JP5356301B2 - 面発光体およびフロントライト装置 - Google Patents
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Description
反射型液晶表示装置などに好適なフロントライト装置およびそれに用いられる発光体を提供することを目的とする。
光拡散粒子を含有する透明基材を用いた導光式面発光体であって、
前記面発光体は透明基材の厚み方向に光を散乱しながら透明基材の長さ方向に光が導光し、
且つ、透明基材は、厚み方向のヘイズ値が8%以下の導光板であり、
且つ輝度減衰係数E(m−1)を、透明基材の5(mm)厚みあたりのヘイズの値(%)で除した演算値(m−1/%)が0.55(m−1/%)以上10.0(m−1/%)以下とする。
この面発光体は、消灯時には、演算値を満たすような低いヘイズ値の透明基材を用いることによって透明板として働くため、反射型液晶表示装置などのフロントライトとして使用した場合にも表示が明瞭である。また輝度減衰係数Eおよびヘイズ値が特定の範囲であるため、発光時には明るくムラがないフロントライトとして使用できる。
この面発光体は、上述した屈折率差Δnと光拡散粒子の濃度とを満たす透明基材を用いることにより、消灯時には、透明板として働き、点灯時には、高効率の光放出を実現する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態1について、長方形板状の面発光体を一例として説明する。本発明の実施形態1にかかる面発光体は、光拡散粒子を含有する導光板を用いる。導光板は、光源から光を供給すると、導光板の厚み方向に光を散乱しながら導光板の長さ方向に光を導光させる。導光板の長さ方向は、光源から光を供給する端面(入射端面)から、対向する端面への方向であり、供給された導光光が直進する方向と平行となる。導光板の厚み方向は、導光板の厚さを示す方向であり、長さ方向と垂直となる。また導光板の長さ方向および導光板の厚さ方向の両方に垂直な方向を導光板の幅方向とする。また、導光板は、板状である場合を用いて説明する。導光板の形状は長さ方向、幅方向にその厚みが変わる形態(断面楔状)であっても良い。
さらに、導光板は、輝度に関して、輝度減衰係数E(m−1)を5(mm)厚みあたりのヘイズの値(%)で除した演算値(m−1/%)が0.55(m−1/%)以上10.0(m−1/%)以下である、という特徴を有する。
演算値は、輝度に関する一つの特性を示すものであり、高効率の光放出を実現しながら、透明性が高い導光板を定義する指標となる。演算値は、輝度減衰係数E(m−1)を用いて算出されるため、まず、輝度減衰係数E(m−1)について説明する。
B(x)=B(0)×exp(−E×x)・・・(1)
ここでx(x≧0)は、入射端面からの距離(導光距離)を示す。
1.導光板の背面には例えば黒色の布など、光を吸収する素材を配置する。これは解析を容易にするため、背面側に出射される光を吸収させるものである。ここでは、輝度を測定する側を正面、対向する側を背面としている。
ここで理論上の輝度値B(0)(cd/m2)は、上述した、輝度値と輝度減衰係数の定義及び輝度減衰係数を算出して輝度特性を導出する輝度特性導出法に基づいて、入射面に対向する端面からL/2(面発光体の中央)までの範囲で直線近似によって求めた近似線をx=0(m)まで延長した時に縦軸と交差した値をln(B(0))とした時に計算される仮想の輝度値である。
図5に、輝度減衰係数E(m−1)が異なる場合における、理論上の輝度値B(x)と導光距離x(m)との関係例を示す。
なお本発明の実施形態において、粒子直径は、重量平均粒子直径、粒子半径は重量平均粒子半径である。
本発明の実施形態において、面発光体2の面内でヘイズ値が異なる場合、面発光体2の面のうち、最もヘイズ値の大きい場所でヘイズ値を評価するものとする。
演算値(m−1/%)が10.0よりも大きいものは、光の取出し効率は大きいため点灯時の明るさは十分であるが、導光距離が短く不十分となる。
本発明の実施形態の面発光体2は光拡散粒子の濃度が厚み方向について一定であっても良いし、例えば光拡散粒子含有層と透明層からなる複層構成、あるいは光拡散粒子含有濃度が異なる2層以上からなる複層構成であっても良い。複層構成である場合も上記と同様に、測定されたヘイズ値を基に5mm厚みあたりのヘイズ値を求める。
そこで、レイリー散乱現象に起因すると思われる着色を抑制するため、粒子の平均直径(mm)と屈折率差絶対値との積が0.0001(mm)以上であることが好ましい。
この理由を、図7A、7Bを用いて説明する。図7Aに、光拡散粒子22の濃度C(重量%)、基板の厚さt(mm)の導光板21aから構成される面発光体2aの模式図を示す。図7Bに、光拡散粒子22の濃度C(重量%)、板厚3t(mm)の導光板bから構成される面発光体2bの例を示す。導光板21bの板厚は、導光板21aの板厚の3倍となっている。
また面発光体の基材がアクリル樹脂などの透明プラスチックで構成される場合、その剛性を考慮すると、厚みtは0.5mm以上であることが好ましい。また導光板の長さL(mm)に対し、t≧L/400の範囲にあることがより好ましい。
また本発明の面発光体を例えば押出し成形で製造する場合、製造の容易さからその厚みは20mm以下であることが好ましい。
1.導光板の背面には例えば黒色の布など、光を吸収する素材を吸収シート4として配置する。これは背面側に出射される光を吸収させ、正面から出射される光のみを測定するためである。ここでは、輝度を測定する側を正面、対向する側を背面としている。
そこで、レイリー散乱現象に起因すると思われる着色を抑制するため、粒子の平均直径(mm)と屈折率差絶対値との積が0.0001(mm)以上であることが好ましい。
以下に実施例および比較例を示す。面発光体は射出成型機を用いて作製し、図8に示すような導光式面発光体を作製した。実施例及び比較例で共通の条件を以下に示す。
ベース樹脂:PMMA(アクリル樹脂) (株式会社クラレ製 「パラペット」)
屈折率:1.494(nD)
サンプルサイズ:5mm厚み × 導光長200mm × 幅70mm
使用光源:日亜化学工業株式会社製 「LED NFSW036BT」
使用個数:7個
配置間隔:10mm
印加電圧:2.8V/1光源
光源1個の大きさ:3mm(発光部)
酸化チタン y=1.4797x
酸化亜鉛 y=0.7726x
スチレン y=0.1444x
この関係式において、xの係数が演算値(m−1/%)に相当する。
さらに、図9において、ヘイズ値が8%となる境界を二つの破線で示した。
実施例1および2では、演算値が約0.77〜約1.48(m−1/%)であり、ヘイズ値は1〜5%であった。
比較例1では、演算値が約0.77(m−1/%)であり、ヘイズ値は8.6%であった。
比較例2では、演算値が約0.14(m−1/%)であり、ヘイズ値は25.3%であった。
また、表1の結果からヘイズ値を8%以下にするためにはS1の値を0.05以下とする事が好ましいことが分かった。
2、2a、2b 面発光体
3 輝度計
4 吸収シート
5 吸収処理
6 反射カバー
10 反射板
11 液晶表示素子
21a、21b 導光板
22、22p、22q 光拡散粒子
7a 発光体
Claims (8)
- 光拡散粒子を含有する透明基材を用いた発光体であって、前記透明基材の厚み方向に光を散乱しながら前記透明基材の長さ方向に光が導光し、且つ透明基材は、厚み方向のヘイズ値が8%以下の導光板であり、且つ輝度減衰係数E(m−1)を、前記透明基材の5(mm)厚みあたりのヘイズの値(%)で除した演算値(m−1/%)が0.55(m−1/%)以上10.0(m−1/%)以下である発光体。
- 前記透明基材は、基材の屈折率と前記光拡散粒子の屈折率との屈折率差Δnの絶対値が0.4を越え3以下の光拡散粒子を少なくとも含有することを特徴とする請求項1記載の発光体。
- 前記光拡散粒子の濃度が0.00001重量%以上0.001重量%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の発光体。
- 前記拡散粒子は、前記透明基材と前記光拡散粒子の屈折率との屈折率差Δnの絶対値が0.4を越え、3以下の光拡散粒子であって、該屈折率差Δnの絶対値と、粒子の重量平均直径d(mm)との積が0.0001(mm)以上となる重量平均直径を有する粒子からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発光体。
- 前記透明基材は、前記厚み方向の粒子層数S1が0.05以内となる様に構成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発光体。
- 前記透明基材の板厚をt(mm)、前記透明基材の端面から光を供給する光源の、前記厚み方向における大きさをD(mm)とするとき、板厚tは、D/2≦t≦20Dの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発光体。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の記載の発光体と該発光体の端面に光源を備える面光源素子であって、該発光体を透過して被照射体を観察するフロントライト装置。
- 請求項7に記載のフロントライト装置を用いた表示装置であって、前記被照射体が反射型液晶表示素子である液晶表示装置。
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