JP5354061B2 - 遊技機の基板ケース - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機を制御する電子部品が実装された回路基板を収納するための基板ケースに関する。
従来、パチンコ機等の遊技機においては、その盤面の裏面側に、遊技の制御を行なう回路基板を収容した基板ケースが設置されている。例えばパチンコ機の場合、回路基板には遊技制御を行なう主制御装置や球払出装置を制御する払出制御装置等の制御回路をなすICや抵抗等の各種電子部品が実装されており、基板ケースはこの回路基板を外部から保護する役割をしている。
しかしながら、このようなパチンコ機が設置されたパチンコホールにて、主制御装置が大当たり等を判定するためのプログラムが記憶されたROMが不正に交換され、パチンコホールの運営者が多大な損害を被るといった問題が生じていた。
このため、近年ではこうした不正行為を防止するために、この基板ケースに封止部を設け、不正に開封されることを防止する技術が採用されている。具体的には、基板ケースのベース部材(パチンコ機に取り付けられる側の部材)に各種電子部品が実装された基板をボルト締めした後、カバー部材にて覆い、封止部にて封止する構造を採っている。尚、パチンコ機の基板ケースは、製造後にこの封止部を用いて一旦封止されるが、警察等の機関によってその開封を要求されることがあるため、複数回封止可能となっている。
この封止部の具体的構成としては、例えば、ベース部材及びカバー部材の周端縁に夫々複数個のボスを設け、ベース部材をカバー部材で覆うと両者のボスの位置が整合する構成が採用されている。そして、このように位置が整合したボスのいずれかがワンウェイねじ等で固定されることにより、ベース部材とカバー部材とが固定され、上記回路基板がこれらベース部材とカバー部材とにより形成される収納空間に封止される。この場合、基板ケースの開封は、ワンウェイねじ等が固定されたボスを基板ケースから切断することにより行われ、再度封止する際には、不使用のボスのいずれかが再度ワンウェイねじ等で固定される。
ところで、上記ワンウェイねじは、そのねじ頭に特殊な加工が施されており、通常の工具を用いて締結方向に回すことができても、その逆方向(緩める方向)に回してリバースすることはできないようになっている。このため、このワンウェイねじを上述のように整合したボスに対して一方向に螺入することにより、ベース部材とカバー部材とを離脱困難に固定できる。
しかし近年、特殊な工具により上記ワンウェイねじをリバースさせて基板ケースの封止を解除し、上述したROMを不正に交換する者が現れるようになった。
そこで、このようなワンウェイねじではなく、一端に逆止片を他端にフランジ状の係止部を有する固定部材を採用し、この固定部材を上述のように整合したボスに設けられた孔に対して一方向に挿入することにより、ベース部材とカバー部材とを離脱困難に固定する構成も採用されている。
そして、このような嵌め込み式の固定部材を採用することにより、特殊な工具を用いてもこれを取り外すことができず、第三者の不正行為を効果的に防止できるようになった。しかも、固定部材を孔に挿入するのみでよいため、その取付作業を簡易かつ迅速に行える。
しかしながら、上記ボスは、通常、収納空間側から外方に連設された切断可能なリブの先端に設けられた筒状部材から構成されるが、当該リブが精巧に切断され、回路基板上のROMが不正に交換された後、巧妙に接着剤等で修復された場合には、点検者がその不正行為の痕跡に気付かないおそれがある。
本発明はかかる課題に鑑みなされたものであり、回路基板を実装した基板に対し、不正行為が行われることを有効に防止するための基板ケースの封止構造を提供することを目的とする。
求項記載の基板ケースは、
遊技機に固定されるベース部材と、
該ベース部材に組み付けられ、該ベース部材との間に所定の収納空間を形成するカバー部材と、
該ベース部材と該カバー部材とを重合させた状態で該両部材に取り付けられ、該両部材を取り外し不能に固定する一又は複数の固定部材と、
該固定部材を前記両部材に取り付けることにより、遊技機を制御する電子部品が実装された回路基板を、前記収納空間に一又は複数回封止可能な封止構造と、
前記固定部材毎にその封止状態を解除する開封構造と、
を備えた遊技機の基板ケースにおいて、
前記ベース部材と前記カバー部材の外縁に、前記封止構造を側圧より保護する壁部材が補強リブを介して設けられ、
前記開封構造は、前記側壁部材における前記収納空間に対向する側に連設して設けられ、
隣接する前記開封構造の間に前記補強リブが存在することを特徴とする。
かかる構成によれば、封止構造に対して側方からの衝撃があっても、側壁部材により保護される
この具体的構成としては、例えば請求項に記載のように、前記カバー部材に設けられた前記側壁部材における前記収納空間に対向する側に連設された切断可能な支持リブを介して前記収納空間の外側に設けられた一又は複数の第1筒状部材と、前記ベース部材に設けられた前記側壁部材における前記収納空間に対向する側に連設された切断可能な支持リブを介して設けられ、前記カバー部材を前記ベース部材に組み付けた際に、前記第1筒状部材の各々に同軸状に当接可能な位置に配置された一又は複数の第2筒状部材と、を備えたものが考えられる。この場合、上記封止構造は、第1筒状部材、第2筒状部材、及びこれらに取り付けられる一又は複数の上記固定部材から構成され、上記開封構造は、第1筒状部材及び第2筒状部材に連設された上記支持リブから構成される。
このように、第1筒状部材及び第2筒状部材が、外側に設けられた側壁部材から内方(収納空間の方向)に向かって延設された支持リブに連設されているため、当該支持リブが不正行為により(例えばカッターナイフ等により)精巧に切断された後、巧妙に接着剤等で修復された場合にも、これを発見することができる。
すなわち、カバー部材の正面から支持リブを観察した場合には、不正行為による切断箇所である支持リブと側壁部材の接続部分を接着剤で再度付け直した痕跡が確認できないことがある。
しかし本発明の場合、側壁部材の側方から支持リブを投影させるように観察することで、不正行為が行われた部分が、透明な合成樹脂同士を接着剤で接続した場合に起こる接着剤の性質上白く濁った不透明な状態になるため、その痕跡から明らかに基板ケースを観視する者から見て取ることができ、不正行為を早急に発見することができる。
次に、請求項に記載の基板ケースは、請求項1又は2に記載の遊技機の基板ケースにおいて、前記カバー部材には、前記封止構造を外部から遮蔽すると共に、該封止構造との間に前記各々の固定部材を一時的に保持して待機させる待機空間を形成する被覆部材が装着されたことを特徴とする。
かかる構成によれば、上述したように、複数設けられた固定部材は待機空間に保持されており、基板ケースの封止のために機能させる固定部材のみが連通孔内に押圧挿入され、その他の固定部材はカバー部材内で待機した状態となっている。このため、いずれ封止に使用される複数の固定部材をカバー部材側で保持することができその管理が容易となる。しかも、封止の際には、待機状態にある固定部材のいずれかを筒状部材内に押し込むだけでよいため、取扱が極めて容易となる。
請求項4に記載の基板ケースは、請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機の基板ケースにおいて、前記固定部材は樹脂材料から形成され、その少なくとも前記カバー部材側に露出する部分には、金属材料からなる保護部材が装着されていることを特徴とする。
かかる基板ケースによれば、製造コスト等の観点より固定部材が樹脂材料から形成されているが、この固定部材の露出部分が金属材料からなる保護部材により保護されているため、鋭利な工具を用いてもこれを破壊することは極めて困難である。このため、第三者が固定部材を破壊することにより基板ケースの封止状態を解除することは極めて困難となり、上述のような不正行為を有効に防止することができる。
本発明の実施例に係る遊技機の基板ケースの斜視図である。 実施例の基板ケースの分解斜視図である。 実施例の基板ケースを構成するカバー部材及びベース部材の背面図である。 実施例の固定部材を表す説明図である。 基板ケースの封止構造を表す説明図である。 カバー部材とベース部材との組み付け構造を表す説明図である。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。図1は本実施例にかかる遊技機の基板ケース(以下、単に「基板ケース」という)の斜視図であり、図2は当該基板ケースの分解斜視図である。尚、当該基板ケースは、図示しないパチンコ機の盤面の裏側略中央に取り付けられ、画像制御基板や賞球制御基板等とコネクタを介して結線されるものである。
図1に示すように、基板ケース1は、パチンコ機に直接取り付けられる略長方形状のベース部材10と、ベース部材10に組み付けられる長方形状のカバー部材20とを備えている。これらベース部材10及びカバー部材20は、共に透明の合成樹脂から形成されている。
まず、カバー部材20について説明する。
図2に示すように、カバー部材20は無蓋箱状の本体21を有し、その内部には、遊技機を制御する電子部品が実装された回路基板61が螺合固定される。そして、この状態からカバー部材20をベース部材10に重合させた状態で、後に詳述する固定部材50によりこれらを固定することにより、カバー部材20とベース部材10との間に形成される収納空間に回路基板61が封止されるように構成されている。
より詳しくは、カバー部材20は上下対称かつ左右対称に構成されており、図3(a)にその背面図を示すように、本体21の左右側面に上下方向に等間隔に設けられ外方に延出する複数の補強リブ22を介して、本体21の側面に平行に延びる平板状の透明な合成樹脂からなる側壁部材23が設けられている。そして、隣接する補強リブ22の間に位置する側壁部材23の内面からは、本体21に向かって支持リブ24が延設されており、その先端に円筒状の筒状部材25(第1筒状部材)が連設されている。この筒状部材25は、内部にベース部材10側に小径化する段差部を有し(後述する)、カバー部材20において左右対称に4個づつ計8個設けられている。
また、本体21の上下側面からは、外方に延びるフランジ部26がそれぞれ設けられ、このフランジ部26の先端縁には、ベース部材10との重合方向に延出した側壁部27が連設されている。そして、この側壁部27の外面の左右方向に等間隔に設けられ外方に延出する複数の補強リブ28を介して、本体21の側面に平行に延びる平板状のガイド部材29が設けられている。尚、フランジ部26には、回路基板61に設けられたコネクタ群を外部に露出させるための複数のコネクタ窓26aが形成されている。
そして、側壁部27とガイド部材29との間には、互いに隣接する一方の補強リブ28の側壁部27側から当該側壁部27に沿って延びる4つの係合部31が突設され、隣接する他方の補強リブ28とこの係合部31との間に、後述するベース部材10側の係合部を挿入してスライドさせるための鈎状の開口部32が形成されている。尚、この係合部31は、隣接する補強リブ28に対し一つおきに設けられ、係合部31が設けられてない補強リブ28間は、板状の架橋部材33により閉口されている。
さらに、上述したフランジ部26は本体21の左右にも延出し、上記補強リブ22のうち上下の両端に配置されたものにそれぞれ連設してフランジ部34を構成する。そして、図2に示すように、この左右に延出した上下のフランジ部34の部分をそれぞれ架橋する態様で一対の被覆部材35が装着されている。
これら被覆部材35は、ベース部材10側に開口する無蓋箱状に形成され、上記フランジ部34に対向して立設された二つの支持部36に挟持される態様で、当該フランジ部34に螺合固定される。そして、その各々が上記4つの筒状部材25を被覆してこれらを外部から遮蔽している。
また、図5に図1のA−A断面を示すように、被覆部材35の上壁部35aにおいて4つの筒状部材25に対応する位置には、これら筒状部材25と同様の形状を有する4つの筒状部35bが重合方向に延設され、これら筒状部35bの孔と対応する筒状部材25の孔とが連通するように構成されている。そして、固定部材50が、筒状部材25の下端に設けられた段差部25aにより支持され、筒状部35bと筒状部材25との間に形成される待機空間に保持されるようになっている。尚、この構成の詳細については後述する。
さらに、被覆部材35の上壁部35aにおいて各固定部材50に対向する位置には、所定の棒状部材を挿通可能な小孔35cが穿設されており、この小孔35cに棒状部材を挿通して、いずれかの固定部材50をベース部材10側へ押圧することができるようになっている。
また、図3(a)に示すように、カバー部材20の本体21の隅部には、4つのボス37が設けられており、図2に示すように、このボス37に回路基板61が螺合固定される。この際、回路基板61は、図示しない電子部品群が設けられた側の面がカバー部材20内を向くように固定される。
尚、回路基板61をカバー部材20のボス37に固定する際には、回路基板61とカバー部材20との間に上下一対のコネクタカバー62が介装される。このコネクタカバー62は、回路基板61上に設けられた図示しないコネクタ群の各コネクタの形状に対応した穴63が形成された枠状部材であり、回路基板61をカバー部材20に固定すると、コネクタ群が穴63及びコネクタ窓26aを介してカバー部材20から露出されるようになっている。
次に、ベース部材10について説明する。
ベース部材10は上下対称かつ左右対称に構成されており、図3(b)にその背面図を示すように、無蓋箱状の本体11の左右側面に上下方向に等間隔に設けられ外方に延出する複数の補強リブ12を介して、本体11の側面に平行に延びる平板状の側壁部材13が設けられいる。そして、隣接する補強リブ12間の空間に、本体11の側面から延設された支持リブ14と側壁部材13の内面から延設された支持リブ16とにより筒状部材(第2筒状部材)15が支持されている。この筒状部材15は、上記筒状部材25と同様の形状を有し、ベース部材10において左右対称に4個づつ計8個設けられている。そして、さらにこれら筒状部材15の開口部には、図2及び図5(a)に示すように、逆止リング17が同軸状に装着されている。この逆止リング17は、固定部材50の後述する逆止片を係止するためのものであり、その外径が筒状部材15の内径に一致し、内径が筒状部材25の小径部25bの内径にほぼ一致する筒状体からなる。そして、その一端に設けられたフランジ部17aが筒状部材15の開口部に係止されるようになっている。逆止リング17は、そのフランジ部17aが筒状部材15に接着されて固定される。そして、カバー部材20が重合した際には、図5に示すように、筒状部材25と筒状部材15とが同軸状に配置されるように構成されている。
また、図6(a)に図1のB−B断面図を、図6(b)にその分解図を示すように、本体11の上下の側壁部11aからは、カバー部材20の4つの係合部31にそれぞれ係合可能な4つの鈎状の係合部18がカバー部材20側に向かって突設されている(図2及び図3(b)参照)。この係合部18は、側壁部11aに沿って左右に延びると共にカバー部材20側に延出した突出部18aと、この突出部18aの左右方向の一端から内方に延びると共にカバー部材20側に延出した突出部18bの先端に、これら両突出部の端縁を二辺とする長方形状の小片部18cが連設された形状を有する。この小片部18cは、上記カバー部材20側の開口部32に挿通可能な大きさに形成されており、当該係合部18がカバー部材20側の係合部31に沿ってスライドすると、その突出部18bが係合部31の端縁に当接して係止されるようになっている。
また、本体11の側壁部11aよりも内側の位置には、4つの係合部18と対向するように、左右方向に延びる防護リブ19がカバー部材20側に突設されており、図6(a)のようにカバー部材20がベース部材10に組み付けられた際には、カバー部材20の側壁部27が、係合部18と防護リブ19とにより挟持されつつ支持されるようになっている。そして更に、このガイド部材29とカバー側壁部27から延設された係合部31とにより、カバー部材20の係合部18を挟持する態様で、カバー部材20とベース部材10とが固定されている。このため、第三者が外方から側壁部27を内方に押し込んでカバー部材20をベース部材10から脱離させる等の不正行為が有効に防止される。
次に、固定部材50について説明する。
固定部材50は、図4に示すように、下方にやや縮径した円柱状の本体51の上端部にフランジ状の係止部52が形成され、その中央から下端にかけて軸線に沿った所定幅のスリット53が形成されている。このため、固定部材50の下部はスリット53の幅方向に所定量弾性変形できるようになっている。また、本体51の下端には、外径方向に突出した逆止片54が設けられている。この逆止片54は、固定部材50の下端側から上方に向かってその断面が大きくなるテーパ状に形成され、その下端部が挿入部54aを、上端部が係止部54bをそれぞれ形成している。従って、固定部材50が所定の孔に挿入される際には、挿入部54aがテーパ状になっていることから孔入口にスムーズに導入され、さらに固定部材50がその下部で撓みながら孔内にスムーズに挿入される。そして、逆止片54が孔を貫通すると、固定部材50の下端部が弾性復帰して係止部54bが係止されるため、固定部材50を挿入方向とは逆方向に引き抜くことは不可能となる。
また、固定部材50の上端部には、ワッシャ55を介してワンウェイねじ56が螺入されている。このワッシャ55には、その外径が係止部52の上端面の外径と同一のものが使用されているため、固定部材50の係止部52の表面は、金属部材により覆われるようになっている。尚、このワンウェイねじ56は、周知のように、締結方向にのみ回動可能に構成されたねじであり、一旦係止部52に螺入されると、工具を用いてこれをリバースさせることは極めて困難となる。
そして、この固定部材50は、図5において最も左側の固定部材50のように、その逆止片54が筒状部材25の段差部25aに支持され、係止部52が筒状部35bの内壁に支持される態様で、被覆部材35と筒状部材25との間に形成される待機空間に一時的に保持される。尚、カバー部材20に配置された固定部材50の全てがこの待機空間に保持されている状態においては、カバー部材20はベース部材10に対して固定されないため、そのスライド方向に動作させることが可能である。
次に、基板ケース1の封止方法について説明する。
基板ケース1の封止の際には、まず、上述のように回路基板61が組み付けられたカバー部材20を、ベース部材10に重合させる。この際、カバー部材20の開口部32にベース部材10の小片部18cを突き合わせてその係合部18を挿入する。そして、カバー部材20の係合部31とベース部材10の係合部18とを係合させる方向に、カバー部材20をベース部材10に対してスライドさせる。
そして、係合部31の先端がベース部材10の係合部18に係止されることにより重合状態となり、この状態から所定の棒状部材をカバー部材20の小孔35cに挿通し、上述した待機空間にて待機状態にある固定部材50のいずれかを押圧して、これを筒状部材25及び筒状部材15により形成される連通孔58内に挿入する。すると、図5において左から2番目の固定部材50のように、固定部材50が筒状部材25の小径部25bと逆止リング17内部により形成される連通孔58内に挿通される。このとき、固定部材50の逆止片54が逆止リング17の端面に、係止部52が筒状部材25の段差部25aにそれぞれ係止されることにより、固定部材50がベース部材10とカバー部材20とを挟持する態様でこれらを互いに固定して基板ケース1を封止する。このとき、固定部材50は連通孔58に対して遊嵌されているため、自軸周りに回動可能となっている。
尚、この封止作業においては、左右に4対(計8個)配設された固定部材50のうち、左右対称に配置された一対(2個)が使用されるため、本実施例の場合、パチンコ機の出荷時を含めて計4回の封止が可能となっている。
また、封止状態を解除する際には、このとき用いられた固定部材50を保持する筒状部材25の支持リブ24及び筒状部材15の支持リブ14、16をニッパ等の工具により切断して取り除き、上述した操作を逆に行なえば、カバー部材20をベース部材10から離脱させることができる。
そして、このように封止された基板ケース1は、電磁波シールド用(不正行為防止用)の金属板70を介してパチンコ機の盤面の裏側に装着される。
以上のように、本実施例の基板ケース1においては、固定部材50の係止部の露出部分が金属材料からなるワンウェイねじ56により保護されているため、これを破壊することは極めて困難である。また、固定部材50が筒状部材25及び筒状部材15により形成される連通孔58に対して自軸周りに回転可能に遊嵌されているため、特殊な工具を用いることによりワンウェイねじ56をリバースさせようとしても、ワンウェイねじ56が固定された固定部材50自体が自軸周りに回動してしまうため、結局、固定部材50に対してワンウェイねじ56をリバース方向に回動させることができず、これを取り除くことができない。
このため、第三者が固定部材50を破壊することにより基板ケース1の封止状態を解除することは極めて困難となり、その不正行為を有効に防止することができる。
カバー部材20及びベース部材10が透明な樹脂材料から形成され、筒状部材15及び筒状部材25が、共に外側に設けられた側壁部材から内方(収納空間の方向)に向かって延設された支持リブ24、16に連設されているため、当該支持リブが不正行為により精巧に切断された後、巧妙に接着剤等で修復された場合にも、側壁部材の側方から支持リブ24又は16の変化を観察することにより、これを容易に発見することができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施例では、固定部材50の頭部にワンウェイねじ56が取り付けられているが、ワンウェイねじ56の代わりに単なる金属板を採用し、これを固定部材50の係止部の表面に接着してもよい。或いは、係止部を含む固定部材50の頭部に予め嵌合用の溝を形成しておき、金属片に突設した嵌合部を、これに圧入嵌合させる構成としてもよい。
1・・・基板ケース、 10・・・ベース部材、 12・・・補強リブ、
13・・・側壁部材、 14,16・・・支持リブ、 15・・・筒状部材、
20・・・カバー部材、 22・・・補強リブ、 23・・・側壁部材、
24・・・支持リブ、 25・・・筒状部材、 35・・・被覆部材、
35c・・・小孔、 50・・・固定部材、 56・・・ワンウェイねじ

Claims (4)

  1. 遊技機に固定されるベース部材と、
    該ベース部材に組み付けられ、該ベース部材との間に所定の収納空間を形成するカバー部材と、
    該ベース部材と該カバー部材とを重合させた状態で該両部材に取り付けられ、該両部材を取り外し不能に固定する一又は複数の固定部材と、
    該固定部材を前記両部材に取り付けることにより、遊技機を制御する電子部品が実装された回路基板を、前記収納空間に一又は複数回封止可能な封止構造と、
    前記固定部材毎にその封止状態を解除する開封構造と、
    を備えた遊技機の基板ケースにおいて、
    前記ベース部材と前記カバー部材の外縁に、前記封止構造を側圧より保護する壁部材が補強リブを介して設けられ、
    前記開封構造は、前記側壁部材における前記収納空間に対向する側に連設して設けられ、
    隣接する前記開封構造の間に前記補強リブが存在することを特徴とする遊技機の基板ケース。
  2. 前記カバー部材に設けられた前記側壁部材における前記収納空間に対向する側に連設された切断可能な支持リブを介して前記収納空間の外側に設けられた一又は複数の第1筒状部材と、
    前記ベース部材に設けられた前記側壁部材における前記収納空間に対向する側に連設された切断可能な支持リブを介して設けられ、前記カバー部材を前記ベース部材に組み付けた際に、前記第1筒状部材の各々に同軸状に当接可能な位置に配置された一又は複数の第2筒状部材と、
    を備え、
    前記封止構造は、前記第1筒状部材、前記第2筒状部材、及びこれらに取り付けられる一又は複数の前記固定部材から構成され、
    前記開封構造は、前記第1筒状部材及び前記第2筒状部材に連設された前記支持リブから構成されたことを特徴とする請求項記載の遊技機の基板ケース。
  3. 前記カバー部材には、前記封止構造を外部から遮蔽すると共に、該封止構造との間に前記各々の固定部材を一時的に保持して待機させる待機空間を形成する被覆部材が装着されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機の基板ケース。
  4. 前記固定部材は樹脂材料から形成され、その少なくとも前記カバー部材側に露出する部分には、金属材料からなる保護部材が装着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機の基板ケース。
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