JP6113229B2 - 合成セグメントのコンクリート充填方法 - Google Patents

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本発明は、トンネルを構築する際に使用される合成セグメントへのコンクリートの充填方法に関するものである。
外周を鋼殻で覆い鋼殻の内空間にコンクリートを充填する鋼殻とコンクリートによる合成セグメントは、強度や靱性が高く大深度地下や大断面等の厳しい設計条件にも対応可能であるとともに、経済的にも優れていることから、実用化が進んでいる。
当該合成セグメントは外周を鋼殻で密閉されているため、その内空部にコンクリートを充填する際には、例えば図12に示すように、セグメント51をトンネル軸方向が上下になるように立て起こして設置し、そのとき上側に位置する主桁52に前記内空部に連通するコンクリート充填孔58とエア抜き孔59を設けている。
この状態でコンクリート充填孔58から流動性の高いコンクリートを打設すると、内空部の空気がエア抜き孔59から押し出されてコンクリートが充填されるので、適当なタイミングでコンクリート充填孔58からバイブレーター60を挿入してコンクリートを締め固めた後、再度、コンクリートの打設以降の作業を繰り返す方法が用いられている。
しかし、当該方法によるとセグメントの形状によっては、上側の主桁の下面に空気溜りができたり、充填の最終段階でエア抜き孔59から空気と共にコンクリートが漏れ出てしまうといった問題点があった。
これに対し、空気溜りの発生を防ぎ確実に鋼殻の内空部にコンクリートを充填する方法として、特許文献1には、図13、図14に示すように、セグメント61を垂直あるいは斜めに立て起こして設置し、鋼殻の下部のコンクリート充填孔68から無収縮性もしくは膨張性のコンクリート又はモルタルを圧入充填する方法が開示されている。
また、特許文献2には、図15に示すように、セグメント71をトンネル軸方向が上下になるように立て起こしたときに上側になる主桁72からコンクリートを打設する際に、上側主桁72の下面近傍で打止め、時間が経過した後に無収縮性もしくは膨張性のモルタルを残りの内空部に打設する方法が開示されている。
この他、特許文献3には、図16に示すように、エア抜き孔からのコンクリートの漏洩を防ぎ確実に鋼殻の内空部にコンクリートを充填するために、内空側鋼板を上にしてセグメント81を設置し、継手板83にコンクリート充填孔88とエア抜き孔89を開孔し、通気性と通水性を有する封孔材90をエア抜き孔89を覆って接着する方法が開示されている。
特開昭63−007497号公報 特開昭63−007498号公報 特許第5147516号公報 特開2014−230798号公報 特許第5159079号公報
シールドドンネルの大口径化が進む近年においては、シールドトンネルを構成するセグメントも、施工数量の増大を抑えるために幅、長さともに大型化する傾向にある。また、建設サイトの大深度化に伴い、セグメントに作用する外力は従来に増して大きくなってきているため、セグメントの構造も桁高の高い大断面になってきており、大口径化に伴うセグメントの大型化と相俟ってセグメントの重量は飛躍的に重くなってきている。そのため、セグメントの運搬や組立のための施工機器も大型かつ大能力なものが要求されるようになってきており、施工費の増大を招く一因になっている。
外周を鋼殻で被覆し内空間にコンクリートを充填した鋼殻とコンクリートによる合成セグメントは、鋼製や鉄筋コンクリート製といった他のセグメントに比べて強度や靱性が高いため、桁高を比較的小さくでき他のセグメントに比べれば相対的には軽量で済むものの、重量化による施工費の増大は免れない。
この様な状況の中、近年、大深度化に伴う外力増等に対応するため鋼殻の強度を高めた合成セグメントが発明されており(例えば、特許文献4:特開2014−230798号公報)、当該セグメントを使用すれば、設計条件および施工条件によってはセグメントを組立てたのちにコンクリートを現場で充填することが可能であり、その場合には、コンクリートを充填するまでセグメントの重量を著しく軽量化できるため、セグメントの現場までの運搬費や現場での組立費を大幅に削減でき、セグメントの重量化に伴う施工費の増大を抑制することができる。
しなしながら、鋼殻とコンクリートによる合成セグメントへのコンクリート充填方法は、前述のとおりコンクリートを充填する際のセグメントの姿勢がある程度限定されるため、現場組立て後の様々な向きを呈するセグメントに対しては確実にコンクリートを充填することができない。
本発明は、上述のような従来技術における課題の解決を図ったものであり、セグメントの組立て後においても、空気と共にコンクリートに含まれる余分な水を効率よく排出でき、鋼殻との密着性を高めた密実なコンクリートを形成できる合成セグメントのコンクリート充填方法を提供することを目的としている。
本願の第1の発明は、少なくとも2本の主桁と2本の継手板を有し、地山側と内空側の両方に鋼板を接合した6面密閉型の鋼殻の内空部にコンクリートを充填する合成セグメントのコンクリート充填方法であって、前記鋼殻は前記内空部に連通するコンクリート充填孔とエア抜き孔を備え、エア抜き孔には前記内空部内に設置されたエア抜き部材が連結されており、前記エア抜き部材として通気性および通水性を有するホースを用い、コンクリート充填孔からコンクリートを注入した際に、空気と共にコンクリートに含まれる余分な水を当該エア抜き部材を通して前記エア抜き孔から排出することを特徴とするものである。
エア抜き部材としての通気性および通水性を有するホースは、例えばポリエステル繊維をメッシュ状の円筒形に編み込んだ排気ホースあるいはコンタクトグラウトホースと呼ばれる市販のホースなどを用いることができ、通気性と通水性を有するがコンクリート中のモルタル分や骨材は外部から浸入しない性質を有するものが適している。
なお、前記エア抜き部材としての通気性および通水性を有するホースの片端をエア抜き孔に連結する場合には、他端は合成セグメントの鋼殻内空部内で閉合しておくことが望ましい。通気性および通水性を有するホースの両端をエア抜き孔に連結する場合には両端とも開放された状態となる。
このような通気性および通水性を有するホースをエア抜き部材として用いることにより、合成セグメントの鋼殻内にコンクリートを注入した際に、空気と共にコンクリートに含まれる余分な水をメッシュを通してホース全周から排出することができるため、鋼殻との密着性を高めかつ密実なコンクリートを効果的に形成できる。
前記ホースは、従来、トンネルを構築する際にコンクリートの中に取り残される空気や余分な水を排出するために用いられているが、合成セグメントの鋼殻内へのコンクリートの充填において、鋼殻との密着性を高め鋼殻内に空気溜りができるのを防止する形での使用例はない。
なお、エア抜き部材に前記ホースを用いた場合、当該ホースは比較的フレキシブルな柔軟性に富む材料であるため比較的自由にセグメント内空間内に配置できるが、セグメントを現地で組立てた後にコンクリートを充填する場合には、鋼殻内空間のうち組立後に上側になる鋼殻の下面や隅角部等の空気溜りができやすい部位に、重点的に配置することが望ましい。
本願の第2の発明は、第1の発明における通気性および通水性を有するホースに代えて、エア抜き部材として両端が開口した非透過性のエア抜き管を用い、一端を前記エア抜き孔に連結し、他端をコンクリートの打設の際に上部側に位置する鋼殻内空面との間に空気と水のみが浸透できる程度の僅かな間隙を開けて設置し、コンクリート充填孔からコンクリートを注入した際に、空気と共にコンクリートに含まれる余分な水を当該間隙を通して前記エア抜き孔から排出することを特徴とするものである。
本発明によれば、エア抜き部材には例えば一般の炭素鋼鋼管を用いてもよく、比較的安価に材料を調達することが可能になる。また、後述するように空気やコンクリートに含まれる余分な水を強制的に排出するために吸引装置をエア抜き孔に接続して吸引力をかける場合や、エア抜き部材の内部に残される空隙を埋めるために注入装置をエア抜き孔に接続してグラウト材を注入する場合でも、比較的強度の高い炭素鋼鋼管でエア抜き部材が形成されているため、より高い圧力をかけて施工を行うことが可能であり、密実で強度の高い充填コンクリートをより確実に形成することができる。
なお、このエア抜き管を主管とこれに一端が接続する複数の分岐管から構成し、主管の他端をエア抜き孔に連結し、分岐管の他端を鋼殻内空面との間に空気と水のみが浸透できる程度の僅かな間隙を開けて設置することも可能であり、当該エア抜き管を用いれば、エア抜き孔を多数開孔して鋼殻の欠損を増すことなく、空気やコンクリート中の余分な水の排出に寄与するエア抜き部材端部の間隙を密に配置することができる。
本願の第3の発明は、上述した第1の発明と第2の発明の併用に相当し、エア抜き部材の一部として通気性および通水性を有するホースを用い、コンクリート充填孔からコンクリートを注入した際に、空気と共にコンクリートに含まれる余分な水を当該エア抜き部材を通して前記エア抜き孔から排出するとともに、エア抜き部材の一部として両端が開口した非透過性のエア抜き管を用い、一端を前記エア抜き孔に連結し、他端を前記コンクリートの打設の際に上部側に位置する鋼殻内空面との間に空気と水のみが浸透できる程度の僅かな間隙を開けて設置し、コンクリート充填孔からコンクリートを注入した際に、空気と共にコンクリートに含まれる余分な水を当該間隙を通して前記エア抜き孔から排出することを特徴とするものである。
通気性と通水性を有するホースは、空気と共にコンクリートに含まれる余分な水をホース全周から排出するため、広い範囲にホースを配置すれば面的に広範囲に亘って空気溜りの発生を防ぎ、鋼殻とコンクリートの密着性を高めて密実な充填コンクリートを形成することができる。一方、エア抜き管は、管先端の開口部と鋼殻内空面との間隙から空気とコンクリートに含まれる余分な水を排出するため、小径管や先端を絞った管を用いれば狭隘部においても空気溜りの発生を防ぎ、鋼殻とコンクリートの密着性を高めて密実な充填コンクリートを形成することができる。したがって、この両者を併用すれば、狭隘部を含め網羅的にかつ広範囲に亘り充填コンクリートの品質を高めることができる。
本願発明においては、さらに上述のエア抜き孔に着脱可能な吸引装置を接続し、空気およびコンクリートに含まれる余分な水を強制的に排出するようにしてもよい。
吸引装置により空気やコンクリートに含まれる余分な水を強制的に排出するようにすれば、より確実に空気やコンクリートに含まれる余分な水を排出することができるため、より密実な充填コンクリートを形成できるとともに、空気や水の排出に要する工期を大幅に短縮することができる。なお、第1の発明に適用する場合には、片端が閉合したホースを用いることが望ましい。
また、本願発明においては、鋼殻の内空部にコンクリートを充填した後、エア抜き部材の内部にコンクリートまたはモルタルあるいはエポキシ樹脂などのグラウト材を注入するようにしてもよい。エア抜き部材の内部に残された空隙をコンクリートまたはグラウト材で埋めることで、より強固な充填コンクリートを形成できる。
なお、第1の発明に適用する場合には、両端をエア抜き孔に連結したホースを用いて片端をコンクリートまたはグラウト材の注入装置に連結すれば、ホースの中に残存した空気や水を他端に連結したエア抜き孔から排出できるので、より確実にグラウト材を注入できる。
また、近年、繊維をメッシュ状の円筒形に編み込んだホースにグラウト材の固形分が漏出可能な開口部を設け、ホースの外周を被覆紙で覆ったグラウト材注入管が発明されており(特許文献5:特許第5159079号公報)、このようなホースを用いれば注入装置により圧力をかけたときに被覆紙が破れグラウト材が前記開口部から漏出するため、エア抜き部材の内部だけでなくエア抜き部材の周辺に空隙が残存していても該空隙をグラウト材で埋めることができ、強固な充填コンクリートを確実に形成することができる。
本発明によれば、合成セグメントの鋼殻内にコンクリートを注入した際に、空気と共にコンクリートに含まれる余分な水をホース全周から排出することができるため、鋼殻との密着性を高めかつ密実なコンクリートを効果的に形成することができる。
エア抜き部材として、通気性および通水性を有するホースを用いる場合、当該ホースは比較的フレキシブルな柔軟性に富む材料であるため比較的自由にセグメント内空間内に配置できる、取り扱いが容易である。
エア抜き部材として、両端が開口した非透過性のエア抜き管を用いる場合には、一般の炭素鋼鋼管などを用いることもでき、比較的安価に材料を調達することが可能になる。また、吸引装置をエア抜き孔に接続して吸引力をかける場合や、エア抜き部材の内部に残される空隙を埋めるために注入装置をエア抜き孔に接続してグラウト材を注入する場合でも、高い圧力をかけて施工を行うことが可能である。
本発明の第1実施形態のセグメントを示す側面図(切羽側)である。 本発明の第1実施形態のセグメントを示す平面図である。 本発明の第1実施形態のセグメントを示す断面図(図1のA−A断面図)である。 本発明の第2実施形態のセグメントを示す側面図(切羽側)である。 本発明の第2実施形態のセグメントを示す平面図である。 本発明の第2実施形態のセグメントを示す断面図(図4のB−B断面図)である。 本発明の第3実施形態のセグメントを示す側面図(切羽側)である。 本発明の第3実施形態のセグメントを示す平面図である。 本発明の第3実施形態のセグメントを示す断面図(図7のB−B断面図)である。 本発明の第4実施形態におけるエア抜き装置の設置状態を示す一部断面図である。 本発明の第5実施形態における注入装置の設置状態を示す一部断面図である。 鋼殻とコンクリートによる合成セグメントへの従来のコンクリート充填方法を示す斜視図である。 特許文献1に示されるセグメントを垂直に建て起こしたときの斜視図である。 特許文献1に示されるセグメントを斜めに建て起こしたときの斜視図である。 特許文献2に示されるセグメント内空間にコンクリートとグラウトモルタルを注入するときの斜視図である。 特許文献3に示されるセグメント内空間にコンクリートを注入するときの断面図である。
以下、本発明の具体的な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1〜図3は、本発明の第1実施形態の合成セグメントを示したもので、図1は切羽側から見た側面図、図2は内空側から見た平面図、図3は図1のA−A断面図である。
本実施形態における合成セグメント1はトンネル軸方向と直交する方向に延びる坑口側および切羽側の2本の主桁2とトンネル方向に延びる2本の継手板3と、地山側鋼板4および内空側鋼板5とで6面密閉型の鋼殻を形成し、鋼殻の内空部にコンクリートを充填するようにしたものである。
なお、鋼殻の強度を増す目的で坑口側の主桁2と切羽側の主桁2の間にこれらと平行に1つ以上の主桁を設けてもよい。また、鋼殻の内空部に面する内空面には充填されるコンクリートとの一体性を高める目的で鋼殻の内面に凹凸を設けたり、図示のようにスタッド6を設けてもよい。また、必要に応じ、鋼殻の剛性を増すために、トンネル軸方向またはこれと直交するトンネル周方向に延びる補強リブや桁材、あるいは図示のようにトンネル周方向に延びる補強鋼材7を設けてもよい。
図示した例では、セグメントを組み立てたときに下側に位置する内空側鋼板5に、コンクリート充填孔8を接続治具8aによりセグメントに取り付けている。なお、当該接続治具8aには、コンクリート充填後にコンクリート充填孔を遮断するためのスライド式シャッターが組み込まれている。
また、セグメントを組み立てた状態で上側に位置する地山側鋼板4には、コンクリート充填時に押し出される空気を排出するための空気孔9を接続治具9aによりセグメントに取り付けている。また、当該接続治具9aには、前記接続治具8aと同様にコンクリート充填後に空気孔を遮断するためのスライド式シャッターが組み込まれている。なお、空気孔9は必須ではなくエア抜き孔11から空気を排出してもよく、その場合には空気孔9および接続治具9aは不要である。コンクリート充填孔8からコンクリートを注入する際、内空部の空気が空気孔9およびエア抜き孔11から排出されることで、6面密閉型の鋼殻内にコンクリートが充填されていく。
このとき、空気孔9だけでは、前述のように鋼殻内のコンクリートがスムーズに行きわたらない部分が生じ、空気溜りが生じたり、その部分にブリージング水が溜まる問題があるため、図示した例では、地山側鋼板4の頂部および両端部の内空面側にエア抜き部材としての通気性および通水性を有するエア抜きホース12を空気溜りが生じやすい部分をカバーするように複数本配置し、その一端を主桁2に設けたエア抜き孔11に連結し、エア抜きホース12を通してエア抜き孔11から排出できるようにしている。
エア抜きホース12の他端は他のエア抜き孔11に連結するかまたは鋼殻内空部内で閉じた状態とする。なお、図示した例で、地山側鋼板4の両端部の内空面側に配したエア抜きホース12については両端を継手ボックス位置に形成したエア抜き孔11に連結している。
エア抜きホース12は、図3に示すように、鋼殻内面に設けたスタッド6を利用して固定したり、あるいは別途支持材を設けて固定することができる。また、この例ではエア抜き孔11を主桁2およびピース継手の継手ボックス位置に設けているが、主桁2に限らず鋼殻の他の位置に設けてもよい。
通気性および通水性を有するエア抜きホース12としては、ポリエステル繊維をメッシュ状の円筒形に編み込んだ排気ホースあるいはコンタクトグラウトホースと呼ばれる市販のホースなどを用いることができ、コンクリート中のモルタル分や骨材の浸入を阻止しつつ、空気と余分な水分をエア抜きホース12内へ浸透させてエア抜き孔11に誘導し、排出することができる。
なお、図中、符号31a、31bはリング継手のボルト孔、符号32a、32bはピース継手のボルト孔を示している。
〔第2実施形態〕
図4〜図6は、本発明の第2実施形態の合成セグメントを示したもので、図4は切羽側から見た側面図、図5は内空側から見た平面図、図6は図4のB−B断面図である。
本実施形態における合成セグメント1の鋼殻部分に関する基本的な構成は第1実施形態と同様であるので、重複する部分の説明は省略する。
第2実施形態として図示した例では、地山側鋼板4の頂部内空面側に、エア抜き部材として両端が開口した非透過性のエア抜き管22を配置し、この例ではエア抜き管22の一端を主桁2に設けたエア抜き孔11に連結し、他端をコンクリートの打設の際に上部側に位置する地山側鋼板4の内空側面との間に空気と水のみが浸透できる程度の僅かな間隙を開けて設置し、コンクリート充填孔8からコンクリートを注入した際に、空気と共にコンクリートに含まれる余分な水をこの間隙を通してエア抜き管22内に誘導し、エア抜き孔11から排出できるようにしている。
エア抜き管22の材質は特に限定されず、一般の炭素鋼鋼管を用いてもよい。
なお、図示した例では、エア抜き管22を主管22aとこれに一端が接続する複数の分岐管22bから構成して、主管22の他端をエア抜き孔11に連結し、分岐管22bの他端を地山側鋼板4の内空側面との間に空気と水のみが浸透できる程度の間隙を開けて設置しているが、エア抜き孔を複数設け、それぞれのエア抜き孔に個別のエア抜き管を連結するようにすることもできる。
図中、符号23は鋼殻内でエア抜き管22を支持固定するためのエア抜き管支持材を示している。
〔第3実施形態〕
図7〜図9は、本発明の第3実施形態の合成セグメントを示したもので、図7は切羽側から見た側面図、図8は内空側から見た平面図、図9は図7のC−C断面図である。
本実施形態における合成セグメント1の鋼殻部分に関する基本的な構成は第1実施形態および第2実施形態と同様であるので、重複する部分の説明は省略する。
第3実施形態は、上述した第1実施形態におけるエア抜きホース12と、第2実施形態におけるエア抜き管22を併用して、エア抜き孔11から空気およびコンクリートに含まれる余分な水を排出するようにしたものである。
これらエア抜きホース12とエア抜き管22の組合せおよび配置は種々変更可能である。
図中、符号24は鋼殻内でエア抜き管22およびエア抜きホース12を支持固定するためのエア抜き管およびホース支持材を示している。
〔第4実施形態〕
図10は、本発明の第4実施形態におけるエア抜き装置の設置状態を示したものであり、上述した第2実施形態の図6のエア抜き孔11部分に吸引装置25を接続したものに相当する。なお、図における吸引装置25は単に概念図として示したものである。
すなわち、第4実施形態は、エア抜き孔11に着脱可能な吸引装置25を接続し、空気およびコンクリートに含まれる余分な水を強制的に排出するようにしたものであり、より確実に空気やコンクリートに含まれる余分な水を排出することができるため、より密実な充填コンクリートを形成できるとともに、空気や水の排出に要する工期を大幅に短縮することができる。
この例では、第2実施形態におけるエア抜き孔11に吸引装置25を接続しているが、第1実施形態においてエア抜きホース12を連結したエア抜き孔11にも同様に適用することができる。ただし、その場合、エア抜きホース12の他端は鋼殻内空部で閉合させることが望ましい。
〔第5実施形態〕
図11は、本発明の第5実施形態におけるエア抜き装置の設置状態を示したものであり、上述した第2実施形態の図6のエア抜き孔11部分にグラウト注入装置26を接続したものに相当する。なお、図における注入装置26は単に概念図として示したものである。
すなわち、第5実施形態は、鋼殻の内空部にコンクリートを充填した後、エア抜き孔11に注入装置26を接続し、エア抜き管22の内部にコンクリートまたはモルタルあるいはエポキシ樹脂などのグラウト材を注入するようにしたものである。エア抜き管22の内部に残された空隙をコンクリートまたはグラウト材で埋めることで、より強固な充填コンクリートを形成できる。
この例では、第2実施形態におけるエア抜き孔11に注入装置26を接続しているが、第1実施形態においてエア抜きホース12を連結したエア抜き孔11にも同様に適用することができる。その場合には、両端をエア抜き孔11に連結したエア抜きホース12を用いて片端を注入装置26に連結すれば、エア抜きホース12の中に残存した空気や水を他端に連結したエア抜き孔11から排出できるので、より確実にグラウト材を注入できる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明のセグメントはこれらの実施形態に限定されるものではない。
1…合成セグメント、2…主桁、3…継手板、4…地山側鋼板、5…内空側鋼板、6…スタッド、7…補強鋼材、8…コンクリート充填孔、8a…接続治具、9…空気孔、9a・・・接続治具、11…エア抜き孔、12…エア抜きホース、22…エア抜き管、22a…主管、22b…分岐管、23…エア抜き管支持材、24…エア抜き管およびホース支持材、25…吸引装置、26…注入装置、31a、31b…リング継手のボルト孔、32a、32b…ピース継手のボルト

Claims (5)

  1. 少なくとも2本の主桁と2本の継手板を有し、地山側と内空側の両方に鋼板を接合した6面密閉型の鋼殻の内空部にコンクリートを充填する合成セグメントのコンクリート充填方法であって、前記鋼殻は前記内空部に連通するコンクリート充填孔とエア抜き孔を備え、エア抜き孔には前記内空部内に設置されたエア抜き部材が連結されており、前記エア抜き部材として通気性および通水性を有するホースを用い、前記コンクリート充填孔からコンクリートを注入した際に、空気と共にコンクリートに含まれる余分な水を当該エア抜き部材を通して前記エア抜き孔から排出することを特徴とする合成セグメントのコンクリート充填方法。
  2. 少なくとも2本の主桁と2本の継手板を有し、地山側と内空側の両方に鋼板を接合した6面密閉型の鋼殻の内空部にコンクリートを充填する合成セグメントのコンクリート充填方法であって、前記鋼殻は前記内空部に連通するコンクリート充填孔とエア抜き孔を備え、エア抜き孔には前記内空部内に設置されたエア抜き部材が連結されており、前記エア抜き部材として両端が開口した非透過性のエア抜き管を用い、一端を前記エア抜き孔に連結し、他端を前記コンクリートの打設の際に上部側に位置する鋼殻内空面との間に空気と水のみが浸透できる程度の僅かな間隙を開けて設置し、前記コンクリート充填孔からコンクリートを注入した際に、空気と共にコンクリートに含まれる余分な水を当該間隙を通して前記エア抜き孔から排出することを特徴とする合成セグメントのコンクリート充填方法。
  3. 少なくとも2本の主桁と2本の継手板を有し、地山側と内空側の両方に鋼板を接合した6面密閉型の鋼殻の内空部にコンクリートを充填する合成セグメントのコンクリート充填方法であって、前記鋼殻は前記内空部に連通するコンクリート充填孔とエア抜き孔を備え、エア抜き孔には前記内空部内に設置されたエア抜き部材が連結されており、前記エア抜き部材の一部として通気性および通水性を有するホースを用い、前記コンクリート充填孔からコンクリートを注入した際に、空気と共にコンクリートに含まれる余分な水を当該エア抜き部材を通して前記エア抜き孔から排出するとともに、前記エア抜き部材の一部として両端が開口した非透過性のエア抜き管を用い、一端を前記エア抜き孔に連結し、他端を前記コンクリートの打設の際に上部側に位置する鋼殻内空面との間に空気と水のみが浸透できる程度の僅かな間隙を開けて設置し、前記コンクリート充填孔からコンクリートを注入した際に、空気と共にコンクリートに含まれる余分な水を当該間隙を通して前記エア抜き孔から排出することを特徴とする合成セグメントのコンクリート充填方法。
  4. 請求項1、2または3記載の合成セグメントのコンクリート充填方法において、前記エア抜き孔に着脱可能な吸引装置を接続し、空気およびコンクリートに含まれる余分な水を強制的に排出することを特徴とする合成セグメントのコンクリート充填方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の合成セグメントのコンクリート充填方法において、前記鋼殻の内空部にコンクリートを充填した後、前記エア抜き部材の内部にコンクリートまたはグラウト材を注入することを特徴とする合成セグメントのコンクリート充填方法。
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