JP2011085820A - 欠陥修正装置および欠陥修正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】欠陥を適切に判定し、欠陥修正工程の作業効率を著しく向上させつつ、欠陥修正の品質を向上させる。
【解決手段】欠陥修正装置が備える欠陥検出部が、多層基板における繰り返しパターンの欠陥画像と参照画像との差画像である欠陥領域画像を生成する。続いて、欠陥修正装置が備える制御部が、その欠陥領域画像と繰り返しパターンの該当する等電位面の情報を含む画像とを合成して判定用の合成画像を生成する。そして、制御部が、判定用の合成画像における該当等電位面の情報の変化から欠陥を判定する。その後、制御部が、判定結果に応じた欠陥修正手法を、欠陥修正手法が蓄積されているデータベースから読み出し、読み出した欠陥修正手法を利用して欠陥の修正を実行する欠陥修正部を制御する。
【選択図】図6

Description

本発明は、ディスプレイ装置の製造工程で行われる欠陥修正の技術に関する。特にフラットパネルディスプレイ(FPD;Flat Panel Display)のTFT(Thin Film Transistor)基板等の基板上に形成されたデバイスパターンや配線パターンにおける欠陥を修正するのに好適な欠陥修正装置および欠陥修正方法に関する。
現在、ディスプレイ装置として、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや液晶ディスプレイなどの所謂フラットパネルディスプレイが普及している。これらのディスプレイ装置は、薄膜トランジスタ(TFT)やキャパシタなどの素子、及びこれらの素子に電気的に連結された複数の配線(例えば信号配線や電位供給配線)などの様々な導電部材を含む配線基板によって構成される。
このディスプレイ装置を構成する配線基板の量産においては、例えば異物の存在によって、本来互いに離れて設けられる配線や素子が電気的に連結された短絡や、本来連続的に設けられる配線や素子が内部で互いに分離された断線などの、所謂欠陥が生じることがある。量産時の欠陥の発生は、ディスプレイ装置が大型化するにつれ、その駆動用の配線基板となるTFT基板に生じる欠陥箇所が増加して歩留まりの低下を招くため、欠陥箇所を修正(リペア)する欠陥修正工程が必須となっている。
このような短絡や断線などの欠陥に対する修正手法としては、例えばレーザ光照射による短絡箇所の切断を行う手法(レーザリペア)の他、レーザCVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法による断線箇所の結線などが挙げられる。
例えば、欠陥の座標と基板のCIM(Computer Integrated Manufacturing)情報に基づいて、欠陥修正手法を照合・選択し、自動でこれらの欠陥の修正を行う欠陥修正方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、本出願人より、基板上の単位画素(配線部)を複数の領域に区分し、領域ごとに適切な修正手法を選択して欠陥を修正する欠陥修正方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−221974号公報 特開2008−159930号公報
ところで、特許文献1に記載のように、単純に欠陥画像(被検査画像)と基準パターン画像(参照画像)との差画像を欠陥範囲として修正を行った場合、その欠陥の位置や種類、基板の欠陥が存在する箇所の状態等を把握していないと修正に失敗する可能性がある。なぜならば欠陥修正手法の選定や欠陥に照射するレーザ光のパルス周期、レーザパワー、レーザ光のスポット形状や発振時間等の各パラメータの選定を作業員のスキルや経験に頼っており、それによってその選定結果が異なってくるからである。
ディスプレイ用のTFT基板などの場合には、各画素に対応する配線部内に、信号配線や走査配線のみならず複数の電位供給配線が存在するため、画素内の配線密度の増大化や画素構造の複雑化が著しい。
例えば、同一の配線に接して生じている欠陥や、配線部内で略同位置に生じている欠陥等の修正においても、周囲に位置している部材の種類や有無に応じてそれぞれ異なる欠陥修正手法を選定することが必要となる。また、例えば、レーザ光照射による短絡箇所の切断を検討する場合、熱拡散によって周囲の薄膜トランジスタ(TFT)等に変質が生じることを回避する必要がある。
特に、有機ELディスプレイのように配線部(画素)を構成する配線の種類や配置が複雑な場合とか、配線の両端に電源が接続されている電位供給配線などの両側駆動の配線が他の片側駆動配線と混在して配線部を構成している場合などが該当する。このような場合には、欠陥に対する修正手法の選択肢が極端に増大し、これに伴って適切な修正手法を選びとることも困難となる。
このようにフラットパネルディスプレイのパネル製造においては、欠陥の発生態様とこれに対する修正手法(修正手順)の選択肢が著しく増加している。1つの欠陥の修正を行うために複数箇所にレーザ光照射を行う必要性が生じると、レーザ光照射条件(レーザ加工パラメータ)の設定に手間と時間がかかり作業効率が低下する。
しかして、パネル製造ラインの欠陥修正工程では、熟練のオペレータがその場で欠陥を確認して欠陥修正手法を決定し、レーザリペア等の欠陥修正作業を行うため、タクトタイムがかかりすぎたりする。そのため、欠陥修正工程の作業速度がライン全体の量産速度に追いついていないという問題が生じる。そこで多くのパネル製造工場では、複数台の欠陥修正装置(リペア機)を購入し、各欠陥修正装置を担当するオペレータを増員することで、この問題を回避している。
しかしながら、このような回避方法を採用した場合、欠陥修正装置や作業者数の著しい増加により、装置コストや作業者の工数費が膨らみ、利益が著しく低下するという深刻な問題が発生する。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、欠陥を適切に判定し、欠陥修正工程の作業効率を著しく向上させつつ、欠陥修正の品質を向上させることを目的とする。
本発明の第1の側面は、欠陥修正装置が備える欠陥検出部が、多層基板における繰り返しパターンの欠陥画像と参照画像との差画像である欠陥領域画像を生成する。続いて、欠陥修正装置が備える制御部が、その欠陥領域画像と繰り返しパターンの該当する等電位面の情報を含む画像とを合成して判定用の合成画像を生成する。そして、制御部が、判定用の合成画像における該当等電位面の情報の変化から欠陥を判定する。その後、制御部は、判定結果に応じた欠陥修正手法を、欠陥修正手法が蓄積されているデータベースから読み出し、読み出した欠陥修正手法を利用して欠陥の修正を実行する欠陥修正部を制御する。
上記繰り返しパターンの該当する等電位面の情報は、繰り返しパターンを構成する等電位面(レイヤ)個別の情報を示すレイヤ情報と、レイヤを構成する個別の領域(ラベル)の情報を示すラベル情報、を有している。そして、そのレイヤ情報には、当該レイヤ内のラベル数の情報が含まれ、レイヤ内のラベル数の変化に基づいて欠陥の判定を行うことが好適である。
本発明の第1の側面においては、欠陥領域を抽出した欠陥領域画像と検出された欠陥に該当する等電位面の情報を含む画像とが合成され、判定用の合成画像が生成される。そして、判定用の合成画像における当該等電位面の情報の、画像合成処前後における変化から欠陥についての判定が行われ、判定結果に応じた欠陥修正手法がデータベースから読み出されて欠陥の修復が行われる。
本発明によれば、繰り返しパターンの等電位面の情報に基づいて欠陥が適切に判定され、その適切な判定結果に基づいて欠陥修正手法が自動的に選定される。それゆえ、欠陥修正手法の選定に無駄がなく、欠陥修正工程の作業効率が著しく向上する。また、繰り返しパターンの等電位面の情報を反映した適切な欠陥修正手法の選定および欠陥修正の実行が自動的に行われるので、装置コストや工数比を低減することができる。
検査対象とする基板の構成例を示す図である。 図1に示した基板内の繰り返しパターン区域を示す図である。 フラットパネルディスプレイの配線基板の製造工程を示すフローチャートである。 図3の欠陥検査工程から欠陥修正工程までの具体的な流れを示した図である。 本発明の一実施の形態に係る欠陥修正装置の構成例を示す図である。 図5に示した制御部の内部構成を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る欠陥修正工程を示すフローチャートである。 配線パターン(配線部)の例を示す図である。 欠陥画像とテンプレートの例を示す図である。 図8に示した配線パターンのレイヤ構造(層構造)を示す透視図である。 A,Bは、欠陥画像の例を示す図である。 A,Bは、図11A,Bの欠陥画像と良品画像との差分を表す欠陥領域画像を示す図である。 A,Bは、図11A,Bに示した欠陥画像のレイヤ構造を示した図である。 図10に示した配線パターンを構成するレイヤ画像を示す図である。 レイヤ画像のレイヤ情報およびラベル情報の説明に供する図である。 A,Bは、図12A,Bの欠陥領域画像と図15に示したレイヤ画像との合成画像を示す図である。 Aは図15に示したレイヤ画像のラベル領域情報、B,Cは図16A,Bに示した合成画像のラベルの変化情報の説明に供する図である。 Aは欠陥画像、Bは欠陥画像と良品画像との差分を表す欠陥領域画像とレイヤとの合成画像を示す図である。 A,Bは、欠陥画像の例を示す図である。 A,Bは、欠陥画像と良品画像との差分を表した欠陥領域画像を示す図である。 図14に示したレイヤ画像の説明に供する図である。 A,Bは、図20A,Bの欠陥領域画像と図21のレイヤ画像との合成画像を示す図である。 A,B,Cは、オープン欠陥の判定でラベル数に変化が起こる例を示す図である。 A,Bは、欠陥がパターン領域をまたぐ場合の欠陥画像を示す図である。 Aは欠陥領域画像、Bは判定用パターン領域を示す図である。 Aは図25Aの欠陥領域画像と図25Bの判定用パターン領域との合成画像、Bはその拡大図である。 指定したレイヤ画像を周辺へ拡張する場合の説明に供する図である。 欠陥画像における欠陥の外接四角形についての説明に供する図である。 欠陥画像における欠陥の外接四角形の中心座標についての説明に供する図である。 Aは欠陥画像、Bは欠陥画像と良品画像との差分を表した欠陥領域画像を示す図である。 Aは判定用のレイヤ画像、Bは欠陥領域画像とレイヤ画像との合成画像を示す図である。 Aは欠陥画像、Bは判定用のレイヤ画像、Cは欠陥領域画像とレイヤ画像との合成画像を示す図である。 Aは欠陥画像、Bは判定用のレイヤ画像、Cは欠陥領域画像とレイヤ画像との合成画像を示す図である。 Aは膨張処理を施したレイヤ画像、Bは欠陥領域画像とレイヤ画像との合成画像を示す図である。 Aは膨張処理を施した欠陥領域画像、Bは欠陥領域画像とレイヤ画像との合成画像を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る、レイヤ画像を用いた欠陥種別の判定処理を示すフローチャートである。 Aは図8の配線パターンにおいてレイヤが配されていない部分を示した配線パターンの画像、Bはレーザ加工可能な領域すべてにリペアオブジェクトを配したテンプレートを示す図である。 A,Bは、図11A,Bの欠陥画像に対し、欠陥画像と良品画像の差分をとった欠陥領域に重なるリペアオブジェクトのみを表示した画像を示す図である。 不適切なサイズのリペアオブジェクト(Zapオブジェクト)を配置したテンプレートにより生じる不具合を説明するための図である。 図39のZapオブジェクトがZapLineオブジェクトに切り替えられた画像を示す図である。 AはZapオブジェクトを同一の加工サイズに分割した場合の画像、Bは欠陥と重なるZapオブジェクト(1個)のみを表示した画像を示す図である。 図37Bのテンプレートを欠陥と重なる領域に当てはめて、図41に示した手法で最適化したものである。 Aは図39と同じ欠陥の欠陥画像、Bは適用テンプレート、Cは判定用のレイヤ画像を示す図である。 Aは欠陥領域画像、Bはリペアオブジェクトが存在する領域を表した画像を示す図である。 Aは欠陥画像とレイヤ画像との合成画像、BはAの合成画像に反転テンプレートを重畳した画像、CはAの合成画像と反転テンプレートとの合成画像を示す図である。 Aは図42と同じ欠陥の欠陥画像、Bは適用テンプレート、Cは判定用のレイヤ画像を示す図である。 Aは欠陥領域画像、Bはリペアオブジェクトが存在する領域を表した画像を示す図である。 Aは欠陥画像とレイヤ画像との合成画像、BはAの合成画像に反転テンプレートを重畳した画像、CはAの合成画像と反転テンプレートとの合成画像を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る、ショート欠陥に対するレイヤ画像を用いたテンプレートの有効性の判定処理を示すフローチャートである。 AはZapオブジェクトを同一の加工サイズに分割した場合の画像、Bは欠陥と重なる複数のZapオブジェクトを表示した画像を示す図である。 リペアオブジェクトサイズの調整の説明に供する図であり、Aはサイズ調整前の画像、Bはサイズ調整後の画像である。 リペアオブジェクトのサイズがレーザ照射可能なスリット幅より長い場合の画像を示す図である。 図52の欠陥に対応して、ZapオブジェクトがZapLineオブジェクトに切り替えられた画像を示す図である。 図52の欠陥に対応して、Zapオブジェクトを同一の加工サイズに分割した場合の画像を示した図である。 図42の欠陥に対してリペアオブジェクトサイズを調整する前の状態を示す図である。 図55の要部を拡大した図である。 本発明の一実施の形態に係る、リペアオブジェクトの最適化の判定処理を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態例について説明する。以下に述べる実施の形態例は、本発明の好適な具体例である。そのため、技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかしながら、本発明の技術範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。例えば、以下の説明で挙げる処理順序および各パラメータの数値的条件等は好適例に過ぎず、また説明に用いた各図における寸法、形状および配置関係も概略的なものである。
説明は下記の順に行う。
1.一実施の形態
1−1.レイヤ画像を用いた欠陥種別の判定
1−2.レイヤ画像を用いたショート欠陥に対するテンプレートの有効性の判定
1−3.画像判定を用いない、リペアオブジェクトの最適化とリペア可否の判定
<1.一実施の形態>
[概要]
本実施の形態では、目的とする配線基板がディスプレイ装置を構成する場合について、つまりTFT基板等からなる配線基板を構成する多数の配線部をディスプレイ装置の画素に対応して2次元マトリクス状に多数形成する場合について、説明を行う。
図1は、本発明において修正対象とするフラットパネルディスプレイの製造過程における基板の例を示すものである。図2は、図1に示した基板内の繰り返しパターン区域を示す図である。
この例では、共通の基板3に4台分のフラットパネルディスプレイの配線基板1が形成されている。配線基板1は、後述する繰り返しパターンを有するエリア(繰り返しパターン区域6、図2参照)、配線5を介して繰り返しパターンから外部へ接続する周辺回路4のエリア(周辺回路区域)、繰り返しパターン区域6と周辺回路区域の境となる最外周のエリア(最外周区域)に分けられる。繰り返しパターン区域6と最外周区域は、配線部2をフラットパネルディスプレイの画素に対応して2次元マトリクス状に形成したものである。繰り返しパターン区域6は、図2に示すように、配線部2が繰り返し形成された領域のうちの最外周区域を除いた部分である。
図3は、フラットパネルディスプレイの配線基板の製造工程、すなわち配線パターン形成工程から、欠陥検査工程を経て、欠陥修正工程までの流れを示している。
本実施の形態においては、まず、基板3上に、走査配線と、層間絶縁膜と、信号配線及び電位供給配線とを、目的とする配線部2の主要構成として積層形成することによって、配線部形成工程を実施する(ステップS1,S2,S3)。また、周辺回路4及び配線5を形成して、周辺回路4と最外周区域の配線部2を接続する。この周辺回路4と配線5の形成工程は、上記ステップS1〜S3における走査配線、層間絶縁膜、信号配線及び電位供給線を形成する工程の前後いずれでもよい。
続いて、配線部形成工程を経て流れてくる基板3に対し、多数の配線部2を光学的に観察して欠陥配線部2aを検出する光学式検査工程を実施する(ステップS4)。欠陥配線部2aを検出すると、基板3における当該欠陥配線部2aの位置情報が欠陥修正装置のコンピュータ(制御部)に送られる。この光学式検査工程においては、図1に示した欠陥配線部2aを含む画像(欠陥画像)から、欠陥配線部2aの存在のみならず、欠陥(パターン欠陥、異物など)及びその位置をはじめとする所謂パターン欠陥分類情報を特定する。その他、欠陥のサイズや種類(材料や状態など)等の特徴をも特定する。
また、光学式検査工程では発見できない、表面以外に生じた欠陥を電気式検査工程により検出する(ステップS5)。
そして、欠陥修正工程では、当該欠陥位置情報を読み込むことにより、欠陥修正装置のステージが制御されて欠陥位置に移動し、観察系で欠陥を確認し、レーザ光照射等により欠陥を修正する(ステップS6)。基板3の配線基板1に発生した欠陥は、それぞれのエリアで適切な修正方法は異なってくる。この工程が終了すると、TFT工程(配線基板の製造工程)が完了する。
本発明では、過去の修正データを呼び出せるように構成することで修正工程を大幅に効率化している。さらに、欠陥の位置や大きさ、種類に見合った適切な修正データが選択されることで欠陥の修正工程の自動化を可能としている。
図4は、図3に示した欠陥検査工程から欠陥修正工程までの具体的な流れをブロック図に示したものである。
配線部形成工程を経た基板3を、光学式検査機11に移動し(第1工程)、光学式検査を実施して欠陥の特定を行い、検査結果21を欠陥情報管理システム12に出力する(第2工程)。また、基板3を電気式検査機13に移動し(第3工程)、電気式検査を実施して欠陥の特定を行い、検査結果22を欠陥情報管理システム12に出力する(第4工程)。欠陥情報管理システム12は、いずれかもしくは両方の欠陥情報を関連付けた欠陥情報を生成し(第5工程)、欠陥情報ファイル24としてメモリに記録する。一方、電気式検査機13からリペア機14へ基板3が移動する(第6工程)とともに、リペア機14は欠陥情報ファイル24を欠陥情報管理システム12から受け取る。
リペア機14は、欠陥情報ファイル24の内容に基づいて自動的に適切なリペア手法(欠陥修正手法:テンプレート)を選択してリペアを行い、リペア結果25(データファイル、リペア後の画像等)を再度欠陥情報管理システム12へ出力する(第7工程)。このとき、基板3とともに受け取る欠陥情報ファイル24には、基板の層構造の情報も含まれる。
その後必要であれば、基板3を電気式検査機13へ移動し(第8工程)、電気式検査でリペア後の欠陥の状態を再チェックし、必要であれば再度欠陥情報を欠陥情報管理システム12へ出力する(第9工程)。そして、欠陥情報を欠陥情報管理システム12経由でリペア機14に送るとともに、基板3をリペア機14に移動させ(第10工程)、再度リペアを行うことも可能である。
本発明では、予め登録されている過去の欠陥修正手法(欠陥修正手順)のデータファイル(テンプレート)を呼び出せるようにしたことで欠陥修正工程を大幅に効率化できる。さらに、欠陥の位置、サイズ、種類等を検出して、適切な修正データが選択されることで欠陥の修正工程の自動化が可能となるものである。
[欠陥修正装置の構成例]
図5に、配線基板に対して欠陥修正工程を実行する欠陥修正装置(リペア機14に相当)の一例の構成図を示す。
本実施の形態に係る欠陥修正装置200は、レーザ光照射により短絡箇所を切断する所謂レーザリペア装置の例であるが、レーザCVD法などの配線の結線処理を行える装置(例えば、特開2008−159930号公報の図5を参照)に適用することも可能である。この欠陥修正装置200は、対物レンズ208と基板3との間にレーザCVD法を実施できる加工装置を備えており、それについては同公開公報の図5,図6とその説明文に詳細な構成が記載されている。
欠陥修正装置200は大きく分けて、制御部201、欠陥修正部202および欠陥検出部203から構成されている。
制御部201は、欠陥情報管理システム12と通信インタフェース(図示略)等を介して接続するとともに、ディスプレイ227およびキーボード等の入力装置228と接続している。制御部201は、予め欠陥検査装置230によって行われた欠陥検査の結果(欠陥情報)を、欠陥情報管理システム12を介して取得し、該欠陥情報に基づいて最適なテンプレートを選択する。そして、欠陥の修正を実施する欠陥修正部202および欠陥の詳細な観察を実施する欠陥検出部203を制御する。この制御部201には、MPU(Micro Processing Unit)やパーソナルコンピュータ等のコンピュータ(演算処理装置)が適用できる。
制御部201では、欠陥修正部202のステージ制御部207にコマンドを送り、基板3が搭載されたXYステージ205を動かし、欠陥箇所が存在する画素が対物レンズ208の真下になるように調整する。次にフォーカスステージ210を動かして対物レンズ208と基板3の間隔を調整し、欠陥検出部203の撮像装置217で光学レンズ214gを透過した光の合焦点画像が撮像できるようにする。なお、ここではハーフミラー215a,215b、光学レンズ214a、及びランプ209による落射照明により、適切な明るさを持つ画像が得られるようにしている。撮像された欠陥箇所が含まれる画像(欠陥画像)は、欠陥画像メモリ218に一旦保存される。ここでいう画素は、図1に示した欠陥配線部2aに相当する。
次に、制御部201は、ステージ制御部207にコマンドを送ってXYステージ205を動かし、欠陥箇所の画素と全く同じ画素パターンとなる位置まで移動した位置が対物レンズ208の真下になるようにする。そして、欠陥の無い画像(参照画像)を撮像し、参照画像メモリ219に保存する。ここでいう画素は、図1に示した配線部2に相当する。
欠陥抽出部220は、欠陥画像メモリ218に保存された欠陥画像と、参照画像メモリ219に保存された参照画像とを位置合わせした後に差画像(欠陥領域画像)を生成することで、欠陥部位の画像を抽出する。そして、抽出した欠陥部位の画像を詳細位置情報抽出部221及び特徴抽出部222に出力する。なお、差画像(欠陥領域画像)は制御部201にも出力する。
詳細位置情報抽出部221は、抽出された欠陥の基板3上における正確な位置をXYステージ205の現在位置及び欠陥画像から算出し、その情報を修正方法生成部226に送る。
特徴抽出部222は、欠陥抽出部220で抽出された欠陥の形態及び種類等を特定するための情報である欠陥の色、大きさ、コントラスト、形状等の各種特徴情報を数値化して制御部201へ出力する。
そして制御部201は、詳細位置情報抽出部221及び特徴抽出部222から取得した詳細位置情報および特徴情報に基づいて、詳細を後述する欠陥修正情報(リペアレシピ情報)を修正手法データベース225から読み出す。この欠陥修正情報によって、欠陥修正部202の修正機構部204における各ユニットの動作が規定される。
具体的には、例えば詳細位置情報抽出部221からの詳細位置情報に基づいて、欠陥箇所が配線基板のどの位置および状態で存在し、かつ、どのようなレイヤ情報を含むかを判定し、欠陥位置に適した欠陥修正処理が実施されるような制御を実行する。
レイヤ情報は、多層基板を構成するレイヤ個別の情報である。レイヤ情報には、例えばレイヤの重なっている順番を示すレイヤID、レイヤ名、レイヤ内のラベルの数などの情報が含まれる。また、該当レイヤを構成する個別の領域(ラベル)の情報を示すものとしてラベル情報がある。ラベル情報には、該当レイヤ内のラベルを識別するためのラベルID、該当ラベルが含まれるレイヤを示すレイヤID、が含まれる。
さらに、制御部201は、詳細は後述するように、生成した欠陥修正情報に基づく修正手法(テンプレート)を、欠陥画像と重ね合わせてディスプレイ227に表示する。なお、制御部201は、状況に応じて位置や特徴等の欠陥情報に基づき、後述する欠陥修正情報のリペアオブジェクトの一部を補正(最適化)する機能を持つ。また、一つの欠陥修正情報には複数の修正手法が含まれることもある。
作業員はディスプレイ227に表示された修正手法を見て問題があると判断すれば、例えばキーボートやマウス等の入力装置228(入力部)を操作して別の修正手法を選択することもできるし、修正手法(欠陥修正情報)の一部又は全部を変更することもできる。更に修正手法データベース225から複数の欠陥修正手法が読み出された場合、その複数の欠陥修正手法をディスプレイ227に表示して作業員に選択を促す。そして、作業員が入力装置228を操作することにより選択された欠陥修正手法に従い、欠陥修正を行う。
制御部201は、入力装置228から入力された操作信号を受信すると、欠陥修正手法の選択や変更の履歴を、修正手法データベース225に記録する。修正手法データベース225に蓄積された修正手法は、次回以降の欠陥修正に利用される。
欠陥修正手法が決定されると、制御部201はその欠陥修正手法に従って、修正機構制御部216にコマンドを送り、修正機構部204内の各ユニットを動作させ、欠陥の修正を行う。修正機構部204は、レーザ光源213から照射されたレーザビームを光学レンズ214b,214cにて補正した後に、可変スリット212を通過させることにより、照射サイズ、角度を変更できるようにしてある。
可変スリット212は、例えば、XY−θスリットと呼ばれるもので、長方形のX、Y方向の開口長と、回転角θが変更できるスリットであり、修正機構制御部216からの駆動信号により駆動できるものとする。
可変スリット212によって照射形状を整形されたレーザビームは、光学レンズ214dを通り、ガルバノミラー211a,211bで反射される。ガルバノミラー211a,211bは、2次元に角度可変なミラーであり、修正機構制御部216の制御に従って駆動することで、XYステージ205を動かさずに、対物レンズ208の視野範囲内でレーザビームの光軸、すなわち照射位置を調整することができる。
このような可変スリット212、ガルバノミラー211a,211bを備える欠陥修正装置200は、欠陥に対し十分な位置精度を持ってレーザビーム等を照射できるため、精度よくパターン欠陥の修正が可能となる。
そして、ガルバノミラー211a,211bで反射されたレーザビームは、各種光学レンズ214e,214fを透過し、ハーフミラー215aで反射した後に、対物レンズ208を介して、基板3に照射され、欠陥修正が行われる。
上記欠陥検査装置230は、欠陥を探索する方法として光学式検査機を使えるため、導通状態が正常であるパターン欠陥に対しての修正が可能となる。
制御部201についてさらに詳細に説明する。図6は、制御部201の内部構成を示したブロック図である。
制御部201は、入出力部251、画像処理部252、欠陥種類判定部253、ショート欠陥判定部254、オープン欠陥判定部255、画像サイズ補正部256、拡張判定パターン生成部257、オブジェクト補正部258、実行順並替え部259、メモリ260を備えている。
入出力部251は、外部と情報の入力および出力を行うものである。画像処理部252は、画像の合成や二値化などの画像処理を行うものである。欠陥種類判定部253は、欠陥画像と参照画像(良品画像)から欠陥の種類を簡易に判定するものである。ショート欠陥判定部254は、欠陥種類判定部253でショート欠陥ありと判定された場合に、ショート欠陥のさらに詳細な判定を行うものである。また、オープン欠陥判定部255は、欠陥種類判定部253でオープン欠陥ありと判定された場合に、オープン欠陥のさらに詳細な判定を行うものである。
さらに、画像サイズ補正部256は、合成対象の画像間で画サイズが異なる場合に一方の画サイズを変更するものである。拡張判定パターン生成部257は、繰り返しパターンの領域内からはみ出した欠陥がある場合に、当該繰り返しパターンを中心に拡張した判定パターンを生成するものである。オブジェクト補正部258は、欠陥と該当するリペアオブジェクトのサイズが合わない場合に、リペアオブジェクトの種類やサイズを変更(最適化)するものである。実行順並替え部259は、テンプレート内のリペアオブジェクトの実行順を、所定の条件に従って変更するものである。メモリ260は内部メモリであり、例えば半導体メモリ等の不揮発性の記憶装置が適用される。各処理部の詳細な機能・動作については後述する。
[欠陥修正工程]
欠陥修正装置200による欠陥修正工程について、上述した構成からなる欠陥修正システムの一連の動作を説明する。図7は、欠陥修正処理のメインルーチンを示すフローチャートである。
ステップS11:パラメータのセット
欠陥修正装置200にパラメータをセットする。すなわち、欠陥修正装置200に修正を行うための上述した基本情報を設定する。
パラメータは、具体的には、修正対象となる基板3内における配線部2の数と配置、パターンの数、配置、アライメントマーク位置等の上記基板3に関わる基礎情報である。また、自動で修正を行う対象となる欠陥の大きさや条件、基板3内において修正を行う数や優先する欠陥の特徴等の修正条件の設定情報、配線パターンの形状と修正手法のデータベース(データベースが複数の場合に適用)等である。当該欠陥修正装置200において固有に設定するこれらのパラメータをセットする。
ステップS12:基板3の搬入と入力情報のセット
外部から基板3を欠陥修正装置200に搬入し、その基板3の前プロセスの欠陥情報を入力する。搬入された基板3の情報、欠陥情報を欠陥修正装置200内にセットされているパラメータと照合し、修正対象となる基板3の基本情報を確定し、修正条件の初期設定(修正処理数のクリア等)を行う。
欠陥情報は、欠陥検査装置230において光学式検査で検出された欠陥の数と座標、もしくは電気式検査で検出された欠陥のピクセル情報(線欠陥、もしくは点欠陥であるかも含む)のいずれかである。あるいは、電気式検査で検出された欠陥と光学式検査で検出された欠陥を関連付けたものである。
ステップS13:欠陥情報のセット
上記基板3毎の欠陥情報の一覧より、リストの上位から順に修正を行うか、特定の欠陥をソート(例えば、線欠陥を優先する等)してまとめて修正を行うか、もしくは欠陥修正装置200のオペレータが任意の欠陥を選択するかのいずれかの方法で、欠陥情報を一つ入力する。
ステップS14:欠陥情報のチェック
入力された基板3の欠陥情報のリストから自動で修正を行うことができるかを確認する。すなわち、入力される欠陥情報だけでは自動で修正処理が不可能なときがあり、これの確認を行う。
例えば、滅点化処理を規定の数以上行っていないか、修正処理を規定の数以上行っていないか、既に修正処理を行っている欠陥であるか等、現在の基板3の修正条件にそぐわない場合に自動で修正できない可能性がある。また、入力された欠陥の座標が不確定である、パターンの外部等で修正は行わないと明確に定義してある場所である等の場合において、自動で修正できない可能性がある。このような条件の詳細は、例えば本出願人が先に出願した特開2008−155263号公報の図4等に記載されている。
ステップS15:欠陥位置情報の取得
入力された欠陥情報が修正を行う欠陥であると判断されたら、欠陥の詳細な座標情報を取得する。具体的には、光学式検査結果の欠陥座標、若しくは電気式検査結果のピクセルの番号等から欠陥が実際に存在する箇所を算出する。なお、このステップS5について、図7には「サブピクセル座標取得」と記載している。
ステップS16:欠陥画像の撮影
欠陥の詳細な位置が算出されたら、XYステージ205を移動して、欠陥画像を撮影し、パターン内の詳細な欠陥情報を取得する。詳細は、本出願人が先に出願した特開2007−163892号公報や特開2008−159930号公報を参照されたい。なお、図7には「レビュー情報取得」と記載している。
ステップS17:欠陥修正手法の取得処理
欠陥画像から取得した欠陥の詳細情報と欠陥修正手法とを照らし合わせて、最適な欠陥修正手法を修正手法データベース225から索出し、欠陥の位置情報に合わせて出力する。詳細は、本出願人が先に出願した特開2007−163892号公報や特開2008−159930号公報等を参照されたい。なお、図7には「リペア手法取得」と記載している。
ステップS18:欠陥修正手法の最適化
本発明の特徴とする処理であり、欠陥修正装置に応じて欠陥修正手法(リペアオブジェクト)の加工サイズの適切な大きさへの調整を行う。その際の修正の実行結果は、メモリ260または修正手法データベース225等に別途保存しておく。欠陥修正手法の最適化については、一例が特願2009−122417明細書に記載されている。
ステップS19:修正実行処理
欠陥修正手法を実際の欠陥の位置に合わせて設定し、必要に応じて位置補正を行った後、修正を実行する。その際の修正の実行結果は、メモリ260または修正手法データベース225等に別途保存しておく。なお、このステップS19について、図7には「リペア実行」と記載している。
ステップS20:修正判定処理
修正の実行が終了したら、欠陥画像を撮影した場所と同じ座標と倍率によって、修正後の基板を撮影し、画像を比較することにより、適切な修正が完了したかどうかの簡易判定を行う。
ステップS21:修正結果更新処理
修正の結果を更新する。更新内容は修正が適切に行われたかの判定、修正詳細内容、修正処理数、滅点化の修正処理数等である。修正結果の更新後、欠陥情報の一覧を再度確認し、未処理の欠陥の有無や修正の終了の判定を行い、次に別の欠陥情報を入力することによる修正処理を続行するか、若しくは修正を終了して基板3の搬出を行うかを決定する。このステップS21において、未処理の欠陥があると判定されたときには、ステップS12に戻る。
ステップS22:基板搬出、修正情報セット
入力された基板3に対してすべての欠陥が修正された、もしくは修正の終了条件を満たしたら、基板3を搬出して欠陥情報管理システム12に欠陥の修正情報を出力する。修正の終了条件とは、規定の数値以上の修正を実行した、規定の数値以上の滅点化修正を行った、あるいは特定の欠陥に対する修正が終了した等である。
ステップS23:パラメータ更新
上述した各処理内で新規に欠陥修正手法が登録された、もしくはレーザ光のパワーや修正を行う欠陥の条件を変更する等の必要があれば、セットしてある欠陥修正装置200の修正手法データベース225のパラメータ情報を更新して、次の基板3をセットする。
ここで、配線基板1の繰り返しパターン区域6に形成する配線部2(単位画素)の概略構成を、図8に示す。
配線部2は、単位画素を構成する各色の副画素、例えば三原色RGBに対応する3つの領域(以下、「サブエリア」ともいう。)2R,2G,2Bに区分されている。3つのサブエリア2R(2G,2B)は、異なるキャパシタ(容量素子)45R(45G,45B)を有している点で、互いに異なる構造になっている。本実施の形態においては、3つのサブエリア2R(2G,2B)の一部が互いに異なる形状(構造)になっているものを例として説明するが、それらのサブエリアが互いに同一の形状(構造)になっているものであってもよいことは勿論である。
各サブエリア2R(2G,2B)は、ほぼ同じ大きさに形成されている。配線基板1に設けられた走査配線41上に、層間絶縁膜(図示略)を介して信号配線42R(42G,42B)、電位供給配線43R(43G,43B)、グラウンド電極(図示略)が、当該走査配線41と直交する方向に延在して配置された構成である。信号配線42R(42G,42B)は、グラウンド電極に連結された図示しないキャパシタ45R(45G,45B)に対し、TFT素子44R(44G,44B)のゲートを介して対向する構成とされている。
なお、図8に示した配線部2の配線パターンは実際のものを模式的に表したに過ぎないので、実際の配線パターンと異なる場合がある点に留意する必要がある。
図8に示すような、繰り返しパターンを有する配線パターン(配線部2)において、画素内欠陥位置により、その修正パターンを複数に分けられるものとした場合、その条件によって適用される修正手法が異なってくることが考えられる。その場合、どの条件の欠陥に対して、どのような欠陥修正手法を用いるかの情報を、修正手法データベース225にテンプレートとして予め登録しておく。テンプレートとは、欠陥修正情報(リペアレシピ情報)すなわち欠陥修正手法をオブジェクト化(可視化)したものである。
そして、欠陥位置と繰り返しパターン(配線部2)の基準座標を入力することで、修正手法データベース225から最適な欠陥修正手法を検索し、欠陥画像に重ねあわせて適用する手法などが有効である。このようなテンプレートを用いた欠陥修正方法として、例えば特開2007−163892号公報に記載された技術が適用できる。
図9に、配線部分にショート欠陥が存在する欠陥画像と適用テンプレートの例を示す。
この欠陥画像内の欠陥50は、配線部分(電位供給配線43G,43B)の短絡欠陥の例である。まず詳細位置情報抽出部221において、配線部2の任意の一角に設定された基準座標51と繰り返しパターン領域52を検出する。さらに、基準座標51からの相対位置により繰り返しパターン上での欠陥50の位置と条件を絞り込む。そして、制御部201が欠陥50の条件に見合った登録テンプレートを修正手法データベース225から選択する。
テンプレートは、欠陥を模した「欠陥オブジェクト」と、配線部上における欠陥オブジェクトの位置及びその特徴に応じて修正処置が施される部分を示した「リペアオブジェクト」とを含む。欠陥オブジェクトは、当該欠陥オブジェクトの位置や属する領域、規模、形状、当該欠陥オブジェクトが位置する回路等を表示したものである。またリペアオブジェクトは、その欠陥に対応するレーザ光照射の位置、出力等を表示したものである。
この例では、配線間にショート(短絡)を生じさせる欠陥50に応じた欠陥修正手法として、すなわち欠陥オブジェクト50a,50b,50cについて、それぞれに最適なテンプレート(1)〜(3)を、修正手法データベース225に登録されているとする。
すなわち、欠陥50の位置に応じた欠陥修正手法として、テンプレート(1)〜(3)が修正手法データベース225に登録されており、テンプレート(1)〜(3)の中から欠陥50の修正に最も適したテンプレートを選択する。
テンプレート(1)は、欠陥50と位置および大きさ等の条件がほぼ同じ欠陥オブジェクト50aに対するリペアオブジェクト60aを備える。また、テンプレート(2)は、欠陥50よりやや下に位置する欠陥オブジェクト50bに対するリペアオブジェクト60bを備える。さらに、テンプレート(3)は、欠陥50よりずっと下に位置する欠陥オブジェクト50cに対するリペアオブジェクト60cを備える。
ここでは、欠陥50に位置および大きさ等の条件が近い欠陥オブジェクト50aを持つテンプレート(1)が、欠陥50の修正に最適であるとして選択されている。
そして、制御部201へ読み出されたテンプレート(1)が、ディスプレイ227に表示される。このとき、当該テンプレート(1)の基準座標61を欠陥画像(配線パターン)の基準座標61を原点として座標変換を行って、欠陥画像の欠陥50にリペアオブジェクト60aを重ね合わせる。座標変換方法については、特開2008−159930号公報にさらに詳細に記載されている。
このような繰り返しパターン区域における欠陥修正方法によれば、欠陥箇所の繰り返しパターン(配線部)内における位置や大きさ、種類に基づいて、最適なテンプレートを選択することができる。それにより、位置関係に対応して選択される欠陥修正手法の読み込みによって欠陥修正工程を自動化することができ、人為的に区別を行う煩雑さを回避することが可能となる。
さらに、以下に述べる本発明では、繰り返しパターン内の等電位面の領域情報の登録と実欠陥領域との合成画像を用いた判定処理によって、一つのテンプレートから必要なまたは最適なリペア適用箇所のみを抽出して、テンプレートを自動生成することができる。
なお、修正手法データベース225からの修正手順読み出しの際に、対象となる欠陥に対して、該当する適切な欠陥修正手法(テンプレート)がない場合は、所定の優先度などに基づいて次善のテンプレートが選択される。最も優先度の高い、例えば使用頻度の高い欠陥修正手法のテンプレートあるいは修正難易度が低い欠陥修正手法のテンプレートなどが自動的に選択され、ディスプレイ227に表示される。そして、表示されたテンプレートによる修正手法を自動的に実行するか、もしくは作業員が目視確認した後に実行する。
また、対象となる欠陥に対して、適した加工設定ファイル(テンプレート)が無い場合は、作業員が入力装置228を操作してマニュアルでレーザ加工条件を設定することが可能であり、更に修正手法データベース225にその設定ファイルを追加することもできる。
[ヘッダ情報およびオブジェクト情報]
本実施の形態においてテンプレートとして表示される欠陥修正手法は、ヘッダ情報と、このヘッダ情報に関連付けられたオブジェクト情報とを有するデータファイルである(詳しくは特開2007−163892号公報を参照)。なお、この欠陥修正手法を「欠陥修正情報(リペアレシピ情報)」ともいう。
ヘッダ情報は、欠陥修正手法の「レシピ名(若しくはレシピ番号)」、欠陥のあるサブエリア(領域)を示す「領域番号」、サブエリアを示す「副領域番号」、基板3上の基準画素の位置を示す「基準画素番号」、その基準画素の上下、左右の近接画素の有無とその位置を示す「近接画素番号」、並びにレシピ登録される欠陥や欠陥修正手法を表すリペアオブジェクトの「オブジェクト数」を含むものである。
オブジェクト情報は、欠陥を模した欠陥オブジェクトと、配線部2における欠陥オブジェクトの位置及びその特徴に応じて修正処置が施される部分を示したリペアオブジェクトとを含んでいる。
すなわち、オブジェクト情報は、ヘッダ情報に登録されたオブジェクト数だけ欠陥オブジェクトとリペアオブジェクトとを関連付けて登録したものである。なお、単に「登録」というときには、上記した修正手法データベース225に対する登録を意味している。
上記のオブジェクト情報は、レシピヘッダとの照合のための「レシピ名(もしくはレシピ番号)」、配線部2内のオブジェクトの位置を示す「座標」、「オブジェクトの形状」、「角度」、「位置補正情報」が基本情報として含まれている。その基本情報は、欠陥オブジェクト及びリペアオブジェクトの双方について有している。
なお、「補正情報」は、実際の欠陥画像の欠陥位置との比較による位置補正のための情報であり、また、「角度」とは、上記したXYステージ205上における欠陥の正規の位置からの回転角度である。
本発明ではさらに、繰り返しパターン(配線部2)内の欠陥の存在する位置や大きさ、種類に基づいて、登録されているテンプレート内の欠陥修正手法(リペアオブジェクト)のサイズを、実際の加工前に欠陥修正装置が加工可能なサイズへと自動で最適化する。それにより、異なる欠陥修正装置の修正スペックや仕様の違いによる欠陥修正の不具合を解消する。また、実際のテンプレートの最適化の様子を画像で表示することによって、テンプレートの登録ミス等のチェックを視覚的に行うことが可能となる。
なお、以下の実施の形態では、画像処理を多用する関係上、座標系は左上原点とし、左右方向をX方向かつ上下方向をY方向とし、回転方向は反時計回りとするが、この例に限られるものではない。また、繰り返しパターン内の欠陥が存在する(もしくは占める)領域を、特に「欠陥領域」または「欠陥範囲」ともいう。
[領域情報(レイヤ構造)]
図10は、図8に示した繰り返しパターン(配線部2)のレイヤ構造(層構造)を模式的に表した透視図である。
配線部2は、多層構造であるが故に、特定のレイヤの下に別のレイヤが存在している場合があり、繰り返しパターンの画像70を見ただけではレイヤ構造を認識できない領域が存在する場合がある。例えば、配線部2には、単独のレイヤで構成される領域や、複数の異なるレイヤで構成される領域などが混在している。しかし、TFT基板などではほとんどの場合、重なった領域は色調が変化するだけで、まったく認識できない場合は少ない。本発明では、このようなレイヤ構造を考慮して作業効率の良い欠陥修正を行い、欠陥修正の品質を向上させる。
[1−1.レイヤ画像を用いた欠陥の判定]
[ショート欠陥の判定]
以下、レイヤ画像を用いた欠陥の判定について説明する。
図11A,Bは、特定のレイヤの変形による欠陥を含む欠陥画像の例を示す図である。図12A,Bは、図11A,Bの欠陥画像と良品画像との差分を表す欠陥領域画像を示す図である。図11A,Bの欠陥画像にそれぞれ表示されている欠陥81,82について、どちらも欠陥のない良品画像と比較して差分を抽出(二値化)すると、図12A,Bに示すような欠陥のみの領域(欠陥領域81A,82A)が取得できる。
図13A,Bは、図11A,Bに示した欠陥画像のレイヤ構造を示した図(透視図)である。
図13A,Bを参照してレイヤの領域を確認すると、図11Aの欠陥画像に存在する欠陥81では同じレイヤ(キャパシタ45R,45G)が繋がって一つになっている。一方、図11Bの欠陥画像に存在する欠陥81ではキャパシタ45Bが変形しているものの同一のレイヤには繋がっていない。電気的に同層のショートが起こっている欠陥であれば回路の動作に影響が生じる修正すべき欠陥であり、その点で欠陥81は欠陥であるが、欠陥81は欠陥になり得ない。
図14は、図10に示す配線パターン(配線部2)を構成するレイヤ(等電位の層)の一覧を示したものである。本実施の形態では、レイヤ画像は二値化されており、ラベル領域を白で表わしている。
図14において配線部2は、例えばレイヤ1〜レイヤ7(レイヤ画像71〜レイヤ画像77)の7つのレイヤから構成されている。これらのレイヤ個別にレイヤ情報として、レイヤが重なる順番(ID:識別情報)とレイヤ名を設定し、さらにレイヤ内の個別の領域(ラベル)にもIDを振り分けて、ラベル情報の登録を行う。ラベルとは、あるレイヤの中の一つのかたまりを表したものであり、レイヤ内の個別の領域として、配線や電極、コンタクトホールといったような部材に対応した特定の領域や場所が設定されている。レイヤ情報は、レイヤの識別情報や属性情報等を含み、例えばCADパターン等の設計回路情報や手入力情報から得ることができる。上記のレイヤ情報とラベル情報は、搬送されてきた基板3の受け取りとともに取得する。
繰り返しパターン内における個々の座標内でのレイヤとラベルの有無の登録については、本出願人が先に出願した特願2008−272528明細書に記載されている。それに加えてそれぞれのレイヤで取得した個々のラベルの面積、重心、外接四角形の頂点や中心、開始座標値等を取得し、それぞれデータとして登録をする。
レイヤ画像のレイヤ情報およびラベル情報を、図15を参照して簡単に説明する。
図15は、レイヤの一例として図14に示したレイヤ6(レイヤ画像76)を示すものであり、このレイヤ4は3個のラベル76−1,76−2,76−3を有している。
レイヤ情報には、
(1)レイヤID
(2)レイヤ名
(3)レイヤ内の領域(ラベル)の数
が設定される。
またラベル情報として、例えば
(1)ラベルID
(2)レイヤID(当該ラベルが属するレイヤ)
(3)面積
外接四角形(左上頂点座標−右下頂点座標)
(4)重心
(5)開始座標
が設定される。
図15では、一例としてラベル76−1(ラベルID1)のラベル情報の具体例を示している。図中、丸付き数字はラベルIDを表している。
そして、登録するすべてのレイヤおよびラベルの情報を繰り返しパターン内の座標値(基準座標を基準とする相対座標)に展開してマップデータを作成する。
マップデータには、
(1)座標
(2)存在するラベル情報(レイヤID:ラベルID)
が登録される。
例えば図10に示すコンタクトホール46Bの場合、図14の登録レイヤ群に基づいて、
「(1)座標:(256,266)」
「(2)存在するラベル情報:(レイヤ4:ラベル1)、(レイヤ5:ラベル3)、(レイヤ7:ラベル3)」
が登録されている。
また、特定の範囲の領域情報を取得することも可能である。特定の範囲の領域情報を取得するときは、取得したい範囲すべてに対し、マップデータの座標情報をスキャンしてヒットした領域情報を出力値とすればよい。
図16A,Bは、図12A,Bの欠陥領域画像と図15に示したレイヤを重ね合わせて合成したものである。
この図16A,Bに示した合成画像のラベル領域(合成ラベル領域)について、図15と同様にラベル情報を取得して合成前後におけるラベル情報の変化を調べたとき、ラベルの数量が減少していれば等電位の領域内のいずれかが繋がっていることが想定できる。どのラベル領域が変化しているかは登録したレイヤにおけるラベル領域の開始座標値と、登録したラベル領域と欠陥を合成した後のラベル領域の開始座標値とを比較することで取得することができる。
図17Aは図15に示した登録レイヤのラベル領域情報、図17B,Cは欠陥81,82のラベルの変化情報を示している。
登録レイヤの開始座標に相当する箇所に対して合成ラベル領域でのラベルのIDと面積の変化を調べる。図17Bの例だと、登録レイヤのラベル76−1と76−2が欠陥領域81Aにより繋がって一つのラベル83を形成している。これにより、欠陥81については、登録レイヤのラベルID2に相当する開始座標を含む箇所は、図17BのようにラベルIDが2→1に変化し、その領域の開始座標もID1と同じものとなる。また登録レイヤのラベルID3に相当する開始座標を含む箇所もそれに伴ってラベルIDが3→2へと変化している。
さらに面積の比較をすると、図17Bに示すようにラベルID1,2の領域は同等の増加をしているのに対し、ラベルID3の領域には変化がない。このことを踏まえるとラベルID1とラベルID2の領域は同じものを指していて、2つのラベル領域が繋がって統合されている(等電位でショートを引き起こしている)ことがわかる。
それに対して欠陥82に関しては、図17Cに示すように、すべてのラベルの開始座標に相当する箇所に対するラベルID(すなわちラベル数)には変化はなく、それぞれのラベルの面積、重心、外接四角形などの詳細情報はラベルID3(ラベル84)のものだけ変化をしている。そのことから、欠陥領域82Aが原因となってラベルID3の領域で形状が変化をしているが、同層ショートの欠陥を引き起こしている箇所はないと判断できる。
なお、登録レイヤに該当するラベル領域の面積すべてに変化はないが、ラベルのIDや総数が変化する場合がある。
図18Aは欠陥画像、Bは当該欠陥画像と良品画像との差分を表す欠陥領域画像とレイヤとの合成画像を示す図である。
図18Bの合成画像には、登録レイヤ(図14のレイヤ7)のラベルに相当するラベル77−1〜77−6と欠陥領域85Aにより生じたラベルの合計7個のラベルが存在している。欠陥画像と登録レイヤを合成したとき、登録レイヤの元のラベルに相当するすべてのラベル領域に面積の変化はない。しかし、ラベルの数が増加し、原点からラベルの開始座標までの距離が欠陥85の存在する箇所よりもY方向に遠いラベルのIDがすべて増加している。
これは、欠陥領域85Aがレイヤのラベルにまったく重ならず、登録されたレイヤに対して影響はないが、欠陥画像と良品画像との差分は存在するため、欠陥の領域すべてをひとつのラベルとして追加していることから発生する現象である。このような場合、欠陥85は判定したラベル(この例ではレイヤ7)に対してはノンキラーと判断できる。ノンキラーの欠陥は、修正する必要のない欠陥のことをいう。
[オープン欠陥の判定]
次に、配線パターンの等電位面上で断線している欠陥についてのラベル領域の判定を説明する。
図19A,Bは、欠陥画像の例を示す図である。また図20A,Bは、欠陥画像と良品画像との差分を表した欠陥領域画像を示す図である。
図19は、図14のレイヤ4の領域での欠陥の例であり、図19Aの欠陥91では電位供給配線43Bが完全に断線しているのに対して、図19Bの欠陥92では電位供給配線43Gの一部分が欠けている。
図21は、図14に示したレイヤ4を示す図である。
レイヤ4は、ラベル74−1〜74−7の7個のラベルを有している。
図22A,Bは、図20A,Bの欠陥領域画像と図21のレイヤ画像(レイヤ4)との合成画像を示す図である。
断線している場合の判定は、欠陥画像と良品画像との差分をとった欠陥領域画像をレイヤに合成するときに差分の領域(欠陥領域91A,92A)の表示色を反転して合成する。そして、ショート欠陥の場合と同じように、ラベル領域の数の変化を取得してラベルの総数が増加しているときには断線していると判断する。図22Aに示すように、欠陥91では、反転欠陥領域91Rによってレイヤ4のラベル74−3がラベル93aとラベル93bに分断され、ラベル領域の数は増加する。これに対し、図22Bに示すように、欠陥92では、反転欠陥領域92Rによってレイヤ4のラベル74−2の一部が欠けて形状が変化したラベル94が形成されるが、ラベル領域の数は変化しない。
ところで、断線している欠陥(オープン欠陥)に対しては、ラベルの総数が増加するだけではなく減少する場合がある。図23A,B,Cに、オープン欠陥の判定でラベル数に変化が起こる例を示す。
図23Aでは、レイヤ4のラベル74−6の一部が欠損してラベル95の形状に変化しているが、ラベル数に変化はない。このようにラベル数に変化がない場合は、ラベルの一部が欠損していると推定できる。
図23Bでは、レイヤ4のラベル74−6が断線してラベル96a,96bに分かれており、ラベル数が増加している。このようにラベル数が増加している場合は、ラベルに断線があると推定できる。
図23Cでは、レイヤ4のラベル74−6が消失し、ラベル数が減少している。このようにラベル数が減少している場合は、レイヤ領域すべての欠落となる。
なお、ラベルにまったく重ならない領域に欠陥が存在しているときは、ショート欠陥とは異なり、レイヤと欠陥領域画像を合成しても、結果には反映されず、レイヤの変化はない。そのため、ラベルの変化がないときはノンキラーの欠陥と判断できる。
[パターン領域の拡張]
図24A,Bは、欠陥がパターン領域をまたぐ場合の欠陥画像を示す図である。破線の部分がレイヤの登録がされている配線パターンのパターン領域100である。
このような場合、レイヤの部分一箇所のみの判定であると、パターン領域100からはみ出している部分の判定ができず、正しい結果が得られない。
例えば図24Aの欠陥101の場合、パターン領域100の下部(はみ出している部分)でキャパシタ45Rとキャパシタ45Gがショートしている。この場合、ラベルに変形は見られるがショート欠陥だと判定されない。パターン領域100の下の部分(はみ出している部分)の判定ではショートと判定できるが、欠陥の領域が配線パターンに占める割合が大きい方を欠陥の存在する配線パターンとして判断されてしまうと、パターン領域100の下部の判定が行われず、正しく欠陥の判断がなされない。
また、図24Bの欠陥102の場合、パターン領域100の下側の領域境界で電位供給配線43Rが分断されて電位供給配線103a,103bになっている。この場合、パターン領域100の判定では配線パターンの一部の欠損と判断され、完全に分断しているとは判断されない。パターン領域100の下の部分(はみ出している部分)も同様で、両方を合わせて初めて分断だとわかる。
欠陥の領域がパターン内部のみで完結する欠陥でない場合、判定するレイヤを拡張した画像を用いて判定を行えばよい。
図25Aは欠陥101の欠陥領域画像、図25Bは判定するレイヤ画像(図14のレイヤ7)を周辺8方向へ拡張した判定用パターン領域(拡張パターン画像105)を示す図である。判定する領域は、拡張パターン画像105の中心のレイヤ領域106(破線の領域)とする。
図26Aは図25Aの欠陥領域画像と図25Bの判定用パターン領域との合成画像、図26Bはその拡大図である。
図26A,Bに示すように、拡張した判定用パターン領域で欠陥領域画像との合成、判定を行えば、欠陥として認識されていた領域107aだけでなく、パターン範囲外のために判定されていなかった領域107bについても合成、判定が行われる。図26A,Bの例では、レイヤ領域106の下側に隣接するパターン領域において、欠陥領域101Aによって元のラベル77−4,77−5が繋がって一つのラベル108が形成される。このように、ラベル数の変化を検出して、ショート欠陥であると判定することが可能になる。図24Bの欠陥102についても同様に断線が判定できる。
上記のように、判定用のパターン領域を周辺8方向に拡張した拡張パターン画像105を用いれば、欠陥がパターン領域からどの方向にはみ出していても、対応することが可能である。しかしながら、周辺8方向に拡張した場合、判定に用いる画像が大きくなるため、欠陥の画像が高倍率のものであるときは、レイヤ画像との合成画像を作成するときに時間がかかり、タクトに影響する。このような問題の対処法としては、まず欠陥の存在する領域が判定用パターン領域内(拡張パターン画像105)のどの方向にあるかを求める。
まず、図27において、繰り返しパターン(パターン領域100)の左上原点112の座標を(0,0)として欠陥101の外接四角形111、その最小座標111TL(Top,Left)および最大座標111BR(Bottom,Right)の座標は次のように求められる。
・繰り返しパターンのサイズXmax,Ymax : 314×311
・欠陥101の外接四角形111の座標
Top,Left : 69,281
Bottom,Right : 111,324
そして、繰り返しパターンの周辺の方向を図28に示すような番号で示すとき、欠陥領域内の任意の座標X,Yにおいて、
X<0であれば、(1)、(4)、(6)の方向の少なくとも一つの領域に存在する。
Y<0であれば、(1)、(2)、(3)の方向の少なくとも一つの領域に存在する。
X>Xmaxであれば、(3)、(5)、(8)の方向の少なくとも一つの領域に存在する。
Y>Ymaxであれば、(6)、(7)、(8)の方向の少なくとも一つの領域に存在する。
座標X,Yにおいて、共通する番号を持つ場合、欠陥領域はその方向にはみ出す。この場合、その方向は必ず(1)、(3)、(6)、(8)のいずれかになる。また、X方向とY方向のうち片方のみ番号を持つときは、もう片方は繰り返しパターン領域の範囲に入ることになり、(1)、(3)、(6)、(8)の番号を除いて残った方向にはみ出すことになる。この場合、その方向は必ず(2)、(4)、(5)、(7)のいずれかになる。両方共に当てはまらない場合は、座標X、Yは繰り返しパターンの領域の範囲内となる。
これらの点を踏まえて、欠陥の外接四角形の最大座標と最小座標の組み合わせを調べることにより、欠陥領域が周辺のどの方向にはみ出しているかが取得できる。
図27の例では、欠陥領域101Aの外接四角形111の最小座標111TL(外接四角形111の左上に該当)と最大座標111BR(外接四角形111の右下に該当)に基づいて、パターン領域からはみ出す方向は次のように求められる。
・最小座標(Left > 0)∧(Left < Xmax)∧(Top > 0)∧(Top <Ymax)
・最大座標(Right > 0)∧(Right < Xmax)∧(Bottom > 0)∧(Bottom>Ymax)
∴はみ出す方向は(7)の方向
よって周辺領域すべてを含む画像に対して合成を行うのではなく、繰り返しパターンおよび(7)の方向のパターンに対応するパターン領域のみを拡張パターン画像105から切り出し、欠陥領域画像と合成する判定用の画像として用いればよい。
なお、図27の例において欠陥領域の重心座標(もしくは外接四角形の中心座標)に相当する座標(図29参照)を基準とした場合、パターン領域からはみ出す方向は次のようになる。
・繰り返しパターンのサイズX,Y : 314×311
・欠陥101の外接四角形111の座標
Top,Left : 69,281
Bottom,Right : 111,324
・外接四角形の中心座標111C(CtX,CtY) : 90,302.5
上記条件の場合、
(Left>0)∧(Left<X)∧(Right>0)∧(Right<X)∧
(Top>0)∧(Top<Y)∧(Bottom>0)∧(Bottom>Y)
が成立する。
∴はみ出す方向は(7)の方向
別の対処法としては、拡張パターン画像において、欠陥領域の重心座標(もしくは外接四角形の中心座標)に相当する座標を中心に、そこから一定のサイズ分の領域を拡張パターン画像から切り出して、その切り出した画像の中心座標と欠陥の重心座標(もしくは外接四角形の中心座標)を合わせて合成するなどの手法もある。
どのような手法を用いるにせよ、判定用の画像と欠陥領域画像を合成したときに繰り返しパターンの原点と欠陥の領域の位置関係が保たれていて、かつ欠陥の領域が判定用の画像にすべて含まれていればよい。
このように判定領域が大きくなり、画像の合成等のファイル作成に時間がかかるようなサイズになったときには一部を切り出す方法が有効である。
どのラベル領域が変化しているかの判定を、ショート欠陥の判定と同じように行うと、ラベル領域の開始座標周辺が断線している場合にはラベルIDが取得できなくなる。さらに、ラベルが丸ごとなくなっているような場合には、ラベルIDが取得できない上にレイヤの総数も減少するため、ショート欠陥として正しい判定が行われない。このような場合は、断線箇所のラベルが本来どのラベルであったかの取得を合成前のラベル画像を用いて行い、そのラベルの面積がどのように変化するかで判断をする。
面積が減少していても、ショート欠陥、オープン欠陥共に特願2008−272528明細書に記載された技術で作成するマップデータを用いれば、欠陥領域内に存在するレイヤのラベルIDをすべて一度に取得することが可能である。
[欠陥画像と判定用の画像のサイズが異なるときの処理]
次に、設計情報を元に作成した判定用の画像に対し、欠陥画像のサイズが異なるときの処理を説明する。
図30Aは欠陥画像、図30Bは欠陥画像と良品画像との差分を表した欠陥領域画像を示す図である。また図31Aは判定用のレイヤ画像、図31Bは欠陥領域画像とレイヤ画像との合成画像を示す図である。
図30A,Bに示すように、電位供給配線43B,43R上のオープン欠陥である欠陥121,122の欠陥画像と良品画像との差分をとることにより、欠陥領域121A,122Aからなる欠陥領域画像が得られる。
この欠陥領域画像とサイズが異なるレイヤ画像74(図31A)と合成したとき、欠陥領域121Aは該当するレイヤ4のラベル領域から外れてしまい、正しく判定が行われなかったり、判定ミスが生じたりする。また、欠陥領域122Aは、レイヤ画像74のサイズ(破線の部分)から外れた領域にあるため、存在しない領域へのアクセスが行われ、メモリのアクセスに不具合が生じる。
このような問題を解決するため、レイヤ画像のサイズを欠陥画像と等しくなるように作成したり、どちらかの画像を拡大、もしくは縮小したりすることで欠陥画像と判定用の画像の1ピクセルあたりのサイズが等しくなるようにする必要がある。
また、サイズが異なる欠陥画像と判定用の画像との合成の問題の他にも、画像の拡大や縮小による誤差や欠陥領域の取得の方法によっても判定ミスが顕著に現れる。以下、欠陥領域の取得方法によって異なる判定を行うオープン欠陥の例を説明する。
図32Aは欠陥画像、図32Bは判定用のレイヤ画像、図32Cは欠陥領域画像とレイヤ画像との合成画像を示す図である。
図32Aの欠陥画像では、欠陥123によって電位供給配線43Bの一部が欠けているが断線はしていない。しかし、欠陥123の欠陥画像の電位供給配線43Bに対して、判定用のレイヤ画像の電位供給配線43G,43Bに対応するラベル124−2,124−3(図32B)の方が細い。そのため、欠陥画像と良品画像との差分である欠陥領域画像と、判定用のレイヤ画像とを合成したときに、断線していなかったラベル124-3を反転欠陥領域123Rによって断線し、2つのラベル124-3a,124−3bに分けてしまう(図32C)。
図33Aは欠陥画像、図33Bは判定用のレイヤ画像、図33Cは欠陥領域画像とレイヤ画像との合成画像を示す図である。
図33Aの欠陥画像では、欠陥126によって電位供給配線43Bが断線(オープン)している。
しかし、欠陥126の欠陥画像の電位供給配線43Bに対して、判定用のレイヤ画像の電位供給配線43G,43Bに対応するラベル127−2,127−3(図33B)の方が太い。そのため、欠陥領域画像と判定用のレイヤ画像とを合成したときに、反転欠陥領域126Rによってラベル127−3の形状がラベル127−3aに変化するだけで断線されない。よって、欠陥画像で断線している部分を、合成画像では断線していないと判定してしまう。
上記のケースは、CADデータなど回路情報を元にレイヤ画像を作成したときに多くなる。このような不具合に対応するために、指定したレイヤの領域を実際の配線部2の配線のサイズと等しくなるように膨張、収縮処理を行う、欠陥領域の検出感度を高くして、膨張処理を行うといった設定を個別に設定できるようにしておく。そして、欠陥領域とレイヤ画像を合成する前に、この補助的な設定を行うことにより、図32、図33のような問題を解決することができる。
次に、判定を正しく行うために欠陥領域画像とレイヤ画像を合成する前に行う補助設定について説明する。
図34Aは図32Aの欠陥画像に対応して膨張処理を施したレイヤ画像、図34Bは欠陥領域画像とレイヤ画像との合成画像を示す図である。
図34Aに示すように、欠陥123に係るレイヤ画像(図32B)に対して、欠陥画像(図32A)のサイズと同じ範囲になるように膨張処理を行うよう設定する。これにより、図32Bのラベル124−2,124−3がラベル124−2E,124−3E(図34A)のように膨張し、合成画像(図34B)において反転欠陥領域123Rによって一部が欠けたラベル124−3Eaが得られ、正しい判定が可能になる。
図35Aは図33Aの欠陥画像に対応して膨張処理を施した欠陥領域画像、図35Bは欠陥領域画像とレイヤ画像との合成画像を示す図である。
図35Aに示すように、欠陥126の欠陥画像(図33A)と良品画像との差分の欠陥領域画像に対して、レイヤ画像のサイズと同じ範囲になるように膨張処理を行うよう設定する。これにより、欠陥126に対する欠陥領域が図35Aの欠陥領域126AEのように膨張し、合成画像(図35B)において反転欠陥領域126REによってラベル127−3がラベル127−3a,127−3bに切断され、オープン欠陥の正しい判定が可能になる。
なお、欠陥126に対しては、欠陥123の場合と同様にレイヤ領域の方を加工する(この場合は収縮処理を行う)ことでも正しい判定が可能になる。
ところで、欠陥を判定するのに参照するためのレイヤを取得する手法には、以下のような方法がある。
(1) すべてのレイヤに対して欠陥(欠陥領域画像)との合成判定を行い、欠陥が含まれると認識されたレイヤを出力する。
(2) アレイテスト等の電気式検査にて配線の導通確認を行い、レイヤを特定する。
(3) 作業者が視覚にて認識し、レイヤの特定を行う。
上記(1)の手法は、判定候補となるレイヤの数が多くなると判定処理に時間がかかるが、他の手法とは異なり画像のみでの自動判定が可能である。また、オープン欠陥か、ショート欠陥かの判断も自動で行うことが可能である。通常、オープン欠陥は一つの欠陥領域内に複数のレイヤおよびラベルが存在することはない。そのため、オープン欠陥に対しショート欠陥の判定を行ってもレイヤのラベル数と面積が変化しないときは、オープン欠陥の可能性があるということになる。
しかし、ショート欠陥の欠陥画像と良品画像との差分をとった欠陥領域はレイヤの変形ではなく異物を起因するものなどもあり、欠陥領域すべてにおいてレイヤが存在しない領域であるとは限らない。それゆえ、ショート欠陥に対しオープン欠陥の判定を行うとラベル数が増加する場合があり、正しい判定が行われないことがある。
そこで、欠陥が不明なときはショート欠陥の判定を先に行い、レイヤのラベルに変化がない場合にオープン欠陥の判定を行う。また、複数の欠陥領域が存在する場合は、一度に欠陥領域を合成すると正しく判定できないため、欠陥個別に判定を行う。以下、このようなレイヤを用いた欠陥の自動判定の処理について説明する。
図36は、制御部201による、レイヤ画像を用いた欠陥種別の判定処理を示すフローチャートである。
まずステップS31において、制御部201は、欠陥画像メモリ218から基板3の欠陥画像を、参照画像メモリ219から参照画像(良品画像)をそれぞれ欠陥抽出部220へ入力させる(図5、図6)。この処理が終了後、ステップS32へ進む。
ステップS32において、欠陥抽出部220は、欠陥画像および良品画像の差分をとって欠陥領域画像を生成し(図30A,B参照)、入出力部251を通じて制御部201へ入力する。この処理が終了後、ステップS33へ進む。
ステップS33において、画像サイズ補正部256は、判定候補のレイヤ画像と欠陥領域画像の視野サイズが等しいか否かを判定する(図31B参照)。等しくない場合はステップS34へ進み、等しい場合はステップS35へ進む。
ステップS34において、画像サイズ補正部256は、レイヤ画像と欠陥領域画像のサイズを合わせるため、いずれかの画像を拡大または縮小により補正する(図34A、図35A参照)。この処理が終了後、ステップS35へ進む。
ステップS35において、拡張判定パターン生成部257は、欠陥画像内における繰り返しパターンの原点と、原点から欠陥(重心または外接四角形の頂点もしくは中心)までの距離を取得する(図27、図29参照)。この処理が終了後、ステップS36へ進む。
ステップS36において、拡張判定パターン生成部257は、取得した原点から欠陥までの距離に基づいて、繰り返しパターン領域内から欠陥領域がはみ出しているか否かを判定する。はみ出している場合はステップS7へ進み、はみ出していない場合はステップS38へ進む。
ステップS37において、拡張判定パターン生成部257は、判定に用いるレイヤ画像(判定用パターン領域)を欠陥が存在するすべての領域を内包するサイズに補正する(図28参照)。この処理が終了後、ステップS38へ進む。
ステップS38において、制御部201は、判定に用いるレイヤ画像をラベリングし、ラベル数と各ラベルの特徴情報を取得する(図15参照)。この処理が終了後、ステップS39へ進む。
ステップS39において、欠陥種類判定部253は、欠陥画像と良品画像から欠陥の種類を簡易的に判定する。欠陥の種類がオープン欠陥である場合はステップS40に進み、欠陥の種類がショート欠陥または不明の場合はステップS45に進む。
ステップS40において、オープン欠陥判定部255は、欠陥領域画像と判定用のレイヤ画像との合成を行い、ステップS39で取得したラベル数および各ラベルの特徴情報からオープン欠陥の詳細な判定を行う。そして、ステップS41において、合成画像内のラベル数の変化の有無を判定する。
ステップS41の判定処理で合成後のラベル数が増加していると判定した場合は、ステップS42において、当該欠陥は断線(オープン)欠陥であると判定する(図22A、図23B参照)。この処理が終了後、ステップS51へ進む。
ステップS41の判定処理で合成後のラベル数が減少していると判定した場合は、ステップS43において、当該欠陥は欠落欠陥であると判定する(図23C参照)。この処理が終了後、ステップS51へ進む。
ステップS41の判定処理でラベル数に変化なしと判定した場合は、ステップS44において、当該欠陥はノンキラー欠陥であると判定する(図22B,図23A)。この処理が終了後、ステップS51へ進む。
ステップS45において、ショート欠陥判定部254は、欠陥領域画像と判定用のレイヤ画像との合成を行い、ステップS39で取得したラベル数および各ラベルの特徴情報からショート欠陥の詳細な判定を行う。そして、ステップS46において、合成画像内のラベル数の変化の有無を判定する(図16A,B、図17A〜C参照)。
ステップS47において、ショート欠陥判定部254は、ステップS46の判定処理で合成の前後でラベル数に変化なしと判定した場合、続いて欠陥の種類が不明か否かを判定する。ここで、不明であると判定した場合は、ステップS40に進み、オープン欠陥の詳細な判定を行う。
一方、ステップS47の判定処理で欠陥の種類が不明でないと判定した場合は、ステップS48において、当該欠陥はノンキラー欠陥であると判定する(図17C参照)。この処理が終了後、ステップS51へ進む。
ステップS46の判定処理でラベル数が増加していると判定した場合、ステップS49において、ショート欠陥判定部254は、当該欠陥はノンキラー欠陥であると判定する(図18B参照)。この処理が終了後、ステップS51へ進む。
ステップS46の判定処理でラベル数が減少していると判定した場合、ステップS50において、ショート欠陥判定部254は、当該欠陥はショート(短絡)欠陥であると判定する(図17B参照)。この処理が終了後、ステップS51へ進む。
ステップS51において、同一欠陥画像内に複数の欠陥がある場合、制御部201は、他の欠陥領域でも上記判定を行うか否かを判定する。他の欠陥領域を判定する場合は、ステップS52において次の欠陥を指定し、ステップS36の判定処理に進む。他の欠陥領域を判定しない場合は、ステップS23の処理に進む。
ステップS53において、当該欠陥と関係のあるレイヤが複数ある場合、制御部201は、他のレイヤでも上記判定を行うか否かを判定する。他のレイヤも参照して判定する場合は、ステップS54において次のレイヤを指定し、ステップS36の判定処理に進む。
ステップS53の判定処理で他のレイヤでは判定をしない場合は、ステップS55において、制御部201は、欠陥についての判定結果をディスプレイ227へ出力して、上記一連の処理を終了する。
上述した実施の形態によれば、同一基板内のリペア対象範囲内に繰り返しパターンを有するものであって、その繰り返しパターンにおいて等電位となる領域の情報(レイヤ情報)を、画像などを元に登録しておく。そして、入力された欠陥によってその等電位面がどの変化するかで欠陥の真偽を適切に判定することができる。この判定を行うことにより、電気的な欠陥が同一のものであっても、欠陥の位置に存在する領域情報(ラベル情報)に基づいて、リペア手法やリペア箇所の変更を判断できる(例えば図16、図17、図22、図23参照)。
上記欠陥の位置に存在する領域情報(ラベル情報)として、例えば特願2008−272528明細書に記載の基本情報に加え、個々の領域の面積、重心、座標、周辺へのつながり方などの特徴量を用いて、欠陥領域のより詳細な判定を行う。また、登録するレイヤ画像は、CAD等の設計回路情報を基に生成することが可能である。さらに異なる層の特定の領域を組み合わせて、任意に電気的な回路の等電位面を自由に設定できるが、回路情報のみに依存することはなく、回路情報にない領域であっても指定することが可能である(例えば図18参照)。
上記登録された領域の情報(レイヤ画像)に欠陥の領域(欠陥領域画像)を重ね合わせて登録された領域の特徴量の変化を比較することによって、入力される欠陥領域が実際に回路に影響を及ぼす欠陥であるかの判定を行う。それにより、一つの繰り返しパターン内に複数の欠陥が存在するときに、修正するべき欠陥の位置を特定できる(例えば図17〜図23参照)。
この方法を利用することで、データベース化されているリペア手法(テンプレート)に登録されている欠陥領域についても、等電位の領域(レイヤ画像)に重ね合わせて判定することで欠陥の登録箇所が正しいかをシミュレートすることができる。
[1−2.レイヤ画像を用いたショート欠陥に対するテンプレートの有効性の判定]
次に、レイヤ画像を用いたショート欠陥に対するテンプレートの有効性の判定について説明する。
図37Aは図8の配線パターンにおいてレイヤが配されていない部分を示した配線パターンの画像、図37Bはレーザ加工可能な領域すべてにリペアオブジェクトを配したテンプレートを示す図である。
図37Aのグレースケール部分にはレイヤが配されていないものとする。また図37Bは、図37Aのレイヤが配されていない領域のうち、レーザ加工による影響がない領域に特定の幅でのレーザ加工が可能な領域すべてにレーザ加工のためのリペアオブジェクトを配したテンプレートである。図37の例では、上下方向に長径を有するレーザリペアオブジェクト131−1〜131−6が配され、左右方向に長径を有するレーザリペアオブジェクト131−7〜131−12が配されている。
欠陥修正を行う加工幅は、短径方向はレーザ加工可能な幅に限定するが、長径方向は加工可能な最大の範囲で設定する。レーザ加工が可能な領域は、図37Aでのレイヤが配されていない領域とは必ずしも一致はせず、一定の幅以下の領域や、レーザ照射による熱などの影響を受けることが懸念される領域は含まないものとする。
図38A,Bは、図11A,Bのショート欠陥に対し、欠陥画像と良品画像の差分をとった欠陥領域に重なるリペアオブジェクトのみを表示した画像を示す図である。
図38Aの例では、図37Bに示したテンプレートから欠陥81と重なるリペアオブジェクト131−2が選択されている。また図38Bの例では、図37Bに示したテンプレートから欠陥82と重なるリペアオブジェクト131−6が選択されている。欠陥画像と良品画像の差分領域と重なるリペアオブジェクトの領域の算出方法は、例えば本願の出願人が先に出願した特願2009−122417明細書に記載されている内容に基づくものとする。
図38A,Bに例示したように、一つのテンプレートから異なる領域の欠陥に対してのアプローチが可能であることがわかる。また、欠陥82は先のショート欠陥の判定から、レイヤ間のショートを伴う欠陥ではないことが判明しているので、テンプレートを実行しても有効な修正が行うことはできない。よって、欠陥82ではテンプレートの出力は行わなくても問題がないことが自動的に判定できる。
次に、欠陥に対して不適切なサイズのリペアオブジェクトが選択された場合の処理を説明する。
図39は、不適切なサイズのZap形式のリペアオブジェクト(以下、「Zapオブジェクト」という。)を配置したテンプレートにより生じる不具合を説明するための図である。
上記のテンプレートの出力手法では、レーザの加工幅がテンプレートのリペアオブジェクトのサイズより小さいときには正しいリペアが行えないといったケースも想定される。例えば図39では、実際に照射されるレーザの加工幅(ZapHMax)がテンプレートのZapオブジェクト142の長径より小さいために、レーザが照射されない未加工範囲142T,142Bが生じる。それによって、電位供給配線43Gと電位供給配線43Bの間に存在する欠陥141の一部が分断されずに、修正されないまま未加工欠陥部分141aとして残ってしまう。
この場合、特願2009−122417明細書の記載に基づいてリペアオブジェクトを、加工幅を一定にして指定した2点の座標を結ぶ形式(ZapLine形式)へ切り替える手法がまず有効である。
図40は、図39のZapオブジェクト142がZapLine形式のリペアオブジェクト(以下、「ZapLineオブジェクト」という。)に切り替えられた画像を示す図である。
Zapオブジェクト142が、開始座標143Sと終了座標143Eを結ぶZapLineオブジェクト143に切り替えられている。それにより、リペア範囲として登録されている領域(リペアオブジェクト142:ZapHMax、未加工範囲142T,142B)すべてに対するレーザ加工が可能になる。
[ZapオブジェクトおよびZapLineオブジェクト]
ここで、ZapオブジェクトおよびZapLineオブジェクトについて簡単に説明する。なお、ZapオブジェクトおよびZapLineオブジェクトという名称は別にして、このようなレーザ加工方法があることは周知である。
Zapオブジェクトは、「矩形(リペアオブジェクト)の中心点(中心座標)」、「幅」、「高さ」、「回転角度」等を設定して指定した位置に指定したサイズのレーザ光を照射する欠陥修正手法(オブジェクト)であり、主に配線の断線に用いられる。レーザ光は加工サイズを設定して1回で照射される。加工可能なサイズは欠陥修正装置の仕様等によって異なる。
ZapLineオブジェクトは、レーザ照射の「開始点(開始座標)」、「終了点(終了座標)」、「移動時の加工サイズ(1ショットの照射サイズ)」、オブジェクトの中心座標における「回転角度」で構成されている欠陥修正手法である。Zapオブジェクトと同様、主に配線の断線に用いられる。特願2009−122417明細書に示すように、ZapLineオブジェクトでは、加工サイズでの繰り返し処理が行われる。
ZapLineオブジェクトのZapオブジェクトと異なる点は、開始座標から終了座標まで照射サイズを保持しながらレーザ光を順次移動させつつ照射していくという点である。実際にレーザ光が照射される範囲は、詳しくは特願2009−122417明細書を参照されたい。
ZapLineオブジェクトは、加工サイズに関しては欠陥修正装置で加工可能な大きさでなければならないが、開始座標から終了座標までの距離は任意に指定が可能である。それゆえ、Zapオブジェクトよりも加工サイズが大きい(長い)ものの処理を行うのに適している。ただし、一度の加工サイズが小さいものに対してはZapオブジェクトよりも処理時間がかかる。ZapオブジェクトとZapLineオブジェクトは、加工サイズや処理内容によって切り替えることが望ましい。
例えば、実際の加工サイズより大きいサイズでテンプレートを登録しておき、後から再分割する。すなわち、修正対象のサイズがこの最小単位の加工サイズを超えたら、修正対象のサイズを分割し、その一つの分割サイズに対し最小単位の加工サイズを繰り返し適用できるように最適化してもよい。
図41AはZapオブジェクトを同一の加工サイズに分割した場合の画像、図41Bは欠陥と重なるZapオブジェクト(1個)のみを表示した画像を示す図である。
図41Aの例では、一つのZap形式のリペアオブジェクトを、加工サイズを一定に所定のオーバーラップ量で5個のリペアオブジェクト144−1〜144−5に等分割している。そして、図41Bにおいて欠陥141と重なるリペアオブジェクト144−5のみを出力している。このようにすることで、基板上へのダメージを低減させ、さらにタクトを向上させることも可能な欠陥修正手法(テンプレート)を出力することができる。また、予めリペア可能な特定のサイズでのみリペアオブジェクトの登録を行っておくことにより、リペアを行う箇所を限定することも有効である。
次に、最適化を施したテンプレートにより不具合が生じた場合の処理を説明する。
図42は、図37Bのテンプレートを欠陥と重なる領域に当てはめて、図41に示した手法で最適化したものである。
欠陥145は、最適化したテンプレートのリペアオブジェクト144−5を使用してもレーザ照射不可能な領域を含んでいるため、未加工欠陥部分141aが残り、一部が分断されずに正しく修正されない。したがって、このような欠陥を想定して、図37Bのテンプレートと欠陥領域を重ねて出力する手法でリペアが可能か否かの判定が必要となる。
まずリペアが可能である例を説明する。
図43Aは図39と同じ欠陥141の欠陥画像、図43Bは適用テンプレート、図43Cはショート判定用のレイヤ画像(レイヤ4)を示す図である。図44Aは欠陥領域画像、図44Bはリペアオブジェクトが存在する領域を表した画像を示す図である。これらの画像を用いてリペアの可否の判定を行った例を、図45A,B,Cに示す。
図45Aは欠陥画像とレイヤ画像との合成画像、図45Bは図45Aの合成画像に反転テンプレートを重畳した画像、図45CはAの合成画像と反転テンプレートとの合成画像を示す図である。
始めに、欠陥領域141Aを含む欠陥領域画像(図44A)と判定用のレイヤ画像(図43C)を用いて合成画像(図45A)を生成し、ショート欠陥の判定を行う。図17Bを参照して説明したように、レイヤ数の減少および面積の増加から、ショート欠陥であることがわかる。次に、合成画像を、テンプレートのリペアオブジェクト領域144−5A(図44B)の領域を反転した反転リペアオブジェクト領域144−5Rを含む画像と合成し(図45B)、レイヤ数と面積を確認する(図45C)。この結果、僅かに変形したラベル74−2′,74−3′が形成されるのみであり、レイヤ数が元に戻っているため、同層のショート欠陥を正しくリペアすることができることがわかる。
次に、リペアが不可能である例を説明する。
図46Aは図42と同じ欠陥145の欠陥画像、図46Bは適用テンプレート、図46Cはショート判定用のレイヤ画像(レイヤ4)を示す図である。図47Aは欠陥領域画像、図47Bはリペアオブジェクトが存在する領域を表した画像を示す図である。これらの画像を用いてリペアの可否の判定を行った例を、図48A,B,Cに示す。
図48Aは欠陥画像とレイヤ画像との合成画像、図48Bは図48Aの合成画像に反転テンプレートを重畳した画像、図48Cは図48Aの合成画像と反転テンプレートとの合成画像を示す図である。
始めに、欠陥領域145Aを含む欠陥領域画像(図47A)と判定用のレイヤ画像(図46C)を用いて合成画像(図48A)を生成し、ショート欠陥の判定を行う。判定の結果、レイヤ数が減少し、かつ、欠陥が同層ショートであり、修正手法データベース225に登録されているショート欠陥用の汎用テンプレート(例えば図37B)を適用できる可能性があることがわかる。
次に、合成画像を、テンプレートのリペアオブジェクト領域144−5A(図47B)の領域を反転した反転リペアオブジェクト領域144−5Rを含む画像と合成し(図48B)、レイヤ数と面積を確認する(図48C)。確認の結果、レイヤ数の変化がなく、レイヤはショートしたままであることが判明し、自動生成したテンプレートを適用してもショート欠陥は解消しないことがわかる。
この手法を用いてショート欠陥用の汎用テンプレートから新たに自動生成したテンプレートを適用させてもよいか否かの判定を行い、確実にリペアが可能なものを出力させることが可能となる。以下、レイヤを用いたショート欠陥汎用テンプレートの有効性の判定の流れを説明する。なお、以下の説明では、入力情報は判定レイヤの特定ができているショート欠陥とし、レイヤと欠陥の種類が不明なときは、先に図36のフローチャートに沿ってレイヤと欠陥を特定しておくものとする。
図49は、制御部201による、ショート欠陥に対するレイヤ画像を用いたテンプレートの有効性の判定処理のフローチャートである。
まずステップS61において、制御部201(図5、図6)は、欠陥画像メモリ218から基板3の欠陥画像を、参照画像メモリ219から参照画像(良品画像)をそれぞれ欠陥抽出部220へ入力させる。欠陥抽出部220では、欠陥画像と良品画像との差分をとって欠陥領域画像(差画像)を生成する。この処理が終了後、ステップS62へ進む。
ステップS62において、制御部201は入出力部251を通じて、検査対象の基板3について、既述の手法に基づき、欠陥を判定する際に参照する判定用のレイヤ(レイヤ画像)と当該レイヤのラベル数(図21参照)を取得する。この処理が終了後、ステップS63へ進む。
ステップS63において、画像処理部252は、欠陥抽出部220で生成された欠陥領域画像とレイヤ画像を合成する(図45A、図48A参照)。この処理が終了後、ステップS64へ進む。
ステップS64において、ショート欠陥判定部254は、欠陥領域画像とレイヤ画像との合成画像からショート欠陥の判定を行う。そして、ステップS65において、ショート欠陥の有無を判定する。
ステップS65の判定処理でショート欠陥ありと判定した場合は、ステップS66へ進む。一方、ショート欠陥なしと判定した場合は、ステップS86へ進む。
ステップS66において、制御部201は、修正手法データベース225に登録されている、同層ショート欠陥を修正するための汎用テンプレート(図37B参照)から欠陥領域に重なるリペアオブジェクトのみを取得する(図38A,B参照)。この処理が終了後、ステップS67へ進む。
ステップS67において、制御部201は、汎用テンプレートから取得したリペアオブジェクトを等間隔で分割したとき、分割後のリペアオブジェクトに欠陥領域と重なるものがあるか否かを判定する(図41A,B、図42B参照)。欠陥領域と重なるリペアオブジェクトがある場合は、ステップS68へ進む。一方、欠陥領域と重なるリペアオブジェクトがない場合は、ステップS70へ進む。
ステップS68において、画像処理部252は、リペアオブジェクトの表示色を反転し、ステップS63で生成された判定用の合成画像と合成する(図45B、図48B参照)。この処理が終了後、ステップS69へ進む。
ステップS69において、ショート欠陥判定部254は、ステップS68で生成した判定用の合成画像より、当該判定用の合成画像のラベル数がステップS62で取得したレイヤのラベル数に戻っているか否かを判定する(図45C、図48C参照)。この処理が終了後、ステップS70へ進む。
ステップS70において、制御部201は、ショート欠陥用の汎用テンプレートから自動生成したテンプレートを適用しても欠陥が解消しないと判断する。そこで、当該欠陥の修正に適したテンプレートを、修正手法データベース225に登録されている通常のテンプレートから検索する。テンプレートの検索については、一例として特開2007−163892号公報に記載されている。この処理が終了後、ステップS71へ進む。
ステップS71において、ショート欠陥判定部254は、当該欠陥の修正に適したテンプレートがあるか否かを判定する。修正に適したテンプレートがある場合はステップS72へ進む。一方、修正に適したテンプレートがない場合はステップS82へ進む。
ところで、欠陥画像と良品画像との差分が複数取得されているときにテンプレートの合成を用いて一括で欠陥を修正する際には、別々の差分領域で同一のテンプレートが取得されているなど、同じ場所に同じサイズのリペアオブジェクトがすでに取得されており、それを事前にリペア手法の一時情報としてメモリ260などに記録している場合がある。
そこで、ステップS72において、制御部201は、事前に登録した出力リペアオブジェクトと同じリペアオブジェクトがあるか否かを判定する。同じリペアオブジェクトがある場合はステップS73へ進む。一方、同じリペアオブジェクトがない場合はステップS74へ進む。
ステップS73において、制御部201は、重複するリペアオブジェクトを削除する。この処理が終了後、ステップS74へ進む。
ステップS74において、制御部201は、ステップS72,S73の処理で出力されるリペアオブジェクトを、検査中の基板の欠陥修正に用いるためメモリ260に一時登録する。この処理が終了後、ステップS75へ進む。
ステップS75において、制御部201は、同一欠陥画像内に複数の欠陥がある場合、他の欠陥領域でも上記判定を行うか否かを判定する。他の欠陥領域を判定する場合は、ステップS76において次の欠陥を指定し、ステップS62の判定処理に進む。他の欠陥領域を判定しない場合は、ステップS77の処理に進む。
ステップS77において、オブジェクト補正部258は、欠陥の大きさに適さない、すなわちリペアに適さないサイズのリペアオブジェクトがあるか否かを判定する。例えば、図41での分割後のZapオブジェクトにおいて欠陥の領域に重ならないZapオブジェクト144−1〜144−4などがそれに当たる。リペアに適さないサイズのリペアオブジェクトがある場合はステップS78に進む。一方、リペアに適さないサイズのリペアオブジェクトがない場合はステップS79に進む。
ステップS78において、オブジェクト補正部258は、リペアオブジェクトのサイズを補正し、欠陥に重ならないリペアオブジェクトを削除する。このリペアオブジェクトのサイズ調整の詳細については、特願2009−122417明細書に記載されている。ただし、ステップS70の通常のテンプレート検索で取得したリペアオブジェクトは除く。この処理が終了後、ステップS79へ進む。
ステップS79において、実行順並替え部259は、リペアオブジェクトの実行順を、タクトタイムの短縮を考慮してソートする(入れ替える)。ソートの条件としては、例えばリペアオブジェクトの種類ごと、サイズと角度が同一もしくは誤差範囲内のもの、短径方向のスリットサイズをそろえる等が挙げられる。このリペアオブジェクトの実行順の最適化の詳細については、特願2009−122417明細書に記載されている。この処理が終了後、ステップS80へ進む。
ステップS80において、制御部201は、ステップS74で登録したリペアオブジェクト(テンプレート)、または、ステップS78により編集、登録したリペアオブジェクト(テンプレート)を適用し、欠陥修正部202へ制御信号を送る。欠陥修正部202では、テンプレートを実際の欠陥の位置に合わせて自動的にレーザ照射による修正を実行する(ステップS18)。この処理が修了後、ステップS81へ進む。
ステップS81において、制御部201は、修正の実行が終了した後、欠陥画像を撮影した場所と同じ座標と倍率によって、修正後の基板の画像を取得、比較することにより、適切な修正が行われたか否か(自動リペア成功)を判定する。適切な修正が行われた場合はステップS84へ進む。一方、適切な修正が行われなかった場合はステップS82へ進む。
ステップS82において、制御部201は、ステップS81の自動リペアが成功しなかった場合、当該欠陥の手動リペアが可能か否かを判定する。手動リペアが可能である場合は、ステップS83へ進む。一方、手動リペアが不可能である場合は、ステップS85へ進む。
ステップS83において、制御部201は、作業員が入力装置228から入力した修正手法に基づいて欠陥修正を実行する。この処理が終了後、ステップS84へ進む。
ステップS84において、制御部201は、ステップS81,S83での欠陥修正が終了したことを確認すると、対象欠陥の適切な修正が完了したものと判定する。この処理が終了後、ステップS87へ進む。
ステップS85において、制御部201は、対象欠陥は自動リペアおよび手動リペアが不可能なものであると判定する。この処理が終了後、ステップS57へ進む。
ステップS86において、制御部201は、対象欠陥はリペアが不要なノンキラー欠陥であると判定する。この処理が終了後、ステップS87へ進む。
ステップS87において、制御部201は、ステップS84,S85,S86の実行結果を入出力部251を通じてディスプレイ227へ出力して、上記一連の処理を終了する。
上述した実施の形態によれば、領域を登録する際に周辺へ領域情報を拡張させて領域が線状か塊状かを取得しておき、レイヤ画像と欠陥領域画像との合成画像における判定時には、繰り返しパターンの領域内からはみ出した欠陥であっても、近接する同一領域を考慮した判定ができる(例えば図24〜図29参照)。
修復すべき欠陥と判断された欠陥に対して、修正可能な箇所をすべて登録した修正手法(汎用テンプレート)を作成し、欠陥領域との合成で有効な修正手法(リペアオブジェクト)の箇所のみを検出して適用する。それにより、ひとつの修正手法の登録で異なる領域の欠陥を一度に修正できる(例えば図37、図38参照)。
そして、欠陥領域に上記修正手法(汎用テンプレート)を合成し、適用させた後の欠陥領域を、等電位の領域(レイヤ画像)に重ね合わせて判定することで、欠陥が回復するかどうかをシミュレートできる。さらに、欠陥領域と上記修正手法(汎用テンプレート)の位置情報を基に、検出した欠陥に対する修正手法(リペアオブジェクト)の修正サイズを最適化し、さらに欠陥が回復するかどうかの判定を行うことができる(例えば図43〜48参照)。
なお、欠陥修正装置の修正可能なサイズを超えたリペア手法(リペアオブジェクト)が出力されたときに、特願2009−122417明細書に記載された方法などを用いて、欠陥修正装置に対するリペアオブジェクトのサイズの最適化を行うとさらに好適である(例えば図39、図40参照)。
[1−3.画像判定を用いない、リペアオブジェクトの最適化とリペア可否の判定]
次に、画像判定を用いない、リペアオブジェクトの最適化とリペア可否の判定について説明する。
欠陥の領域が特定のレイヤ、もしくは当該レイヤの特定の領域に対する同層ショートであることが確実に判明している場合は、図49のフローチャートによらず、欠陥領域とリペアオブジェクトの領域の合成のみでの簡易判定も可能である。
この場合、レイヤの種類を問わず欠陥の領域が複数に分断(ショートが解消)されればよいものとし、欠陥領域(例えば図44A,図47A)にリペアオブジェクト(例えば図44B,図47B)の表示色を反転させて合成する。そして、欠陥領域のラベル数が増加、もしくはラベルが消失したら分断欠陥であると判定する。この判定手法により、レイヤ画像を用いるよりも処理を行う画像のサイズが小さくなるため処理速度が向上する。
なお、この例ではショート欠陥の判定方法とショート欠陥用の汎用テンプレートを用いる。しかし、オープン欠陥では同層ショートのような汎用テンプレートの定義が容易ではなく、同一レイヤ内の欠陥がないラベル上を通過して製膜を行うようなリペア手法の場合、レイヤラベルの数での判定が正しく行えない。そのため、同層ショート欠陥と同じようなテンプレートの自動生成を行うことは困難である。
ただし、リペアを行う領域が広域ではなく欠陥の発生箇所が限定でき、ラベルの領域の欠落ではなく、製膜による導通によりリペアが可能な欠陥であり、さらに製膜が同じレイヤの他のラベル上を通過しない場合等の条件を満たす場合にはその限りではない。また、同層ショート欠陥であっても製膜を行うリペアを用いる場合には、テンプレートの整合性の確認を行う際にオープン欠陥と同じ制約がある。
図50Aは図41A,41Bに示した手法を用いてZapオブジェクトを同一の加工サイズに分割した場合の画像、図50Bは欠陥と重なる複数のZapオブジェクトを表示した画像を示す図である。
図50Aでは、一つのZap形式のリペアオブジェクトを、図41Aものより大きなオーバーラップ量152OLで同一の加工幅(長径)のリペアオブジェクト152−1〜152−5(図50B)に等分割している。しかし、このようにテンプレートを自動生成した際に、指定した欠陥151のサイズに分割したリペアオブジェクト152−4,152−5が重なるため、2回のリペアを行うテンプレート(図50B)となっている。実際の欠陥151のサイズからは、リペアを行うには2つのリペアオブジェクト152−4,152−5のうち、リペアオブジェクト152−5のみでもリペアは可能である。
図51は、リペアオブジェクトサイズの調整の説明に供する図であり、Aはサイズ調整前の画像、Bはサイズ調整後の画像である。
図51Aは、特願2009−122417明細書の記載に基づいて、図38Aの欠陥81の外接四角形161とリペアオブジェクト131−2の長径方向の中心線162との重なりを示したものである。
リペアオブジェクト131−2の元の中心座標StartPosX、StartPosY、回転角度SlitAngle、スリットサイズSlitSizeX、SlitSizeYとしたとき、リペアオブジェクト131−2の長径方向の最小値となる座標Xmin、Yminは、
・SlitSizeX > SlitSizeY ⇔ Xmin = StartPosX
Ymin = StartPosY - SlitSizeY/ 2
・SlitSizeX < SlitSizeY ⇔ Xmin = StartPosX - SlitSizeX / 2
Ymin = StartPosY
また、リペアオブジェクト131−2の長径方向の最大値となる座標Xmax、Ymaxは、
・SlitSizeX > SlitSizeY ⇔ Xmax = StartPosX
Ymax = StartPosY + SlitSizeY/ 2
・SlitSizeX < SlitSizeY ⇔ Xmax = StartPosX + SlitSizeX / 2
Ymax = StartPosY
として求められる。
そして、リペアオブジェクト131−2の長径方向の中心線162((Xmin、Ymin)と(Xmax、Ymax)の2点を結ぶ直線)と欠陥の外接四角形161の2箇所の交点をそれぞれ(DefMinX、DefMinY)、(DefMaxX、DefMaxY)としたとき、(DefMinX、DefMinY)と(DefMaxX、DefMaxY)との距離をDefSize、欠陥81の領域から確実に断線できるとされる任意の追加領域のサイズをaddSizeとしたとき、該当する欠陥81を修正するために必要な長径方向の最小サイズRepairSlitSizeは、次のように求められる。
・RepSlitSize=DefSize+(addSize*2)
この長径方向の最小サイズを基にリペアオブジェクトを再設定するとき、リペアオブジェクトの中心点165の座標RepStartPosX、RepStartPosYと、スリットサイズRepSlitSizeX、RepSlitSizeYは次のように求められる。
・RepStartPosX =(DefMinX + DefMaxX)/2
・RepStartPosY =(DefMinY + DefMaxY)/2

・SlitSizeX > SlitSizeY ⇔ RepSlitSizeX =RepairSlitSize
RepSlitSizeY = SlitSizeY
・SlitSizeX < SlitSizeY ⇔ RepSlitSizeX = SlitSizeX
RepSlitSizeY = RepairSlitSize
このようにして求められた最小サイズを適用させたのが図51Bに示すリペアオブジェクト166である。このようにリペアオブジェクトのサイズを調整してリペア適用範囲を最適化することで、基板に照射するレーザの範囲を最小にし、タクトタイムと基板へのダメージを最低限にすることが可能となる。
なお、図51A,Bに示したリペアオブジェクトはY方向が長径で回転のない例であるが、X方向が長径のときや回転しているときでもサイズの求め方は同じである。この手法を用いることで、先の欠陥画像とリペアオブジェクトの領域の合成等の画像処理を行うことなく、欠陥の領域に対してリペアオブジェクトのサイズが適切かどうか判定できるとともに、リペアオブジェクトのサイズを容易に調整することができる。
図52は、リペアオブジェクトのサイズがレーザ照射可能なスリット幅より長い場合の画像を示す図である。
図52の例では、図51A,Bに示した手法でリペア可能なスリット幅よりも大きな欠陥171に対して最適なサイズのZapオブジェクト172を抽出している。しかし、出力されるZapオブジェクト172のサイズがレーザ照射可能なスリット幅(ZapHMax)よりも大きい。そのため、欠陥171の上端部分と下端部分に、加工できず未処理で残る未加工範囲172T,172Bができてしまい、実際の加工で一部が分断されないという不具合が生じてしまう。
そこで、このような場合も、図40、図41A,Bに示した手法と同様に、特願2009−122417明細書の記載に基づいて、リペアオブジェクトを最適化することが好ましい。例えば、Zapオブジェクトを、加工幅を一定にして指定した2点の座標を結ぶ形式(ZapLine形式)へ切り替えたり、同一の加工サイズで等分割したりするなど、リペア手法を切り替えることで、有効なリペア手法として出力することができる。
図53は、図52の欠陥171に対応して、Zapオブジェクト172がZapLine形式のオブジェクトに切り替えられた画像を示す図である。
図53では、Zapオブジェクト172がZapLineオブジェクト173に切り替えられ、加工幅を一定にして開始座標173Sから終了座標173Eまでレーザ加工が行われる。これにより、リペア範囲として登録されている領域(リペアオブジェクト172:ZapHMax、未加工範囲172T,172B)すべてに対するレーザ加工が可能になる。
図54は、図52の欠陥171に対応して、Zapオブジェクト172を同一の加工サイズに分割した場合の画像を示した図である。
図54では、一つのZapオブジェクト172を、加工サイズを一定に所定のオーバーラップ量174OPで5個のリペアオブジェクト174−1〜174−4に等分割している。欠陥171に対して、等分割したリペアオブジェクト174−1〜174−5によってレーザ照射を5回行うことにより、リペア範囲として登録されている領域(リペアオブジェクト172:ZapHMax、未加工範囲172T,172B)すべてに対するレーザ加工が可能になる。
次に、図42の欠陥145に対するリペアオブジェクトを、図51A,Bに示した手法で最適化するときの例を説明する。
図55は、図42の欠陥145に対してリペアオブジェクトサイズを調整する前の状態を示す図である。図56は、図55の要部を拡大した図である。
図42の例と同様に、元のリペアオブジェクト181の長径方向の最大座標値と最小座標値、欠陥の外接四角形182の交点座標を以下のように定義する。
・リペアオブジェクトの長径方向の最小座標値:Xmin、Ymin
・リペアオブジェクトの長径方向の最大座標値:Xmax、Ymax
・欠陥の外接四角形と長径方向の交点の座標値:DefMinX、DefMinY
・欠陥の外接四角形と長径方向の交点の座標値:DefMaxX、DefMaxY
・断線に必要となる追加距離:addSize
このとき、リペアオブジェクト185の長径方向の中心線183((Xmin、Ymin)と(Xmax、Ymax)の2点を結ぶ直線)とDefMinおよびDefMaxの交点からaddSizeを追加して図51A,Bの手法で最適化したときのリペアオブジェクト185の中心点184の座標RepStartPosX、RepStartPosYと、スリットサイズRepSlitSizeX、RepSlitSizeYはそれぞれ
・RepStartPosX =(DefMinX + DefMaxX)/2
・RepStartPosY =(DefMinY + DefMaxY)/2

・SlitSizeX > SlitSizeY ⇔ RepSlitSizeX = RepairSlitSize
RepSlitSizeY = SlitSizeY
・SlitSizeX < SlitSizeY ⇔ RepSlitSizeX = SlitSizeX
RepSlitSizeY = RepairSlitSize
という値で求められる。
ゆえに、リペアオブジェクト185の長径方向の最小座標値RepMinX、RepMinYと、最大座標値RepMaxX、RepMaxYは
・RepSlitSizeX > RepSlitSizeY ⇔ RepMinX =RepStartPosX - RepSlitSizeX/2
RepMinY = RepStartPosY
RepMaxX= RepStartPosX + RepSlitSizeX/2
RepMaxY = RepStartPosY

・RepSlitSizeX < RepSlitSizeY ⇔ RepMinX = RepStartPosX
RepMinY = RepStartPosY - RepSlitSizeY/2
RepMaxX=RepStartPosX
RepMaxY = RepStartPosY + RepSlitSizeY/2
となる。
さらにリペアオブジェクト185が回転しているときは、回転角度θを反映させると、
・RepMinX = (RepMinX - RepStartPosX) * cos(θ)
-(RepMinY - RepStartPosY) * sin(θ) + RepStartPosX
・RepMinY = (RepMinX- RepStartPosX) * sin(θ)
+ (RepMinY - RepStartPosY) * cos(θ) + RepStartPosY

・RepMaxX = (RepMaxX - RepStartPosX) * cos(θ)
-(RepMaxY - RepStartPosY) * sin(θ) + RepStartPosX
・RepMaxY = (RepMaxX - RepStartPosX) * sin(θ)
+ (RepMaxY - RepStartPosY) * cos(θ) + RepStartPosY
として求められる。
欠陥の外接四角形182とリペアオブジェクト185の交点、元のリペアオブジェクト181の両端の座標、最適化後のリペアオブジェクト185の両端の座標を比較して以下の条件を満たすとき、最適なリペアが行えない。
(第一条件)
・RepSlitSizeX > RepSlitSizeY ⇔ (Xmin > DefMinX)∨(Xmax < DefMaxX)
・RepSlitSizeX < RepSlitSizeY ⇔ (Ymin > DefMinY)∨(Ymax < DefMaxY)
∴リペアオブジェクトの両端、もしくは片方が欠陥領域内に存在するため、分断できない
(第二条件)
・RepSlitSizeX > RepSlitSizeY ⇔ (Xmin > RepMaxX)∨(Xmax < RepMaxX)
・RepSlitSizeX < RepSlitSizeY ⇔ (Ymin > RepMaxY)∨(Ymax < RepMaxY)
∴リペアオブジェクトの両端、もしくは片方が断線に必要となる追加距離を満たせないため、分断が保障できない
図55の例では、最適化前のリペアオブジェクト181の片方の先端が欠陥領域内にあるため、欠陥が分断できず未加工欠陥部分145aが残ってしまい、リペアが最適に行えないことがわかる。こういったケースではリペアオブジェクトの自動生成を行わずに、図9で示す従来のテンプレートを検索する手法に切り替えることが必要となる。このように画像での判定を用いずにリペアオブジェクトの最適化とリペア可否の判定を行うことで処理速度が向上する。
なお、この手法を用いる際に欠陥に重なるリペアオブジェクトが複数存在し、そのオブジェクト同士の矩形領域も重なっている場合は、十時に交差している場合は図51A,Bから図56までと同様の手法を用いて両端の最適化を行う。そして、リペアオブジェクトの片方の先端がもう片方のリペアオブジェクトに重なる場合は重なっていない先端のみを最適化する。最適化しないほうの先端は最適化前のリペアオブジェクトの先端の座標(Xmin、Ymin)もしくは(Xmax、Ymax)をそのまま用いて最適化を行ったほうの座標値に対してのみ、リペア可否の判定を行う。以下、画像での判定行わない、リペアオブジェクトの最適化とリペア可否の判定を行う流れを説明する。
図57は、制御部201による、画像判定を行わない、リペアオブジェクトの最適化とリペア可否の判定の流れを示すフローチャートである。
ステップS91〜S97の処理は、図49に示したフローチャートのステップS61〜S67の処理と対応しており、同様の処理であるため重複する説明を割愛する。ステップS97の判定処理で、欠陥領域と重なるリペアオブジェクトがある場合は、ステップS98へ進む。一方、欠陥領域と重なるリペアオブジェクトがない場合は、ステップS100へ進む。
ステップS98において、制御部201は、リペアオブジェクトの先端が他のリペアオブジェクトに重なっているか確認し、最適化を行う座標を決定してリペアオブジェクトの最適化を行う。この処理が終了後、ステップS99へ進む。
ステップS99において、オブジェクト補正部258は、最適化したリペアオブジェクトの先端座標はリペア可能な条件を満たすか否かを判定する。リペア可能な条件を満たす場合は、ステップS104へ進む。一方、リペア可能な条件を満たさない場合は、ステップS100へ進む。
ステップS100〜S103の処理は、図49に示したフローチャートのステップS70〜S73の処理と対応しており、同様の処理であるため重複する説明を割愛する。
ステップS104において、制御部201は、ステップS99,S102,S103の処理で出力されるリペアオブジェクト、検査中の基板の欠陥修正に用いるものとして登録する。この処理が終了後、ステップS105へ進む。
ステップS105〜S117の処理は、図49に示したフローチャートのステップS75〜S87の処理と対応しており、同様の処理であるため重複する説明を割愛する。
上述のように、本発明に係る欠陥修正方法および装置は、登録された繰り返しパターン内に構成される領域について領域情報を定義し、実際の欠陥との比較を行い、指定した領域における短絡、断線、欠落、ノンキラーを判定する。そして、問題となる欠陥領域を画像から抽出して欠陥領域と汎用テンプレート(汎用リペア手法)間で領域情報を合成、比較する。それにより、登録するテンプレート(リペア手法)を簡略化しつつ最適なものを自動で選択、実行することを可能にしている。
以上、本発明の各実施の形態の例について説明したが、本発明は上記各実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含むことはいうまでもない。
さらに、上述した実施の形態では、フラットパネルディスプレイのガラス基板上に形成されたデザインパターンの欠陥修正を行なう場合について説明したが、修正対象はこの例に限定されるものではない。例えば半導体ウェハ、フォトマスク、磁気ディスク等、修正対象基板上に所定パターンが形成されたものに適用できる。
図5に示した制御部201は、MPU等の演算処理装置が不揮発性メモリに記録されているプログラムを実行することによって目的の機能を実現するようにしたが、同図に示す各機能ブロックはそれぞれ個別のプログラムによって実現してもよい。また、複数の機能ブロックを1つのプログラムによって実現するようにしてもよい。また、同図に示す機能ブロックをハードウェアによって実現してもよい。
また、修正手法データベース225が欠陥修正装置200ではなく、遠方のサーバに格納され、LANやインターネット等のネットワークを介して当該修正手法データベース225にアクセスして、欠陥修正手法を取得するような形態としてもよい。
また、欠陥修正装置200の制御部201で行われる一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。また、これらの処理を実行する機能はハードウェアとソフトウェアの組み合わせによっても実現できることは言うまでもない。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
また、本明細書における処理ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)をも含むものである。
1…配線基板、2…配線部、2a…欠陥配線部、3…基板、4…、5…配線、6…繰り返しパターン区域、12…欠陥情報管理システム、71〜77…レイヤ画像、74−1〜74−7,76−1〜76−3…ラベル、81,82…欠陥、81A,82A…欠陥領域、83,84…ラベル、85…欠陥、85A…欠陥領域、91,92…欠陥、91A、92A…欠陥領域、91R,92R…反転欠陥領域、93a,93b,94,95,96a,96b…ラベル、100…パターン領域、101,102…欠陥、101A…欠陥領域、103a,103b…電位供給配線、105…判定用パターン領域、106…レイヤ領域、111…外接四角形、111TL…最小座標,111BR…最大座標、111C…中心座標、123…欠陥、123R…反転欠陥領域、124−3a,124−3b…ラベル、124−2E,124−3E…拡張ラベル、126…欠陥、126A…膨張欠陥領域、126R…反転欠陥領域、126RE…膨張欠陥領域、127−3…ラベル、131−1〜131−6…リペアオブジェクト、141…欠陥、141a…未加工欠陥部分、142…Zapオブジェクト、142T,142B…未加工範囲、143…ZapLineオブジェクト、144−1〜144−5…リペアオブジェクト、144−5A…リペアオブジェクト領域、144OP…オーバーラップ量、144−5R…反転リペアオブジェクト、145…欠陥、145a…未加工欠陥部分、145aA…未加工欠陥領域、147…ラベル、161…外接四角形、162…中心線、165…中心点、166…リペアオブジェクト、171…欠陥、172…Zapオブジェクト、172T,172B…未加工範囲、173…ZapLineオブジェクト、173S…開始座標、173E…終了座標、174−1〜174−4…リペアオブジェクト、172OP…オーバーラップ量、181…リペアオブジェクト、182…外接四角形、183…中心線、184…中心点、185…リペアオブジェクト、200…欠陥修正装置、201…制御部、202…欠陥修正部、203…欠陥検出部、225…修正手法データベース、251…入出力部、252…画像処理部、253…欠陥種類判定部、254…ショート欠陥判定部、255…オープン欠陥判定部、256…画像サイズ補正部、257…拡張判定パターン生成部、258…オブジェクト補正部、259…実行順並替え部、260…メモリ

Claims (12)

  1. 多層基板における繰り返しパターンの欠陥画像と参照画像との差画像である欠陥領域画像を生成する欠陥検出部と、
    複数の欠陥修正手法が登録されたデータベースと、
    前記多層基板の欠陥を指定された欠陥修正手法により修正する欠陥修正部と、
    前記欠陥検出部で生成された欠陥領域画像と前記繰り返しパターンの該当する等電位面の情報を含む画像とを合成し、合成画像における前記等電位面の情報の変化から前記欠陥を判定し、判定結果に基づいて前記データベースから欠陥修正手法を読み出し、当該欠陥修正手法を利用して前記欠陥の修正を実行する前記欠陥修正部を制御する制御部と、を備える
    欠陥修正装置。
  2. 前記繰り返しパターンの該当する等電位面の情報は、
    前記繰り返しパターンを構成する等電位面(レイヤ)個別の情報を示すレイヤ情報と、
    前記レイヤを構成する個別の領域(ラベル)の情報を示すラベル情報、を有し、
    前記レイヤ情報には、当該レイヤ内のラベル数の情報が含まれ、前記制御部は、該当レイヤ内のラベル数の変化に基づいて前記欠陥の判定を行う
    請求項1に記載の欠陥修正装置。
  3. 前記制御部は、
    前記欠陥領域画像と前記等電位面の情報を含む画像(レイヤ画像)とを合成して判定用の合成画像を生成する処理を含む画像処理を行う画像処理部と、
    前記欠陥画像と参照画像から欠陥の種類を判定する欠陥種類判定部と、
    前記欠陥種類判定部で当該欠陥がショート欠陥であると判定された場合に、前記判定用の合成画像内のラベル数の変化に基づいて、ショート欠陥の詳細判定を行うショート欠陥判定部と、
    前記欠陥種類判定部で当該欠陥がオープン欠陥であると判定された場合に、前記判定用の合成画像内のラベル数の変化に基づいて、オープン欠陥の詳細判定を行うオープン欠陥判定部と、を備える
    請求項2に記載の欠陥修正装置。
  4. 前記欠陥種類判定部で当該欠陥が不明な欠陥であると判定された場合、前記ショート欠陥判定部と前記オープン欠陥判定部のうち、前記ショーと欠陥判定部によるショート欠陥の詳細判定を先に行う
    請求項3に記載の欠陥修正装置。
  5. 前記ショート欠陥判定部は、
    前記判定用の合成画像内のラベル数が合成前のそれと比較して増加している場合、修正不要な欠陥であると判定し、
    前記判定用の合成画像内のラベル数が合成前のそれと比較して減少している場合、ショート欠陥であると判定し、
    一方、前記オープン欠陥判定部は、
    前記判定用の合成画像内のラベル数が合成前のそれと比較して増加している場合、オープン欠陥であると判定し、
    前記判定用の合成画像内のラベル数が合成前のそれと比較して減少している場合、欠落欠陥であると判定し、
    前記判定用の合成画像内のラベル数が合成前のそれと比較して変化なしの場合、修正不要な欠陥であると判定する
    請求項4に記載の欠陥修正装置。
  6. 前記ショート欠陥判定部における詳細判定の結果、前記判定用の合成画像内のラベル数が合成前のそれと比較して変化なしの場合は、次に、前記オープン欠陥判定部によるオープン欠陥の詳細判定を行う
    請求項5に記載の欠陥修正装置。
  7. 前記制御部は、前記ショート欠陥判定部で当該欠陥がショート欠陥であると判定された場合、複数の欠陥を修正可能な汎用テンプレートから欠陥修正手法として当該欠陥に重なるリペアオブジェクトのみを選択し、前記欠陥の修正に適用する
    請求項6に記載の欠陥修正装置。
  8. 前記欠陥の領域と前記リペアオブジェクトのサイズが合わない場合に、前記リペアオブジェクトを最適化するオブジェクト補正部、を更に備える
    請求項7に記載の欠陥修正装置。
  9. 前記画像処理部による画像合成において合成対象の画像間に画サイズの相違がある場合、双方の画サイズが等しくなるよう一方の画像の画サイズを変更する画像サイズ補正部、を更に備える
    請求項6に記載に欠陥修正装置。
  10. 前記繰り返しパターンの領域内からはみ出した欠陥がある場合に、当該繰り返しパターンを中心に拡張した判定パターンを生成する拡張判定パターン生成部、を更に備える
    請求項6に記載の欠陥修正装置。
  11. 前記ショート欠陥判定部および前記オープン欠陥判定部は、前記判定用の合成画像内のラベル数の変化に加え、該当レイヤ内の各ラベルの面積の変化に基づいて詳細判定を行う
    請求項3に記載の欠陥修正装置。
  12. 欠陥修正装置が備える欠陥検出部により、多層基板における繰り返しパターンの欠陥画像と参照画像との差画像である欠陥領域画像を生成する第1のステップと、
    前記欠陥修正装置が備える制御部により、前記欠陥領域画像と前記繰り返しパターンの該当する等電位面の情報を含む画像とを合成して判定用の合成画像を生成する第2のステップと、
    前記制御部により、第2のステップで生成された判定用の合成画像における前記等電位面の情報の変化から前記欠陥を判定する第3のステップと、
    前記制御部により、判定結果に応じた欠陥修正手法を、欠陥修正手法が蓄積されているデータベースから読み出す第4のステップと、
    前記制御部により、前記読み出された欠陥修正手法を利用して前記欠陥の修正を実行する欠陥修正部を制御する第5のステップと、を含む
    欠陥修正方法。
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