JP5354386B2 - 発光装置および照明装置 - Google Patents

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本発明は、有機EL等の固体発光素子を光源とした発光装置および照明装置に関する。
この種の固体発光素子、特に、有機ELを光源とする発光装置は、蛍光灯と比較して水銀(Hg)を含まず、また低い電力での発光や長寿命化が見込まれることから、発光ダイオードと並んで蛍光灯に替わる次世代光源として注目を集め、近年技術開発が精力的に進められている。有機ELは、発光ダイオードと比較した場合に平面発光が可能な特徴を有しており、これまでに10〜20cm角の白色発光パネルを用いたペンダントライトや曲げることが可能なプラスチック製の有機発光層を形成した、いわゆるフレキシブルな有機ELパネルの開発が行われてきた。
しかし、上述したペンダントライトやフレキシブル有機ELパネルは、有機EL光源が直接器具媒体に組み込まれており、その構造上容易にパネルを取り外すことが困難である。一方、一般家庭やオフィス等の空間において照明器具を使用する際には、光源が劣化等した場合に、簡単に交換できることが求められる。このため、この種の有機EL光源は照明器具に容易に取り付けが可能で、かつ容易に取り外すことができるように構成することが必要とされている。例えば、特許文献1(特に、段落番号[0010]、および図4参照)には、固体素子型面照明光源は、軟質有機発光ダイオード(OLED)層であって、軟質基板を曲げて湾曲三次元形状の光源を構成し、この光源を着脱が可能になるように受容する照明器具が開示されている。
特開2004−055535号公報
一方、有機EL光源と外部電源との着脱が可能な電気接続をなすために、特許文献1にも示されているように、有機ELの電極と外部電源を接続する接点、すなわち、ソケット部材を器具本体に設けて構成している。これら電極とソケット部材との電気接続は、光源がパネル形に構成されている場合には、栓刃状をなす電極を、リン青銅等からなる受端子に対して、受端子の弾性力による摩擦力で機械的な接続をなすと同時に電気接続がなされるように構成され、また光源が白熱電球のようにボール状に構成される場合には、口金状に構成した電極を、黄銅等からなるソケットに対して、機械的にねじ込むことによって電気接続がなされる。このため、有機EL光源における電極は、これらの機械的な着脱を伴う接続に十分に耐えることが必要である。
しかしながら、従来の有機EL光源における電極は、特許文献1(特に、段落番号[0015]および図7、図8参照)にも示されているようにガラスまたはプラスチックからなる透光性の基板の縁部に対して導体を形成することによって構成される。この導体は、陽極電極の場合には、段落番号[0028]に示されているように、インジウム錫酸化物(ITO)等からなる金属をスパッタ法等の手段によって付着させて形成された薄膜からなる。また、陰極電極もマグネシウム銀(Mg:Ag)合金等からなる金属を、同様にスパッタ法等の手段によって付着させた薄膜からなる(段落番号[0041]「0042」参照)。このため、これら薄膜で構成された電極は、有機EL光源を交換する際に行われる機械的な着脱操作によって容易に磨耗したり剥離し、十分に耐えることができない問題が生じる。また、これら電極は、長期間の使用にわたり空気中にさらされるため、電極の耐候性を如何に向上させるかも課題になっている。
本発明は、上記の問題、課題を解決するためになされたもので、電極の機械的強度および耐候性を向上させることが可能な発光装置および照明装置を提供しようとするものである。
請求項1に記載の発光装置の発明は、光透過部と電気接続部を有し、少なくとも電気接続部の表面を凹凸状の粗面に形成した透光性を有する基板と;少なくとも基板の光透過部および電気接続部の粗面に形成され、粗面に形成される厚さが粗面の凹凸の高さ寸法より薄く形成される一方の電極と;基板の光透過部に対向し前記一方の電極に形成される発光層と;発光層および前記基板の電気接続部の粗面に形成され、粗面に形成される厚さが粗面の凹凸の高さ寸法より薄く、かつ前記一方の電極と間隔を有して形成される他方の電極と;少なくとも発光層を覆うように形成される封止層と;を具備していることを特徴とする。本発明によれば、基板の電気接続部の粗面に、厚さが粗面の凹凸の高さ寸法より薄く形成される一方の電極および他方の電極を形成することにより、電極の機械的強度を向上させることが可能な発光装置を構成することができる。
本発明において、発光装置は、有機ELに代表される発光層で構成されることが好適であるが、有機ELに代替が可能な、たとえば、無機EL等全ての発光層で構成されるものが許容される。また、基板を軟質プラスチック等で構成し、フレキシブル性を有していることが好ましいが、ガラス等で構成したフレキシブル性のない発光装置であってもよい。また、発光装置は、平面状をなしていることが好ましいが、円柱、角柱等をなして形成されものであってもよく、目的とする配光特性を得るための全ての形状が許容される。また発光装置は、ペンダントライトやダウンライト等、住宅用の各種照明器具、店舗、オフィスなど施設・業務用の各種照明器具、さらに、誘導灯、非常灯、表示灯などの各種照明装置や表示装置、さらには、大型の薄型テレビ、液晶ディスプレイ、各種情報端末等のバックライト用の光源に適用されてもよい。さらに、白熱電球に代替が可能な口金付ランプ等に適用されるものであってもよい。発光装置は、上述した各種、多様な照明装置等に用いられるため、通常は複数個の発光装置を連接して使用されるが、1個の発光装置で構成されるものであってもよい。また、発光装置は、白色で発光するように構成することが好ましいが、照明装置の用途に応じ、赤色、青色、緑色等でも、さらには各種の色を組み合わせて構成してもよい。
基板は、厚さが約0.1〜0.2mmの、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等の硬質または軟質のプラスチックで構成されることが許容される。また厚さ約0.5〜1mm程度のガラスで構成されてもよい。これらプラスチックやガラスは、透明または半透明等の透光性を有して構成される。
基板は、例えば、矩形状をなす板面の中央領域を光透過部とし、少なくも一つのコーナ領域を電気接続部となすことが光を均一にかつ効率的に放射させる観点から好ましいが、例えば、一辺の外縁部や対向する外縁部等を電気接続部となすように構成してもよく、基板における光透過部および電気接続部を設ける位置は、特定された位置には限定されない。
基板は、電極を強固に形成するために、電気接続部が粗面に形成されるが、電気接続部以外の面、換言すれば、光透過部も粗面に形成してもよく、少なくとも電気接続部が粗面に形成されたものであればよい。ただし、発光層に対向する部分はできるだけ滑らかな平面となることが好ましく、発光層が形成される部位以外を粗面に形成するのがよい。粗面を形成するための手段は、プラスチックの場合には、過マンガン酸カリウムやニクロム酸カリウムのような強酸化性を有する化学薬品によって粗化処理を行うことが好適である。またガラスの場合には、フッ化水素(HF)で粗化処理を行うことが好適である。しかし、上記の粗化処理は一例であって、これら具体的な処理手段には限定されない。
一方の電極および他方の電極は、例えば、極性の異なる一対の電極を構成し、例えば、陽極電極および陰極電極である。また、一方の電極および他方の電極は、発光層の極性を適宜設定し、光取り出し側の電極が透光性を有していれば、いずれかを陽極または陰極として構成してもよい。
一方の電極は、例えば、ITO(インジウム錫酸化物)からなる厚さ約150nmの薄膜を形成することが許容される。他の材料としては、インジウム亜鉛酸化物(IZO)や酸化錫等が選択される。薄膜を形成する手段は、スパッタリングによって形成されることが好適であるが、例えば、メッキ、蒸着法、化学的気相成長(CVD)等によって形成してもよい。一方の電極は、例えば、フォトリソグラフ法によってパターン化され、基板の光透過部および電気接続部に形成される電極層および基板の電気接続部の粗面に形成される電極層上に形成される電気接続層からなることが好ましい。また、透明または半透明等の透光性を有して形成されることが好ましいが、不透明でも、または、反射性を有して形成されるものであってもよい。
また、一方の電極としてITO薄膜を形成する場合には、電流を均一化するために、必要に応じて低抵抗な金属膜、例えば、モリブデン(Mo)やアルミニウム(Al)等を用いた補助配線をパターンニングする場合があるが、ここでは、これら補助配線の形成は、本発明の目的を達成するための必要な条件ではない。
発光層は、厚さ約100〜200nmの有機低分子材料からなり、R・G・Bの発光スペクトルを有する発光体を含有する有機発光層で構成されることが許容されるが、高分子型であっても、例えば、無機発光層など有機発光層に代替が可能な全ての発光層が許容される。発光層は基板の光透過部に対向して形成される。発光層は、基板を曲げた場合にも点灯が可能になるように構成されることが好ましいが、ここでは、曲げることが必要な条件ではなく、曲げられないものであってもよい。
他方の電極は、例えば、アルミニウム(Al)からなる厚さ約100nmの薄膜を形成することが許容される。他の材料としては、マグネシウム銀(Mg:Ag)等の金属や合金等が選択される。薄膜を形成する手段は、メッキによって形成されることが好適であるが、例えば、スパッタリング、蒸着法、化学的気相成長(CVD)等によって形成してもよい。他方の電極は、例えば、フォトリソグラフ法によってパターン化され、基板の光透過部に対向する位置および電気接続部に形成される電極層および基板の電気接続部の粗面に形成される電極層上に形成される電気接続層からなることが好ましい。また、他方の電極は、光の反射性を有するものが好適であるが、ここでは反射性能が劣る材料であってもよい。
また、上述した基板における電気接続部の表面を粗面に形成することは、電気接続部に形成される薄膜からなる一方の電極および他方の電極の基板からの剥離を防止し、電極の機械的強度を高めるための手段である。また、一方の電極および他方の電極の電気接続層は、酸化を防止するために、その最表面が金(Au)となるように電解メッキ等の表面処理を行い、耐候性を高めるようにすることが好ましいが、本発明の第1の目的である電極の機械的強度を高めるためには、格別に必要な条件ではない。
封止層は、発光層、例えば、有機EL層は空気中の水分や酸素等に対して非常に不安定であることが知られており、これらの活性化ガス種から保護することを目的とした封止手段であり、発光層のみを封止するものであっても、基板と共に封止されるものでも、一方の電極および他方の電極等、他の部材を含めて封止するものであってもよく、要は、少なくとも発光層を封止するものであればよい。材料としては、窒化珪素(SiN)が好適である。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発光装置において、前記基板の電気接続部の粗面に形成される前記一方の電極および他方の電極は、その表面に粗面の凹凸の高さ寸法より厚い中間層が形成され、この中間層の上に金からなる保護層が形成されたことを特徴とする。本発明によれば、電極の機械的強度を向上させることができると共に、電気接続部の粗面に形成される一方の電極および他方の電極は、その表面に粗面の凹凸の高さ寸法より厚い中間層が形成され、この中間層の上に金からなる層が形成されたので、電極の酸化を防止することができ、耐候性を向上させることが可能な発光装置を構成することができる。
また、基板の電気接続部の粗面に、厚さが粗面の凹凸の高さ寸法より薄く形成される一方の電極および他方の電極を形成することにより、電極における電極層の表面も粗面となって形成され、その粗面となった表面に粗面の凹凸の高さ寸法より厚い中間層が形成され、この中間層の上に金が形成されることから、粗面のアンカー効果による基板と電極の電気接続層との密着強度向上させることができる
請求項3に記載の照明装置の発明は、請求項1または2記載の発光装置と;発光装置における電気接続部の粗面に形成される一方の電極および他方の電極が接続される電気接続部材を有する器具本体と;を具備していることを特徴とする。本発明によれば、請求項1または2記載の発光装置における電気接続部の粗面に形成される一方の電極および他方の電極が接続される電気接続部材を有する器具本体により、発光装置を着脱させることが可能な照明装置が構成されると共に、発光装置と器具本体との電気的接続を長期にわたり安定させることが可能となる。
本発明において、照明装置は、ペンダントライトやダウンライト等、住宅用の各種照明器具、店舗、オフィスなど施設・業務用の各種照明器具、さらに、誘導灯、非常灯、表示灯などの各種照明装置や表示装置、さらには、大型の薄型テレビ、液晶ディスプレイ、各種情報端末の等のバックライト用の光源を構成するものであってもよい。さらに、白熱電球に代替が可能な口金付ランプ等を構成するものであってもよい。
請求項1記載の発明によれば、基板の電気接続部の粗面に、厚さが粗面の凹凸の高さ寸法より薄く形成される一方の電極および他方の電極形成することにより、電極の機械的強度を向上させることが可能な発光装置を提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、電極の機械的強度を向上させることができると共に、電気接続部の粗面に形成される一方の電極および他方の電極は、その表面に粗面の凹凸の高さ寸法より厚い中間層が形成され、この中間層の上に金からなる層が形成されたので、電極の酸化を防止することができ、耐候性を向上させることが可能な発光装置を提供することができる。また、基板の電気接続部の粗面に、厚さが粗面の凹凸の高さ寸法より薄く形成される一方の電極および他方の電極を形成することにより、電極における電極層の表面も粗面となって形成され、その粗面となった表面に粗面の凹凸の高さ寸法より厚い中間層が形成され、この中間層の上に金が形成されることから、粗面のアンカー効果による基板と電極の電気接続層との密着強度を向上させることが可能になる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発光装置における電気接続部の粗面に形成される一方の電極および他方の電極が接続される電気接続部材を有する器具本体により、発光装置を着脱させることが可能な照明装置が構成されると共に、発光装置と器具本体との電気的接続を長期にわたり安定させることが可能な発光装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る発光装置を模式的に拡大して示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)図のb−b線に沿う断面図。 同じく発光装置を模式的に拡大し、分解して示す斜視図。 同じく発光装置の電極部分を模式的に拡大し、断面して示す図で、(a)は一方の電極部分の断面図、(b)は他方の電極部分の断面図。 同じく発光装置を用いた照明装置を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)図のb−b線に沿って断面し天井に設置した状態を示す断面図。 同じく発光装置を用いた照明装置の電気接続部分を示し、(a)は(b)図のa−a線に沿う断面図、(b)は(a)図のb−b線に沿う断面図。 同じく発光装置の変形例を示し、(a)は第1の変形例を示す図1(a)に相当する正面図、(b)は第2の変形例を示す図3(a)(b)に相当する断面図。
以下、本発明に係る発光装置およびこの発光装置を用いた照明装置の実施形態について説明する。
先ず、発光装置の構成につき説明する。図1〜図3に示すように、本実施例の発光装置は天井埋込形の平面状をなす小形・薄形のダウンライトの光源として構成されるもので、発光装置10は、透光性を有する基板11、基板11上に形成される一方の電極としての陽極電極12、基板の光透過部に対向する位置で陽極電極上に形成される発光層13、発光層および基板11のコーナ領域に形成される他方の電極としての陰極電極14、発光層を覆うように形成される封止層15で構成する。
基板11は、本実施例では、厚さが約0.1〜0.2mmの、透明なPEN(ポリエチレンナフタレート)で略正方形で平板状をなす形状に構成し、板面の中央領域を光透過部11aとし、一つのコーナ領域を電気接続部11bとなすように構成する。電気接続部11bは、基板11の裏面側(図1(b)において上面側)に設けられ、電極を強固に形成するために、その表面が粗面R1に形成される。この粗面は、過マンガン酸カリウムやニクロム酸カリウムのような強酸化性を有する化学薬品によって粗化処理を行うことによって形成され、電気接続部11bの略三角形状をなす部分の表面が粗化処理される。
陽極電極12は、コーナ部の一部を切り欠いた略四角形状の電極層12aを有し、コーナ部が基板11の電気接続部11bに形成される。また、電極層12aのコーナ部上には電気接続層12bが形成されている。電気接続層12bは、コーナ部に形成した一部切欠によって一対が形成される。この一対の電気接続層12bは、基板11のコーナ領域に形成された粗面R1上の位置に形成される。すなわち、電極層12aは、フォトリソグラフ法によってパターン化され、電極層12aが形成される基板11の光透過部11aと、基板11のコーナ領域に形成された粗面R1に対して、透明なITO(インジウム錫酸化物)をスパッタリングすることによって厚さ約150nmの薄膜として形成する。
この際、図3(a)にその断面を示すように、電極層12aのコーナ部の膜厚t1は、基板11の粗面R1における凹凸の高さ寸法h1より薄く(t1<h1)形成することによって、電極層12aの表面も粗面R2となって形成される。また、図3(a)では、粗面R1の凹凸の高さ寸法h1よりも厚い金属層が電気接続層12bとして形成されている。このため、電気接続層12bが粗面R2の凹凸に沿ってよく馴染み、アンカー効果による密着強度が向上し、着脱操作によって容易に剥離することがない機械的に強固な電極を構成することができる。なお、図3(a)において、電気接続層12bは、2層となっているが1層であってもよい。
発光層13は、厚さ約100〜200nmの有機低分子材料からなり、R・G・Bの発光スペクトルを有する発光体を含有する有機発光層で構成される。発光層13は、陽極電極12の電極層12aの表面に、真空中で、前記有機低分子材料を、電流加熱によって蒸発させることで薄膜を形成する。
陰極電極14は、電極層12aに形成された発光層13の表面全体にわたって形成される矩形状の電極層14aと、基板11のコーナ領域に形成される電気接続層14bからなる。この電気接続層14bは、上述した陽極電極12用の一対の電気接続層12bの間に位置して形成される。また電極層14aおよび電気接続層14bは、陽極電極12の電極層12aおよび電気接続層12bと所定の間隔S1を有するように形成して電気絶縁距離をとるように構成する。この電気接続層14bは、基板11のコーナ領域に形成された電気接続部11bの粗面R1の上に電極層14aを介して形成される。
すなわち、矩形状をなす電極層14aは、フォトリソグラフ法によってパターン化され、基板11に形成された発光層13の表面と、基板11のコーナ領域に形成された粗面R1に対して、アルミニウム(Al)をメッキすることによって厚さ約100nmの薄膜として形成する。この際、図3(b)にその断面を示すように、電極層14aのコーナ領域の膜厚t2は、陽極電極12と同様に、基板11の粗面R1における凹凸の高さ寸法h1より薄く(t2<h1)形成することによって、電極層14aの表面も粗面R3となって形成される。
このため、上述した電気接続層12bと同様に電気接続層14bが粗面R3の凹凸に沿ってよく馴染み、アンカー効果による密着強度が向上し、容易に剥離することがない、また着脱操作によって磨耗することがない機械的に強固な電極が構成される。これにより、発光層13の表面に電極層14a、すなわち、アルミニウムの薄膜が形成されることによって、発光層12から放射される光を基板11の光透過部11aに向かって反射させる機能をもった陰極電極14が構成される。
上記によって形成された陽極電極12および陰極電極14は、そのコーナ領域に形成された電極層12a、14aおよび電気接続層12b、14bが、発光装置10の接続端子部T1を構成するように、外部に露出させて構成する。また、この各接続端子部T1における酸化を防止するために、各電気接続層12b、14bは、最表面が金(Au)となるように、金の電解メッキによる表面処理を行って保護層12c、14cを有している。すなわち、図3(a)(b)に示すように、まず、電極層12a、14a上に、例えば、約5μmのニッケル(Ni)からなる中間層12d、14d形成されており、中間層12d、14d上に膜厚が約50nmの金(Au)からなる保護層12c、14cが形成される。このように、粗面R1上に粗面の凹凸高さ寸法h1より小さい膜厚の電極層12a、14aを形成するので、基板11上に電極層12a、14aを強固に密着させると共に、h1より大きい膜厚の中間層12d、14dを形成したので、各電気接続層12b、14bは、アンカー効果による密着強度が向上し、着脱操作によって基板11から容易に剥離することがない機械的に強固な層として形成される。また、保護層12c、14cによって、酸化し難い耐候性に優れた電極を構成することができると共に、中間層12d、14dによって電極層12a、14aと保護層12c、14cとを強固に密着させることができる。なお、中間層は、銀(Ag)やパラジウム(Pd)等の金属で構成してもよいし、省略し電気接続層12b、14bを1層で形成してもよい。
封止層15は、有機EL層からなる発光層13を空気中の水分や酸素等の活性化ガス種から保護するために、上述した発光層13、陽極電極12、陰極電極14を覆うことによって封止する。材料としては、本実施例では、窒化珪素(SiN)をCVD法により成膜することによって、厚さ約1〜5μm、例えば、厚さ約1μmの封止層として形成する。封止層15は、基板11のコーナ領域に設けられた接続端子部T1、すなわち、電気接続層12b、14bを避けて、換言すれば、接続端子部T1が外部電源と電気的な接続が可能となるように露出させて封止する。そして、上記に構成されたコーナ領域の接続端子部T1、すなわち、陽極電極12および陰極電極14の各電気接続層12b、14bに直流電源を供給すると、発光層13が発光して白色の光が放射される。この際、発光層13の表面側から放射される光は基板11の透明な光透過部11aを透過して表面側に向かって放射され、裏面側から放射された光は、陰極電極14の電極層14a、すなわち、アルミニウムからなる反射面で反射されて光透過部11aに向かって放射される(図1(b))。これにより、光ロスをなくし外部に取り出せる光束を増大して発光効率を向上させることができる。
上記により、有機ELを発光源とした一辺の長さが約100mm角、厚さ約0.1〜0.2mmの略正方形をなした発光装置10が構成される。この発光装置10は、図4に示すように、器具本体に組み込まれて照明装置が構成される。本実施例の照明装置20は、天井埋込形の平面状をなす小形・薄形のダウンライトを構成したもので、上述した発光装置10、発光装置を配設する器具本体21、器具本体に嵌めこまれる化粧枠22、電源ユニット24で構成する。
器具本体21は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の合成樹脂で、正方形の箱体をなすように構成し、箱内に上記構成の略正方形をなす発光装置10が内包され支持されるように構成する。器具本体21の一つ角部には、発光装置10における接続端子部T1、すなわち、陽極電極12および陰極電極14の電気接続層12b、14bが電気的に接続される電気接続部材23が設けられる。
電気接続部材23は、図5に示すように、発光装置10との電気接続をなすためのソケットで構成する。ソケット23は、陽極電極12の一対の電気接続層12bに対応する一対の受け刃からなる+側の端子板23a、23aと、陰極電極14の電気接続層14bに対応する受け刃からなる−側の端子板23bで構成され、これら端子板23a、23a、23bは、器具本体21に一体に形成された端子台23c内に電気絶縁を図って収納される。
そして、発光装置10が器具本体21に組み込まれることによって、図5(b)に示すように、陽極電極12の一対の電気接続層12b、12bが受け刃からなる端子板23a、23aに、また陰極電極14の電気接続層14bが受け刃からなる端子板23bに差し込まれ、端子板の弾性力で挟持される。これにより、発光装置10が器具本体21のコーナ部に機械的に支持されると共に、電気的な接続がなされる。
この際、各電気接続層12b、14bは、基板11の粗面R1の凹凸によって強固に密着し、機械的に強固な電極が構成されているので容易に剥離することがない。さらに、各電気接続層12b、14bの表面には、金からなる保護層12c、14cが形成され、この保護層は、中間層12d、14dによって強固に密着して形成されているので容易に剥離することがない。同時に、金が密着して形成されることによって確実な電気接続がなされると共に、電極の酸化が防止され、長期にわたり安定した電力の供給が可能な電気接続がなされる。
また、化粧枠22は、器具本体21と同様にPBT等の合成樹脂で構成され、略正方形をなす開口部22aを形成した枠体22bで構成される。開口部22aの内方には、発光装置10を下方から支持する支持部22cを一体に形成する。また図中24は、発光装置10を点灯するための点灯装置を内蔵した電源ユニットで、器具本体21の上面板に設置され外部の商用電源と接続される。なお、化粧枠22の開口部22aの開口面積は、発光装置10の基板11における光透過部11aの面積と略等しいか、若干広くなるように形成し、発光装置10から放射される光を遮断しないようにする。
上記に構成された、照明装置20は、図4(b)に示すように、被設置部材である天井面Xに設置されて使用される。すなわち、天井面Xには、あらかじめ、略正方形をなす設置孔30が形成されている。照明装置20の天井への設置に際しては、まず、器具本体21の電源ユニット24に商用電源からの電線を接続して器具の配線をなし、下方から設置孔30に挿入し、公知の一対の取付バネ体等の手段によって天井面に支持する。支持された器具本体21に対して、発光装置10を下方から挿入し、コーナ部の接続端子部T1を器具本体21のソケット23に差し込み、電気接続をなすと同時に発光装置10を器具本体21に支持する(仮止め)。
次に、化粧枠22を下方から差し込み、化粧枠22の支持部22cによって発光装置10の下面を支持し、ネジ等の固定手段によって化粧枠22を器具本体21の外周部に固定する。これにより発光装置10が確実に器具本体21に取り付けられ落下が防止される。上記に設置された照明装置20を点灯操作すると、電源ユニット24から直流電源が、ソケット23の受け刃23a、23a、23bを介して発光装置10の陽極電極12および陰極電極14の電気接続層12b、14bに供給され、発光層13が発光し白色の光が化粧枠22開口部22aを介して外部に放射され、所定の配光を持った照明が行われる(図4(b))。
また、本実施例の発光装置10によれば、光源である発光装置10を器具本体21対して着脱ができるように照明装置20が構成されるので、発光装置10を交換する際には、上記とは逆に化粧枠22を外し、発光装置10を器具本体21のソケット23から引き抜くことによって、新規な発光装置と交換すればよい。この交換作業は、従来から一般的に行われている白熱電球や蛍光灯などの交換と同様に簡単に行うことができる。また、この交換作業は、発光装置10が長期の使用にわたって劣化した場合に行われると共に、季節によって部屋の照明色を変更する場合、例えば、夏季は涼しげな青みがかった昼光色を、冬季は温かみのある電球色、春と秋は中間の昼白色等に変更する場合にも行われる。しかし、これら頻繁に行われる発光装置10の交換に際しても、上述したように、発光装置10の接続端子部T1である各電気接続層12b、14bは容易に剥離することがなく、また、これらの着脱操作によって磨耗することがなく、かつ確実な電気接続がなされる。同時に、金によって電極の酸化が防止され、長期にわたり安定した電力の供給が可能となる。
以上、本実施例によれば、陽極電極12と陰極電極14の電気接続層12b、14bは、基板11の電気接続部11bの粗面R1に形成され、各電気接続層12b、14bが粗面の凹凸に沿ってよく馴染み、アンカー効果による密着強度が向上し、容易に剥離することがない電極の機械的強度を向上させた発光装置を提供することができる。しかも、電極層12a、14aの膜厚は、基板11の粗面R1における凹凸の高さ寸法より薄く形成したので、電極層12a、14aが基板11のコーナ領域に強固に密着する。
また、各電気接続層12b、14bには、金からなる保護層12c、14cが形成され、電極の酸化が防止され、長期にわたり安定した電力の供給が可能な電気接続がなされ、耐候性を向上させた発光装置を提供することができる。同時に、寿命の長い発光装置10を提供することができる。さらに、中間層12d、14dが電極層12a、14aと保護層12c、14cとの密着性を高めると共に、アンカー効果によって剥離し難くなる。
また、本実施例の発光装置10によれば、光源である発光装置10を器具本体21対して着脱ができるように照明装置20を構成することができ、発光装置10を交換する際には、従来から一般的に行われている白熱電球や蛍光灯などの交換と同様に簡単に行うことができる。また、頻繁な交換が行われても発光装置10の各電気接続層12b、14bは容易に磨耗したり剥離することがなく、また確実な電気接続がなされる。同時に長期にわたり安定した電力の供給が可能な照明装置を提供することができ、寿命の長い照明装置を提供することができる。
また、発光装置10の接続端子部T1である陽極電極12および陰極電極14の各電気接続層12b、14bは、矩形状をなす基板11のデッドスペースとなり易いコーナ領域に設けられるので、基板11の光透過部11aの面積を狭めることなく接続端子部が構成され、陰極電極14のアルミニウムによる反射作用と相まって外部に取り出せる光束が増大し発光効率を向上させることができる。
また、照明装置10における電気接続部材であるソケット23も、器具本体21のデッドスペースとなるコーナ部に設けるだけの簡素な構造となり、コスト的にも有利な照明装置を提供することができる。また、発光装置の着脱操作もコーナ部にある接続端子部を、単にソケットに差し込む単純な操作、換言すれば、白熱電球や蛍光灯などの操作と何ら変わりなく、日常の馴れた簡単な操作によって行うことができる。
本実施例において、基板11は、コーナ領域の電気接続部11bを粗面R1となしたが、図6(a)に示すように、コーナ領域以外、すなわち、陽極電極12の電極層12aが形成される外周部分にわたって粗面R1を形成してもよい。これによれば、電気接続層12bから電極層12aの全体にわたって粗面R1の凹凸によるアンカー効果で、より強固に陽極電極12を基板11に対して形成することができる。
また、図6(b)にその断面を示すように、陽極電極12の各電気接続層12bは、低抵抗な金属膜、例えば、モリブデン(Mo)やアルミニウム(Al)等を用いた補助配線12b1をパターンニングしてもよい。これによれば、陽極電極における電流を均一化すると共に、密着性をより一層強固にすることができる。以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上述の実施例に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の設計変更を行うことができる。
10 発光装置
11 基板
11a 光透過部
11b 電気接続部
12 一方の電極
12c 保護層
12d 中間層
13 発光層
14 他方の電極
14c 保護層
14d 中間層
15 封止層
20 照明装置
21 器具本体
23 電気接続部材
R1 粗面
S1 間隔

Claims (3)

  1. 光透過部と電気接続部を有し、少なくとも電気接続部の表面を凹凸状の粗面に形成した透光性を有する基板と;
    少なくとも基板の光透過部および電気接続部の粗面に形成され、粗面に形成される厚さが粗面の凹凸の高さ寸法より薄く形成される一方の電極と;
    基板の光透過部に対向し前記一方の電極に形成される発光層と;
    発光層および前記基板の電気接続部の粗面に形成され、粗面に形成される厚さが粗面の凹凸の高さ寸法より薄く、かつ前記一方の電極と間隔を有して形成される他方の電極と;
    少なくとも発光層を覆うように形成される封止層と;
    を具備していることを特徴とする発光装置。
  2. 前記基板の電気接続部の粗面に形成される前記一方の電極および他方の電極は、その表面に粗面の凹凸の高さ寸法より厚い中間層が形成され、この中間層の上に金からなる保護層が形成されたことを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  3. 請求項1または2記載の発光装置と;
    発光装置における電気接続部の粗面に形成される一方の電極および他方の電極が接続され
    る電気接続部材を有する器具本体と;
    を具備していることを特徴とする照明装置。
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