JP5353179B2 - 欠陥修正装置および欠陥修正方法 - Google Patents
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Description
例えば、同一の配線に接して生じている欠陥や、配線部内で略同位置に生じている欠陥等の修正においても、周囲に位置している部材の種類や有無に応じてそれぞれ異なる欠陥修正手法を選定することが必要となる。また、例えば、レーザ光照射による短絡箇所の切断を検討する場合、熱拡散によって周囲の薄膜トランジスタ(TFT)等に変質が生じることを回避する必要がある。
特に、有機ELディスプレイのように配線部(画素)を構成する配線の種類や配置が複雑な場合とか、配線の両端に電源が接続されている電位供給配線などの両側駆動の配線が他の片側駆動配線と混在して配線部を構成している場合などが該当する。このような場合には、欠陥に対する修正手法の選択肢が極端に増大し、これに伴って適切な修正手法を選びとることも困難となる。
具体的には、制御部は、実際の欠陥の領域情報(第1領域情報)の構成要素と、予め登録された繰り返しパターン内の欠陥に該当する領域情報(第2領域情報)の構成要素と、を比較し、比較結果に基づいて前記データベースから前記欠陥修正手法を読み出す。領域情報の構成要素として、前記多層基板を構成するレイヤ個別の情報を示すレイヤ情報と、該当レイヤを構成する個別の領域(ラベル)の情報を示すラベル情報、が含まれる。
1.第1の実施の形態
2.変形例
[概要]
本実施の形態では、目的とする配線基板がディスプレイ装置を構成する場合について、つまりTFT基板等からなる配線基板を構成する多数の配線部をディスプレイ装置の画素に対応して2次元マトリクス状に多数形成する場合について、説明を行う。
この例では、共通の基板3に4台分のフラットパネルディスプレイの配線基板1が形成されている。配線基板1は、後述する繰り返しパターンを有するエリア(繰り返しパターン区域6、図2参照)、配線5を介して繰り返しパターンから外部へ接続する周辺回路4のエリア(周辺回路区域)、繰り返しパターン区域6と周辺回路区域の境となる最外周のエリア(最外周区域)に分けられる。繰り返しパターン区域6と最外周区域は、配線部2をフラットパネルディスプレイの画素に対応して2次元マトリクス状に形成したものである。繰り返しパターン区域6は、図2に示すように、配線部2が繰り返し形成された領域のうちの最外周区域を除いた部分である。
本実施の形態においては、まず、基板3上に、走査配線と、層間絶縁膜と、信号配線及び電位供給配線とを、目的とする配線部2の主要構成として積層形成することによって、配線部形成工程を実施する(ステップS1,S2,S3)。また、周辺回路4及び配線5を形成して、周辺回路4と最外周区域の配線部2を接続する。この周辺回路4と配線5の形成工程は、上記ステップS1〜S3における走査配線、層間絶縁膜、信号配線及び電位供給線を形成する工程の前後いずれでもよい。
配線部形成工程を経た基板3を、光学式検査機11に移動し(第1工程)、光学式検査を実施して欠陥の特定を行い、検査結果21を欠陥情報管理システム12に出力する(第2工程)。また、基板3を電気式検査機13に移動し(第3工程)、電気式検査を実施して欠陥の特定を行い、検査結果22を欠陥情報管理システム12に出力する(第4工程)。欠陥情報管理システム12は、いずれかもしくは両方の欠陥情報を関連付けた欠陥情報を生成し(第5工程)、欠陥情報ファイル24としてメモリに記録する。一方、電気式検査機13からリペア機14へ基板3が移動する(第6工程)とともに、リペア機14は欠陥情報ファイル24を欠陥情報管理システム12から受け取る。
図5に、配線基板に対して欠陥修正工程を実行する欠陥修正装置(リペア機14に相当)の一例の構成図を示す。
本実施の形態に係る欠陥修正装置200は、レーザ光照射により短絡箇所を切断する所謂レーザリペア装置の例であるが、レーザCVD法などの配線の結線処理を行える装置(例えば、特開2008−159930号公報の図5を参照)に適用することも可能である。この欠陥修正装置200は、対物レンズ208と基板3との間にレーザCVD法を実施できる加工装置を備えており、それについては同公開公報の図5,図6とその説明文に詳細な構成が記載されている。
具体的には、例えば詳細位置情報抽出部221からの詳細位置情報に基づいて、欠陥箇所が配線基板のどの位置および状態で存在し、かつ、どのようなレイヤ情報を含むかを判定し、欠陥位置に適した欠陥修正処理が実施されるような制御を実行する。
図6は、制御部201の内部構成を示したブロック図である。制御部201は、領域情報取得部251、領域一致率/不一致率演算部252、欠陥領域判定レベル演算部253、テンプレート選別判定レベル演算部254、テンプレート出力判定レベル演算部255、欠陥修正実行部256および記録部260を含むように構成される。記録部260は半導体メモリ等の不揮発性の記憶装置が適用される。各処理部については後述する。
欠陥修正装置200による欠陥修正工程について、上述した構成からなる欠陥修正システムの一連の動作とともに、図7,図8のフローチャートを参照して説明する。図7は、一連の欠陥修正処理のメインルーチンを示すフローチャート、図8は、欠陥修正処理のリペア手法取得処理(ステップS17)に係るフローチャートである。
欠陥修正装置200にパラメータをセットする。すなわち、欠陥修正装置200に修正を行うための上述した基本情報を設定する。
パラメータは、具体的には、修正対象となる基板3内における配線部2の数と配置、パターンの数、配置、アライメントマーク位置等の上記基板3に関わる基礎情報である。また、自動で修正を行う対象となる欠陥の大きさや条件、基板3内において修正を行う数や優先する欠陥の特徴等の修正条件の設定情報、配線パターンの形状と修正手法のデータベース(データベースが複数の場合に適用)等である。当該欠陥修正装置200において固有に設定するこれらのパラメータをセットする。
外部から基板3を欠陥修正装置200に搬入し、その基板3の前プロセスの欠陥情報を入力する。搬入された基板3の情報、欠陥情報を欠陥修正装置200内にセットされているパラメータと照合し、修正対象となる基板3の基本情報を確定し、修正条件の初期設定(修正処理数のクリア等)を行う。
上記の基板3毎の欠陥情報の一覧から、リストの上位から順に修正を行うか、特定の欠陥(線欠陥を優先する等)をまとめて行うかをソートするか、もしくは欠陥修正装置200のオペレータが任意の欠陥を選択するかのいずれかの方法で、欠陥情報を一つ入力する。
入力された基板3の欠陥情報のリストから自動で修正を行うことができるかを確認する。すなわち、入力される欠陥情報だけでは自動で修正処理が不可能なときがあり、これの確認を行う。
例えば、滅点化処理を規定の数以上行っていないか、修正処理を規定の数以上行っていないか、既に修正処理を行っている欠陥であるか等、現在の基板3の修正条件にそぐわない場合に自動で修正できない可能性がある。また、入力された欠陥の座標が不確定である、パターンの外部等で修正は行わないと明確に定義してある場所である等の場合において、自動で修正できない可能性がある。このような条件の詳細は、本出願人による特開2008−155263号公報の図4等に記載されている。
入力された欠陥情報が修正を行う欠陥であると判断されたら、欠陥の詳細な座標情報を取得する。具体的には、光学式検査結果の欠陥座標、若しくは電気式検査結果のピクセルの番号等から欠陥が実際に存在する箇所を算出する。なお、このステップS5について、図7には「サブピクセル座標取得」と記載している。
欠陥の詳細な位置が算出されたら、XYステージ205を移動して、欠陥画像を撮影し、パターン内の詳細な欠陥情報を取得する。なお、図7には「レビュー情報取得」と記載している。
本発明の特徴とする処理であり、欠陥画像から取得した欠陥の詳細情報と欠陥修正手法とを照らし合わせて、最適な欠陥修正手法を修正手法データベース225から索出し、欠陥の位置情報に合わせて出力する。なお、図7には「リペア手法取得」と記載している。本ステップにおける処理については、図8を参照して詳細に説明する。
欠陥修正手法を実際の欠陥の位置にあわせて設定し、必要に応じて位置補正を行った後、修正を実行する。その際の修正の実行結果は、記録部260または修正手法データベース225等に別途保存しておく。なお、このステップS8について、図7においては「リペア実行」と記載している。
修正の実行が終了したら、欠陥画像を撮影した場所と同じ座標と倍率によって、修正後の画像を撮影、比較することにより、適切な修正が完了したかどうかの簡易判定を行う。
修正の結果を更新する。更新内容は修正が適切に行われたかの判定、修正詳細内容、修正処理数、滅点化の修正処理数等である。修正結果の更新後、欠陥情報の一覧を再度確認し、未処理の欠陥の有無や修正の終了の判定を行い、次に別の欠陥情報を入力することによる修正処理を続行するか、若しくは修正を終了して基板3の搬出を行うかを決定する。
ここで、未処理の欠陥があると判定されたときには、ステップS12に戻る。
入力された基板3に対してすべての欠陥が修正された、もしくは修正の終了条件を満たしたら、基板3を搬出して欠陥情報管理システム12に欠陥の修正情報を出力する。修正の終了条件とは、規定の数値以上の修正を実行した、規定の数値以上の滅点化修正を行った、あるいは特定の欠陥に対する修正が終了した等である。
上述した各処理内で新規に欠陥修正手法が登録された、もしくはレーザのパワーや修正を行う欠陥の条件を変更する等の必要があれば、セットしてある欠陥修正装置200の修正手法データベース225のパラメータ情報を更新して、次の基板3をセットする。
配線部2は、単位画素を構成する各色の副画素、例えば三原色RGBに対応する3つの領域(以下、「サブエリア」ともいう。)2R,2G,2Bに区分されている。3つのサブエリア2R(2G,2B)は、異なるキャパシタ(容量素子)45R(45G,45B)を有している点で、互いに異なる構造になっている。本実施の形態においては、3つのサブエリア2R(2G,2B)の一部が互いに異なる形状(構造)になっているものを例として説明するが、それらのサブエリアが互いに同一の形状(構造)になっているものであってもよいことは勿論である。
なお、図8に示した配線部2の配線パターンは実際のものを模式的に表したに過ぎないので、実際の配線パターンと異なる点に留意する必要がある。
この欠陥画像内の欠陥50は、配線部分(電位供給配線42G,42B)の短絡欠陥の例である。まず詳細位置情報抽出部221において、配線部2の任意の一角に設定された基準座標51と繰り返しパターン領域52を検出する。さらに、基準座標51からの相対位置により繰り返しパターン上での欠陥50の位置と条件を絞り込む。そして、制御部201が欠陥50の条件に見合った登録テンプレートを修正手法データベース225から選択する。
すなわち、この例では、欠陥50の位置に応じた欠陥修正手法として、テンプレート(1)〜(3)が修正手法データベース225に登録されており、テンプレート(1)〜(3)の中から欠陥50の修正に最も適したテンプレートを選択する。
本実施の形態においてテンプレートとして表示される欠陥修正手法は、ヘッダ情報と、このヘッダ情報に関連付けられたオブジェクト情報とを有するデータファイルである(特開2007−163892号公報を参照)。
なお、この欠陥修正手法を「欠陥修正情報(リペアレシピ情報)」ともいう。
すなわち、オブジェクト情報は、ヘッダ情報に登録されたオブジェクト数だけ欠陥オブジェクトとリペアオブジェクトとを関連付けて登録したものである。なお、単に「登録」というときには、上記した修正手法データベース225に対する登録を意味している。
なお、「補正情報」は、実際の欠陥画像の欠陥位置との比較による位置補正のための情報であり、また、「角度」とは、上記したXYステージ205上における欠陥の正規の位置からの回転角度である。
領域情報取得部251による処理について説明する。
図11は、図9に示した繰り返しパターン(配線部2)のレイヤ構造(層構造)を模式的に表したものである。
多層構造であるが故に、特定のレイヤの下に別のレイヤが存在している場合があり、繰り返しパターンの画像70を見ただけではレイヤ構造を認識できない領域が存在する場合がある。例えば、単独のレイヤで構成される領域や、複数の異なるレイヤで構成される領域などが混在するような場合である。
図9のような欠陥の例では、図12A,12Bに示すような2種類の欠陥修正手法を登録する必要があることがわかる。
本例では、配線部2は、例えばレイヤ1〜レイヤ7(画像71〜画像77)の7つのレイヤ(層)から構成されている。これらのレイヤ個別にレイヤ情報として、レイヤが重なる順番(ID:識別情報)とレイヤ名を設定し、さらにレイヤ内の個別の領域(ラベル)にもIDを振り分けて、ラベル情報の登録を行う。ラベルとは、あるレイヤの中の一つのかたまりを表したものであり、レイヤ内の個別の領域として、配線や電極、コンタクトホールといったような部材に対応した特定の領域や場所が設定されている。レイヤ情報は、レイヤの識別情報や属性情報等を含み、例えばCADパターン等の設計回路情報や手入力情報から得ることができる。上記のレイヤ情報とラベル情報は、搬送されてきた基板3の受け取りとともに取得する。
レイヤ情報には、
(1)レイヤID
(2)レイヤ名
(3)レイヤ内の領域(ラベル)の数
が設定される。
本例のレイヤ4においては、レイヤ情報として「(1)レイヤID:4」、「(2)レイヤ名:レイヤ4」、「(3)レイヤ内の領域(ラベル)の数:7」が登録されている。
(1)ラベルID
(2)レイヤID(当該ラベルが属するレイヤ)
が設定される。
図14のレイヤ4のラベル7では、ラベル情報として「(1)ラベルID:7」、「(2)レイヤID:4」が登録されている。
マップデータには、
(1)座標
(2)存在するラベル情報(レイヤID:ラベルID)
が登録される。
図15に示す点81の場合、図13の登録レイヤ群より、例えば「(1)座標:(256,266)」、「(2)存在するラベル情報:(レイヤ4:ラベル1)、(レイヤ5:ラベル3)、(レイヤ7:ラベル3)」が登録されている。
特定の範囲の領域情報を取得するときは、取得したい範囲すべてに対し、マップデータの座標情報をスキャンしてヒットした領域情報を出力値とすればよい。例えば図16の領域82の場合、図13の登録レイヤ群より、領域内のラベル情報として「(レイヤ1:ラベル2)、(レイヤ2:ラベル3)、(レイヤ3:ラベル3)、(レイヤ4:ラベル3、ラベル7)、(レイヤ6:ラベル3)、(レイヤ7:ラベル3)」が出力される。
繰り返しパターンの領域に入らない領域を取得する場合は、マップデータを周辺8方向に移動(シフト)させて、繰り返しパターンの領域からの方向と併せて取得する。これにより、複数の繰り返しパターンにまたがる領域(欠陥)についても、領域情報の設定、取得が可能になる。
この例では、図13の登録レイヤ群より、領域内のラベル情報(レイヤID:ラベルID)として、「中心範囲(レイヤ1:ラベル2)、(レイヤ7:ラベル5)、下方向の範囲(レイヤ1:ラベル1)、(レイヤ7:ラベル2)」が登録される。
次に、領域一致率/不一致率演算部252による処理について説明する。
実欠陥の範囲とテンプレートの想定(設定)している欠陥の範囲を比較したときの比較情報の一致状況を下記の定義として示す。
領域一致率は、欠陥領域の中に含まれるテンプレートの領域情報の割合を示す。欠陥の領域情報の数をDefDataSize、テンプレートの領域情報に含まれる欠陥の領域情報の数をDefCompSizeとしたとき、領域一致率PerRankは下記のように求められる。
PerRank = (DefCompSize /DefDatSize) * 100
領域不一致率は、欠陥領域情報に含まれないテンプレート領域情報の割合を示す。テンプレートの領域情報の数をTempDataSize、テンプレートの領域情報に含まれる欠陥の領域情報の数をDefCompSizeとしたとき、領域不一致率PerWasは下記のように求められる。
PerWas =|((DefCompSize - TempDataSize)/ TempDataSize) * 100|
領域一致閾値は、領域一致率の閾値であり、領域一致率とともに次項目の欠陥領域判定レベルの決定要素として使用する。欠陥とテンプレートの領域構成の一致率が高いと、当該テンプレートの出力優先順位が上がる。
領域不一致閾値は、領域不一致の閾値であり、領域不一致率とともに次項目の欠陥領域判定レベルの決定要素として使用する。欠陥とテンプレートの領域構成の一致率が高いと、当該テンプレートの出力優先順位が上がる。欠陥とテンプレートの領域構成で一致しない構成要素が多いと、当該テンプレートの出力優先順位が下がる。
欠陥領域情報DefDataSizeの数 : 7
テンプレートの領域情報TempDataSizeの数 : 6
テンプレートに一致する欠陥領域情報DefCompSizeの数 : 5
したがって、
領域一致率 : PerRank
PerRank = (DefCompSize /DefDatSize) * 100 ≒ 71.4
領域不一致率 : PerWas
PerWas =|((DefCompSize - TempDataSize)/ TempDataSize) * 100| ≒ 16.6
となる。
次に、欠陥領域判定レベル演算部253による処理について説明する。
欠陥領域判定レベルは、上記領域一致率および不一致率に基づいて、欠陥の範囲とテンプレートの想定している欠陥の範囲を比較した時の比較情報の判定レベルである。下記のようにランク付けし、判定レベルが上がるにつれ、よりテンプレートの特徴に近い欠陥であることを示す。
比較した領域構成情報が過不足なくすべて一致している。
領域判定レベルA :
テンプレートの領域構成情報内に欠陥の領域構成情報がすべて含まれるが、テンプレートの領域情報(ラベル要素)の数が多い。
領域判定レベルB :
(1)欠陥の領域構成情報の中にテンプレートの領域情報がすべて含まれる
が、欠陥の領域情報の数が多い、もしくは
(2)領域一致率が領域一致閾値より高く、領域不一致率が領域不一致閾値
より低い(欠陥が残る可能性がある)。
領域判定レベルC :
比較した領域構成情報に一致するものがあるが、領域判定レベルBの基
準に満たない(テンプレートの領域情報をすべて内包せず、閾値の基準
満たない。)に加えて、テンプレートのほうにも欠陥の領域情報に含まれ
ない領域情報がある(欠陥の位置がずれている可能性がある)。
領域判定レベルD :
比較した領域構成情報に一致しているものがひとつもない(テンプレートが想定している欠陥とは異なる欠陥の可能性がある)。
欠陥範囲101の場合:
テンプレートの欠陥範囲90に実欠陥の欠陥範囲101が含まれ、比較した領域構成情報が過不足なくすべて一致しているので、領域判定レベルは「S」と判定されている。
欠陥範囲102の場合:
テンプレートの欠陥範囲90に実欠陥の欠陥範囲101が含まれるが、領域一致率または領域不一致率の関係で、領域判定レベルは「A」と判定されている。
欠陥範囲103の場合:
実欠陥の欠陥範囲103とテンプレートの欠陥範囲90が一部重なっており、欠陥の領域構成情報の中にテンプレートの領域構成情報がすべて含まれるが、欠陥の領域構成情報の数が多く、領域判定レベル「B(1)」と判定されている。
欠陥範囲104の場合:
実欠陥の欠陥範囲104とテンプレートの欠陥範囲90が一部重なっているが、領域一致率が領域一致閾値より高く、領域不一致率が領域不一致閾値より低く、領域判定レベル「B(2)」と判定されている。
欠陥範囲105の場合:
テンプレートの欠陥と実欠陥の位置がずれている。比較した領域構成情報に一致するものがあるが、領域判定レベルBの基準に満たず、テンプレートのほうにも欠陥の領域構成情報に含まれない領域情報があり、領域判定レベル「C」と判定されている。
欠陥範囲106の場合:
テンプレートの欠陥と実欠陥の位置が全く異なっており、比較した領域構成情報に一致しているものがひとつもなく、領域判定レベル「D」と判定されている。
次に、テンプレート選別判定レベル演算部254による処理について説明する。
テンプレート選別判定レベルは、出力テンプレートの領域構成情報の一致条件を設定するものである。以下のようにランク付けし、判定条件が厳しくなると検出率は下がるが、欠陥修正手法はより正確になると想定される。また、選別判定レベルA、およびBのとき、出力されるテンプレートの候補が複数あった時には、より選別判定レベルが高いものが優先候補とされる。
領域判定レベルS以外のテンプレートを出力候補から除く。
選別判定レベルA :
領域判定レベルAまでを出力候補とする。欠陥に対してのリペアは行わ
れるが、不要なリペア処理を行う可能性がある。
選別判定レベルB :
比較した領域構成情報が一つでも一致する場合(領域判定レベルCまで)
出力候補とする。欠陥に対してのリペアは完全には保障されないが、登
録しているテンプレートの欠陥領域の設定の仕方によっては正しくリペ
アが行われることも可能。
次に、テンプレート出力判定レベル演算部255による処理について説明する。
テンプレート選別判定レベルで出力候補とされるテンプレートが複数検出された時に、それらの中で、欠陥の位置情報を比較して、出力するテンプレートの優先順位を確定させる。なお、下記の出力判定レベルの切換えは、作業員が手動で切り換えるようにしてもよい。
テンプレートの想定する欠陥と実欠陥の重なる面積の割合が大きいもの
が優先される。また、まったく欠陥が重なっていないものは選別判定レ
ベルがSであっても削除される。
出力判定レベル低 :
欠陥の重心座標が近いものを優先する。
この例では、入力された実欠陥91の領域に対して、3つのテンプレートが選別され、各テンプレートに設定された欠陥111,112,113は、数字が大きくなるにつれ実欠陥の領域から離れ重なる面積が小さい。このような場合、テンプレートの優先順位は、欠陥111,欠陥112,欠陥113のテンプレートの順であり、かつ、出力判定レベルが高であるので、出力候補となるテンプレートは欠陥111,112を有する2つに確定される。すなわち、領域判定レベルが高くても、実欠陥とテンプレートに設定された欠陥の領域が重ならないときには優先順位が下がる。
図25に示す例は、キャパシタ45G内に欠陥128が存在する例であるが、特定のレイヤの領域に完全に重なっており、層構造を容易に特定できるので、複雑な出力判定レベルの必要性は低い。
[第1変形例:等電位領域、組み合わせ領域]
図26は、複数の配線パターンを基板3上に形成する繰り返しパターンエリアのパターン図を示したものである。図11に示したものと異なり、異なったレイヤ(例えばレイヤ4と他のレイヤ)がコンタクトホール131などで接続されて等電位面となっている。
図27の左図は、レイヤ4(画像74;図13参照)を基に表現されるレイヤの例(画像135A)を示している。この例では、電離供給配線が、レイヤ4の配線132G,132Bと、他のレイヤの配線133G,133Bが、コンタクトホール131により接続されている領域で表されている。
この例では、図13のレイヤ構成と比較して、配線133G,133Bを備えるレイヤ(画像141)が追加されている。さらに、レイヤ5(画像75;図13参照)に代えて、コンタクトホール131が追加されたレイヤ(画像142)を備える点で相違する。
図31は、特定の領域を任意に指定した例である。すなわち、配線部2の画像70からTFT素子44R,44G,44Gを選択して、新たに領域161R,161G,161Bを登録したレイヤ160を作成した例を示している。この追加作成したレイヤ160を、図13に示した既存のレイヤ構成に追加した登録レイヤ群を、図32に示す。
Claims (5)
- 繰り返しパターンが複数のレイヤによる多層構造で形成された多層基板を光学式検査機により表面を検査すると共に、電気式検査機により表面以外の層を検査し、前記繰り返しパターン内の欠陥の位置情報および前記欠陥の特徴情報を抽出する欠陥検出部と、
複数の欠陥修正手法が登録されたデータベースと、
前記多層基板の欠陥を指定された欠陥修正手法により修正する欠陥修正部と、
前記欠陥検出部で検出された欠陥に対応する欠陥修正手法を選択する際に、欠陥位置が存在するレイヤを示すレイヤ情報と、欠陥位置の層構造の情報を取得し、その欠陥位置のレイヤと層構造に適した欠陥修正手法を前記データベースから読み出し、当該欠陥修正手法を利用して前記欠陥の修正を実行する前記欠陥修正部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、実際の欠陥の領域情報(第1領域情報)の構成要素と、予め登録された繰り返しパターン内の欠陥に該当する領域情報(第2領域情報)の構成要素と、を比較し、比較結果に基づいて前記データベースから前記欠陥修正手法を読み出すものであり、
前記領域情報の構成要素として、
前記多層基板を構成するレイヤ個別の情報を示すレイヤ情報と、
該当レイヤを構成する個別の領域(ラベル)の情報を示すラベル情報、が含まれる
欠陥修正装置。 - 前記レイヤ情報は、レイヤの重なっている順番を示すレイヤID、レイヤ名、レイヤ内のラベルの数、が含まれ、
前記ラベル情報は、該当レイヤ内のラベルを識別するためのラベルID、該当ラベルが含まれるレイヤを示すレイヤID、が含まれる
請求項1に記載の欠陥修正装置。 - 前記データベースは、前記領域情報の構成要素として登録された全てのレイヤ情報およびラベル情報を、前記繰り返しパターン内の座標値に展開したマップデータが登録される
請求項2に記載の欠陥修正装置。 - 前記制御部は、
前記欠陥の領域情報(第1領域情報)を取得する領域情報取得部と、
前記領域情報取得部で取得した前記第1領域情報と予め登録された繰り返しパターン内の領域情報(第2領域情報)との、領域一致率および領域不一致率を計算する領域一致率/不一致率演算部と、
前記領域一致率/不一致率演算部が計算した領域一致率と領域不一致率のレベルを、所定の閾値に基づき判定する欠陥領域判定レベル演算部と、
前記欠陥領域判定レベル演算部が判定した結果に基づいて、欠陥修正手法を示すテンプレートを選別する選別判定レベル演算部と、
前記選別判定レベル演算部で選別したテンプレートについて、所定の判定レベルに基づいて、出力する優先順位を決定するテンプレート出力判定レベル演算部と、
前記テンプレート出力判定レベル演算部の決定された優先順位に基づいた欠陥修正手法を利用して、前記欠陥修正部を制御する欠陥修正実行部と、を備える
請求項3に記載の欠陥修正装置。 - 繰り返しパターンが複数のレイヤによる多層構造で形成された多層基板を光学式検査機により表面を検査すると共に、電気式検査機により表面以外の層を検査し、前記繰り返しパターン内の欠陥の位置情報および前記欠陥の特徴情報を抽出する第1のステップと、
前記第1のステップで検出された欠陥に対応する欠陥修正手法を選択する際に、欠陥位置が存在するレイヤを示すレイヤ情報と、欠陥位置の層構造の情報を取得し、その欠陥位置のレイヤと層構造に適した欠陥修正手法をデータベースから読み出す第2のステップと、
前記第2のステップで読み出された欠陥修正手法を利用して前記欠陥の修正を実行する欠陥修正部を制御する第3のステップと、を含み、
前記第2のステップでは、実際の欠陥の領域情報(第1領域情報)の構成要素と、予め登録された繰り返しパターン内の欠陥に該当する領域情報(第2領域情報)の構成要素と、を比較し、比較結果に基づいて前記データベースから前記欠陥修正手法を読み出すものであり、
前記領域情報の構成要素として、
前記多層基板を構成するレイヤ個別の情報を示すレイヤ情報と、
該当レイヤを構成する個別の領域(ラベル)の情報を示すラベル情報、が含まれる
欠陥修正方法。
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