JP5442533B2 - 発光体 - Google Patents
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Description
この発光体は、上述した屈折率差Δnと光拡散粒子の濃度とを満たす透明基材を用いることにより、消灯時には、透明板として働き、点灯時には、高効率の光放出を実現し、意匠性の高い部材となる。
また光源消灯時には厚み方向、若しくは太さ方向のヘイズ値を低くすることにより透明性を確保し、光源点灯時には板面横断放射発散光を用いることにより、高効率な光放出を可能とすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態1について、板状の面発光体を発光体の一例として説明する。本発明の実施形態1にかかる面発光体は、光拡散粒子を含有する導光板を用いる。導光板は、光源から光を供給すると、導光板の厚み方向に光を散乱しながら導光板の長さ方向に光を導光させる。導光板の長さ方向は、光源から光を供給する端面(入射端面)から、対向する端面への方向であり、供給された導光光が直進する方向と平行となる。導光板の厚み方向は、導光板の厚さを示す方向であり、長さ方向と垂直となる。また導光板の長さ方向および導光板の厚さ方向の両方に垂直な方向を導光板の幅方向とする。また、導光板は、板状である場合を用いて説明する。導光板の形状は長さ方向、幅方向にその厚みが変わる形態(断面楔状)であっても良い。
本発明では、透明性、剛性を維持するための高透明基材Aからなる基材A層2aと、透明性が高透明基材Aより劣る透明基材Bからなる基材B層2bで構成される。3層以上であっても良い。
本発明の実施形態において、面発光体2の面内でヘイズ値が異なる場合、面発光体2の面のうち、最もヘイズ値の小さい場所でヘイズ値を評価するものとする。
なお本発明の実施形態において、粒子直径は、重量平均粒子直径、粒子半径は重量平均粒子半径である。
屈折率差Δnが0.3以上であると高効率で光を放出することができ、点灯時に面発光体2が遮光板として機能するが可能になる。
この理由を、図3A、図3Bを用いて説明する。図3Aに、光拡散粒子22の濃度C(重量%)、基板の厚さt(mm)の面発光体2の模式図を示す。図3Bに、光拡散粒子22の濃度C(重量%)、板厚3t(mm)の面発光体2の例を示す。図3Bの面発光体2の板厚は、図3Aの面発光体2の板厚に対して3倍の板厚となっている。
高透明基材Aからなる基材A層2aは主として透明性、剛性などを発揮するための層であり、透明性が高透明基材Aより劣る透明基材Bからなる基材B層2bは主として難燃性や耐衝撃性などを発揮するための層である。高透明基材Aとしては、例えばPMMAなどが用いられる。透明基材B層としては、例えば難燃性能を重視する場合にポリカーボネートなどが用いられる。さらに透明基材B層に各種添加剤を添加してもよい。添加剤の例としては、難燃剤や紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、蛍光剤、着色剤、帯電防止剤、光安定剤、消臭剤、抗菌剤などが挙げられる。
また吸湿による変形を抑制したい場合はポリスチレンなどが用いられる。
本発明ではこのような構成により、難燃性や耐紫外線性、耐衝撃性などの性能を改善できる。
面発光体2の導光方向に進む光は、光拡散粒子22により散乱されて主面から出射する成分と、基材に吸収される成分とにより、徐々に面発光体2から失われる。このとき、基材に吸収される成分は有効利用されない成分である。光を有効利用するためには、光拡散粒子22により散乱される成分を増やす必要がある。
また発光体全体の厚みに占める透明基材B層2bの割合は50%以下であることが好ましい。透明基材B層2bが複数ある場合はそれぞれの厚みの合計が発光体全体の厚みの50%以下であることが好ましい。
本発明で言う基材の透明性つまり光透過率の大小の評価において、基材層の厚み方向の透過率で定義することもできるが、基材層の厚みが小さい場合など、透過率の数値に差が生じにくい場合がある。その場合は導光方向の透過率で評価する。例えば図5に示すように、レーザ光源の光出射光軸上に光軸に平行に導光板を設置し、光の入射端とは反対側に光強度検出器を設置する事でより正確に光透過率の大小を評価できる。
高透明基材A:PMMA(アクリル樹脂) 株式会社クラレ製 「パラペット」
屈折率:1.49
透明基材B:PC(難燃ポリカーボネート樹脂)出光興産株式会社製「タフロン」
屈折率:1.59
光拡散材:酸化チタン粒子(重量平均粒径1μm)屈折率:2.72
シート積層用粘着材:アクリル系透明粘着シート(0.05mm)
図5に示す測定方法により光透過性を評価した。光源としてヘリウム・ネオンレーザを用い、厚み5mm、幅70mm、長さ(導光方向)が1mmから40mmまで所定の長さに切断した長方形板の試験片を作製し、前記試験片の入光面及び出射面を鏡面研磨して透過率を測定することにより、高透明基材A(PMMA)および透明基材B(PC)の光透過性を比較評価した。その結果、図6に示す通り、高透明基材A(PMMA)の光透過性が透明基材B(PC)より優れていることが分かる。
本実施例では、透明基材Bの特徴である難燃性能を評価した。評価法は難燃規格「UL94HB」の水平燃焼性試験方法に準じて行った。ただし、接炎する面の反対面は3mm厚みのガラス板にアクリル系粘着シート(0.05mm)で貼って試験を行った。また図7に示す通り、垂直方向に支持された被試験シートの片面中央にバーナー炎を2分間接触させた後、炎を取り除き、60秒以内に消火するものを合格、60秒より長く燃えつづけるものを不合格とした。接炎する面は、複層シートにおいては透明基材B(PC)側のみとした。
以下に示す光源を導光板に取り付けてその正面の輝度を明るさとして評価した。
使用光源:日亜化学工業株式会社製 「LED NFSW036BT」
使用個数:7個
配置間隔:10mm
印加電圧:2.8V/1光源
光源1個の大きさ:3mm(発光部)
サンプル寸法:導光長50mm×幅70mm×厚み5mm
1.面発光体の背面には例えば黒色の布など、光を吸収する素材を吸収シート4として配置する。これは背面側に出射される光を吸収させ、正面から出射される光のみを測定するためである。ここでは、輝度を測定する側を正面、対向する側を背面としている。
2.入射面に対向する端面付近では端面から光の反射の影響により輝度特性が変化する場合がある。そこで、この影響を除くために、入射面に対向する端面に吸収処理5を施して測定する。吸収処理方法としては、例えば入射面に対向する端面へ黒インクを塗布する等が挙げられる。
高透明基材Aに光拡散材を0.003重量%添加した導光板、および透明基材Bに光拡散材を0.003重量%添加した導光板を作製し、粘着シートにより貼り合わせ、面発光体を作製した。次いで所定の寸法に切断し、明るさ評価及び難燃性評価を行った。
透明基材Bへ添加する光拡散材の濃度を0.0015重量%とした以外は実施例1と同様にして面発光体を作製した。次いで所定の寸法に切断し、明るさ評価及び難燃性評価を行った。
高透明基材Aに光拡散材を添加しなかった以外は実施例1と同様にして面発光体を作製した。次いで所定の寸法に切断し、明るさ評価及び難燃性評価を行った。
高透明基材Aに光拡散材を0.003重量%添加した面発光体を作製した。次いで所定の寸法に切断し、明るさ評価及び難燃性評価を行った。
透明基材Bに光拡散材を添加しなかった以外は実施例1と同様にして面発光体を作製した。次いで所定の寸法に切断し、明るさ評価及び難燃性評価を行った。
透明基材Bに光拡散材を0.003重量%添加した面発光体を作製した。次いで所定の寸法に切断し、明るさ評価及び難燃性評価を行った。
これら実施例及び比較例の面発光体について比較してみると、実施例の面発光体は高透明基材のみからなる比較例1の65%以上の輝度であった。単に難燃性が高く透明な基材を積層した比較例2あるいは単に難燃性が高く透明な基材に拡散材を添加した比較例3の面発光体の輝度は、実施例より劣っていた。また比較例1の面発光体は明るいものの、難燃性が不合格であった。
2、 面発光体
2a 基材A層
2b 基材B層
3 輝度計
4 吸収シート
5 吸収処理
6 反射カバー
22、22p、22q 光拡散粒子
Claims (8)
- 光拡散粒子を含有する透明基材を用いた発光体であって、透明基材の厚み方向に光を散乱しながら透明基材の長さ方向に光が導光し、
表面に凹凸またはドット印刷からなる光散乱機能を有しない構成であり、
前記発光体は透明基材Aと、光透過性が基材Aより劣る透明基材Bからなる2層以上の
積層体からなり、
透明基材Aと透明基材Bは向かい合う全面で積層され、
少なくとも透明基材Bには光拡散粒子を含有する発光体。 - 前記基材Bが前記基材Aより難燃性に優れる請求項1に記載の発光体。
- 前記透明基材は、基材の屈折率と前記光拡散粒子の屈折率との屈折率差Δnの絶対値が0.3以上3以下の光拡散粒子を少なくとも含有することを特徴とする請求項1または2に記載の発光体。
- 前記光拡散粒子の濃度が0.0001重量%以上0.01重量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光体。
- 前記透明基材は、基材の屈折率と前記光拡散粒子の屈折率との屈折率差Δnの絶対値と、粒子の重量平均直径d(mm)との積が0.0001(mm)以上となる重量平均直径を有する粒子からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光体。
- 前記透明基材は、前記厚み方向のヘイズ値が30%以下の導光板であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の発光体。
- 前記透明基材は、前記厚み方向の粒子層数S1が0.15以内となる様に構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の発光体。
- 前記透明基材の板厚をt(mm)、前記透明基材の端面から光を供給する光源の、前記厚み方向における大きさをD(mm)とするとき、板厚tは、D/2≦t≦20Dの範囲にあることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の発光体。
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