JP5351052B2 - β−ケトニトリルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一般式I:
Figure 0005351052
(式中、
R1は、C1-C12-アルキル、C2-C12-アルケニル、C2-C12-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルキル-C1-C4-アルキル、フェニル-C1-C4-アルキル、フェノキシ-C1-C4-アルキル又はベンジルオキシ-C1-C4-アルキルであって、ここでC1-C12-アルキルは基RAのいずれか1つによって置換されていてもよく、上記の基においてC3-C8-シクロアルキル基は1、2、3、4若しくは5個の基RBによって置換されていてもよく、上記の基においてフェニル基は1、2、3、4若しくは5個の基RCによって置換されていてもよく;
RAはC1-C10-アルコキシ、C1-C6-アルコキシ-C1-C4-アルコキシ、C1-C10-アルキルチオ、NH2、C1-C10-アルキルアミノ及びジ-C1-C10-アルキルアミノからなる群より選択され;
RBはフッ素、C1-C4-アルキル、C1-C4-ペルフルオロアルキル及びRAに対して与えられる意味からなる群より選択され;
RCはフッ素、ニトロ、C1-C4-アルキル、C1-C4-ペルフルオロアルキル及びRAに対して与えられる意味からなる群より選択され;
R2は、水素、C1-C12-アルキル、C2-C12-アルケニル、C2-C12-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルキル-C1-C4-アルキル、フェニル、フェニル-C1-C4-アルキル、フェノキシ-C1-C4-アルキル又はベンジルオキシ-C1-C4-アルキルであって、ここでC1-C12-アルキルは基RAのいずれか1つによって置換されていてもよく、上記の基においてC3-C8-シクロアルキル基は1、2、3、4若しくは5個の基RBによって置換されていてもよく、上記の基においてフェニル基は1、2、3、4若しくは5個の基RCによって置換されていてもよい)
のβ-ケトニトリルを調製するための方法に関する。
β-ケトニトリル、特に一般式Iのものは、複素環式活性化合物の調製、特に抗菌活性を有する7-アミノアゾロピリミジンの調製のための興味深い出発物質である(例えば、欧州特許出願公開第141317号明細書、国際公開第2006/087325号パンフレットを参照)。
β-ケトニトリルは、通常、塩基の存在下、ニトリル基に対してα-位に水素原子を有するニトリルとカルボン酸エステルとの縮合によって調製される。以下のスキーム1に、式Iのβ-ケトニトリルを調製するための反応が示されている。スキーム1において、可変基R1及びR2は上記の意味を有する。Rは、炭素原子を介して結合しており、通常は1〜12個の炭素原子を有する不活性基である。
Figure 0005351052
例えば、欧州特許出願公開第141317号明細書は、シアン化アルキルをカルボン酸エステル及び強塩基(例えばアルカリ金属水素化物、アルカリ金属アミド及びアルキル金属)と反応させることによる、β-アシル化されたシアン化アルキルの調製について記載している。しかしながら、かかる塩基は比較的高価で、かつ取り扱いが難しく、このことが本反応を工業的規模に移行させることを困難にしている。
これについて、米国特許出願公開第2004/0171863号明細書は、温度145〜300℃で、密閉容器内において、カルボン酸エステルをα-位に2個の水素原子を有するアルキルニトリル及び塩基と反応させることによる、β-ケトニトリルの調製について記載している。当該方法により、次に酸を用いて利用される、β-ケトニトリルのアルカリ金属塩を与える。しかしながら、特に4個以上の炭素原子を有するニトリルに対しては、この文献に記載されている反応条件は中程度の収率しか与えない。
これについて、国際公開第2006/087325号パンフレットは、無水ジメチルホルムアミド中における、デカンニトリルとメトキシ酢酸メチル及びカリウムtert-ブトキシドとの反応について記載している。見出される収率は不満足なものである。さらに、本出願人の検討結果が示すところでは、比較的高い温度を使用すると、除去困難な副生成物の形成が増加する。
欧州特許出願公開第141317号明細書 国際公開第2006/087325号パンフレット 米国特許出願公開第2004/0171863号明細書
したがって、本発明の目的は、従来技術の前記問題を解決する、一般式Iのβ-ケトニトリルを調製する方法を提供することである。特に、当該方法は、安価なアルコキシドの使用を可能にし、所望の式Iの生成物を高収率でかつ良好な純度でもたらすこととなる。
この目的は、式II:
Figure 0005351052
(式中、R1は上記の意味のいずれか1つを有する)
のニトリルを、式III:
Figure 0005351052
(式中、R2は上記の意味のいずれか1つを有し、R3はC1-C12-アルキル、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル、C3-C8-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルキル-C1-C4-アルキル、フェニル-C1-C4-アルキル、フェノキシ-C1-C4-アルキル又はベンジルオキシ-C1-C4-アルキルである)
のカルボン酸エステルと反応させることを含む方法であって、該反応がカリウムアルコキシドの存在下で実施され、少なくとも80%の式IIのニトリルが反応条件下で反応に加えられる前記方法によって達成される。
したがって本発明は、上記で定義される一般式Iのβ-ケトニトリルを調製するための方法であって、一般式IIのニトリルを一般式IIIのカルボン酸エステルと反応させることを含み、該反応がカリウムアルコキシドの存在下で実施され、少なくとも80%の式IIのニトリルが反応条件下で反応に加えられることを特徴とする前記方法を提供する。
取り扱いが容易なカリウムアルコキシドを用いるときでさえ、本発明の方法はβ-ケトニトリルを高収率でかつ良好な選択性でもたらす。特に、本発明の方法は、R1が3個以上の炭素原子、特に5個以上の炭素原子を有する式Iのβ-ケトニトリルを調製することにも好適である。スキーム1に示される反応シーケンスを用いる場合、式IIのニトリル親化合物の反応不活性のために、スキーム1に示されるルート及び従来技術の方法を用いても、特に使用される塩基がアルコキシドの場合には、かかるβ-ケトニトリルは乏しい収率でしか得られない。
上記及び下記の式で与えられる置換基R1、R2、R3、R4及びR5並びにRA、RB及びRCの定義において、一般に個々の有機基を代表する集合的用語が用いられる。ここで、用語Cn-Cmにおいて、変数n及びmはそれぞれ、各基における炭素原子のとりうる数を表す。特定の意味は:
アルキル、さらにはアルキルチオ、アルキルアミノ及びジアルキルアミノのアルキル部分:メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1-エチル-2-メチルプロピル及びその異性体、2-エチルヘキシル、3,5,5-トリメチルヘキシル、3,5-ジメチルヘキシル、n-ヘプチル、1-メチルヘプチル、2-メチルヘプチル、2-エチルヘプチル、2-プロピルヘプチル、n-オクチル、1-メチルオクチル、2-メチルオクチル、n-ノニル、1-メチルノニル、2-メチルノニル、n-デシル、1-メチルデシル、n-ウンデシル、1-メチルウンデシル並びにn-ドデシルのような、通常1〜12個の炭素原子を有するか、又は1〜4個の炭素原子、1〜6個の炭素原子若しくは5〜12個の炭素原子を有する直鎖又は分枝炭化水素基である。
同様に、アルケニルは、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチルエテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-1-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1,2-ジメチル-1-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-プロペニル、1-エチル-2-プロペニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペニル、1-エチル-2-メチル-2-プロペニル、1-、2-、3-、4-、5-若しくは6-ヘプテニル、1-、2-、3-、4-、5-、6-若しくは7-オクテニル、1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-若しくは8-ノネニル、1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-、8-若しくは9-デセニルのような、通常2〜12個の炭素原子を有する直鎖又は分枝エチレン性一価不飽和炭化水素基を意味する。
アルキニルは、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、3-メチル-1-ブチニル、1-メチル-2-ブチニル、1-メチル-3-ブチニル、2-メチル-3-ブチニル、1,1-ジメチル-2-プロピニル、1-エチル-2-プロピニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル、3-メチル-1-ペンチニル、4-メチル-1-ペンチニル、1-メチル-2-ペンチニル、4-メチル-2-ペンチニル、1-メチル-3-ペンチニル、2-メチル-3-ペンチニル、1-メチル-4-ペンチニル、2-メチル-4-ペンチニル、3-メチル-4-ペンチニル、1,1-ジメチル-2-ブチニル、1,1-ジメチル-3-ブチニル、1,2-ジメチル-3-ブチニル、2,2-ジメチル-3-ブチニル、3,3-ジメチル-1-ブチニル、1-エチル-2-ブチニル、1-エチル-3-ブチニル、1-エチル-1-メチル-2-プロピニル、1-、2-、3-、4-、5-若しくは6-ヘプチニル、1-、2-、3-、4-、5-、6-若しくは7-オクチニル、1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-若しくは8-ノニニル、1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-、8-若しくは9-デシニルのような、通常2〜12個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アセチレン性不飽和炭化水素基である。
シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル及びビシクロ[3.2.1]オクチルのような、通常3〜8個の炭素原子を有する単環式又は二環式炭化水素基である。
シクロアルキル-C1-C4-アルキルは、好ましくは3〜8個の炭素原子を有する上記で定義されるようなシクロアルキル基を有する、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である。
フェニル-C1-C4-アルキルは、フェニル基を有する、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であって、例えば、ベンジル、1-フェニルエチル又は2-フェニルエチルである。
フェノキシ-C1-C4-アルキルは、置換基としてフェノキシ基を有する、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である。同様に、ベンジルオキシ-C1-C4-アルキルは、ベンジルオキシ基を有する、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1-メチルエトキシ、ブトキシ、1-メチルプロポキシ、2-メチルプロポキシ、1,1-ジメチルエトキシ、ペントキシ、1-メチルブトキシ、2-メチルブトキシ、3-メチルブトキシ、2,2-ジメチルプロポキシ、1-エチルプロポキシ、ヘキシルオキシ、1,1-ジメチルプロポキシ、1,2-ジメチルプロポキシ、1-メチルペンチルオキシ、2-メチルペンチルオキシ、3-メチルペンチルオキシ、4-メチルペンチルオキシ、1,1-ジメチルブトキシ、1,2-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチルブトキシ、2,3-ジメチルブトキシ、3,3-ジメチルブトキシ、1-エチルブトキシ、2-エチルブトキシ、1,1,2-トリメチルプロポキシ、1,2,2-トリメチルプロポキシ、1-エチル-1-メチルプロポキシ、1-エチル-2-メチルプロポキシ及びその異性体、2-エチルヘキシルオキシ、3,5,5-トリメチルヘキシルオキシ、3,5-ジメチルヘキシルオキシ、n-ヘプチルオキシ、1-メチルヘプチルオキシ、2-メチルヘプチルオキシ、2-エチルヘプチルオキシ、2-プロピルヘプチルオキシ、n-オクチルオキシ、1-メチルオクチルオキシ、2-メチルオクチルオキシ、n-ノニルオキシ、1-メチルノニルオキシ、2-メチルノニルオキシ並びにn-デシルオキシのような、酸素原子を介して結合している、1〜10個の炭素原子、特に1〜8個の炭素原子を有するアルキル基である。
同様に、アルキルチオは、硫黄原子を介して結合している、通常1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル基である。
アルキルアミノは、NH基を介して結合している、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル基である。同様に、ジアルキルアミノは、基NR2(式中、Rは、同一又は異なっていてもよく、通常1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル基である)である。
アルコキシアルキルは、例えば、メトキシメチル、エトキシメチル、-CH2OCH2-C2H5、-CH2-OCH(CH3)2、n-ブトキシメチル、-CH2-OCH(CH3)-C2H5、-CH2-OCH2-CH(CH3)2、-CH2-OC(CH3)、メトキシエチル、エトキシエチル、-(CH2)2OCH2-C2H5、-(CH2)2OCH(CH3)2、n-ブトキシエチル、-(CH2)2OCH(CH3)-C2H5、-(CH2)2OCH2-CH(CH3)2若しくは-(CH2)2-OC(CH3)、1-メチルブトキシメチル、2-メチルブトキシメチル、3-メチルブトキシメチル、2,2-ジメチルプロポキシメチル、1-エチルプロポキシメチル、ヘキシルオキシメチル、1,1-ジメチルプロポキシメチル、1,2-ジメチルプロポキシメチル、1-メチルペンチルオキシメチル、2-メチルペンチルオキシメチル、3-メチルペンチルオキシメチル、4-メチルペンチルオキシメチル、1,1-ジメチルブトキシメチル、1,2-ジメチルブトキシメチル、1,3-ジメチルブトキシメチル、2,2-ジメチルブトキシメチル、2,3-ジメチルブトキシメチル、3,3-ジメチルブトキシメチル、1-エチルブトキシメチル、2-エチルブトキシメチル、1,1,2-トリメチルプロポキシメチル、1,2,2-トリメチルプロポキシメチル、1-エチル-1-メチルプロポキシメチル、1-エチル-2-メチルプロポキシメチル及びその異性体、2-エチルヘキシルオキシメチル、3,5,5-トリメチルヘキシルオキシメチル、3,5-ジメチルヘキシルオキシメチル、n-ヘプチルオキシメチル、1-メチルヘプチルオキシメチル、2-メチルヘプチルオキシメチル、2-エチルヘプチルオキシメチル、2-プロピルヘプチルオキシメチル、n-オクチルオキシメチル、1-メチルオクチルオキシメチル、2-メチルオクチルオキシメチル、n-ノニルオキシメチル、1-メチルノニルオキシメチル、2-メチルノニルオキシメチル、n-デシルオキシメチル、1-(1-メチルブトキシ)エチル、1-(2-メチルブトキシ)エチル、1-(3-メチルブトキシ)エチル、1-(2,2-ジメチルプロポキシ)エチル、1-(1-エチルプロポキシ)エチル、1-(ヘキシルオキシ)エチル、1-(1,1-ジメチルプロポキシ)エチル、1-(1,2-ジメチルプロポキシ)エチル、1-(1-メチルペンチルオキシ)エチル、1-(2-メチルペンチルオキシ)エチル、1-(3-メチルペンチルオキシ)エチル、1-(4-メチルペンチルオキシ)エチル、1-(1,1-ジメチルブトキシ)エチル、1-(1,2-ジメチルブトキシ)エチル、1-(,3-ジメチルブトキシ)エチル、1-(2,2-ジメチルブトキシ)エチル、1-(2,3-ジメチルブトキシ)エチル、1-(3,3-ジメチルブトキシ)エチル、1-(1-エチルブトキシ)エチル、1-(2-エチルブトキシ)エチル、1-(2-エチルヘキシルオキシ)エチル、1-(3,5,5-トリメチルヘキシルオキシ)エチル、1-(3,5-ジメチルヘキシルオキシ)エチル、1-(n-ヘプチルオキシ)エチル、1-(1-メチルヘプチルオキシ)エチル、1-(2-プロピルヘプチルオキシ)エチル、1-(n-オクチルオキシ)エチル、1-(1-メチルオクチルオキシ)エチル、1-(2-メチルオクチルオキシ)エチル、1-(n-ノニルオキシ)エチル、1-(1-メチルノニルオキシ)エチル、1-(2-メチルノニルオキシ)エチル、1-(n-デシルオキシ)エチル、2-(1-メチルブトキシ)エチル、2-(2-メチルブトキシ)エチル、2-(3-メチルブトキシ)エチル、2-(2,2-ジメチルプロポキシ)エチル、2-(1-エチルプロポキシ)エチル、2-(ヘキシルオキシ)エチル、2-(1,1-ジメチルプロポキシ)エチル、2-(1,2-ジメチルプロポキシ)エチル、2-(1-メチルペンチルオキシ)エチル、2-(2-メチルペンチルオキシ)エチル、2-(3-メチルペンチルオキシ)エチル、2-(4-メチルペンチルオキシ)エチル、2-(1,1-ジメチルブトキシ)エチル、2-(1,2-ジメチルブトキシ)エチル、2-(,3-ジメチルブトキシ)エチル、2-(2,2-ジメチルブトキシ)エチル、2-(2,3-ジメチルブトキシ)エチル、2-(3,3-ジメチルブトキシ)エチル、2-(1-エチルブトキシ)エチル、2-(2-エチルブトキシ)エチル、2-(2-エチルヘキシルオキシ)エチル、2-(3,5,5-トリメチルヘキシルオキシ)エチル、2-(3,5-ジメチルヘキシルオキシ)エチル、2-(n-ヘプチルオキシ)エチル、2-(1-メチルヘプチルオキシ)エチル、2-(2-プロピルヘプチルオキシ)エチル、2-(n-オクチルオキシ)エチル、2-(1-メチルオクチルオキシ)エチル、2-(2-メチルオクチルオキシ)エチル、2-(n-ノニルオキシ)エチル、2-(1-メチルノニルオキシ)エチル、2-(2-メチルノニルオキシ)エチル並びに2-(n-デシルオキシ)エチル等の、上記で定義されるようなアルコキシ基を有する、通常1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である。
アルコキシアルコキシは、例えば、メトキシメトキシ、エトキシメトキシ、-OCH2OCH2-C2H5、-OCH2-OCH(CH3)2、n-ブトキシメトキシ、-OCH2-OCH(CH3)-C2H5、-OCH2-OCH2-CH(CH3)2、-OCH2-OC(CH3)、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、-O(CH2)2OCH2-C2H5、-O(CH2)2OCH(CH3)2、n-ブトキシエトキシ、-O(CH2)2OCH(CH3)-C2H5、-O(CH2)2OCH2-CH(CH3)2又は-O(CH2)2-OC(CH3)等の、上記で定義されるようなアルコキシ基を有する、通常1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基である。
ペルフルオロアルキルは、水素原子がフッ素原子によって置換されている、通常1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である。ペルフルオロアルキルの例は、特にトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル等である。
本発明によると、式IIのニトリルを式IIIのカルボン酸エステルと反応させるとき、少なくとも80%、特に少なくとも90%、特に好ましくは少なくとも95%、とりわけ全量若しくは少なくとも99%の式IIのニトリルを、反応条件下で反応に加える。
用語「反応条件下」は当業者によく知られている用語であり、所望の反応が実施される反応容器内又は反応域内において、そこに存在する条件が、所望の反応が良好な反応速度で進行するような条件であることを意味する。本発明の方法において、この用語は、式IIのニトリルと式IIIのエステルとの反応が実施される反応容器内又は反応域内において、その反応容器内又は反応域内の温度が、カリウムアルコキシドの存在下、化合物Iのカリウム塩の形成を伴う式IIのニトリルと式IIIのカルボン酸エステルとの反応が、該反応に十分な速度で進行できるような温度であることを意味する。
反応に必要な温度は、ルーチンの実験によって当業者が決定することができ、それは大抵低くとも50℃、特に低くとも80℃であり、特に好ましくは低くとも100℃である。反応温度は通常200℃を超えることはなく、好ましくは80〜180℃の範囲であり、とりわけ110〜150℃の範囲である。
反応圧力は、本反応にとってあまり重要ではない。通常、本反応は、内部の圧力を大気圧と等しくしているリアクター内で実施されるため、当該反応は大気圧で実施されることとなる。技術的理由から、わずかに減圧下、例えば0.9 bar(絶対圧)〜大気圧の範囲で、又はわずかに昇圧下、例えば大気圧〜3.0 bar(絶対圧)の範囲で、本反応を有利に実施することもできる。
所望の量のニトリルを、1以上に小分けして加えるか、又は一定の添加速度で、若しくは添加速度を変化させながら、比較的長時間にわたって連続的に加えることができる。しばしば、反応の経過中に加えられるニトリルを、通常5分〜1時間、特に10分〜30分間のように、ある一定の時間にわたって加えることとなる。
本発明の方法にとって、式IIIのカルボン酸エステルの大部分、特に少なくとも80%を、反応条件下で反応に加えると有利であることがさらに見出された。本発明の第一の好ましい実施形態によると、少なくとも90%、特に少なくとも95%、特に好ましくは全量若しくは少なくとも99%の式IIIのカルボン酸エステルを、反応条件下で加える。別の好ましい実施形態によると、1〜20重量%、特に5〜15重量%のカルボン酸エステルを最初に反応容器内に入れ、残った量のカルボン酸エステルを反応条件下で加える。
式IIIのカルボン酸エステルの大部分を反応の経過中に加える場合、当該添加は1回で行ってもよく、複数回に小分けして行ってもよく、又は一定の添加速度で、若しくは添加速度を変化させながら、比較的長時間にわたって連続的に行ってもよい。好ましくは、所望の量のカルボン酸エステルIIIを、通常5分〜1時間、特に10分〜30分間のように、ある一定の時間にわたって加える。
ニトリルIIとカルボン酸エステルIIIとの反応は、不活性溶媒中で実施されることが好ましい。好適な不活性溶媒の例は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン及びシクロオクタンのような脂肪族及び環式脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、特にトルエン、キシレン、1,2-、1,3-及び1,4-ジメチルベンゼン並びにそれらの混合物、メシチレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン (クメン)、1,2-、1,3-及び1,4-メチルイソプロピルベンゼン (シメン) 並びにそれらの混合物、1,3-及び1,4-ジイソプロピルベンゼン並びにそれらの混合物、1,2-、1,3-及び1,4-ジエチルベンゼン並びにそれらの混合物のようなアルキル芳香族化合物、さらにはジ-n-プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル tert-ブチルエーテル、エチル tert-ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン及びテトラヒドロピランのようなジアルキルエーテル並びに脂環式エーテルである。上記の不活性溶媒の混合物もまた好適である。
好ましい不活性溶媒は、上記のアルキル芳香族化合物、並びに該アルキル芳香族化合物及びそれらとは異なる不活性溶媒(例えば上記の脂肪族及び脂環式炭化水素又はエーテル)との混合物である。好ましくは、不活性溶媒は、該不活性溶媒の全量に対して少なくとも80重量%、特に少なくとも90重量%の、1種類以上のアルキル芳香族化合物又は少なくとも1種類のアルキル芳香族化合物と1種類以上の脂肪族若しくは環式脂肪族炭化水素との混合物を含有する。特に大変好ましくは、不活性溶媒は、少なくとも80重量%、特に少なくとも90重量%のアルキル芳香族化合物、特にキシレン又はメシチレンを含有する。好ましくは、当該溶媒又は溶媒混合物は、上記の温度範囲の沸点を有する。
溶媒の量は、通常、使用される物質の全量(すなわち、化合物II、III及びカリウムアルコキシドの全濃度)が、使用される物質及び溶媒の全量に対して20〜80重量%、特に30〜70重量%の範囲となるように選択される。
本発明によると、反応はカリウムアルコキシドの存在下で実施される。ここで、カリウムアルコキシドは塩基として働く。適切であれば、少量の他の塩基が反応中に存在していてもよい。通常、使用される塩基の少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、特に少なくとも90重量%がカリウムアルコキシドである。好適なカリウムアルコキシドは、特にカリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムプロポキシド、カリウムn-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、カリウム2-ブトキシド及びカリウム(2-メチル-2-ブトキシド)のようなC1-C6-アルカノールのカリウム塩である。カリウムアルコキシドを混合物の形態で使用することもできる。さらなる好適な塩基は、特に水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムのような弱酸のナトリウム塩及びカリウム塩、特にC1-C6-アルカノールのナトリウム塩のようなナトリウムアルコキシド等だけでなく、水素化ナトリウム及び水素化カリウムである。好ましくは、使用される塩基の全量に対して少なくとも95%、特に少なくとも98%がカリウムアルコキシドである。カリウムアルコキシドの加水分解の結果として生じる少量の水酸化カリウムは、通常、本反応を妨害しない。しかしながら、その割合は、塩基の全量に対して3重量%以下、特に1.5重量%以下であることが好ましい。
使用されるカリウムアルコキシドの量は、式IIのニトリル1 mol当たり、好ましくは少なくとも0.9 mol、特に少なくとも1 mol、特に好ましくは少なくとも1.1 molである。カリウムアルコキシドの量は、ニトリルIIの1 mol当たり、2.5、3又は4 mol以上であってもよいが、それは、通常、より多量の塩基でも本反応に対する不利な影響がないからである。好ましくは、カリウムアルコキシドと式IIのニトリルの全量とのモル比は、1.1 : 1〜4 : 1、特に2 : 1〜4 : 1の範囲である。
反応に使用される有機溶媒が少量のC1-C4-アルカノールを含むのであれば、該反応に有利であることがさらに見出された。C1-C4-アルカノールの量は、反応に使用される式IIIのエステルの全量に対して、通常50 mol%以下、特に20 mol%以下であり、例えば1〜50 mol%又は1〜20 mol%の範囲である。ここで、この量のアルカノールを最初に反応容器内に入れると有利であることが見出された。
式IIのニトリルと式IIIのエステルとのモル比は、典型的には1 : 3〜1.5 : 1の範囲であり、好ましくは1 : 2〜1 : 1の範囲であり、特に1 : 1.1〜1 : 1.5の範囲である。
本発明の反応は、通常、反応物を混合するための一般的な手段(例えば攪拌機)、式II及びIIIの反応物を添加するための手段、反応温度及び反応圧力を制御する手段等を備える、この目的のために慣用される反応容器内で実施される。反応を連続的又は非連続的、すなわちバッチ式に実施することができるが、後者が好ましい。
慣用されるバッチ式反応において、通常、式IIのニトリル、及び適切であれば式IIIのエステルを添加するための手段、並びに反応物を混合するための好適な手段(例えば攪拌機)を備える反応容器内で、反応を実施する。当該反応を大気圧下又は昇圧下で実施することができる。通常、バッチ式反応において、一部又は全量のカリウムアルコキシド、好ましくはカリウムアルコキシドの全量に対して少なくとも80%のカリウムアルコキシドを、適切であれば一部又は全量の不活性溶媒、並びに適切であれば一部又は全量の式IIIのエステル、適切であれば20%以下の式IIのニトリル、及び適切であればC1-C4-アルカノールとともに、最初に反応容器内に入れる。次に、このようにして得られる混合物を反応温度まで加熱して、その後、残りのカリウムアルコキシド及び残りの不活性溶媒の添加を開始する。好ましくは、アルコキシドの全量及び不活性溶媒の全量を、所望であれば最初にリアクター内に入れる。少量又は特に大部分の式IIIのエステルを反応条件下で添加する場合、エステルIIIの添加をニトリルIIの添加と並行して、すなわちエステルIIIの添加の開始時及び終了時が、式IIのニトリルの添加の開始時及び終了時と違いがないか、又は数分のみの違い(しばしば5分以下、特に2分以下)であるように、実施することが好ましい。特に、ニトリルIIの添加及びエステルIIIの添加を同時に(±2分未満で)開始し、さらには同時に(±2分未満で)終了する。通常、ニトリルII、及び適切であればエステルIIIの添加の終了に続いて、反応混合物を数分間、その反応温度に保つ反応後段階(post-reaction phase)がある。通常、反応後段階の時間は少なくとも30分間であり、通常は24時間を超えることはない。特に、当該時間は1〜12時間の範囲であり、とりわけ2〜8時間の範囲である。
反応が終了した後で、反応混合物を慣用の方法で後処理することができ、必要であれば式Iのβ-ケトニトリルを単離することができる。
反応混合物の後処理のためには、通常、最初に形成される一般式Iのβ-ケトニトリルのカリウム塩及び存在するあらゆるアルコキシドを中和する。この目的のために、反応混合物を水又は酸水溶液(例えば塩酸水溶液若しくは硫酸水溶液)と混合する。好ましくは、混合中にpHをモニターして、pHが好ましくはpH = 2、特にpH = 3の値より低くならないようにすべきである。この目的のために、例えば、結果として生じる水相のpHがpH 2〜9の範囲、特にpH 3〜8の範囲となるような量で、希薄酸水溶液を反応混合物の中へ導入する方法を適用しうる。あるいは、反応混合物を水又は酸水溶液の中へ導入し、必要であれば、酸の添加によって、水相のpHをpH 2〜9、特にpH 3〜8の範囲に再調整しうる。今や有機相は、所望の式Iのβ-ケトニトリルを、適切であれば有機溶媒に溶解した状態で含む。
乾燥後、適切であれば、式Iのβ-ケトニトリルを、例えば有機溶媒を留去する等の慣用の方法によって、有機相から単離することができる。次いで、そのβ-ケトニトリルをさらなる精製に供することができる。しかしながら、本発明の反応条件下においては、式Iのβ-ケトニトリルは、通常さらなる反応に十分な純度で得られることが見出された。しばしば、有機溶媒の除去さえも行わずに済ませることができる。
本発明の方法は、一般式Iのβ-ケトニトリル(式中、R1は少なくとも4個の炭素原子を有する置換基である)を調製するために特に好適である。式I及びIIにおいて、R1は特にC4-C12-アルキル、C3-C12-アルケニル、ベンジル、C5-C8-シクロアルキル又はC1-C10-アルコキシ-C1-C6-アルキルである。特に好ましくは、R1はC6-C12-アルキルである。同様に、R1はC3-C12-アルケニルであることが好ましい。
特に、本発明の方法は、一般式Iのβ-ケトニトリル(式中、R2はC1-C8-アルキル、CF3、C3-C8-シクロアルキル又はC1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキルである)を調製するために特に好適である。式I及びIIIにおいて、R2は特にC1-C8-アルキルであり、とりわけC1-C4-アルキルである。同様に好ましい別の実施形態によると、式I及びIIIにおいて、R2はC1-C6-アルコキシ-C1-C4-アルキルであり、特にC1-C4-アルコキシメチル又は2-C1-C4-アルコキシエチルである。
好適な式Iのβ-ケトニトリルの例は、R1及びR2がそれぞれ表1の各行に示される意味を有する、表1に列挙される一般式Iの化合物である。
Figure 0005351052
Figure 0005351052
Figure 0005351052
Figure 0005351052
Figure 0005351052
言及されうる好適な式IIのニトリルの例は、R1がI-1〜I-35の行に示される意味のいずれか1つを有する化合物である。さらに、言及されうる好適な式IIのニトリルの例は、R1がI-93〜I-126、I-179、I-180及びI-217の行に示される意味のいずれか1つを有する化合物である。
本発明の方法のためには、式IIIにおいて、R3がC1-C8-アルキル又はC1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキルであると有利であることがさらに見出された。特に、式IIIにおいてR3はC1-C4-アルキルであり、特に好ましくは直鎖C1-C4-アルキルであり、特にメチル又はエチルである。
好適な式IIIのカルボン酸エステルの例は、R2及びR3がそれぞれ表2の各行に示される意味を有する、表2に列挙される化合物III-1〜III-30である。
Figure 0005351052
特に有利な様式において、本発明により得ることができるβ-ケトニトリルを、一般式IVの7-アミノアゾロピリミジンを調製するために使用することができる。
Figure 0005351052
式IVにおいて、R1及びR2は上記の意味を有する。R4は水素、NH2又はC1-C6-アルキルである。XはN又は基C-R5(式中、R5は水素若しくはC1-C6-アルキルである)である。本発明の好ましい実施形態によると、XはNである。本発明の別の好ましい実施形態によると、XはCHである。
一般式IVの7-アミノアゾロピリミジンを、例えば欧州特許出願公開第141317号明細書及び国際公開第2006/087325号パンフレット等に記載されているような公知の従来技術の方法と同様にして、例えば、一般式Iのβ-ケトニトリルを、式V:
Figure 0005351052
(式中、R4及びXは上記の意味を有する)
のアミノアゾール化合物、又は式Vの化合物の互変異性体と反応させることによって調製することができる。
したがって、本発明はまた、一般式IVの7-アミノアゾロピリミジンを調製するための方法であって、以下の製造ステップ:
a) 本明細書に記載の方法による、一般式Iのβ-ケトニトリルの調製;並びに
b) それ自体公知の方法による、式Iのβ-ケトニトリルと式Vのアミノアゾール化合物又はその互変異性体との反応であって、それにより式IVのアゾロピリミジンを与える反応;
を含む方法に関する。
式Iのβ-ケトニトリルと式Vのアミノアゾール化合物又はその互変異性体との反応は、酸の存在下で実施されることが好ましい。好適な酸は、原則として、カルボン酸、さらには有機スルホン酸である。スルホン酸の場合、典型的には触媒量で使用され、当該量は式Vのアミノアゾール1 molに対して、大抵1〜40 mol%の範囲である。カルボン酸の場合、該カルボン酸は溶媒としても働きうる。
好適な有機スルホン酸の例は、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2,3-ジメチルベンゼンスルホン酸、3,4-ジメチルベンゼンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸である。好適な有機カルボン酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、2-メチルプロピオン酸、安息香酸及びそれらの混合物である。
当該反応は、不活性有機溶媒中で実施されることが好ましい。好適であるのは、出発物質を少なくとも部分的に又は完全に溶解させることができる有機溶媒である。好適な溶媒の例は、特にメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノールのようなC1-C4-アルカノール、上記の非環式及び脂環式エーテル、芳香族炭化水素、特に上記のようなアルキル芳香族化合物、さらにはハロゲン化された芳香族化合物(例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン)、さらにまた、グリコール及びグリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコール及びそのモノアルキルエーテル、特にジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジブチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドのような、1〜4個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸のN,N-ジ-C1-C4-アルキルアミド等のアミド及びラクタム、上記のカルボン酸、並びにこれらの溶媒の混合物、さらにはこれらの溶媒と水との混合物である。好ましい実施形態において、不活性溶媒は少なくとも80重量%、特に少なくとも90重量%の芳香族溶媒、特にアルキル芳香族化合物からなる。
化合物IVと化合物Iとの反応は、80〜250℃の範囲、特に120〜220℃の範囲、とりわけ150〜190℃の範囲の温度で実施することが好ましい。
当該反応において、反応中に形成される水を除去することが有利であり、適切であれば、例えば使用される溶媒との共沸混合物として留去する。
本発明の好ましい実施形態において、XがNであるアミノアゾールVが使用される。同様に好ましい別の実施形態において、XがCHである式Vのアミノアゾールが使用される。式IV及びVにおいて、R4は水素であることが好ましい。
好ましいアミノアゾールVの例は、3-アミノ-2H-1,2,4-トリアゾール並びにその互変異性体である3-アミノ-1H-1,2,4-トリアゾール及び3-アミノ-4H-1,3,4-トリアゾール、並びに3-アミノ-1H-ピラゾール及びその互変異性体である3-アミノ-2H-ピラゾールである。
好適な実施形態によると、β-ケトニトリルを単離する必要は無く、ステップb)はステップa)の後に直ちに実施される。特に、本発明の方法のステップb)のために、ステップa)において形成される式Iのβ-ケトニトリルのカリウム塩を中和した後で得られる、β-ケトニトリルIを不活性溶媒中に含む溶液が使用される。特に、前記溶液は、少なくとも80重量%、特に少なくとも90重量%の1種類以上のアルキル芳香族化合物からなる不活性溶媒の溶液である。
アミノアゾールIV又はその互変異性体の反応は、バッチ式か、そうでなければ連続的に実施することができる。通常はバッチ式で前記反応を実施する。この目的のために、通常はアミノアゾールIV及びβ-ケトニトリルを、適切であれば溶媒とともに、かつ適切であれば酸とともに、最初に反応容器に入れて、そして該混合物を反応温度まで加熱する。適切であれば、一部の溶媒を、反応で形成される水とともに留去する。好適な反応容器は、ステップa)に対して言及したリアクターであり、適切であれば、溶媒を蒸留除去するための手段も備えうる。
この方法で得られる反応混合物から、例えば水溶液による後処理により、また適切であれば、続いて精製のための結晶化を行うか、あるいは溶媒を除去した後で生成物の再結晶を行う等の慣用の方法で、化合物IVを単離することができる。
以下の実施例は、本発明を説明するためのものである。
比較例1(米国特許出願公開第2004/0171863号明細書の実施例10)
最初に、10.88 gのナトリウムメトキシド (0.20 mol)、41.70 g (0.60 mol)のn-ブチロニトリル及び30.14 g (0.43 mol)の酢酸n-ブチルを、室温で、250 mlの反応容積を有するスチール製オートクレーブ内に入れた。窒素を導入してオートクレーブ内をガス交換(flush)し、密閉して、150℃で2時間加熱した。冷却後に得られた固体を濾取し、乾燥した。これにより16.9 gの3-シアノブタン-2-オンをナトリウム塩の形態(粗生成物)で与えた。
16.7 gの前記粗生成物を反応容器に移した。20 mlの脱イオン水及び50 mlの酢酸エチルを加え、該混合物を撹拌した。次いで、この混合物を全量11 mlの濃塩酸で酸性化した。酸性化後、水相のpHはpH 5だった。有機相を分取し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、有機相を、ロータリーエバポレーターを用いて乾固するまで濃縮した。これにより、ガスクロマトグラムによれば88.8%の3-シアノペンタノンからなる、9.00 gの透明なオレンジ色の液体を与えた。本反応は7.99 gの全収量に相当し、これはすなわち使用された酢酸n-ブチルに基づけば、27.7%の全収率に相当する。
比較例2
最初に、7.34 gのナトリウムメトキシド、48.5 gのキシレン、64 g (0.40 mol)のデカンニトリル及び17.9 g (0.17 mol)のプロピオン酸エチルを、250 mlの反応容積を有するスチール製オートクレーブ内に入れた。窒素を導入してオートクレーブ内をガス交換し、密閉して、150℃で2時間加熱した。冷却後に得られたナトリウム塩を濾取し、乾燥した。このようにして、ガラス製フラスコの中に満たされた38.8 gの乾燥粗生成物を得て、これに27.00 gの脱イオン水及び60.84 gの酢酸エチルを加えた。次いで、この混合物を14.50 mlの濃塩酸で酸性化した。塩酸添加後、水相のpHはpH 4.5だった。有機相を分取し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、ロータリーエバポレーターを用いて乾固するまで濃縮した。これにより、ガスクロマトグラムによれば78.2%の未反応のニトリル及び11.27%の所望の生成物からなる、62.80 gの粗生成物を与えた。
本発明に係る実施例
実施例1:2-(2-メトキシアセチル)デカノニトリル
還流冷却器及び滴下ロートを装着した撹拌容器内に、最初に199.96 gの固体のカリウムメトキシドを入れ、318 gのo-キシレンを加えた。15 gのエタノールを加えて、該懸濁液を還流させるように加熱した。次いで、170 gのデカノニトリル及び180.8 gのメトキシ酢酸エチルの混合物を、滴下ロートを介して10分間にわたって加えた。添加終了後、撹拌を6時間継続し、その後、混合物を105℃まで冷却した。次に、373 gの水を加え、約388 gの20%濃度の塩酸の添加により、混合物をpH 4に調整した。温度を70℃に設定し、(下層の)水相を除去した。有機相を、別の186 gの水で洗浄した。水相除去後、水を除去するために、有機相を元の体積の半分まで濃縮した。これにより、62% a/a (GC)の値の生成物含有量を有し、該生成物としてそのままさらに反応させることができる、235.5 gの淡黄色の溶液を与えた。精製のために、当該化合物を高真空下で蒸留したところ、生成物は120〜134℃/1 mbarで留出した。
1H-NMR (CDCl3): 0.89 (t, 3H); 1.2-1.55 (m, 12H); 1.88 (m, 2H); 3.45 (s, 3H), 3.75 (dd, 1H); 4.20 (s, 2H)。
実施例2:2-アセチルデカノニトリル
還流冷却器及び滴下ロートを装着した撹拌容器内に、最初に317 gのo-キシレンを入れ、198.96 gの固体のカリウムメトキシドを加えて、該混合物を還流させながら加熱した。次いで、170 gのデカノニトリル及び133.9 gの酢酸エチルの混合物を、滴下ロートを介して10分間にわたって加えた。添加終了後、撹拌を4時間継続し、その後、混合物を105℃まで冷却した。次に、372 gの水を加え、約470 gの20%濃度の塩酸の添加により、混合物をpH 4.3に調整した。温度を65℃に設定し、(下層の)水相を除去した。有機相を、別の186 gの水で洗浄した。水相除去後、水を除去するために、有機相を元の体積の約半分まで濃縮した。これにより、66.8% a/a (GC)の値の生成物含有量を有し、該生成物としてさらに反応させることができる、211.7 gの明るい黄色の溶液を与えた。精製のために、当該化合物を高真空下で蒸留したところ、生成物は106〜121℃/1 mbarで留出した。
1H-NMR: 0.9 (t, 3H); 1.1-1.7 (m, 12H); 1.9 (m, 2H); 2.38 (s, 3H); 3.40 (dd, 1H)。
実施例3:2-プロピオニルペンタ-4-エンニトリル
加熱/冷却回路及び還流冷却器を装着した20 lのジャケット付リアクター内に、最初に3500 gのカリウムtert-ブトキシドを入れ、6316 gのテトラヒドロフランを加えた。次いで、高くとも10℃の温度で、1200 gのペンテンニトリル及び1651 gのプロピオン酸エチルの混合物を、75分間にわたってポンプで注入した。8〜10℃で3時間、その後15℃で一晩、撹拌を続けた。次に、温度を48℃まで上昇させながら、上記の混合物を6316 gの20%濃度の塩酸中にポンプで注入することにより、該混合物をpH 3.8に調整した。その後、2400 mlの水及び4000 mlのo-キシレンを加えた。(下層の)水相を除去し、有機相をそれぞれ2400 mlの水でさらに2回洗浄した。残ったのは、14650 gの有機相であった。60℃、10 mbarのロータリーエバポレーターにおける濃縮により、87.4% a/a (GC)の値の生成物含有量を有し、該生成物としてさらに反応させることができる、1873 gの琥珀状生成物(amber product)を与えた。
1H-NMR: 1.12 (s, 3H); 2.52 (q) + 2.75 (m) (合計で4H); 3.50 (t, 1H); 5.25 (m, 2H); 5.80 (m, 1H)。
実施例4:2-プロピオニルデカノニトリル
還流冷却器及び滴下ロートを装着した撹拌容器内に、最初に724 gのo-キシレンを入れ、454.2 gの固体のカリウムメトキシドを加えて、該混合物を還流させながら加熱した。次いで、392.0 gのデカノニトリル及び360.6 gのプロピオン酸エチルの混合物のうち、まず10%を、滴下ロートを介して1分間にわたって加え、該混合物を15分間撹拌した。次に、上記の混合物の残りを10分間にわたって量り入れた。添加終了後、混合物を穏やかに還流させながらさらに4時間撹拌し、その後105℃まで冷却した。この混合物を、別のタンクに入った848 gの水中に流し入れ、約1020 gの20%濃度の塩酸の添加により、pH 6に調整した。温度を80℃に設定し、(下層の)水相を除去した。これにより、37.6% a/a (GC)の値の生成物含有量を有し、該生成物としてさらに反応させることができる、1316 gの明るい黄色の溶液を与えた。精製のために、当該化合物を高真空下で蒸留したところ、生成物は130〜140℃/1 mbarで留出した。
1H-NMR: 0.9 (t, 3H); 1.11 (t, 3H), 1.2-1.4 (m, 10H); 1.4-1.55 (m, 2H); 1.8-2.0 (m, 2H); 2.75 (q, 2H), 3.40 (t, 1H)。
一般式Iのβ-ケトニトリルを調製するための一般法A
最初に、587 g (7.96 mol)のカリウムメトキシド、940 gのオルト-キシレン及び25 gのエタノールを、攪拌機、還流冷却器及び窒素流入口を備える反応容器内に入れ、その後、該混合物を、窒素雰囲気下で還流させながら加熱(浴温150℃、内部温度132℃)する。次いで、別々に分かれている2つの供給路を介し、21分間にわたって、3.23 molの式Iのニトリル及び4.4 molの式IIのエステルを、温度を維持しながら反応容器内へ同時に加える。次に、この混合物を還流させながらさらに4時間加熱して、その後105℃まで冷却する。反応容器内の熱い内容物を、1190 gの水を含有する反応タンク内へ流し出す。結果として得られる混合物を撹拌し、1350 gの20%濃度の塩酸水溶液を用いてpH 4〜5に調整して、さらに15分間撹拌する。20%濃度の塩酸を用いて水相をpH 4〜5に調整した後、該水相を15分間撹拌する。その後、水相を分取し、有機相を全量1100 gの脱イオン水で洗浄する。次いで、ロータリーエバポレーターを用いて、元の体積の約75%まで有機相を濃縮する。
化合物の精製のために、まず減圧下で溶媒を留去する。次いで、残った残留分を高真空下で精留する。これにより、式Iの化合物を、無色から淡黄色油状物の形態の主画分として与える。出発物質の未反応分を、再利用に適する初期画分(prefraction)として得る。
他に示されていなければ、このようにして、以下の式Iの化合物を調製することができる:
Figure 0005351052
Figure 0005351052
実施例48:5-エチル-6-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン
冷却器及び水分離器を装着した2.5 lのジャケット付リアクター内に、最初に737 gのo-キシレンを入れ、39.5 gのクロロスルホン酸を加えた。191.2 gの3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、及び1254 gの2-プロピオニルデカノニトリル溶液 (o-キシレン中で37.7重量%)を加え、該混合物を還流させるように加熱した。混合物を還流下で12時間撹拌し、相分離器を介して反応で形成された水を除去した。水がもはや分離除去されなくなったら、混合物を140℃まで冷却し、59.4 gのトリエチルアミンを加えた。さらなる冷却時において、生成物は無色結晶の形態で沈殿した。温度105℃で、152.8 gのメタノールを加えた。当該混合物をさらに20℃まで冷却し、形成された固体を分取した。850 gのメタノール及び119 gの水の混合物で濾過ケーキを洗浄し、その後、減圧下で乾燥した。これにより、98.3% a/a (HPLC)の含有量を有する、525.5 gの無色結晶を与えた。それぞれ199℃及び201℃の融点を有する2種の改変体(modification)の混合物として、表題の化合物を得た。収率:83.0%。
実施例49:6-アリル-5-エチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン
還流冷却器及び水分離器を装着した20 lのジャケット付リアクター内に、最初に14650 gのo-キシレンを入れ、411 gのクロロスルホン酸を加えた。2074 gの3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、及び3690 gの2-プロピオニルペンタ-4-エンニトリル溶液 (o-キシレン中で87.4重量%)を加え、該混合物を還流させるように加熱した。混合物を還流下で14時間撹拌し、相分離器を介して反応で形成された水を除去した。水がもはや分離除去されなくなったら、混合物を130℃まで冷却し、634 gのトリエチルアミンを加えた。さらなる冷却時において、生成物は無色結晶の形態で沈殿した。温度100℃で、2350 gのイソプロパノールを加えた。当該混合物をさらに20℃まで冷却し、形成された固体を分取した。イソプロパノール及び水の1:1混合物(1500 ml)で濾過ケーキを洗浄し、その後、減圧下で乾燥した。これにより、4057 gの無色結晶を与えた。融点:258℃ (分解)、1H-NMR: 1.35 (t, 3H); 2.88 (q, 2H); 3.45 (d, 2H); 5.09 (d, 2H); 5.20 (d, 2H); 5.6 (s, 幅広, 2H); 5.8-6.0 (m, 1H); 8.30 (s, 1H)。収率:84.0%。
実施例50:
実施例48と同様に、2-(2-メトキシアセチル)デカノニトリルから5-メトキシメチル-6-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミンを調製した。これにより、181〜182℃の融点を有する無色結晶を与えた。収率:85.1%。
実施例51:
実施例48と同様に、2-アセチルデカノニトリルから5-メチル-6-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミンを調製した。これにより無色結晶を与えた。それぞれ199〜200℃及び216〜217℃の融点を有する2種の改変体の混合物として、表題の化合物を得た。収率:79.2%。
一般式IVの7-アミノアゾロピリミジンを調製するための一般法B
変法1:
一般法Aによる97 mmolのケトニトリルの溶液を60 mlのメシチレン中に溶解し、該溶液を、8.1 g (97 mmol)の3-アミノ-1,2,4-トリアゾール (又は97 mmolの3-アミノピラゾール)及び3.8 gの4-トルエンスルホン酸とともに180℃で3時間加熱する。この間に、少量の溶媒及び反応で形成される水は留去される。次いで、溶媒を完全に留去し、残留物を塩化メチレンに溶解する。有機相を飽和NaHCO3水溶液及び水で洗浄した後、該有機相を乾燥し、溶媒を除去して、残留物をジエチルエーテルで温浸する。無色から淡黄色結晶として、又は無色から淡黄色油状物として、式IVの化合物が残留する。
変法2:
室温で、発煙硫酸 (18.4 mmol SO3)を60 mlのo-キシレンに加えた後、該混合物を、一般法Aによる97 mmolのケトニトリル、8.1 g (97 mmol)の3-アミノ-1,2,4-トリアゾール (又は97 mmolの3-アミノピラゾール)及び3.8 gの4-トルエンスルホン酸とともに還流させながら8時間加熱し、この間に、反応で形成される水を除去する。次いで、溶媒を完全に留去し、残留物を塩化メチレンに溶解する。有機相を飽和NaHCO3溶液及び水で洗浄した後、該有機相を乾燥し、溶媒を除去して、残留物をジエチルエーテルで温浸する。無色から淡黄色結晶として、又は無色から淡黄色油状物として、式IVの化合物を得る。
変法3:
室温で、2.14 g (18.4 mmol)のクロロスルホン酸を60 mlのo-キシレンに加えた後、該混合物を、一般法Aによる97 mmolのケトニトリル、8.1 g (97 mmol)の3-アミノ-1,2,4-トリアゾール (又は97 mmolの3-アミノピラゾール)及び3.8 gの4-トルエンスルホン酸とともに還流させながら10時間加熱し、反応で形成される水を除去する。次いで、混合物を10時間にわたって20℃まで冷却する。形成される懸濁液を濾別し、濾過ケーキをメタノール及び水で洗浄する。減圧下で乾燥した後、無色から淡黄色結晶として、又は無色から淡黄色油状物として、式IVの化合物を得る。
他に示されていなければ、このようにして、以下の式IVの化合物を調製することができる:
Figure 0005351052
Figure 0005351052
Figure 0005351052

Claims (10)

  1. 一般式I:
    Figure 0005351052
    (式中、
    R1は、C2-C12-アルキル、C2-C12-アルケニル、C2-C12-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルキル-C1-C4-アルキル、フェニル-C1-C4-アルキル、フェノキシ-C1-C4-アルキル又はベンジルオキシ-C1-C4-アルキルであって、ここでC2-C12-アルキルは基RAのいずれか1つによって置換されていてもよく、上記の基においてC3-C8-シクロアルキル基は1、2、3、4若しくは5個の基RBによって置換されていてもよく、上記の基においてフェニル基は1、2、3、4若しくは5個の基RCによって置換されていてもよく;
    RAはC1-C10-アルコキシ、C1-C6-アルコキシ-C1-C4-アルコキシ、C1-C10-アルキルチオ、NH2、C1-C10-アルキルアミノ及びジ-C1-C10-アルキルアミノからなる群より選択され;
    RBはフッ素、C1-C4-アルキル、C1-C4-ペルフルオロアルキル及びRAに対して与えられる意味からなる群より選択され;
    RCはフッ素、ニトロ、C1-C4-アルキル、C1-C4-ペルフルオロアルキル及びRAに対して与えられる意味からなる群より選択され;
    R1は少なくとも3個の炭素原子を有しており;
    R2は、C1-C8-アルキルである)
    のβ-ケトニトリルを調製するための方法であって、該方法が、式II:
    Figure 0005351052
    (式中、R1は上記の意味のいずれか1つを有する)
    のニトリルを、式III:
    Figure 0005351052
    (式中、R2は上記の意味のいずれか1つを有し、R3はC1-C12-アルキル、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル、C3-C8-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルキル-C1-C4-アルキル、フェニル-C1-C4-アルキル、フェノキシ-C1-C4-アルキル又はベンジルオキシ-C1-C4-アルキルである)
    のカルボン酸エステルと反応させることを含み、
    該反応が、脂肪族炭化水素、環式脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ジアルキルエーテル、脂環式エーテル及びそれらの混合物からなる群より選択される不活性溶媒中で実施され、
    該反応がカリウムアルコキシドの存在下で実施され、少なくとも80%の式IIのニトリルが反応条件下で反応に加えられ
    式IIのニトリルの添加及び式IIIのエステルの添加が並行して実施される、前記方法。
  2. 少なくとも80%の式IIIのカルボン酸エステルが反応条件下で反応に加えられる、請求項1に記載の方法。
  3. 1〜20%の式IIIのエステルを最初に入れる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 不活性溶媒が、該不活性溶媒の全量に対して少なくとも80重量%の、1種類以上のアルキル芳香族化合物又は少なくとも1種類のアルキル芳香族化合物と1種類以上の脂肪族若しくは環式脂肪族溶媒との混合物を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 式IIIのエステルの全量に対して、1〜20 mol%の少なくとも1種類のC1-C4-アルカノールを最初に入れる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. カリウムアルコキシドと式IIのニトリルの全量とのモル比が少なくとも0.9 : 1である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 式I及びIIにおけるR1がC6-C12-アルキルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 式IIIにおけるR3がC1-C8-アルキル又はC1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキルである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 式IV:
    Figure 0005351052
    [式中、
    R1及びR2は請求項1に示される意味のいずれか1つを有し、
    R4は水素、NH2又はC1-C6-アルキルであり、
    XはN又は基C-R5(式中、R5は水素若しくはC1-C6-アルキルである)]
    のアゾロピリミジンを調製するための方法であって、以下のステップ:
    a) 請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法により、式Iのβ-ケトニトリルを調製し;
    b) 式Iのβ-ケトニトリルを式V:
    Figure 0005351052
    (式中、R4及びXは上記の意味を有する)
    のアミノアゾール化合物、又はその互変異性体と公知の方法で反応させ、それにより式IVのアゾロピリミジンを与える;
    を含む、前記方法。
  10. 式IIのβ-ケトニトリルを含む、ステップa)で得られる反応混合物を中和して、さらなる精製をすることなく、ステップb)において該反応混合物を式Vのアミノアゾール化合物と反応させる、請求項9に記載の方法。
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