JP2018168561A - 地下構造物および地下構造物の構築方法 - Google Patents

地下構造物および地下構造物の構築方法 Download PDF

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宗弘 石田
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正整 中島
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Kazumasa Hisazumi
和正 久積
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Abstract

【課題】現場において工期を短縮しつつ、継手の剛性を高める。
【解決手段】地下構造物10は、長手方向に延びる地下構造物10であって、長手方向、および地下構造物10の周方向に配置された複数の鋼製セグメント31と、長手方向に隣り合う鋼製セグメント31同士を接合する長手継手と、周方向に隣り合う鋼製セグメント31同士を接合する横断継手と、を有する鋼製躯体30と、長手方向に隣り合う鋼製セグメント31同士の間に充填され、長手継手および横断継手のうちの少なくとも一方の継手に固着することで同継手を固定する充填伝達材と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、地下構造物および地下構造物の構築方法に関する。
近年、都市部において地下構造物を開削工法によって構築する際、現場のスペースが少ない狭隘な施工環境が要求されたり、施工の重機が小型であることが要求されたり、公共工事として工期の短縮が要求されたりしている。そこで、例えば特許文献1に記載されているように、地下構造物の組み立てに際し、シールド工法のように、軽量なプレファブ部材を工場で製作した後、現場に搬送して現場で組み立て作業をすることが考えられる。これにより、工期の短縮が期待できる。
特開2012−162883号公報
しかしながら、例えば、前述のような小型の重機によってプレファブ部材を扱うこと等を目的として、プレファブ部材の軽量化を図ると、必要な部材の数が多くなり、部材間を接合する継手の数も多くなる。継手の数が多くなると、継手の接合作業が多くなり、作業が煩雑になったり、工期が長くなったりするおそれがある。
そこで工期の短縮の観点から、継手の接合作業の工数を低減することについての要望がある。
また、開削工法によって、地下構造物としての矩形断面のトンネル(開削トンネル)を構築する場合、例えば、シールド工法によって、地下構造物としての円形断面のトンネル(シールドトンネル)を構築する場合に比べて、部材間を接合する継手1つ1つの剛性を高めることも求められる。すなわち、円形断面のシールドトンネルの場合、トンネル外からの土水圧がトンネルに作用すると、各セグメントが、トンネル周方向(内空の周方向)に圧縮されて、トンネルが全体として安定する。一方、矩形断面の開削トンネルの場合、トンネル外からの土水圧がトンネルに作用したとき、各セグメントにトンネル周方向の曲げモーメントが発生する。そのため、継手に高い剛性が求められる。
例えば、継手にボルトを利用している場合には、継手の剛性を高めるためにボルトを多く設けることが考えられるが、ボルトを多く設けると現場のボルト締め作業に時間がかかる。さらに例えば、嵌め合わせ式の継手を採用している場合には、継手が目開かないように継手の隙間を小さくすることが考えられるが、隙間を小さくすることで現場での組み立てが手間取り、やはり時間がかかる。すなわち、継手の剛性を高めるためには、継手の接合作業の工数が増加し易い。
以上のように、一般的に開削トンネルを形成する場合、継手の接合作業の工数を低減したいという要望があるものの、継手の剛性を確保する必要があるために継手の接合作業の工数が増加し易く、現実的には接合作業の工数の低減が難しいという問題がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、現場において工期を短縮しつつ、継手の剛性を高めることを目的とする。
前記課題を解決するために、本願発明者は、例えば、充填材の充填によって継手を補強することや、継手の位置を調整すること等により、継手の剛性に起因する技術的課題をはじめとする諸問題を解決することに想到した。本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る地下構造物は、長手方向に延びる地下構造物であって、前記長手方向、および前記地下構造物の周方向に配置された複数の鋼製セグメントと、前記長手方向に隣り合う前記鋼製セグメント同士を接合する長手継手と、前記周方向に隣り合う前記鋼製セグメント同士を接合する横断継手と、を有する鋼製躯体と、前記長手方向に隣り合う前記鋼製セグメント同士の間に充填され、前記長手継手および前記横断継手のうちの少なくとも一方の継手に固着することで同継手を固定する充填伝達材と、を備える。
この場合、充填伝達材が、長手継手および横断継手のうちの少なくとも一方の継手に固着することで同継手を固定する。したがって、長手継手および横断継手のうちの少なくとも一方を補強するために、単に充填材を充填して充填伝達材を形成すればよく、現場において施工性を高めて工期を短縮しつつ、長手継手や横断継手の剛性を高めることができる。
前記複数の鋼製セグメントが、前記周方向に並んで配置されて互いに前記横断継手を介して接合されることで、セグメントリングを形成し、複数の前記セグメントリングが、前記長手方向に並んで配置されて互いに前記長手継手を介して接合されることで、前記鋼製躯体を形成し、前記充填伝達材が、前記長手方向に隣り合う前記セグメントリングの間に充填されてもよい。
この場合、充填伝達材が、長手方向に隣り合うセグメントリングの間に充填されている。したがって、充填伝達材をセグメントリングの間に充填することで、充填伝達材を、長手方向に隣り合う複数の鋼製セグメントの間に並行して充填することが可能になり、現場において施工性を更に高め工期を確実に短縮することができる。
前記長手方向に隣り合う前記セグメントリングでは、前記横断継手の前記周方向の位置が互いに異なっていてもよい。
この場合、長手方向に隣り合うセグメントリングでは、横断継手の周方向の位置が互いに異なっている。したがって、例えば、横断継手が鋼製躯体の特定の位置に長手方向に連続して位置することで、その位置の剛性が他の位置の剛性に比べて極端に変化する弊害等を抑制することができる。その結果、剛性の低い横断継手より、隣接するセグメントリングに応力が配分されることから、局所的に負担が大きくなる構造的な弱点を無くすことができる。これにより、例えば、地下構造物の品質を確保し易くすること等ができる。
前記セグメントリングに対して前記長手方向の両側に位置する前記長手継手の前記周方向の位置が互いに異なっていてもよい。
この場合、セグメントリングに対して長手方向の両側に位置する長手継手の前記周方向の位置が互いに異なっている。したがって、例えば、長手継手が鋼製躯体の特定の位置に長手方向に連続して位置することで、その位置の剛性が他の位置の剛性に比べて極端に変化する弊害等を抑制することができる。その結果、隣り合うセグメントリングにおいて応力が均等に配分されることから、局所的に負担が大きくなる構造的な弱点を無くすことができる。これにより、例えば、地下構造物の品質を確保し易くすること等ができる。
前記長手継手および前記横断継手の両方が、前記長手方向に隣り合う前記セグメントリングの間に配置されて前記充填伝達材により固定されてもよい。
この場合、長手継手および横断継手の両方が、長手方向に隣り合うセグメントリングの間に配置されて充填伝達材により固定されている。したがって、充填伝達材をセグメントリングの間にのみ充填することで、長手方向に隣り合う複数の鋼製セグメントの間に配置された長手継手および横断継手の両方を補強することが可能になり、現場において工期を確実に短縮することができる。さらに、現場における充填伝達材の管理箇所が少なくなることから、地下構造物の品質を確保し易くすること等ができる。
前記横断継手が、前記周方向に隣り合う前記鋼製セグメントのうち、一方から他方に向けて突出するとともに嵌合孔が形成された雌継手と、他方に設けられ前記嵌合孔に嵌合された雄継手と、を備えてもよい。
この場合、横断継手が雌継手および雄継手を備えている。したがって、雄継手が、雌継手の嵌合孔に嵌合されるように、周方向に隣り合う鋼製セグメントを組み合わせることのみで、横断継手による接合を即座に実現することができる。これにより、現場において工期を確実に短縮することができる。
なお、横断継手が充填伝達材によって補強される場合、雌継手と雄継手との嵌め合いを緩くしても(横断継手の隙間を大きくしても)、充填伝達材によって横断継手の剛性を十分に確保することが可能になり、嵌め合いを緩くしているため継手の作業時間が短縮されることから、現場において工期をより確実に短縮することができる。
前記鋼製セグメントが、前記地下構造物の径方向の外側を向くスキンプレートと、前記スキンプレートに前記長手方向に間隔をあけて配置され、前記スキンプレートから前記径方向の内側に向けて延びる一対の主桁プレートと、前記周方向に間隔をあけて配置されるとともに前記一対の主桁プレートを前記長手方向に連結し、前記径方向の外側に位置する外側プレートおよび前記径方向の内側に位置する内側プレートを有する複数の縦リブと、前記外側プレートと前記内側プレートとを連結する第1対傾構と、前記周方向に隣り合う前記縦リブの間に配置され、前記長手方向に隣り合う前記主桁プレートにおいて前記径方向の内側に位置する端部同士を連結する第2対傾構と、を備えていてもよい。
この場合、一対の主桁プレートが、縦リブ、第1対傾構および第2対傾構によって、長手方向、周方向、径方向の全ての方向に対して拘束される。したがって、主桁プレートが捻じれることや局所的に座屈することで、鋼製躯体の耐荷性能を瞬時に喪失することが抑制される。これにより、例えば、地下構造物の品質を確保し易くすること等ができる。
前記長手方向に延びる内空を、前記鋼製躯体とともに形成するコンクリート躯体を更に備えてもよい。
この場合、コンクリート躯体が鋼製躯体とともに内空を形成する。したがって、鋼製躯体を内空の全域にわたって組み合わせるといった必要がなく、内空の一部を単にコンクリートを打設することにより形成することができる。さらに、躯体の全てをコンクリート躯体により構築する必要もなく、躯体の一部を、プレファブの鋼製セグメントを現場で組み立てることにより形成することができる。したがって、例えば、躯体の全てを現場で鉄筋コンクリートにより構築する場合などに比べて、型枠を不要としたり、鉄筋の組み立てを不要としたり、コンクリートの養生時間を不要としたりすることができる。これらにより、現場において工期を確実に短縮することができる。
また、コンクリート躯体が鋼製躯体とともに内空を形成する。したがって、躯体の全てが鋼製躯体により形成されている場合に比べて、躯体の重量を増大させ易くすることができる。これにより、例えば、地下構造物が浮力を受けることで予期せずに変位するのを防止すること等が可能になり、地下構造物の安定性を確保し易くすること等ができる。
前記コンクリート躯体が、床版を形成し、前記鋼製躯体が、前記床版から上側に延びる側版を形成してもよい。
この場合、コンクリート躯体が床版を形成し、鋼製躯体が側版を形成する。したがって、例えば、コンクリート躯体が側版を形成する場合と異なり、コンクリートの打設時における型枠を不要とすること等が可能になり、現場において工期をより確実に短縮することができる。
前記鋼製セグメントが、前記地下構造物の径方向の外側を向くスキンプレートと、前記スキンプレートに前記長手方向に間隔をあけて配置され、前記スキンプレートから前記径方向の内側に向けて延びる一対の主桁プレートと、を備え、前記複数の鋼製セグメントのうち、前記側版を形成して前記コンクリート躯体が固着された基礎セグメントにおける前記スキンプレートと前記一対の主桁プレートとの間に、前記コンクリート躯体のコンクリートが充填されてもよい。
この場合、コンクリート躯体のコンクリートが、基礎セグメントにおけるスキンプレートと一対の主桁プレートとの間の空間部に充填されている。したがって、鋼製躯体とコンクリート躯体とを強固に結合することができる。
前記基礎セグメントの前記主桁プレートにおいて前記コンクリートに上側から隣接する部分には、主桁伝達材が配置されてもよい。
この場合、基礎セグメントに、主桁伝達材が配置されている。したがって、例えば、基礎セグメントに外力が作用したときに、基礎セグメントの主桁プレートにおいてコンクリートに上側から隣接する部分に集中し易い応力に対して、主桁伝達材によって主桁プレートを補強することができる。
前記基礎セグメントが、鉛直方向に間隔をあけて配置された複数の縦リブを備え、前記主桁伝達材が、前記基礎セグメントにおける前記複数の縦リブのうち、前記コンクリートに最も近接する縦リブに連結されてもよい。
この場合、主桁伝達材が、基礎セグメントにおける複数の縦リブのうち、コンクリートに最も近接する縦リブに連結されている。したがって、主桁伝達材によって主桁プレートを強固に補強することができる。
前記基礎セグメントには、少なくとも一部が前記コンクリート躯体に埋設され、前記コンクリート躯体に生じる応力を前記基礎セグメントに伝達する伝達部材が設けられていてもよい。
この場合、基礎セグメントに伝達部材が設けられている。これにより、コンクリート躯体に生じる応力を、伝達部材を介して基礎セグメントに伝達することが可能になり、鋼製躯体とコンクリート躯体とを一層強固に結合することができる。したがって、基礎セグメントにおける空間部を大きく確保しても、鋼製躯体(基礎セグメント)とコンクリート躯体とを強固に結合することが可能になり、鋼製躯体からのコンクリート躯体の抜けを効果的に抑制することができる。その結果、例えば、前記空間部を大きく確保してコンクリートの空間部への充填をスムーズに実施すること等が可能になり、現場において工期をより確実に短縮することができる。
前記主桁プレートが、前記径方向に延びるウエブ、および前記ウエブを前記径方向に挟んだ両側に位置する一対のフランジを有するH形状またはI形状の断面に形成されていてもよい。
この場合、主桁プレートが、H形状またはI形状の断面に形成されている。したがって、長手方向に隣り合う鋼製セグメント同士における互いの主桁プレート同士の間に、充填伝達材を充填するための空間を形成し易くすることができる。
前記フランジにおける前記長手方向の端部には、凹凸部が形成され、前記長手方向に隣り合う前記鋼製セグメント同士では、互いの前記フランジ同士が、互いの前記凹凸部同士が嵌合された状態で前記長手方向に突き合わされ、互いに嵌合し合う前記凹凸部同士の間には、シール材が設けられていてもよい。
この場合、長手方向に隣り合う鋼製セグメント同士では、互いのフランジ同士が、互いの凹凸部同士が嵌合された状態で長手方向に突き合わされている。したがって、地震時などで地下構造物の周囲の地盤が大きく変位した場合においても、凹凸部同士が噛み合わさることで、隣り合う鋼製セグメントが一体性を保つ。これにより、周囲の地盤から地下構造物への土砂の侵入を抑制することができる。
また、互いに嵌合し合う凹凸部同士の間に、シール材が設けられている。したがって、例えば、地下構造物の外部の地下水などが鋼製躯体を通して内空に浸入するのを抑制すること等ができる。これにより、例えば、地下構造物の品質を確保し易くすること等ができる。
前記伝達部材が、前記基礎セグメントの前記一対のフランジのうち、前記周方向のうちの水平方向と平行な短手方向の内側に位置するフランジにより形成された定着板を備えてもよい。
この場合、定着板が、主桁プレートのフランジにより形成されている。したがって、コスト低減を図るとともに現場において工期をより一層短縮することができる。
前記コンクリート躯体が、前記周方向のうちの水平方向と平行な短手方向に延びて前記短手方向の端部が前記一対の主桁プレートの間に配置された複数の主鉄筋を備え、前記伝達部材が、前記主鉄筋に遊嵌されることで連結され、前記主鉄筋に前記短手方向に引張力が作用したときに、前記主鉄筋を係止するストッパ部材を備えてもよい。
この場合、ストッパ部材が、主鉄筋に短手方向に引張力が作用したときに、主鉄筋を係止する。したがって、仮に主鉄筋が一対の主桁プレートの間から引き抜かれようとしたとしても、主鉄筋とストッパ部材とが遊嵌して相互に連結されることで、コンクリート躯体から圧縮反力として伝達されて伝達部材に受け止められ、ストッパ部材により主鉄筋の引き抜きを抑止することが可能になり、鋼製躯体とコンクリート躯体とを一層強固に結合することができる。
前記コンクリート躯体が、前記周方向のうちの水平方向と平行な短手方向に延びて前記短手方向の端部が前記一対の主桁プレートの間に配置された複数の主鉄筋を備え、前記伝達部材が、隣り合う前記主鉄筋の間に配置された主鉄筋伝達板を備えてもよい。
この場合、主鉄筋伝達板が、隣り合う主鉄筋の間に配置されている。したがって、各主鉄筋に生じる引張力をコンクリートに伝達し、さらに主鉄筋伝達板を介して基礎セグメントに効果的に伝達することができる。
前記伝達部材が、前記主桁プレートに設けられるとともに一部が前記コンクリート躯体から上方に突出するハンチシアプレートを備えてもよい。
この場合、ハンチシアプレートが主桁プレートに設けられ、その一部がコンクリート躯体から上方に突出する。したがって、床版と側版との隅角部、つまりコンクリート躯体と鋼製躯体との結合部分において発生する鉛直方向や水平方向の応力(例えば、床版と側版との間を拡開させるような応力)を、コンクリート躯体から基礎セグメントの主桁プレートにスムーズに伝達することができる。
前記伝達部材が、前記主桁プレートに対して前記長手方向にずらされた位置に配置されたシアプレートを備えてもよい。
この場合、シアプレートが、主桁プレートに対して長手方向にずらされた位置に配置されている。したがって、コンクリート躯体に発生する応力を、長手方向に沿って主桁プレートが配置されていない位置においてシアプレートを介して鋼製躯体(基礎セグメント)に伝達することができる。これにより、長手方向に連続するコンクリート躯体と、長手方向に断続して配置される主桁プレートとの間で相互に応力が伝達され、鋼製躯体とコンクリート躯体とをより一層強固に結合することができる。
前記鋼製躯体が、頂版を形成し、前記側版と前記頂版との隅角部が、前記鋼製セグメントが備える円弧部により形成されてもよい。
この場合、側版と頂版との隅角部が、円弧部により形成されている。したがって、隅角部における応力の集中を緩和したり、鋼製躯体の組み立てにおいて隅角部の溶接作業を減らしたりすることができる。
本発明に係る地下構造物の構築方法は、前記地下構造物において、前記複数の鋼製セグメントが、前記周方向に並んで配置されて互いに前記横断継手を介して接合されることで、セグメントリングを形成し、複数の前記セグメントリングが、前記長手方向に並んで配置されて互いに前記長手継手を介して接合されることで、前記鋼製躯体を形成する地下構造物の構築方法であって、地盤における前記地下構造物の形成予定領域の最下端に至るまで前記地盤を掘削して全体構築空間を形成する工程と、前記全体構築空間において、前記複数の鋼製セグメントを前記長手継手および前記横断継手を介して組み合わせ、前記鋼製躯体を形成する工程と、前記長手方向に隣り合う前記セグメントリングの間に前記充填伝達材を充填する工程と、を備える。
また、本発明に係る地下構造物の構築方法は、前記地下構造物において、前記複数の鋼製セグメントが、前記周方向に並んで配置されて互いに前記横断継手を介して接合されることで、セグメントリングを形成し、複数の前記セグメントリングが、前記長手方向に並んで配置されて互いに前記長手継手を介して接合されることで、前記鋼製躯体を形成する地下構造物の構築方法であって、地盤における前記地下構造物の形成予定領域の上部に至るまで前記地盤を掘削して部分構築空間を形成した後、前記部分構築空間において、前記複数の鋼製セグメントを前記長手継手および前記横断継手を介して組み合わせて前記地下構造物の上部を形成する工程と、前記地盤を更に掘削して前記部分構築空間を下側に拡大し、前記拡大された前記部分構築空間に配置される前記地下構造物の一部を、前記複数の鋼製セグメントを組み合わせることで形成し、前記鋼製躯体が形成されるまで前記掘削と前記組み合わせとを繰り返す工程と、前記長手方向に隣り合う前記セグメントリングの間に前記充填伝達材を充填する工程と、を備える。
これらの場合、前記地下構造物を確実に構築することができる。
前記地下構造物の上部を形成する工程の際、前記部分構築空間の側部に施工された一対の土留壁それぞれにブラケットを配置し、前記一対の土留壁を前記地下構造物の上部および前記ブラケットによって支保してもよい。
この場合、地下構造物の上部を形成する工程の際、一対の土留壁を地下構造物の上部およびブラケットによって支保する。したがって、地下構造物の上部を形成するときに、地下構造物の上部の位置および一対の土留壁の位置の両方を安定させることが可能になり、現場において工期を効果的に短縮することができる。
前記長手方向に延びる内空を、前記鋼製躯体とともに形成するコンクリート躯体を、床版として形成する工程を更に備え、前記コンクリート躯体を形成する工程が、前記周方向のうちの水平方向と平行な短手方向に延びる鉄筋籠を配置する工程を備え、前記鉄筋籠を配置する工程の際、前記鉄筋籠が前記短手方向に分割されてなる複数の分割籠のうち、前記短手方向の端部を形成する端部籠を配置した後、前記短手方向の中央部を形成する中央籠を配置してもよい。
この場合、鉄筋籠を配置する工程の際、端部籠を配置した後、中央籠を配置する。したがって、例えば、短手方向に一連となっている鉄筋籠を配置する場合などに比べて、鉄筋籠を配置し易くすることが可能になり、現場において工期を効果的に短縮することができる。
前記端部籠と前記中央籠とを重ね継手により接合してもよい。
この場合、端部籠と中央籠とを重ね継手により接合する。したがって、いわゆる機械式継手もしくは圧接継手を用いて各鉄筋同士を1本1本連結することで、端部籠と中央籠とを接合する場合に比べて、継手の接合に要する手間を圧倒的に短くすることができる。さらには重ね継手により連結する鉄筋同士の間隔は、適当な範囲で近接させればよい。そのため、鉄筋籠の製作精度や設置精度を緩和することが可能になり、現場において工期を効果的に短縮することができる。
本発明によれば、現場において工期を短縮しつつ、継手の剛性を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る地下構造物を示す正面図である。 図1に示す地下構造物を構成する鋼製躯体の第1リングを主に示す正面図である。 図1に示す地下構造物を構成する鋼製躯体の第2リングを主に示す正面図である。 図1に示す地下構造物を構成する鋼製躯体の第1リングおよび第2リングにより形成される側版を、径方向の内側から見た側面図である。 図4に示すV−V断面矢視図である。 図4に示す第1リングを形成する鋼製セグメントを分解した状態を示す側面図である。 図4に示す第2リングを形成する鋼製セグメントを分解した状態を示す側面図である。 図4に示す第1リングを矢印VIII側から見た正面図である。 図4に示す第2リングを矢印IX側から見た背面図である。 図9に示す第2リングを形成する基礎セグメントの背面図である。 図10に示す基礎セグメントを、図10とは反対側から見た正面図である。 図4に示すXII−XII断面矢視図である。 図4に示すXII−XII断面矢視図に相当する断面図であって、充填伝達材を除去して長手継手を示した図である。 図12および図13に示す凹凸部を拡大した図である。 図5に示す断面図における要部の拡大図である。 図15に示す鋼製躯体を矢印XVI側から見た側面図である。 図2に示す鉄筋籠の分解図である。 図1に示す地下構造物を構成する基礎セグメントの模式的な斜視図である。 図1に示す地下構造物の構築方向の第1例である。 図19に示す地下構造物の構築方向において、鉄筋籠を基礎セグメントの空間部に配置する方法を説明する模式的な斜視図である。 図1に示す地下構造物の構築方向の第2例である。 本発明の第1変形例に係る地下構造物を形成する基礎セグメントの正面図である。 本発明の第2変形例に係る地下構造物を形成する基礎セグメントの模式的な斜視図である。 本発明の第3変形例に係る地下構造物を形成する基礎セグメントの模式的な斜視図である。
以下、図1から図24を参照し、本発明の一実施形態に係る地下構造物を説明する。
図1に示すように、地下構造物10は、開削工法により地下に配置される。地下構造物10は、長手方向Y(前後方向)に延びる。地下構造物10は、いわゆるカルバートであり、地下構造物10の内部には、長手方向Yに延びる内空11が形成されている。本実施形態では、内空11の一部が、道路用や鉄道用のトンネル空間12を形成する。
地下構造物10は、長手方向Yに直交する横断面視において中空の矩形状に形成されている。地下構造物10は、床版13と、一対の側版14と、頂版15と、を備えている。一対の側版14は、床版13から上側に延びている。一対の側版14は、鉛直方向Zに延びている。一対の側版14は、地下構造物10の周方向(内空11の周方向)のうち、水平方向と平行な短手方向X(横方向、左右方向)に間隔をあけて配置されている。短手方向Xは、長手方向Yおよび鉛直方向Zの両方向に直交しており、一対の側版14を結ぶ方向である。頂版15は、一対の側版14に架設され、側版14から短手方向Xに延びている。
地下構造物10は、一対の土留壁16間に配置されている。一対の土留壁16は、短手方向Xに間隔をあけて配置されている。地下構造物10は、一対の土留壁16間において支保工として機能する。
地下構造物10は、土留壁16の上端よりも下方に位置し、土留壁16の下端よりも上方に位置している。一対の土留壁16間における地下構造物10の下側には、均しコンクリート17が設置されている。一対の土留壁16間における地下構造物10の上側には、土砂が埋め戻されている。
図1から図18に示すように、地下構造物10は、鋼製躯体30と、充填伝達材80と、コンクリート躯体90と、を備えている。鋼製躯体30とコンクリート躯体90とは、前記内空11を形成する。
図1から図3に示すように、鋼製躯体30は、一対の側版14と、頂版15と、を形成する。鋼製躯体30は、倒立U字状に形成されている。鋼製躯体30は、複数の鋼製セグメント31と、長手継手32(リング間継手、図13参照)と、横断継手33(リング内継手、図6、図7参照)と、を備えている。長手継手32は、長手方向Yに隣り合う鋼製セグメント31同士を接合する。横断継手33は、周方向に隣り合う鋼製セグメント31同士を接合する。
複数の鋼製セグメント31は、長手方向Yおよび周方向の両方向に配置されている。本実施形態では、複数の鋼製セグメント31は、周方向に並んで配置されて互いに横断継手33を介して接合されることで、複数のセグメントリング34を形成する。そして、複数のセグメントリング34が、長手方向Yに並んで配置されて互いに長手継手32を介して接合されることで、鋼製躯体30を形成する。
複数のセグメントリング34は、図2に示すような第1リング35と、図3に示すような第2リング36と、を備えている。図2および図3に示すように、第1リング35および第2リング36の外形状は、長手方向Yから見た正面視において、同等の形状で、かつ、同等の大きさに形成されている。第1リング35および第2リング36はそれぞれ、同数の鋼製セグメント31により形成されている。
第1リング35を形成する複数の鋼製セグメント31は、鋼製躯体30の短手方向Xの中央を通り鉛直方向Zに延びる中心線(不図示)を基準に、短手方向Xに非対称に配置されている。第2リング36を形成する複数の鋼製セグメント31も、前記中心線を基準に、短手方向Xに非対称に配置されている。第1リング35および第2リング36では、それぞれを形成する鋼製セグメント31が、前記中心線を基準に左右反転された状態で配置されている。第1リング35および第2リング36では、横断継手33の周方向の位置(相対位置)が互いに異なっている。
図4および図5に示すように、第1リング35および第2リング36は、長手方向Yに交互に配置されている。その結果、長手方向Yに隣り合うセグメントリング34では、横断継手33の周方向の位置(相対位置)が互いに異なっている。なお、セグメントリング34に対して長手方向Yの両側に位置する長手継手32の周方向の位置(相対位置)も、互いに異なっている。
以下では、第1リング35を形成する鋼製セグメント31について説明する。第2リング36を形成する鋼製セグメント31には、第1リング35を形成する鋼製セグメント31を左右反転させた構成を採用することが可能であり、第2リング36を形成する鋼製セグメント31の説明は省略する。
図2に示すように、鋼製セグメント31は、側版14を形成する側版セグメント37と、頂版15を形成する頂版セグメント38と、を備えている。
側版セグメント37は、短手方向Xの両側に2つずつ鉛直方向Zに積み上げられている。短手方向Xの第1側X1に位置する第1側版14a、および第2側X2に位置する第2側版14bはそれぞれ、主に2つの側版セグメント37により形成されている。側版セグメント37は、第1側版14aを形成する2つの第1側版セグメント37aと、第2側版14bを形成する2つの第2側版セグメント37bと、を備えている。2つの第1側版セグメント37aは、2つの第2側版セグメント37bよりも高く積み上げられている。
2つの第1側版セグメント37aのうちの下方に位置する鋼製セグメント31、および2つの第2側版セグメント37bのうちの下方に位置する鋼製セグメント31は、いずれも基礎セグメント39である。基礎セグメント39には、コンクリート躯体90が固着される。2つの第1側版セグメント37aのうちの上方に位置する鋼製セグメント31、および2つの第2側版セグメント37bのうちの上方に位置する鋼製セグメント31は、いずれも上部セグメント40である。上部セグメント40には、頂版セグメント38が接合される。
頂版セグメント38は、短手方向Xに2つ並んでいる。頂版セグメント38は、第1側X1に位置する第1頂版セグメント38aと、第2側X2に位置する第2頂版セグメント38bと、を備えている。第1頂版セグメント38aは、第2頂版セグメント38bよりも短手方向Xに長い。
第1頂版セグメント38aおよび第2頂版セグメント38bはいずれも、側版14と頂版15との隅角部18を形成している。第1頂版セグメント38aおよび第2頂版セグメント38bはそれぞれ、円弧部41を備えていて、円弧部41が前記隅角部18を形成している。円弧部41は、長手方向Yから見た正面視において、短手方向Xの外側に向けて突となる円弧状に形成されている。
なお第2頂版セグメント38bは、円弧部41から下方に延びる直線部42を更に有している。直線部42は、第2側版14bの一部(上端部)を形成している。
図6から図13に示すように、上記各鋼製セグメント31は、共通の基本構成を備えている。鋼製セグメント31は、基本構成として、スキンプレート43と、一対の主桁プレート44と、を備えている。スキンプレート43は、地下構造物10の径方向(内空11の径方向)の外側を向く。図12に示すように、一対の主桁プレート44は、スキンプレート43に長手方向Yに間隔をあけて配置され、スキンプレート43から前記径方向の内側に向けて延びる。主桁プレート44は、ウエブ45と、一対のフランジ46と、を備えるH形状またはI形状の断面に形成されている。ウエブ45は、前記径方向に延びている。一対のフランジ46は、ウエブ45を前記径方向に挟んだ両側に位置している。
図12に示すように、長手方向Yに隣り合う鋼製セグメント31では、互いの主桁プレート44におけるフランジ46同士が突き合わされている。長手方向Yに隣り合う鋼製セグメント31同士の間には、充填空間48が形成されている。充填空間48は、長手方向Yに隣り合うセグメントリング34の間に、周方向の全長にわたって形成されている。充填空間48は、長手方向Yに隣り合う鋼製セグメント31同士において、互いに長手方向Yに対向するウエブ45と、互いに長手方向Yに突き合わされたフランジ46と、の間に設けられている。
フランジ46における長手方向Yの端部には、凹凸部47が形成されている。長手方向Yに隣り合う鋼製セグメント31同士では、互いのフランジ46同士が、互いの凹凸部47同士が嵌合された状態で長手方向Yに突き合わされている。
図14(a)、(b)に示すように、互いに嵌合し合う凹凸部47同士の間には、シール材47aが短手方向Xに対して2段に設けられている。シール材47aは、セグメントリング34の全周にわたって配置されている。シール材47aは、短手方向X(前記径方向)に間隔をあけて一対配置されている。シール材47aは、弾性変形可能に形成されていて、凹凸部47同士の間において長手方向Yに弾性的に圧縮変形させられている。シール材47aは、例えば水膨張性止水材により形成されている。シール材47aでは、図14(a)に示すような、地下水Wが凹凸部47間に浸入していない状態よりも、図14(b)に示すような、地下水Wが凹凸部47間に浸入してシール材47aに到達した状態において膨張し、シール性が更に向上する。
側版セグメント37は、スキンプレート43および一対の主桁プレート44に加え、複数の縦リブ49と、第1対傾構50と、第2対傾構51と、を更に備えている。複数の縦リブ49は、鉛直方向Z(周方向)に間隔をあけて配置されている。各縦リブ49は、一対の主桁プレート44を長手方向Yに連結する。各縦リブ49は、複数のリブプレート52を備えている。リブプレート52は、短手方向Xに一対配置されている。
リブプレート52は、外側プレート53と、内側プレート54と、を備えている。外側プレート53は、短手方向Xの外側に位置している。外側プレート53は、スキンプレート43に接合されている。外側プレート53は、主桁プレート44における短手方向Xの外側のフランジ46とは非接合とされている。内側プレート54は、短手方向Xの内側に位置している。内側プレート54は、主桁プレート44における短手方向Xの内側のフランジ46と接合されている。内側プレート54における短手方向Xの内側の端部には、切り欠き部55が設けられている。切り欠き部55は、内側プレート54における長手方向Yの中央部に形成されている。
第1対傾構50は、各縦リブ49に設けられている。第1対傾構50は、外側プレート53と内側プレート54とを連結する。第1対傾構50は、長手方向Yに間隔をあけて一対配置されている。一対の第1対傾構50は、短手方向Xの外側から内側に向かうに従い、互いに離間するように配置されている。第1対傾構50は、鉛直方向Z(周方向)から見た正面視において短手方向X(径方向)に対して傾斜している。
図6および図7に示すように、第2対傾構51は、鉛直方向Z(周方向)に隣り合う縦リブ49の間に配置され、長手方向Yに隣り合う主桁プレート44において短手方向X(径方向)の内側に位置する端部同士を連結する。第2対傾構51は、短手方向X(径方向)の内側から見た正面視において長手方向Yに対して傾斜している。第2対傾構51は、一対の主桁プレート44における短手方向Xの内側のフランジ46同士を長手方向Yに連結している。第2対傾構51は、主桁プレート44において内側プレート54に連結された部分に接合されている。縦リブ49を鉛直方向Zに挟んで隣り合う第2対傾構51の傾斜方向は、互い違いになっている。
側版セグメント37のうち、上部セグメント40には、鉛直方向Zの全域にわたって、複数の縦リブ49が鉛直方向Zに同等の間隔をあけて配置されている。側版セグメント37のうち、基礎セグメント39の上部には、複数の縦リブ49が配置され、基礎セグメント39の下部には、縦リブ49が配置されておらず、空間部56が形成されている。
図6から図11に示すように、横断継手33は、充填空間48に配置されている。横断継手33は、鋼製セグメント31における一対の主桁プレート44に配置されている。横断継手33は、周方向に隣り合う鋼製セグメント31のうち、一方から他方に向けて突出する雌継手58と、他方に設けられた雄継手59と、を備える。
雌継手58は、表裏面が長手方向Yを向く板状に形成されている。図10に示すように、雌継手58には、嵌合孔60が形成されている。嵌合孔60は、雌継手58を長手方向Yに貫通している。嵌合孔60は、短手方向Xに間隔をあけて一対配置されるとともに、鉛直方向Zに間隔をあけて一対配置されている。雄継手59は、嵌合孔60に嵌合される。図11に示すように、雄継手59は、嵌合孔60に対応して4つ設けられている。
図13に示すように、長手継手32は、充填空間48に配置されている。長手継手32は、鋼製セグメント31における一対の主桁プレート44に配置されている。長手継手32は、長手方向Yに隣り合う鋼製セグメント31のうち、一方から他方に突出する凸部材61と、他方に設けられた凹部材62と、を備えている。凸部材61は、凹部材62に着脱可能に嵌合される。
図12に示すように、充填伝達材80は、長手方向Yに隣り合う鋼製セグメント31同士の間に充填されている。充填伝達材80は、長手継手32および横断継手33のうちの少なくとも一方の継手に固着することで同継手を固定する。本実施形態では、長手継手32および横断継手33の両方が、長手方向Yに隣り合うセグメントリング34の間に配置されて充填伝達材80により固定されている。
本実施形態では、長手継手32が固定されることは、凸部材61と凹部材62とが(長手継手32を構成する継手同士が)固定されることを意味し、横断継手33が固定されることは、雌継手58と雄継手59とが(横断継手33を構成する継手同士が)固定されることを意味する。長手継手32については、凸部材61および凹部材62の全体が充填伝達材80に埋設されている。横断継手33については、雌継手58の表面に充填伝達材80が固着されるとともに、雄継手59と嵌合孔60との間の隙間に充填伝達材80が充填されている。
充填伝達材80は、充填空間48の全域にわたって密実に充填されることにより、長手継手32、横断継手33を拘束し、同時に前記継手32、33に発生した応力を相互に伝達している。充填伝達材80には、例えば、無収縮モルタル等を採用することができる。無収縮モルタルは、強度および流動性が高く、固化後の堆積収縮を起こさない点で、充填伝達材80として優れる。充填伝達材80には、無収縮モルタルの他、セメントミルク、高流動コンクリート等を採用することもできる。さらに充填伝達材80として、シールドトンネルを構築するシールド工法において、シールドマシンとセグメントとの隙間を埋めるときに使用される裏込め注入材も適する。
図2および図3に示すように、コンクリート躯体90は、床版13を形成する。コンクリート躯体90は、基礎セグメント39に固着されている。コンクリート躯体90は、鉄筋籠91と、コンクリート92と、を備えている。鉄筋籠91は、複数の主鉄筋93と、複数の帯鉄筋94と、を備えている。複数の主鉄筋93は、短手方向Xに延びている。図15および図16に示すように、複数の主鉄筋93の短手方向Xの両端部は、各基礎セグメント39における空間部56(一対の主桁プレート44の間)に配置されている。帯鉄筋94は、複数の主鉄筋93を取り囲むように配置されている。
図17に示すように、鉄筋籠91は、短手方向Xに延びている。鉄筋籠91は、短手方向Xに沿って複数に分割籠に分割可能である。鉄筋籠91は、端部籠95と、中央籠96と、を備えている。端部籠95は、鉄筋籠91における短手方向Xの両端部を形成する。中央籠96は、鉄筋籠91における短手方向Xの中央部を形成する。図2および図3に示すように、端部籠95および中央籠96は、重ね継手97により接合されている。重ね継手97は、端部籠95の下部に配置される主鉄筋93を短手方向Xに突出させ、中央籠96の下部に配置される主鉄筋93と接合する。重ね継手97は、中央籠96の上部に配置される主鉄筋93を短手方向Xに突出させ、端部籠95の上部に配置される主鉄筋93と接合する。
コンクリート92は、基礎セグメント39における空間部56(スキンプレート43と一対の主桁プレート44との間)に充填されている。コンクリート92における短手方向Xの中央部は、床版13を形成し、コンクリート92における短手方向Xの両端部は、空間部56に充填されている。コンクリート92における短手方向Xの両端部は、中央部よりも鉛直方向Zに厚い。
図8から図11、図15、図16および図18に示すように、基礎セグメント39は、主桁伝達材63と、伝達部材65と、を更に備えている。
図8から図11に示すように、主桁伝達材63は、基礎セグメント39の主桁プレート44においてコンクリート92に上側から隣接する部分に配置されている。主桁伝達材63の下面は、コンクリート92と当接していて、この主桁伝達材63の下面からコンクリート92の応力が主桁伝達材63に伝達される。主桁伝達材63は、主桁プレート44において長手方向Yの内側を向く面に配置されている。主桁伝達材63は、主桁プレート44と剛結されており、主桁伝達材63の応力は主桁プレート44に伝達される。主桁伝達材63は、短手方向Xに間隔をあけて配置されている。図示の例では、主桁伝達材63が、基礎セグメント39における複数の縦リブ49のうち、コンクリート92に最も近接する縦リブ49に連結されていない。
図8から図11、図15、図16、図18に示すように、伝達部材65は、コンクリート躯体90に生じる応力を基礎セグメント39に伝達する。伝達部材65の少なくとも一部は、コンクリート躯体90に埋設されている。伝達部材65は、ハンチシアプレート64と、定着板69と、ストッパ部材70と、主鉄筋伝達板71と、を備えている。ハンチシアプレート64は、床版13と側版14との隅角部が開こうとした際には引張抵抗材として機能し、前記隅角部が閉じようとした際には圧縮抵抗材として機能する。ハンチシアプレート64の一端は鋼製躯体30における基礎セグメント39の主桁プレート44に剛結され、他端はコンクリート躯体90に埋設される。これにより、ハンチシアプレート64は、コンクリート躯体90と鋼製躯体30とを剛結する。定着板69、ストッパ部材70および主鉄筋伝達板71は、主に、コンクリート躯体90に短手方向Xに生じる応力(引張力)がコンクリート92に伝達された際に生じる圧縮反力を基礎セグメント39に伝達する。
図8から図11、図18に示すように、ハンチシアプレート64は、一対の主桁プレート44にそれぞれに設けられている。ハンチシアプレート64は、主桁プレート44から短手方向Xの内側に向けて突出している。ハンチシアプレート64は、表裏面が長手方向Yを向く板状に形成されている。ハンチシアプレート64の一部は、コンクリート躯体90から上方に突出する。
図10、図11に示すように、ハンチシアプレート64は、シア部67と、ハンチ部66と、を備えている。
シア部67は、長手方向Yから見た正面視において鉛直方向Zに延びる矩形状に形成されている。シア部67は、コンクリート92における短手方向Xの前記中央部において、短手方向Xの両外側に配置されている。シア部67の鉛直方向Zの両端縁はそれぞれ、コンクリート92の前記中央部における鉛直方向Zの両端縁と同等の位置に配置されている。シア部67には、シア部67を長手方向Yに貫通する第1貫通孔68が複数形成されている。第1貫通孔68は、シア部67の上下両端部に、短手方向Xに間隔をあけて複数配置されている。
ハンチ部66は、コンクリート躯体90から上方に突出している。ハンチ部66は、前記正面視において、コンクリート92における短手方向Xの中央部と両端部との間に位置するハンチ形状に形成されている。ハンチ部66は、前記正面視において三角形状に形成されていて、短手方向Xの外側に向かうに従い漸次、鉛直方向Zに大きくなっている。
図15、図16、図18に示すように、定着板69は、短手方向Xを向く板状に形成されている。定着板69は、主桁プレート44において短手方向Xの内側に位置するフランジ46により形成される。
ストッパ部材70は、主鉄筋93に遊嵌されることで連結され、主鉄筋93に短手方向Xに引張力が作用したときに、主鉄筋93を係止する。主鉄筋93とストッパ部材70とは遊嵌して相互に連結される。ストッパ部材70は、短手方向Xを向く板状に形成されている。ストッパ部材70は、一対の主桁プレート44に架設されている。ストッパ部材70は、一対の主桁プレート44のフランジ46間に長手方向Yに架設されている。ストッパ部材70は、鉛直方向Zに間隔をあけて一対配置されている。ストッパ部材70は、鉄筋籠91を鉛直方向Zに挟むように配置されている。
図15および図16に示すように、主鉄筋伝達板71は、隣り合う主鉄筋93の間に配置されている。主鉄筋伝達板71は、スキンプレート43とストッパ部材70との間に架設されている。主鉄筋伝達板71は、鉛直方向Zに間隔をあけて一対配置されている。図8および図9に示すように、主鉄筋伝達板71には、主鉄筋伝達板71を長手方向Yに貫通する第2貫通孔72が複数形成されている。第2貫通孔72は、主鉄筋伝達板71に、短手方向Xに間隔をあけて複数配置されている。
次に、図19から図21を参照し、前記地下構造物10の構築方法を説明する。以下では、構築方法として第1例および第2例の2つを説明する。これらの構築方法によれば、前記地下構造物10を確実に構築することができる。
第1例の構築方法では、まず図19(a)に示すように、地盤Gにおける地下構造物10の形成予定領域の最下端に至るまで地盤Gを掘削して全体構築空間110を形成する。また、一対の土留壁16を全体構築空間110の側部に施工するとともに、一対の土留壁16の間に支保工111を設置する。支保工111は、鉛直方向Zに間隔をあけて複数配置されている。さらに、全体構築空間110の開口部に覆工板112を配置する。
なお、支保工111が設置される鉛直方向Zにおける高さ位置では、一対の土留壁16に支保工111が押し付けられることにより、一対の土留壁16に局所的な大きな曲げモーメントが発生する。そのため、支保工111は、横断継手33が設けられる鉛直方向Zにおける高さ位置を避けるように配置されることが好ましい。
次に図19(b)に示すように、全体構築空間110の底部に均しコンクリート17を打設する。
そして図19(b)から(d)に示すように、全体構築空間110において、複数の鋼製セグメント31を長手継手32および横断継手33を介して組み合わせ、鋼製躯体30を形成する。このとき、鋼製セグメント31を配置する場所に位置する支保工111を適宜、解体して鋼製セグメント31を配置する。その後、一対の側版14を形成する側版セグメント37間に、盛替梁113を設置する。
次に、長手方向Yに隣り合うセグメントリング34(鋼製セグメント31)同士の間に充填伝達材80を充填する。このとき本実施形態では、まず、基礎セグメント39において短手方向Xの内側に位置するフランジ46における下端部に、充填空間48に連通する充填口を設ける。この充填口に配管ホースを接続した後、ポンプによって充填伝達材80を圧送し、配管ホースおよび充填口を通して充填空間48に充填伝達材80を充填する。頂版セグメント38には、充填空間48に連通する圧抜き孔を設けておき、この圧抜き孔からスタンドパイプ(例えば、長さ30cm程度)を起立させておく。充填口から充填空間48に充填された充填伝達材80は、充填空間48内の空気を圧抜き孔およびスタンドパイプを通して、全体構築空間110に排出しながら、側版セグメント37から頂版セグメント38に向けて順次、押し込まれる。スタンドパイプの上端開口部から充填伝達材80から溢れたことを確認した後、前記充填口を閉鎖して充填伝達材80の充填を停止する。
次に図19(e)、(f)に示すように、コンクリート躯体90を形成する。
まず、図20に示すように、鉄筋籠91を配置する。このとき、鉄筋籠91の端部籠95をそれぞれ、基礎セグメント39の空間部56に挿入する。その後、鉄筋籠91の中央籠96を端部籠95の間に配置して重ね継手97により接合する。つまり本実施形態では、端部籠95を配置した後、中央籠96を配置する。したがって、例えば、短手方向Xに一連となっている鉄筋籠91を配置する場合などに比べて、鉄筋籠91を配置し易くすることが可能になり、現場において工期を効果的に短縮することができる。また、端部籠95と中央籠96とを重ね継手97により接合する。したがって、いわゆる機械式継手もしくは圧接継手を用いて各鉄筋同士を1本1本連結することで、端部籠95と中央籠96とを接合する場合に比べて、継手の接合に要する手間を圧倒的に短くすることができる。さらには重ね継手97により連結する鉄筋同士の間隔は、適当な範囲で近接させればよい。そのため、鉄筋籠91の製作精度や設置精度を緩和することが可能になり、現場において工期を効果的に短縮することができる。
その後、図19(e)に示すように、コンクリート92を打設する。このとき、コンクリート92を、少なくとも、一対の側版14の間に位置する床版13の形成予定領域に打設する。なお、コンクリート92を基礎セグメント39の空間部56内に充填するためには、前記形成予定領域に打設されるコンクリート92を、前記形成予定領域から空間部56に向けて短手方向Xの外側に流動させてもよく、空間部56に、その上方からコンクリート92を直接、打設してもよい。
コンクリート92がある程度、硬化した後、図19(f)に示すように、コンクリート躯体90の短手方向Xの両端部において、中央部よりも高くなっている部分を形成する。コンクリート92の打設を2段階に分けることで、コンクリート92の中央部の高さが予期せず高くなることを抑えることができる。
その後、支保工111および盛替梁113を解体し、全体構築空間110において地下構造物10よりも上方に位置する部分に土砂を埋め戻す。これにより、地下構造物10が構築される。
第2例の構築方法では、まず図21(a)に示すように、地盤Gにおける地下構造物10の形成予定領域の上部に至るまで地盤Gを掘削して部分構築空間110aを形成する。また、一対の土留壁16、支保工111および覆工板112をそれぞれ施工する。
その後、部分構築空間110aにおいて、複数の鋼製セグメント31を長手継手32および横断継手33を介して組み合わせて地下構造物10の上部を形成する。このとき、土留壁16にブラケット114を配置して、ブラケット114により頂版15を保持し、一対の土留壁16を、地下構造物10の上部およびブラケット114によって支保する。これにより、地下構造物10の上部の位置および一対の土留壁16の位置の両方を安定させることが可能になり、現場において工期を効果的に短縮することができる。
次に図21(c)に示すように、地盤Gを更に掘削して部分構築空間110aを下側に拡大し、拡大された部分構築空間110aに配置される地下構造物10の一部を、複数の鋼製セグメント31を組み合わせることで形成し、鋼製躯体30が形成されるまで掘削と組み合わせとを繰り返す。鋼製躯体30が形成されたとき、部分構築空間110aは結果的に全体構築空間110となっている。
次に図21(d)に示すように、均しコンクリート17を打設した後、図21(e)および(f)に示すようにコンクリート躯体90を形成することで、地下構造物10が構築される。なお、コンクリート躯体90は、第1例と同様に施工することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る地下構造物10によれば、充填伝達材80が、長手継手32および横断継手33のうちの少なくとも一方の継手に固着することで同継手を固定する。したがって、長手継手32および横断継手33のうちの少なくとも一方を補強するために、単に充填材を充填して充填伝達材80を形成すればよく、現場において施工性を高めて工期を短縮しつつ、長手継手32や横断継手33の剛性を高めることができる。
また、充填伝達材80が、長手方向Yに隣り合うセグメントリング34の間に充填されている。したがって、充填伝達材80をセグメントリング34の間に充填することで、充填伝達材80を、長手方向Yに隣り合う複数の鋼製セグメント31の間に並行して充填することが可能になり、現場において施工性を更に高め工期を確実に短縮することができる。
また、長手継手32および横断継手33の両方が、長手方向Yに隣り合うセグメントリング34の間に配置されて充填伝達材80により固定されている。したがって、充填伝達材80をセグメントリング34の間にのみ充填することで、長手方向Yに隣り合う複数の鋼製セグメント31の間に配置された長手継手32および横断継手33の両方を補強することが可能になり、現場において工期を確実に短縮することができる。さらに、現場における充填伝達材80の管理箇所が少なくなることから、地下構造物10の品質を確保し易くすること等ができる。
また、一対の主桁プレート44が、縦リブ49、第1対傾構50および第2対傾構51によって、長手方向Y、周方向、径方向の全ての方向に対して拘束される。したがって、主桁プレート44が捻じれることや局所的に座屈することで、鋼製躯体30の耐荷性能を瞬時に喪失することが抑制される。これにより、例えば、地下構造物10の品質を確保し易くすること等ができる。
また、主桁プレート44が、H形状またはI形状の断面に形成されている。したがって、長手方向Yに隣り合う鋼製セグメント31同士における互いの主桁プレート44同士の間に、充填伝達材80を充填するための空間(充填空間48)を形成し易くすることができる。
さらに、長手方向Yに隣り合う鋼製セグメント31同士では、互いのフランジ46同士が、互いの凹凸部47同士が嵌合された状態で長手方向Yに突き合わされている。したがって、地震時などで地下構造物10の周囲の地盤が大きく変位した場合においても、凹凸部47同士が噛み合わさることで、隣り合う鋼製セグメント31が一体性を保つ。これにより、周囲の地盤から地下構造物10への土砂の侵入を抑制することができる。
そして、互いに嵌合し合う凹凸部47同士の間に、シール材47aが設けられている。したがって、例えば、地下構造物10の外部の地下水Wなどが鋼製躯体30を通して内空11に浸入するのを抑制すること等ができる。これにより、例えば、地下構造物10の品質を確保し易くすること等ができる。
また、セグメントリング34に対して長手方向Yの両側に位置する長手継手32の前記周方向の位置が互いに異なっている。したがって、例えば、長手継手32が鋼製躯体30の特定の位置に長手方向Yに連続して位置することで、その位置の剛性が他の位置の剛性に比べて極端に変化する弊害等を抑制することができる。その結果、隣り合うセグメントリング34において応力が均等に配分されることから、局所的に負担が大きくなる構造的な弱点を無くすことができる。これにより、例えば、地下構造物10の品質を確保し易くすること等ができる。
また、長手方向Yに隣り合うセグメントリング34では、横断継手33の周方向の位置が互いに異なっている。したがって、例えば、横断継手33が鋼製躯体30の特定の位置に長手方向Yに連続して位置することで、その位置の剛性が他の位置の剛性に比べて極端に変化する弊害等を抑制することができる。その結果、剛性の低い横断継手33より、隣接するセグメントリング34において応力が配分されることから、局所的に負担が大きくなる構造的な弱点を無くすことができる。これにより、例えば、地下構造物10の品質を確保し易くすること等ができる。
また、横断継手33が雌継手58および雄継手59を備えている。したがって、雄継手59が、雌継手58の嵌合孔60に嵌合されるように、周方向に隣り合う鋼製セグメント31を組み合わせることのみで、横断継手33による接合を即座に実現することができる。これにより、現場において工期を確実に短縮することができる。
なお本実施形態のように、横断継手33が充填伝達材80によって補強される場合、雌継手58と雄継手59との嵌め合いを緩くしても(横断継手33の隙間を大きくしても)、充填伝達材80によって横断継手33の剛性を十分に確保することが可能になり、嵌め合いを緩くしているため継手の作業時間が短縮されることから、現場において工期をより確実に短縮することができる。
また、コンクリート躯体90が鋼製躯体30とともに内空11を形成する。したがって、鋼製躯体30を内空11の全域にわたって組み合わせるといった必要がなく、内空11の一部を単にコンクリート92を打設することにより形成することができる。さらに、躯体の全てをコンクリート躯体90により構築する必要もなく、躯体の一部を、プレファブの鋼製セグメント31を現場で組み立てることにより形成することができる。したがって、例えば、躯体の全てを現場で鉄筋コンクリートにより構築する場合などに比べて、型枠を不要としたり、鉄筋の組み立てを不要としたり、コンクリートの養生時間を不要としたりすることができる。これらにより、現場において工期を確実に短縮することができる。
また、コンクリート躯体90が鋼製躯体30とともに内空11を形成する。したがって、躯体の全てが鋼製躯体30により形成されている場合に比べて、躯体の重量を増大させ易くすることができる。これにより、例えば、地下構造物10が浮力を受けることで予期せずに変位するのを防止すること等が可能になり、地下構造物10の安定性を確保し易くすること等ができる。
さらに、コンクリート躯体90が床版13を形成し、鋼製躯体30が側版14を形成する。したがって、例えば、コンクリート躯体90が側版14を形成する場合と異なり、コンクリート92の打設時における型枠を不要とすること等が可能になり、現場において工期をより確実に短縮することができる。
また、コンクリート躯体90のコンクリート92が、基礎セグメント39における空間部56に充填されている。したがって、鋼製躯体30とコンクリート躯体90とを強固に結合することができる。しかも本実施形態では、基礎セグメント39に伝達部材65が設けられている。したがって、基礎セグメント39における空間部56を大きく確保しても、鋼製躯体30(基礎セグメント39)とコンクリート躯体90とを強固に結合することが可能になり、鋼製躯体30からのコンクリート躯体90の抜けを効果的に抑制することができる。その結果、例えば、前記空間部56を大きく確保してコンクリート92の空間部56への充填をスムーズに実施すること等が可能になり、現場において工期をより確実に短縮することができる。
さらに、基礎セグメント39に、主桁伝達材63が配置されている。したがって、例えば、基礎セグメント39に外力が作用したときに、基礎セグメント39の主桁プレート44においてコンクリート92に上側から隣接する部分に集中し易い応力に対して、主桁伝達材63によって主桁プレート44を補強することができる。
また、基礎セグメント39に伝達部材65が設けられている。これにより、コンクリート躯体90に生じる応力を、伝達部材65を介して基礎セグメント39に伝達することが可能になり、鋼製躯体30とコンクリート躯体90とを一層強固に結合することができる。
さらに、定着板69が、主桁プレート44のフランジ46により形成されている。したがって、コスト低減を図るとともに現場において工期をより一層短縮することができる。
さらにまた、ストッパ部材70が、主鉄筋93に短手方向Xに引張力が作用したときに、主鉄筋93を係止する。したがって、仮に主鉄筋93が一対の主桁プレート44の間から引き抜かれようとしたとしても、主鉄筋93とストッパ部材70とが遊嵌して相互に連結されることで、コンクリート躯体90から圧縮反力として伝達されて伝達部材65に受け止められ、ストッパ部材70により主鉄筋93の引き抜きを抑止することが可能になり、鋼製躯体30とコンクリート躯体90とを一層強固に結合することができる。
そして、主鉄筋伝達板71が、隣り合う主鉄筋93の間に配置されている。したがって、各主鉄筋93に生じる引張力をコンクリート92に伝達し、さらに主鉄筋伝達板71を介して基礎セグメント39に効果的に伝達することができる。
また、ハンチシアプレート64が主桁プレート44に設けられ、その一部がコンクリート躯体90から上方に突出する。したがって、床版13と側版14との隅角部、つまりコンクリート躯体90と鋼製躯体30との結合部分において発生する鉛直方向Zや水平方向の応力(例えば、床版13と側版14との間を拡開させるような応力)を、コンクリート躯体90から基礎セグメント39の主桁プレート44にスムーズに伝達することができる。
また、側版14と頂版15との隅角部18が、円弧部41により形成されている。したがって、隅角部18における応力の集中を緩和したり、鋼製躯体30の組み立てにおいて隅角部18の溶接作業を減らしたりすることができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
図22に示すように、主桁伝達材63が、基礎セグメント39における複数の縦リブ49のうち、コンクリート92に最も近接する縦リブ49に連結されていてもよい。この場合、主桁伝達材63によって主桁プレート44を強固に補強することができる。なお主桁伝達材63が無くてもよい。
図23に示すように、ストッパ部材70が、基礎セグメント39の上下にそれぞれ一対ずつ配置されていてもよい。この場合、一対のストッパ部材70の間に主鉄筋93を配置することが可能である。また、図24に示すように、上下のストッパ部材70間に、伝達部材65としてのシアプレート73が架設されていてもよい。シアプレート73は、主に、コンクリート躯体90に鉛直方向Zに生じる応力を基礎セグメント39に伝達する。加えて、シアプレート73は、主桁プレート44に対して長手方向Yにずらされた位置に配置されている。したがって、コンクリート躯体90に発生する応力を、長手方向Yに沿って主桁プレート44が配置されていない位置においてシアプレート73を介して鋼製躯体30(基礎セグメント39)に伝達することができる。これにより、長手方向Yに連続するコンクリート躯体90と、長手方向Yに断続して配置される主桁プレート44との間で相互に応力が伝達され、鋼製躯体30とコンクリート躯体90とをより一層強固に結合することができる。
なお、ハンチシアプレート64や定着板69、ストッパ部材70、主鉄筋伝達板71などの伝達部材65の一部または全部がなくてもよい。ハンチシアプレート64のハンチ部66の形状は、三角形に限定されるものではなく、台形や四角形でもよく、前記実施形態に示した構成とは異なる他の構成であってもよい。
長手継手32および横断継手33が、前記実施形態に示した構成とは異なる他の構成であってもよい。また、長手方向Yに隣り合うセグメントリング34で、横断継手33の周方向の位置が互いに一致していてもよい。さらに、セグメントリング34に対して長手方向Yの両側に位置する長手継手32の周方向の位置が互いに一致していてもよい。
主桁プレート44が、H形状やI形状の断面とは異なる断面形状に形成されていてもよい。鋼製セグメント31が、前記実施形態に示した構成とは異なる他の構成であってもよい。
側版14と頂版15との隅角部18が、円弧部41により形成されていなくてもよい。コンクリート躯体90がなく、地下構造物10が、その全周にわたって鋼製躯体30により形成されていてもよい。
前記実施形態では、鋼製躯体30が、側版14を一対形成しているが、本発明はこれに限られない。例えば、既設の他の地下構造物に対して水平方向に隣接して配置される場合、鋼製躯体30が1つの側版14を形成し、地下構造物10の全体が、長手方向Yから見た正面視においてC字状に形成され、前記C字状の開口部が前記他の地下構造物によって閉塞されるように、地下構造物10が構成されていてもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10 地下構造物
11 内空
13 床版
14 側版
15 頂版
18 隅角部
30 鋼製躯体
31 鋼製セグメント
32 長手継手
33 横断継手
34 セグメントリング
39 基礎セグメント
41 円弧部
43 スキンプレート
44 主桁プレート
46 フランジ
47 凹凸部
47a シール材
49 縦リブ
50 第1対傾構
51 第2対傾構
58 雌継手
59 雄継手
60 嵌合孔
63 主桁伝達材
64 ハンチシアプレート
65 伝達部材
69 定着板
70 ストッパ部材
71 主鉄筋伝達板
73 シアプレート
80 充填伝達材
90 コンクリート躯体
92 コンクリート
93 主鉄筋
110 全体構築空間
110a 部分構築空間
G 地盤
X 短手方向
Y 長手方向
Z 鉛直方向

Claims (26)

  1. 長手方向に延びる地下構造物であって、
    前記長手方向、および前記地下構造物の周方向に配置された複数の鋼製セグメントと、前記長手方向に隣り合う前記鋼製セグメント同士を接合する長手継手と、前記周方向に隣り合う前記鋼製セグメント同士を接合する横断継手と、を有する鋼製躯体と、
    前記長手方向に隣り合う前記鋼製セグメント同士の間に充填され、前記長手継手および前記横断継手のうちの少なくとも一方の継手に固着することで同継手を固定する充填伝達材と、を備えることを特徴とする地下構造物。
  2. 前記複数の鋼製セグメントが、前記周方向に並んで配置されて互いに前記横断継手を介して接合されることで、セグメントリングを形成し、
    複数の前記セグメントリングが、前記長手方向に並んで配置されて互いに前記長手継手を介して接合されることで、前記鋼製躯体を形成し、
    前記充填伝達材が、前記長手方向に隣り合う前記セグメントリングの間に充填されたことを特徴とする請求項1に記載の地下構造物。
  3. 前記長手方向に隣り合う前記セグメントリングでは、前記横断継手の前記周方向の位置が互いに異なっていることを特徴とする請求項2に記載の地下構造物。
  4. 前記セグメントリングに対して前記長手方向の両側に位置する前記長手継手の前記周方向の位置が互いに異なっていることを特徴とする請求項2または3に記載の地下構造物。
  5. 前記長手継手および前記横断継手の両方が、前記長手方向に隣り合う前記セグメントリングの間に配置されて前記充填伝達材により固定されたことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の地下構造物。
  6. 前記横断継手が、前記周方向に隣り合う前記鋼製セグメントのうち、一方から他方に向けて突出するとともに嵌合孔が形成された雌継手と、他方に設けられ前記嵌合孔に嵌合された雄継手と、を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の地下構造物。
  7. 前記鋼製セグメントが、
    前記地下構造物の径方向の外側を向くスキンプレートと、
    前記スキンプレートに前記長手方向に間隔をあけて配置され、前記スキンプレートから前記径方向の内側に向けて延びる一対の主桁プレートと、
    前記周方向に間隔をあけて配置されるとともに前記一対の主桁プレートを前記長手方向に連結し、前記径方向の外側に位置する外側プレートおよび前記径方向の内側に位置する内側プレートを有する複数の縦リブと、
    前記外側プレートと前記内側プレートとを連結する第1対傾構と、
    前記周方向に隣り合う前記縦リブの間に配置され、前記長手方向に隣り合う前記主桁プレートにおいて前記径方向の内側に位置する端部同士を連結する第2対傾構と、を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の地下構造物。
  8. 前記長手方向に延びる内空を、前記鋼製躯体とともに形成するコンクリート躯体を更に備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の地下構造物。
  9. 前記コンクリート躯体が、床版を形成し、
    前記鋼製躯体が、前記床版から上側に延びる側版を形成することを特徴とする請求項8に記載の地下構造物。
  10. 前記鋼製セグメントが、
    前記地下構造物の径方向の外側を向くスキンプレートと、
    前記スキンプレートに前記長手方向に間隔をあけて配置され、前記スキンプレートから前記径方向の内側に向けて延びる一対の主桁プレートと、を備え、
    前記複数の鋼製セグメントのうち、前記側版を形成して前記コンクリート躯体が固着された基礎セグメントにおける前記スキンプレートと前記一対の主桁プレートとの間に、前記コンクリート躯体のコンクリートが充填されたことを特徴とする請求項9に記載の地下構造物。
  11. 前記基礎セグメントの前記主桁プレートにおいて前記コンクリートに上側から隣接する部分には、主桁伝達材が配置されたことを特徴とする請求項10に記載の地下構造物。
  12. 前記基礎セグメントが、鉛直方向に間隔をあけて配置された複数の縦リブを備え、
    前記主桁伝達材が、前記基礎セグメントにおける前記複数の縦リブのうち、前記コンクリートに最も近接する縦リブに連結されたことを特徴とする請求項11に記載の地下構造物。
  13. 前記基礎セグメントには、少なくとも一部が前記コンクリート躯体に埋設され、前記コンクリート躯体に生じる応力を前記基礎セグメントに伝達する伝達部材が設けられていることを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の地下構造物。
  14. 前記主桁プレートが、前記径方向に延びるウエブ、および前記ウエブを前記径方向に挟んだ両側に位置する一対のフランジを有するH形状またはI形状の断面に形成されていることを特徴とする請求項13に記載の地下構造物。
  15. 前記フランジにおける前記長手方向の端部には、凹凸部が形成され、
    前記長手方向に隣り合う前記鋼製セグメント同士では、互いの前記フランジ同士が、互いの前記凹凸部同士が嵌合された状態で前記長手方向に突き合わされ、
    互いに嵌合し合う前記凹凸部同士の間には、シール材が設けられていることを特徴とする請求項14に記載の地下構造物。
  16. 前記伝達部材が、前記基礎セグメントの前記一対のフランジのうち、前記周方向のうちの水平方向と平行な短手方向の内側に位置するフランジにより形成された定着板を備えることを特徴とする請求項14または15に記載の地下構造物。
  17. 前記コンクリート躯体が、前記周方向のうちの水平方向と平行な短手方向に延びて前記短手方向の端部が前記一対の主桁プレートの間に配置された複数の主鉄筋を備え、
    前記伝達部材が、前記主鉄筋に遊嵌されることで連結され、前記主鉄筋に前記短手方向に引張力が作用したときに、前記主鉄筋を係止するストッパ部材を備えることを特徴とする請求項13から16のいずれか1項に記載の地下構造物。
  18. 前記コンクリート躯体が、前記周方向のうちの水平方向と平行な短手方向に延びて前記短手方向の端部が前記一対の主桁プレートの間に配置された複数の主鉄筋を備え、
    前記伝達部材が、隣り合う前記主鉄筋の間に配置された主鉄筋伝達板を備えることを特徴とする請求項13から17のいずれか1項に記載の地下構造物。
  19. 前記伝達部材が、前記主桁プレートに設けられるとともに一部が前記コンクリート躯体から上方に突出するハンチシアプレートを備えることを特徴とする請求項13から18のいずれか1項に記載の地下構造物。
  20. 前記伝達部材が、前記主桁プレートに対して前記長手方向にずらされた位置に配置されたシアプレートを備えることを特徴とする請求項13から19のいずれか1項に記載の地下構造物。
  21. 前記鋼製躯体が、頂版を形成し、
    前記側版と前記頂版との隅角部が、前記鋼製セグメントが備える円弧部により形成されたことを特徴とする請求項9から20のいずれか1項に記載の地下構造物。
  22. 請求項1から21のいずれか1項に記載の地下構造物において、
    前記複数の鋼製セグメントが、前記周方向に並んで配置されて互いに前記横断継手を介して接合されることで、セグメントリングを形成し、
    複数の前記セグメントリングが、前記長手方向に並んで配置されて互いに前記長手継手を介して接合されることで、前記鋼製躯体を形成する地下構造物の構築方法であって、
    地盤における前記地下構造物の形成予定領域の最下端に至るまで前記地盤を掘削して全体構築空間を形成する工程と、
    前記全体構築空間において、前記複数の鋼製セグメントを前記長手継手および前記横断継手を介して組み合わせ、前記鋼製躯体を形成する工程と、
    前記長手方向に隣り合う前記セグメントリングの間に前記充填伝達材を充填する工程と、を備えることを特徴とする地下構造物の構築方法。
  23. 請求項1から21のいずれか1項に記載の地下構造物において、
    前記複数の鋼製セグメントが、前記周方向に並んで配置されて互いに前記横断継手を介して接合されることで、セグメントリングを形成し、
    複数の前記セグメントリングが、前記長手方向に並んで配置されて互いに前記長手継手を介して接合されることで、前記鋼製躯体を形成する地下構造物の構築方法であって、
    地盤における前記地下構造物の形成予定領域の上部に至るまで前記地盤を掘削して部分構築空間を形成した後、前記部分構築空間において、前記複数の鋼製セグメントを前記長手継手および前記横断継手を介して組み合わせて前記地下構造物の上部を形成する工程と、
    前記地盤を更に掘削して前記部分構築空間を下側に拡大し、前記拡大された前記部分構築空間に配置される前記地下構造物の一部を、前記複数の鋼製セグメントを組み合わせることで形成し、前記鋼製躯体が形成されるまで前記掘削と前記組み合わせとを繰り返す工程と、
    前記長手方向に隣り合う前記セグメントリングの間に前記充填伝達材を充填する工程と、を備えることを特徴とする地下構造物の構築方法。
  24. 前記地下構造物の上部を形成する工程の際、前記部分構築空間の側部に施工された一対の土留壁それぞれにブラケットを配置し、前記地下構造物の上部および前記ブラケットによって支保することを特徴とする請求項23に記載の地下構造物の構築方法。
  25. 前記長手方向に延びる内空を、前記鋼製躯体とともに形成するコンクリート躯体を、床版として形成する工程を更に備え、
    前記コンクリート躯体を形成する工程が、前記周方向のうちの水平方向と平行な短手方向に延びる鉄筋籠を配置する工程を備え、
    前記鉄筋籠を配置する工程の際、前記鉄筋籠が前記短手方向に分割されてなる複数の分割籠のうち、前記短手方向の端部を形成する端部籠を配置した後、前記短手方向の中央部を形成する中央籠を配置することを特徴とする請求項22から24のいずれか1項に記載の地下構造物の構築方法。
  26. 前記端部籠と前記中央籠とを重ね継手により接合することを特徴とする請求項25に記載の地下構造物の構築方法。
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CN114351755A (zh) * 2021-12-22 2022-04-15 北京工业大学 组合壳管廊顶部l型节点及其施工方法

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