JP5353252B2 - 水素含有金属材状態判定装置及び水素生成装置 - Google Patents

水素含有金属材状態判定装置及び水素生成装置 Download PDF

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Description

この発明は、水素含有金属材状態判定装置及び水素生成装置に関し、より詳細には、水素を含む金属材料の状態を判定する水素含有金属状態判定装置及びそれを備えた水素生成装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、水素を含む金属材料と水との化学反応により水素が生成されること、及び上記の化学反応の副生成物である水酸化物と、この金属材料との化学反応によっても水素が生成されることが開示されている。例えば、水素化リチウムを反応物とする水素生成反応は次の(1)、(2)の反応式で表される。
LiH+HO → Li(OH)+H ・・・ (1)
LiH+Li(OH) → LiO+H ・・・ (2)
また、次世代の自動車として、水素ガスを利用して発電を行う燃料電池を搭載した車両や、水素ガスを車両の動力源として用いる車両の開発が進められている。
特開2007−525400号公報 特開2007−525401号公報
ところで、これらの水素生成反応により得られた水素ガスを車両に搭載するに当たっては、この金属材料を有する水素ガス生成装置を車両に搭載することが考えられる。しかしながら、この金属材料は、反応の進行と共に水素生成能力が低下する。このため、水素ガス生成装置を車両に搭載する場合には、適当な時期に、この金属材料の補充や、水素生成装置の交換といった措置を講ずる必要がある。
そして、上記の措置は、金属材料の水素生成能力に併せて講じられることが望ましい。つまり、金属材料の水素生成能力が高いにも関らず交換等を行うのでは非効率であり、水素生成能力が低下しているにも関わらず何ら措置を講じないのでは車両の運転に支障を来たすおそれがある。したがって、車両搭載を考慮した場合には、この金属材料の水素生成能力を監視できるようなシステムを構築する必要があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、水素含有金属材を車両に搭載した場合に、この水素含有金属材の水素生成能力を監視できる水素含有金属材状態判定装置及び水素生成装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、水素含有金属材状態判定装置であって、
水との化学反応および該化学反応の副生成物との加熱反応により水素ガスを生成可能な水素含有金属材と、
前記水素含有金属材に水を供給する手段と、
水の非供給時に前記水素含有金属材を加熱する手段と、
加熱時に生成する水素ガスの量を加熱生成ガス量として取得する手段と、
前記加熱生成ガス量と予め定めた加熱生成判定量との比較を行う手段と、
前記加熱生成ガス量が前記加熱生成判定量よりも少ない場合に、前記水素含有金属材が加熱反応により水素ガスを生成可能でないとする所定の信号を出力する手段と、を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記加熱生成ガス量が前記加熱生成判定量よりも少ない場合に、前記水素含有金属材に水を供給する手段と、
水の供給時に生成する水素ガスの量を水供給生成ガス量として取得する手段と、
前記水供給生成ガス量と予め定めた水供給生成判定量とを比較する手段と、
前記水供給生成ガス量が前記水供給生成判定量よりも少ない場合に、前記水素含有金属材が水との化学反応により水素ガスを生成可能でないとする所定の信号を出力する手段と、を備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、上記の目的を達成するため、水素含有金属材状態判定装置であって、
水との化学反応および該化学反応の副生成物との加熱反応により水素ガスを生成可能な水素含有金属材と、
前記水素含有金属材に水を供給する手段と、
水の供給時に生成する水素ガスの量を水供給生成ガス量として取得する手段と、
前記水供給生成ガス量と予め定めた水供給生成判定量とを比較する手段と、
前記水供給生成ガス量が前記水供給生成判定量よりも少ない場合に、前記水素含有金属材に対する水の供給を停止し、前記水素含有金属材を加熱する手段と、
加熱時に生成する水素ガスの量を加熱生成ガス量として取得する手段と、
前記加熱生成ガス量と予め定めた加熱生成判定量との比較をする手段と、
前記加熱生成ガス量が前記加熱生成判定量よりも少ない場合に、前記水素含有金属材が水素ガスを生成可能でないとする所定の信号を出力する手段と、を備えることを特徴とする。
また、第4の発明は、上記の目的を達成するため、水素生成装置であって、
第1乃至3いずれか1つに記載の水素含有金属材状態判定装置と、
前記水素含有金属状態判定装置が備えた水素含有金属材よりも多い物質量の水素含有金属材を貯蔵したタンクと、
前記タンクに水を供給する手段と、
前記タンクに貯蔵された水素含有金属材料の状態と同一の状態となるように、前記水素含有金属状態判定装置が備えた水素含有金属材に供給する水の圧力を調整する手段と、を備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、
前記タンクは複数あり、
前記タンクの夫々に対応する複数の前記水素含有金属材状態判定装置と、
前記水素含有金属状態判定装置の夫々が備えた水素含有金属材が、水素ガスを生成可能な状態にあるかに関する出力信号を取得する手段と、
前記出力信号に基づいて、前記タンクの夫々に対する水の供給を切り替える手段と、を備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第5の発明において、
前記出力信号は、前記タンクに対する水の供給が行われていない場合に取得されることを特徴とする。
第1の発明によれば、水素含有金属材に水が供給されていない場合に、この水素含有金属材を加熱して生成する加熱生成ガス量と、加熱生成判定量とを比較できる。そして、加熱生成ガス量が加熱生成判定量よりも少ない場合に、水素含有金属材が加熱反応により水素ガスを生成可能でないと判定できる。加熱生成ガス量は、水素含有金属材と水との化学反応の副生成物と、水素含有金属材との加熱により消費された水素含有金属材の消費量の代用値として取得されるものである。したがって、加熱生成ガス量と加熱生成判定量とを比較することにより、水素含有金属材の水素生成能力を監視することができる。
第2の発明によれば、加熱生成ガス量が加熱生成判定量よりも少ない場合には、水供給生成ガス量と、水供給生成判定量とを比較できる。そして、水供給生成ガス量が水供給生成判定量よりも少ない場合には、水素含有金属材が水との化学反応により水素ガスを生成可能でない状態であると判定できる。水供給生成ガス量は、加熱生成ガス量と同様、水素含有金属材と水との化学反応により消費された水素含有金属材の消費量の代用値として取得されるものである。したがって、この水供給生成ガス量と水供給生成判定量とを比較することにより、水素含有金属材の水素生成能力が残存していないことを監視することができる。したがって、第2の発明によれば、水素含有金属材の水素生成能力を正確に監視することができる。
第3の発明によれば、水供給生成ガス量と、水供給生成判定量とを比較できる。そして、水供給生成ガス量が水供給生成判定量よりも少ない場合には、水の供給を停止して水素含有金属材を加熱し、加熱生成ガス量と、加熱生成判定量とを比較できる。さらに、この比較の結果、加熱生成ガス量が加熱生成判定量よりも少ない場合には、水素含有金属材が水素ガスを生成可能でない状態であると判定できる。水供給生成ガス量及び加熱生成ガス量は、いずれも水素含有金属材と水との化学反応により消費された水素含有金属材の消費量の代用値として取得されるものである。したがって、これらの2つのガス量と、それぞれに対応した判定量とを比較することにより、水素含有金属材の水素生成能力を正確に監視することができる。
第4の発明によれば、水素含有金属状態判定装置を用いて、タンク内の水素含有金属材の水素生成能力を監視することができる。
第5の発明によれば、複数のタンクに対応する水素含有金属状態判定装置を用いて、タンク内の水素含有金属材の水素生成能力を監視することができるとともに、この水素生成能力に関する出力信号に基づいて、複数のタンクを切り替える制御ができる。
第6の発明によれば、タンクに水が供給されていない場合に判定することができるため、タンク内の水素含有金属材の水素生成能力を高精度に監視することができる。
本実施の形態のシステム構成を説明するための図である。 本実施の形態のECU50が実行するルーチンのフローチャートである。 本実施の形態の変形例のECU50が実行するルーチンのフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本実施の形態のシステム構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、燃料電池10を備えている。燃料電池10は水タンク12と流路14を介して接続されている。水タンク12は、燃料電池10から排出される水を貯留することができるタンクであるが、初期状態において一定量の水が貯留されているものとする。
水タンク12は、水素生成装置16に接続されている。水素生成装置16には、図示しない隔壁等で5つに区分された水素生成装置18a〜eが配置されている。この区分数については5つに限られず、車両搭載時の設計により増減が可能である。水素生成装置18a〜eは、水タンク12と、それぞれ流路20a〜eを介して接続されている。水素生成装置18a〜eに近い流路20a〜e上には、供給弁22a〜eがそれぞれ配置されている。供給弁22a〜eは、燃料電池10から要求される水素量に応じて、その稼動が切り替え制御されていてもよい。
水タンク12に貯留された水は、水蒸気の状態で流路20a〜eを流れ、供給弁22a〜eにより所定の圧力に調整されて水素生成装置18a〜eに注入される。水蒸気の状態で注入する理由は、後述する水素ガス生成反応において、水蒸気が持つ熱エネルギーの利用を図るためである。注入された水蒸気は、水素生成装置18a〜eにおいて消費される。ただし、消費されない場合には、流路24a〜eを流れて外部に排出される。外部への排出に際しては、水タンク12に還流させることも可能である。
水素生成装置18a〜eには、内部に水素化リチウムを貯蔵したタンク26a〜e及びタンク26a〜eのそれぞれの水素化リチウムの状態を判定するための判定装置28a〜eがそれぞれ配置されている。なお、図1に示すように、判定装置28a〜eはタンク毎に1つずつ配置されているが、タンク毎に複数の判定装置が配置されていてもよい。タンク毎に複数の判定装置を配置することで、複数の判定結果を得ることが可能となるため、これらの判定結果を統計処理等することにより判定精度を向上できる。また、判定ごとに判定装置を使い分けることが可能となるため、同一の判定装置を繰り返し使用することに伴う判定精度の低下を抑制できる。
判定装置28a〜eには、内部に水素化リチウムを貯蔵したタンク30a〜eが配置されている。タンク30a〜eに近接して、タンク30a〜eを加熱するためのヒーター32a〜eが配置されている。ここで、タンク30a〜eは、タンク26a〜eの水素化リチウムの状態を正確に判定するために十分な容量であることが要求されるが、26a〜eよりも小容量であることが好ましく、タンク26a〜eの容量の1〜5%の小容量であることが好ましい。1〜5%の小容量であれば、水素化リチウムの状態を正確に判定でき、判定に要する時間が短時間で済むと同時に、判定装置本体の構成を小容量とすることができるため好ましい。
また、判定装置28a〜eには、タンク30a〜eの温度を取得するための温度センサ34a〜eと、タンク30a〜eから放出される水素ガスの放出量を取得するための水素ガスセンサ36a〜eがそれぞれ配置されている。
水素生成装置18a〜eに注入された水蒸気は、タンク26a〜e、タンク30a〜eにそれぞれ供給される。それぞれのタンクには、そのタンク容量に応じた水蒸気が供給される。こうすることで、タンク26a〜eの水素化リチウムの状態と、タンク30a〜eの水素化リチウムの状態とが同一となるように調整される。具体的に、タンク30a〜eの容量がタンク26a〜eの5%である場合には、物質量(mol)に換算しても5%の水素化リチウムがタンク30a〜eに貯蔵されていることになる。したがって、タンク30a〜eに対しては、物質量換算で5%の水蒸気が供給されることになる。
タンク30a〜eから放出される水素ガスは、タンク26a〜eから放出される水素ガスと共に、流路38a〜eを介して燃料電池10に供給される。そして、燃料電池10において水素ガスが消費され、水が生成される。この結果、燃料電池10で生成した水が水タンク12に排出される。
本実施の形態1のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を更に備えている。ECUの入力側には、上述した温度センサ34a〜e、水素ガスセンサ36a〜e等が接続されている。一方、ECU50の出力側には、上述した供給弁22a〜e、ヒーター32a〜eのほか、水素を貯蔵した水素タンク40、外部報知手段42等が接続されている。
ところで、実施の形態1のシステムは、車両等の移動体に搭載されて用いられる。ここで、水素化リチウムは、水と激しく反応し、水素ガスを生成する一方で水素化リチウム自体は消費されるという性質を有する。したがって、実施の形態1のシステムを移動体に搭載した場合には、何らかの時期に、この水素化リチウムを補充する、タンク26a〜eを交換する等の措置を講ずる必要が生じる。しかしながら、例えば、水蒸気の供給を繰り返して行い、タンク26aの水素化リチウムを何度も使用するような場合には、実際に使用する前に、タンク26aの状態を把握することが望ましい。
そこで、本発明では、システム内に設けた判定装置28a〜eを適宜用いて、タンク26a〜eが貯蔵する水素化リチウムの状態を判定し、水素化リチウムの補充時期、タンクの交換時期等を検知することとしている。供給弁22a〜eの稼動を切り替え制御している場合には、稼動すべき供給弁の切り替え時期をも検知することもできる。
水素化リチウムの状態判定は、水素化リチウムを反応物とする水素ガス生成反応の特性を利用する。この水素ガス生成反応は、次式(3)、(4)で表される。
LiH+HO → Li(OH)+H ・・・ (3)
LiH+Li(OH) → LiO+H ・・・ (4)
上式(3)の反応は、常温で激しく進行する。一方、上式(4)の反応は、一定の高温条件下で進行する。
本実施の形態では、タンク26a〜eに水蒸気が供給される。水蒸気は熱エネルギーを有していることから、タンク26a〜eでは、上式(3)、(4)の反応が同時に進行することが予想される。このため、水蒸気を供給すれば、水を供給する場合に比べてより多くの物質量の水素ガスが生成できる。なぜならば、タンク26a〜eに水を供給した場合には、上式(3)の反応のみが進行するからである。したがって、水蒸気を供給すれば、水素ガスの高い収益率が期待できる。しかしながら、水蒸気を供給した場合には、上式(3)、(4)の反応が同時に進行する分、未反応の水素化リチウムの状態が複雑となることが予想される。このため、水蒸気を供給すれば、それだけ水素化リチウムの状態を把握することが困難となる。
ところで、上記の特性によれば、タンク26a〜eの水素化リチウムは、反応の進行程度に応じて、それぞれ次の(i)〜(iii)の状態で存在することが考えられる。
(i)0〜20%程度進行した場合:ほぼ全量が水素化リチウム(表面層は水酸化リチウム)
(ii)20〜80%程度進行した場合:表面層に水酸化リチウムと酸化リチウムとが混合
(iii)80%程度〜100%進行した場合:ほぼ全量が酸化リチウム
したがって、本実施の形態では、判定装置28a〜eを用いて、タンク26a〜eが上記(i)〜(iii)のいずれの状態にあるかを把握する。具体的には、車両のスタート直前といった、供給弁22a〜eから水蒸気が供給されていないときに、判定装置28a〜eの水素化リチウムが上式(4)の反応条件となるように制御する。そして、この際に生成する水素ガスの量に応じてタンク26a〜eが上記(ii)の状態にあるか、或いは(i)又は(iii)の状態にあるかを判定する。
この結果、(i)又は(iii)の状態にあると判定された場合には、判定装置28a〜eに少量の水を供給し、(i)の状態にあるか、或いは(iii)の状態にあるかを判定する。そして、この結果、(iii)の状態にあると判定された場合には、水素ガスの生成が見込まれない。このため、タンク26a〜eに対する水蒸気の供給を禁止することができる。こうすることで、水素ガス生成に供与し得ない水蒸気の供給を未然に禁止し、水蒸気の効率的な利用を図ることができる。また、水素ガスの生成が見込まれなければ、燃料電池10に対する水素ガスの提供ができなくなる。このため、燃料電池10に一時的に水素ガスを供給する水素タンク40を起動する、外部報知手段42を起動する、といった所要の措置を講ずることができる。なお、外部報知手段42としては、例えば、ECU50に電気的に接続されたLEDを点灯させることで車室内の使用者へ報知することが挙げられる。
[実施の形態1における具体的処理]
図2は、上記の機能を実現するために、ECU50が実行するルーチンのフローチャートである。図2に示すルーチンによれば、まず、タンク26a〜eが停止中であるか否かが判別される(ステップ100)。移動体のスタート直前等では、供給弁22a〜eが非稼動であるため水蒸気がタンク26a〜eに供給されていない。このため、供給弁22a〜eが稼働中の場合に比べて水素化リチウムの状態検知が正確にできる。タンク26a〜eが停止中の場合にはヒーター32a〜eが起動され、タンク30a〜eの加熱が開始される(ステップ120)。一方、タンク26a〜eが停止中でない場合には、本ルーチンは一旦終了される。
ステップ120に続いて、タンク30a〜eの水素化リチウムの状態検知が可能な温度に達したかが判別される(ステップ140)。上述したように、温度センサ34a〜eから、タンク30a〜eの温度が取得できる。したがって、取得した温度をモニタすることで、タンク30a〜eが上式(4)の反応を起こすために十分な温度条件に達したかが判別される。本ステップは、この所定の温度条件に達するまで繰り返される。
所定の温度条件に達した場合には、水素ガスの放出量が取得される(ステップ160)。所定の温度条件に達することで上式(4)の反応が進行し、水素ガスが生成する。そこで、水素ガスセンサ36a〜eにより水素ガスの放出量が取得される。続いて、この放出量と予め定めた水素ガスの規定量とが比較される(ステップ180)。ここで、比較の対象となる水素ガスの規定量は、上記(ii)の状態の場合、すなわち、水素化リチウムの反応が20%〜80%進行した場合に放出される水素量の下限値(下限値A)であり、予め実験等により求めることができる。
ステップ180で水素放出量が上記下限値Aよりも多い場合には、水素化リチウムは上記(ii)の状態にあると判別できるため、水素ガスの放出が可能と判断される(ステップ200)。一方、水素放出量が上記下限値Aよりも少ない場合には、水素化リチウムの状態は、上記(i)の状態、すなわち、水素化リチウムの量が多い一方で、水酸化リチウムの量が少ない状態であるか、或いは上記(iii)の状態、すなわち水素化リチウムの量が少ない状態のいずれかであることが予測される。
したがって、水素放出量が上記下限値Aよりも少ない場合には、タンク30a〜eに少量の水が供給される(ステップ220)。多量の水素化リチウムが残留していれば、少量の水であっても上記(3)の反応は起こり、水素ガスが生成する。そこで、水素ガスセンサ36a〜eにより水素ガスの放出量が取得される(ステップ240)。
ステップ240に続いて、この放出量と予め定めた水素ガスの規定量とが比較される(ステップ260)。ここで、比較の対象となる水素ガスの規定量は、上記(i)の状態の場合、すなわち、水素化リチウムの反応が0%〜20%進行した場合に放出される水素量の下限値(下限値B)である。なお、この下限値Bは、下限値Aと同様、予め実験等により求めることができる。
ステップ260で水素放出量が上記下限値Bよりも多い場合には、水素化リチウムは上記(i)の状態にあると判別できるため、水素ガスの放出が可能と判断される(ステップ200)。一方、水素放出量が上記下限値Bよりも少ない場合には、上記(iii)の状態、すなわち水素化リチウムの量が少ない状態であることが予測される。したがって、水素ガスの十分な放出が可能でないと判断される(ステップ280)。水素ガスの十分な放出が可能でないと判断された場合には、上述したように、水素タンク40を起動する、外部報知手段42を起動する、といった所要の措置が講じられる。供給弁22a〜eの稼動を切り替え制御している場合には、供給弁を切り替えて使用するタンクを切り替える措置を講じることも可能である。
以上、図2に示すルーチンによれば、判定装置28a〜eを用いて、タンク26a〜eが上記(i)〜(iii)のいずれの状態にあるかを判定することができるので、タンク26a〜eの水素化リチウムを効率的に使用することができる。また、水素ガスを生成可能でないと判断された場合には、水素タンク40を起動する、外部報知手段42を起動する、といった所要の措置を講ずることができる。
以上説明した実施の形態においては、供給弁22a〜eの非稼動時に、判定装置28a〜eを加熱して、タンク30a〜eの水素化リチウムが上記(ii)の状態にあるか、或いは(i)又は(iii)の状態にあるかを判定し、(i)又は(iii)の状態にあると判定された場合に、判定装置28a〜eに水を供給して(i)の状態にあるか、或いは(iii)の状態にあるかを判定することとしたが、この判定の順序は変更が可能である。
具体的には、図3のルーチンに示すとおりである。つまり、タンク26a〜eが停止中であるか否かを判別し(ステップ300)、停止中である場合には、タンク30a〜eに少量の水が供給される(ステップ320)。一方、停止中でない場合には、本ルーチンは一旦終了する。
ステップ320に続いて、水素ガスセンサ36a〜eにより水素ガスの放出量が取得される(ステップ340)。上記(iii)の状態でなければ上記(3)の反応が起こるので水素ガスが生成し、放出される。そこで、この放出量と予め定めた水素ガスの規定量とが比較される(ステップ360)。ここで用いる水素ガスの規定量は、上述した下限値Bとすることができる。
ステップ360で水素放出量が上記下限値Bよりも多い場合には、水素化リチウムは、少なくとも上記(iii)の状態にないと判別できるため、水素ガスの放出が可能と判断される(ステップ380)。一方、水素放出量が上記下限値Bよりも少ない場合には、上記(iii)の状態、すなわち水素化リチウムの量が少ない状態であるか、或いは、(ii)の状態、すなわち、水素化リチウムの反応が20%〜80%進行した状態のいずれかであることが予測される。
したがって、水素放出量が上記下限値Bよりも少ない場合には、ヒーター32a〜eが起動され、タンク30a〜eの加熱が開始され(ステップ400)、タンク30a〜eの水素化リチウムの状態検知が可能な所定の温度に達したかが判別される(ステップ420)。
ステップ420に続いて、所定の温度条件に達した場合には、水素ガスの放出量が取得され(ステップ440)、この放出量と予め定めた水素ガスの規定量とが比較される(ステップ460)。ここで用いる水素ガスの規定量は、上述した下限値Aとすることができる。
ステップ460で水素放出量が上記下限値Aよりも多い場合には、水素化リチウムは上記(ii)の状態にあると判別できるため、水素ガスの放出が可能と判断される(ステップ380)。一方、水素放出量が上記下限値Aよりも少ない場合には、水素化リチウムの状態は、上記(iii)の状態であることが予測される。したがって、水素ガスの十分な放出が可能でないと判断される(ステップ480)。この結果、水素タンク40を起動する等の所要の措置が講じられることになる。
このように、判定の順序を変更した場合であっても、判定装置28a〜eを用いて、タンク26a〜eが上記(i)〜(iii)のいずれの状態にあるかを判定することができる。したがって、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、上述した本実施の形態では、水素生成装置18a〜eに水素化リチウムを用いたが、水素ガスの生成が可能な金属材料であればこれに限られない。水素ガスが生成可能な金属材料としては、水素及び金属元素を含む材料が挙げられる。金属元素としては、例えば周期表の第1族のアルカリ金属、第2族のアルカリ土類金属、第3〜第12族の遷移金属が挙げられるが、時間当たりの水素ガス生成量、取扱上の観点等から適宜選択が可能である。なお、タンク26a〜e及びタンク30a〜eに貯蔵される金属材料は、同一の金属材料であることが判定精度の観点から好ましい。
10 燃料電池
12 水タンク
14 流路
16、18a〜e 水素生成装置
20a〜e 流路
22a〜e 供給弁
24a〜e 流路
26a〜e、30a〜e タンク
28a〜e 判定装置
32a〜e ヒーター
36a〜e 水素ガスセンサ
50 ECU

Claims (6)

  1. 水との化学反応および該化学反応の副生成物との加熱反応により水素ガスを生成可能な水素含有金属材と、
    前記水素含有金属材に水を供給する手段と、
    水の非供給時に前記水素含有金属材を加熱する手段と、
    加熱時に生成する水素ガスの量を加熱生成ガス量として取得する手段と、
    前記加熱生成ガス量と予め定めた加熱生成判定量との比較を行う手段と、
    前記加熱生成ガス量が前記加熱生成判定量よりも少ない場合に、前記水素含有金属材が加熱反応により水素ガスを生成可能でないとする所定の信号を出力する手段と、
    を備えることを特徴とする水素含有金属材状態判定装置。
  2. 前記加熱生成ガス量が前記加熱生成判定量よりも少ない場合に、前記水素含有金属材に水を供給する手段と、
    水の供給時に生成する水素ガスの量を水供給生成ガス量として取得する手段と、
    前記水供給生成ガス量と予め定めた水供給生成判定量とを比較する手段と、
    前記水供給生成ガス量が前記水供給生成判定量よりも少ない場合に、前記水素含有金属材が水との化学反応により水素ガスを生成可能でないとする所定の信号を出力する手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の水素含有金属材状態判定装置。
  3. 水との化学反応および該化学反応の副生成物との加熱反応により水素ガスを生成可能な水素含有金属材と、
    前記水素含有金属材に水を供給する手段と、
    水の供給時に生成する水素ガスの量を水供給生成ガス量として取得する手段と、
    前記水供給生成ガス量と予め定めた水供給生成判定量とを比較する手段と、
    前記水供給生成ガス量が前記水供給生成判定量よりも少ない場合に、前記水素含有金属材に対する水の供給を停止し、前記水素含有金属材を加熱する手段と、
    加熱時に生成する水素ガスの量を加熱生成ガス量として取得する手段と、
    前記加熱生成ガス量と予め定めた加熱生成判定量との比較をする手段と、
    前記加熱生成ガス量が前記加熱生成判定量よりも少ない場合に、前記水素含有金属材が水素ガスを生成可能でないとする所定の信号を出力する手段と、
    を備えることを特徴とする水素含有金属材状態判定装置。
  4. 請求項1乃至3いずれか1項に記載の水素含有金属材状態判定装置と、
    前記水素含有金属状態判定装置が備えた水素含有金属材よりも多い物質量の水素含有金属材を貯蔵したタンクと、
    前記タンクに水を供給する手段と、
    前記タンクに貯蔵された水素含有金属材料の状態と同一の状態となるように、前記水素含有金属状態判定装置が備えた水素含有金属材に供給する水の圧力を調整する手段と、
    を備えることを特徴とする水素生成装置。
  5. 前記タンクは複数あり、
    前記タンクの夫々に対応する複数の前記水素含有金属材状態判定装置と、
    前記水素含有金属状態判定装置の夫々が備えた水素含有金属材が、水素ガスを生成可能な状態にあるかに関する出力信号を取得する手段と、
    前記出力信号に基づいて、前記タンクの夫々に対する水の供給を切り替える手段と、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の水素生成装置。
  6. 前記出力信号は、前記タンクに対する水の供給が行われていない場合に取得されることを特徴とする請求項5に記載の水素生成装置。
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