ところで、従来のこの種の目標物検出装置は、その本体形状を扁平な矩形箱形を基本としている。また、最近では、表示部の表示画面が大型化することに伴い、表示画面が配置される運転者側の厚みを増した形状としたり、さらに表示画面の画面サイズが大きくなると、直方体を起立させた形状にしたりするなどの改良・改変がなされている。
ただし、いずれの場合も、薄型の直方体がベースとなっており、車室内に設置した場合でも、いかにも装置という感じから抜けず、遊び心に欠け、インテリアとしても浮いてしまう。その結果、純粋に、目標物検出装置の機能が必要と思うユーザは、インテリアとしての統一感等を犠牲にしても設置するが、普及のネックになっているという課題がある。そして、最近普及されているコンパクトカーなどの小型の車種の場合には、その傾向がより強く出る。さらに、この種の目標物検出装置の開発の方向は、目標物の検出精度を増したり、表示手段から提供する情報を増やしたりするといった、目標物検出装置本体の目標物を検出して報知するといった機能自体の向上を図るようになっており、上述した装置といった感じがますます高まり、上記の問題が顕著となる。
特に、この種の目標物検出装置は、上述したように安全運転のための必要な情報を提供するといった機能も備えているので、より多くのユーザが、違和感なく、設置するのが望ましく、遊び心に富んだ新たな目標物検出装置を開発するといった課題がある。
また、従来からソーラータイプの目標物検出装置がある。この種の目標物検出装置は、装置の駆動源が太陽電池の発電(リアルタイムの電力供給/昼間の太陽電池の発電により充電された充電池からの放電)を利用しているので、シガーソケットなどに接続して車両からの電力供給を常時する必要はない。その結果、コードレスとなるので、目標物検出装置の周囲に電源コードが存在せず、すっきりとするとともに、設置位置も自由となるので好ましい。
一方、最近では、警報する際の表示内容の多様化・見やすさの確保等の理由から、表示画面が大型化される傾向にあるが、ソーラータイプの場合、装置全体の大きさから太陽電池の大きさに制限があり、2.2インチ程度の表示画面が限界であった。すなわち、一体型のケースを想定した場合、ケースの高さは液晶パネルの高さよりも大きくなる。そして、ケースの前面(運転者側)に液晶パネルを設置し、ケースの上面にソーラーパネルを配置することになる。そのため、ケースは、前後方向に厚さが異なる形態をとり、ケースの前面の液晶パネルを装着する部分を厚くし、その他のソーラーパネルを配置する多くの部分の厚さは相対的に薄くする構成を採る。そのため、液晶パネルが大きくなると、後方側の部分との厚さがアンバランスになり、デザイン的に好ましくないことから、2.2インチ程度が限界と言われている。さらに、表示画面が大きくなるにつれて消費電力も増すことから、ソーラーパネルもより大きなものにする必要があるが、デザイン上の制約からソーラーパネルの大きさも限界があり、そのことからも2.2インチ程度が限界と言われている。
そのため、大型の表示画面を備えた目標物検出装置は、ソーラーパネルを用いずに電源ケーブルをシガーソケットに接続し、車両からの電源供給により駆動するようにしている。しかし、最近は、ポータブルナビゲーション装置その他の車載機器が普及し、これらの車載機器もシガーソケットからの電源供給により駆動することから、複数の車載機器を搭載する場合、すべての車載機器に対してシガーソケットから電源供給を行うことはしにくくなっているという現状がある。そこで、ソーラータイプでありながら大画面にも対応できるという新規な目標物検出装置の開発が望まれているという課題がある。
上記の課題を解決するために、本発明は、(1)自車の周囲に存在する目標物を検出する検出手段と、その検出手段で検出された目標物を報知する表示手段と、を備えた車両のダッシュボード上に固定設置される目標物検出装置であって、前記表示手段の前方には、その表示手段から出射される光をそのままの状態では透過させない状態を常時或いは切り替えにより有する補助機能部材を配置し、その補助機能部材の表面に、前記表示手段の表示内容を出力可能とした。
補助機能部材は、実施形態に示すように、化粧直しその他の状況で運転者等が自己の顔等を見るためなどに用いるミラーとして機能したり、半透明材料など用いてもやっと・ぼんやり見えることで癒し効果が発揮するようにしたりするなど、単なる警報ではなく、運転者や助手席に向けての副次的な機能を発揮するものである。表示手段の前方に、補助機能部材を設けたが、常時或いは切り替えにより、その補助機能部材の表面に表示手段の表示内容が表示されるので、目標物検出装置本来の目標物の警報・報知機能も有効に動作する。常時表示するタイプは、実施形態で言うと、ハーフミラーや半透明部材を用いたものであり、切り替えにより表示するタイプは、実施形態で言うと、ミラー液晶パネルを用いたものである。補助機能部材は、平板でも良いし球面・非球面の一部のような曲面板でも良い。
(2)前記補助機能部材は、ミラー機能を備えるとよい。このミラー機能は、ルームミラーのように、運転のために必要な情報を得るためのものではない。そして、表示手段から出力される警報・報知内容を運転者や助手席の同乗者等が容易に確認することができるようにするため、少なくとも補助機能部材(それが設置されるケース等)はダッシュボード上で運転者等が見やすい場所に置かれることから、運転者等は、補助機能部材がミラーとして機能している際に、自己の顔等を見ることが容易にできる。
一方、化粧直し等をする場合、従来、運転者・同乗者等は、車の中で、バック等の中からコンパクトケース(ミラー)を探し出して取り出すことになり、その作業は煩雑で、すぐに見つからない(取り出せない)こともあり面倒であった。また、ルームミラー等の車両の既設のミラーで顔等を確認しようとした場合、困難な体勢となり容易でない。さらに、サンバイザーの裏に鏡(バニティミラー)などがある車もあるが、車種によっては、このような鏡がないものもあるし、運転席・助手席の一方の席側にしかないものも多い。そこで、本発明では、ダッシュボード上に置かれた目標物検出装置の前面側に実装される補助機能部材がミラーとして機能するため、いちいちバックからコンパクトケース(鏡)を取り出す必要もなく、また、普通に運転席/助手席に座った姿勢で見ることができるので、運転中に自己の顔が容易に確認でき、体調や心の乱れ、化粧の乱れ等をいち早く是正することができる。特にエンジンを動作させていない間(ACCOFF)の間、ミラーとして機能させる状態とすることで、車から乗り降りする際などに容易に顔等を確認できる。
(3)前記ミラー機能は、透過率が変更可能で、前記表示手段から出射される光の透過を遮断する透過率のときはその表面が鏡面状態になるパネル部材、或いは、ハーフミラーにより実現されるとよい。パネル部材は、実施形態では、ミラー液晶パネルにより実現されている。実施形態では、透明状態と、非透明状態(鏡面状態)の2つの状態の切り替えを行うようにしているが変形例でも説明したように、透過率をさらに細かく切り替え・変更できるようにしても良い。ハーフミラーを用いた場合には、表示手段からの表示をOFFにするだけでミラーとして機能する。また、パネル部材の場合には、非透明状態にするだけで(表示手段の動作状況に関係なく)ミラーとして機能することができる。
(4)前記パネル部材は、非通電時に前記鏡面状態になるものとするとよい。このようにすると、車両に乗り降りするときなどを含め、目標物検出装置が動作していないときには、補助機能部材をミラーとして機能させることができ、特別な切り替え作業も不要となる。
(5)前記補助機能部材は、前記表示手段の表示画面よりも大きい平面形状とすることができる。表示手段の表示画面の寸法が小さい場合でも、補助機能部材の寸法形状を大きくしておくことで、ミラーとして使用する際に、十分な面積を確保できる。よって、表示手段の寸法形状に関係なく、補助機能部材の寸法形状の設計が行える。
(6)前記補助機能部材は、その外形状の少なくとも一部に曲線部分を含む形態に構成するとよい。このように、一部(もちろん全部でも良い)に曲線部分を含むようにすることで、丸みを帯び、遊び心やかわいらしさが現れるので好ましい。(7)前記補助機能部材の外形状が円形(真円/楕円)とすると良い。もちろん、形状は、円形に限ることはなく、ハート型その他各種の形態を取ることもできる。
(8)前記表示手段を装着するケースの一部または全部が、円柱・円錐台・円錐・半球・球体とするとよい。従来の目標物検出装置は、検出した目標物等の運転に必要な情報を提供する専用の装置であったことから、常時何かしらの機能・効果を発揮するものでもなく、係る目標物検出装置をダッシュボード上に置くと、邪魔に感じる場合があった。さらに、その外観が薄型の矩形状であることも相まって、デザインとしても無骨なものが多かった。これに対し、表面の少なくとも一部に曲面を持たせることで、かわいらしさが現れ、インテリアとしても好ましく、違和感なく設置できる。特に、補助機能部材の形状が円形の場合には、それに合った外径となるので、より好ましい。
(9)上記の(8)の発明において、前記ケース内に、前記検出手段を備えるとよい。ケース内に目標物検出装置として動作するための装置・機器を組み込むことで、目標物検出装置の外観が、かわいらしく遊び心がある形態でまとまるので、インテリアとして設置するのにも好ましくなる。
(10)前記検出手段を備えた本体と、その本体に対して開閉自在に連結される蓋部とを備え、前記表示手段と前記補助機能部材は、前記蓋部に設けられ、前記補助機能部材は、ミラー機能を備えるものであり、前記蓋部を開いた場合に前記補助機能部材が露出し、前記蓋部を閉じた場合には前記補助機能部材が前記本体と前記蓋部により閉塞されるように設定するとよい。このようにすると、コンパクトケース(ミラー)のような外観となり、自己の顔等を見るミラーとして使用する際に違和感が無く使用できる。
(11)前記蓋部には、その蓋部を閉じても露出している表面に太陽電池を配置し、その太陽電池により、前記検出手段並びに前記表示手段が駆動されるようにするとよい。このようにすると、ソーラータイプの目標物検出装置となり、シガーソケット等に常時電源ケーブルを接続しておく必要がなくなるので見栄えがよい。そして、蓋部の表面に太陽電池を設置した場合、違和感なく、しかも比較的広い面積に太陽電池を配置するレイアウトを採ることができるので、好ましい。
(12)前記蓋部は、前記本体から離脱可能となり、前記蓋部を前記本体から取り外した状態では、前記補助機能部材は、ミラーとして機能するようにするとよい。このようにすると、運転者等が自己の顔等を見るためにミラーとして使用しようとした場合、蓋部のみを取り外して手元に持ってくればよいので、目標物検出装置の全体を持ち運ぶ場合に比べて軽く、扱いやすい。
(13)前記表示手段は、液晶パネルであり、その液晶パネルの駆動用の回路は、前記本体側に実装されるようにするとよい。このようにすると、より軽量化されるので好ましい。特に、補助機能部材が、パネル部材の場合には、非通電状態になり自動的に鏡面になるのでよい。
(14)前記本体は、着脱可能に取り付けられる支持部材を介して前記車両のダッシュボード上に固定されるものであり、前記補助機能部材は、透過率が変更可能で、前記表示手段から出射される光の透過を遮断する透過率のときはその表面が鏡面状態になるパネル部材であり、前記本体を前記支持部材から取り外した場合には、前記パネル部材は鏡面状態になるように構成されるとよい。このようにすると、目標物検出装置自体を簡単に手元に持ってくることができ、その場合に、自動的に鏡面状態になってミラーとして機能するので、ダッシュボード上から取り外したときはコンパクトケース(ミラー)として使用でき、利便性が向上する。
(15)前記補助機能部材は、半透明部材とするとよい。半透明部材は、表示手段が発光する光の一部が透過し、表面に見える(ぼやっと見える)ものであり、乳白レンズや、色つきの樹脂板を薄くした結果見えるものも含む。(16)半透明部材は、前記表示手段を装着するケースのボディの一部とすることかできる。表示する内容が、ぼんやりと見えることで、幻想的な趣が出て、インテリアの一部としても機能するので好ましい。
(17)前記表示手段は、複数のLED等の発光素子を、配列(たとえばM×Nのマトリクス)して構成することかできる。(18)前記表示手段で報知される検出された目標物の情報は、その目標物を特定するマーク或いは色で示されるようにするとよい。半透明部材を用いることで、ぼんやりと、もやっと見えるようになるので、発光素子を用いて簡単なマークや色で目標物の存在を通知するとよい。もちろん、補助機能部材として半透明部材を用いた場合に、表示手段として液晶パネルや有機EL等の表示パネルを用いることも妨げない。
(19)前記検出手段で目標物が検出されない場合、前記表示手段に所定のマーク(たとえば笑顔のようにユーザに安心感を与えるものがよい)あるいは特定の色(一色でも良いし、複数色でも良い)が出力されるようにするとよい。このようにすると、インテリアの一部として、さらに違和感なく溶け込むことができるので好ましい。
(20)前記本体は、その外形状が立方体あるいは球形とすることができる。このようにすると、従来の装置らしさが薄まり、インテリアの一つとして車室内に溶け込むことができる。
(21)前記検出手段並びに前記表示手段の駆動用の太陽電池を備え、前記表示手段を備えた表示ユニットと、前記太陽電池を備えたソーラーユニットと、それら表示ユニットとソーラーユニットを電気的に接続する接続手段と、備えたるとよい。検出手段はソーラーユニットと表示ユニットの一方或いは双方に収納することができる。ソーラーユニットと表示ユニットを別のユニット(ケース)として形成するため、それぞれを適切な寸法形状にすると共に、ソーラーユニットには太陽電池を違和感なく広い面積に配置することができる。よって、表示ユニットの表示画面の大きさも、太陽電池の設置レイアウト・寸法を気にする必要がないので大きくすることができる。
(22)前記接続手段は、電力供給ケーブルとすることができる。(23)前記接続手段は、通信ケーブルを含むようにしてもよい。
(24)前記ソーラーユニットと前記表示ユニットは分離可能であり、前記ソーラーユニット内に前記検出手段と、その検出手段で目標物を検出した場合に報知する報知手段を備え、前記ソーラーユニットは、前記表示ユニットから分離した状態でも目標物の検出並びに報知動作可能とするとよい。
(25)前記ソーラーユニットと前記表示ユニットは分離可能であり、前記表示ユニット内に前記検出手段と、補助電源供給部を備え、その補助電源供給部は、少なくとも前記ソーラーユニットからの電力供給がされない場合、前記表示ユニット内の前記表示手段並びに検出手段に対する電力供給を行うものであり、前記表示ユニットは、前記ソーラーユニットから分離した状態でも目標物の検出並びに報知動作可能とすることもできる。
(24),(25)の発明のようにすると、ソーラーユニットと表示ユニットを、接続手段を外して電気的に分離した状態でも使用できるので、状況に応じて適切な使用状態が得られる。また、補助電源供給部は、二次電池・一次電池のいずれも利用できる。
(26)前記検出手段が実装される前記ソーラーユニット或いは前記表示ユニットは、充電池を備えると共に、外部電源から前記充電池に対して充電する機能を備えるとよい。
(27)前記表示ユニットは、前記ソーラーユニットに対して支柱部材により連結されるようにするとよい。(28)前記ソーラーユニットは、扁平な本体を備え、その本体の上面に前記太陽電池を配置すると共に、スイッチ等のユーザインタフェースを備え、前記表示ユニットは、前記支柱部材によって前記ソーラーユニットの上方に位置されているようにできる。
(29)前記検出手段は、前記本体内に実装されるようにできる。このようにすると、表示ユニットを薄くできるので好ましい。
(30)前記検出手段は、電波を受信する受信部を備え、その受信部は、前記支柱部材に実装されるとよい。電波は、GPS電波,マイクロ波,カーロケータシステムにおける緊急車両が自己位置を通知するために送信する電波,警察無線等があり、少なくとも一部の電波を受信する受信部を実装すればよい。このようにすると、受信感度が高くなるので好ましい。
(31)前記表示ユニットは、前記支柱部材に対して回転可能で、任意の角度でその固定できるようにするとよい。任意の角度は、360度が好ましい。その場合において、 (32)前記表示ユニットにおける前記表示手段が設けられた面と異なる面にミラーを設け、その表示ユニットを回転させることで、そのミラーを車室内側に向けることができるようにするとよい。このようにすると、表示ユニットを回転することでも、ミラーとして使用することができる。補助機能部材が半透明部材にした場合でも、異なる面に設けたミラーを、運転者等の顔等を見るためのミラーとして利用できるので好ましい。
(33)前記表示ユニットには、前記表示手段が設けられた面と異なる面(好ましくは、裏面)に太陽電池が配置されるようにしてもよい。本体のソーラーパネルとは異なる角度(例えば90度)で設置されているため、従来のように発電される電力が日差しの差し込む方向に依存してしまうことが少なくなるので安定して回路に電力を供給することができる。
本発明は、補助機能部材を設けることで、本来の周囲の目標物の存在を報知する機能に加え、遊び心に富んだ新たな機能が付加され、付加価値が高くなるので、より多くのユーザが、違和感なく、設置されるようになる。
以下、図面を用いて本発明の好適な実施形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態を示している。この第1の実施形態は、ソーラーパネルを備え、そのソーラーパネルによる発電により目標物検出装置を動作させるものである。
この第1の実施形態の目標物検出装置は、表示ユニット1と、ソーラーユニット2とを、別ユニットで構成し、それら両ユニット1,2を接続ケーブル4で連結して構成される。表示ユニット1は、扁平な矩形状のケース1aの前面に、表示パネル5を配置する。この表示パネルは、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイを用いて実現される。ケース1a内には、表示パネル5を駆動するための回路が内蔵されている。そして、ケース1aは、支持ブラケット3に対して回転可能で、かつ、所定の姿勢で保持される。
支持ブラケット3は、その底面に両面接着テープや、ゲル状の粘着性シート等の固定部材が設けられ、その固定部材を介して車両のダッシュボード上等の所望の箇所に固定される。さらに、本実施形態では、支持ブラケット3とケース1aとは、ボールジョイント機構により上下方向の軸を中心に360度回転し、所定角度範囲内で、前後方向や左右方向に傾けることができるようになっている。そして、ボールジョイント機構は、ジョイント部分の摩擦により任意の角度位置で停止させることができる設定となっている。なお、支持ブラケットは、このようにボールジョイント機構を用いると、簡単な構成で表示ユニット1を所望の向き・姿勢に調整すると共に、その調整した状態で固定することができるので好ましいが、他の機構を用いてももちろん良い。さらには、このように回転等させることなく、ダッシュボード上に固定するものでもよく、さらには、表示ユニット1を直接ダッシュボード上等に設置しても良い。
さらに本実施形態では、表示パネル5の前面側に重ねるように、ハーフミラー或いはミラー液晶パネルからなるミラー部9が配置される。ミラー部9の寸法形状は、表示パネル5の寸法形状とほぼ一致させているか、それよりも大きくしている。ミラー部9にハーフミラーを用いた場合、表示パネル5がONの時は、その表示パネル5に描画された情報がミラー部9(ハーフミラー)を透過して運転者や助手席の同乗者等に対して報知される。そして、表示パネル5がOFFの時は表示パネル5の表面は黒色で暗いこともあり、ハーフミラーは鏡として機能する。そして、この種の目標物検出装置の場合、表示パネル5(表示ユニット1)は、ダッシュボードの手前側の運転者・助手席の同乗者等の近い位置に設置されることから、ミラー部9は、バニティミラーとして利用できる。
バニティミラーは、助手席側のサンバイザーの裏側に設置されていることが多いが、サンバイザーに設置されていない車両もあるし、最近は、女性ドライバーも多く、ダッシュボード上の所定位置に置かれた目標物検出装置(表示ユニット1)は、運転者がよく見ることができるので、運転者等が自己の顔を見て確認することができるので便利である。もちろん、助手席の同乗者にとっても、いちいちサンバイザーを倒したりする必要がないと共に、高い位置にあるサンバイザーを見上げる場合よりも、普通に助手席に座ったときの視界に入る表示ユニット1がバニティミラーとして使えるので便利である。
さらに、この種の目標物検出装置をダッシュボード上に置いた場合、特に非使用時に邪魔に感じる場合があったが、本実施形態のように運転者や助車席の同乗者等が、自己の顔を見るためのミラーとして使えるので、違和感なく・邪魔にならない。しかも、車の中でバック等にしまって携帯しているコンパクトケース(ミラー)等を取り出して使用するのは面倒であるが、すでに露出状態で運転者等が見やすい位置に設置されているミラー部9を利用するのは簡単に行えるので好ましい。
また、目標物検出装置は、運転中に運転者等に適切に情報を提供するため、表示ユニット1も見やすい位置に設置されていることから、表示パネル5をOFFにすることで運転中に自己の顔が容易に確認でき、体調や心の乱れ、化粧の乱れ等をいち早く是正することができる。さらにエンジンを動作させていない間(ACCOFF)、ミラー状態とすることで、車から乗り降りする際などに容易に顔を確認できる。
一方、ミラー液晶パネルは、通電を制御することで、透明状態と非透明状態とを切り替えることができるもので、非透明状態の時の表面が鏡面状態になるものとすることで当該非透明状態時にミラーとして使用できる。非通電時に非透明状態になるようにすると、電源OFF時などの非使用状態のときには、上述したハーフミラーの場合と同様にバニティミラーとして使用することができる。また、ミラー液晶パネルへの通電制御は、表示パネル5の動作と連動して行う(表示パネル5がONの時は通電して透明状態にし、表示パネル5がOFFの時は非通電にして非透明状態にする)ようにしても良いし、独立して通電制御を行えるようにしても良い。独立して通電制御行う場合、表示パネル5のON/OFFに関係なく、ミラーとして使用したい場合には、通電をOFFにすることでバニティミラーとして使用することができる。
この種のハーフミラーやミラー液晶パネルを用いて構成されるミラー部9の作用効果は、特に明記しない場合も、以下に記載する実施形態・変形例並びに参考例におけるミラー部を備えたものにおいて同様に発揮する。
一方、ソーラーユニット2は、扁平な矩形状のケース2aの上面に、太陽電池であるソーラーパネル6を装着している。このソーラーユニット2のケース2a内には、自車の周囲に存在する目標物を検出する検出手段を構成する各機器が実装される。具体的には、各種の電波等を受信する受信機と、その受信機で受信した電波に基づき上記の目標物の有無を判断等の処理をする制御部と、警報を出力するスピーカ等の出力部と、が実装される。
受信機として位置検出手段たるGPS受信機と、マイクロ波受信機と、無線受信機と、を備えている。GPS受信機は、GPS信号を受信し、その受信したGPS信号から現在位置を求め、その求めた現在位置の位置情報(経度,緯度)を制御部に送る。
マイクロ波受信機は、所定周波数帯のマイクロ波を受信するもので、その設定された周波数帯のマイクロ波を受信した場合に、その受信したマイクロ波の信号レベルを検出する。具体的には、その信号レベルであり電界強度に対応するRSSI電圧を利用する。上記の所定周波数帯は、たとえば車両速度測定装置から出射されるマイクロ波の周波数が含まれる周波数帯としている。無線受信機は、飛来する所定周波数帯の無線を受信する。この所定周波数は、例えば、緊急車両が基地局に対して自車位置を通知する際に使用する無線の周波数帯とすることができる。
制御部は、上記の各種の受信機から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、出力機器(表示パネル5,警報ランプ,スピーカ等)を利用して所定の警報・メッセージを出力する。出力機器を構成する表示パネル5は、表示ユニット1に実装されているので、制御部は接続ケーブル4を介して表示を制御する。警報ランプやスピーカは、表示ユニット1内に実装しても良いが、本実施形態では、少なくとも1つはソーラーユニット2内に実装する。なお、この受信機から入力される情報に基づく警報内容を決定する所定の処理は、基本的従来と同様のものを利用することができる。つまり、一定の条件を具備する信号を受信・取得した場合には、対応する警報を出力する。なお、スピーカを用いた警報は、ブザーや音声等がある。
さらに、ソーラーユニット2には、GPS受信機により検出した位置情報(自車両の現在位置情報)に基づく警報を行うためのデータベースを備える。このデータベースには、検出対象の目標物(交通監視装置等の交通監視ポイント)について、その監視の種類と位置情報(経度:緯度)と頻度等の情報が関連づけられたテーブル構造として格納される。さらに、その交通監視ポイント固有の警報表示情報が存在する場合には、当該警報表示情報を直接あるいはその情報を特定するための情報(ファイル名等)も併せて格納される。これらの目標物に関する情報は、出荷時に一定の目標物について登録されている。このデータは、公知の各種の手法により、更新可能となる。データベースは、制御部のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)により実現できる。さらに、データベースには、道路地図データも格納されている。このように、本実施形態では、ソーラーユニット2内に検出手段を構成する多くの機器が実装されていることから、ソーラーユニット2が検出装置本体を構成するともいえる。
なお、上述した検出手段を構成する各機器等の構成は一例であり、その一部を備えていなかったり、逆に別の機器が追加されて構成されていたりする場合もある。さらに、それら検出手段を構成する各機器は、一方のユニットに実装されても良いし、適宜分けて両方のユニットに実装しても良い。
さらに、ソーラーユニット2内には、充電池並びに充放電回路を備えており、ソーラーパネル6で発電された電力は、充電池に充電可能となる。また、夜間等でソーラーパネル6による発電ができない場合、その充電池からの放電により動作する。
接続ケーブル4は、電源ラインと、信号ラインの両方を備えている。上記の制御部から表示パネル5に対する制御信号は、その信号ラインを介して伝達される。また、表示パネル5その他の表示ユニット1内の回路・機器は、ソーラーユニット2側から接続ケーブル4の電源ラインを経由して伝達される電力を利用して駆動する。
ソーラーユニット2は、シンプルな箱形形状を採ることができるので、ソーラーパネル6を大きくしやすい。また、ソーラーユニット2は、通常の使用中においては運転者がその存在を見て確認する必要がないので、ダッシュボードの先端(車両の前側・フロントガラス付近)や、フロントガラスの上部やサンバイザー等に配置するため、運転席等から離れていたたり、運転中の視界から外れたりした位置にあると共に、扁平な箱状であることも相まって、運転中に目立たない。そのため、ソーラーユニット2の寸法形状を大きくしても、違和感なく設置できるので、それに伴い、ソーラーパネル6をさらに大型化できる。いずれの場合も、従来のソーラータイプの目標物検出装置に比べ、ソーラーパネル6の寸法を大きくすることができるので、それに伴い発電量も増大する。
また、表示ユニット1は、ソーラーユニット2と独立した別ユニットとして形成され、薄型で起立した矩形箱体から構成することができるので、表示パネル5の寸法を2.2インチ以上の大きいサイズとしても、違和感がない。しかも、発電量が大きくなるので、サイズの大きい表示パネル5を含め、目標物検出装置は、ソーラーユニット2による発電により問題なく動作する。
よって、ポータブルナビゲーション装置その他の車載機器であって、シガーソケットからの電源供給を必要とするものを別途設置しようとした場合、目標物検出装置は、シガーソケットに対して常時接続して車両から電源供給を受ける必要はないので、安心して併存設置することができる。すなわち、従来であれば、車両からの電源供給を受ける必要がある車載機器を設置する場合、複数のソケット口を備えた増設・分岐アダプタを車両のシガーソケットに接続し、各車載機器は、それら複数のソケット口に接続したり、車両のバッテリーからの電源ラインに直接コードを接続したりする必要があり、煩雑であったが、ソーラータイプにすることで、係る作業が不要となる。
さらに、本実施形態では、ソーラーユニット2のケース2aの側面に、DCジャック7を設けている。このDCジャック7は、シガープラグコード8を接続するためのもので、そのシガープラグコード8を介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにする。DCジャック7に対してシガープラグコード8は着脱自在に装着する。これにより、ソーラーパネル6による発電量並びに充電池からの電力供給では電力が不足する場合などの他、必要に応じて車両からの電力供給を受け、安定した動作を行うことができる。なお、このように車両からの電源供給を受ける場合でも、充電池に充電が完了するまでといった一時的であるので、さほど問題はない。
また、上述したように、ソーラーユニット2は、ダッシュボードの先端側(運転者から見た場合には奥まった側)に設置させ、表示ユニット1はダッシュボードの前面(運転者から見た場合に手前側の接近した場所)その他の好みの箇所に設置されることから、両ユニットは、ある程度離れて設置されることになるので、接続ケーブル4の長さは、それを考慮して十分な長さに設定している。また、接続ケーブル4は、フラットケーブルなど比較的薄いものを用いると、ダッシュボードの上に配線されていても目立たないので好ましい。
さらに本実施形態では、ソーラーユニット2と、表示ユニット1は、分離可能となっている。つまり、少なくとも、ソーラーユニット2と接続ケーブルとの間は、コネクタ接続により分離可能としている。これにより、ソーラーユニット2を接続ケーブル4から離脱させた場合、表示部のない簡易の目標物検出装置を構成することができる。また、本実施形態では、接続ケーブル4は、表示ユニット1に直結しているが、表示ユニット1との間もコネクタ接続等で着脱自在としても良い。
また、本実施形態では、ソーラーユニット2が目標物検出装置本体となり、分離してそれ単体で簡易の目標物検出装置としても機能することから、充電池をソーラーユニット2側に設けると共に、外部電源の供給口となるDCジャック7もソーラーユニット2に設けたが、表示ユニット1側にDCジャック7を設けるのを妨げるものではない。すなわち、仮に充電池がソーラーユニット側にあったとしても、表示ユニット1側にDCジャックを設けた場合、DCジャック7から供給された電力は、一旦接続ケーブル4を介してソーラーユニット2側に伝え、そこで充電池に充電したり、ソーラーユニット2側の電源回路経由で再度接続ケーブル4から表示ユニット1側へ電力供給したりすればよい。
また、本実施形態では、ソーラーユニット2単独で簡易の目標物検出装置として動作する場合の駆動源として、充電池を使用したが、乾電池・ボタン電池等の一次電池でも良い。
なおまた、表示パネル5をTFT液晶パネルを用いて構成すると、当該表示パネル5がOFFの時は反射率も高く簡易的なミラーとして使用できるので、ミラー部9を別途設けなくても済む。
また、表示ユニット1の接地面(底面)とは異なる面にもソーラーパネルを取り付けると良い。設置箇所としては、たとえば、表示ユニット1の裏面(後ろ面)側、つまり、表示パネル5の接地面と反対側にすることができる。このようにすると、表示ユニット1に設けたソーラーパネルは、本体のソーラーユニット2に設けたソーラーパネル5とは異なる角度(例えば90度直交)で設置されているため、従来のように発電される電力が日差しの差し込む方向に依存してしまうことが少なくなるので安定して回路に電力を供給することができる。この表示ユニット1に設けたソーラーパネルは、補助的なものであるので、さほど大きくしなくてもよく、レイアウトの邪魔にもならない。
なお、参考例としては、ミラー部9を設けない構成を採ることもできる。つまり、表示パネル5の前面には、何も設置せずにそのまま露出させたり、透明なガラスその他の保護部材を設置するようにしても良い。
図2は、本発明の第2の実施形態を示している。この実施形態では、第1の実施形態と同様にソーラータイプであり、表示ユニット1′と、ソーラーユニット2′を分離し、接続ケーブル4で連結するタイプのものである。この実施形態では、第1の実施形態においてソーラーユニット2′に実装していた自車の周囲に存在する目標物を検出する検出手段を構成する各機器を、表示ユニット1′側に実装するようにした。これにより、表示ユニット1′側が、目標物検出装置本体となる。また、ソーラーユニット2は、ソーラーパネル6を設置し、そのソーラーパネル6により発電された電力は、接続ケーブル4′を経由して表示ユニット1′側に送られ、表示ユニット1′のケース1′a内に実装される充電池に充電され、また、その電力により表示ユニット1′内の各機器が動作する。ソーラーユニット2′のケース2′aは、検出手段がないので第1の実施形態のものに比べて薄型することができ、さらに目立たないものとすることができる。接続ケーブル4′は、電力を伝達する電源ラインを構成する。
表示ユニット1′と、ソーラーユニット2′とは、電気的に分離することができる。つまり、少なくとも表示ユニット1′と接続ケーブル4′との間が、コネクタ接続とし、表示ユニット1′を取り外すことができる。そして、その状態でも目標物検出装置として動作することができる。さらに、表示ユニット1′側には、DCジャック7′が設けられ、シガープラグコード8を介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにする。
そして、本実施形態においても、表示ユニット1′は、表示パネル5の前面側に、ハーフミラー或いはミラー液晶パネルからなるミラー部9を配置し、そのミラー部9を運転者等が、自己の顔等を見ることができるミラーとして使用することができるようにしている。なお、その他の構成並びに作用効果は、第1の実施形態並びにその変形例と同様であるので、その詳細な説明を省略する。なおまた、この第2の実施形態においても、それを基本とした参考例としては、ミラー部を設けない構成を採ることもできる。つまり、表示パネルの前面には、何も設置せずにそのまま露出させたり、透明なガラスその他の保護部材を設置したりするようにしても良い。
図3は、本発明の第3の実施形態を示している。本実施形態では、ソーラーユニット10と、表示ユニット11と、を、支柱部材12により機械的に連結している。つまり、ソーラーユニット11は、第1の実施形態と同様に前面に表示パネルを備えた薄型の矩形箱状のケースを備え、起立させた状態で配置し、さらに、表示パネルの前面には、ハーフミラーやミラー液晶パネル等からなるミラー部を配置している。これにより、表示パネルがOFFのときなどは、ミラー部の機能により、運転者等は、自己の顔等を見ることができる。また、表示パネルをFTF液晶とすることで、別途ミラー部のような部材を設けることなく、表示パネルがOFFの時にミラーとして使用できるようにしてもよい。
ソーラーユニット10は、ダッシュボード上に置いて設置するもので、扁平な本体ケースの内部に検出手段を構成する各機器等が実装される。このソーラーユニット10の上面10aの奥側には、支柱部材12の下端が連結される。支柱部材12は、斜め情報前方に向かうように配置され、その先端に表示ユニット11が連結される。これにより、表示ユニット11は、ソーラーユニット10の上方空間所定位置に設置される。
また、表示ユニット11は、支柱部材12に対して回転可能に連結するとよい。係る機構は、例えばボールジョイントなどを用いることで、簡単な構成で実現できるし、その他の機構を用いて実現しても良い。
ソーラーユニット10は、その上面10aにソーラーパネル14や、スイッチ15と、スピーカ16等のユーザインタフェースが配置される。ソーラーユニット10の上面10aは、スイッチ15とスピーカ16を配置するくらいであるので、その他の領域にソーラーパネル14を配置することができ、ソーラーパネル14の設置領域として比較的大きい面積を採ることができる。そして、このソーラーユニット10は、ダッシュボード上に直に置いて設置する。このとき、安定して固定するためには、ソーラーユニット10の底面側に、ゲル状の粘着性シートを配置すると、簡単に固定し、離脱後はダッシュボード上はきれいなままになるので好ましいが、両面接着テープや面ファスナー等を用いて固定しても良い。
また、各種の電波受信部の一部または全部を支柱部材12に設けても良い。特に、ソーラーユニット10は、設置状態ではダッシュボード近傍の低い部分にあるので、そのソーラーユニット10内に電波受信部(アンテナ)を設けた場合、ワイパーなどの車両前方側にある車両の構成部品により電波影響を受ける場合があるが、支柱部材12内にアンテナを設けると、こうした影響を小さくすることができとともに、表示ユニット11にアンテナを設ける場合に比べ、表示ユニット11を薄型にすることができる。特に、特殊無線等の比較的低い位置から出射される電波を受信する無線受信部のアンテナの場合に有効である。
また、表示ユニット11の裏面側にミラーを設けるとともに、表示ユニット11を支柱部材12に連結するに際し、所定角度範囲内で回転移動でき、少なくも、表示パネルが前に向く状態と、裏面側に設けられたミラーが前を向く状態を採ることができるようにすると良い。このようにすれば、表示ユニット11を前後(表裏)反転させることで、上気した各実施形態と同様に、そのミラー部分を運転者等が自己の顔等を見るためのミラーとして利用できる。
また、表示ユニット11の裏面側に、ソーラーパネルを設けるようにしてもよい。このようにすると、本体のソーラーユニット10に設けたソーラーパネル14とは異なる角度(例えば90度・直交)で設置されるので、従来のように発電される電力が日差しの差し込む方向に依存してしまうことが少なくなるので安定して回路に電力を供給することができる。
なお、その他の構成並びに作用効果は、上述した各実施形態並びにその変形例と同様であるので、その詳細な説明を省略する。なおまた、この第3の実施形態においても、それを基本とした参考例としては、ミラー部を設けない構成を採ることもできる。つまり、表示パネルの前面には、何も設置せずにそのまま露出させたり、透明なガラスその他の保護部材を設置したりするようにしても良い。
図4は、本発明の第4の実施形態を示している。本実施形態では、略円柱状のケース本体31を有し、このケース本体31を支持ブラケット32を介してダッシュボード上の任意の位置に固定する。ケース本体31は、ボールジョイント機構35により、支持ブラケット32に対して所定角度範囲内で回転可能となり、支持ブラケット32側をゴム等の弾性力・摩擦力の強い部材で構成し、ケース本体31側の球状部分をプラスチック等の硬質部材で構成するとともに、球状部分の外径を、それが嵌り込む支持ブラケット32の凹部の内径よりも大きくすることから、任意の位置でその姿勢を保持することができる。
各種の電波受信部や、制御部等々の検出手段や、スピーカその他の出力手段は、ケース本体31内に実装される。図示省略するが、この目標物検出装置は、ケース本体31の側面或いは裏面にDCジャックを設け、車両からの電力供給を受けて駆動する。もちろん、ソーラーパネルを適宜位置に貼り付けたり、上記の各実施形態のように別途ソーラーユニットを用意し、そこから電力供給を受けるようにしても良い。
本実施形態では、ケース本体31を略円柱状(円錐台)としたので、運転者等に対向する前面は、円形となる。この前面の中央部に、矩形状の表示パネル33を設けるとともに、その表示パネル33の前面側であって、ケース本体31の前面全面に、ハーフミラー或いはミラー液晶パネルからなるミラー部34が配置される。これにより、ミラー部34は、円形となる。このミラー部34は、円形のガラス板に対してハーフミラー処理を施したり、円形液晶を用いたりすることで構成できる。このミラー部34は、平板で構成されているので平面鏡となるが、曲面液晶等を用いることで、曲面鏡とすることもできる。さらに、外形状は、真円としているが、楕円でも良いし、ハート型その他各種の形状を採ることができる。いずれの場合も、一部に曲面を有する形状とすると、丸みがあり、優しい感じ出るので良い。
このように、表示パネル33を覆い、表示パネル33の外側に突出する広い領域にミラー部33を配置することから、表示パネル33の設置面積以上の広い領域にミラーが確保され、より見やすくなる。さらに、その形状も円形であり、かわいらしく、女性向きでもある。また、ミラーの形状に加え、ケース本体31の形状も円柱状としていることから、装置全体がかわいく、インテリアとしても存在価値が高く、車室内に違和感なく設置することができる。また、このように、従来の矩形型と本体と相違することから、かわいらしさがあり、例えば、コンパクトカー、 軽自動車等にも適したものとなる。
さらに、ケース本体31の色も、従前の黒色といったいかにも装置といったものに限らず、パステルカラーその他のカラフルな色とすることで、よりかわいらしく、インテリアとしても良い商品となる。また、ケース本体31の側面31aに対して取り付けるカラーフィルム(プラスチックフィルム)を、色の異なる複数種類を用意し、所望の色のカラーフィルムを貼り付けるようにするとよい。係る構成にすると、本装置を購入したユーザは、車両の色や、車室内の状況などに応じて、それにあった色のカラーフィルムを取り付けることで、よりマッチした状態で設置できる。また、一旦装着したカラーフィルムを着脱可能にすれば、その日の気分により目標物検出装置の外観を変えることができるので、趣並びに遊び心があって好ましい。
また、支持ブラケット32ごと、ダッシュボードから簡単に取り外しできるようにしたり、或いは、ケース本体31を支持ブラケット32から簡単に取り外すことができるようにしたりすると、より近い場所で鏡を見ることができるので好ましい。また、ケース本体31の色或いは、カラーフィルムの色を適宜に設定することで、上記の女性向きの仕様から男性向きのものにすることもできる。
なおまた、本実施形態では、ミラー部34は、その全面をハーフミラー或いはミラー液晶パネルで構成したが、本発明はこれに限ることはなく、例えば、表示パネル5と重なる部分にはハーフミラーやミラー液晶パネルを配置、その外側の領域は通常の鏡を配置するようにしても良い。なお、その他の構成並びに作用効果は、上述した各実施形態並びにその変形例と同様であるので、その詳細な説明を省略する。なおまた、本実施形態のようにミラー部を円形のように外形の一部または全部を曲線にしたり、色を黒以外の適宜の色にしたりすることは、上述した各実施形態に適用することができるし、以下に示す各実施形態・変形例に適用することができる。また、特に具体的に指摘していないが、本発明における各実施形態並びに変形例に示す構成要素は、その一部を他の実施形態・変形例に適用することができる。
図5,図6は、本発明の第5の実施形態を示している。本実施形態では、ケース本体71の形状を球体にしている。また、それに併せて、ケース本体71を受ける支持ブラケット72も、球形に符合する球状の凹部72aを備えている。そして、凹部72aの底面には、ゲル状の粘着性シート72bが設置され、ケース本体71の表面が粘着性シート72bに接触して密着することで、その位置を保持する。ただし、粘着性シート72bであるため、着脱は可能であり、ケース本体71を任意の姿勢にした状態で凹部72aに取り付けることで、所望の無機にすることができる。しかも、ケース本体71は球状であるので、取り得る角度範囲は360度となり、自由度が高い。
さらに、支持ブラケット72の底面にも粘着性シート72cを設けてあり、その粘着性シート72cにてダッシュボード上の所望の位置に設置する。そして、支持ブラケット72の底面に設けた粘着性シート72cの粘着力を、凹部72a内の粘着性シート72bのそれよりも強く設定しておくことで、ケース本体71を上方に持ち上げると、上記の粘着力の差からケース本体71が、支持ブラケット72から離脱する。本実施形態の場合、図6に示すように、粘着性シート72b,72cは、同一の材料を用いて一体に形成しているが、その接触面積の違いから、粘着力は、底面側のダッシュボードと密着する粘着性シート72cの方が大きくしているが、それぞれ元々単位面積あたりの粘着力が異なる別々の材料で構成してもよい。
ケース本体71は、球体を半割りされた半球状の第1ケース73と、第2ケース74とを備え、前側に位置する第1ケース73は、頂部が大きく開口した円形の開口部73aを備え、その開口部73aにミラー部74が取り付けられ、全体として半球状となる。つまり、ミラー部74は球面の一部を構成し、その球面の半径は、第1ケース73や第2ケース74の半径と等しくしている。これにより、ミラー部74を第1ケース73の開口部73aに採りつれると共に、第1ケース73と第2ケース74を接合することで、全体として球体のケース本体71が構成される。
ミラー部74は、上述した各実施形態と同様に、ハーフミラーやミラー液晶パネルを用いて構成することができる。つまり、球面状のガラスにハーフミラー処理をしたり、曲面液晶を用いたりすることで構成できる。本実施形態では、ハーフミラーを用いている。
ケース本体71内には、第2ケース74側に、各種電波の受信部(アンテナ及び受信回路)や制御部等の検出手段76や、スピーカ等の出力部を配置するとともに、DCジャック78を設け、外部電源の供給を可能としている。また、第1ケース72側には、表示部77を設けている。この表示部77は、上記の各実施形態のように液晶パネルや有機ELディスプレイのようなものでも良いし、複数の発光ダイオードを点在させたものでもよい。発光ダイオードは、マトリクス状に配置し、現在の状態をアイコン(マーク)で表現することができる。また、異なる色を発光可能とし、現在の状態を色で表現したりすることもできる。異なる色を発光させるには、1つの発光ダイオードで異なる色を発光できるものを用いても良いし、異なる色の発光ダイオードを適宜のレイアウトで配置し、必要な色が描画されるように所定の発光ダイオードを発光させるようにしても良い。この表示部77から出力される光による報知内容が、ミラー部74を透過して外部に至り、運転者等が認識できる。
また、ミラー部74は、上記の各実施形態と同様に、ハーフミラーを用いた場合には、発光部77がOFFの時にミラーとして機能し、ミラー液晶パネルを用いた場合には、通電しないなどの非透明状態の時にミラーとして機能する。一方、発光部77を用いた報知を行う場合、ミラー部74は光を透過させることになるが、このとき、半透明のようにして、表示内容がぼやっと見えるようにすると、幻想的でもあり、より面白みがわく。特に、マークや色のように簡単な区別による警報をする場合には、報知内容がはっきり見えなくとも問題はないので、半透明状態になる部材を用いるのも有効である。また、半透明な材料としては、たとえば、乳白レンズを用いることもできる。このようにすると、白みがかった幻想的な表示態様になるので、趣がある。そして、表示部が所定の色を発光する場合には、ぼんやりと光るようになり、また、文字やマークを描画する場合には、白い部分にそれらが浮かび上がるようになるのでよい。そして、ミラー部を備える場合には、その乳白レンズの表面側に、ハーフミラーやミラー液晶パネルを別途配置したり、可能であれば乳白レンズの表面にハーフミラー処理を施すことである。なお、その他の構成並びに作用効果は、上述した各実施形態並びにその変形例と同様の構成を採ることができるので、その詳細な説明を省略する。
また、上述したように、球状のケース本体71は、姿勢・向きの自由度が高い共に簡単にその姿勢を変更することができるので、ミラー部74の部分には、透明或いは半透明・乳白色等の窓部を設け、ケース本体71の別の場所にミラーを設けてもよい。その場合、化粧直しその他で運転者或いは助手席の同乗者等が顔等を見るために鏡を使用する場合、別の場所に設けたミラーが前を向くように姿勢を直したり、支持ブラケット72からケース本体71を取り外してミラーを見るようにしても良い。
また、参考例としては、ミラー機能が不要な場合には、上記の変形例のように、ミラー部の部分に透明或いは半透明・乳白色等の窓部を設け、別の場所にミラーを設けないようにすることもできる。
また、第4,第5の実施形態では、ケース本体の外形状として、従来の矩形状に替えて、円柱状や球状にしたが、これ以外にも、例えば、ケースの一部または全部が、円錐台・円錐・半球・楕円球その他各種のものを用いることができる。
図7は、本発明の第6の実施形態を示している。本実施形態では、ケース本体41の形状を立方体(キューブ)或いはそれに近い形状としている。つまり、従来のこの種の装置は、扁平な矩形状であったが、その概念を打破し、立方体に近い形状にした。これにより、装置らしさが無くなり、車室内に置くインテリアの一部としても採用されやすくなる。さらに、ケース本体41の色も、白その他の適宜の色を選択することで、よりインテリアの一部として好ましく適用できるようになる。これは、第5の実施形態と同様である。
そして、ケース本体41の前面にミラー部42を配置している。このミラー部42は、上述した各実施形態と同様に、ハーフミラーやミラー液晶パネルから構成する。そして、このミラー部42の裏面側、つまり、ケース本体41の内部に発光部43を配置している。発光部43は、図7(b)に示すように、複数の発光素子をM×Nのマトリクス状に配置して構成する。MとNは同じでも良いし異なっていても良い。発光素子は、例えばLED等を用いて構成できる。そして、第5の実施形態と同様に、目標物を特定するマーク或いは色(赤や黄色などの緊急を知らせる色)で示すようにするとよい。また、周囲に目標物が検出されていない平常状態では、たとえば笑顔のようにユーザに安心感を与える所定のマークや、青・水色などの落ち着いた特定の色が出力されるようにするとよい。
また、ミラー部42は、第5の実施形態度とように、初後部43の光を透過させるモードの場合に、無色或いは所定の色の半透明となるようにすると、ぼやっと見えるようになり、より幻想的でよい。また、そのように半透明にする部材を、ミラー部42と表示部43との間に配置しても良い。このとき、別途介在する半透明にする部材は、ケース本体41とも別の部材でも良いし、ケース本体と同一部材(必要に応じて厚さは薄くする)で構成しても良い。
なお、その他の構成並びに作用効果は、上述した各実施形態並びに変形例と同様にすることができるので、その詳細な説明を省略する。また、参考例としては、ミラー機能が不要な場合には、ミラー部の部分に透明或いは半透明・乳白色等の窓部を設け、別の場所にミラーを設けないようにすることもできる。さらにまた、ケース本体41の形状は、本実施形態のように立方体に限ることはなく、任意の形状にすることができる。一例としては、第5の実施形態のように球形としたり、第4の実施形態のように円柱状とするなどを用いることができる。
図8は、本発明の第7の実施形態を示している。本実施形態の目標物検出装置は、円盤状の本体81と、その本体81に対して蝶番機構83を介して開閉自在に連結される蓋部82とを備えている。本体81内には、各種の電波の受信部並びに制御部及びスピーカ等の出力部を備えている。図示省略するが、本体81にスイッチ部等のマンマシンインタフェースを設けても良いが、本実施形態では、コンパクトミラーのような形態を模していることから、係るスイッチ部等を設けない態様を採ることもよい。そのようにスイッチ部を設けないようにすることで、より装置らしさが消え、かわいらしく、女性なども抵抗無く使用されるようになる。なお、各種の設定は、リモコン等で行うようにしても良いし、設定が煩わしいユーザを考慮し、標準的な設定を予めしておき、特にユーザが調整できないようにしても良い。つまり、この目標物検出装置を購入したユーザは、そのままダッシュボード上に置くだけで、使用できるようになる。なお、本体81の底面には、粘着性シート等を貼り付け、その粘着性シートを介してダッシュボードの所定位置に固定するようにしても良いし、本体を保持する支持ブラケットを別途用意し、ダッシュボード上に固定された支持ブラケットに本体を装着することで、設置するようにしても良い。このとき、本体は、ダッシュボード(支持ブラケット)から容易に取り外しできるようにするとなお良い。
一方、蓋部82には、本体81と対向する面には、ハーフミラー或いはミラー液晶パネルからなるミラー部84が設けられている。このミラー部84は、円形となり、蓋部82のほぼ全面に形成している。そして、そのミラー部84の裏面側には、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示パネル85が配置されている。この表示パネル85は、ミラー部84とほぼ同じ寸法形状の円形としても良いし、矩形状としても良い。また、第4の実施形態の変形例でも説明したが、表示パネル85の方がミラー部84よりも小さい場合、その表示パネル85より外側にはみ出た領域は、通常のミラーとしても良い。例えば、ミラー部としてハーフミラーを用いる場合、円形のガラス板における表示パネル85に対向する部分はハーフミラー処理をし、その他の外側の領域は通常のミラー処理をすることで実現できる。もちろん、ミラー部84の全面をハーフミラー或いはミラー液晶パネルにすれば、表示パネル85の外周・境界部分がわかりにくくなるので、ミラーとして使用した場合に違和感が無くなり好ましい。
また、蓋部82の外側表面には、ソーラーパネル86を配置している。ソーラーパネル86により、表示パネル85や本体81内の回路が動作する。また、本体81内には、充電池を備え、ソーラーパネル86による発電により充電する。本実施形態では、ソーラーパネル86は円形としたが、その形状は任意である。また、図示省略するが、本体81の側面(周面)の所定位置にDCジャックを設け、外部からの電源供給を行えるようにすると良い。
本実施形態では、蓋部を開いた場合にミラー液晶パネル等のミラー部84が露出し、運転者等に対向する。これにより、上述した各実施形態と同様に、表示パネル85をOFFにしたり、ミラー液晶パネルを非透明状態にしたりすることで、ミラー部84がミラーとして機能し、ダッシュボード上に固定した状態、或いは、目標物検出装置を取り外したダッシュボード(支持ブラケット)から取り外した状態で、運転者等が自己の顔等を見るためのミラーとして使用できる。一方、表示パネル85がONになると(ミラー部84がミラー液晶パネルの場合には、透明状態(半透明状態を含む)にする)、目標物を検出した場合に、その表示パネル85から所定の警報・報知をすることができる。また、本体81に支持ブラケットに装着しているか否か、或いはダッシュボードに固定されているか否かを判断する判断手段を設け、ダッシュボード(支持ブラケット)から本体が取り外されたことを判断手段が検知すると、自動的にミラー部84がミラーとして機能する状態に切り替え制御する制御手段を設けると良い。このようにすると、本体を取り外すことで自動的にミラー(コンパクトミラー)として使用できるようになるので、利便性が向上する。判断手段は、例えば、操作部が本体81の表面から突出するリミットスイッチにより実現することができる。つまり、本体81をダッシュボード(支持ブラケット)に取り付けた状態では、リミットスイッチの操作部がダッシュボード(支持ブラケット)と接触して本体内に収納され、本体が支持ブラケットから取り外されると、リミットスイッチの操作部が本体から外部に突出するようになる。そして、リミットスイッチのON/OFFに基づき、上記の切り替え制御をする。切り替え制御は、例えば、表示パネル85やミラー液晶パネルへの通電経路に当該リミットスイッチを直列に挿入し、本体をダッシュボード等に固定している状態ではリミットスイッチがONになり、通電可能となり、取り外したときにリミットスイッチがOFFになって通電が遮断されるようにすることで実現できる。判断手段は、リミットスイッチに限ることはなく、近接センサその他各種の手段により時つげできるし、切り替え制御も、通電を遮断すると言った簡単な構成以外にも各種の構成が取り得る。
さらに本実施形態では、蓋部82を本体81から離脱可能とすると良い。そして、蓋部82を本体81から取り外した場合には、表示パネル85がOFFしたり、ミラー部84を構成するミラー液晶パネルが非透明状態になるような制御を行うことで、ミラー部84がミラーとして機能するように構成する。これにより、蓋部82を本体81から取り外すだけで、蓋部82のミラー部84がミラーとなるので、当該蓋部82(ミラー部84)を手元に近づけるだけで、コンパクトケースのように簡便にミラーを見て顔等の状態を確認できる。
上記のミラーとして機能するような制御であるが、例えば、蓋部82側に離脱したことを認識(本体に装着していることを認識)するセンサ等を設け、そのセンサの出力に基づいて表示パネル85をOFFしたり、ミラー液晶パネルの通電を制御(例えば通電をOFF)したりすることもできるが、表示パネル85の駆動回路や、ミラー液晶パネルの駆動回路を本体81側に設けると、蓋部82を本体81から取り外すだけで、自動的に当該駆動回路からの電力供給等が遮断され、所望の状態にすることができる。なお、その他の構成並びに作用効果は、上述した各実施形態並びに変形例と同様にすることができるので、その詳細な説明を省略する。
図9は、本発明の第8の実施形態を示している。本実施形態では、第7の実施形態を基本とし、その外形状を異にしている。つまり、蝶番機構93に開閉自在に連係される本体91,蓋部92の外形状をハート型にしている。これに伴い、ミラー部94の外形上もハート型にしている。そして、このミラー部94の裏面側に表示パネル95を配置するが、この表示パネル95の形状もミラー部94の外形状に合わせても良いし、矩形状としても良い。また、蓋部92の表面には、ソーラーパネル96を配置した構成を採る。この第8の実施形態の具体的な機能は、第7の実施形態並びにその変形例と同様にすることができるので、その詳細な説明を省略する。
図10,図11は、それぞれ本発明の参考例を示している。図に示すように、この参考例は、上述した各実施の形態と相違し、車両の標準装備のルームミラーに装着するタイプの目標物検出装置である。すなわち、図10(a),(b)に示すように、自動車に標準に取付けられているルームミラー51は、たとえばフロントガラス52に貼り付けた台座53に取り付けたアーム54の先端に、ジョイント部55を介してミラー部56を接続した構造を採る。ジョイント部55は、アーム54に対してミラー部56が所定の角度範囲内で可動かつ所望の位置でその姿勢を保持することができるようになっている。なお、図示のものはフロントガラスに装着したタイプであるが、装着位置はこれに限るものではない。
一方、図10(b)に示すように、本実施形態の目標物検出装置60は、係る構成の標準のルームミラー51に対して装着するものである。この目標物検出装置60は、扁平な矩形状の筐体からなる本体61の表面のほぼ全面にわたって後方視認用のミラー部62が設けられる。この参考例では、ミラー部62の全体をミラー液晶パネルにより構成した。そして、ミラー部62の裏面側に表示パネル63を配置している。表示パネル63は、ミラー部62に比べると小さく、片側の端に配置するレイアウトをとる。全面に対してミラー液晶パネルを配置したため、非透明状態にした場合、裏面側に設置された表示パネルは見えなくなるとともに、その表面が鏡面状態となるので、ミラー部全体が1枚の切れ目のないミラーとなり、見やすくてよい。
表示部63は、液晶パネルや有機ELパネル等のディスプレイを備え、その表示部63に表示された内容(情報)を外部から視認可能となっている。そして、ミラー液晶パネルのうち、その表示パネル63を含む所定領域の部分だけ通電して透明にすることで、表示パネル63の描画内容を見ることかできるとともに、他の部分はミラーとして機能しているので、ルームミラーとして使用することもできる。
本体61内には、表示パネル63に表示する具体的な内容を決定するための制御部、つまり、マイクロ波を検出したり、GPS信号を受信して現在位置を特定し周囲に検出対象の目標物がないかを判断したりし、警報・報知の必要が生じた場合には、表示パネル63に対して対応する警報・報知を行う旨の制御信号を送る制御部や、電源回路等を備えたメイン基板が内蔵される。よって、本体61は、ミラー部62を有することから幅広となるために扁平になるものの、ある程度の厚み(奥行き)はある。
また、本体61の背面中央側の上下には、固定用クランプ部64が設けられ、その固定用クランプ部64にて標準装備のルームミラー51に対して上下から挟み込んで目標物検出装置60を固定する。
また、ミラー部62を構成するミラー液晶パネルは、通電量を制御することで、濃淡(透明の程度/液晶の量/反射率)を調整可能な機能を備えるとよい。このようにすると、防眩機能を発揮するので、ルームミラーとして機能も向上し好ましい。なお、上記の調整は、照度センサ等に基づき自動的に行っても良いし、ボリュームダイヤルやリモコンその他のマニュアル操作によって行っても良い。
図11は、別の参考例を示している。この図は、ルームミラータイプの目標物検出装置の正面図を示している。薄型の直方体からなる本体90内には、各種のアンテナを含む電波受信部と、制御部並びにスピーカ等の出力部を備えている。また、本体90の裏面側には、車両の標準装備のルームミラーに装着するための装着部材を備えている。
本体90の前面側には、メインミラー部96を設けるとともに、本体90の左右両端縁には、蝶番機構95を介して第1開閉扉91と第2開閉扉92とがそれぞれ回転可能に取り付けてられている。第1開閉扉91と第2開閉扉92は、本体91を2分割した形状をとっている。そして、第1開閉扉91と第2開閉扉92は、メインミラー94を覆う閉塞位置(図11(a))と、その状態からそれぞれ180度回転してメインミラー94を開放する開放位置(図11(b)を採る。そして、開放位置に位置する第1開閉扉91と第2開閉扉92は、メインミラー91の左及び右の外側に延長して突出する位置を採る。
第1開閉扉91と第2開閉扉92は、ともに表裏両面にミラー部が設けられ、閉塞位置を採る場合には、それら第1開閉扉91と第2開閉扉92のミラー部が合わさってルームミラーとして機能する。一方、開放位置を採る場合には、第1開閉扉91と第2開閉扉92のミラー部(閉塞位置の時とは逆の面に設けたミラー部)と、本体90にも梅田メインミラー部96によりルームミラーが構成される。よって、ワイドミラーとして機能する。
さらに、本体90に設けたメインミラー部94は、ハーフミラー或いはミラー液晶パネルから構成し、そのメインミラー部94の内側には、メイン表示パネル96を設けている。これにより、開放位置では、メイン表示パネル96に描画された内容を視認することができる。
また、第2開閉扉92には、閉塞位置で前面側に位置するミラー部の内側には、補助表示パネル93を設けている。これにより、閉塞位置では、補助表示パネル93に描画された内容を視認することができる。
もちろん、上述した各実施形態等と同様に、開放位置/閉塞位置のいずれの場合も、ミラー部が透明状態になることで、表示パネルに″がされた内容を確認することができると共に、ミラー部を非透明状態にすることで、ルームミラーとして機能させることができる。
また、ミラー液晶パネルに変えて、ハーフミラーを用いても良いし、表示パネルに対向する部位に窓孔(透明部材)を設けても良い。また、上記の参考例では、本体の左右両側に開閉扉を設け、観音開きをするようにしたが、一方に開閉扉を用いても良い。さらには、回転して開閉するのではなく、直線運動による往復スライド移動により開放位置と閉塞位置を採るようにしても良い。
なお、上記の参考例として示したルールミラー装着タイプの目標物検出装置は、例えば、以下のように構成することができる。
(A)車両の標準装備のルームミラーに装着する目標物検出装置であって、
自車の周囲に存在する目標物を検出する検出手段を内蔵する本体の後面側には前記ルームミラーに装着するための装着部材を設け、
前記本体の前面側には、メインミラー部を設け、
前記本体には、前記メインミラーを開閉する開閉扉を移動可能に設け、
前記開閉扉は、前記メインミラーを覆う閉塞位置と、前記メインミラーを開放する開放位置を採り、前記開放位置に位置する前記開閉扉は、前記メインミラーの左及びまたは右の外側に突出する位置を採るものであり、
前記閉塞位置において前面側に位置する前記開閉扉の表面には、第1補助ミラーを設け、前記開閉扉が前記閉塞位置にあるときは、その第1補助ミラーがルームミラーとして機能し、
前記開放位置において前面側に位置する前記開閉扉の表面には、第2補助ミラーを設け、前記開閉扉が前記開放位置にあるときは、その第2補助ミラーと前記メインミラーがルームミラーとして機能し、
前記検出手段で検出された目標物を報知する表示手段は、少なくとも前記開閉扉に実装されるように構成する。
この場合において、開閉扉の表示部には、ハーフミラー・ミラー液晶パネル・窓孔(透明部材)が重ねて配置されることになる。
(B)上記の発明を前提とし、前記開閉扉は、観音開きになるように前記本体の前面側左右両側に回転可能に取り付けられ、
前記第1補助ミラーと前記第2補助ミラーは、前記開閉扉の表裏両面にそれぞれ設けられているようにする。
この場合において、表示部は、開閉扉の表裏両面に表示可能に設けても良く、そのようにした場合、本体には表示部はなくても良い。
(C)上記の各発明を前提とし、前記開閉扉は、左右方向に往復直線移動するように構成され、
前記第1補助ミラーと前記第2補助ミラーは、前記開閉扉の同一面に設けられているようにしてもよい。
(D)上記の各発明を前提とし、前記検出手段で検出された目標物を報知する表示手段は、前記本体の前面にも設け、前記開閉扉が開放位置にあるときは、前記本体に設けた表示手段の表示部を用いて報知するようにしてもよい。
(E)上記の各発明を前提とし、前記ミラーの一部または全部は、透明状態と非透明状態とが切り替えられ前記非透明状態の時には表面が鏡面状態になるミラー液晶パネル等により構成され、
前記表示手段を構成する表示部は、前記ミラー液晶パネル等の裏側に配置されるようにしてもよい。