JP5353469B2 - 酸転写樹脂膜形成用組成物及びこれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
酸転写樹脂膜形成用組成物及びこれを用いたパターン形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5353469B2 JP5353469B2 JP2009148056A JP2009148056A JP5353469B2 JP 5353469 B2 JP5353469 B2 JP 5353469B2 JP 2009148056 A JP2009148056 A JP 2009148056A JP 2009148056 A JP2009148056 A JP 2009148056A JP 5353469 B2 JP5353469 B2 JP 5353469B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- resin film
- acid
- polymer
- composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
Description
これに対して、下記特許文献1〜5に開示されるように、被パターン化膜内に酸発生剤が含まれなくともパターン形成できる技術が知られている。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、酸の拡散の選択性に優れ、その結果、感度が向上し、優れた寸法安定性が得られる酸転写樹脂膜を得ることができる酸転写樹脂膜形成用組成物、これを用いてなる酸転写樹脂膜、及びこの酸転写樹脂膜を用いて既存のフォトリソプロセスによりパターン形成できるパターン形成方法を提供することを目的とする。
〈1〉(A)側鎖に含窒素基を有する重合体と、
(B)イミドスルホネート基を有する感放射線性酸発生剤、及び
(C)下記式(1)に示す化合物と、を含有することを特徴とする酸転写樹脂膜形成用組成物。
〈2〉前記重合体(A)は、下記式(2)に示す構成単位を含む前記〈1〉に記載の酸転写樹脂膜形成用組成物。
〈3〉前記感放射線性酸発生剤(B)として、下記式(3)に示す化合物を含有する前記〈1〉又は〈2〉に記載の酸転写樹脂膜形成用組成物。
〈4〉前記感放射線性酸発生剤(B)は、前記重合体(A)100質量部に対して10〜200質量部含まれる前記〈1〉乃至〈3〉のうちのいずれかに記載の酸転写樹脂膜形成用組成物。
〈5〉前記化合物(C)は、前記感放射線性酸発生剤(B)100質量部に対して10〜200質量部含まれる前記〈1〉乃至〈4〉のうちのいずれかに記載の酸転写樹脂膜形成用組成物。
〈6〉前記重合体(A)は、水酸基を有さない重合体である前記〈1〉乃至〈5〉のうちのいずれかに記載の酸転写樹脂膜形成用組成物。
〈7〉前記重合体(A)は、酸解離性基を有さない重合体である前記〈1〉乃至〈6〉のうちのいずれかに記載の酸転写樹脂膜形成用組成物。
〈8〉(I)酸解離性基を有する樹脂を含有し、且つ感放射線性酸発生剤を含有しない第1樹脂膜上に、
前記〈1〉乃至〈7〉のうちのいずれかに記載の酸転写樹脂膜形成用組成物を用いてなる酸転写樹脂膜としての第2樹脂膜を形成する第2樹脂膜形成工程と、
(II)マスクを介して前記第2樹脂膜を露光し、前記第2樹脂膜に酸を発生させる露光工程と、
(III)前記第2樹脂膜に発生した前記酸を前記第1樹脂膜に転写する酸転写工程と、
(IV)前記第2樹脂膜を除去する第2樹脂膜除去工程と、を備えることを特徴とするパターン形成方法。
前記重合体が、更に、前記式(2)に示す構成単位を有する場合は、発生された酸の転写効率をより良くコントロールできる。
前記感放射性酸発生剤が、前記式(3)に示す化合物を含む場合は、この化合物を含まない場合に比べて、更に、優れた酸転写の選択性を発揮させることができ、とりわけ良好なパターンを形成できる。
感放射線性酸発生剤(B)が重合体(A)100質量部に対して10〜200質量部含まれる場合は、より優れた酸転写の選択性が得られる。
化合物(C)が感放射線性酸発生剤(B)100質量部に対して10〜200質量部含まれる場合は、より優れた酸転写の選択性が得られる。
重合体(A)が水酸基を有さない重合体である場合は、より優れた酸転写の選択性が得られる。
重合体(A)が酸解離性基を有さない重合体である場合は、より優れた酸転写の選択性が得られる。
[1]酸転写樹脂膜形成用組成物
本発明の酸転写樹脂膜形成用組成物は、(A)側鎖に含窒素基を有する重合体と、(B)イミドスルホネート基を有する感放射線性酸発生剤、及び(C)下記式(1)に示す化合物と、を含有することを特徴とする。
前記「(A)側鎖に含窒素基を有する重合体」(以下、単に「重合体(A)」ともいう)は、これが含有されることで、酸発生剤(B)から酸が発生された際に、酸転写樹脂膜内における不要な酸の拡散を防止することができる(即ち、酸拡散防止樹脂として機能する)。このため、他層に対する意図しない酸転写(酸の拡散)も防止でき、感度が向上し、得られるパターンの解像度を向上させることができる。
これらのなかでは、アミン基が好ましい。前記アミン基のR1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状の炭化水素基、炭素数3〜10の環状の炭化水素基を表す。また、前記アミン基のR1及びR2は互いに結合して、3〜10員環の単環式ヘテロ環、又は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子の群から選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を介して結合して4〜10員環の単環式ヘテロ環を形成してもよい。
即ち、前記式(4)においてR2及び/又はR3が炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状の炭化水素基となる単量体(Am1)としては、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
更に、前記式(4)における、R2及びR3とが互いに結合して形成された3〜10員環の単環式ヘテロ環、又は、R2及びR3とが窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子の群から選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を介して結合して形成された4〜10員環の単環式ヘテロ環、を有する単量体(Am1)としては、N−(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
ボルニル基、イソボルニル基等の橋かけ環式炭化水素基などの脂環式基;が挙げられる。
尚、前記式(6)におけるR2は、後述する式(12)を構成する酸解離性基(X){即ち、後述する式(11)}であってもよいが、R2は酸解離性基(X)でないことが好ましい。
これらの(メタ)アクリレート化合物のなかでは、メチルメタクリレートが特に好ましい。
更に、重合体(A)の前記Mwと、GPCで測定したポリスチレン換算数分子量(以下、「Mn」という。)との比(Mw/Mn)についても特に限定はなく、適宜選定できるが、通常、1〜10であり、好ましくは1〜8であり、更に好ましくは1〜3である。
前記「(B)感放射性酸発生剤」(以下、単に「酸発生剤(B)」ともいう)は、露光により酸を発生する感放射性能を有すると共にイミドスルホネート基を有する酸発生剤である。本酸転写樹脂膜形成用組成物は、後述する酸転写樹脂膜を形成でき、形成された酸転写樹脂膜は、露光により酸発生剤(B)から発生された酸を、被パターン化樹脂膜へと転写できる。通常、被パターン化樹脂膜には酸解離性基含有樹脂が含有され、転写された酸により酸解離性基が解離されて(保護基が脱離され)、被パターン化樹脂膜には、アルカリ可溶性部位とアルカリ非可溶性部位とからなるパターンが形成される。
更に、前記直鎖又は分枝のアルキル基は1つ又は2つ以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、オキソ基(=O)、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、アルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。2つの以上の置換基を有する場合にあっては、各置換基は同じであってもよく異なっていてもよい。
これらのなかでも、R1としてメチル基を備えた酸発生剤(B)としては、下記式(8)に示す化合物が挙げられる。
これらのなかでも、ノルボルナン骨格を有する脂環式のアルキル基が好ましく、更には、ノルボルナノン骨格を有する脂環式のアルキル基がより好ましく、特にカンファー骨格を有する脂環式のアルキル基が好ましい。
R1として、このカンファー骨格を有する脂環式のアルキル基を備えた酸発生剤(B)としては、下記式(9)に示す化合物が挙げられる。
このアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、トリル基、p−メトキシフェニル基、メシチル基、o−クメニル基、キシリル基等が挙げられる。
なかでも、R1として、トリル基(特にp−トリル基)を備えた酸発生剤(B)としては、下記式(10)に示す化合物が挙げられる。
前記ジアゾケトン化合物としては、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物などが挙げられる。
前記スルホン化物としては、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらの化合物のα−ジアゾ化合物などが挙げられる。
前記スルホン酸化合物としては、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネートなどが挙げられる。
前記ジアゾメタン化合物としては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル−1,1−ジメチルエチルスルホニルジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
前記「(C)化合物」は、下記式(1)で表されるチオキサントン(チオキサンテン−9−オン)又はその誘導体である。この化合物(C)は、前記酸発生剤(B)に対して高い光増感性を発揮できる。
前記有機溶剤(D)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、ブチルエチルエーテル、ブチルプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、tert−ブチル−メチルエーテル、tert−ブチルエチルエーテル、tert−ブチルプロピルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、シクロヘキシルエチルエーテル、シクロペンチルプロピルエーテル、シクロペンチル−2−プロピルエーテル、シクロヘキシルプロピルエーテル、シクロヘキシル−2−プロピルエーテル、シクロペンチルブチルエーテル、シクロペンチル−tert−ブチルエーテル、シクロヘキシルブチルエーテル、シクロヘキシル−tert−ブチルエーテル等のアルキルエーテル類;
デカン、ドデカン、ウンデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類等が挙げられる。
更に、酸転写樹脂膜形成用組成物全体の粘度は特に限定されず、酸転写樹脂膜形成用組成物を塗布する方法等により適宜の粘度とすればよいが、例えば、温度25℃おける粘度を1〜100mPa・sとすることができる。この粘度は2〜80mPa・sが好ましく、3〜50mPa・sがより好ましい。
この界面活性剤(E)を用いる場合、その量は特に限定されないが、通常、前記重合体(A)の全量100質量部に対して0.01〜0.5質量部であり、好ましくは0.02〜0.1質量部である。
本発明のパターン形成方法は、図1に例示するように、
(I)酸解離性基を有する樹脂を含有し、且つ感放射線性酸発生剤を含有しない第1樹脂膜10上に、本発明の酸転写樹脂膜形成用組成物を用いてなる酸転写樹脂膜としての第2樹脂膜20を形成する第2樹脂膜形成工程と、
(II)マスク30を介して前記第2樹脂膜20に露光し、前記第2樹脂膜20に酸を発生させる露光工程と、
(III)前記第2樹脂膜20に発生した前記酸を前記第1樹脂膜10に転写する酸転写工程と、
(IV)前記第2樹脂膜20を除去する第2樹脂膜除去工程と、をこの順に備えることを特徴とする。
第2樹脂膜形成工程(I)は、第1樹脂膜(被パターン化樹脂膜)上に第2樹脂膜(酸転写樹脂膜)を形成する工程である。
〈1〉第1樹脂膜(被パターン化樹脂膜)
前記「第1樹脂膜」は、酸解離性基を有する樹脂(以下、単に「酸解離性基含有樹脂」ともいう)を含有し、且つ感放射線性酸発生剤を含有しない樹脂膜である。そして、通常、第1樹脂膜は、アルカリ不溶性又はアルカリ難溶性であり、酸解離性基含有樹脂から酸解離性基が解離することでアルカリ可溶性となる。ここでいう「アルカリ不溶性又はアルカリ難溶性」とは、酸解離性基含有樹脂のみを用いた被膜を後述する実施例におけるアルカリ現像条件下で現像した場合に、当該被膜の初期膜厚の50%以上が残存する性質を意味する。一方、「アルカリ可溶性」とは前記条件において50%を越えて溶解される性質を意味する。
前記「酸解離性基」は、酸の作用により解離する基であり、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基等の酸性基中の水素原子を置換する基を意味する。この酸解離性基としては、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、(チオテトラヒドロピラニルスルファニル)メチル基、(チオテトラヒドロフラニルスルファニル)メチル基や、アルコキシ置換メチル基、アルキルスルファニル置換メチル基、下記式(11)で表される基(以下、「酸解離性基(X)」という。)等を挙げることができる。
この場合、酸解離性基含有樹脂中の分岐構造の導入率は、該分岐構造やそれが導入される樹脂の種類により適宜選定することができるが、全構成単位に対して10モル%以下であることが好ましい。
酸解離性基含有樹脂のMwとGPCで測定したポリスチレン換算数分子量(以下、「Mn」という。)との比(Mw/Mn)についても特に限定はなく、適宜選定することができるが、通常、1〜10、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜5である。
アルカリ可溶性樹脂を製造する際の重合性不飽和単量体の重合及び酸解離性基(X)を有する1種以上の重合性不飽和単量体の重合は、使用される重合性不飽和単量体や反応媒質の種類等に応じて、ラジカル重合開始剤、アニオン重合触媒、配位アニオン重合触媒、カチオン重合触媒等の重合開始剤或いは重合触媒を適宜に選定し、塊状重合、溶液重合、沈澱重合、乳化重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合等の適宜の重合形態で実施することができる。
また、酸解離性基(X)を有する1種以上の重縮合性成分の重縮合は、好ましくは酸性触媒の存在下、水媒質中又は水と親水性溶媒との混合媒質中で実施することができる。
この溶剤としては、前記溶剤(D)をそのまま適用できる。溶剤は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。また、第1樹脂膜形成用組成物と酸転写樹脂膜形成用組成物との各々含有される溶剤は同じであってもよく異なっていてもよい。
更に、第1樹脂膜形成用組成物全体の粘度は特に限定されず、第1樹脂膜脂膜形成用組成物を塗布する方法等により適宜の粘度とすればよいが、例えば、温度25℃おける粘度を1〜100mPa・sとすることができる。この粘度は2〜80mPa・sが好ましく、3〜50mPa・sがより好ましい。
第1樹脂膜形成用組成物に界面活性剤が含有される場合、その量は特に限定されないが、通常、前記酸解離性基含有樹脂の全量100質量部に対して0.01〜1質量部であり、好ましくは0.02〜0.8質量部である。
更に、その他、第1樹脂膜形成用組成物には、架橋剤、ハレーション防止剤、保存安定化剤、着色剤、可塑剤、消泡剤等を適宜配合することができる。
更に、形成された第1樹脂膜の厚さは特に限定されないが、通常、1〜1000nmであり、5〜500nmとすることが好ましく、10〜100nmとすることが更に好ましい。
更に、第1樹脂膜形成用組成物を塗布した後、必要に応じて、プレベーク(PB)することによって塗膜中の溶剤を揮発させることで第1樹脂膜を形成してもよい。このプレベークの加熱条件は、第1樹脂膜形成用組成物の配合組成によって適宜選択されるが、加熱温度は、通常、30〜150℃程度、好ましくは50〜130℃である。更に、加熱時間は、通常、30〜300秒間、好ましくは60〜180秒間である。
前記「第2樹脂膜(酸転写樹脂膜)」は、第1樹脂膜10上に形成される樹脂膜であって、本発明の酸転写樹脂膜形成用組成物を用いてなる酸転写樹脂膜である。この酸転写樹脂膜は、前述の通り、酸転写樹脂膜形成用組成物を用いてなり、重合体(A)と酸発生剤(B)と化合物(C)とを含有する。従って、第2樹脂膜を露光した場合、酸発生剤(B)が第2樹脂膜内で酸を発生させることができ、尚かつ、発生された酸は重合体(A)の作用により第2樹脂膜内における不要な拡散が防止され、更に、第1樹脂膜に対する意図しない酸転写(酸の拡散)も防止することができる。
更に、酸転写樹脂膜形成用組成物を塗布した後、必要に応じて、プレベーク(PB)することによって塗膜中の溶剤を揮発させることで第2樹脂膜(酸転写樹脂膜)を形成してもよい。このプレベークの加熱条件は、酸転写樹脂膜形成用組成物の配合組成によって適宜選択されるが、加熱温度は、通常、30〜150℃程度、好ましくは50〜130℃である。更に、加熱時間は、通常、30〜300秒間、好ましくは60〜180秒間である。
また、第1樹脂膜上に形成された第2樹脂膜の厚みは特に限定されないが、通常、1〜10000nmとすることが好ましく、5〜800nmとすることがより好ましく、10〜500nmとすることが更に好ましい。
露光工程(II)は、マスクを介して前記第2樹脂膜に露光し、前記第2樹脂膜に酸を発生させる工程である。これにより図1に例示するように、第2樹脂膜20の露光された部位が酸発生部位21となる。
露光に使用される放射線の種類は特に限定されず、前記第2樹脂膜に含まれる酸発生剤(B)の種類に応じて、紫外線、遠紫外線(KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー等を含む)、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等から適切に選択される。更に、露光量等も前記第2樹脂膜に含まれる酸発生剤(B)の種類に応じて適宜選択される。
酸転写工程(III)は、前記第2樹脂膜に発生した前記酸を前記第1樹脂膜に転写する工程である。これにより図1に例示するように、前記酸発生部位21に対応した第1樹脂膜10の一部が酸転写部位11となる。
この酸を転写する方法は特に限定されないが、具体的には、(1)加熱により転写する方法、(2)常温において放置することによって転写する方法、(3)浸透圧を利用して転写する方法などが挙げられる。これらの方法は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよいが、これらの中でも(1)加熱により転写する方法が転写効率に優れるため好ましい。
加熱により転写を行う場合の加熱条件は、特に限定されないが、加熱温度は、50〜200℃が好ましく、70〜150℃が更に好ましい。更に、加熱時間は、30〜300秒間が好ましく、60〜180秒間が更に好ましい。
また、加熱により転写を行う場合は、前記加熱条件により1回の加熱で完了してもよいが、結果的に前記加熱条件と同様の結果となるように、2回以上の加熱を行うこともできる。
更に、前記(3)浸透圧を利用して転写する方法とは、酸の濃度差を利用することによって、第2樹脂膜と第1樹脂膜との間に酸成分の浸透圧差を生じさせることで、自然拡散よりも高い拡散速度で第2樹脂膜内の酸を第1樹脂膜へと拡散させる転写方法である。
第2樹脂膜除去工程(IV)は、前記第2樹脂膜を除去する工程である。即ち、第2樹脂膜を除去すると共に、その層下に酸が転写された第1樹脂膜を露出させる工程である。
前記除去はどのような方法で行ってもよいが、通常、第2樹脂膜を有機溶剤により溶解させて行う。この有機溶剤は、第2樹脂膜は溶解させるものの、酸が転写された第1樹脂膜は溶解させないものである。
現像工程(V)は、前記第2樹脂膜除去工程の後に、前記第1樹脂膜をアルカリ性現像液を用いて現像する工程である。即ち、図1に例示するように、第1樹脂膜10内に形成された酸転写部位11を除去してパターン12を得る工程である。
アルカリ性現像液に含まれるアルカリ性化合物の濃度は特に限定されないが、0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜3質量%が更に好ましい。
更に、前記アルカリ性現像液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。
酸解離性基含有樹脂を形成する単量体として、酸解離性基を有する単量体にビス−(4−メトキシフェニル)−ベンジルアクリレート、フェノール性水酸基を有する単量体にp−イソプロペニルフェノール、その他の単量体にp−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート及びフェノキシポリエチレングリコールアクリレートを用いた。
得られた酸解離性基含有樹脂の収率は95%であり、Mwは15,000であり、Mw/Mnは2.5であった。
東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL2本、G3000HXL1本、4000HXL1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。また、分散度Mw/Mnは測定結果より算出した。
(1)重合体(A)
<重合体A1>
本合成例1は、前記式(1)で表される構成単位を導入するための単量体(Am1)として下記式(13)で表されるN,N−ジメチルアクリルアミドを用い、前記式(5)で表される構成単位を導入するための単量体(Am2)としてメチルメタクリレートを用いた例である。
本合成例2は、前記合成例1におけるN,N−ジメチルアクリルアミド(単量体Am1、株式会社興人製)を10g(単量体Am1と単量体Am2との合計を100モル%とした場合に10モル%)、メチルメタクリレート(単量体Am2、三菱マテリアル株式会社製)90g(単量体Am1と単量体Am2との合計を100モル%とした場合に90モル%)、として前記合成例1と同様に行って重合体A2を得た。得られた重合体A2のMwは10,000であった。
本合成例3は、前記合成例1におけるN,N−ジメチルアクリルアミド(単量体Am1、株式会社興人製)を20g(単量体Am1と単量体Am2との合計を100モル%とした場合に20モル%)、メチルメタクリレート(単量体Am2、三菱マテリアル株式会社製)80g(単量体Am1と単量体Am2との合計を100モル%とした場合に80モル%)、として前記合成例1と同様に行って重合体A3を得た。得られた重合体A3のMwは9,000であった。
重合体(A)として、前記重合体A1〜A3を用いた。
酸発生剤(B)として、下記式(9)に示すイミドスルホネート基を有する酸発生剤(みどり化学株式会社製、品名「NAI−106」)を用いた。
(1)第1樹脂膜形成工程
シリコン基板の表面にスピンコーターを用いて、前記[1]で得られた第1樹脂膜形成用組成物を塗布した。その後、ホットプレート上で110℃で1分間加熱して、厚さ200nmの第1樹脂膜を形成した。
前記(1)で得られた第1樹脂膜の表面にスピンコーターを用いて、前記[2]で得られた実験例1〜7及び比較例1〜3のいずれかの酸転写膜形成用組成物を塗布した。その後、ホットプレート上で110℃で1分間加熱して、厚さ150nmの酸転写膜を形成した。
パターンマスクを介して、前記(2)で得られた酸転写膜の表面に、超高圧水銀灯(OSRAM社製、形式「HBO」、出力1,000W)を用いて100〜1000mJ/cm2の紫外光を照射した。露光量は、照度計〔株式会社オーク製作所製、形式「UV−M10」(照度計)に、形式「プローブUV−35」(受光器)をつないだ装置〕により確認した。
前記(3)までに得られた積層体をホットプレート上にて、110℃で1分間加熱処理を行った。
前記(4)までに得られた積層体をアセトニトリルに30秒間浸漬して、酸転写樹脂膜のみを除去した。
前記(5)までに得られた積層体を、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に室温で1分間浸漬して現像を行った。その後、流水洗浄し、窒素ブローを行ってパターンを得た。
尚、以下、このパターンが形成された基板を「パターニング基板」という。
(II);露光工程、
(III);転写工程、
(IV);第2樹脂膜(酸転写膜)除去工程、
(V);現像工程、
10;第1樹脂膜(被パターン化樹脂膜)、11;酸転写部位、
20;第2樹脂膜(酸転写樹脂膜)、21;酸発生部位、30;マスク。
Claims (8)
- 前記感放射線性酸発生剤(B)は、前記重合体(A)100質量部に対して10〜200質量部含まれる請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の酸転写樹脂膜形成用組成物。
- 前記化合物(C)は、前記感放射線性酸発生剤(B)100質量部に対して10〜200質量部含まれる請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の酸転写樹脂膜形成用組成物。
- 前記重合体(A)は、水酸基を有さない重合体である請求項1乃至5のうちのいずれかに記載の酸転写樹脂膜形成用組成物。
- 前記重合体(A)は、酸解離性基を有さない重合体である請求項1乃至6のうちのいずれかに記載の酸転写樹脂膜形成用組成物。
- (I)酸解離性基を有する樹脂を含有し、且つ感放射線性酸発生剤を含有しない第1樹脂膜上に、
請求項1乃至7のうちのいずれかに記載の酸転写樹脂膜形成用組成物を用いてなる酸転写樹脂膜としての第2樹脂膜を形成する第2樹脂膜形成工程と、
(II)マスクを介して前記第2樹脂膜を露光し、前記第2樹脂膜に酸を発生させる露光工程と、
(III)前記第2樹脂膜に発生した前記酸を前記第1樹脂膜に転写する酸転写工程と、
(IV)前記第2樹脂膜を除去する第2樹脂膜除去工程と、を備えることを特徴とするパターン形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009148056A JP5353469B2 (ja) | 2009-06-22 | 2009-06-22 | 酸転写樹脂膜形成用組成物及びこれを用いたパターン形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009148056A JP5353469B2 (ja) | 2009-06-22 | 2009-06-22 | 酸転写樹脂膜形成用組成物及びこれを用いたパターン形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011002791A JP2011002791A (ja) | 2011-01-06 |
JP5353469B2 true JP5353469B2 (ja) | 2013-11-27 |
Family
ID=43560759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009148056A Expired - Fee Related JP5353469B2 (ja) | 2009-06-22 | 2009-06-22 | 酸転写樹脂膜形成用組成物及びこれを用いたパターン形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5353469B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1195418A (ja) * | 1997-09-24 | 1999-04-09 | Sharp Corp | フォトレジスト膜及びパターン形成方法 |
JP4217369B2 (ja) * | 2000-06-22 | 2009-01-28 | 富士フイルム株式会社 | 2層レジスト |
WO2008105239A1 (ja) * | 2007-02-26 | 2008-09-04 | Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. | ポジ型感光性平版印刷版材料 |
-
2009
- 2009-06-22 JP JP2009148056A patent/JP5353469B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011002791A (ja) | 2011-01-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9383644B2 (en) | Sulfonic acid derivative compounds as photoacid generators in resist applications | |
TWI453541B (zh) | 正型光阻組成物及使用它之圖案製作方法 | |
JP6334900B2 (ja) | 低温適用のためのイオン性熱酸発生剤 | |
JP4686367B2 (ja) | ポジ型感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法 | |
EP2332960B1 (en) | Cholate photoacid generators and photoresists comprising same | |
JP5685919B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 | |
WO2022064863A1 (ja) | 感放射線性樹脂組成物及びパターン形成方法 | |
JP2008241931A (ja) | パターン形成方法 | |
WO2021039407A1 (ja) | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、パターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法 | |
TW200832067A (en) | Chemically amplified positive resist composition for thermal lithography and method for forming resist pattern | |
JP5459211B2 (ja) | 第1膜の改質方法及びこれに用いる酸転写樹脂膜形成用組成物 | |
JP5423367B2 (ja) | 酸転写用組成物、酸転写用膜及びパターン形成方法 | |
JP2010215816A (ja) | 樹脂組成物及びバイオチップの製造方法 | |
JP5071314B2 (ja) | 酸転写樹脂膜形成用組成物、酸転写樹脂膜及びパターン形成方法 | |
JP2010122535A (ja) | 酸転写樹脂膜形成用組成物、酸転写樹脂膜及びパターン形成方法 | |
JP2011013118A (ja) | 酸転写性樹脂組成物、バイオチップ及びバイオチップの製造方法 | |
JP5353469B2 (ja) | 酸転写樹脂膜形成用組成物及びこれを用いたパターン形成方法 | |
JP5023851B2 (ja) | パターン形成方法及びそれに用いるパターンコーティング組成物 | |
JP2011197150A (ja) | 感放射線性組成物及びそれを用いたレジストパターン形成方法 | |
JP4710685B2 (ja) | ポジ型感放射線性樹脂組成物 | |
JP2010160288A (ja) | 酸転写樹脂膜形成用組成物、酸転写樹脂膜及びパターン形成方法 | |
JP2010107905A (ja) | 酸転写樹脂膜形成用組成物、酸転写樹脂膜及びパターン形成方法 | |
JP2000098614A (ja) | ポジ型感光性組成物 | |
JP5494725B2 (ja) | レンズの形成方法、レンズおよびネガ型感光性組成物 | |
JP2010215818A (ja) | 樹脂組成物及びバイオチップの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20111219 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120406 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130730 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130812 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5353469 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |