JP5280397B2 - パイプルーフとその施工方法 - Google Patents

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本発明は、トンネルの構築に先行して地盤内に施工される、パイプルーフとその施工方法に関するものである。
近時、地盤内に構築される地下道や地下鉄路線、駅舎、各種アミューズメント施設などをはじめとする地下構造物の規模は大型化してきており、さらには、この地下構造物が大深度にて構築されるようになってきている。
平成13年に施行された、大深度地下の公共的使用に関する特別措置法(いわゆる大深度法)により、特に首都圏などの市街地においては、40m以深の大深度において施工可能なインフラ施設が明確に定義され、その建設の需要が益々高まっている。さらに、シールド施工技術や推進施工技術の普及にともなって地下道が長距離化され、その途中で分岐合流部を後施工することによって地下道の一部区間に大断面トンネルを構築できるようになっている。
ところで、都市部に大規模な地下構造物を構築するに当たり、シールド掘進機等の掘進に先行して、表層の沈下をはじめとする周辺地盤の変位を確実に抑制するための土留めがおこなわれることが往々にしてある。中でも、立坑等から地盤内に鋼管を相互に隣接させながら水平方向に挿入し、断面がアーチ状や下に開放したコの字状などとなるように土留めの屋根となるパイプルーフを施工し、このパイプルーフ直下にシールド掘進機等を掘進させながら地下構造物を構築する方法が一般におこなわれている。そして、上記するように大深度に大規模な地下構造物を施工する場合には、それに先行して施工されるパイプルーフには比較的表層に近い地盤に施工される場合に比して、パイプルーフに作用する土被荷重や水圧は極めて大きなものとなり、これに耐え得る耐荷重性能が要求される。
ここで、従来のパイプルーフの構造を図7〜10を参照して概説する。なお、図7等では、実際に併設施工される多数の鋼管のうちの一部のみを取り出して図示している。
まず、図7aで示す形態のパイプルーフは、一方に雌領域Mを具備する矩形鋼管KK、他方に雄領域Oを具備する矩形鋼管KKを、これら雌領域Mと雄領域Oを係合させて継手部を形成しながら地盤G内に併設させ、この継手部に止水シールSLが施されたものである。
相互に隣接するように矩形鋼管KKを地盤内に挿入した後、図7bで示すようにそれぞれの矩形鋼管KKの内部にコンクリートCを充填して閉塞することにより、全体の断面がアーチ状等のパイプルーフが形成される。
このパイプルーフは、円形鋼管を使用する場合のように、隣接する鋼管の間の無駄な領域が生じないというメリットがある。しかし、円形鋼管に比して耐荷重が小さいことは理解に易く、上記するようにこのパイプルーフが大深度でさらに高水圧条件等の地盤内に施工される場合においては、図7aから図7bへの移行段階、すなわち矩形鋼管KK内にコンクリートが充填されるまでの段階における耐荷重を保証するための措置が必要となる。そして、この措置の代表例として、たとえば、市販の規格品の矩形鋼管を使用するのではなくて、規格品よりも厚み:tの極めて厚い矩形鋼管KKを製作して使用することが挙げられる。
一方、図8aで示す形態のパイプルーフは、図7aと同様に雌領域Mを具備する円形鋼管EKと、雄領域Oを具備する円形鋼管EKを、これら雌領域Mと雄領域Oを係合させて継手部を形成しながら併設させ、この継手部に止水シールSLが施されたものである。相互に隣接するように円形鋼管EKを地盤内に挿入した後、図8bで示すようにそれぞれの円形鋼管EK内にコンクリートCが充填されてパイプルーフが形成される。
円形鋼管EKを適用したことで、矩形鋼管に比して図8aから図8bへの移行段階での耐荷重は大きくなるものの、このパイプルーフが大深度に施工される場合には、増大する土被荷重に耐え得るように鋼管の径:L2を大きくせざるを得ない(L2>L1となる)。
また、図9aで示す形態のパイプルーフは、相互に係合する一方の鋼管が円形鋼管EKからなり、他方の鋼管がこの円形鋼管EKと係合する欠円領域を具備する欠円鋼管KEからなるものであり、図9bで示すようにこれらの内部にコンクリートCが充填されてパイプルーフが形成される。
このパイプルーフも、矩形鋼管を適用する場合に比して耐荷重は大きくなるものの、欠円鋼管の加工が容易でなく、工費の高騰は否めない。
上記するように、図7〜図9で示すパイプルーフは、多数の鋼管を一列に併設させて所望する断面形状を成すものであることから、大深度にこれらのパイプルーフが施工される場合には、その土被荷重等に耐え得る耐力を各鋼管の厚みや寸法の増大に頼らざるを得ない。
これらのパイプルーフに対し、図10aで示すパイプルーフは、多数の円形鋼管EKを列状に併設させ、この列を積層して2段配置としたものであり、図10bで示すように、各円形鋼管EK内にコンクリートCが充填されて2段配置のパイプルーフを成すものである。なお、このパイプルーフにおいても、隣接する一方の円形鋼管EKの雌領域Mを他方の円形鋼管EKの雄領域Oと係合させて継手部を形成し、この継手部に止水シールSLが施工されている。なお、隣接する円形鋼管EK同士で囲まれた領域は地盤領域G1がそのまま残っている。
このパイプルーフによれば、これが大深度に施工される場合であっても、円形鋼管EKを2段配置としたことで各円形鋼管EKの厚みを大きくしたり、直径(寸法)を大きくする必要はなくなり、市販で規格品の鋼管を使用しながら耐荷重を向上できることから工費の高騰は回避できる。
しかし、このパイプルーフでは、左右上下で円形鋼管同士を繋ぐ箇所が継手部のみであることから、実際にこのパイプルーフが土被荷重を受けてそれぞれの円形鋼管で荷重分担をする際に各継手部にせん断応力等が集中することとなり、したがって、この継手部には極めて大きな耐力(せん断耐力、曲げ耐力など)が要求されることになり、十分な補強措置が必須となる。
仮に継手部が十分な耐力を具備していない場合には、上段の鋼管から下段の鋼管への荷重伝達が不十分となり、個々の鋼管は図7〜9で示す各種鋼管のように厚みも寸法も過度に大きなものでないことに鑑みれば、パイプルーフとして土被荷重を支保する作用を奏することができなくなる。
ここで、パイプルーフに関する従来の公開技術として、特許文献1〜4を挙げることができるが、これらの文献に開示のパイプルーフはいずれも列状に配設された1段構造のものからなり、図7〜9で示すパイプルーフに固有の上記課題を解消するには至らず、さらに、図10で示すパイプルーフの有する課題を何等解消するものではない。
特開平10−18757号公報 特開平11−50779号公報 特開2005−16141号公報 特開2007−132186号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、大深度において土被荷重等を受けた場合でも、鋼管の厚みや寸法を大きくすることなく、市販の規格品の鋼管を使用しながら所望の耐荷重を得ることができ、さらには、鋼管同士を繋ぐ継手部にせん断応力等が過度に集中するのを解消でき、もって高い耐力を有するパイプルーフと、このパイプルーフを工費を増大させることなく施工することのできる施工方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明によるパイプルーフは、並列する複数の鋼管からなる鋼管ユニットが少なくとも2以上積層されて鋼管ユニットの積層体を成し、この積層体において複数の鋼管で囲まれた領域に緊張材が配設され、少なくともこの囲まれた領域がコンクリートで閉塞されているものである。
本発明で使用される鋼管は円形鋼管であり、この鋼管がたとえばアーチ状に列を成すようにして鋼管ユニットを形成し、2以上の鋼管ユニットが積層されて積層体を成している。
ここで、「少なくとも2以上」とは、たとえば2つのアーチ状の鋼管ユニットが積層したものや、3つ以上のアーチ状の鋼管ユニットが積層したものなどを包含する意味であり、パイプルーフが施工される深度や土被荷重等によって積層体を成す鋼管ユニットの段数が設定される。
そして、隣接する円形鋼管で囲まれた領域には、図10で示すように原地盤をそのまま残置するのではなく、この領域の地盤を掘削し、排土して鋼管で包囲された空間を形成し、この包囲空間に緊張材を配し、さらにこの包囲空間をコンクリートで閉塞して各鋼管同士を強固に一体化したものである。
ここで、積層体を成す相互に隣接する一方の鋼管に少なくとも雌領域が、他方の鋼管に少なくとも雄領域がそれぞれ備えてあり、雌領域と雄領域が係合して継手部を形成しているのがよい。この雌領域と雄領域が係合してなる継手部や、継手部周辺の地盤には止水施工が施されているのが望ましい。
上記する本発明のパイプルーフによれば、多数の鋼管が併設されたユニットが2段以上積層してなる積層体において、隣接する鋼管で囲まれた包囲空間に緊張材が配され、さらにこの包囲空間がコンクリートで閉塞されていることから、上段の鋼管ユニットが直接受ける土被荷重は、鋼管同士を繋ぐ継手部のみならず、鋼管間のコンクリートをも介して下段の鋼管ユニットに伝達させることができる。このことより、鋼管同士を繋ぐ継手部に過度にせん断応力等が集中するのが解消されることから、継手部を強固に補強等する必要もなくなり、構造弱部を具備しない高強度なパイプルーフとなる。
なお、隣接する鋼管で囲まれた領域のみならず、鋼管の内部もコンクリートで閉塞することにより、より一層強固なパイプルーフが形成できる。
また、適用される緊張材としては、鉄筋、PC鋼材(PC鋼線、PC鋼より線、PC鋼棒)、型鋼(H型鋼、I型鋼、C型鋼、L型鋼など)、鋼製パイプ(角パイプ、円形パイプなど)、繊維強化樹脂材(FRP,CFRP,GFRPなど)のうちのいずれか一種を使用することができる。
また、本発明によるパイプルーフの施工方法は、立坑から複数の鋼管を地盤内に挿入し、これら複数の鋼管を並列させて鋼管ユニットを形成し、この鋼管ユニットが少なくとも2以上積層されてなる鋼管ユニットの積層体を形成する第1の工程、前記積層体において複数の鋼管で囲まれた領域の地盤を掘削して、これら複数の鋼管で囲まれた包囲空間を形成し、この包囲空間に前記立坑から緊張材を挿入するとともに、包囲空間を囲む鋼管に設けられている孔から別途の緊張材をこの包囲空間内に挿入する第2の工程、少なくとも前記包囲空間内にコンクリートを充填してパイプルーフを施工する第3の工程、からなるものである。
ここで、第1の工程においては、たとえば上方の鋼管ユニットをまず施工し、次いで下方の鋼管ユニットを施工するといった具合に、鋼管ユニット単位で施工を進めてもよいし、隣接する鋼管を上下の順で施工しながら、最終的にたとえば上下2段の積層体を形成する施工の進め方であってもよい。なお、所定長の鋼管を地盤内に配設するに当たり、立坑からたとえば短尺の鋼管を地盤内にジャッキ推進等させ、短尺の鋼管を順次継ぎ足しながらこれを繰り返することで所望長さのパイプルーフ用の鋼管を地盤内に施工できる。
次に、複数の鋼管で囲まれた領域の地盤掘削に際しては、たとえば立坑からボーリングマシン等で導坑を先行施工し、次いで、鋼管に予め形成されている孔からへら等を上記する囲まれた領域へ延ばして残りの原地盤土を導坑へ落として地盤をほぐし、次いでウォータージェットなどを吹き付けて土砂を排土するといった方法が適用できる。
このようにして複数の鋼管で囲まれた領域の地盤を掘削し、排土することで、これら複数の鋼管で囲まれた領域に包囲空間が形成される。
この包囲空間に対し、立坑から緊張材を挿入し、さらに、鋼管内からもこの鋼管に設けられている孔から別途の緊張材を包囲空間内に挿入する。
ここで、鋼管に開設されている孔は、このように鋼管内部から緊張材を包囲空間に挿入するためのものであり、鋼管を地盤内に挿入する際には、この孔をキャップにて閉塞しておくのがよい。
この立坑から挿入される緊張材は、鋼管の延伸方向に延びる第1の緊張材と第1の緊張材を包囲するフープ状の第2の緊張材であり、鋼管の孔から包囲空間へ挿入される別途の緊張材は第3の緊張材であって、鋼管と第1、第2の緊張材を繋ぐ役割を担うものである。そのため、この第3の緊張材の一端は鋼管の内側に係合される。なお、これら第1〜第3の緊張材は、既述する鉄筋、PC鋼材等を使用できる。また、第1、第2の緊張材は予めユニット化して鉄筋籠としておき、このユニット化された鉄筋籠を包囲空間内に挿入することで緊張材を配設する工程の効率化が図られる。
また、包囲空間が形成された段階で、この包囲空間に臨む鋼管の外周の一部にこの鋼管の長手方向に延びるガイドを設けておき、第1、第2の緊張材の挿入を案内するようにしておくのが好ましい。特に、上記する鉄筋籠を製作して包囲空間内にこれを挿入する際には、このガイドに沿って鉄筋籠を挿入することにより、鉄筋籠の一部と鋼管が干渉してその挿入が不可となる等の問題を解消することができる。
第3の緊張材の挿入に際しては、鋼管内に作業員が入り、形成されている各孔から第3の緊張材を作業員が包囲空間内に挿入してもよいし、鋼管の内側に鋼管の長手方向に延びるガイドレールを設けておき、このガイドレールに沿ってジャッキを自走させながら、このジャッキにて前記第3の緊張材を包囲空間へ挿入するようにしてもよい。
上記する本発明の施工方法によって施工されたパイプルーフによれば、積層体を構成する鋼管に市販の規格品のものを使用した場合でも、大深度施工の際に要求される耐荷重を充足することが可能となり、また、鋼管同士の継手部に過度の応力が生じないことから継手部の補強も不要となる。したがって、規格品に対して厚みや寸法の大きな鋼管を特別に製作することも継手部補強も不要であることから、従来のパイプルーフのようにこれらによって工費が高騰することはない。
以上の説明から理解できるように、本発明のパイプルーフとその施工方法によれば、列状の鋼管を段状に積層させ、鋼管で包囲された領域に緊張材が配され、さらにコンクリートがこの領域を閉塞して全ての鋼管が相互に一体化された構造のパイプルーフが形成されることにより、鋼管同士の継手部への過度の応力集中を回避でき、規格品の鋼管を使用しながら大深度で要求される耐荷重を奏することができる。
立坑から短尺鋼管を継ぎ足しながら地盤内に挿入して、所望長さの鋼管が地盤内に施工された状態を説明した図である。 (a)は本発明の施工方法の第1の工程を説明する図であり、(b)は本発明の施工方法の第2の工程を説明する図である。 (a)は図2bに続いて第2の工程を説明する図であり、(b)は図3aに続いて第2の工程を説明する図である。 (a)は図3bに続いて第2の工程を説明する図であり、(b)は図4aに続いて第2の工程を説明する図である。 (a)は本発明の施工方法の第3の工程を説明する図であり、(b)は図5aに続いて第3の工程を説明する図である。 施工されてできた本発明のパイプルーフを示す断面図であり、このパイプルーフで土被荷重を支保しながらその下方を地下空間施工用のシールド掘進機が掘進している状態をともに示した図である。 従来のパイプルーフの一実施の形態の一部の断面図であり、(a)は鋼管内にコンクリートが充填される前の状態を示す図であり、(b)はコンクリートが充填された後の状態を示す図である。 従来のパイプルーフの他の実施の形態の一部の断面図であり、(a)は鋼管内にコンクリートが充填される前の状態を示す図であり、(b)はコンクリートが充填された後の状態を示す図である。 従来のパイプルーフのさらに他の実施の形態の一部の断面図であり、(a)は鋼管内にコンクリートが充填される前の状態を示す図であり、(b)はコンクリートが充填された後の状態を示す図である。 従来のパイプルーフのさらに他の実施の形態の一部の断面図であり、(a)は鋼管内にコンクリートが充填される前の状態を示す図であり、(b)はコンクリートが充填された後の状態を示す図である。
以下、図面を参照して本発明のパイプルーフの施工方法とこの方法で形成されたパイプルーフを説明する。なお、図2〜図5で示す鋼管の積層体は、理解を容易とするために実際に施工されるパイプルーフの一部を示したものである。また、図示するパイプルーフは上下2段の積層体を成すものであるが、3段以上の積層体からなるパイプルーフであってもよいことは勿論のことである。
図1は、立坑から短尺鋼管を継ぎ足しながら地盤内に挿入して、所望長さの鋼管が地盤内に施工された状態を説明した図であり、図2〜図5は順に、本発明の施工方法を説明した図であり、図6は、施工されてできた本発明のパイプルーフを示す断面図であり、このパイプルーフで土被荷重を支保しながらその下方を地下空間施工用のシールド掘進機が掘進している状態をともに示した図である。
パイプルーフ用の鋼管を地盤内に挿入する方法は多岐に亘り、公知の方法のいずれを適用してもよいが、図1で示す方法は、立坑T内にジャッキJ1を配し、短尺鋼管1’を地上から吊り下ろしてジャッキJ1にセットし、このジャッキJ1の推力にて地盤G内に挿入後、別途の短尺鋼管1’を継ぎ足して同様に地盤内に挿入し、これを繰り返して所望長さのパイプルーフ用の鋼管1を設置するものである。
本発明の施工方法の第1の工程では、上記するように鋼管1を地盤内に順次施工しながら、図2aで示すように複数の鋼管1,…からなる上段の鋼管ユニット10を施工し、次いで、同様に複数の鋼管1,…からなる下段の鋼管ユニット10を施工して、2段の鋼管ユニット10からなる積層体20を地盤G内に形成する。ここで、図示する施工手順(X1方向)に関し、先行して地盤G内に施工される鋼管1の雌領域1aに、後行の鋼管1の雄領域1bが係合するようにして隣接鋼管が順次施工される。
なお、図2aは、実際のパイプルーフの一部を示した図であり、実際には、たとえば図6で示すように、上段、下段の鋼管ユニット10がともにアーチ状に形成され、これに応じてアーチ状の積層体からなるパイプルーフとなるものである。
図2aに戻り、隣接する鋼管1,1の一方の雌領域1aと他方の雄領域1bが係合され、この係合領域に止水シール2が施工されて継手部が形成される(第1の工程)。
このようにして積層体20が施工されたら、次に、第2の工程として、図2bで示すように、複数の鋼管1,…で囲まれた領域の地盤G1の掘削をおこなう。具体的には、立坑Tからボーリングマシン等で導坑K1を先行施工し、次いで、鋼管1に予め形成されている孔1cからへら等を地盤G1へ延ばして残りの原地盤土を導坑K1へ落として地盤をほぐし、最後にウォータージェットなどを吹き付けて土砂を排土することにより、図3aで示すような複数の鋼管1,…で包囲された包囲空間Kが形成される。
包囲空間Kが形成されたら、図3bで示すように、この包囲空間Kに臨む鋼管1の外周面に鋼管1の長手方向に延びるガイド3を設置し、複数の軸方向筋R1、…とこれを包囲するフープ筋R2と、被ガイド筋R3と、がユニット化された鉄筋籠を立坑Tから包囲空間K内に挿入する。被ガイド筋R3がガイド3に案内されることにより、挿入の際に鉄筋籠の一部が鋼管と干渉して挿入できなくなるといった問題も生じない。
それぞれの包囲空間Kに鉄筋籠が挿入されたら、図4aで示すように、鋼管1の内部からせん断キーR4を包囲空間K内に挿入する。より具体的には、上段の鋼管1の内部にはその頂部(クラウン)にガイド1dが配設されており、下段の鋼管1の内部にはその下部に同様のガイド1dが配設されており、このガイド1dに沿ってジャッキJ2を鋼管1の長手方向に移動させ、所定位置で停止させた後に、ジャッキJ2に取り付けられたせん断キーR4を鋼管1の孔1cを介して包囲空間K内に挿入する。
この方法は、たとえば鋼管1の内径が非常に小さくて、作業員がその内部に入ってせん断キーR4の設置ができない場合に有効である。たとえば、ジャッキにCCDカメラやGPSを搭載しておき、立坑T内や地上から管理者がジャッキの位置と鋼管の位置を精緻に特定しながら、ジャッキを所定位置に停止させ、ジャッキのストローク制御を自動的におこなうことでせん断キーR4の設置が可能となる。
なお、このせん断キーR4は、その先端の一部が鉄筋籠内に配設され、これらがコンクリートにて一体化された際にこのコンクリートと鋼管1の強固な接続構造を形成するための緊張材である。したがって、その端部は鋼管1の内部に留まり、この鋼管1の内壁と係合しているのがよい。そこで、せん断キーR4の端部に磁石を設ける等して磁力を持たせておくことで、鋼管1の内壁への固定を図ると同時に、ジャッキJ2から容易に係脱するのを保証することができる。
ここで、図示例では各緊張材に鉄筋を使用しているが、鉄筋以外にも、PC鋼材(PC鋼線、PC鋼より線、PC鋼棒)、型鋼(H型鋼、I型鋼、C型鋼、L型鋼など)、鋼製パイプ(角パイプ、円形パイプなど)、繊維強化樹脂材(FRP,CFRP,GFRPなど)などのいずれか一種を適用してもよい。
それぞれの包囲空間K内への鉄筋籠およびせん断キーR4の配筋が完了したら(図4b参照)、次に、図5aで示すように、鋼管1の内部に軸方向筋R5を配した後にコンクリートC1を充填し、次いで図5bで示すように、包囲空間KにもコンクリートC2を充填することにより、本発明のパイプルーフ100が形成される。
複数の鋼管1で包囲された包囲空間K内に、鋼管1の長手方向に延びる軸方向筋R1と、これを包囲するフープ筋R2と、これらと所定長さラップするせん断キーR4が配され、コンクリートC2が充填されてRC構造体が形成されることにより、パイプルーフ100はこのRC構造体を介して鋼管1,1同士が強固に接合され、一体化された構造を有するものとなる。
図6は、地盤G内に形成されたパイプルーフ100の全体を断面で示した図である。
図示するパイプルーフ100は地盤Gの大深度にアーチ状に形成されるものである。このパイプルーフ100でその上方の土被荷重を支保するようにして、その下方にシールド掘進機Sを掘進させて地下道を構築したり、図示するように2以上のシールド掘進機S,Sを掘進させて2以上のトンネルを構築し、トンネル同士を繋いで地下施設に供される大断面トンネルを構築することができる。実際には、このトンネル施工の際にパイプルーフ100が土被荷重を支保することとなる。
図示するパイプルーフ100は、列状の鋼管ユニット10を段状に積層させて積層体20とし、鋼管1,…で包囲された領域に緊張材R1,R2,R4が配され、さらにコンクリートC2がこの領域を閉塞して全ての鋼管1,…が相互に一体化された構造を呈していることから、鋼管1,1同士の継手部への過度の応力集中が回避でき、規格品の鋼管1を使用しながら大深度で要求される耐荷重を有することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…鋼管、1’…短尺鋼管、1a…雌領域、1b…雄領域、1c…孔、1d…ガイド、2…止水シール、3…ガイド、10…鋼管ユニット、20…積層体、100…パイプルーフ、G…地盤、G1…鋼管で囲まれた領域の地盤、K…包囲空間、R1…軸方向筋(第1の緊張材)、R2…フープ筋(第2の緊張材)、R3…被ガイド筋、R4…せん断キー(第3の緊張材)、C1、C2…コンクリート、T…立坑

Claims (10)

  1. 並列する複数の鋼管からなる鋼管ユニットが少なくとも2以上積層されて鋼管ユニットの積層体を成し、この積層体において複数の鋼管で囲まれた領域に緊張材が配設され、少なくともこの囲まれた領域がコンクリートで閉塞されているパイプルーフ。
  2. 前記積層体を成す相互に隣接する一方の鋼管に少なくとも雌領域が、他方の鋼管に少なくとも雄領域がそれぞれ備えてあり、雌領域と雄領域が係合して継手部を形成している、請求項1に記載のパイプルーフ。
  3. 前記鋼管の内部もコンクリートで閉塞されている、請求項1または2に記載のパイプルーフ。
  4. 前記緊張材は、鋼管の延伸方向に延びる第1の緊張材、第1の緊張材を包囲するフープ状の第2の緊張材、および鋼管から前記囲まれた領域へ突出する第3の緊張材からなる、請求項1〜3のいずれかに記載のパイプルーフ。
  5. 前記緊張材は、鉄筋、PC鋼材、型鋼、鋼製パイプ、繊維強化樹脂材のうちのいずれか一種からなる、請求項1〜4のいずれかに記載のパイプルーフ。
  6. 立坑から複数の鋼管を地盤内に挿入し、これら複数の鋼管を並列させて鋼管ユニットを形成し、この鋼管ユニットが少なくとも2以上積層されてなる鋼管ユニットの積層体を形成する第1の工程、
    前記積層体において複数の鋼管で囲まれた領域の地盤を掘削して、これら複数の鋼管で囲まれた包囲空間を形成し、この包囲空間に前記立坑から緊張材を挿入するとともに、包囲空間を囲む鋼管に設けられている孔から別途の緊張材をこの包囲空間内に挿入する第2の工程、
    少なくとも前記包囲空間内にコンクリートを充填してパイプルーフを施工する第3の工程、からなるパイプルーフの施工方法。
  7. 前記積層体を成す相互に隣接する一方の鋼管に少なくとも雌領域が、他方の鋼管に少なくとも雄領域がそれぞれ予め形成されており、前記第1の工程において、先行して地盤内に挿入された一方の鋼管の雌領域もしくは雄領域の一方に対し、次いで地盤内に挿入される他方の鋼管の雌領域もしくは雄領域の他方を係合させながら前記積層体を形成する、請求項6に記載のパイプルーフの施工方法。
  8. 前記第3の工程において鋼管内にもコンクリートを充填する、請求項6または7に記載のパイプルーフの施工方法。
  9. 前記第2の工程において、前記立坑から鋼管の延伸方向に延びる第1の緊張材と第1の緊張材を包囲するフープ状の第2の緊張材が挿入され、鋼管の前記孔から前記包囲空間へ前記別途の緊張材である第3の緊張材を挿入し、この第3の緊張材の一端を鋼管に係合させておく、請求項6〜8のいずれかに記載のパイプルーフの施工方法。
  10. 前記鋼管の内側には鋼管の延伸方向に延びるガイドレールが設けてあり、このガイドレールにジャッキが案内され、このジャッキにて前記第3の緊張材が包囲空間へ挿入される、請求項9に記載のパイプルーフの施工方法。
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