JP5354800B2 - 電線の配索構造 - Google Patents

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Description

本発明は、電線の配索構造に関し、特に、配索作業性を向上させると同時に、配索領域を省スペースとするための改良に関する。
車両シートには、搭乗者の姿勢に合わせてシートクッションを前後方向及び上下方向に位置調整したり、シートバックをリクライニング動作させたりする電動シート装置や、エアバッグを搭乗者とサイドドアとの間に展開させるエアバッグユニット装置が設けられているものがあり、このような装置が搭載される車両シートにおいては、電動部品給電のために、複数の電線(ワイヤハーネス)が配索される。
図13及び図14は車両シートにおける電線の配索構造の従来例を示したものである。図13及び図14に示すように、電線の配索構造100は、シートクッション(図示せず)が装着されるサイドフレーム102に、シートバック104を水平な回動軸105でリクライニング自在に設けられた車両シート106内で、複数の電線から構成される電線束(ワイヤハーネス)108をシートの下方からシートバック104に配索したものである。
電線束108は、配索経路上において、コルゲートチューブ109により被覆されて保護されている。電線束108は回動軸105に沿って中間部109aを平行に配索され、この中間部109aをクランプ110で回動軸105に固定され、中間部109aの両側に連続する部分をそれぞれ他のクランプ112,114でシートクッションとシートバック104とに固定されている。
この種の電線の配索構造は、下記特許文献1にも開示されている。
特開2006−304538号公報
ところが、車両シートの機能の向上に伴い、電動部品の数が増加し、その給電に用いられるワイヤハーネスも、結束される電線数が増えて束が大径化する傾向がある。特に、電線束108の周囲をコルゲートチューブ109により被覆する構造では、コルゲートチューブ109自体も、大径化を助長する要因となる。そして、車両シートの内部という狭い空間に収まるように、このような太い束のワイヤハーネスを曲げることは困難であり、電線束の大径化は、電線を配索する際の作業性の低下を招くという問題を招いた。
また、太い束のワイヤハーネスは曲げにくいので、ワイヤハーネスの曲げ半径が大きくなってしまい、広い配索スペースが必要になる。しかし、例えば、車両シートがトラック用の場合、シートの下方に確保できる配索スペースが乗用車等よりも小さくなる。そのため、シートのスライド移動等を許容するために、U字状に撓ませた余長部を中間部に備えてシートの下方に配索される電線束などの場合は、配索領域を省スペース化することが、重要課題となっている。
本発明の目的は、上記課題を解消することに係り、電線を配索する際の作業性を向上させることができ、また、配索領域を省スペース化することができる電線の配索構造を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 相対移動する2つの構造物間において、一端が一方の構造物に固定されると共に他端が他方の構造物に固定される1又は複数の電線の配索構造であって、
2つの構造物相互の相対移動を許容するために相対移動方向に沿ってUターンさせた余長部が中間部に設けられた電線と、該電線に縦添え状に装備されて前記余長部をU字状の撓み形状に維持する縦添えばね材と、を備え、
前記縦添えばね材には、曲げ方向に偏りのない弾性棒状部材を使用し、
前記縦添えばね材の両端部は、回転自在に、且つ長さ方向には位置を規制して支持されることを特徴とする電線の配索構造。
(2) 前記弾性棒状部材は、円形断面又は正多角形断面であることを特徴とする上記(1)に記載の電線の配索構造。
(3) 前記電線の両端部の固定位置は、前記2つの構造物の相対移動方向に対して直交する2方向のそれぞれに位置をずらしたオフセット位置に設定されることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の電線の配索構造。
上記(1)の構成によれば、電線の余長部をU字状の撓み形状に維持する手段として縦添えばね材を備えるもので、電線をコルゲートチューブに収容する従来の電線の配索構造と比較すると、配索する電線束の大径化を抑止することができる。更に、上記(1)の構成によれば、縦添えばね材には、曲げ方向に偏りのない弾性棒状部材を使用するため、2つの構造物の相対移動に伴って電線の余長部におけるU字状の曲げ位置が変化するときに、電線に縦添えされている弾性棒状部材が素直に曲がり、曲げ方向の偏りの影響で曲げ位置の移動が妨げられることがない。
また、一般に、初期の縦添えばね材には、多少の曲げ癖が残留していることが多く、電線の余長部に縦添えする際に縦添えばね材に加えられる曲げが該縦添えばね材の初期の曲げ癖による湾曲方向とは異なる場合には、該縦添えばね材内に捻れ力が生じる。そして、この捻れ力が縦添えばね材内に発生している状態では、曲げられた縦添えばね材に、該縦添えばね材の両端を含む平面からはみ出す反りやうねりが生じて、配索スペースの増加を招く原因となる。また、捻れ力が縦添えばね材内に発生している状態では、縦添えばね材の曲げに大きな操作力が必要になり、縦添えばね材の曲げ半径を小さくすることが難しい。
しかし、上記(1)の構成によれば、縦添えばね材の両端部が回転自在に支持されているため、曲げによって縦添えばね材内に捻れ力が発生した場合には、縦添えばね材自体の回転挙動により、縦添えばね材内に発生した捻れ力を逃がすことができ、残留する捻れ力に起因した反りやうねりが縦添えばね材に生じることを防止することができる。従って、縦添えばね材に発生している捻れ力で曲げが阻害されることも無くなる。
即ち、上記(1)の構成によれば、縦添えばね材は、その両端を含む平面内で簡単にU字状に曲がることができるため、電線の余長部をU字状に曲げ易くなり、電線を配索する際の作業性を向上させることができる。また、縦添えばね材に生じる反りやうねりによって配索スペースが増加することを防止して、2つの構造物間における配索領域を省スペース化することができる。
上記(2)の構成によれば、曲げ方向に偏りのない弾性棒状部材を簡単な構成で作成することができる。
上記(3)の構成によれば、電線の両端部の固定位置を、2つの構造物の相対移動方向に対して直交する2方向のそれぞれに位置をずらしたオフセット位置に設定している。このような配索構造では、例えば、電線の両端部の固定位置を、2つの構造物の相対移動方向に対して直交する2方向の内の一方にのみずらした配置とした場合と比較して、電線の両端部間の離間距離を大きく設定でき、電線の余長部の曲げ半径を大きく設定することができる。
従って、電線の余長部をU字状に曲げ易くなり、電線を配索する際の作業性を向上させることができる。
本発明による電線の配索構造によれば、電線の余長部をU字状の撓み形状に維持する手段として縦添えばね材を備えるもので、電線をコルゲートチューブに収容する従来の電線の配索構造と比較すると、配索する電線束の大径化を抑止することができる。更に、縦添えばね材には、曲げ方向に偏りのない弾性棒状部材を使用するため、2つの構造物の相対移動に伴って電線の余長部におけるU字状の曲げ位置が変化するときに、曲げ方向の偏りの影響で曲げ位置の移動が妨げられることがない。
また、縦添えばね材の両端部が回転自在に支持されているため、曲げによって縦添えばね材内に捻れ力が発生した場合には、縦添えばね材自体の回転挙動により、縦添えばね材内に発生した捻れ力を逃がすことができ、残留する捻れ力に起因した反りやうねりが縦添えばね材に生じることを防止することができる。従って、縦添えばね材に発生している捻れ力で曲げが阻害されることも無くなる。
そのため、縦添えばね材は、その両端を含む平面内で簡単にU字状に曲がることができるため、電線の余長部をU字状に曲げ易くなり、電線を配索する際の作業性を向上させることができる。また、縦添えばね材に生じる反りやうねりによって配索スペースが増加することを防止して、2つの構造物間における配索領域を省スペース化することができる。
本発明に係る電線の配索構造の一実施形態である車両シートにおける電線の配索構造の概略図で、(a)は車両シートの側面側からの概略図、(b)は車両シートの正面側からの概略図、(c)は(a)の電線の車両シート正面側からの拡大図である。 図1に示した車両シートの座部が車両シートに付属の高さ調整機構により高い位置に設定されている状態における車両シートの前後方向へのスライド移動を示すシート側面図である。 一実施形態の電線束の断面図である。 一実施形態の電線の配索構造の拡大側面図である。 図4のB矢視図である。 (a)は図4のC矢視図、(b)は(a)のD−D断面図である。 (a)は図4のE矢視図、(b)は(a)のF−F断面図である。 一実施形態の電線の端部の支持構造の拡大図である。 一実施形態の電線の配索構造において、車両シートの座部が高い位置に調整されている状態において、車両シートが前後にスライド移動したときの電線の移動形態を示す側面図である。 一実施形態の電線の配索構造において、車両シートの座部が低い位置に調整されている状態において、車両シートが前後にスライド移動したときの電線の移動形態を示す側面図である。 (a)は一実施形態の電線の配索構造において電線に縦添えされる縦添えばね材の縦添え前の初期状態の説明図、(b)は(a)の縦添えばね材をU字状に曲げた状態の正面図である。 縦添えばね材をU字状に曲げた状態の側面図(図11のG矢視図)で、(a)は縦添えばね材を初期の曲げ癖と同じ方向(図11(a)の矢印H方向)に曲げたときの側面図、(b)は初期の曲げ癖と直交する方向(図11(a)の紙面に直交する方向)に曲げたときの側面図、(c)は初期の曲げ癖と逆方向(図11(a)の矢印I方向)に曲げたときの側面図である。 従来のワイヤハーネスの配索図である。 図13の要部拡大図である。
以下、本発明に係る電線の配索構造の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図8は本発明に係る電線の配索構造の一実施形態を示したもので、図1(a)は車両シートの側面側からの概略図、図1(b)は車両シートの正面側からの概略図、図1(c)は図1(a)の電線の車両シート正面側からの拡大図である。図2は図1に示した車両シートの座部が車両シートに付属の高さ調整機構により高い位置に設定されている状態における車両シートの前後方向へのスライド移動を示す車両シート側面図、図3は一実施形態の電線束の断面図、図4は一実施形態の電線の配索構造の拡大側面図、図5は図4のB矢視図、図6(a)は図4のC矢視図、図6(b)は図6(a)のD−D断面図、図7(a)は図4のE矢視図、図7(b)は図7(a)のF−F断面図、図8は一実施形態の電線の端部の支持構造の拡大図である。
一実施形態の電線の配索構造1は、トラック用の車両シート3の座部(シートクッション)4の下面4aと、車両シート3が設置される車体の床面5との間に、電線束(ワイヤハーネス)8を配索したものである。
車両シート3は、図1(a)に矢印X1で示す車両の前後方向にスライド移動可能に、床面5に取り付けられる。また、車両シート3は、不図示の高さ調整機構により、座部4の高さ(図1(a)の矢印Y1方向の位置)を調整可能にされている。
図2では、座部4が後方に位置決めされている状態を実線で示し、座部4が前方に移動したときの状態を想像線で示している。なお、図2において矢印Xは座部4の車両前方へのスライド方向を示し、矢印Yは座部4の高さ調整方向を示している。
座部4の下面4aと床面5は、相対移動する2つの構造物に相当する。電線束8の両端は、それぞれ端部支持部材11,12を介して、これらの2つの構造物に固定される。更に詳しく説明すると、図2に示すように、電線束8の一端8aは、相対移動する2つの構造物の内の一方の構造物である床面5に、第1の端部支持部材11を介して固定される。また、電線束8の他端8bは、相対移動する2つの構造物の内の他方の構造物である座部4の下面4aに、第2の端部支持部材12を介して固定される。各端部支持部材11,12の構成については、後に詳しく説明する。
両端が床面5及び座部4の下面4aに固定される電線束8は、図3に示すように、複数の電線21,22と、これらの電線21,22に縦添えして装備される縦添えばね材24と、これらの電線21,22及び縦添えばね材24を収容する保護チューブ26とを備えている。
各電線21,22は、余長部31が、中間部に設けられる。余長部31は、車両シート3の車両前後方向への位置調整時における下面4aと床面5との間の相対移動方向である車両前後方向に沿ってUターンさせた形状である。この余長部31は、車両シート3の車両前後方向への位置調整時に、U字状に湾曲する曲げ位置の移動により、下面4aと床面5との間の相対移動を許容する。
縦添えばね材24は、電線21,22に縦添え状に装備されて余長部31をU字状の撓み形状に維持するための部材である。本実施形態の場合、縦添えばね材24には、曲げ方向に偏りのない円形断面又は正多角形断面の弾性棒状部材が使用される。
本実施形態の場合、保護チューブ26として、加圧処理等により塑性変形可能な樹脂製チューブが使用されている。そして、本実施形態では、図3に示すように、保護チューブ26の塑性変形によって、電線21,22及び前記縦添えばね材24の束である電線束8の横断面形状が、保護チューブ26の塑性変形によって、平型ケーブル状(楕円断面状)に成形されている。
本実施形態の場合、図1(b)及び図5に示すように、電線21,22の両端部(電線束8の両端部)の固定位置P1,P2は、2つの構造物である下面4aと床面5との相対移動方向(車両前後方向)に対して直交する矢印Yと矢印Zの2方向のそれぞれに位置をずらしたオフセット位置に設定されている。
ここに、矢印Y方向は車両の上下方向、矢印Z方向は車両の幅方向である。図1(b)及び図5において、寸法Y2は矢印Y方向のオフセット量、寸法Z2は矢印Z方向のオフセット量である。
次に、端部支持部材11,12による電線束8の両端部の支持構造について、詳細に説明する。
本実施形態において、電線束8の両端を座部4の下面4aや床面5に固定する端部支持部材11,12は、図6及び図7に示すように、電線束8の両端8a,8bを結束バンド33で締結することで、車両幅方向の位置、車両上下方向の位置を規制する。また、各端部支持部材11,12は、図8に示すように、電線21,22に縦添えされている縦添えばね材24の端部が突き当てられるばね当接壁35を有しており、該ばね当接壁35によって電線束8の長さ方向(軸方向)への移動を規制する。また、各端部支持部材11,12は、縦添えばね材24の端部近傍が端部支持部材11,12から外れないように動きを規制するための規制バー36を有している。規制バー36によって縦添えばね24の動きを規制することで、縦添えばね材24が図8中、紙面と直交する方向に離脱するのを防止している。
結束バンド33による締結は、保護チューブ26内における縦添えばね材24の回転を規制しない。即ち、保護チューブ26内の縦添えばね材24は、U字状の曲げにより縦添えばね材24に捻れ力が作用した場合に、その捻れ力により自由に保護チューブ26内で軸回りに回転して、捻れ力を逃がすことが可能になっている。また、縦添えばね材24の両端部は、端部支持部材11,12のばね当接壁35に当接して位置決めされるとともに規制バー36で動きを規制されているため、車両シート3の車両前後方向への位置調整によってU字状の曲げ位置が変化する場合でも、縦添えばね材24の両端部が長さ方向に動くことがなく、また端部支持部材11,12から外れることがない。
更に、本実施形態の場合、電線束8の両端を支持する各端部支持部材11,12には、図6(b),図7(b)に示すように、余長部31の一側に、余長部31の位置を規制するガイド壁11a,12aが設けられている。これらのガイド壁11a,12aは、座部4の下面4aと床面5との車両前後方向への相対移動時における余長部31の湾曲状態が外側方(図6(b)の矢印Q1方向、図7(b)の矢印Q2方向)に膨らむことを規制する。
図9は、図2に示した座部4が初期位置S1から車両前方側の第1調整位置S2までの距離L1をスライド移動したときの、電線束8の余長部31の移動形態を示している。トラック用の車両シート3の場合、座部4は、前方に移動するとき、矢印Rに示すように、車両前方への移動に連動して徐々に高さ位置が下方に調整されるようになっている。従って、座部4が車両前方に移動したとき、余長部31の湾曲の曲率半径が縮まる。
図10は、図2に示した状態よりも高さが下げられた座部4の低位置の初期位置S3から車両前方側の第2調整位置S4まで距離L2をスライド移動したときの、電線束8の余長部31の移動形態を示している。この場合も、座部4は、前方に移動するとき、矢印Rに示すように、車両前方への移動に連動して徐々に高さ位置が下方に調整される。従って、座部4が車両前方に移動したとき、余長部31の湾曲の曲率半径が縮まる。
以上に説明した一実施形態の電線の配索構造1は、電線21,22の余長部31をU字状の撓み形状に維持する手段として縦添えばね材24を備えるもので、電線21,22をコルゲートチューブに収容する従来の電線の配索構造と比較すると、配索する電線束8の大径化を抑止することができる。
更に、一実施形態の電線の配索構造1では、縦添えばね材24には、曲げ方向に偏りのない円形断面又は正多角形断面の弾性棒状部材を使用するため、2つの構造物の相対移動に伴って電線21,22の余長部31におけるU字状の曲げ位置が変化するときに、電線21,22に縦添えされている弾性棒状部材が素直に曲がり、曲げ方向の偏りの影響で曲げ位置の移動が妨げられることがない。
また、一般に、初期の縦添えばね材24には、図11(a)に示すように、多少の曲げ癖が残留していることが多い。そして初期の曲げ癖が残っている縦添えばね材24を、図11(b)に示すようなU字状に曲げる場合に、縦添えばね材24に加える曲げ方向によって曲げ形状に差異が生じる。
図12は、縦添えばね材24に加える曲げ方向を変えてU字状の曲げを行った場合の側面視形状(図11(b)の矢印G方向から見た形状)の差異を示している。
図12(a)は、縦添えばね材24に対して、初期の曲げ癖による湾曲方向と同方向(図11(a)に矢印Hで示す方向)に縦添えばね材24を曲げた場合で、この場合は、余長部31の側面視の形状が略平坦になり、配索の省スペース化に適した湾曲形状を得ることができる。
一方、図12(b)は、縦添えばね材24に対して、初期の曲げ癖による湾曲方向と直交する方向(図11(a)の紙面に直交する方向)に縦添えばね材24を曲げた場合で、この場合は、余長部31の側面視の形状が矢印Kで示す方向に反りを生じた形状になり、配索の省スペース化に適さない。
また、図12(c)は、縦添えばね材24に対して、初期の曲げ癖による湾曲方向と逆方向(図11(a)に矢印Iで示す方向)に縦添えばね材24を曲げた場合で、この場合は、湾曲形状の縦添えばね材24にうねりが生じており、この場合も、配索の省スペース化に適さない。また、図12(b),(c)に示した曲げでは、曲げ操作時に、縦添えばね材24内には捻れ力が発生していて、曲げに大きな操作力が必要になり、曲げ難くなるという問題も生じる。
このように、縦添えばね材24をU字状に曲げる際には、加える曲げ方向によっては、縦添えばね材24内に捻れ力が生じる。そして、この捻れ力が縦添えばね材24内に発生している状態では、曲げられた縦添えばね材24に、該縦添えばね材24の両端を含む平面からはみ出す反りやうねりが生じて、配索スペースの増加を招く原因となる。また、捻れ力が縦添えばね材24内に発生している状態では、縦添えばね材24の曲げに大きな操作力が必要になり、縦添えばね材24の曲げ半径を小さくすることが難しい。
しかし、以上に説明した一実施形態の電線の配索構造1では、縦添えばね材24の両端部が回転自在に支持されているため、曲げによって縦添えばね材24内に捻れ力が発生した場合には、縦添えばね材24自体の回転挙動により、縦添えばね材24内に発生した捻れ力を逃がすことができ、残留する捻れ力に起因した反りやうねりが縦添えばね材24に生じることを防止することができる。従って、縦添えばね材24に発生している捻れ力で曲げが阻害されることも無くなる。
即ち、一実施形態の電線の配索構造1では、縦添えばね材24は、その両端を含む平面内で簡単にU字状に曲がることができるため、電線21,22の余長部31をU字状に曲げ易くなり、電線21,22を配索する際の作業性を向上させることができる。また、縦添えばね材24に生じる反りやうねりによって配索スペースが増加することを防止して、2つの構造物間における配索領域を省スペース化することができる。
また、一実施形態の電線の配索構造1では、図5に示したように、電線21,22の両端部の固定位置P1,P2を、車両シート3と床面5の2つの構造物の相対移動方向である車両前後方向に対して直交する2方向のそれぞれに位置をずらしたオフセット位置に設定している。
このような配索構造では、例えば、電線21,22の両端部の固定位置P1,P2を、2つの構造物の相対移動方向に対して直交する2方向の内の一方にのみずらした配置とした場合と比較して、電線21,22の両端部間の離間距離を大きく設定でき、電線21,22の余長部31の曲げ半径を大きく設定することができる。
従って、電線21,22の余長部31をU字状に曲げ易くなり、電線21,22を配索する際の作業性を向上させることができる。
なお、本発明に係る電線の配索構造は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。また、本発明を構成する各部品の材質、形状、寸法等は、本発明の目的を達成できるものであれば、任意であり、前述した実施形態に限定されない。
例えば、本発明に係る電線の配索構造の適用箇所は、上記実施形態に示した車両シートと床面との間に限らず、例えば、スライドドアへの給電用のワイヤハーネスの配索などにも、適用することができる。また、電線束8を構成する電線の本数も、上記実施形態に限らない。電線束8を構成する電線の本数は、接続する機器の仕様等に合わせて、1本以上の任意の本数にすることができる。更に、電線束8の端部の具体的な固定構造や、端部支持部材11,12の具体的な構造も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で設計変更や改良が可能で、上記実施形態に限らない。
また、車両シートの構成は上記実施形態のように前後方向及び上下方向に位置を調整可能でなくてもよく、いずれか一方向にのみ位置を調整可能であってもよい。更に、車両シートに上下方向の振動を常に吸収する振動吸収機構を備えてもよい。
1 電線の配索構造
3 車両シート
4 座部
4a 下面(構造物
5 床面(構造物)
8 電線束(ワイヤハーネス)
21,22 電線
24 縦添えばね材
26 保護チューブ
31 余長部
P1,P2 電線端部の固定位置

Claims (3)

  1. 相対移動する2つの構造物間において、一端が一方の構造物に固定されると共に他端が他方の構造物に固定される1又は複数の電線の配索構造であって、
    2つの構造物相互の相対移動を許容するために相対移動方向に沿ってUターンさせた余長部が中間部に設けられた電線と、該電線に縦添え状に装備されて前記余長部をU字状の撓み形状に維持する縦添えばね材と、を備え、
    前記縦添えばね材には、曲げ方向に偏りのない弾性棒状部材を使用し、
    前記縦添えばね材の両端部は、回転自在に、且つ長さ方向には位置を規制して支持されることを特徴とする電線の配索構造。
  2. 前記弾性棒状部材は、円形断面又は正多角形断面であることを特徴とする請求項1に記載の電線の配索構造。
  3. 前記電線の両端部の固定位置は、前記2つの構造物の相対移動方向に対して直交する2方向のそれぞれに位置をずらしたオフセット位置に設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電線の配索構造。
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