JP5357090B2 - センサ電圧の処理回路 - Google Patents
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Description
(1)各々のセンサ901はホール素子であり、回転体907が有する歯908とセンサ901の位置関係の変化に追従して変化するセンサ電圧を出力する。
(2)プリアンプ902はセンサ電圧を一次増幅して出力する。
(3)回転体907が回転すると一次増幅後のセンサ電圧は周期的に変化する。一次増幅後のセンサ電圧は、周期的に変化する交流成分に直流成分が重複した電圧となっている。
(4)一次増幅後のセンサ電圧に含まれている直流電圧の値は、電源電圧の変化あるいは環境温度の変化等に依存して変化する。オフセット電圧を適切に調整しないと、メインアンプ920で二次増幅した後のセンサ電圧が、回路の動作電圧範囲外となることがある。
(5)一次増幅後のセンサ電圧に含まれている交流電圧の振幅は、電源電圧の変化あるいは環境温度の変化等に依存して変化する。メインアンプ920の増幅率を適切に調整しないと、二次増幅後のセンサ電圧の振幅が過大となって回路の動作範囲外となったり、過小となって信号処理の精度が低下したりすることがある。
(6)オフセット調整器921は、一次増幅後のセンサ電圧の振幅の中央値が所定の範囲に収まるようなオフセット電圧に調整し、一次増幅後のセンサ電圧とオフセット電圧との差をメインアンプ920に出力する。
(7)メインアンプ920は、前記差を増幅した電圧にオフセット電圧が重畳した電圧を論理判定部904に出力する。
(8)論理判定部904は、オフセット電圧を基準にして周期的に変化する二次増幅後のセンサ電圧を論理演算し、センサ電圧を2値化したパルス列を出力する。
(9)初期化判定部903は、電源投入直後の初期状態において、メインアンプ920の増幅率を、二次増幅後のセンサ電圧の振幅が過大でも過小でもない振幅となる増幅率に調整する。
(10)電源投入直後の初期状態に、回転体907が回転していないにも係わらず、たとえば回転体907の回転中心位置がセンサ901に対して振動したり、あるいは回転体907が微小角度範囲内で回転振動したりすることがあり、センサ電圧が周期的に変動することがある。この場合のセンサ電圧の振幅は小さく、その小さな振幅を適切な振幅に増幅するために、初期化判定部903が大きな増幅率に調整することがある。
(11)前記(10)が発生した場合、その後に回転体907が回転運動を開始すると、センサ電圧の振幅が増大し、初期化判定部903で調整した増幅率でメインアンプ920が増幅すると、二次増幅後のセンサ電圧の振幅が過大となることがある。
(12)再初期化判定部930は、初期化判定部903で調整した増幅率が過大である場合に増幅率を低減させる。具体的には、二次増幅後のセンサ電圧が、回路の動作電圧範囲の上限電圧よりも所定電圧だけ低いレベル(以下では高レベルという)を超えて上昇し、動作電圧範囲の下限電圧よりも所定電圧だけ高いレベル(以下では低レベルという)を下回って下降する場合に、メインアンプ920の増幅率を低減させる。すなわち、二次増幅後のセンサ電圧が、高レベルから低レベルまでの範囲内に収まるように増幅率を低減させる。
特に、特許文献1の技術では、オフセット電圧が不適切に調整されている場合と増幅率が不適切に調整されている場合を区別するために、二次増幅後のセンサ電圧が高レベルを上回るとともに低レベルを下回ることを確認して増幅率を調整するために、増幅率を適値に調整するのに長時間を要する。
前記した調整回路は、極値保存回路に対して極値保存回路が保存している極値を動作電圧範囲の中間帯内の電圧とする信号を出力する。その結果、極値保存回路が保存している極大値と極小値の初期値が中間値とされ、増幅後電圧がその後に変化するのに追従して、極値保存回路が保存している極大値と極小値が更新されていく。極値保存回路が最初に保存する極値を、オフセット電圧を調整し終えた時の増幅後電圧に等しくしてもよい。オフセット電圧を調整し終えた時の増幅後電圧は中間帯の内にある。
前記の調整回路は、その後に増幅率を調整する。この場合、極値保存回路が保存している極大値または極小値からの変化幅に基づいて増幅率を調整する。例えば、センサ電圧が上昇中の場合には、増幅後電圧の最後の極小値からの増加分が所定幅を超えれば、増幅後電圧の振幅が過大であるとして増幅率を低減する。逆に、センサ電圧が下降中の場合には、増幅後電圧の最後の極大値からの下降分が所定幅を超えれば、増幅後電圧の振幅が過大であるとして増幅率を低減する。いずれの場合も、次に極値をなるのを待たずに(換言すれば増幅後電圧の振幅の大小が判明するのを待たないで)増幅率を低減させていく。ここでいう所定幅は、増幅率を変更するか否かの基準とする電圧であり、増幅率変更判定電圧に相当する。
本処理回路では、増幅率が過大であることが判明して増幅率を低減させる調整信号を出力する時に、極値保存回路に対して極値保存回路に保存されている極値を補正する信号を出力する。その結果、極大値または極小値からの変化幅に基づいて、低減後の増幅率が過大であるか否かを判別することができる。
増幅後電圧が回転運動に固有な変化パターンを示すまで、増幅率の低減処理と保存されている極値の補正処理を繰り返し、増幅後電圧が回転運動に固有な変化パターンを示した時に増幅率の調整処理を完了する。
以上の処理によって、増幅後電圧が動作電圧範囲に収まるオフセット電圧に調整され、動作電圧範囲を有効に活用する増幅率に調整される。しかも、事後的に増幅率を調整する必要のない増幅率に調整される。
上記のセンサ電圧処理回路によると、電源投入から適切なオフセット電圧と適切な増幅率に調整するまでの期間を短縮化することができ、回転現象を高精度で検出可能となるまでの期間を短縮化することができる。
一つの方法では、前記(4)の処理時に、極値保存回路が保存している極大値と極小値の両者を、低減後の増幅率で増幅した増幅回路の出力電圧に等しくする。
この場合、前記(4)の実行直後から、極大値と極小値の更新処理が開始される。増幅回路の出力電圧が極値保存回路に保存されている極大値または極小値から所定幅を超えて変化する現象が発生するまでの間には、その判別に用いる極大値または極小値は真の値に更新されている。この方法によって、増幅後電圧の極大値または極小値からの変化幅によって、増幅率が過大か否かの判別が可能となる。
新極大値=(旧極大値―オフセット電圧)×(新増幅率/旧増幅率)+オフセット電圧
新極小値=(旧極小値―オフセット電圧)×(新増幅率/旧増幅率)+オフセット電圧
この方法によると、前記(4)の処理で増幅率を低減した時に、極値保存回路が保存している極大値と極小値が、低減後の増幅率で増幅した増幅後電圧の極大値と極小値に更新される。
増幅後電圧の上昇に追従して極値保存回路が保存している極大値が更新され、増幅後電圧の下降に追従して極値保存回路が保存している極小値が更新される場合、増幅後電圧の極大値または極小値からの変化幅が所定幅を超えるタイミングでは、増幅後電圧の極大値または極小値からの変化幅=極値保存回路が保存している極大値と極小値の差となる。
そこで、極値保存回路が保存している極大値と極小値の差から、増幅後電圧の極大値または極小値から変化幅を算出するようにしてもよい。
回転体の回転運動の開始後に2値化回路の出力が3回反転すれば、その間に回転中のセンサ電圧が極大値から極小値まで変化していることから、それ以上に増幅率を低減させる必要がなく、それまでに調整された増幅率による増幅後電圧が動作範囲内に収まることが確認される。
後記するように、位相差が所定範囲にあれば、振動運動ではなく回転運動が検出されたと判定することができ、それ以上に増幅率を低減調整する必要がないと判定することができる。
温度補償機能をプリ増幅回路で実現することが可能となり、増幅回路(プリ増幅回路と区別するためにはメイン増幅回路というのが理解しやすい。ただし、本発明ではプリ増幅回路が必ず存在するとは限られないので、本明細書では単に増幅回路という)の増幅率調整回路に温度補償機能を組み込む必要をなくすことができる。
(第1特長) オフセット電圧調整回路は、デジタル回路とD/A変換回路を備えており、デジタル回路に信号を入力することでオフセット電圧が調整される。
(第2特長) 極値保存回路は、デジタル回路とD/A変換回路を備えており、デジタル回路に信号を入力することで、極値保存回路が保存している極値が調整される。
(第3特長) センサ出力は環境温度の上昇によって振幅が減少し、プリ増幅回路の増幅率は環境温度の上昇によって増大する。単位温度あたりのセンサ出力の減少率と、単位温度あたりのプリ増幅回路の増幅率の増加率がほぼ等しい関係に設定されており、プリ増幅回路の出力電圧の振幅は温度変化に抗してほぼ一定に維持される。メインアンプ(増幅回路)の増幅率を一旦調整すれば、その後の温度変化による影響をプリ増幅回路が増幅率を調整して補償するので、メインアンプ(増幅回路)の増幅率を再調整する必要がない。
(第4特長) 増幅後のセンサ電圧の極大値と極小値の中間値(必ずしも数学的に厳密な中間とは限られない)を増幅後のセンサ電圧と比較して2値化する。
(第5特長) 増幅後のセンサ電圧の極大値と極小値の中間値(必ずしも数学的に厳密な中間とは限られない)が所定値となるように増幅後のセンサ電圧を増減調整し、増減調整後の増幅後センサ電圧を所定値と比較して2値化する。第4特長の方式と第5特長の方式は、同一内容の処理をし、同一結果をもたらす。両者は均等である。
(第6特長) センサ電圧の振幅だけでは回転運動と振動現象を区別できない場合、2個のセンサを用い、2個のセンサ電圧の位相差を参照して回転運動と振動現象を区別する。ただし、センサ電圧の振幅が小さい場合には、位相差から回転運動と振動現象を区別できないことがある。すなわち、センサ電圧の振幅が小さい状態で位相差を見ても回転運動と振動現象を区別できず、所定電圧以上が得られる増幅率でセンサ電圧を増幅して位相差を見ないと回転運動と振動現象を区別できないことがある。本実施例では、大きな増幅率で増幅して位相差を検出する状態を経て適切な増幅率に低減していくプロセスを経る。すなわち、位相差から回転と振動を判別できる大きさの電圧が得られる増幅率でセンサ電圧を増幅して位相差を判定するプロセスを経る。回転運動と振動現象を正確に区別することができる。
(第7特長) 2個のセンサ電圧の2値化処理結果を、それよりも遅れて反転する遅れ2値化結果の反転タイミングで参照することによって、2個のセンサ電圧の2値化処理結果の位相差を特定する。
A.本発明の第1実施例に係るセンサ電圧処理回路:
A−1.本発明の第1実施例に係る処理回路の構成:
A−2.本発明の第1実施例に係る処理回路の動作:
B.本発明の第2実施例に係るセンサ電圧処理回路:
B−1.本発明の第2実施例に係る処理回路の構成:
B−2.本発明の第2実施例に係る処理回路の動作:
C.本発明の第3実施例に係るセンサ電圧処理回路:
C−1.本発明の第3実施例に係る処理回路の構成:
C−2.本発明の第3実施例に係る処理回路の動作:
D.変形例:
A−1.本発明の第1実施例に係るセンサ電圧処理回路の構成:
図1は、回転体10と、センサ11と、第1実施例のセンサ電圧処理回路100からなる回転検出システムを示している。回転体10は磁性体であり、たとえばエンジンのクランクシャフトのように、一方向にのみ回転する回転部材に機械的に接続されている。センサ11は、ホール素子であり、回転体10が有する歯10tとの位置関係の変動に起因する磁気変化に追従して変化するセンサ電圧Vinを出力する。回転体10が回転すると、センサ11に向かい合う位置を歯10tと谷(歯と歯の間)が交互に通過することから、センサ電圧Vinは周期的に変化する。センサ電圧処理回路100は、センサ電圧Vinを増幅した後に2値化処理を行ってハイとローの間で反転するデジタル信号Voutを出力する。センサ電圧処理回路100は、増幅回路と、2値化回路と、増幅回路のオフセット電圧と増幅率を調整する調整回路と、増幅後電圧の極大値と極小値を保存する極値保存回路を備えている。調整回路は、増幅後電圧Vmに基づいて、オフセット電圧を調整する信号V’offを増幅回路に出力し、増幅後電圧Vmと極大値Vpまたは極小値Vbに基づいて、増幅率を調整する信号Sを増幅回路に出力する。調整回路は、増幅率を調整する際に、極値保存回路が保存している極大値Vpと極小値Vbを補正する信号S2を極値保存回路に出力する。2値化回路は、極値保存回路が保存している極大値Vpと極小値Vbを用いて増幅後電圧Vmを2値化する。
センサ電圧はVinは、歯10tと谷が交互に通過するのに追従して周期的に変化する交流電圧に、直流電圧(バイアス電圧)が重畳した電圧となっている。バイアス電圧の大きさは、電源電圧と環境温度等によって変化する。交流電圧の振幅は、空隙δの大きさと、電源電圧と環境温度等によって変化する。センサ電圧処理回路100でセンサ電圧Vinを増幅する際に、基準とする電圧(オフセット電圧)を適切に調整し、増幅率を適切に調整しないと、増幅後のセンサ電圧が処理に適した電圧範囲のなかで処理に適した振幅で変化しないことになる。センサ電圧処理回路100は、電源投入直後に、オフセット電圧と増幅率を適値に調整する必要がある。
なお電源電圧はVccであり、回路の動作電圧範囲は0〜Vccである。
増幅回路120で増幅された電圧Vmは、第1電圧判定部150に入力され、Vcc/2と比較される。増幅後電圧Vm>Vcc/2であれば、オフセット電圧調整回路130はオフセット電圧Voffを所定幅だけ下げる。この結果、増幅後電圧Vmは低下してVcc/2に近づく。増幅後電圧Vm<Vcc/2であれば、オフセット電圧調整回路130はオフセット電圧Voffを所定幅だけ上げる。この結果、増幅後電圧Vmは増加してVcc/2に近づく。オフセット電圧調整回路130は、増幅後電圧VmがVcc/2に近づくまで、オフセット電圧Voffを調整する。Vcc/2は、0〜Vccという動作電圧範囲の中間帯に属している。オフセット電圧調整回路130は、増幅後電圧Vmが動作電圧範囲の中間帯に入る値となるまでオフセット電圧Voffを調整する。オフセット電圧Voffの調整時に用いる増幅後電圧Vmの目標値はVcc/2でなくてもよく、0〜Vccという動作電圧範囲の中間帯に属する電圧であればよい。
電源投入時に、ピークホールド回路160pとボトムホールド回路160bが保存しているホールド電圧は、Vcc/2に初期化される。オフセット電圧Voffが調整され、最大増幅率で増幅された電圧VmがVcc/2になるまでは、ピークホールド回路160pとボトムホールド回路160bが保存しているホールド電圧はVcc/2に固定される。ピークホールド回路160pとボトムホールド回路160bには、増幅後電圧Vmが入力している。増幅後電圧VmがVcc/2に一致すると、ピークホールド回路160pはピークホールド電圧の更新処理を開始し、ボトムホールド回路160bはボトムホールド電圧の更新処理を開始する。
増幅後電圧Vmが上昇する間は極小値(更新処理が開始した後の極小値)からの上昇幅が算出され、その上昇幅が変化幅判定部145に入力される。変化幅判定部145は、その上昇幅が所定幅を超えると、増幅回路120の増幅率を1段階低減する。増幅後電圧Vmが下降する間は極大値(更新処理が開始した後の極大値)からの下降幅が算出され、その下降幅が変化幅判定部145に入力される。変化幅判定部145は、その下降幅が所定幅を超えると、増幅回路120の増幅率を1段階低減する。
本実施例の場合、増幅後電圧Vmが極小値Vbから所定幅を超えて上昇する時には、増幅後電圧Vmがそれまでのピークホールド電圧Vpを超えている。すなわち、ピークホールド電圧Vpが増幅後電圧Vmの上昇に追従して更新されている間に、増幅後電圧Vmが極小値Vbから所定幅を超えて上昇する。この時には増幅後電圧Vm=ピークホールド電圧Vpとなっている。そこで本実施例では、増幅後電圧Vmの極小値Vbからの上昇幅が所定幅を超えたか否かを判定するために、ピークホールド電圧Vpとボトムホールド電圧Vbの差が所定幅を超えたか否かによって判定をしている。
同様に増幅後電圧Vmが極大値Vpから所定幅を超えて下降する時には、増幅後電圧Vmがそれまでのボトムホールド電圧Vbを下回っている。すなわち、ボトムホールド電圧Vbが増幅後電圧Vmの下降に追従して更新されている間に、増幅後電圧Vmが極大値Vpから所定幅を超えて下降する。この時には増幅後電圧Vm=ボトムホールド電圧Vbとなっている。そこで本実施例では、増幅後電圧Vmの極大値Vpからの下降幅が所定幅を超えたか否かを判定するために、ピークホールド電圧Vpとボトムホールド電圧Vbの差が所定幅を超えたか否かによって判定をしている。
極小値からの上昇幅あるいは極大値からの下降幅(本実施例の場合にはピークホールド電圧Vpとボトムホールド電圧Vbの差)が所定幅を超えたために、増幅率調整回路140が増幅回路120の増幅率を1段階低減させるのにあわせて、ピークホールド電圧Vpとボトムホールド電圧Vbを、新増幅率による増幅後電圧Vmの極大値と極小値に補正する必要がある。その補正をすると、ピークホールド電圧Vpとボトムホールド電圧Vbの差が、新増幅率による増幅後電圧Vmの極小値からの上昇幅ないし新増幅率による増幅後電圧Vmの極大値からの下降幅に等しくなる。
上記処理を繰り返すことによって、増幅後電圧Vmの極小値又は極大値からの変化幅が所定幅を超えない増幅率に低減される。増幅率は順に低減されていくので、結局は、増幅後電圧Vmの極小値又は極大値からの変化幅が所定幅を超えないという制約を満たす最大増幅率に調整される。
本処理回路では、増幅率が過大であることが判明し、調整回路400が増幅回路120に対して、増幅率を低減させる調整信号Sを出力する時に、極値保存回路160に対して極値保存回路160が保存しているホールド電圧を補正する信号を出力する。具体的には調整回路400が、ピークホールド回路160pにピークホールド電圧Vpを補正する信号を出力し、ボトムホールド回路160bにボトムホールド電圧Vbを補正する信号を出力する。
本実施例では、調整回路400が増幅回路120に対して増幅率を低減させる調整信号Sを出力する時に、ピークホールド回路160pのピークホールド電圧Vpとボトムホールド回路160bのボトムホールド電圧Vbの双方を、増幅率低減後の増幅後電圧Vmに等しくさせる。
この場合、後記する図10に例示するように、ピークホールド電圧Vpまたはボトムホールド電圧Vbは、増幅率低減後の増幅後電圧Vmの上昇または下降に追従して更新され、増幅率低減後の増幅後電圧Vmのピーク電圧またはボトム電圧に一致する。増幅率低減後の増幅後電圧Vmの極小値からの上昇幅が所定幅を超える場合、あるいは、増幅率低減後の増幅後電圧Vmの極大値からの下降幅が所定幅を超える場合には、それに先立って、増幅率低減後の増幅後電圧Vmが下降してから上昇する現象、または上昇してから下降する現象が生じている。すなわち、増幅率低減後の増幅後電圧Vmの極小値からの上昇幅が所定幅を超える場合には、ボトムホールド電圧Vbが増幅率低減後の増幅後電圧Vmの極小値に更新されている。また、増幅率低減後の増幅後電圧Vmの極大値からの下降幅が所定幅を超える場合には、ピークホールド電圧Vpが増幅率低減後の増幅後電圧Vmの極大値に更新されている。
調整回路400が増幅回路120に対して増幅率を低減させる調整信号Sを出力する時に、ピークホールド回路160pのピークホールド電圧Vpとボトムホールド回路160bのボトムホールド電圧Vbの双方を増幅率低減後の増幅後電圧Vmに等しくさせると、増幅率低減後の増幅後電圧Vmの変化幅が所定幅を超えるときに、増幅率低減後の増幅後電圧Vmの極小値をボトムホールド回路160bに保存しておくことができ、増幅率低減後の増幅後電圧Vmの極大値をピークホールド回路160bに保存しておくことができる。
上記の処理をすることから、増幅回路の出力電圧が極値保存回路に保存されている極大値または極小値から所定幅を超えて変化する現象が発生するまでの間に、その判別に用いるピークホールド電圧Vpとボトムホールド電圧Vbが、判別対象とする増幅後電圧の増幅率によるものに補正されている。この方法によって、増幅後電圧の極大値または極小値からの変化幅によって、増幅率が過大か否かを判別することが可能となる。
上記に代えて、増幅率が過大であることが判明して調整回路400が増幅回路120に対して増幅率を低減させる調整信号Sを出力する時に、極値保存回路160が保存している旧極大値と旧極小値を下記式で算出される新極大値と新極小値に更新する方法を採用してもよい。
新極大値=(旧極大値―オフセット電圧)×(新増幅率/旧増幅率)+オフセット電圧
新極小値=(旧極小値―オフセット電圧)×(新増幅率/旧増幅率)+オフセット電圧
この方法によっても、新増幅率(低減後増幅率)による増幅後電圧が所定幅を超えて変化する現象が発生するときに、極値保存回路160が保存しているピークホールド電圧とボトムホールド電圧を、新増幅率による増幅後電圧Vmの極大値と極小値に一致させることができる。また、「新増幅率による増幅後電圧Vmの極大値または極小値からの変動分=ピークホールド電圧Vpとボトムホールド電圧Vbの差」の関係を得ることができる。
−(50Rs/1R)×(Vin-Vcc/2)+Vcc/2
すなわち、プリ増幅回路110のオフセット電圧はVcc/2であり、増幅率は−50Rs/1Rである。
上記の関係によって、昇温するとセンサ電圧の振幅が減少する影響が、昇温するとプリ増幅回路110の増幅率が上昇することによって打ち消され、温度変化に抗して、プリ増幅回路110で増幅されたセンサ電圧の振幅をほぼ一定に維持することができる。本実施例では、プリ増幅回路110で増幅されたセンサ電圧の振幅の温度に対する変化率が、温度補償しない場合の1/10以下に抑制される。
プリ増幅回路110が温度補償機能を備えていることから、増幅回路120の増幅率が後記するように調整されると、その増幅率に固定しておいても温度補償することができるようになっている。
プリ増幅回路110は、Vcc/2をオフセット電圧としており、増幅率が比較的に小さいことから、プリ増幅回路110で増幅されたセンサ電圧は0〜Vcc内に収まる。
カウンタ132は、リセット端子を備えており、電源投入時にリセット信号RSTが加えられる。すると、D/A変換回路134で変換するとVcc/2となる値がカウンタ132にセットされる。オフセット調整回路130は、電源投入時のオペアンプ122のオフセット電圧をVcc/2とする。
抵抗10Rと15Rの間にスイッチ端子S1が設けられており、抵抗15Rと25Rの間にスイッチ端子S2が設けられており、抵抗25Rとオペアンプ122の反転入力端子の間にスイッチ端子S3が設けられている。スイッチSW2は、オペアンプ122の出力端子をスイッチ端子S1,S2,S3のいずれかに接続する。
スイッチSW2がスイッチ端子S1に接触していると、オペアンプ121の増幅率は、50Ra/10Rとなり、最大増幅率となる。スイッチSW2がスイッチ端子S2に接触していると、オペアンプ122の増幅率は、50Ra/(10R+15R)となり、中間増幅率となる。スイッチSW2がスイッチ端子S3に接触していると、オペアンプ121の増幅率は、50Ra/(10R+15R+25R)となり、最小増幅率となる。
オペアンプ122の最大の増幅率で増幅された増幅後電圧VmがVcc/2になるまでは、ピークホールド回路160pとボトムホールド回路160bが保存しているホールド電圧はVcc/2に固定される。ピークホールド回路160pとボトムホールド回路160bには増幅後電圧Vmが入力している。増幅後電圧VmがVcc/2に一致すると、ピークホールド回路160pはピークホールド電圧Vpの更新処理を開始し、ボトムホールド回路160bはボトムホールド電圧Vbの更新処理を開始する。オペアンプ122の増幅後電圧Vmが最初に上昇する間はVcc/2からの上昇幅が算出され、その上昇幅が変化幅判定部145に入力される。変化幅判定部145は、その上昇幅が所定幅を超えると、スイッチSW2に増幅率調整信号Sを送り、スイッチSW2がスイッチ端子S2に接触している状態に切り換え、オペアンプ122の増幅率を1段階低減させる。オペアンプ122の増幅後電圧Vmが最初に下降する間はVcc/2からの下降幅が算出され、その下降幅が変化幅判定部145に入力される。変化幅判定部145は、その下降幅が所定幅を超えると、スイッチSW2に増幅率調整信号Sを送り、スイッチSW2がスイッチ端子S2に接触している状態に切り換え、オペアンプ122の増幅率を1段階低減させる。
増幅率を1段階低減させるのに連動して、ピークホールド回路160pのピークホールド電圧Vpとボトムホールド回路160bのボトムホールド電圧Vbの双方を、増幅率低減後の増幅後電圧Vmに等しくする。
スイッチSW2がスイッチ端子S2に接触している状態に切り換えたあとも上記の処理が繰り返される。極小値(スイッチ端子S2の増幅率に対応する値に補正されている)からの上昇幅が所定幅を超えると、スイッチSW2に増幅率調整信号Sを送り、スイッチSW2がスイッチ端子S3に接触している状態に切り換え、オペアンプ122の増幅率をさらに1段階低減させる。それに連動して、ピークホールド回路160pのピークホールド電圧Vpとボトムホールド回路160bのボトムホールド電圧Vbの双方を、スイッチ端子S3に対応する増幅率による増幅後電圧Vmに等しくする。極大値(スイッチ端子S2の増幅率に対応する値に補正されている)からの下降幅が所定幅を超えると、スイッチSW2に増幅率調整信号Sを送り、スイッチSW2がスイッチ端子S3に接触している状態に切り換え、オペアンプ122の増幅率を1段階低減させる。それに連動して、ピークホールド回路160pのピークホールド電圧Vpとボトムホールド回路160bのボトムホールド電圧Vbの双方を、スイッチ端子S3に対応する増幅率による増幅後電圧Vmに等しくする。オペアンプ122の増幅率が、オペアンプ122の増幅後電圧Vmの変化幅が所定幅を超えないという制約を満たす最大増幅率に調整される。
ピークホールド回路160pは、コンパレータ161と、2個のAND回路162、163と、カウンタ164と、D/A変換回路165を備えている。カウンタ164は、リセット端子を備えており、電源投入時にリセット信号RSTが加えられる。すると、D/A変換回路165で変換するとVcc/2となる値がカウンタ164にセットされる。ピークホールド回路160pは、電源投入時のピークホールド電圧をVcc/2とする。
ピークホールド回路160pには、増幅後電圧Vmと、2つのクロック信号CLK1、CLK2と、リセット信号RSTと、オフセット調整回路130からのオフセット電圧Voffを指示する信号と、増幅率調整回路140からの増幅率を指示する信号が入力される。
クロック信号CLK1は短周期のクロック信号であり、クロック信号CLK2は長周期のクロック信号である。クロック信号CLK2は、クロック信号CLK1を分周回路で処理して得られたものである。ピークホールド回路160pは、ピークホールド電圧Vpを出力する。
図6の場合、3回の極大値p1、p2、p3が例示されている。p1>p2>p3である。通常のピークホールド回路は、2回目の極大値p2をとっても、保持している極大値p1よりも小さいことから、ピークホールド電圧Vpをp1からp2に更新しない。しかしながら、周期的に変化する増幅後電圧Vmを周期的な変化に基づいて2値化する場合、そのときそのときの極大値と極小値に更新する必要がある。
図4に示すように、コンパレータ161の出力端子は、反転したあとに、AND回路163の一方の端子に入力される。AND回路163の他方の端子には、クロック信号CLK2が入力される。コンパレータ161の出力端子は、増幅後電圧Vm>ピークホールド電圧Vpのときにハイとなることから、その反転信号がハイとなるのは、増幅後電圧Vm<ピークホールド電圧Vpのときである。増幅後電圧Vm<ピークホールド電圧Vpのときに、AND回路163の出力端子にクロック信号CLK2が出力される。AND回路163の出力端子は、カウンタ164のDOWN端子に接続されている。増幅後電圧Vm<ピークホールド電圧Vpの間は、カウンタ164のカウント値は長周期で減少していく。クロック信号CLK2は、カウント値が緩やかに下降する長周期に設定されている。増幅後電圧Vm<ピークホールド電圧Vpの間は、カウンタ164のカウント値が緩やかに減少し、ピークホールド電圧Vpが緩やかに減少する。しかしながらその減少速度は遅く、ピークホールド電圧Vpから増幅後電圧Vmを2値化する閾値電圧を算出しても、ピークホールド電圧Vpが緩やかに減少することが2値化結果に影響しない低速度に設定されている。ピークホールド回路160pでピークホールドする目的は得られる。しかしながら、図6(1)に示すように、増幅後電圧Vmが緩やかに低下する際に、次の極大値よりも小さくなる関係は得られる。そのために、周期ごとに極大値が低下する場合に、ピークホールド回路160pは各周期の極大値に更新されていく。
ピークホールド回路160pは、回転体10が偏心回転してセンサの出力電圧Vinがうねるような場合にも、各周期の極大値を捕捉する。
ボトムホールド回路160pには、増幅後電圧Vmと、2つのクロック信号CLK1、CLK2と、リセット信号RSTと、オフセット調整回路130からのオフセット電圧Voffを指示する信号と、増幅率調整回路140からの増幅率を指示する信号が入力される。
図6の場合、3回の極小値b1、b2、b3が例示されている。b1<b2<b3である。通常のボトムホールド回路は、2回目の極小値b2となっても、保持している極小値b1よりも大きいことから、ボトムホールド電圧Vbをb1からb2に更新しない。しかしながら、周期的に変化する増幅後電圧Vmを周期的な変化に基づいて2値化する場合、そのときそのときの極大値と極小値に更新する必要がある。
図4に示すように、コンパレータ161aの出力端子は、反転したあとに、AND回路163の一方の端子に入力される。AND回路163の他方の端子には、クロック信号CLK2が入力される。コンパレータ161aの出力端子は、増幅後電圧Vm<ボトムホールド電圧Vbのときにハイとなることから、その反転信号がハイとなるのは、増幅後電圧Vm>ボトムホールド電圧Vbのときである。増幅後電圧Vm>ボトムホールド電圧Vbのときに、AND回路163の出力端子にクロック信号CLK2が出力される。AND回路163の出力端子は、カウンタ164aのUP端子に接続されている。増幅後電圧Vm>ボトムホールド電圧Vbの間は、カウンタ164aのカウント値は長周期で増大していく。クロック信号CLK2は、カウント値が緩やかに上昇する長周期に設定されている。増幅後電圧Vm>ボトムホールド電圧Vbの間は、カウンタ164aのカウント値が緩やかに増大し、ボトムホールド電圧Vbが緩やかに増大する。しかしながらその増大速度は遅く、ボトムホールド電圧Vbから増幅後電圧Vmを2値化する閾値電圧を算出しても、ボトムホールド電圧Vbが緩やかに上昇することが2値化結果に影響しない低速度に設定されている。ボトムホールド回路160bでボトムホールドする目的は得られる。しかしながら、図6(2)に示すように、増幅後電圧Vmが緩やかに上昇する際に、次の極小値よりも大きくなる関係は得られる。そのために、周期ごとに極小値が増大する場合に、ボトムホールド回路160bは各周期の極小値に更新されていく。
ボトムホールド回路160bは、回転体10が偏心回転してセンサの出力電圧Vinがうねるような場合にも、各周期の極小値を捕捉する。
この技術では、図5に示すように、次に極大値となる直前のタイミングでピークホールド電圧Vpを人為的に減少させる。これによって、極大値が低下していく場合でも各周期の極大値を捕捉することができる。なお、極大値と極小値から閾値電圧を決定して増幅後電圧Vmを2値化処理する動作は、ピークホールド電圧Vpを人為的に減少させるに先立って実施されているので、人為的な処理が2値化に影響することもない。
同様に、次に極小値となる直前のタイミングでボトムホールド電圧Vbを人為的に増加させる。これによって、極小値が上昇していく場合でも各周期の極小値を捕捉することができる。なお、極大値と極小値から閾値電圧を決定して増幅後電圧Vmを2値化処理する動作は、ボトムホールド電圧Vbを人為的に増加させるに先立って実施されているので、人為的な処理が2値化に影響することもない。
図7と図8の処理は、電源投入時に実行される。電源投入によって、まず増幅回路120の増幅率が最大の状態に設定される(S4)。すなわち図3のスイッチSW2がスイッチ端子S1に接触する状態に切り換えられる。次に、ピークホールド回路160pのホールド電圧がVcc/2に設定され、その更新処理が停止される(S6)。同様に、ボトムホールド回路160bのホールド電圧がVcc/2に設定され、その更新処理が停止される(S8)。そして増幅回路120のオフセット電圧がVcc/2に設定される(S10)。以上の設定状態が図9のタイミングt1に示されている。
最初に設定したVcc/2というオフセット電圧が低すぎればステップS16がイエスとなる。この場合には、オフセット電圧が低すぎると扱い、オフセット電圧Voffを所定幅だけ上げる(S18)。その処理が繰り返される。最初に設定したVcc/2というオフセット電圧が低すぎれば、ステップS16とS18の処理を繰り返し実行し、増幅後電圧VmがVcc/2に上昇するまでオフセット電圧Voffが高くされる。
図9は、最初に設定したVcc/2というオフセット電圧が高すぎた場合を例示しており、
その後に修正され、タイミングt2で増幅後電圧Vm=Vcc/2の関係を実現するオフセット電圧に調整された場合を例示している。以上によってオフセット電圧の初期調整を完了する。
図9に示すように、タイミングt2となるまでは、ピークホールド回路160pとボトムホールド回路160bがVcc/2の電圧を保持している。タイミングt2で増幅後電圧VmがVcc/2に一致し、その後に増幅後電圧Vmが減少すれば、ボトムホールド電圧Vbが更新されて低下する。ピークホールド電圧はVcc/2に保持される。
図示はされていないが、タイミングt2で増幅後電圧VmがVcc/2に一致し、その後に増幅後電圧Vmが上昇すれば、ピークホールド電圧Vpが更新されて上昇する。ボトムホールド電圧はVcc/2に保持される。
この実施例では、回転体10が回転運動したときに観測されるプリ増幅回路110で増幅されたセンサ電圧の振幅の最小値の方が、回転体10が振動運動したときに観測されるプリ増幅回路110で増幅されたセンサ電圧の振幅の最大値よりも大きい。ステップS22で比較対象とされる値を決める式に含まれているΔV1は、回転体10が回転運動したときに観測されるプリ増幅回路110で増幅されたセンサ電圧の振幅の最小値よりも小さく、回転体10が振動運動したときに観測されるプリ増幅回路110で増幅されたセンサ電圧の振幅の最大値よりも大きい。ステップS22がイエスとなれば、回転運動が検出され、ステップS22がノーとなれば、回転運動が検出されないということが言える。
プリ増幅回路110の増幅率は一定であるから、ΔV1の値は一定である。比較対象である増幅後電圧Vmは増幅回路120で増幅されている。そこで、ステップS22では、ΔV1に増幅回路120の増幅率(この場合は最大増幅率)を乗じた値と比較する。
2値化信号がまだ3回反転していない間は、ステップS24でノーとなる。ここで3回としたのは、回転体10が回転運動を始めたことを確実に判定するためである。回転体10が回転運動を始めたと判定されるまでの間は、増幅率の調整処理を行う。
ステップS26では、更新されているピークホールド電圧Vpまたはボトムホールド電圧Vbから現在の増幅後電圧Vmまでの変化幅を所定値と比較する。ここでは、回路の動作電圧範囲(0〜Vcc)との関係で必要な変化幅が得られる状態か否かを判定する。
ステップS26で比較対象とされるΔV2は、回路の動作電圧範囲(0〜Vcc)との関係で決定される値であり、増幅率を乗じる必要がない。
これに代えて、請求項3に示す方法で、ピークホールド電圧pとボトムホールド電圧Vbを更新してもよい。
ステップS28とS30の実行後に、ステップS22の判定に戻る。再びS22に進むことによって、ノイズによって誤ってエッジを検出してしまうことを防止している。ΔV1の値は、ノイズによる検出ミスが生じない大きさに設定されている。
ステップS24がイエスとなったときに、増幅回路120のオフセット電圧と増幅率の調整処理が完了する。
タイミングt0〜t1は、回転体が回転しておらず、微小振動しており、最大増幅率Gmaxで増幅した増幅後電圧Vmの振幅が小さい。
タイミングt1は、増幅後電圧Vmのピークホールド電圧Vpからの変動幅が、回転体の振動運動時に生じる増幅後電圧の振幅の最大値よりも大きく変化したタイミングを例示している。すなわち、回転体が回転運動しないと観測されないほど大きな電圧変動幅が観測されたタイミングを例示している。
タイミングT1は、増幅率Gmaxで増幅した電圧Vmのピークホールド電圧Vpからの変動幅が所定幅ΔV2よりも大きくなり、増幅率をGmaxからG1に低減したタイミングを示している。増幅率がGmaxであるときの増幅後電圧Vmのボトム電圧とピーク電圧の両者が判明し、そのときの振幅が判明した時点で増幅率を低減することもできるが、本実施例では、増幅率がGmaxであるときの振幅が判明するのを待たず、ピークホールド電圧Vpからの変動幅が所定幅ΔV2となった時点で増幅率をGmaxからG1に低減している。増幅率を適切な値に調整するまでの時間が短縮化される。増幅率をGmaxからG1に低減したタイミングT1では、ボトムホールド電圧Vbとピークホールド電圧Vpを、G1の増幅率で増幅した電圧Vmに一致させる。
タイミングT2は、増幅率G1で増幅した電圧Vmのボトムホールド電圧Vbからの変動幅が所定幅ΔV2よりも大きくなり、増幅率をG1からG2に低減したタイミングを示している。増幅率をG1にしたときの増幅後電圧Vmの振幅が判明するのを待たず、ボトムホールド電圧Vpからの変動幅が所定幅ΔV2となった時点で増幅率をG1からG2に低減している。増幅率を適切な値に調整するまでの時間が短縮化される。タイミングT2では、増幅率の低減に連動して、ボトムホールド電圧Vbとピークホールド電圧Vpを、G2の増幅率で増幅した電圧Vmに一致させる。
タイミングt2、t3・・は2値化信号の反転タイミングを示している。増幅後電圧Vmが、極値保存回路160が保存している極大値または極小値から、回転体の振動現象によって生じる増幅後電圧の振幅の最大値を超えて変化した時(タイミングt1)以後に、2値化回路の出力が3回反転するまで(タイミングt4まで)増幅率の低減処理を続け、2値化回路の出力が3回反転すれば、そのときの増幅率に固定する。
回転運動開始後に2値化回路の出力が3回反転すれば、その間に増幅後電圧が極大値から極小値まで変化していることから、それ以上に増幅率を低減させなくても、それまでに調整された増幅率による増幅後電圧Vmが動作範囲内にあることが保証される。2値化回路の出力が3回反転すれば、それ以上の増幅率の調整処理が不要であるとすることができる。
増幅後電圧Vmのピークホールド電圧Vpからの変動幅が所定幅ΔV2よりも大きくなるタイミングT1では、増幅後電圧Vm=ボトムホールド電圧Vbである。そこで、本実施例では、増幅後電圧Vmとピークホールド電圧Vpの差を所定幅ΔV2と比較するのに代えて、ピークホールド電圧Vpとボトムホールド電圧Vbの差を所定幅ΔV2と比較している。タイミングT2では、増幅後電圧Vm=ピークホールド電圧Vpである。増幅後電圧Vmとボトムホールド電圧Vbの差を所定幅ΔV2と比較するのに代えて、ピークホールド電圧Vpとボトムホールド電圧Vbの差を所定幅ΔV2と比較しても、同じ結果を得ることができる。図7のステップS26は、Vp−Vb>ΔV2?としてもよい。
本実施例によると、回転体の振動の伴う微弱な電圧変化を適切な振幅となるまで増幅するような増幅率に設定することがない。振動の伴う微弱な電圧変化によって増幅率を調整すると、回転に伴う電圧変化に対しては過大な増幅率に設定されてしまい、回転運動が始まった段階で増幅率を再度調整する必要があるか否かを判断し、必要なら増幅率を再度調整する必要が生じる。本実施例では、電源の投入直後に回転体が回転し始めた段階で適正増幅率に調整され、再調整が必要か否かを判断する必要がない。再調整を要しない。
図11の処理では、ステップS26aを先に実施し、ステップS22aを後に実施する。すなわち、ステップS26aで、直前のピークホールド電圧またはボトムホールド電圧から現在の増幅後電圧Vmまでの変化幅を所定幅と比較する。以上であれば増幅率を低下させる(S28a)。その後に、ピークホールド電圧Vpとボトムホールド電圧Vbを低減後増幅率によって増幅した電圧Vmに一致させる(S30a)。その後に、回転運動が検出されるか否かを判定する(S22a)。回転運動に伴う反転現象が3回検出されるまで、増幅率の調整処理を繰り返す。このようにしても、増幅率が短時間のうちに適切な値に調整される。図11の手順は、過大に設定されている最大増幅率から調整し始める場合を扱っている。最初に用いる最大増幅率が適値である可能性がある場合には、ステップS26aでNOとなったときにステップS22aの判別処理に進む処理手順とする。
B−1.本発明の第2実施例に係るセンサ電圧処理回路の構成:
図12は、第2実施例の回転検出システムを示しており、回転体10aと、2個のセンサ11a、11bと、センサ電圧処理回路200を備えている。
回転体10aは正逆回転可能であり、センサ電圧処理回路200は回転方向をも検出することができる。2個のセンサ11a、11bは、回転体10aの回転中心を基準として相互に角度αだけシフトした位置に配置されている。その角度αは、1つの歯10taが張る角度βと相違している。図13に示すように、回転体10aが正回転していると、センサ11aの出力電圧Vaがセンサ11bの出力電圧Vbよりも早く変化する。例えば、Vaが極小値から上昇に転じるタイミングは、Vbが極小値から上昇に転じるタイミングよりも早い。すなわち、Vbを2値化した信号がハイに反転するタイミングで、Vaを2値化した信号がハイであれば、回転体10aが正回転していると判定できる。回転体10aが逆回転していると、センサ11aの出力電圧Vaがセンサ11bの出力電圧Vbよりも遅く変化する。例えば、Vaが極小値から上昇に転じるタイミングは、Vbが極小値から上昇に転じるタイミングよりも遅い。すなわち、Vbを2値化した信号がハイに反転するタイミングで、Vaを2値化した信号がローであれば、回転体10aが逆回転していると判定できる。
図13(2)に、センサ11aの出力電圧Vaとセンサ11bの出力電圧Vbが変化する様子を示す。図中の左半分は回転体10aが正回転している場合を示す、右半分は逆回転している場合を示す。前記したように、回転体10aが正回転していると、センサ11aの出力電圧Vaがセンサ11bの出力電圧Vbよりも早く変化する。回転体10aが逆回転していると、センサ11aの出力電圧Vaがセンサ11bの出力電圧Vbよりも遅く変化する。
C−1.本発明の第3実施例に係るセンサ電圧処理回路の構成:
図14は、第3実施例の回転検出システムを示しており、回転体10aと、2個のセンサ11a、11bと、センサ電圧処理回路400を備えている。
回転体10aは正逆回転可能である。回転体10aと、センサ11a、11bの関係は、第2実施例と同じであり、重複説明を省略する。
回転体10aは、正逆方向に回転するほか、回転中心が図示のx方向に微振動したり、y方向に微振動したり、あるいは回転方向に微振動する。振動によってもセンサ11a、11bが出力するセンサ電圧Va、Vbが周期的に変化し、センサ電圧Va、Vbの振幅からだけでは、回転体10aが回転しているのか振動しているのかの判別ができない。
ただし、センサ電圧Va、Vbの振幅が小さい場合には、2値化の精度が低いために、回転している場合の2値化信号Sa,Sbの位相差と、振動している場合の2値化信号Sa,Sbの位相差が区別できない。そこで、位相差で判別する際にも、センサ電圧Va、Vbの振幅を大きく増幅しておいて(後記する位相判別が可能となるレベルにまで増幅しておいて)位相差を判別する必要がある。
なお、下記に説明する回転と振動の判別技術は、特開2009−192529号公報に記載されており、詳細説明は省略する。詳細な説明は前記公開公報を参照されたい。
範囲194は、回転体10aが回転運動している場合に観測される範囲を示している。回転体10aが回転運動している場合は、VT1以上の振幅となり、位相差が70°前後となる。位相差は40°〜110°の範囲である。
範囲192は、回転体10aが振動している場合に観測される一つの範囲を示している。ほぼ0°の位相差となる。範囲196は、回転体10aが振動している場合に観測される他の一つの範囲を示している。ほぼ180°の位相差となる。
ただし、センサ電圧Va、Vbの振幅の大きさがVT1以上であるから回転体10aが回転しているとはいえない。回転体10aが振動している場合にもセンサ電圧Va、Vbの振幅の大きさがVT1以上となることがあるからである。ただし、センサ電圧Va、Vbの振幅の大きさがVT2以上であれば回転体10aが回転しているということがいえる。回転と振動の判別手順に、振幅がVT2以上か否かを判別する処理手順を加えてもよい。
また、位相差が40°〜110°の範囲にあるから回転体10aが回転しているとはいえない。振幅がVT1以下である場合には、回転体10aが振動している場合にも位相差が40°〜110°の範囲に入ることがある。
センサ電圧処理部100cは回転・振動判定部300aを備えており、センサ電圧処理部100dは回転・振動判定部300bを備えている。回転・振動判定部300a,300bは、図14に示すように、回転・振動判定部300を構成しているということもできる。
図17において、160pはピークホールド電圧Vpを保存している、160bはボトムホールド電圧Vbを保存している。160pと160bの間に、4個の分圧抵抗R10、R20、R30、R40が接続されている。分圧抵抗のR10、R20、R30、R40の抵抗値は全部等しい。すると図示のVu、Vref、Vdの値は下記となる。
Vu =Vb+3/4×(Vp−Vb)
Vref=Vb+2/4×(Vp−Vb)
Vd =Vb+1/4×(Vp−Vb)
スイッチ172uは、コンパレータ173uの出力端子がローからハイに反転した時に、Vrefを反転入力端子に接続し、コンパレータ173uの出力端子がハイからローに反転した時に、Vuを反転入力端子に接続する。
タイミングt12は、Vma>Vuとなり、コンパレータ173uの出力がローからハイに反転した時を示している。この時にスイッチ172uは、Du=Vrefに切り換える。タイミングt13は、Vma<Vrefとなり、コンパレータ173uの出力がハイからローに反転した時を示している。この時にスイッチ172uは、Du=Vuに切り換える。コンパレータ173uが比較の基準とする電圧は、図18の(A)のDuで示すように変化し、コンパレータ173uの出力Durは(B)のように変化する。
スイッチ172dは、コンパレータ173dの出力端子がローからハイに反転した時に、Vdを反転入力端子に接続し、コンパレータ173dの出力端子がハイからローに反転した時に、Vrefを反転入力端子に接続する。
タイミングt11は、Vma>Vrefとなり、コンパレータ173dの出力がローからハイに反転した時を示している。この時にスイッチ172dは、Dr=Vdに切り換える。タイミングt14は、Vma<Vdとなり、コンパレータ173dの出力がハイからローに反転した時を示している。この時にスイッチ172dは、Dr=Vrefに切り換える。コンパレータ173dが比較の基準とする電圧は、図18の(A)のDrで示すように変化し、コンパレータ173dの出力Ddrは(C)のように変化する。
コンパレータ173dの出力電圧Ddrは、フリップフロップ回路175のセット端子Sに供給される。また、コンパレータ173dの出力電圧Ddrはインバータ174dで反転され、フリップフロップ回路176のリセット端子Rに供給される。
結局、センサ11aに対する2値化信号Saと、その遅れ2値化信号Sadと、センサ11bに対する2値化信号Sbと、その遅れ2値化信号Sbdが得られる。
図19の(1)は、判定タイミングにおける対象信号のハイ・ローと、そのときの回転体10aの運動状態の関係を示している。例えば、回転体10aが正回転していれば、遅れ2値化信号Sadがハイに反転するタイミングでの2値化信号Sbはローであり、遅れ2値化信号Sbdがハイに反転するタイミングでの2値化信号Saはハイであり、遅れ2値化信号Sadがローに反転するタイミングでの2値化信号Sbはハイであり、遅れ2値化信号Sbdがローに反転するタイミングでの2値化信号Saはローである。回転体10aが逆回転していれば、遅れ2値化信号Sadがハイに反転するタイミングでの2値化信号Sbはハイであり、遅れ2値化信号Sbdがハイに反転するタイミングでの2値化信号Saはローであり、遅れ2値化信号Sadがローに反転するタイミングでの2値化信号Sbはローであり、遅れ2値化信号Sbdがローに反転するタイミングでの2値化信号Saはハイである。回転体10aが振動している場合には、正回転時のパターンとも相違し、逆回転時のパターンとも相違する。
第3実施例の回路でも、増幅後電圧Vmが回路の動作電圧範囲の中間帯内にある値(実施例ではVcc/2)となるオフセット電圧に調整する。また増幅回路120の増幅率を最大値にセットして増幅率の調整処理を開始する。
回転体10aの回転運動が検出されず、OR回路199の出力がローのうちは、ステップS26b以降の増幅率の低減処理を実行する。あわせて極値保存回路が保存しているピークホールド電圧Vpとボトムホールド電圧Vbも修正する。以上は、第1実施例で説明したゲイン調整処理と同じであり、重複説明を省略する。ステップS24bで回転運動が検出されるまでの間は、ステップS26b以降の増幅率の低減処理を繰り返し実行し、ステップS24bで回転運動が検出されたらステップS26b以降の増幅率の低減処理を実行しない。それによって、回転時のセンサ出力が適切な振幅となる増幅率に調整される。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。たとえば以下のような変形例も実施可能である。上記実施例では、極大値Vpと極小値Vbの中間値を増幅後電圧Vmと比較して2値化する。それに代えて、極大値Vpと極小値Vbの中間値が所定値となるように増幅後電圧Vmを増減調整し、増減調整後の増幅後電圧Vmを所定値と比較して2値化するようにしてもよい。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10R、15R、25R、50Ra…抵抗
50Rs…温度補償用帰還抵抗
11、11a、11b…センサ
100、200、400…センサ電圧処理回路
100a、100b…センサ電圧処理部
120…増幅回路
121、122…オペアンプ
130…オフセット電圧調整回路
140…増幅率調整回路
160…極値保存回路
160b…ボトムホールド回路
160p…ピークホールド回路
161、161a…コンパレータ
164、164a…カウンタ
170、170a、…2値化処理部
171d…第2ヒステリシスコンパレータ
171u…第1ヒステリシスコンパレータ
172d、172u…スイッチ
173d、173u…コンパレータ
174d、174u…インバータ
175、176…フリップフロップ回路
180…回転方向判定回路
190…三値信号出力回路
200…2値化回路
300…回転・振動判定部
400…調整回路
Claims (9)
- 回転体の回転に追従して周期的に変化するセンサ電圧を処理する回路であり、
オフセット電圧を基準にしてセンサ電圧を増幅した電圧を出力するともに、オフセット電圧と増幅率が調整可能な増幅回路と、
その増幅回路の出力電圧の極大値と極小値を保存する極値保存回路と、
その極値保存回路が保存している極大値と極小値に基づいて前記増幅回路の出力電圧を2値化する2値化回路と、
前記増幅回路の出力電圧と前記極値保存回路が保存している極大値または極小値に基づいて前記増幅回路に対して前記オフセット電圧の調整信号と前記増幅率の調整信号を出力するとともに、前記極値保存回路に対してその極値保存回路が保存している極値を補正する信号を出力する調整回路を備えており、
前記調整回路が、
初期化処理時に、
(1)前記増幅率を最大値とする調整信号を出力し、
(2)前記増幅回路の出力電圧が動作電圧範囲の中間帯に入るような前記オフセット電圧に調整する調整信号を出力し、
(3)前記極値保存回路が保存している極大値と極小値を前記中間帯内の電圧に等しくする信号を出力し、
その後に、
(4)前記増幅回路の出力電圧が前記極値保存回路に保存されている極大値または極小値から所定幅を超えて変化した時に、前記増幅率を低減させる調整信号を出力するとともに、前記極値保存回路が保存している極値を補正する信号を出力し、
(5)前記増幅回路の出力電圧が回転体の回転運動に固有な変化パターンを示すまで前記(4)の処理を繰り返すことを特徴とするセンサ電圧の処理回路。 - 前記調整回路が、前記(4)の処理時に、前記極値保存回路が保存している極大値と極小値の両者を、低減後の増幅率で増幅した前記増幅回路の出力電圧に等しくすることを特徴とする請求項1に記載の処理回路。
- 前記調整回路が、前記(4)の処理時に、前記極値保存回路が保存している旧極大値と旧極小値を下記式:
新極大値=(旧極大値―オフセット電圧)×(新増幅率/旧増幅率)+オフセット電圧
新極小値=(旧極小値―オフセット電圧)×(新増幅率/旧増幅率)+オフセット電圧
で算出される新極大値と新極小値に補正することを特徴とする請求項1に記載の処理回路。 - 前記極値保存回路が保存している極大値と極小値の差から、前記増幅回路の出力電圧の極大値または極小値から変化幅を算出することを特徴とする請求項2または3に記載の処理回路。
- 前記調整回路が、前記増幅回路の出力電圧が前記極値保存回路に保存されている極大値または極小値から前記回転体の振動現象によって生じる前記増幅回路の出力電圧の振幅の最大値を超えて変化した後に、前記2値化回路の出力が3回反転するまで、前記(4)の処理を繰り返すことを特徴とする請求項1から4のいずれかの1項に記載の処理回路。
- 前記回転体に対する位置関係が相違する第1センサと第2センサに接続して用いる処理回路であり、
第1センサ電圧を処理する前記増幅回路と前記極値保存回路と前記2値化回路と前記調整回路と、
第2センサ電圧を処理する前記増幅回路と前記極値保存回路と前記2値化回路と前記調整回路を備えており、
第1センサ電圧を処理する前記2値化回路の処理結果と第2センサ電圧を処理する前記2値化回路の処理結果の位相差が所定範囲になるまで前記(4)の処理を繰り返すことを特徴とする請求項1から4のいずれかの1項に記載の処理回路。 - 前記増幅回路が、アナログ・デジタル混載回路で構成されているオフセット電圧調整回路を備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれかの1項に記載の処理回路。
- 前記極値保存回路が、アナログ・デジタル混載回路で構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかの1項に記載の処理回路。
- 前記センサと前記増幅回路の間にプリ増幅回路が挿入されており、
そのプリ増幅回路の帰還抵抗の抵抗値が温度によって変化することを特徴とする請求項1から8のいずれかの1項に記載の処理回路。
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