JPWO2020184282A1 - 鋼管杭および鋼管杭の施工方法 - Google Patents

鋼管杭および鋼管杭の施工方法 Download PDF

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    • E21B3/00Rotary drilling
    • E21B3/02Surface drives for rotary drilling

Abstract

鋼管本体(11)と、鋼管本体(11)の端面(11E)に鋼管本体の周方向接線に対して角度(θ)をもって取り付けられ、鋼管本体(11)の軸方向に突出する板状の掘削ビット(12)とを備える鋼管杭(10)において、掘削ビット(12)が、鋼管本体(11)の端面(11E)から鋼管本体(11)の軸方向に第1の高さ(H1)だけ突出する第1の掘削ビット(121)と鋼管本体(11)の端面(11E)から鋼管本体(11)の軸方向に第1の高さ(H1)よりも高い第2の高さ(H2)だけ突出する第2の掘削ビット(122)とを含む。

Description

本発明は、鋼管杭および鋼管杭の施工方法に関する。
鋼管杭の先端に取り付ける掘削ビットは、地盤を掘削する従来の効果のみならず、杭の回転方向に応じて掘削した土の動きを制御し、管内土の閉塞を抑制または促進する効果が期待される。例えば、特許文献1には、掘削ビットの長手方向の中心軸線と鋼管杭の外周との交点における接線方向とが角度を有しており、この角度によって掘削ビットの刃先が鋼管杭内側に向かって設けられる技術が記載されている。これによって、例えば、杭先端が支持層に到達する前には土砂を杭の外側に押し出して管内土の閉塞を抑制することによって掘削性を向上させ、杭先端が支持層に到達した後は杭の回転方向を逆にすることによって土砂を杭の内側に取り込み、管内土の閉塞を促進することによって高い支持力を獲得することができる。
特許第5053154号公報
しかしながら、鋼管杭の先端を支持層に貫入させる際には、地盤強度が高いために大きな施工抵抗(回転トルクや鉛直圧入力)が杭先端に取り付けられた掘削ビットに作用する結果、掘削ビットが摩耗することが想定される。それゆえ、例えば特許文献1に記載されたような掘削ビットの効果を最大化するためには、摩耗に対抗して掘削ビットの機能を維持できる構造とすることが望ましい。
そこで、本発明は、掘削時の摩耗に対抗して掘削ビットの機能を維持することが可能な、新規かつ改良された鋼管杭および鋼管杭の施工方法を提供することを目的とする。
[1]鋼管本体と、鋼管本体の端面に鋼管本体の周方向接線に対して角度をもって取り付けられ、鋼管本体の軸方向に突出する板状の掘削ビットとを備える鋼管杭であって、掘削ビットが、鋼管本体の端面から鋼管本体の軸方向に第1の高さだけ突出する第1の掘削ビットと、鋼管本体の端面から鋼管本体の軸方向に第1の高さよりも高い第2の高さだけ突出する第2の掘削ビットとを含む鋼管杭。
[2]第1の掘削ビットまたは第2の掘削ビットの少なくともいずれかの先端面に、鋼管本体の径方向の内側から外側に向かって突出高さが高くなる傾斜が形成される、[1]に記載の鋼管杭。
[3]第1の掘削ビットまたは第2の掘削ビットの少なくともいずれかが、鋼管本体の径方向の内側から外側に向かって厚くなるテーパー断面で形成される、[1]または[2]に記載の鋼管杭。
[4]掘削ビットが、鋼管本体の端面から鋼管本体の軸方向に第2の高さよりも高い第3の高さだけ突出する第3の掘削ビットをさらに含む、[1]から[3]のいずれか1項に記載の鋼管杭。
[5]掘削ビットは、鋼管杭を先端側から見たときにC字状またはS字状になるように湾曲した板状である、[1]から[4]のいずれか1項に記載の鋼管杭。
[6]掘削ビットは、鋼管本体の径方向の外側または内側の少なくともいずれかに突出し、第1の掘削ビットは、鋼管本体の管厚中心線から鋼管本体の径方向に第1の距離だけ突出することによって第1の掘削可能領域を有し、第2の掘削ビットは、鋼管本体の管厚中心線から鋼管本体の径方向に第1の距離よりも長い第2の距離だけ突出することによって、鋼管本体の径方向の外側または内側の少なくともいずれかで第1の掘削可能領域よりも拡張された第2の掘削可能領域を有する、[1]から[5]のいずれか1項に記載の鋼管杭。
[7]第1の掘削ビットは、鋼管本体の周方向接線に対して第1の角度をもって取り付けられ、第2の掘削ビットは、鋼管本体の周方向接線に対して第1の角度よりも大きい第2の角度をもって取り付けられる、[6]に記載の鋼管杭。
[8]第1の掘削ビットは、第1の掘削ビットの取り付け方向に沿って第1の長さを有し、第2の掘削ビットは、第2の掘削ビットの取り付け方向に沿って第1の長さよりも長い第2の長さを有する、[6]または[7]に記載の鋼管杭。
[9][1]から[8]のいずれか1項に記載された鋼管杭の施工方法であって、鋼管杭の先端が所定の深度に到達するまで、掘削ビットが土砂を鋼管本体の外側に押し出す第1の回転方向に鋼管杭を回転させながら掘削する工程と、鋼管杭の先端が打ち止め深さに到達するまで、掘削ビットが土砂を鋼管本体の内側に取り込む第2の回転方向に鋼管杭を回転させながら掘削する工程とを含む鋼管杭の施工方法。
[10]打ち止めの際に、鋼管杭の先端を支持層に到達させてから、鋼管杭を第2の回転方向に回転させる、[9]に記載の鋼管杭の施工方法。
[11]打ち止めの際に、鋼管杭の先端が支持層に到達する直前から、鋼管杭を第2の回転方向に回転させながら掘削し、鋼管杭の先端が支持層に到達してから打ち止める、[9]に記載の鋼管杭の施工方法。
[12]第1の回転方向に鋼管杭を回転させながら掘削する工程と、第2の回転方向に鋼管杭を回転させながら掘削する工程とが交互に実施される、[9]から[11]のいずれか1項に記載の鋼管杭の施工方法。
上記の構成によれば、突出高さがより高い第2の掘削ビットに施工抵抗を負担させ、その分だけ第1の掘削ビットの摩耗を抑制することができる。従って、掘削時の摩耗に対抗して掘削ビットの機能を維持することができる。
本発明の第1の実施形態に係る鋼管杭を側方および先端側から見た図である。 図1に示す鋼管杭の変形例を示す図である。 図1に示す鋼管杭の変形例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る鋼管杭の別の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る鋼管杭のさらに別の例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る鋼管杭を側方および先端側から見た図である。 本発明の第2の実施形態に係る鋼管杭の別の例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る鋼管杭のさらに別の例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る鋼管杭を側方および先端側から見た図である。 第1および第2の実施形態の変形例を示す図である。 第1および第2の実施形態の変形例を示す図である。 第1および第2の実施形態の変形例を示す図である。 第1および第2の実施形態の変形例を示す図である。 第1および第2の実施形態の変形例を示す図である。 掘削ビットの取り付け角度に関する実験結果を示すグラフである。 掘削ビットの摩耗抑制効果について検証する実験について説明するための図である。 図16に示した実験の結果を示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る鋼管杭を側方および先端側から見た図である。図1に示されるように、鋼管杭10は、鋼管本体11と、鋼管本体11の端面11Eに取り付けられ、鋼管本体11の軸方向に突出する掘削ビット12とを含む。掘削ビット12は、第1の掘削ビット121および第2の掘削ビット122を含む。本実施形態において、第1の掘削ビット121および第2の掘削ビット122は、いずれも鋼管本体11の周方向接線に対して角度θ(0<θ<90°)をもって取り付けられている。ここで、角度θは、板状の掘削ビット12の板厚中心線LC12が鋼管本体11の管厚中心線LC11に交わる位置において、板厚中心線LC12と管厚中心線LC11の接線LT11(鋼管本体11の周方向接線)とがなす角度である。以下では、角度θを掘削ビット12の取り付け角度ともいう。第1の掘削ビット121および第2の掘削ビット122の取り付け方向は、鋼管本体11の周方向接線に対してそれぞれの取り付け角度θ1,θ2だけ傾いた方向である。
本実施形態では、掘削ビット12が取り付け角度θを有することによって、例えば鋼管杭10を用いた掘削時において杭先端が所定の深さに到達するまでは鋼管杭10を図1に示す反時計回り(CCW)に回転させながら掘削して土砂を鋼管本体11の外側に押し出し、管内土の閉塞を抑制することができる。また、杭先端が打ち止め深さに到達するまでは鋼管杭10を図1に示す時計回り(CW)に回転させながら掘削して土砂を鋼管本体11の内側に取り込み、管内土の閉塞を促進することによって高い支持力を獲得することができる。なお、掘削ビット12は、鋼管本体11の径方向の内側および外側の両方にエッジを有し、これによって上記のように鋼管本体11の回転方向を反転させて掘削することが可能になる。
なお、本実施形態では、第1の掘削ビット121および第2の掘削ビット122がいずれも鋼管本体11の径方向の外側および内側の両方に突出し、かつ取り付け方向の中心で鋼管本体11の管厚中心線LC11に交差する。他の実施形態では、図2および図3に示す例のように、鋼管本体11の径方向の外側または内側のいずれか一方だけに掘削ビットが突出していてもよい。
さらに、本実施形態において、掘削ビット12のうち第1の掘削ビット121は鋼管本体11の端面11Eから鋼管本体11の軸方向に高さHだけ突出し、第2の掘削ビット122は鋼管本体11の端面11Eから鋼管本体11の軸方向に高さHだけ突出し、高さHは高さHよりも高い(H<H)。例えば支持層のように地盤強度が高い層を掘削する場合、大きな施工抵抗が掘削ビット12に作用することによって掘削ビット12が摩耗することが想定される。これに対して、上記のように第2の掘削ビット122の突出高さHを第1の掘削ビット121の突出高さHよりも高くすることによって、掘削において先行する第2の掘削ビット122に施工抵抗を負担させ、その分だけ施工抵抗が軽減される第1の掘削ビット121の摩耗を抑制することができる。第1の掘削ビット121の摩耗が顕著になるのは、例えば第2の掘削ビット122の突出高さが摩耗によって第1の掘削ビット121と同程度になった後であるため、施工終了まで第1の掘削ビット121の摩耗が顕著にならない場合もあり得る。このように、第1の掘削ビット121の摩耗が抑制されることによって、地盤強度が高い層で掘削を進めても、上述したような掘削ビット12による管内土の閉塞の抑制または促進の機能を維持することができる。
なお、鋼管本体11への掘削ビット12の取り付け方法は、例えば溶接であってもよいし、ねじ止めなどの機械的な接合手段によるものであってもよい。また、図1に示された例において鋼管本体11の端面11Eと掘削ビット12の上端面とは一致しているが、例えば端面11Eに形成された溝または切り込みに掘削ビット12を嵌合させた上で接合したり、掘削ビット12の上端面に形成された溝または切り込みに鋼管本体11の端面11Eを含む端部を嵌合させた上で接合したり、端面11Eおよび掘削ビット12の上端面の両方に溝または切り込みを形成してこれらの溝または切り込みを互いに嵌合させた上で接合したりすることが可能である。この場合、鋼管本体11の端面11Eと掘削ビット12の上端面とは必ずしも一致しない。以下で説明する他の例についても同様である。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る鋼管杭の別の例を示す図である。図4に示された例では、上記で図1を参照して説明した例と同様に掘削ビット12に含まれる第1の掘削ビット121Aおよび第2の掘削ビット122Aが取り付け角度θを有し、また第2の掘削ビット122Aの突出高さHが第1の掘削ビット121Aの突出高さHよりも高い。加えて、図示された例では、第1の掘削ビット121Aおよび第2の掘削ビット122Aの先端面121E,122E、すなわち鋼管本体11の端面11Eとは反対側の端面に、鋼管本体11の径方向の内側から外側に向かって突出高さが高くなる傾斜が形成されている。
上記のように第1の掘削ビット121Aおよび第2の掘削ビット122Aの先端面121E,122Eに傾斜を形成することによって、鋼管本体11を図4に示す時計回り(CW)に回転させたときに先行して土砂に接触する部分で第1の掘削ビット121Aおよび第2の掘削ビット122Aの突出高さがより高くなり、第1の掘削ビット121Aおよび第2の掘削ビット122Aの摩耗に対する抵抗力を向上させることができる。なお、第1の掘削ビット121Aおよび第2の掘削ビット122Aの突出高さH,Hは、例えば図示されたように端面11Eから傾斜した先端面121E,122Eの最も高い位置までの高さとして定義することができる。また、図示された例では第1の掘削ビット121Aおよび第2の掘削ビット122Aの先端面121E,122Eの両方に傾斜が形成されているが、いずれか一方の先端面のみに傾斜が形成されてもよい。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る鋼管杭のさらに別の例を示す図である。図5に示された例では、上記で図1を参照して説明した例と同様に掘削ビット12に含まれる第1の掘削ビット121および第2の掘削ビット122Bが取り付け角度θを有し、また第2の掘削ビット122Bの突出高さHが第1の掘削ビット121の突出高さHよりも高い。加えて、図示された例では、第2の掘削ビット122Bが、鋼管本体11の径方向の内側から外側に向かって厚くなるテーパー断面で形成されている。具体的には、第2の掘削ビット122Bは鋼管本体11の径方向内側において厚さt、外側で厚さtであり、厚さtは厚さtよりも大きい(t<t)。
上記のように第2の掘削ビット122Bをテーパー断面で形成することによって、鋼管本体11を図5に示す時計回り(CW)で回転させたときに先行して土砂に接触する部分で第2の掘削ビット122Bがより厚くなり、第2の掘削ビット122Bの摩耗に対する抵抗力を向上させることができる。なお、図示された例では第2の掘削ビット122Bのみがテーパー断面で形成されているが、第1の掘削ビット121および第2の掘削ビット122Bの両方がテーパー断面で形成されてもよく、第1の掘削ビット121のみがテーパー断面で形成されてもよい。また、図5の例と図4の例とを組み合わせ、第1の掘削ビット121または第2の掘削ビット122の先端面に傾斜を形成するとともに、第1の掘削ビット121または第2の掘削ビット122をテーパー断面で形成してもよい。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る鋼管杭を側方および先端側から見た図である。図6に示されるように、鋼管杭20は、鋼管本体11と、鋼管本体11の端面11Eに取り付けられる掘削ビット22とを含む。掘削ビット22は、第1の掘削ビット221および第2の掘削ビット222を含む。第1の実施形態と同様に、第1の掘削ビット221は鋼管本体11の端面11Eから高さHだけ突出し、第2の掘削ビット222は鋼管本体11の端面11Eから高さHだけ突出し、高さHは高さHよりも高い(H<H)。さらに、本実施形態において、第1の掘削ビット221は鋼管本体11の周方向接線に対して角度θ1(0<θ1<90°)をもって取り付けられ、第2の掘削ビット222は鋼管本体11の周方向接線に対して角度θ2(0<θ2<90°)をもって取り付けられ、角度θ2は角度θ1よりも大きい(θ1<θ2)。ここで、取り付け角度θ1,θ2は、第1の実施形態で説明された取り付け角度θと同様に、第1の掘削ビット221および第2の掘削ビット222のそれぞれの板厚中心線LC221,LC222と鋼管本体11の管厚中心線LC11の接線LT11、すなわち鋼管本体11の周方向接線とがなす角度である。一方、本実施形態において、第1の掘削ビット121および第2の掘削ビット122のそれぞれの取り付け方向に沿った長さLは同じである。第1の掘削ビット221および第2の掘削ビット222の取り付け方向は、鋼管本体11の周方向接線に対してそれぞれの取り付け角度θ1,θ2だけ傾いた方向である。
上記のように掘削ビット22が取り付け角度θ1,θ2を有することによって、本実施形態でも第1の実施形態と同様に、鋼管杭20を図6に示す反時計回り(CCW)および時計回り(CW)のそれぞれに回転させながら掘削するときに、管内土の閉塞を抑制または促進する効果が得られる。
加えて、本実施形態では、第2の掘削ビット222の取り付け角度θ2が第1の掘削ビット221の取り付け角度θ1よりも大きい。これによって、第1の掘削ビット221および第2の掘削ビット222の取り付け方向に沿った長さLが同じであっても、例えば鋼管本体11の外側について、第1の掘削ビット121が管厚中心線LC11から鋼管本体11の径方向に突出する距離D1よりも第2の掘削ビット122が管厚中心線LC11から鋼管本体11の径方向に突出する距離D2の方が長くなる。これによって、鋼管本体11の外側で、第1の掘削ビット221の掘削可能領域R1よりも第2の掘削ビット222の掘削可能領域R2が拡張される。ここで、掘削可能領域R1,R2は、地中で鋼管杭20を回転させたときに第1の掘削ビット221および第2の掘削ビット222のそれぞれが土砂を掘削する円環状の領域である。例えば、鋼管本体11の外側について、図6に示すように掘削可能領域R1の半径をr1、掘削可能領域R2の半径をr2とした場合、r2/r1=1.2程度になるように取り付け角度θ1,θ2を設定してもよい。
なお、本実施形態では、第1の掘削ビット121および第2の掘削ビット122がいずれも鋼管本体11の外側および内側の両方に突出し、かつ取り付け方向の中心で鋼管本体11の管厚中心線LC11に交差するため、鋼管本体11の内側でも同様に、第1の掘削ビット121が突出する距離よりも第2の掘削ビット122が突出する距離の方が長く、掘削可能領域R1よりも掘削可能領域R2が拡張される。他の例では、鋼管本体11の外側または内側のいずれか一方だけで掘削可能領域が拡張されてもよい。
上記のような構成によって、相対的に拡張された領域を掘削する第2の掘削ビット222に施工抵抗を負担させ、その分だけ施工抵抗が軽減される第1の掘削ビット221の摩耗を抑制することができる。上述のように、第2の掘削ビット222の突出高さHを第1の掘削ビット221の突出高さHよりも高くことによっても、第1の掘削ビット221の摩耗は抑制される。従って、本実施形態では、より効果的に第1の掘削ビット221の摩耗を抑制し、地盤強度が高い層で掘削を進めても掘削ビット22による管内土の閉塞の抑制または促進の機能を維持することができる。
なお、上記の第1の実施形態で図4および図5を参照して説明したような変形例は、本実施形態にも適用可能である。具体的には、図7に示す例のように、掘削ビット221A,222Aの少なくともいずれかの先端面221E,222Eに鋼管本体11の径方向の内側から外側に向かって突出高さが高くなる傾斜が形成されてもよい。また、図8に示す例のように、掘削ビット221,222Bの少なくともいずれかが、鋼管本体11の径方向の内側から外側に向かって厚くなるテーパー断面で形成されてもよい。
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係る鋼管杭を側方および先端側から見た図である。図6に示されるように、鋼管杭30は、鋼管本体11と、鋼管本体11の端面11Eに取り付けられる掘削ビット32とを含む。掘削ビット32は、第1の掘削ビット321および第2の掘削ビット322を含む。第1の実施形態と同様に、第1の掘削ビット321は鋼管本体11の端面11Eから高さHだけ突出し、第2の掘削ビット322は鋼管本体11の端面11Eから高さHだけ突出し、高さHは高さHよりも高い(H<H)。さらに、本実施形態において、第1の掘削ビット321の取り付け方向に沿った長さはL1であり、第2の掘削ビット322の取り付け方向に沿った長さはL2であり、長さL2は長さL1よりも長い(L1<L2)。一方、本実施形態において、第1の掘削ビット321および第2の掘削ビット322は、鋼管本体11の周方向接線に対して同じ取り付け角度θ(0<θ<90°)で取り付けられている。第1の掘削ビット321および第2の掘削ビット322の取り付け方向は、鋼管本体11の周方向接線、すなわち管厚中心線LC11の接線LT11に対して取り付け角度θだけ傾いた方向である。
上記のように掘削ビット32が取り付け角度θを有することによって、本実施形態でも第1の実施形態と同様に、鋼管杭30を図9に示す反時計回り(CCW)および時計回り(CW)のそれぞれに回転させながら掘削するときに、管内土の閉塞を抑制または促進する効果が得られる。
加えて、本実施形態では、第2の掘削ビット322の取り付け方向に沿った長さL2が第1の掘削ビット321の取り付け方向に沿った長さL1よりも長い。これによって、第1の掘削ビット321および第2の掘削ビット322の取り付け角度θが同じであっても、例えば鋼管本体11の径方向外側について、第1の掘削ビット321が管厚中心線LC11から鋼管本体11の径方向に突出する距離D1よりも、第2の掘削ビット322が管厚中心線LC11から鋼管本体11の径方向に突出する距離D2の方が長くなる。これによって、鋼管本体11の外側で、第1の掘削ビット321の掘削可能領域R1よりも第2の掘削ビット322の掘削可能領域R2が拡張される。例えば、鋼管本体11の外側について、図6に示すように掘削可能領域R1の半径をr1、掘削可能領域R2の半径をr2とした場合、r2/r1=1.2程度になるように長さL1,L2を設定してもよい。
なお、本実施形態では、第1の掘削ビット321および第2の掘削ビット322がいずれも鋼管本体11の径方向の外側および内側の両方に突出し、かつ取り付け方向の中心で鋼管本体11の管厚中心線LC11に交差するため、鋼管本体11の内側でも同様に、第1の掘削ビット321が突出する距離よりも第2の掘削ビット322が突出する距離の方が長く、掘削可能領域R1よりも掘削可能領域R2が拡張される。他の例では、鋼管本体11の径方向の外側または内側のいずれか一方だけで掘削可能領域が拡張されてもよい。
上記のような構成によって、相対的に拡張された領域を掘削する第2の掘削ビット322に施工抵抗を負担させ、その分だけ施工抵抗が軽減される第1の掘削ビット321の摩耗を抑制することができる。上述のように、第2の掘削ビット322の突出高さHを第1の掘削ビット321の突出高さHよりも高くことによっても、第1の掘削ビット321の摩耗は抑制される。従って、本実施形態では、より効果的に第1の掘削ビット321の摩耗を抑制し、地盤強度が高い層で掘削を進めても掘削ビット32による管内土の閉塞の抑制または促進の機能を維持することができる。
なお、以上で説明した本発明の第2および第3の実施形態は、互いに組み合わせることが可能である。つまり、本発明の実施形態では、第2の掘削ビット322の突出高さHを第1の掘削ビット321の突出高さHよりも高くするのに加えて、一部の掘削ビットの取り付け角度θまたは取り付け方向に沿った長さLのいずれかを他の掘削ビットよりも大きくすることによって掘削可能領域を拡張してもよいし、取り付け角度θおよび長さLの両方を他の掘削ビットよりも大きくすることによって掘削可能領域を拡張してもよい。
また、上記の第1の実施形態で図4および図5を参照して説明したような変形例は、本実施形態にも適用可能である。具体的には、少なくともいずれかの掘削ビットの先端面に鋼管本体の径方向の内側から外側に向かって突出高さが高くなる傾斜が形成されてもよいし、少なくともいずれかの掘削ビットが鋼管本体の径方向の内側から外側に向かって厚くなるテーパー断面で形成されてもよい。
(変形例)
図10から図14は、上記で説明した第1から第3の実施形態の変形例を示す図である。以下で説明する変形例は、第1の実施形態から第3の実施形態のそれぞれに、また、第2の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせた実施形態に適用可能である。各図に示された鋼管杭40において、掘削ビット42は、第1の掘削ビット421および第2の掘削ビット422を含む。第1の掘削ビット421と第2の掘削ビット422との間では、上記で説明した第1から第3の実施形態と同様に突出高さ、取り付け角度θまたは長さLが異なっているが、図10から図14の各図において、このような第1の掘削ビットと第2の掘削ビットとの形状の違いは必ずしも図示されていない。また、各図に示された例ではそれぞれの掘削ビットが鋼管本体11の径方向の外側および内側の両方に突出し、かつ取り付け方向の中心で鋼管本体11の管厚中心線に交差するが、鋼管本体11の径方向の外側または内側のいずれか一方だけに掘削ビットが突出していてもよい点は、上記の各実施形態と同様である。
図10および図11に示された例では、鋼管本体11の周方向における第1の掘削ビット421および第2の掘削ビット422の配置パターンが上記の各実施形態とは異なる。より具体的には、上記の各実施形態では第1の掘削ビットと第2の掘削ビットとが1つおきに交互に配置されていたのに対し、図10に示される鋼管杭40では、第1の掘削ビット421と第2の掘削ビット422とが2つおきに交互に配置される。また、上記の各実施形態では第1の掘削ビットと第2の掘削ビットとが同じ数だけ配置されていたのに対し、図11に示される鋼管杭40では、第1の掘削ビット421を1つ配置するごとに第2の掘削ビット422が2つ配置され、従って第1の掘削ビット421の数よりも第2の掘削ビット422の数の方が多い。
図12に示された例では、掘削ビット42が、第1の掘削ビット421および第2の掘削ビット422に加えて第3の掘削ビット423および第4の掘削ビット424を含む。第3の掘削ビット423は、第2の掘削ビット422よりもさらに突出高さが高い(つまり、鋼管本体11の端面11Eから高さHよりも高い第3の高さだけ突出する)。さらに、第3の掘削ビット423は、第2の掘削ビット422よりもさらに突出する距離が長い(つまり、鋼管本体11の管厚中心線LC11から鋼管本体11の径方向に距離D2(図6または図9などを参照)よりも長い第3の距離だけ突出する)ことによって、第2の掘削ビット422の掘削可能領域R2よりも拡張された掘削可能領域を有してもよい。第3の掘削ビット423と第4の掘削ビット424との関係についても第2の掘削ビット422と第3の掘削ビット423との関係と同様であり、第4の掘削ビット424は、例えば、第3の掘削ビット423よりもさらに突出高さが高く、第3の掘削ビット423よりもさらに拡張された掘削可能領域を有してもよい。このように、本発明の実施形態において、掘削ビットは、2種類の掘削ビットに限らず、3種類、または4種類以上の掘削ビットを含んでもよい。この場合、3種類以上の掘削ビットは、例えば図12に示された例における第2の掘削ビット422および第3の掘削ビット423のように、先行して施工抵抗を負担する掘削ビットが存在するために最初は摩耗が抑制され、先行する掘削ビットが摩耗した後は後に位置する別の掘削ビットの摩耗を抑制するために施工抵抗を負担する中間的な掘削ビットを含む。
図13および図14に示された例では、第1の掘削ビット421および第2の掘削ビット422を含む掘削ビット42が、湾曲した板状の掘削ビットである。図13の例では、掘削ビット42が、鋼管杭40を先端側から見たときにC字状になるように湾曲している。この場合、掘削ビット42の取り付け角度θは、掘削ビット42の湾曲した板厚中心線LC42が鋼管本体11の管厚中心線LC11に交わる位置において、板厚中心線LC42の接線LT42と管厚中心線LC11の接線LT11とがなす角度である。また、掘削ビット42の取り付け方向に沿った長さLは、接線LT42に沿った方向の長さである。図13の例では、例えば上記の各実施形態と同様の効果が得られるのに加えて、掘削ビット42が湾曲していることによって、鋼管杭40が反時計回り(CCW)で回転するときには鋼管本体11および掘削ビット42から離れる向きの土砂の流れFを生み出しやすく、また鋼管杭40が時計回り(CW)で回転するときには鋼管本体11の内側に向かう土砂の流れFを生み出しやすくなる。土砂の流れがスムーズになることによって、鋼管杭40を用いた掘削がより円滑になる。
一方、図14の例では、掘削ビット42が、鋼管杭40を先端側から見たときにS字状になるように湾曲している。この場合、掘削ビット42の取り付け角度θは、掘削ビット42の湾曲した板厚中心線LC42が鋼管本体11の管厚中心線LC11に交わる位置において、掘削ビット42の両端の板厚中心を結ぶ直線LE42と管厚中心線LC11の接線LT11とがなす角度である。また、掘削ビット42の取り付け方向に沿った長さLは、直線LE42に沿った方向の長さである。図14の例では、図13の例と同様の土砂の流れF,Fが生み出しやすくなるのに加えて、鋼管杭40が時計回り(CW)に回転するときに鋼管本体11の内側に取り込まれた土砂が掘削ビット42から離れる向きの土砂の流れFを生み出しやすくなる。図13の例と同様に、土砂の流れがスムーズになることによって、鋼管杭40を用いた掘削がより円滑になる。
なお、上述した第1から第3の実施形態、およびそれらの変形例において、掘削ビットが鋼管本体11の内側および外側の両方に突出するか、または掘削ビットが鋼管本体11の内側にのみ突出する構成が可能である。第1の掘削ビットと第2の掘削ビット(および第3の掘削ビットならびに第4の掘削ビット)との間で、掘削ビットが鋼管本体11から突出する方向が異なっていてもよい。
(鋼管杭の施工方法)
上記で説明したような本発明の実施形態および変形例に係る鋼管杭を用いて、例えば以下のような施工方法が実施可能である。なお、以下ではで図1を参照して説明した鋼管杭10を例として説明するが、第2および第3の実施形態や各変形例に係る鋼管杭20,30,40でも同様の施工方法が実施可能である。
まず、鋼管杭10の先端(掘削ビット12の先端、または鋼管本体11の端面11E)が所定の深度に到達するまで、掘削ビット12が土砂を鋼管本体11の外側に押し出す第1の回転方向(図1に示す反時計回り(CCW))に鋼管杭10を回転させながら掘削する工程が実施される。その後、鋼管杭10の先端が打ち止め深さに到達するまで、掘削ビット12が土砂を鋼管本体11の内側に取り込む第2の回転方向(図1に示す時計回り(CW))に鋼管杭10を回転させながら掘削する工程が実施される。ここで、所定の深度は、例えば打ち止め深さに対して鋼管本体11の直径の1倍〜5倍程度の距離だけ上方である。これによって、鋼管杭10の打ち止め時においては、鋼管杭10の下端部を取り込んだ土砂で閉塞させて、高い支持力を得ることができる。
なお、上記の所定の深度と、地盤中の支持層の深さとの関係は任意である。つまり、所定の深度は、支持層の深さよりも深くてもよい。この場合、施工方法では、打ち止めの際に、鋼管杭10の先端を支持層に到達させてから、鋼管杭10を第2の回転方向に回転させることになる。あるいは、所定の深度は、支持層の深さよりも浅くてもよい。この場合、施工方法では、打ち止めの際に、鋼管杭10の先端が支持層に到達する直前から、鋼管杭10を第2の回転方向に回転させながら掘削し、鋼管杭10の先端が支持層に到達してから打ち止めることになる。
また、施工方法において、鋼管杭10を第1の回転方向に回転させながら掘削する工程と、鋼管杭10を第2の回転方向に回転させながら掘削する工程とは、交互に実施されてもよい。つまり、鋼管杭10の先端が所定の深度に到達する前であっても、鋼管杭10を第2の回転方向に回転させながら掘削することは可能である。具体的には、例えば鋼管杭10の根入れが順調ではないような場合に、鋼管杭10の回転方向を交互に切り替えながら根入れし、最終的には鋼管杭10を第2の回転方向に回転させて打ち止めることが考えられる。この場合、所定の深度は、鋼管杭10が最後に第1の回転方向に回転させられた深度であり、例えば打ち止め深さと同程度の深さでありうる。例えば上記のような場合において、鋼管杭10の回転方向だけではなく、鋼管杭10の掘削(先端の下降)および後退(先端の上昇)を交互に実施してもよい。
図15は、掘削ビットの取り付け角度に関する実験結果を示すグラフである。実験では、断面直径101.6mm、管厚5.7mmの鋼管本体に、厚さ6mm、取り付け方向に沿った長さ30mm、鋼管本体の端面からの突出高さ12mmの掘削ビットを等間隔で4つ取り付け、掘削ビットの取り付け角度を0°(取り付け角度なし)、5°、15°、20°および30°の5通りにした場合について、飯豊珪砂7号を用いた模擬地盤に同じ深度まで打設した鋼管杭の支持力を比較した。なお、この実験では、「道路橋示方書・同解説(IV 下部構造編)」に準拠し、杭頭(鋼管頭部)の沈下量が杭径(断面直径)の10%のときの荷重(極限支持力)を支持力としている。また、支持力は取り付け角度がない場合を1とした場合の増加比率で表現されている。図15のグラフに示されるように、取り付け角度がある(0°よりも大きい)場合は、取り付け角度がない場合に比べて支持力が向上する。特に、取り付け角度が5°から15°の範囲で、より顕著な支持力の向上がみられた(0°の場合の約1.25倍以上)。この結果から、例えば、上述した各実施形態において、掘削ビットの取り付け角度θ,θ1,θ2を5°以上15°以下(5°≦θ,θ1,θ2≦15°)の範囲に設定してもよい。なお、上記の範囲外の場合でも支持力は向上するため、取り付け角度θ,θ1,θ2の値は上記の範囲には限定されない。
図16は、掘削ビットの摩耗抑制効果について検証する実験について説明するための図である。図示されているように、実験では、断面直径101.6mm、管厚5.7mmの鋼管本体11に、厚さ3.2mm、取り付け方向に沿った長さ30mmの掘削ビット121,122を等間隔で4つ取り付けた。実施例1では、このうち2つの掘削ビット121については、鋼管本体の端面からの突出高さを10mmとし、残りの2つの掘削ビット122については突出高さを14mmとし、掘削ビット121と掘削ビット122とを鋼管本体11の周方向について交互に配置した。掘削ビットの取り付け角度はいずれも10°である。実施例2では、実施例1の突出高さの差に加えて、掘削ビット121について取り付け角度を10°とし、掘削ビット122については取り付け角度を15°とした。掘削ビット121,122は、いずれも鋼管本体11の外側および内側の両方に突出し、かつ取り付け方向の中心で鋼管本体11の管厚中心線に交差する。なお、図16は、この実施例2の条件を示している。比較例では、同様に4つの掘削ビットを取り付けたが、すべての掘削ビットで突出高さを12mm、取り付け角度を10°とした。
図17は、図16に示した実験の結果を示すグラフである。図16を参照して説明したような実施例1、実施例2および比較例に係る鋼管杭で、モルタル状の模型地盤を施工深度500mm分掘削した。その結果、グラフに示されるように、取り付け角度および掘削可能領域がすべての掘削ビットで同じである比較例における各ビットの体積残存率を1とした場合に、突出高さの異なる2組の掘削ビットを配置した実施例1では、突出高さが低い掘削ビット121の体積残存率が比較例の4.85倍であった。ここで、体積残存率は、施工前の掘削ビットの体積に対して、施工後に残存した掘削ビットの体積の割合である。さらに、2組の掘削ビットの突出高さに加えて掘削可能領域も異なる実施例2では、突出高さが低く掘削可能領域が小さい掘削ビット121の体積残存率が比較例の5.23倍であった。この結果は、複数の掘削ビットの間で突出高さを異ならせることによって掘削時の摩耗に対抗して掘削ビットの機能を維持できること、また、突出高さに加えて掘削可能領域の大きさを異ならせることによって効果が向上することを示している。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において、各種の変形例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10,20,30,40…鋼管杭、11…鋼管本体、11E…端面、12,22,32,42…掘削ビット、121,121A,221,221A,321,421…第1の掘削ビット、121E,221E…先端面、122,122A,122B,222,222A,222B,322,422…第2の掘削ビット、122E,222E…先端面、423…第3の掘削ビット、424…第4の掘削ビット。

Claims (12)

  1. 鋼管本体と、前記鋼管本体の端面に前記鋼管本体の周方向接線に対して角度をもって取り付けられ、前記鋼管本体の軸方向に突出する板状の掘削ビットとを備える鋼管杭であって、
    前記掘削ビットが、
    前記鋼管本体の端面から前記鋼管本体の軸方向に第1の高さだけ突出する第1の掘削ビットと、
    前記鋼管本体の端面から前記鋼管本体の軸方向に前記第1の高さよりも高い第2の高さだけ突出する第2の掘削ビットと
    を含む鋼管杭。
  2. 前記第1の掘削ビットまたは前記第2の掘削ビットの少なくともいずれかの先端面に、前記鋼管本体の径方向の内側から外側に向かって突出高さが高くなる傾斜が形成される、請求項1に記載の鋼管杭。
  3. 前記第1の掘削ビットまたは前記第2の掘削ビットの少なくともいずれかが、前記鋼管本体の径方向の内側から外側に向かって厚くなるテーパー断面で形成される、請求項1または請求項2に記載の鋼管杭。
  4. 前記掘削ビットが、前記鋼管本体の端面から前記鋼管本体の軸方向に前記第2の高さよりも高い第3の高さだけ突出する第3の掘削ビットをさらに含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の鋼管杭。
  5. 前記掘削ビットは、前記鋼管杭を先端側から見たときにC字状またはS字状になるように湾曲した板状である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の鋼管杭。
  6. 前記掘削ビットは、前記鋼管本体の径方向の外側または内側の少なくともいずれかに突出し、
    前記第1の掘削ビットは、前記鋼管本体の管厚中心線から前記鋼管本体の径方向に第1の距離だけ突出することによって第1の掘削可能領域を有し、
    前記第2の掘削ビットは、前記鋼管本体の管厚中心線から前記鋼管本体の径方向に前記第1の距離よりも長い第2の距離だけ突出することによって、前記鋼管本体の径方向の外側または内側の少なくともいずれかで前記第1の掘削可能領域よりも拡張された第2の掘削可能領域を有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の鋼管杭。
  7. 前記第1の掘削ビットは、前記鋼管本体の周方向接線に対して第1の角度をもって取り付けられ、
    前記第2の掘削ビットは、前記鋼管本体の周方向接線に対して前記第1の角度よりも大きい第2の角度をもって取り付けられる、請求項6に記載の鋼管杭。
  8. 前記第1の掘削ビットは、前記第1の掘削ビットの取り付け方向に沿って第1の長さを有し、
    前記第2の掘削ビットは、前記第2の掘削ビットの取り付け方向に沿って前記第1の長さよりも長い第2の長さを有する、請求項6または請求項7に記載の鋼管杭。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載された鋼管杭の施工方法であって、
    前記鋼管杭の先端が所定の深度に到達するまで、前記掘削ビットが土砂を前記鋼管本体の外側に押し出す第1の回転方向に前記鋼管杭を回転させながら掘削する工程と、
    前記鋼管杭の先端が打ち止め深さに到達するまで、前記掘削ビットが土砂を前記鋼管本体の内側に取り込む第2の回転方向に前記鋼管杭を回転させながら掘削する工程と
    を含む鋼管杭の施工方法。
  10. 前記打ち止めの際に、前記鋼管杭の先端を支持層に到達させてから、前記鋼管杭を前記第2の回転方向に回転させる、請求項9に記載の鋼管杭の施工方法。
  11. 前記打ち止めの際に、前記鋼管杭の先端が支持層に到達する直前から、前記鋼管杭を前記第2の回転方向に回転させながら掘削し、前記鋼管杭の先端が前記支持層に到達してから打ち止める、請求項9に記載の鋼管杭の施工方法。
  12. 前記第1の回転方向に前記鋼管杭を回転させながら掘削する工程と、前記第2の回転方向に前記鋼管杭を回転させながら掘削する工程とが交互に実施される、請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の鋼管杭の施工方法。
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