JP4686367B2 - ポジ型感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

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本発明は、活性光線又は放射線の照射により反応して性質が変化するポジ型感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関する。さらに詳しくはIC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、さらにその他のフォトファブリケーション工程、平版印刷版などに使用されるポジ型感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関する。さらに詳しくは400nm以下、好ましくは250nm以下、更に好ましくは200nm以下の紫外線、遠紫外線などの露光光源、および電子線などによる照射源とする場合に好適なポジ型感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関するものである。
ポジ型感光性組成物としては、一般にアルカリ可溶性樹脂と感光物としてのナフトキノンジアジド化合物とを含む組成物が用いられている。例えば、「ノボラック型フェノール樹脂/ナフトキノンジアジド置換化合物」の例が、米国特許第3,666,473号明細書(特許文献1)、米国特許第4,115,128号明細書(特許文献2)及び米国特許第4,173,470号明細書(特許文献3)等に記載され、また、最も典型的な組成物として「クレゾール−ホルムアルデヒドより成るノボラック樹脂/トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル」の例が、トンプソン「イントロダクション・トゥー・マイクロリソグラフィー」(L.F.Thompson「Introduction to Microlithography」)(ACS出版、No.2,19号、p112〜121)(非特許文献1)に記載されている。このようなノボラック樹脂とキノンジアジド化合物から成るポジ型感光性組成物に於いて、ノボラック樹脂はアルカリ可溶性の機能を有し、ナフトキノンジアジド化合物は溶解阻止剤として作用する。そして、ナフトキノンジアジドは光照射を受けるとカルボン酸を生じることにより溶解阻止能を失い、ノボラック樹脂のアルカリ溶解度を高めるという特性を持つ。
これに対し、米国特許第4,491,628号明細書(特許文献4)、欧州特許第249,139号明細書(特許文献5)等に化学増幅系感光性組成物が記載されている。化学増幅系感光性組成物は、遠紫外光等の活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と酸分解性化合物を主成分とし、遠紫外光等の活性光線又は放射線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸を触媒とする反応によって、酸分解性化合物が分解してアルカリ可溶性基を放出することにより活性光線又は放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶解性を変化させ、パターンを基板上に形成させるパターン形成材料である。化学増幅系感光性組成物は、原理的に量子収率が1を越えるため、高い感光性を示し、従来のナフトキノンジアジド/ノボラック樹脂系に比べて良好な系となり得る一方で、微量の酸触媒を利用してパターン形成を行なうため、画像形成プロセスにおいて、塩基成分のコンタミネーションによる画像形成不良や後加熱温度変化での性能変化が大きい、組成物経時において酸発生剤が極微量分解しただけでも画像形成性が大きく変化してしまうなど、環境の影響を極めて受けやすく、安定してパターン形成を行なうためには各工程におけるプロセス管理、品質管理を厳重に行なう必要があった。
米国特許第3,666,473号明細書 米国特許第4,115,128号明細書 米国特許第4,173,470号明細書 米国特許第4,491,628号明細書 欧州特許第249,139号明細書 トンプソン「イントロダクション・トゥー・マイクロリソグラフィー」(L.F.Thompson「Introduction to Microlithography」)(ACS出版、No.2,19号、p112〜121)
本発明の目的は、環境変化に対し安定で、且つ、高感度、高解像力を有するポジ型感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供することにある。
本発明は、下記の通りである。
1.
(A)活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)を有する化合物及び
(B)アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する化合物
を含有する感光性組成物であって、該感光性組成物の全構成成分が、酸の作用により分解する構造を含まないことを特徴とするポジ型感光性組成物。
2.
(AB)活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)及びアルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する化合物
を含有するポジ型感光性組成物であって、該ポジ型感光性組成物の全構成成分が、酸の作用により分解する構造を含まないことを特徴とするポジ型感光性組成物。
3.
アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)が、ラクトン基又は酸無水物基であることを特徴とする上記1又は2に記載のポジ型感光性組成物。
4.
活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)が、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造であることを特徴とする上記1〜3のいずれか一項に記載のポジ型感光性組成物。
5.
(A)成分の化合物、(B)成分の化合物及び(AB)成分の化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物が、更に、アルカリ可溶性基を有することを特徴とする上記1〜4のいずれか一項に記載のポジ型感光性組成物。
6.
更に、(Ca)アルカリ可溶性基を有する樹脂を含有することを特徴とする上記1〜5のいずれか一項に記載のポジ型感光性組成物。
7.
上記1〜6のいずれか一項に記載のポジ型感光性組成物により形成した感光性膜。
8.
上記7に記載の感光性膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
尚、本発明は上記1〜8の構成を有するものであるが、以下、その他についても参考のため記載した。
(1) (A)活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)を有する化合物及び
(B)アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有し、且つ、酸の作用により分解する基を有さない化合物
を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。
(2) (AB)活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)及びアルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有し、且つ、酸の作用により分解する基を有さない化合物
を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。
(3) アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)が、ラクトン基又は酸無水物基であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のポジ型感光性組成物。
(4) 活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)が、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
(5) (A)成分の化合物、(B)成分の化合物及び(AB)成分の化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物が、更に、アルカリ可溶性基を有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
(6) 更に、(Ca)アルカリ可溶性基を有する樹脂を含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
(7) (1)〜(6)のいずれかに記載のポジ型感光性組成物により、感光性膜を形成し、該感光性膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
本発明により、環境変化に対し安定で、且つ、高感度、高解像力を有するポジ型感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供することができる。
本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明のポジ型感光性組成物は、(A)活性光線又は放射線の照射により親水性が増大
する構造(a)を有する化合物及び(B)アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有し、且つ、酸の作用により分解する基を有さない化合物を含有するか、或いは、(AB)活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)及びアルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有し、且つ、酸の作用により分解する基を有さない化合物を含有する。
本発明のポジ型感光性組成物は、従来のノボラック型フェノール樹脂/ナフトキノンジアジド化合物組成物や化学増幅系感光性組成物とは全く異なる画像形成機構を有する。本発明のポジ型感光性組成物を用いて形成された感光性膜は、パターン露光を行なうと、露光部で活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)が分解し、露光部の親水性が増大する。現像過程において露光部で増大した親水性により膜中にアルカリ現像液が浸透する。浸透した現像液は、アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を分解し、アルカリ溶解性が更に高まり、露光部のみが選択的に溶解する。従って、本発明のポジ型感光性組成物は、化学増幅系感光性組成物とは異なり、酸の作用により分解する構造を必要としない。また、アルカリ現像過程における化学反応を利用することでノボラック型フェノール樹脂/ナフトキノンジアジド化合物組成物よりも高感度で画像形成することができる。
活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)を有する化合物(「化合物(A)」ともいう)
活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)としては、活性光線又は放射線の照射により分解し、生成した官能基の少なくとも1つが照射前の構造よりも親水性が増大していることを表す。親水性の評価の方法として例えば、照射前の化合物と照射後の化合物のLogP値あるいはI/O値を比較することにより評価することができ、LogP値の減少あるいは、I/O値の増大が見られれば親水性が増大したことを意味する。
化合物(A)に於ける、活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造が好ましい。化合物(A)は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造を有する樹脂であってもよいし、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造を有する低分子化合物であってもよい。
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造を有する化合物としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を挙げることができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムエステル、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルエステル、o−ニトロベンジルスルホネート、ナフトキノンジアジド等の構造を有する化合物を挙げることができる。
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を挙げることができる。
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光によ
り酸を発生する化合物も挙げることができる。
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造を有する化合物の内で好ましい化合物として、活性光線又は放射線の照射によりカルボン酸を発生する構造を有する化合物を挙げることができる。
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造としては、例えば、下記一般式(ZI)〜(ZVII)で表される構造を挙げることができる。
化合物(A)は、これらから選ばれる少なくとも1つの構造を有していることが好ましい。
Figure 0004686367
一般式(ZI)〜(ZVII)に於いて、
Yaは、−C(=O)−又は−SO2−を表す。
Raは、1価の有機基を表す。
Xa2は、1価の有機基を表す。
Xa3及びXa4は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。
Xa1は、2価の有機基を表す。
201、R202及びR203は、各々独立に、1価の有機基を表す。R201〜R203の内の2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。
204及びR205は、各々独立に、1価の有機基を表す。
206及びR207は、各々独立に、1価の有機基を表す。
X-は、陰イオンを表す。
一般式(ZI)〜(ZVII)に於ける、Raの1価の有機基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等を挙げることができる。
Raのアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等を挙げることができる。
Raのシクロアルキル基は、単環型でも、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、ト
リシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。
Raのアリール基は、炭素数6〜16のアリール基が好ましく、炭化水素で構成されたアリール基及び窒素原子、硫黄原子、酸素原子などのヘテロ原子を有するヘテロアリール基が挙げられる。炭化水素で構成されたアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。ヘテロアリール基としては、例えば、ピロール基、インドール基、カルバゾール基、フラン基、チオフェン基などが挙げられ、好ましくはインドール基である。
Raのアラルキル基は、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
Raのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基は、置換基を有していてもよい。Raのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができる。
Xa2の1価の有機基は、Raの1価の有機基と同様のものである。
Xa3及びXa4の1価の有機基は、Raの1価の有機基と同様のものである。
Xaの2価の有機基としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基等を挙げることができる。
Xa1のアルキレン基は、炭素数1〜8の直鎖状及び分岐状アルキレン基が好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等を挙げることができる。
Xa1のシクロアルキレン基は、炭素数5〜12のシクロアルキレン基が好ましく、例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の単環の残基及びノルモルナン骨格、アダマンタン骨格等の多環の残基等を挙げることができる。
Xa1のアリーレン基は、炭素数6〜15のアリーレン基が好ましく、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等を挙げることができる。
Xa1のアルケニレン基は、炭素数2〜6のアルケニレン基が好ましく、例えば、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基等を挙げることができる。
Xa1の2価の有機基は、置換基を有していてもよい。Xa1の2価の有機基が有していてもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、シアノ基等を挙げることができる。
201、R202及びR203の1価の有機基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アリールアシル基、アリールカルボニルアルキル基等を挙げることができる。
201、R202及びR203のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基としては、Raのアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基と同様のものである。
201、R202及びR203のアリール基及びアリールアシル基、アリールカルボニルアルキル基に於けるアリール基としては、Raのアリール基と同様のものである。
201、R202及びR203のアリールアシル基、アリールカルボニルアルキル基に於けるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。
204及びR205の1価の有機基は、R201、R202及びR203の1価の有機基と同様のものである。
206及びR207の1価の有機基は、Raの1価の有機基と同様のものである。
-の陰イオンとしては、例えば、有機スルホン酸アニオン(R1-SO3-)、有機カルボン酸アニオン(R1-CO2-)、有機イミド酸アニオン(N-(SO2-R12)、有機メチド酸アニオン(C-(SO2-R13)、ハロゲンアニオン(Br-、Cl-)、BF4-、PF6-が挙げられる。X-の陰イオンとしては、有機スルホン酸アニオン(R1-SO3-)、有機カルボン酸アニオン(R1-CO2-)、有機イミド酸アニオン(N-(SO2-R12)、有機メチド酸アニオン(C-(SO2-R13)が特に好ましい。ここで、R1は、1価の有機基を表す。
1の1価の有機基は、好ましくは炭素数1〜40であり、例えば、アルキル基、アリール基、樟脳残基などを挙げることができる。複数のR1は、同一でも異なっていても良く、更に、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)等によって置換されていてもよい。
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造を有する化合物としては、例えば、一般式(ZI)〜(ZVII)で表される構造を少なくとも1種類有する分子量3000以下の低分子化合物及び一般式(ZI)〜(ZVII)で表される構造を少なくとも1種類有する樹脂を挙げることができる。
尚、一般式(ZI)〜(ZVII)で表される構造を有するとは、一般式(ZI)〜(ZVII)で表される構造自体であってもよいし、一般式(ZI)〜(ZVII)で表される構造から水素原子又は1価の有機基が失われることによって形成される1価の有機基が結合していてもよい。
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造を有する低分子化合物としては、多価フェノール化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、多価アルコール化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、多価カルボン酸のヒドロキシイミドエステル、多価カルボン酸のアリールカルボニルメチルエステル等が挙げられる。
活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)を有する低分子化合物の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 0004686367
Figure 0004686367
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造を有する樹脂としては、例えば、一般式(ZI)〜(ZVII)で表される構造を有する繰り返し単位を有する樹脂が挙げられる。一般式(ZI)〜(ZVII)で表される構造を有する繰り返し単位としては、スチレン構造を有する繰り返し単位、(メタ)アクリル構造を有する繰り返し単位、ビニルエーテル系繰り返し単位、オレフィン系繰り返し単位等が挙げられる。
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造を有する繰り返し単位として、例えば、下記一般式(ZPI)〜(ZPVI)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 0004686367
一般式(ZPI)〜(ZRVI)に於いて、
Waは、ポリマー鎖を形成する基を表す。
Yaは、単結合又は2価の連結基を表す。好ましい2価の連結基としては、アリーレン基、アルキレン基、単環又は多環環状アルキレン基の単独、或いはこれらの複数が、単結合若しくは−C(O)O−結合、−(C=O)NRy−結合(Ryはアルキル、アリール基)を介して結合して形成される2価の連結基を挙げることができる。
Xa2、Xa3、Xa4、Xa1、R201、R202、R203、R204、R205、R206及びR207は、一般式(ZI)〜(ZVII)に於ける、Xa2、Xa3、Xa4、Xa1、R201、R202、R203、R204、R205、R206及びR207と同義である。
以下、活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 0004686367
活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)を有する樹脂は、活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)を有する繰り返し単位の外に、他の繰り返し単位を有することができる。好ましい他の繰り返し単位としては、アルカリ可溶性基(例えばフェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、電子吸引性基で置換されたアルキルアルコールなど)を有する繰り返し単位、水酸基、シアノ基、ケトン基、アミド基などの相互作用性基を有する繰り返し単位、ドライエッチング耐性を有する基(脂環環状炭化水素基、芳香族基など)を有する繰り返し単位、後述するアルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する繰り返し単位等が挙げられる。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例としては、例えば、後述する樹脂(Ca)に於ける、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例を挙げることができる。
化合物(A)が樹脂である場合、活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)を有する繰り返し単位の含有量は、40〜100mol%が好ましく、より好ましくは60〜100mol%、更に好ましくは80〜100mol%である。
アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有し、且つ、酸の作用により分解する基を有さない化合物(「化合物(B)」ともいう)
化合物(B)に於ける、「酸の作用により分解する基を有さない」とは、本発明のポジ型感光性組成物が通常用いられる画像形成プロセスにおいて酸の作用による分解性が無いかまたは極めて小さく、実質的に酸分解による画像形成に寄与する基を有さないことである。例えばポジ型化学増幅レジストの場合、露光工程においては露光部で光酸発生剤が分解し、酸を発生する。後加熱工程において酸が酸分解性基を有する樹脂を分解し、アルカリ可溶性基を放出することにより露光部のみアルカリ現像可能となり、現像工程において露光部が選択的に現像されパターンが形成される。
化合物(B)は、この露光、後過熱工程において酸の作用による分解性が無いかまたは極めて小さく、実質的に酸分解による画像形成に寄与する基を有さない。すなわち、本発明のポジ型感光性組成物は、一般的に知られる化学増幅レジスト組成物とは全く異なる画
像形成機構を有する。
化合物(B)に於ける、アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)としては、ラクトン基、酸無水物基が好ましく、より好ましくはラクトン基である。
ラクトン基としては、ラクトン構造を有していればいずれの基でも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造を有する基であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、トリシクロ構造、テトラシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−16)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基がより好ましい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)であり、特定のラクトン構造を用いることでレジスト組成物に用いた際にラインエッジラフネス、現像欠陥が良好になる。また、ラクトンのアルカリ加水分解性が高いほど組成物の感度が向上し、好ましい。
Figure 0004686367
一般式(LC1−1)〜(LC1−16)に於ける、ラクトン構造部分は、置換基(Rb2)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb2)としては、炭素数
1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基等が挙げられる。n2は、0〜4の整数を表す。n2が、2以上の時、複数存在する(Rb2)は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在する(Rb2)同士が結合して環を形成してもよい。
化合物(B)としては、アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する分子量3000以下の低分子化合物及びアルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する繰り返し単位を有する樹脂が挙げられる。
アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する分子量3000以下の低分子化合物としては、ラクトン基及び/又は酸無水物基を2つ以上有する化合物が好ましい。複数有することにより溶解コントラストが向上する。このような化合物としては芳香族基、あるいは脂環炭化水素基骨格にエステル結合、あるいはエーテル結合によりラクトン基及び/又は酸無水物基が結合した化合物が好ましい。
以下、アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する分子量3000以下の低分子化合物の具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 0004686367
アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する繰り返し単位としては、スチレン構造を有する繰り返し単位、(メタ)アクリル構造を有する繰り返し単位、ビニルエーテル系繰り返し単位、オレフィン系繰り返し単位に、エステル結合、又はエーテル結合によりラクトン基及び/又は酸無水物基が結合した繰り返し単位が好ましい。
以下、アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 0004686367
上記具体例に於いて、Rxaは、水素原子、置換していてもよいアルキル基又はシアノ基を表す。
アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する繰り返し単位を有する樹脂は、アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する繰り返し単位の外に、他の繰り返し単位を有することができる。好ましい他の繰り返し単位としては、アルカリ可溶性基(例えばフェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、電子吸引性基で置換されたアルキルアルコールなど)を有する繰り返し単位、水酸基、シアノ基、ケトン基、アミド基などの相互作用性基を有する繰り返し単位、ドライエッチング耐性を有する基(脂環環状炭化水素基、芳香族基など)を有する繰り返し単位等が挙げられる。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例としては、例えば、後述する樹脂(Ca)に於ける、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例を挙げることができる。
化合物(B)が樹脂である場合、アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する繰り返し単位の含有量は、40〜100mol%が好ましく、より好ましくは50〜100mol%、更に好ましくは70〜100mol%である。
本発明のポジ型感光性組成物を150〜220nmの光で露光してパターンを形成する際には、化合物(B)は、芳香族構造を有さないことが好ましい。芳香族構造を有さないことにより、感光性膜の透過率が向上し、感度が向上する。
活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)及びアルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有し、且つ、酸の作用により分解する基を有さない化合物(「化合物(AB)」ともいう)
化合物(AB)に於ける、活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)としては、化合物(A)成分に於ける、活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)と同じものが挙げられる。
アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)としては、化合物(B)に於ける、アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)と同じものが挙げられる。
「酸の作用により分解する基を有さない」とは、化合物(B)に於ける、「酸の作用により分解する基を有さない」と同義である。
化合物(AB)としては、例えば、活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)及びアルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する分子量3000以下の低分子化合物、並びに、活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)を有する繰り返し単位及びアルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する繰り返し単位を有する樹脂を挙げることができる。
以下、活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)及びアルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する分子量3000以下の低分子化合物の具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 0004686367
化合物(AB)が樹脂の場合、化合物(AB)は、活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)を有する繰り返し単位及びアルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する繰り返し単位の外に、他の繰り返し単位を有することができる。好ましい他の繰り返し単位としては、アルカリ可溶性基(例えばフェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、電子吸引性基で置換されたアルキルアルコールなど)を有する繰り返し単位、水酸基、シアノ基、ケトン基、アミド基などの相互作用性基を有する繰り返し単位、ドライエッチング耐性を有する基(脂環環状炭化水素基、芳香族基など)を有する繰り返し単位等が挙げられる。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例としては、例えば、後述する樹脂(Ca)に於ける、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例を挙げることができる。
化合物(AB)が樹脂である場合、活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)を有する繰り返し単位の含有量は、1〜70mol%が好ましく、より好ましくは3〜50mol%、更に好ましくは5〜30mol%である。
化合物(AB)が樹脂である場合、アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する繰り返し単位の含有量は、30〜99mol%が好ましく、より好ましくは40〜97mol%、更に好ましくは50〜95mol%である。
本発明のポジ型感光性組成物を150〜220nmの光で露光してパターンを形成する
際には、化合物(AB)における芳香族構造の含有量は、20mol%以下であることが好ましい。化合物(AB)が樹脂である場合、芳香族構造を有する繰り返し単位の含有量は、20mol%以下であることが好ましい。芳香族基の含有量を少なくすることで、感光性膜の透過率が向上し、感度が向上する。
本発明のポジ型感光性組成物の好ましい様態としては、
(i)化合物(A)及び化合物(B)を含有し、化合物(A)が樹脂で、化合物(B)が低分子化合物である態様、
(ii)化合物(A)及び化合物(B)を含有し、化合物(A)が低分子化合物で、化合物(B)が樹脂である態様、
(iii)化合物(A)及び化合物(B)を含有し、化合物(A)及び化合物(B)が両方とも樹脂であるか、化合物(AB)を含有し、化合物(AB)が樹脂である態様、
(iv)化合物(A)及び化合物(B)を含有し、化合物(A)及び化合物(B)が低分子化合物又は樹脂であり、更に、他の樹脂(C)を含有する態様、
(v)化合物(AB)を含有し、化合物(AB)が低分子化合物又は樹脂であり、更に、他の樹脂(C)を含有する態様及び
(vi)化合物(AB)を含有し、更に、化合物(A)及び/又は化合物(B)を含有し、化合物(AB)、化合物(A)及び化合物(B)の内の少なくとも1つが樹脂である態様
を挙げることができる。
他の樹脂
本発明のポジ型感光性組成物は、化合物(A)、化合物(B)、化合物(AB)の外に、更に、他の樹脂(「樹脂(C)」ともいう)を含有することができる。
樹脂(C)としては、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を有する樹脂(「樹脂(Ca)」ともいう)が好ましい。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、スチレン構造を有する繰り返し単位、(メタ)アクリル構造を有する繰り返し単位、ビニルエーテル系繰り返し単位、オレフィン系繰り返し単位であって、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位が好ましい。アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、電子吸引性基で置換されたアルキルアルコール、電子吸引性基ではさまれたメチレン基が好ましく、より好ましくはフェノール性水酸基、カルボキシル基である。
以下、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 0004686367
化合物(A)、化合物(B)、化合物(AB)に於ける、樹脂、或いは他の樹脂(C)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種および開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明の組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
上記樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、更に好ましくは3,000〜20,000、最も好ましくは5,000〜15,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、且つ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。
分子量分布は通常1〜5であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
本発明のポジ型感光性組成物に於いて、化合物(A)の配合量は、全固形分中1〜50質量%が好ましく、より好ましくは3〜40質量%、特に好ましくは5〜30質量%である。
本発明のポジ型感光性組成物に於いて、化合物(B)の配合量は、全固形分中30〜9
9質量%が好ましく、より好ましくは60〜97質量%、特に好ましくは70〜95質量%である。
本発明のポジ型感光性組成物に於いて、化合物(AB)の配合量は、全固形分中50〜100質量%が好ましく、より好ましくは70〜100質量%、特に好ましくは80〜100質量%である。
本発明のポジ型感光性組成物は、フォトレジスト用途に用いる場合、ドライエッチング耐性向上のために芳香族構造または脂環式炭化水素構造を含有していることが好ましい。
フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤
本発明のポジ型感光性組成物は、更に、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型感光性組成物がフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤とを含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布していても、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ
(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤の使用量は、ポジ型感光性組成物の全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
有機溶剤
本発明のポジ型感光性組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤に溶解して用いる。
使用し得る有機溶剤としては、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。好ましい溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルが挙げられる。
本発明において、有機溶剤としては、単独で用いても混合して用いても良いが、異なる官能基を有する2種以上の溶剤を含有する混合溶剤を用いることが好ましい。これにより素材の溶解性が高まり、経時におけるパーティクルの発生が抑制できるだけでなく、良好なパターンプロファイルが得られる。溶剤が含有する好ましい官能基としては、エステル基、ラクトン基、水酸基、ケトン基、カーボネート基が挙げられる。異なる官能基を有する混合溶剤としては、以下の(S1)〜(S5)の混合溶剤が好ましい。
(S1)水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤、
(S2)エステル構造を有する溶剤とケトン構造を有する溶剤とを混合した混合溶剤、
(S3)エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤とを混合した混合溶剤、
(S4)エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤と水酸基を含有する溶剤とを混合した混合溶剤、
(S5)エステル構造を有する溶剤とカーボネート構造を有する溶剤と水酸基を含有する溶剤とを混合した混合溶剤。
これによりレジスト液保存時のパーティクル発生を軽減でき、また、塗布時の欠陥の発
生を抑制することができる。
水酸基を含有する溶剤としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル等を挙げることができ、これらの内でプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルがより好ましい。
水酸基を含有しない溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルがより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、シクロヘキサノンが特に好ましい。
ケトン構造を有する溶剤としてはシクロヘキサノン、2−ヘプタノンなどが挙げられ、より好ましくはシクロヘキサノンである。
エステル構造を有する溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、酢酸ブチルなどが挙げられ、より好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
ラクトン構造を有する溶剤としてはγ−ブチロラクトンが挙げられる。
カーボネート構造を有する溶剤としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネートが挙げられ、より好ましくはプロピレンカーボネートである。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
エステル構造を有する溶剤とケトン構造を有する溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは40/60〜80/20である。エステル構造を有する溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤との混合比(質量)は、70/30〜99/1、好ましくは80/20〜99/1、更に好ましくは90/10〜99/1である。エステル構造を有する溶剤を70質量%以上含有する混合溶剤が経時安定性の点で特に好ましい。
エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤と水酸基を含有する溶剤を混合する際は、エステル構造を有する溶剤を30〜80重量%、ラクトン構造を有する溶剤を1〜20重量%、水酸基を含有する溶剤を10〜60重量%含有することが好ましい。
エステル構造を有する溶剤とカーボネート構造を有する溶剤と水酸基を含有する溶剤を混合する際は、エステル構造を有する溶剤を30〜80重量%、カーボネート構造を有する溶剤を1〜20重量%、水酸基を含有する溶剤を10〜60重量%含有することが好ましい。
<その他の添加剤>
本発明のポジ型感光性組成物には、必要に応じてさらに染料、顔料、可塑剤、上記以外の界面活性剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
本発明で使用できる現像液に対する溶解促進性化合物は、フェノール性OH基を2個以上、又はカルボキシ基を1個以上有する分子量1,000以下の低分子化合物である。カルボキシ基を有する場合は脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。
これら溶解促進性化合物の好ましい添加量は、酸分解性樹脂に対して2〜50質量%であり、さらに好ましくは5〜30質量%である。現像残渣抑制、現像時パターン変形防止の点で50質量%以下が好ましい。
このような分子量1000以下のフェノール化合物は、例えば、特開平4−122938号、特開平2−28531号、米国特許第4916210号、欧州特許第219294号等に記載の方法を参考にして、当業者において容易に合成することができる。
カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物の具体例としてはコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸などのステロイド構造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明においては、上記フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を加えることもできる。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタン脂肪族エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル類等のノニオン系界面活性剤を挙げることができる。
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
(パターン形成方法)
本発明のポジ型感光性組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、必要に応じてフィルター濾過した後、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターは0.1ミクロン以下、より好ましくは0.05ミクロン以下、更に好ましくは0.03ミクロン以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
例えば、半導体レジスト用途の場合、ポジ型感光性組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布、乾燥し、感光性膜を形成する。
他の支持体としては、アルミ基板、ガラス基板などが挙げられる。
当該感光性膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、必要に応じてベーク(加熱)を行い、現像、リンスする。これにより良好なパターンを得ることができる。
活性光線又は放射線の照射時に感光性膜と露光装置のレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体(液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。用いる液浸媒体としては空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのものでも用いることができるが好ましくは純水である。また、液浸露光を行なう際に液浸媒体と感光性膜が直接触れ合わないようにするために感光性膜の上にさらにオーバーコート層を設けても良い。これにより感光性膜から液浸媒体への組成物の溶出が抑えられ、現像欠陥が低減する。
活性光線又は放射線としては、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、X線、電子線等を挙げることができるが、好ましくは400nm以下、より好ましくは250nm以下の波
長の遠紫外光、具体的には、365nm、254nm、KrFエキシマレーザー光(248nm)、ArFエキシマレーザー光(193nm)、F2エキシマレーザー光(157nm)、X線、EUV(13nm)、電子ビーム等であり、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV、電子ビームが好ましい。
現像工程では、アルカリ現像液を次のように用いる。組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜14.0である。
これらの現像液に感光性膜を接触させ、露光部を除去する。
合成例1(樹脂(R1)の合成)
窒素気流下シクロヘキサノン10.6gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した。これに下記モノマーAを25.6g、メタクリル酸を0.86g、重合開始剤V−601(和光純薬社製)をモノマーに対し8mol%をシクロヘキサノン95.2gに溶解させたものを6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後ヘキサン900ml/酢酸エチル100mlに注ぎ、析出した紛体をろ取、乾燥すると樹脂(R1)が22g得られた。得られた樹脂(R1)の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で8300、分散度(Mw/Mn)は、1.92であった。
Figure 0004686367
合成例2(化合物(X1)の合成)
1,3−アダマンタンジカルボン酸10g、α−ブロモ−γ−ブチロラクトン18.4gをメチルイソブチルケトン100mlに溶解させた。この溶液にトリエチルアミン14.6gを30分かけて滴下し、そのまま室温で15時間反応させた。反応液を塩酸20mlの蒸留水500ml溶液に注ぎ、これを酢酸エチルで抽出した。有機相を水洗、乾燥、濃縮すると粗生成物か得られた。これをカラムクロマトグラフィーて精製すると化合物(
X1)が10.2g得られた。
実施例1〜13及び比較例1
<ポジ型感光性組成物の調製>
下記表1に示す成分及びトロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製フッ素系界面活性剤)0.01gをシクロヘキサノン90gに溶解させ、これを0.03 mのポリエチレンフィルターでろ過してポジ型感光性組成物を調製した。
Figure 0004686367
表1に於ける、略号は、以下の通りである。
Figure 0004686367
Figure 0004686367
<低圧水銀ランプ評価>
実施例1〜13のポジ型感光性組成物をスピンコーターにてヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に塗布し、110℃で90秒乾燥を行い、250nmの感光性膜を形成させた。これに低圧水銀ランプを用いて1cm2のパターンに50mJ/cm2の露光量で照射した。これを2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスしたところ、露光部のみが選択的に溶解し、未露光部は膜減りが見られなかった。
また、露光を行なった後に、100℃で60秒間加熱を行い、同様に現像、リンスを行なっても、加熱を行なわなかった際と同様の結果が得られた。
<KrFエキシマレーザーレジスト評価>
実施例1〜13のポジ型感光性組成物について、スピンコーターにてヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に塗布し110℃で90秒乾燥を行い、250nmの感光性膜を形成させた。この感光性膜に対し、マスクを通してKrFエキシマレーザーステッパー(キャノン社製 NA=0.63)で露光し、アンモニア濃度5ppb以下に管理されたクリーンルーム内に30分放置した後、110℃で60秒間ホットプレート上で加熱した。さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、ラインパターンを得た。測長走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して観察したところ、200nmのラインアンドスペース1/1が解像していた(サンプル1)。
露光後アンモニア濃度の管理されていない実験室に30分間放置した以外は、サンプル1と同様の実験を行ったところ、同様に200nmのラインアンドスペース1/1が解像していた(サンプル2)。
露光後、加熱を行なわずに直ちにサンプル1と同様の現像処理を行なったところ、同様に200nmのラインアンドスペース1/1が解像していた(サンプル3)。
比較例1のポジ型感光性組成物(化学増幅型ポジ型感光性組成物)について、同様の評価を行なったところ、サンプル1は、200nmのラインアンドスペース1/1が解像していたが、サンプル2は、膜表面が露光部においても現像されずに残り(T−Top形状)、200nmのラインアンドスペース1/1は解像しなかった。サンプル3は、全面残膜し、全くパターン形成しなかった。
<ArFエキシマレーザーレジスト評価>
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃、60秒ベークを行い78nmの反射防止膜を形成した。実施例1、2、3、4、6、8のポジ型感光性組成物をスピンコーターで塗布し120℃で90秒乾燥を行い120nmのレジスト膜を形成させた。 このレジスト膜に対し、マスクを通してArFエキシマレーザーステッパー(ASML社製 NA=0.75)で露光し、露光後直ぐに120℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、ラインパターンを得た。測長走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して観察したところ
、150nmのラインアンドスペース1/1が解像していた。
上記の結果から、本発明のポジ型感光性組成物は、環境の影響度が極めて小さく、且つ高い解像力を有することが明らかである。

Claims (8)

  1. (A)活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)を有する化合物及び
    (B)アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する化合物
    を含有する感光性組成物であって、該感光性組成物の全構成成分が、酸の作用により分解する構造を含まないことを特徴とするポジ型感光性組成物。
  2. (AB)活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)及びアルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)を有する化合物
    を含有する感光性組成物であって、該感光性組成物の全構成成分が、酸の作用により分解する構造を含まないことを特徴とするポジ型感光性組成物。
  3. アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する構造(b)が、ラクトン基又は酸無水物基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型感光性組成物。
  4. 活性光線又は放射線の照射により親水性が増大する構造(a)が、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポジ型感光性組成物。
  5. (A)成分の化合物、(B)成分の化合物及び(AB)成分の化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物が、更に、アルカリ可溶性基を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポジ型感光性組成物。
  6. 更に、(Ca)アルカリ可溶性基を有する樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のポジ型感光性組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のポジ型感光性組成物により形成した感光性膜。
  8. 請求項7に記載の感光性膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
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