JP5350102B2 - 音叉型屈曲水晶振動子 - Google Patents
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以下、圧電材料に水晶を用いた音叉型屈曲水晶振動子について説明する。
図11に示すように、音叉型屈曲水晶振動子400は、圧電片410(図12参照)と、その圧電片410の表面に設けられた励振用電極421a,421b,422a及び422bと、接続用電極423a及び423bと、周波数調整用金属膜424a及び424bと、導配線パターン425,426及び427とにより概略構成される(例えば、特許文献1参照)。
以下、振動腕部412は、2本一対で構成されているため、第一の振動腕部412a、第二の振動腕部412bとして説明する。
支持腕部413は、第一の振動腕部412aと第二の振動腕部412bとの間に位置し、この位置から基部411より第一の振動腕部412a及び第二の振動腕部412bと同一の方向に延出している。
また、第二の振動腕部412bの両側面に設けられた励振用電極422bは、周波数調整金属膜424bにより電気的に接続している。
また、接続用電極423aは、基部411主面に設けられた導配線パターン427により、第二の振動腕部412bの励振用電極422aと電気的に接続している。
また、接続用電極423bは、基部411主面に設けられた導配線パターンにより、励振用電極421aと電気的に接続している。
なお、圧電振動素子400は、この周波数調整用金属膜424a及び424bを構成する金属の量を増減させることにより、その振動周波数値を所望する値に調整することができる。
また、この特許文献2で開示されている音叉型屈曲水晶振動子の応用形態としては、この支持腕部の厚み方向に切欠きを設け、この切欠きにより振動腕部から漏れる振動を減衰させて、振動が伝播するのを防いでいる(例えば、特許文献3参照)。
また、音叉型屈曲水晶振動子の構造としては、基部の主面に溝状の凹部を形成したものが提案されている。この音叉型振動素子は、振動腕部から漏れる振動を減衰させて、振動の伝播を防ぐように溝状の凹部を形成している(例えば、特許文献4参照)。
また、これら音叉型屈曲水晶振動子は、例えば、一方の主面に開口部を有する凹部を有する素子搭載部材の、凹部内底面に形成された素子接続用電極パッド上に搭載され、さらに凹部の開口部は蓋体により気密封止されつつ、少なくとも発振回路を備えた集積回路素子を圧電振動素子と電気的に接続した構造とすると圧電発振器となる(例えば、特許文献5参照)。
また、支持腕部を構成要素の一部としない音叉型屈曲水晶振動子は、基部の幅方向、つまり、振動腕部が基部から延出する方向に対して直角となる方向に溝状の凹部を形成しても、振動腕部から漏れる振動を十分に減衰させることができず、温度特性やCI値を悪化させる恐れがある。
図1に示すように、本発明の第一の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動子100は、圧電片110a(図2参照)と、その圧電片110aの表面に設けられた励振用電極121a,121b,122a及び122bと、接続用電極123a及び123bと、周波数調整用金属膜124a及び124bと、導配線パターン125,126,127と、により概略構成される。
なお、振動腕部112は、2本一対であることから、第一の振動腕部112a及び第二の振動腕部112bとして説明する。
この支持腕部113に第一の凹部31が設けられている。
また、この第一の凹部31は、実装の際に用いられる導電性接着剤が付けられる位置から離れた位置に設けられている。例えば、支持腕部113の先端部分を導電性接着剤が付けられる部分とした場合、支持腕部113の中間部分から基部111側に離れた位置に設けられることとなる。
また、この第一の凹部31は、支持腕部113の厚さの中心を越えた深さで形成されている。
したがって、第一の凹部31は、振動腕部112から漏れた振動を減衰させて支持する部分へ伝播する振動を減衰させることがきる。
周波数調整用金属膜124aは、第一の振動腕部112aの表裏主面の先端部に設けられており、第一の振動腕部112aの両側面に設けられた励振用電極121bと電気的に接続している。
接続用電極123aは、第一の支持腕部113の先端部分であって、第一の振動腕部112a側の表裏主面に設けられている。
周波数調整用金属膜124bは、第二の振動腕部112bの表主面及び側面の先端部に設けられており、第二の振動腕部112bの両側面に設けられた励振用電極122bと電気的に接続している。
また、接続用電極123bは、第一の支持腕部113の先端部分であって、第二の振動腕部112b側の表裏主面に設けられている。
接続用電極123bは、導配線パターン126と電気的に接続している。この導配線パターン126は、基部111の表裏両主面に設けられている。また、この導配線パターン126は、励振用電極122b及び周波数調整用金属膜124bと電気的に接続している。また、基部111の裏主面に設けられた導配線パターン126は、励振用電極121aと電気的に接続している。
また、支持腕部113の第一の凹部31エッチング残渣を考慮することがなく、容易に形成することができる。
本発明の第二の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動子は、図3に示すように、音叉型屈曲水晶振動子に用いられる圧電片110bが、支持腕部113に設けられる第一の凹部31を、支持腕部113の表裏主面に有している点で第一の実施形態と異なる。
以下、第一の実施形態と同一の構成要素については重複する説明を省略し、同一の符号を付す。
つまり、例えば裏主面に設けられた第一の凹部31は、表主面に設けられている第一の凹部31よりも基部111側に近い位置に設けられている。
例えば、第一の凹部31の深さが50%以下の場合は、支持腕部113内を伝播する振動が第一の凹部31を通過してしまい、振動が漏れた状態となってCI値を向上させにくくなる。また、第一の凹部31の深さが90%以上の場合は、支持腕部113の強度を確保することができず、製造途中で破損する恐れがある。
したがって、第一の凹部31は、図4に示すように、表主面を伝播する振動Wを表主面側に設けられた第一の凹部31で減衰させ、裏主面を伝播する振動Wを裏主面側に設けられた第一の凹部31で減衰させる。また、それぞれの第一の凹部31が支持腕部113の厚みの中心CLを越える深さで形成されているので、支持腕部113の内部を伝播する振動も第一の凹部31で減衰させることができる。したがって、第一の凹部31により、振動腕部112から漏れた振動を減衰させて支持腕部113における支持する部分へ伝播する振動をさらに減衰させることがきる。
このように、支持腕部113の表裏主面の第一の凹部31が所定の間隔をあけて設けられているので、さらに振動の減衰をさせることができる。
本発明の第三の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動子は、例えば、図5に示すように、第一の実施形態に用いられる圧電片110aの支持腕部113を、振動腕部112である第一の振動腕部112aと第二の振動腕部112bとは反対の方向に基部111から延出させて構成されている。
その一例として、図5に示す圧電片110cについて説明する。
圧電片110cは、基部111と、この基部111から延出する第一の振動腕部112aと第二の振動腕部112bと、これら第一の振動腕部112a及び第二の振動腕部112bとは反対の方向に基部から延出する第一の支持腕部113とを備えている。
また、支持腕部113は、全幅にわたって第一の凹部31が設けられている。
また、この第一の凹部31は、実装の際に用いられる導電性接着剤が付けられる位置から離れた位置に設けられている。例えば、支持腕部113の先端部分導電性接着剤が付けられる部分とした場合、支持腕部113の中間部分から基部111側に離れた位置に設けられることとなる。
このように第三の実施形態を構成しても、第一の実施形態と同様の効果を奏する。
第三の実施形態の変形例に係る音叉型屈曲水晶振動子は、図6に示すように、圧電片110dが、支持腕部113に設けられる第一の凹部31を表裏主面に有している点で第三の実施形態と異なる。
言い換えれば、第三の実施形態の変形例に係る音叉型屈曲水晶振動子は、支持腕部113を振動腕部112とは反対の方向に基部111から延出している点で第二の実施形態と異なる。
支持腕部113の第一の凹部31を、支持腕部113の表裏主面に向かい合わないように所定の間隔をあけて設けられている。
この表主面側に設けられる第一の凹部31は、裏主面側に設けられる第一の凹部31より基部111側に設けられる。
このように第三の実施形態の変形例を構成しても、第二の実施形態と同様の効果を奏する。
本発明の第四の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動子は、基部111が第二の凹部32を有している点で第三の実施形態と異なる。
図7に示すように、本発明の第四の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動子に用いられる圧電片110eは、基部111と、この基部111から延出する第一の振動腕部112aと第二の振動腕部112bと、これら第一の振動腕部112a及び第二の振動腕部112bとは反対の方向に基部から延出する第一の支持腕部113とを備えている。
ここで、基部111は、幅方向に導配線パターンを設ける部分を残して全幅にわたって第二の凹部32が設けられている。
また、支持腕部113は、全幅にわたって第一の凹部31が設けられている。
このように、第四の実施形態を構成したので、支持腕部113が有する第一の凹部31による振動の減衰に加えて、基部111が有する第二の凹部32による振動の減衰が行えるので、第一の振動腕部112a及び第二の振動腕部112bから漏れる振動の伝播の軽減を向上させることができる。
第四の実施形態の変形例に係る音叉型屈曲水晶振動子は、図8に示すように、圧電片110fが、基部111の表裏主面に幅方向に伸びる第二の凹部32を有している点で第四の実施形態と異なる。
支持腕部113の第一の凹部31は、表裏主面に向かい合わないように所定の間隔をあけて設けられている。
また、基部111の裏主面側に設けられる第二の凹部32は、表主面側に設けられる第一の凹部32より第一の励振腕部112a及び第二の励振腕部112bに近い側に設けられる。
このように第四の実施形態の変形例を構成しても、支持腕部113が有する表裏主面の第一の凹部31による振動の減衰に加えて、基部111が有する表裏主面の第二の凹部32による振動の減衰が行えるので、第一の振動腕部112a及び第二の振動腕部112bから漏れる振動の伝播の軽減を向上させることができる。
本発明の第五の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動子は、第一の実施形態〜第四の実施形態、および変形例に用いられる圧電片110a〜110fの振動腕部112である第一の振動腕部112a及び第二の振動腕部112bが第三の凹部33を有して構成されている。
その一例として、図9に示す圧電片110gについて説明する。
圧電片110gは、基部111と、この基部111から延出する第一の振動腕部112aと第二の振動腕部112bと、これら第一の振動腕部112a及び第二の振動腕部112bと同一の方向に基部から延出する支持腕部113とを備えている。
これら第三の凹部33は、第一の振動腕部112aと第二の振動腕部112bとの基部から延出する延出方向と同一となっており、所定の深さで第一の振動腕部112aと第二の振動腕部112bとに形成されている。
また、第三の凹部33は、第一の振動腕部112aと第二の振動腕部112bよりも長さが短くなるように第一の振動腕部112aと第二の振動腕部112bに設けられる。
このような第三の凹部33は、振動の伝播を軽減させる役割はなく、第一の振動腕部112aと第二の振動腕部112bとの屈曲振動を安定させる役割を果たす。
第一の支持腕部113は、全幅にわたって第一の凹部31が設けられている。
なお、支持腕部113の第一の凹部31を、向かい合わないように表裏主面に所定の間隔をあけて設けられている。
このように、第五の実施形態を構成しても、振動腕部112から漏れる振動を減衰させることができる。
本発明の第六の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動子は、第一の実施形態〜第四の実施形態、および変形例に用いられる圧電片110a〜110fの振動腕部112である第一の振動腕部112a及び第二の振動腕部112bがそれぞれ2本一対の第三の凹部33を有して構成されている。
その一例として、図10に示す圧電片110hについて説明する。
圧電片110hは、基部111と、この基部111から延出する第一の振動腕部112aと第二の振動腕部112bと、これら第一の振動腕部112a及び第二の振動腕部112bと同一の方向に基部から延出する支持腕部113とを備えている。
これら第三の凹部33は、第一の振動腕部112aと第二の振動腕部112bとの基部から延出する延出方向と同一となっており、所定の深さで第一の振動腕部112aと第二の振動腕部112bとに形成されている。
また、第三の凹部33は、第一の振動腕部112aと第二の振動腕部112bよりも長さが短くなるように第一の振動腕部112aと第二の振動腕部112bに設けられる。
このような第三の凹部33は、振動の伝播を軽減させる役割はなく、第一の振動腕部112aと第二の振動腕部112bとの屈曲振動を安定させる役割を果たす。
なお、支持腕部113の第一の凹部31を、向かい合わないように表裏主面に所定の間隔をあけて設けられている。
このように、第六の実施形態を構成しても、振動腕部112から漏れる振動を減衰させることができる。
例えば、第一の実施形態を基にして、第二の実施形態から第六の実施形態を種々組み合わせた構造の音叉型屈曲水晶振動子を構成しても本発明に含まれるのは言うまでもない。
また、第一の凹部31及び第二の凹部は、一方の主面又は両方の主面において、複数並べるように設けても良い。
これらのように音叉型屈曲水晶振動子を構成しても、振動腕部から漏れる振動を減衰させて、支持する部分への振動の伝播を軽減し、温度特性やCI値の悪化を軽減させることができる。
31 第一の凹部
32 第二の凹部
33 第三の凹部
110a〜110h 圧電片
111 基部
112 振動腕部
112a 第一の振動腕部
112b 第二の振動腕部
113 支持腕部
Claims (4)
- 基部と、この基部から延出する2本一対の振動腕部と、前記基部より延出する一本の支持腕部と備え、
前記支持腕部が幅方向に全幅にわたって溝状の第一の凹部を有し、
前記支持腕部が、前記基部から延出する前記振動腕部とは反対方向に延出して構成されており、
前記基部が、前記振動腕部の延出する方向に対して直角となる方向に溝状の第二の凹部を有して構成されていること
ことを特徴とする音叉型屈曲水晶振動子。 - 前記基部が、前記第二の凹部を前記基部の両主面に有しつつ互いに向き合わずに所定の間隔をあけて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の音叉型屈曲水晶振動子。
- 二本一対の前記振動腕部のそれぞれが、前記振動腕部よりも短い溝状の第三の凹部を有して構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の音叉型屈曲水晶振動子。
- 二本一対の前記振動腕部のそれぞれが、前記振動腕部よりも短い2つ以上並んだ溝状の第三の凹部を有して構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の音叉型屈曲水晶振動子。
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