JP5351676B2 - 大断面トンネル - Google Patents

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Description

本発明は、大断面トンネルに関する。
大断面トンネルを構築する場合において、シールド工法により複数本の小断面トンネルを形成し、これらのトンネル同士を連結することにより大断面トンネルの覆工を形成する場合がある(例えば、特許文献1参照)。
特公平8−23266号公報
ところが、前記従来の大断面トンネルは、シールド工法を利用するものであるため、シールド掘進に伴い発生するテールボイドにより小断面トンネル同士の間に隙間が形成される。そのため、小断面トンネル同士を接合する際に、当該隙間に充填された裏込め材および地山を掘削する作業や、鉄筋コンクリートなどにより接合部材を構築する作業を要し、手間と費用がかかっていた。
また、このような接合部の施工時には、接合部の止水工が必要となるため、そのための費用や手間を別途要していた。
そのため、本発明は、簡易かつ安価に施工を行うことを可能とした大断面トンネルを提案することを課題とする。
発明の大断面トンネルは、推進工法により並設された複数本の小断面トンネル同士を連結することで形成された頂版、底版および左右の側壁を有する大断面トンネルであって、トンネル軸方向に沿って連設されて前記小断面トンネルを構成する鋼殻と、隣接する前記小断面トンネル同士の境界に跨って配設された接合部引張鉄筋と、前記接合部引張鉄筋の両端部において互いに対峙するように前記鋼殻に固定された支圧板と、前記小断面トンネル内に充填されたコンクリートと、前記小断面トンネル同士の接合部の地山側に配置された止水部材と、を備え、前記鋼殻が、トンネル軸方向に対して所定の間隔をあけて並設された枠状の主桁と、前記主桁同士の間においてトンネル軸方向に沿って並設された縦リブと、前記主桁の互いに直交する二辺または対向する二辺に跨って配設された主桁補強材と、を備えていて、前記止水部材が、一方の前記小断面トンネルに固定された断面V字状の止水板と、他方の前記小断面トンネルの前記止水板に対応する位置に固定された止水ブロックと、により構成されており、前記止水板と前記止水ブロックとが互いに当接していることを特徴としている。
かかる大断面トンネルは、推進工法により並設された複数本の小断面トンネルを利用して形成されているため、小断面トンネル同士の接合部に新たな鉄筋コンクリート構造部材等を構築して介設する必要がなく、簡易かつ安価に形成されるとともに、止水性に優れた大断面トンネルが形成される。
また、主桁補強材がせん断補強部材として機能するため、頂版、底版および左右の側壁の部材仕様の低減化が可能となる。
また、第二の発明の大断面トンネルは、推進工法により並設された複数本の小断面トンネル同士を連結することで形成された頂版、底版および左右の側壁を有する大断面トンネルであって、トンネル軸方向に沿って連設されて前記小断面トンネルを構成する鋼殻と、隣接する前記小断面トンネル同士の境界に跨って配設された接合部引張鉄筋と、前記接合部引張鉄筋の両端部において互いに対峙するように前記鋼殻に固定された支圧板と、前記小断面トンネル内に充填されたコンクリートと、を備え、前記鋼殻が、トンネル軸方向に対して所定の間隔をあけて並設された枠状の主桁と、前記主桁同士の間においてトンネル軸方向に沿って並設された縦リブと、前記主桁の互いに直交する二辺または対向する二辺に跨って配設された主桁補強材と、を備えていて、前記鋼殻は、前記頂版、前記底版または前記側壁に作用する応力が引張りとなる部分に配置される増強部と、圧縮となる部分に配置される一般部と、を備えており、前記増強部の断面積が前記一般部の断面積よりも大きくなるように、前記増強部の鋼材量が前記一般部の鋼材量よりも多く配分されていることを特徴としている
本発明の大断面トンネルによれば、簡易かつ安価に大断面トンネルを構築することが可能となる。
本発明の好適な実施の形態に係る大断面トンネルを示す断面図である。 同大断面トンネルの別の箇所における断面図である。 小断面トンネルを構成する鋼殻を示す斜視図である。 鋼殻同士の接合部を示す拡大図であって、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。 (a)および(b)は大断面トンネルの構築方法の各施工段階を示す断面図である (a)および(b)は図5に続く大断面トンネルの構築方法の各施工段階を示す断面図である。 大断面トンネルの変形例を示す断面図である。
本実施形態では、図1に示すように、並設された複数本の小断面トンネル10,10,…を互いに連結することにより形成された頂版2、底版3および左右の側壁4,4を備えてなる矩形状(正方形状)の大断面トンネル1について説明する。なお、大断面トンネル1の断面形状は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
大断面トンネル1は、複数本小断面トンネル10と、小断面トンネル10内に充填されたコンクリート20と、隣接する小断面トンネル10同士に跨って配設された接合部材30および追加鉄筋40と、を備えている。
頂版2は、推進工法により横方向(左右方向)に並設された7本の小断面トンネル10,10,…を連結し、内部にコンクリート20を充填することにより構成されている。なお、頂版2を構成する小断面トンネル10の本数は限定されるものではなく、計画された大断面トンネル1の大きさに応じて適宜設定すればよい。
底版3は、推進工法により横方向(左右方向)に並設された7本の小断面トンネル10,10,…を連結し、内部にコンクリート20を充填することにより構成されている。なお、底版3を構成する小断面トンネル10の本数は限定されるものではなく、計画された大断面トンネル1の大きさに応じて適宜設定すればよい。
側壁4は、推進工法により上下(縦)4段に並設された小断面トンネル10,10,…を連結し、内部にコンクリート20を充填することにより構成されている。なお、側壁4を構成する小断面トンネル10の本数は限定されるものではなく、計画された大断面トンネル1の大きさに応じて適宜設定すればよい。
小断面トンネル10は、主桁補強材15が配設された断面矩形状の鋼殻11を推進工法によりトンネル軸方向に沿って複数連設することにより構築されている。本実施形態では、頂版2および底版3については断面正方形状の鋼殻11を使用し、側壁4については縦長の断面長方形状の鋼殻11’を使用するものとする。
鋼殻11(側壁4を構成する縦長の鋼殻11’も含む)は、図3に示すように、鋼製部材を組み合わせることにより角筒状に形成された部材である。本実施形態の鋼殻11は、トンネル軸方向に所定の間隔をあけて並設された複数の主桁12,12,…と、隣り合う主桁12,12同士の間においてトンネル軸方向に沿って配置された複数の縦リブ13,13,…と、主桁12,12,…および縦リブ13,13,…の外周囲を覆う外殻14と、枠状の主桁12の互いに直交する2辺または対向する2辺に跨って配設された主桁補強部材15(図1参照)とを備えて構成されている。
主桁12は、鋼材を正方形状または長方形状(図3では正方形状)に組み合わせることにより枠状に形成されている。本実施形態では、1体の鋼殻11に対して4つの主桁12,12,…を配置するが、主桁12の数量は限定されるものではない。また、主桁12を形成する鋼材は限定されるものではなく、H形鋼、L形鋼、溝形鋼、鋼管等が使用することが可能であるが、本実施形態では、鋼板を使用するものとする。また、本実施形態では、鋼材を組み合わせることにより矩形状の主桁12を形成するものとしたが、その形成方法は限定されるものではない。
縦リブ13は、隣り合う主桁12,12の間に配置されて、主桁12同士の間隔を保持するとともに、推進時に作用する軸力に対して、十分な耐力を発現するように構成されている。
なお、本実施形態では、縦リブ13として、主桁12と同種の鋼板を使用するが、縦リブ13を構成する材料は限定されるものではなく、H形鋼、L形鋼、溝形鋼、鋼管等、適宜他の鋼材を使用することが可能である。また、縦リブ13の数量は限定されるものではない。
外殻14は、複数の主桁12,12,…を覆うように各筒状に形成されており、複数枚のスキンプレートを溶接により接合することで形成されている。
本実施形態では、隣り合うトンネル10同士の連結に伴い、トンネル10同士の当接面に面する外殻14を撤去するものとする。
主桁補強部材15は、主桁12に固定された鋼板であって、断面正方形状または長方形状の小断面トンネル10に作用する外力に対して、主桁12を補強することが可能となるように配置されている。なお、主桁補強部材15を構成する材料は限定されるものではなく、適宜公知の鋼材の中から選定して使用することが可能である。
図1に示すように、頂版2または底版3の両端に配置されていて、側壁4の上端または下端に当接する小断面トンネル10を構成する鋼殻11の主桁補強部材15aは、主桁12の互いに直交する2辺に跨って斜めに配設されている。主桁補強部材15aは、主桁12の四隅にそれぞれ配置されている。
また、頂版2または底版3の中央部に配置された5本の小断面トンネル(両端に配置された小断面トンネル10,10以外の小断面トンネル)10,10,…を構成する鋼殻11の主桁補強部材15bは、主桁12の上下の辺に跨って配置されている。本実施形態では、主桁12に対して2本ずつ主桁補強部材15bを配置するが、主桁補強部材15bの本数は限定されるものではない。
さらに、側壁4を構成する鋼殻11’に配設された主桁補強部材15cは、主桁12の左右の長辺に跨って配置されている。本実施形態では、主桁12に対して1本ずつ主桁補強部材15cを配置するが、主桁補強部材15cの本数は限定されるものではない。
コンクリート20は、図1および図2に示すように、連結された小断面トンネル10,10,…内に充填されており、硬化することで鋼殻11と一体となって連続した頂版2、底版3および側壁4,4を構成する。
本実施形態では、コンクリート20として、高強度コンクリートを使用するが、コンクリートを構成する材料は限定されるものではなく、例えば、普通コンクリート、繊維補強コンクリート等を採用してもよい。
接合部材30は、図2に示すように、隣り合う小断面トンネル10同士に跨って配設されている。
本実施形態では、大断面トンネル1に作用する外力により、小断面トンネル10同士の接合部において引張力が発生することが想定される個所に接合部材30を配設するものとする。つまり、大断面トンネル1の角部に配設された小断面トンネル10と他の小断面トンネル10との接合部においては、地山側のみに接合部材30を配置すればよく、その他の小断面トンネル10同士の接合部においては、地山側と内空側に接合部材30を配置するものとする。なお、接合部材30の設置箇所は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
本実施形態に係る接合部材30は、図4(a)および(b)に示すように、隣り合う小断面トンネル10同士に跨って配設された接合部引張鉄筋31,31,…と、接続鉄筋31,31,…の両端部を巻きたてるように配設された複数本のフープ筋32,32,…と、主桁13に固定された支圧板33,33と、主桁13に固定されて支圧板33の固定度を補強する支持板34,34,…と、を備えている。
なお、接合部材30の構成は限定されるものではなく適宜設定することが可能である。
接合部引張鉄筋31は、鉄筋や鋼棒等の棒状部材からなる本体部31aと本体部31aの両端に形成されていて本体部31aの外径よりも大きな幅を有する定着部31bとから構成されており、コンクリート20との定着効果の向上が図られている。
接合部引張鉄筋31は、頂版2、底版3または側壁4において断続的に配筋されている。つまり、接合部引張鉄筋31は、隣り合う2本の小断面トンネル10間に配筋されており、一端が一方の小断面トンネル10に定着し、他端が他方の小断面トンネル10定着している。
フープ筋32は、口字状に形成された鉄筋であって、接合部引張筋31の定着部31bと支圧板33との間に配筋されている。
支圧板33は、中央に開口部を有した口字状の板材により構成されている。接合部引張鉄筋31,31,…は、支圧板33の開口部を挿通した状態で配筋されている。
支圧板33は、隣接する主桁12同士の間において、端面が主桁12,12に当接した状態で配設されている。支圧板33は、主桁12との当接面において固定されているとともに、支圧板33の外側(隣接する他の小断面トンネル10側)において主桁12に固定された支持板34,34,…に係止されている。
支持板34は、主桁12の表面に貼着(固定)された板材であって、主桁12の表面に凸部を形成することで支圧板33の係止を可能としている。
接合部材30として、接合部引張鉄筋31を配筋しているため、小断面トンネル10同士の接合部を接合部引張鉄筋31を主鉄筋とした鉄筋コンクリート構造として見込むことができる。また、接合部引張鉄筋31の端部に支圧板33を配置することで、接合部引張鉄筋31を主桁12間に定着する。
接合部材30は、小断面トンネル10内に充填(打設)されたコンクリート20に定着することで、隣り合う小断面トンネル10,10の一体化をより強固にする。
追加鉄筋40は、図2に示すように、頂版2および底版3に対応して横方向(左右方向)に並設された中央部の5本の小断面トンネル10,10,…の圧縮側(地山側)と、側壁4に対応して縦方向(上下方向)に並設された4本の小断面トンネル10,10,…の圧縮側(内空側)と、に跨って配設されている。なお、側壁4内に配設された追加鉄筋40の両端は、頂版2および底版3に所定の定着長を確保した状態で挿入されている。
また、本実施形態では、頂版2および底版3の引張側(内空側)に沿って、横方向(左右方向)並設された7本の小断面トンネル10,10,…に跨って追加鉄筋40を配設している。
なお、本実施形態では、追加鉄筋40を配筋するものとしたが、鉄筋に変えてPC鋼材等を配設して緊張力を導入してもよい。
また、鉄筋とPC鋼材とを併用してもよい。この場合には、鉄筋を圧縮側に配置し、PC鋼材を引張側に配置する。
さらに、追加鉄筋40やPC鋼材の配置の有無や配置箇所は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
また、小断面トンネル10同士の接合部には、図4(a)に示すように、止水部材50がトンネル軸方向に沿って配設されており、隣り合う鋼殻11,11の隙間から、地下水や土砂が流入することが防止されている。
本実施形態では、止水部材50として、断面V字状の止水板51を一方の鋼殻11の地山側角部に配設し、他方の鋼殻11の止水板51に対応する位置に止水ブロック52を配設している。止水板51は、その一部が鋼殻11の側面から突出した状態で鋼殻11に固定されており、隣接する小断面トンネル10の鋼殻11に埋設された止水ブロック52に止水板51の突出部分が密着していることで、接合部における止水性を維持している。
なお、止水部材50の構成は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。また、本実施形態では止水板51および止水ブロック52として、クロロブレン系の止水ゴムを採用するが、高水圧下に耐えうる止水性を発現することができれば、止水板51および止水ブロック52を構成する材料は限定されるものではない。
本実施形態では、鋼殻11を構成する鋼材を大断面トンネル構造の鋼材として使用する。そして、大断面トンネル構造に作用する応力に対して、圧縮側よりも引張り側の断面を厚く(すなわち鋼材量を多く)し、大断面トンネル1の本体(鋼殻11内)に配筋する引張り側の鉄筋の本数(鉄筋量)を減らしている。鉄筋量を減らすことで、施工時の内部作業空間をより大きく確保することが可能となり、作業性が向上するとともに、安全性が向上する。
すなわち、小断面トンネル10を構成する鋼殻11について、頂版2、底版3または側壁4,4に作用する応力が引張りとなる部分に配置される増強部に対して、応力が圧縮となる部分に配置される一般部よりも鋼材量を多く配分させる。
なお、増強部における鋼材量の増加方法は、例えば、縦リブ13の本数の増加、外殻14の部材厚を増加、主桁12や縦リブ13の断面積を大きくしたり、補助的に鋼材量を増加させたりするなど、限定されるものではない。
次に、本実施形態に係る大断面トンネル1の構築方法について説明する。
かかる大断面トンネル1の構築は、小断面トンネル構築工程と、連結工程と、接合部材設置工程と、追加鉄筋配設工程と、コンクリート打設工程と、内部掘削工程と、により行う。
小断面トンネル構築工程は、図5(a)および(b)に示すように、複数本の小断面トンネル10,10,…を地中に形成する工程である。
小断面トンネル10,10,…は、大断面トンネル1の内空となる領域を取り囲むように形成する。
小断面トンネル10の構築は、断面正方形状または断面長方形状の鋼殻11を推進工法によりトンネル軸方向に沿って連設することにより行う。本実施形態では、複数本の小断面トンネル10,10,…を口字状に並設することで、大断面トンネル1の外殻(頂版2、底版3、側壁4,4)を形成する。
構築する小断面トンネル10の順序は限定されるものではなく、適宜行えばよいが、本実施形態では、まず、底版3の中央部に配設される第一小断面トンネル101を形成する。第一小断面トンネル101の施工が終了或いは所定延長進行したら、第一小断面トンネル101に隣接する第二小断面トンネル102または第三小断面トンネル103を、第一小断面トンネル101に沿って形成する。なお、第二小断面トンネル102および第三小断面トンネル103の施工は、同時に行ってもよいし、いずれか一方を先行して行ってもよい。
後行して構築される後行小断面トンネル10(第二小断面トンネル102や第三小断面トンネル103等)は、先行して構築された先行小断面トンネル10(第一小断面トンネル101等)との間に形成された図示せぬ継手部材を介して、先行小断面トンネル10に沿って構築するものとする。このような継手部材としては、先行小断面トンネル10を構成する鋼殻11の側面に形成された溝と、後行小断面トンネル10を構成する鋼殻11の側面に形成されて前記溝に挿入可能な突条と、により構成されたものなどがある。
第二小断面トンネル102の施工が終了或いは所定延長進行したら、引き続き第四小断面トンネル104の施工を行う。そして、第四小断面トンネル104の施工が終了或いは所定延長進行したら引き続き第六小断面トンネル106の施工を行う。同様に、第三小断面トンネルの施工に引き続き、第五小断面トンネル105と第七小断面トンネル107の施工を行う。
このとき、第四小断面トンネル104の施工と第五小断面トンネル105の施工は同時に行ってもよいし、いずれか一方を先行して行ってもよい。また、第六小断面トンネル106の施工と第七小断面トンネル107の施工についても同時に行ってもよいし、いずれか一方を先行して行ってもよい。
なお、第二小断面トンネル102〜第七小断面トンネル107の施工は、同時に行ってもよい。
底版3を構成する小断面トンネル101〜107の構築に続いて、側壁4,4を構成する小断面トンネル108〜113の構築を行う。
まず、一方の側壁4の下部分を構成する第八小断面トンネル108の構築を行う。このとき、他方の側壁4の下部分を構成する第十一小断面トンネル111の施工を同時または先行して行ってもよい。第八小断面トンネル108は、第六小断面トンネル106の直上において第六小断面トンネル106に沿って構築し、第十一小断面トンネル111は、第七小断面トンネル107の直上において第七小断面トンネル107に沿って構築する。
第八小断面トンネル108の施工が完了または所定延長進行したら、第九小断面トンネル109の施工を行う。同様に、第十一小断面トンネル111の施工が完了または所定延長進行したら、第十二小断面トンネル112の施工を行う。同様に小断面トンネル110、113の施工を行う。
側壁4,4を構成する小断面トンネル108〜113の構築に続いて、頂版2を構成する小断面トンネル114〜120の施工を行う。
頂版2に対応する小断面トンネル114〜120の施工は、頂版2の一方の端部の小断面トンネル114(120)から他方の端部の小断面トンネル120(114)まで順次行う。このように施工を行うことで、先行小断面トンネル10の位置が施工誤差によりずれていた場合であっても調整することが可能となる。
連結工程は、隣接する小断面トンネル10同士の連結を行う工程である。
小断面トンネル10同士の連結は、各小断面トンネル10を構成する鋼殻11の外殻14のうち、隣接する他の小断面トンネル10の鋼殻11との当接面に対応する部分を撤去することにより行う。これにより、頂版2、底版3および側壁4に対応する位置に、連続した空間が形成される。
接合部材設置工程は、小断面トンネル10同士の接合部の外殻14の撤去に伴い、隣り合う小断面トンネル10,10に跨って接合部材30を配設する工程である(図4(a)および(b)参照)。
なお、小断面トンネル10同士の連結および接合部材30の設置は、各小断面トンネル10の施工が完了する毎に順次行ってもよいし、全ての小断面トンネル10の施工が完了してから、まとめて行ってもよい。
追加鉄筋配設工程は、底版3、側壁4,4、頂版2に対応する小断面トンネル101〜120の構築後、頂版2、底版3、側壁4,4に跨って、それぞれ追加鉄筋40を配筋する工程である。
追加鉄筋40は、連結工程において小断面トンネル10同士を連結することにより形成された連続した空間を横断するように配設するものとする。なお、必要に応じて補強用の鋼材を配設してもよい。
コンクリート打設工程は、図6(a)に示すように、小断面トンネル10,10,…内にコンクリート20を充填する工程である。
本実施形態では、コンクリート20として、高強度コンクリートを充填するものとする。また、本実施形態では、鋼殻11を本体構造(コンクリートの補強材)として利用することで、圧縮鉄筋および引張鉄筋の削減を図るものとする。
内部掘削工程は、図6(b)に示すように、頂版2、底版3および側壁4,4に囲まれた大断面トンネル1の内部空間に残存する地山Gを掘削する工程である。
以上、本実施形態の大断面トンネル1およびその構築方法によれば、矩形断面の大断面トンネル1を簡易かつ安価に構築することが可能となる。
また、当該大断面トンネル1は、大深度、高水圧下においても構築することができる。
各小断面トンネル10を構成する鋼殻11を、本体構造として利用することにより、複合構造としての評価が可能となり、合理的な設計を行うことが可能となる。そのため、頂版2、底版3および側壁4の部材仕様の低減化が可能となる。
また、鋼殻11を本体利用することで、鉄筋使用量の大幅な削減が可能となり、費用の削減が可能となるとともに、配筋作業に要する手間を削減することが可能となる。
各鋼殻11は、推進工法により敷設するため、隣接する他の鋼殻11との隙間を最小限に抑えることが可能となる。そのため、隣接する小断面トンネル10同士の連結作業を容易に行うことが可能となる。また、鋼殻11同士の隙間が最小限に抑えられているため、薬液注入等の大掛かりな止水工を要することなく、止水材の介設のみで所望の止水機能を得ることができる。
また、鋼殻11が備える主桁補強材15は、施工時においては小断面トンネル10の支保工として機能し、完成時には頂版2、底版3および側壁4,4のせん断補強部材として機能する。そのため、新にせん断補強部材を配置する手間や費用を削減することが可能となるとともに、施工時の仮設工に要する手間や費用を削減することができる。
また、頂版2、底版3、側壁4,4は、外面がスキンプレート(外殻14)により覆われているため、コンクリート20にひび割れが発生することが防止され、また、コンクリート20にひび割れが発生することによる鋼材の腐食も防止されている。
また、側壁4を構成する鋼殻11’として、縦長の長方形状断面のものを使用することで、小断面トンネル10の本数を減らして、施工サイクルの削減を図ることができる。
また、大断面トンネル1の角部(頂版2および底版3の端部)には位置される鋼殻11には、主桁補強材15aを斜めに設置することで、施工時に上下方向および横方向に作用する応力に対する耐力を向上させるとともに、完成後の曲げモーメントに対する補強部材としての機能も期待することができる。
また、接合部引張鉄筋31を断続的に配筋しているため、鉄筋使用量の大幅な削減が可能となる。接続鉄筋31と支圧板33との組み合わせにより、隣り合う小断面トンネル同士の間での応力の伝達を効果的に行うため、小断面トンネル10同士が一体に固定される。
また、止水部材50として、断面V字状の止水板51と止水ブロック52とを組み合わせて使用しているため、小断面トンネル10同士の接合部における止水性に優れている。そのため、周辺地山への薬液注入等の補助的な止水工事を省略することも可能である。また、施工誤差により小断面トンネル10同士の間隔が開いたり狭まったりしても、断面V状の止水板51が追従することが可能である。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施形態では、小断面トンネル10の断面形状は限定されるものではなく、大断面トンネル1の計画断面や大断面トンネル1に作用することが予想させる応力や施工サイクル等に応じて適宜設定すればよい。
小断面トンネル10の本数や配置は限定されるものではなく、大断面トンネル1の計画断面等に応じて適宜設定すればよい。
また、複数の小断面トンネル10,10,…の施工は、複数の掘削機械を用いて同時に行ってもよいし、1台の掘削機械を利用して順番に行ってもよい。
また、小断面トンネル10の施工順序は前記の順番に限定されるものではない。
また、前記実施形態では、頂版2、底版3および側壁4の引張側に接合部材30を配設し、圧縮側に追加鉄筋40を配筋することにより、頂版2および底版3と側壁4,4との接続を行うものとしたが、図7に示すように、圧縮側にも接合部材30を配設してもよく、その接続方法は限定されるものではない。
1 大断面トンネル
2 頂版
3 底版
4 側壁
10 小断面トンネル
11 鋼殻
15 主桁補強材
20 コンクリート
30 接合部材
31 接合部引張鉄筋
33 支圧板
40 追加鉄筋
50 止水部材
51 止水板
52 止水ブロック
G 地山

Claims (2)

  1. 推進工法により並設された複数本の小断面トンネル同士を連結することで形成された頂版、底版および左右の側壁を有する大断面トンネルであって、
    トンネル軸方向に沿って連設されて前記小断面トンネルを構成する鋼殻と、
    隣接する前記小断面トンネル同士の境界に跨って配設された接合部引張鉄筋と、
    前記接合部引張鉄筋の両端部において互いに対峙するように前記鋼殻に固定された支圧板と、
    前記小断面トンネル内に充填されたコンクリートと
    前記小断面トンネル同士の接合部の地山側に配置された止水部材と、を備え、
    前記鋼殻が、トンネル軸方向に対して所定の間隔をあけて並設された枠状の主桁と、前記主桁同士の間においてトンネル軸方向に沿って並設された縦リブと、前記主桁の互いに直交する二辺または対向する二辺に跨って配設された主桁補強材と、を備えていて、
    記止水部材が、一方の前記小断面トンネルに固定された断面V字状の止水板と、他方の前記小断面トンネルの前記止水板に対応する位置に固定された止水ブロックと、により構成されており、
    前記止水板と前記止水ブロックとが互いに当接していることを特徴とする、大断面トンネル。
  2. 推進工法により並設された複数本の小断面トンネル同士を連結することで形成された頂版、底版および左右の側壁を有する大断面トンネルであって、
    トンネル軸方向に沿って連設されて前記小断面トンネルを構成する鋼殻と、
    隣接する前記小断面トンネル同士の境界に跨って配設された接合部引張鉄筋と、
    前記接合部引張鉄筋の両端部において互いに対峙するように前記鋼殻に固定された支圧板と、
    前記小断面トンネル内に充填されたコンクリートと、を備え、
    前記鋼殻が、トンネル軸方向に対して所定の間隔をあけて並設された枠状の主桁と、前記主桁同士の間においてトンネル軸方向に沿って並設された縦リブと、前記主桁の互いに直交する二辺または対向する二辺に跨って配設された主桁補強材と、を備えていて、
    前記鋼殻は、前記頂版、前記底版または前記側壁に作用する応力が引張りとなる部分に配置される増強部と、圧縮となる部分に配置される一般部と、を備えており、前記増強部の断面積が前記一般部の断面積よりも大きくなるように、前記増強部の鋼材量が前記一般部の鋼材量よりも多く配分されていることを特徴とする、大断面トンネル。
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