状バッフルあたり円筒水平断面積比で2%とした。これら以外は、実施例3と同様にした。パラメータPは0.073であった。
図1は、本発明にかかるポリオレフィン製造システムを説明する概略構成図である。 図2は、図1のオレフィン重合反応装置10の拡大概略断面図である。 図3は、図2におけるガス及び粒子の挙動を示す模式図であり、(a)は風量が比較的小さい(U0<Umf)場合,(b)は風量が比較的大きい(U0≧Umf)場合、(c)は風量が比較的大きくかつ筒状バッフル及び円錐バッフルに開口が形成された場合を示す図である。 図4は、実施例にかかる各バッフルの開口率、風量、過渡応答結果を示す表である。 図5は、規格化過渡応答曲線であり、(a)が実施例1を、(b)が実施例2を示す。
符号の説明
5…オレフィン事前重合反応装置、10…オレフィン重合反応装置、12…円筒、20…円錐バッフル、22…開口、30…筒状バッフル、32…開口、70…流動層型オレフィン重合反応装置、80…スラリー型オレフィン重合反応装置、100…ポリオレフィン製造システム。

Claims (10)

  1. 鉛直方向に伸びる円筒と、
    前記円筒内に配置され、下方に行くほど内径が小さくなると共に上端が前記円筒の内壁に接する複数の筒状バッフルと、
    前記円筒内に配置され、上端が閉じられると共に下方に行くほど外径が大きくなり、下端は前記円筒の内壁から離間されている複数の円錐バッフルと、を備え、
    前記筒状バッフルと前記円錐バッフルとが前記円筒の軸方向に交互に配列されているオレフィン重合反応装置。
  2. 前記筒状バッフルの内面と水平面とがなす傾斜角、及び、前記円錐バッフルの外面と水平面とがなす傾斜角が、前記円筒内のポリオレフィン粒子の安息角よりも大きい請求項1に記載のオレフィン重合反応装置。
  3. 前記円筒により形成される空間の水平断面積を1としたときに、前記筒状バッフルの下端の開口の水平断面積が0.3以下である請求項1又は2に記載のオレフィン重合反応装置。
  4. 前記円筒により形成される空間の水平断面積を1としたときに、前記円錐バッフルの下端と前記円筒との間に形成される隙間の水平断面積が0.3以下である請求項1〜のいずれか一項記載のオレフィン重合反応装置。
  5. 前記筒状バッフル及び前記円錐バッフルの少なくとも一方に、さらにガス流通させる貫通孔が形成されている請求項1〜のいずれか一項記載のオレフィン重合反応装置。
  6. 前記円筒により形成される空間の水平断面積を1としたときに、前記バッフルあたりの前記貫通孔の水平面投影面積の総和が0.3以下である請求項に記載のオレフィン重合反応装置。
  7. 前記円筒により形成される空間の水平断面積を1としたときに、前記バッフルあたりの前記貫通孔の水平面投影面積の総和が0.05以下である請求項に記載のオレフィン重合反応装置。
  8. 請求項1〜のいずれか一項記載のオレフィン重合反応装置を用い、ポリオレフィン粒子による移動層と流動層とを交互に形成させてオレフィンの重合を行うポリオレフィン製造方法。
  9. オレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンを重合させてポリオレフィン粒子を形成するオレフィン事前重合反応装置と、
    前記オレフィン事前重合反応装置の後段に接続された請求項1〜のいずれか一項記載のオレフィン重合反応装置と、
    を備えるポリオレフィン製造システム。
  10. 請求項に記載のポリオレフィン製造システムを用いてオレフィンの多段重合を行うポリオレフィン製造方法。
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