JP5354410B2 - 鋼管杭および鋼管杭を用いた施工方法 - Google Patents

鋼管杭および鋼管杭を用いた施工方法 Download PDF

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Description

本願発明は、建築物や各種の構造物などの基礎杭として用いられる鋼管杭、および鋼管杭を用いた施工方法に関する。
一般に、建築物や各種の構造物などの基礎杭として、鋼管杭が用いられる。
従来の鋼管杭としては、特許文献1に示すように、その杭本体となる鋼管の先端が底板で閉塞されており、その底板の下面には、その外周縁に沿って例えば2つの掘削刃が鋼管杭の回転中心に対して対称位置に突出して設けられている。また、螺旋翼が杭本体の先端部の外周面に突出して設けられている。
また、特許文献2に示す鋼管杭は、その杭本体となる鋼管の先端が底板で閉塞されている。さらに、複数のラセン翼が、前記鋼管杭の先端部の外周面へ、同じ位置でラセン方向を同じにして周方向に等間隔で固定されている。その鋼管杭に回転力を与えることによって、杭体積分の土を杭側方へ押し出し、杭側面の土を圧縮しながら鋼管杭を貫入して支持力を向上させるものである。
特開昭59−85028号公報 特許第2871458号公報
特許文献1の鋼管杭では、底板の外周縁に設けた2つの掘削刃は、掘削する働きをするが、その掘削した土を杭側方へ押し出す作用が不十分であった。その掘削した土を螺旋翼によって押し出すとしても、螺旋翼が一枚のみで連続した状態で設けられているので、鋼管杭を回転すると同時に杭心からずれてしまい、杭ずれが発生しやすい。それに加えて、やや固い地盤を掘削する場合は、貫入性が悪くなって鋼管杭に傾斜が生じ、時間がかかるといった問題があった。
特許文献2の鋼管杭では、上記の特許文献1の鋼管杭における問題点を解消するために開発されたが、あくまでも螺旋翼の改善によるものであり、掘削刃を改善していない。したがって、鋼管杭の底板の体積分の土を杭側方へ押し出す作用が十分ではない。
本願発明が解決しようとする課題は、鋼管杭の切削刃の改善を図ることによって、簡単な構成であっても、鋼管杭の貫入性の向上と、安定した支持力を向上させることを可能とする鋼管杭および鋼管杭を用いた施工方法を提供することにある。
(第一の発明)
本願における第一の発明は、 回転させて地中へ貫入する鋼管杭本体(11)の先端を閉塞する底板(12)と、その底板(12)から下方へ突出した掘削刃(20)と、を備えた鋼管杭(10)に係る。
前記掘削刃(20)は、前記底板(12)の外周縁に達する複数の側端部を前記底板(12)の回転中心(C)を通って一体的に連結した掘削刃本体(22)と、鋼管杭本体(11)の回転方向と相対する掘削刃本体(22)の側端部に厚みを形成する補強部(21)と、を備えている。
(用語説明)
「鋼管杭本体」としては、例えば一般的な鋼管を用いる。鋼管杭(10)を回転して地中へ貫入する際、前記鋼管の上端へ他の鋼管の端部を溶接等にて連結することによって、鋼管杭(10)を延長することができる。
(作用)
掘削刃(20)は、鋼管杭本体(11)の回転方向と相対する掘削刃本体(22)の側端部に厚みを形成する補強部(21)を備えることで、鋼管杭(10)の回転力に対して剛性が高くなるため(側端部の曲がりや削れを防止できる)、鋼管杭(10)の貫入性が向上する。また、鋼管杭(10)に対して押し込み力を加えながら回転させると、掘削刃本体(22)によって杭体積分の土が掘削される。その掘削された土は、掘削刃本体(22)に沿って移動され杭側方へ押し出されることになる。その結果、鋼管杭(10)の貫入性が向上するので、鋼管杭(10)の芯ずれを防止することとなる。
また、掘削刃(20)の回転に伴って掘削された土を杭側方へ押し出すことによって、杭側面の土を圧縮しながら鋼管杭(10)が貫入するので、鋼管杭の支持力が向上する。加えて、鋼管杭(10)の貫入性が向上するので、安定した推進力を得て施工能率が上がることとなる。
(第一の発明のバリエーション1)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 前記掘削刃(20)は、前記底板(12)の回転中心(C)に対してほぼ対称位置で前記底板(12)の外周縁に達する2つの側端部を前記底板(12)の回転中心(C)を通って一体的に連結した掘削刃本体(22)を備える。
(作用)
2つの補強部(21,21)を配置した場合、掘削刃本体(22)が一直線となるので、掘削刃(20)によって掘削された土は、前記一直線の掘削刃本体(22)に沿って移動して杭側方へ効率良く押し出される。
(第一の発明のバリエーション2)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 前記掘削刃(20)は、前記底板(12)の底面から先端までの高さ(H)が、前記鋼管杭本体(11)の外径(d)に対して一定の割合(H/ d)とし、その割合が鋼管杭(10)の先端部の安定した支持力を発揮する数値であるとしてもよい。
(作用)
鋼管杭(10)は、建造物の用途に応じて、鋼管杭(10)が安定した支持力を発揮するように、鋼管杭本体(11)の外径(d)に対する掘削刃(20)の高さ(H)を簡単に設定することができる。
(第一の発明のバリエーション3)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 前記補強部(21)の回転方向に直交する厚さ(t1)と、前記掘削刃本体(22)の長手方向に直交する厚さ(t2)が、同じであるとともに、鋼管杭本体(11)の外径(d)に対する前記厚さ(t1)および前記厚さ(t2)の割合(t1/d)を一定とし、その割合が鋼管杭(10)の回転力に対して所定の剛性を発揮する数値であるとしてもよい。
(作用)
鋼管杭(10)は、建造物の用途に応じて、鋼管杭(10)の回転力に対して所定の剛性を発揮するように、鋼管杭本体(11)の外径(d)に対する掘削刃(20)の厚さ(t1)および厚さ(t2)を簡単に設定することができる。
(第一の発明のバリエーション4)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、前記鋼管杭本体(11)の外径(d)に対する前記掘削刃(20)の高さ(H)の割合が、0.19〜0.21であるとしてもよい。
(作用)
鋼管杭(10)は、鋼管杭(10)の先端部が安定した支持力を発揮することとなる。
(第一の発明のバリエーション5)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 前記鋼管杭本体(11)の外径(d)に対する前記補強部(21)の厚さ(t1)および前記掘削刃本体(22)の厚さ(t2)の割合(t1/d)が、0.079〜0.081であるとしてもよい。
(作用)
鋼管杭(10)は、鋼管杭(10)の回転力に対して所定の剛性を発揮することとなる。
(第一の発明のバリエーション6)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、前記鋼管杭本体(11)の先端部外周面に、螺旋方向が同じ複数枚の螺旋翼(31,31,…)を、周方向にほぼ等間隔で同じ高さ位置に配置してもよい。
(作用)
螺旋方向が同じ複数枚の螺旋翼(31,31,…)が、鋼管杭本体(11)の先端部外周面へ、周方向にほぼ等間隔で同じ高さ位置に配置されているので、掘削刃(20)の作用に加えて、さらにいっそう貫入性が向上し、かつ、地盤の乱れを少なくする。また、鋼管杭(10)の芯ずれを防止することとなる。また、複数枚の螺旋翼(31)によって、さらにいっそう鋼管杭の支持力が向上する。加えて、鋼管杭(10)の貫入性が向上するので、さらに安定した推進力を得て施工能率が上がることとなる。
(第一の発明のバリエーション7)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 前記複数枚の螺旋翼(31,31,…)は、互いに隣り合う螺旋翼(31,31)の端部が水平投影において円周方向でラップするとしてもよい。
(作用)
互いに隣り合う螺旋翼(31,31)の端部が水平投影において円周方向でラップするので、鋼管杭の支持力が向上する。
(第二の発明)
本願における第二の発明は、 鋼管杭本体(11)の先端を閉塞する底板(12)と、その底板(12)から下方へ突出した掘削刃(20)と、を備えた鋼管杭(10)を回転させて地中へ貫入する鋼管杭を用いた施工方法に係る。
前記掘削刃(20)は、前記底板(12)の外周縁に達する複数の側端部を前記底板(12)の回転中心(C)を通って一体的に連結した掘削刃本体(22)と、鋼管杭本体(11)の回転方向と相対する掘削刃本体(22)の側端部に厚みを形成する補強部(21)と、を備えており、
上記の鋼管杭(10)に対して押し込み力を加えながら回転させることによって、掘削刃(20)で杭体積分を掘削する掘削工程と、
その掘削工程で掘削した土を圧縮しながら掘削刃本体(22)に沿って移動させ杭側方へ押し出す掘削土押出し工程と、を含むものである。
(作用)
鋼管杭(10)に対して押し込み力を加えながら回転させると、掘削刃本体(22)によって杭体積分の土が掘削される。その掘削された土は、各掘削刃本体(22)に沿って移動して杭側方へ押し出されることとなる。その結果、鋼管杭(10)の貫入性が向上するので、鋼管杭(10)の芯ずれを防止することとなる。また、掘削刃(20)の回転に伴って掘削された土を杭側方へ押し出すことによって、杭側面の土を圧縮しながら鋼管杭(10)が貫入するので、鋼管杭の支持力が向上する。加えて、貫入性が向上するので、安定した推進力を得て施工能率が上がることとなる。
(第二の発明のバリエーション1)
第二の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 前記鋼管杭本体(11)の先端部外周面に、螺旋方向が同じ複数枚の螺旋翼(31,31,…)を、同じ高さ位置に周方向にほぼ等間隔で配置し、鋼管杭(10)における土中への貫入性および支持力を向上させることもできる。
(作用)
螺旋方向が同じ複数枚の螺旋翼(31,31,…)が、鋼管杭本体(11)の先端部外周面へ、周方向にほぼ等間隔で同じ高さ位置に配置されているので、掘削刃(20)の作用に加えて、さらにいっそう貫入性が向上するので、鋼管杭(10)の芯ずれを防止することとなる。複数枚の螺旋翼(31,31,…)によって、さらにいっそう鋼管杭の支持力が向上する。加えて、さらに貫入性が向上するので、さらに安定した推進力を得て施工能率が上がることとなる(鋼管杭に対する押し込み力を加えずに回転のみで施工できる場合もある)。
第一の発明によれば、簡単な構成であっても、鋼管杭の貫入性の向上と、安定した支持力を向上させることを可能とする鋼管杭を提供することができた。
また、第二の発明によれば、簡単な構成であっても、鋼管杭の貫入性の向上と、安定した支持力を向上させることを可能とする鋼管杭を用いた施工方法を提供することができた。
本発明の実施形態の鋼管杭の正面図である。 図2(a)は、図1の鋼管杭の先端部における縦断面図であり、図2(b)は、図1の鋼管杭の先端部を矢視IIから視た底面図である。 図3(a)は、図2(b)に対応する他の実施例を示す底面図であり、図3(b)は、図2(b)に対応する別の実施例を示す底面図である。 本発明の他の実施形態の鋼管杭の正面図である。 図5(a)は、図4の鋼管杭の先端部における縦断面図であり、図5(b)は、図4の鋼管杭の先端部を矢視Vから視た底面図である。 図6(a)は、図4の鋼管杭の先端部を正面から視た斜視図であり、図6(b)は、図4の鋼管杭の先端部を側面から視た斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る鋼管杭10は、図1,図2(a)および 図2(b)に示すように、回転させて地中へ貫入する鋼管杭本体11と、その鋼管杭本体11の先端を閉塞する底板12と、その底板12から下方へ突出した掘削刃20と、を備えている。
鋼管杭本体11としては、例えば一般的な鋼管(本実施形態では「軸部鋼管」という)を用いる。 鋼管杭10を回転して地中へ貫入する際、前記軸部鋼管11の図1において端部(後端部)へ他の軸部鋼管11の図1において端部(先端部)を溶接にて連結することによって、鋼管杭10を所望の長さまで延ばすことができる。
本実施形態では、鋼管杭10の先端部を構成する底板12および掘削刃20は、図2(a)に示すように一体成型の鋳鋼品として品質の安定を図り、前記底板12を軸部鋼管11の先端へ溶接にて固定している。なお、底板12と掘削刃20は、例えば溶接にて一体構造に製作しても良いので鋳鋼品に限定されない。
前記掘削刃20は、前記底板12の外周縁に達する複数の側端部を前記底板12の回転中心Cを通って一体的に連結した掘削刃本体22と、鋼管杭本体11の回転方向と相対する掘削刃本体22の側端部に厚みを形成する補強部21と、を備えている。
本実施形態では、図2(a)および 図2(b)に示すように、2つの補強部21,21が、鋼管杭本体11の回転方向と相対する掘削刃本体22の側端部に厚みを形成するように設けられている。また、前記掘削刃本体22は、前記底板12の外周縁に達する2つの側端部を前記底板12の回転中心Cを通って一体的に連結するように形成されている。なお、前記補強部21の中心角をθとすると、本実施形態では、その中心角θを15°としているが、特に限定されない。
なお、前記複数の補強部21,21,・・・・および掘削刃本体22は、前記底板12の底面から先端までの高さHが同じである。 また、前記複数の各補強部21,21,・・・・は、その回転方向に直交する厚さt1を有している。一方、前記掘削刃本体22は、その長手方向に直交する厚さt2を有している。 本実施形態では、前記補強部21の厚さt1と前記掘削刃本体22の厚さt2が同じであるが、特に限定されない。
次に、本実施形態の鋼管杭10の実施例に基づいて、鋼管杭10のいくつかの特徴について説明する。
例えば、表1は6つの鋼管杭10の実施例を示しており、軸部鋼管11の外径d、掘削刃20の高さH、補強部21の厚さt1、掘削刃本体22の厚さt2、底板12の厚さt3の各寸法を示している。
Figure 0005354410
表1で示すように、前記各掘削刃20は、前記底板12の高さHが前記軸部鋼管11の外径dに対して一定の割合(H/d)となるよう設定している。しかも、その割合(H/d)は、鋼管杭10の安定した支持力を発揮する数値に設定している。それによって、鋼管杭10は、建造物の用途に応じて、鋼管杭10が安定した支持力を発揮するように、鋼管杭本体11の外径dに対する掘削刃20の高さHを簡単に設定することができる。
表1では、前記鋼管杭本体11の外径dに対する前記掘削刃20の高さHの割合(H/d)が、0.2である。
なお、鋼管杭10の先端部が安定した支持力を発揮するための割合(H/d)の数値としては、0.19〜0.21であることが望ましい。
また、前記補強部21の厚さt1(および前記掘削刃本体22の厚さt2)は、軸部鋼管11の外径dに対して一定の割合(t1/d)となるよう設定している。しかも、その割合(t1/d)は、鋼管杭10の回転力に対して所定の剛性を発揮する数値に設定している。それによって、鋼管杭10は、建造物の用途に応じて、鋼管杭10の回転力に対して所定の剛性を発揮するように、鋼管杭本体11の外径dに対する掘削刃20の厚さt1および厚さt2を簡単に設定することができる。
表1では、軸部鋼管11の外径dに対する前記厚さt1(および前記厚さt2)の割合(t1/d)が、0.08である。
なお、鋼管杭10の回転力に対して所定の剛性を発揮するための割合(t1/d)の数値としては、0.079〜0.081であることが望ましい。
また、表1では、底板12の厚さt3を軸部鋼管11の外径dに対応して変化させている。軸部鋼管11の外径dが小さければ、底板12の厚さt3を小さい数値としており、軸部鋼管11の外径dが大きければ、底板12の厚さt3を大きい数値としている。
図3(a)および図3(b)は、掘削刃20における他の実施形態を示している。すなわち、図3(a)は、3つの補強部21,21,21が、鋼管杭本体11の回転方向と相対する掘削刃本体22の側端部に厚みを形成するように設けられている。また、前記掘削刃本体22は、前記底板12の外周縁に達する3つの側端部を前記底板12の回転中心Cを通って一体的に連結するように形成されている。
図3(b)は、4つの補強部21,21,21,21が、鋼管杭本体11の回転方向と相対する掘削刃本体22の側端部に厚みを形成するように設けられている。また、前記掘削刃本体22は、前記底板12の外周縁に達する4つの側端部を前記底板12の回転中心Cを通って一体的に連結するように形成されている。
次に、上述した鋼管杭10の作用について説明する。特に、図2(a)および 図2(b)に示す鋼管杭10を例にとって説明する。
鋼管杭10に対して押し込み力を加えながら図2(b)に示す方向で回転させると、掘削刃本体22によって杭体積分の土が掘削される。このとき、2つの補強部21が掘削刃本体22の側端部の曲がりや削れを防止し、鋼管杭10の回転に対する掘削刃本体22の剛性に寄与する。その掘削された土は、掘削刃20の回転に伴って、図2(b)における二点鎖線で示すように、掘削刃本体22に沿ってガイドされるようにして、杭側方へ容易に押し出されることになる。その結果、地盤に対する鋼管杭10の貫入性が向上する。
また、上記のように鋼管杭10の貫入性が向上することから、鋼管杭10の芯ずれを防止することとなる。また、掘削刃20の回転に伴って、掘削された土を杭側方へ押し出すことによって、杭側面の土を圧縮しながら鋼管杭10が地中へ貫入するので、鋼管杭の支持力が向上する。
なお、図3(a)に示すように3つの補強部21,21,21を設けた場合も、図3(b)に示すように4つの補強部21,21,21,21を設けた場合も、掘削刃20によって掘削された土は、掘削刃本体22に沿ってガイドされるようにして、杭側方へ容易に押し出されることになる。
しかし、特に2つの補強部21,21を配置した場合は、掘削刃本体22が一直線となるので、掘削刃20によって掘削された土は、前記一直線の掘削刃本体22に沿ってガイドされるようにして、杭側方へ効率良く押し出されることとなる。
以上のことから、本実施形態の鋼管杭10は、その先端部の掘削刃20の構造を改善して剛性を高めたり、掘削した土を杭側方へ押し出す性能を高めたりしたことによって、地盤に対する鋼管杭10の貫入性を向上させることができた。さらに、鋼管杭10の芯ずれを防止することができ、鋼管杭の支持力を向上させることができた。加えて、鋼管杭10の施工能率を向上させることができた。
次に、本発明の他の実施形態の鋼管杭について図面を参照して説明する。
本実施形態の鋼管杭30は、図4,図5(a),図5(b),図6(a)および 図6(b)に示すように、前述した鋼管杭10における軸部鋼管11の先端部外周面に、螺旋方向が同じ複数枚の螺旋翼31,31,・・・・を、周方向にほぼ等間隔で同じ高さ位置に配置したものである。
なお、本実施形態では、鋼管杭10の先端部を構成する底板12、掘削刃20、軸部32および複数枚の螺旋翼31,31,・・・・とを一体成型の鋳鋼品としている。その鋳鋼品の前記軸部32を軸部鋼管11の先端へ溶接にて連結固定している。また、複数枚の螺旋翼31は軸部鋼管11の外周側面へ溶接にて固定した一体構造に製作しても良いので鋳鋼品に限定されない。
鋼管杭30における底板12および掘削刃20の構成は、前述した鋼管杭10と同じであるので、その説明を省略する。
また、前記複数枚の螺旋翼31,31,・・・・は、互いに隣り合う螺旋翼31,31の端部が水平投影において円周方向でラップする構成とすることができる。
本実施形態では、図5(a)および 図5(b)に示すように、螺旋方向が同じ2枚の螺旋翼31,31を、軸部鋼管11の先端部外周面へ、周方向にほぼ等間隔で同じ高さ位置に配置している。また、2枚の螺旋翼31,31の端部が水平投影において円周方向でラップする構成である。
次に、上述した鋼管杭30の作用について説明する。特に、図5(a)および 図5(b)に示す鋼管杭30を例にとって説明する。
鋼管杭30に対して図5(b)に示す方向で回転させると(場合によっては押し込み力を加える場合もある)、掘削刃20によって杭体積分の土が掘削される。その掘削された土は、掘削刃20の回転に伴って、杭側方へ容易に押し出される。その掘削刃20についての詳しい作用は前述した通りである。
前記掘削刃20の作用に加えて、螺旋方向が同じ2枚の螺旋翼31,31が、鋼管杭本体11の先端部外周面へ、周方向にほぼ等間隔で同じ高さ位置に配置されているので、さらにいっそう貫入性が向上し、かつ、地盤の乱れを少なくする。また、鋼管杭10の芯ずれを防止することとなる。2枚の螺旋翼31,31によって、さらにいっそう鋼管杭の支持力が向上する。加えて、貫入性が向上するので、さらに安定した推進力を得て施工能率が上がることとなる。
また、互いに隣り合う螺旋翼31,31の端部が水平投影において円周方向でラップすることによって、鋼管杭の支持力が向上する。
次に、本発明の実施形態の鋼管杭を用いた施工方法について、前述した鋼管杭10を用いて説明する。
本実施形態の鋼管杭を用いた施工方法としては、掘削工程と、掘削土押出し工程とを含むものである。
掘削工程としては、鋼管杭10に対して押し込み力を加えながら回転させることによって、掘削刃本体22で杭体積分を掘削する工程である。その工程では、2つの補強部21が掘削刃本体22の側端部の曲がりや削れを防止し、鋼管杭10の回転に対する掘削刃本体22の剛性に寄与する。その結果、掘削性が向上する。
掘削土押出し工程としては、前記掘削工程で掘削した土を圧縮しながら掘削刃本体22に沿って杭側方へ押し出す工程である。すなわち、前記掘削工程で掘削された土は、掘削刃20の回転に伴って、図2(b)における二点鎖線で示すように、掘削刃本体22に沿ってガイドされるようにして、側方へ容易に押し出される。その結果、地盤に対する鋼管杭10の貫入性が向上する。しかも、杭側方へ押し出された土は、杭側面の土を圧縮しながら鋼管杭10が地中へ貫入するので、鋼管杭の支持力が向上する。
上記の鋼管杭を用いた施工方法においては、前記鋼管杭本体11の先端部外周面へ、螺旋方向が同じ複数枚の螺旋翼31,31,・・・・を、同じ高さ位置に周方向にほぼ等間隔で配置した鋼管杭30の場合にも適用される。
その場合は、前述した掘削刃20の作用に加えて、複数枚の螺旋翼31,31,・・・・によってさらにいっそう貫入性が向上し、かつ、地盤の乱れを少なくする。また、鋼管杭30の芯ずれを防止することとなる。さらに、複数枚の螺旋翼31,31,・・・・によって、さらにいっそう鋼管杭の支持力が向上する。加えて、鋼管杭30の貫入性が向上するので、さらに安定した推進力を得て施工能率が上がることとなる(鋼管杭に対する押し込み力が無くても回転のみで貫入できる場合もある)。
本発明は、鋼管杭の製造業、鋼管杭を用いた建築土木業などにおいて、利用可能性を有する。
10 鋼管杭 11 鋼管杭本体(軸部鋼管)
12 底板
20 掘削刃 21 補強部
22 掘削刃本体
30 鋼管杭 31 螺旋翼
32 軸部
C 回転中心 d 軸部鋼管の外径
H 掘削刃の高さ t1 補強部の厚さ
t2 掘削刃本体の厚さ t3 底板の厚さ

Claims (10)

  1. 回転させて地中へ貫入する鋼管杭本体と、その鋼管杭本体の先端を閉塞する底板と、その底板から下方へ突出した掘削刃と、を備えた鋼管杭であって、
    前記掘削刃は、前記底板の外周縁に達する複数の側端部を前記底板の回転中心を通って一体的に連結した掘削刃本体と、
    鋼管杭本体の回転方向と相対する掘削刃本体の側端部に厚みを形成する補強部と、を備えたことを特徴とする鋼管杭。
  2. 前記掘削刃は、前記底板の回転中心に対してほぼ対称位置で前記底板の外周縁に達する2つの側端部を前記底板の回転中心を通って一体的に連結した掘削刃本体を備えたことを特徴とする請求項1に記載の鋼管杭。
  3. 前記掘削刃は、前記底板の底面から先端までの高さHが、前記鋼管杭本体の外径dに対して一定の割合とし、その割合が鋼管杭の安定した支持力を発揮する数値であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鋼管杭。
  4. 前記補強部の回転方向に直交する厚さt1と、前記掘削刃本体の長手方向に直交する厚さt2が、同じであるとともに、鋼管杭本体の外径dに対する前記厚さt1および前記厚さt2の割合を一定とし、その割合が鋼管杭の回転力に対して所定の剛性を発揮する数値であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の鋼管杭。
  5. 前記鋼管杭本体の外径dに対する前記掘削刃の高さHの割合(H/d)が、0.19〜0.21である請求項3に記載の鋼管杭。
  6. 前記鋼管杭本体の外径dに対する前記補強部の厚さt1および前記掘削刃本体の厚さt2の割合(t1/d)が、0.079〜0.081であることを特徴とする請求項4に記載の鋼管杭。
  7. 前記鋼管杭本体の先端部外周面に、螺旋方向が同じ複数枚の螺旋翼を、周方向にほぼ等間隔で同じ高さ位置に配置したことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の鋼管杭。
  8. 前記複数枚の螺旋翼は、互いに隣り合う螺旋翼の端部が水平投影において円周方向でラップすることを特徴とする請求項7に記載の鋼管杭。
  9. 鋼管杭本体の先端を閉塞する底板と、その底板から下方へ突出した掘削刃と、を備えた鋼管杭を回転させて地中へ貫入する鋼管杭を用いた施工方法であって、
    前記掘削刃は、前記底板の外周縁に達する複数の側端部を前記底板の回転中心を通って一体的に連結した掘削刃本体と、鋼管杭本体の回転方向と相対する掘削刃本体の側端部に厚みを形成する補強部と、を備えており、
    上記の鋼管杭に対して押し込み力を加えながら回転させることによって、掘削刃で杭体積分を掘削する掘削工程と、
    その掘削工程で掘削した土を圧縮しながら掘削刃本体に沿って移動させ杭側方へ押し出す掘削土押出し工程と、を含むことを特徴とする鋼管杭を用いた施工方法。
  10. 前記鋼管杭本体の先端部外周面に、螺旋方向が同じ複数枚の螺旋翼を、同じ高さ位置に周方向にほぼ等間隔で配置し、鋼管杭における土中への貫入性および支持力を向上させたことを特徴とする請求項9に記載の鋼管杭を用いた施工方法。
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