JP5349253B2 - 排熱回収システムおよび排熱回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、脱臭装置より排出される排ガスを利用した排熱回収システム、および排熱回収方法の技術に関する。
一般的に、塗装工場などのように有機溶剤を扱う工場では、環境対策に万全を期する必要性から、工場内の悪臭物質(揮発性有機化合物)を含む臭気ガスは、脱臭装置によって一旦脱臭した後、高温の排ガス(以下、「分解ガス」と記す)として大気中に排出することとしている。
一方、近年では環境対策の一つとして二酸化炭素(CO2)の低減化に関する要望が高まっており、これら塗装工場などにおいても、工場全体として省エネルギー化を実現することが急務となっている。
ここで、従来から、回収した熱(排熱)を再利用することで省エネルギー化を実現するための技術として、コージェネレーションシステム(Cogeneration System)が知られている(例えば、「特許文献1」を参照。)。
しかし、前記コージェネレーションシステムはガスエンジンなどによって発電を行うとともに、該ガスエンジンなどから放出された排ガスに含まれる熱を回収し、再び給湯や暖房などに利用するように構築されたシステムである。つまり、コージェネレーションシステムは、再利用を行う排熱の供給源として、ガスエンジンなどを必要とするシステムとなっている。このため、このようなコージェネレーションシステムは、前述した塗装工場などにおいて、脱臭装置より排出される高温の分解ガスから熱を回収するために用いることができない。
そこで、脱臭装置の分解ガスから排熱回収を行い、工場全体として省エネルギー化を図った排熱回収システムが提案されている。
ここで、従来の排熱回収システムの一例について、図4を用いて概略説明する。
排熱回収システム200は、主に脱臭装置201や、排熱循環装置202や、排熱取出装置203などにより構成される。
脱臭装置201には、分解ガスを大気中に排出するための排出ガス用ダクト211が固設され、該排出ガス用ダクト211の内部には、排熱循環装置202に具備される熱回収コイル221が配設される。
また、排熱循環装置202は、前記熱回収コイル221や、複数の温水漕222・222や、これら熱回収コイル221と温水漕222・222との間に設けられる第一循環経路223などによって構成され、前記温水漕222・222は、排熱取出装置203・203を介して、例えば電着塗装ラインの前処理ラインに設けられる、化成槽204aや、脱脂槽204bなどからなる複数の被昇温対象物204・204に各々連通される。
そして、化成槽204aや、脱脂槽204bに用いられる液体(以下、「温水」と記す)は、排熱取出装置203・203を介して一旦各々の温水漕222・222の内部に備蓄され、その後、排熱循環装置202によって循環運転されることで、分解ガスの熱を回収して昇温され、再び各々の温水漕222・222に供給されるようになっている。
つまり、温水は熱回収コイル221を通過することで、排出ガス用ダクト211内を流れる分解ガスの熱を受け取って昇温され、一旦温水漕222・222の内部に備蓄された後、必要に応じて化成槽204aや、脱脂槽204bに各々供給されるようになっている。
特開2009−74744号公報
このような排熱回収システム200を用いれば、脱臭装置201より排出される高温の分解ガスより熱(排熱)を回収し、回収した熱を温水の昇温のために再利用することが可能となり、塗装工場などにおいて、工場全体として省エネルギー化を図ることができる。
しかし、前記排熱回収システム200は、化成槽204aや、脱脂槽204bによって用いられる温水を、直接熱回収コイル221を介して昇温させる構成となっている。よって、排熱回収システム200における熱の回収は、分解ガスの排出時、即ち脱臭装置201の運転中に限定されることとなり、前記排熱回収システム200は、脱臭装置201の運転が停止している間、運転停止を余儀なくされるシステム構成となっていた。
また、第一循環経路223の一部が破損して、温水の漏水が発生した場合には、化成槽204aや、脱脂槽204bの槽内における温水の水量を保持することができなくなり、前記排熱回収システム200は、電着塗装ラインの前処理ラインに直接影響を与えるようなシステム構成となっていた。
このような問題点を鑑み、本発明においては、脱臭装置より排出される排ガス(分解ガス)の熱を利用するとともに、他の生産ライン(例えば、前述した電着塗装ラインの前処理ラインなど)に影響を与えることのない独立した単独システムとして構築される排熱回収システム、および排熱回収方法を提供することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、脱臭装置を利用した排熱回収システムであって、脱臭装置と、前記脱臭装置に配設され該脱臭装置からの排ガスを外部に排出するための排出ガス用ダクト内に設けられる熱交換器と、前記熱交換器内を流動して、前記排出ガス用ダクト内を通過する排ガスにより昇温される循環水と、前記循環水を一時的に備蓄する蓄熱タンクと、前記熱交換器と蓄熱タンクとを接続し、前記循環水を前記熱交換器と前記蓄熱タンクとの間で循環させるための循環経路と、前記蓄熱タンク内の循環水を外部に取り出し、取り出した循環水を循環させ、該循環水の熱により被昇温対象物を昇温する昇温手段と、前記循環水の温度が所定温度未満であるときに、前記被昇温対象物に高温蒸気を供給して、前記被昇温対象物を昇温させる蒸気供給経路と、を備えるものである。
請求項2においては、請求項1に記載の排熱回収システムであって、前記排出ガス用ダクトは、本流部と、前記本流部の中途部で分岐するバイパス部と、により構成され、前記熱交換器は前記バイパス部内に設けられ、前記本流部内における前記バイパス部の分岐箇所近傍の下流側と、前記バイパス部内における前記本流部からの分岐箇所近傍とには、前記本流部およびバイパス部の開閉量を調節可能な開閉弁を配設するものである。
請求項3においては、請求項2に記載の排熱回収システムであって、前記蓄熱タンクには、内部に備蓄する循環水の温度を検出する第一温度検出手段を配設し、前記第一温度検出手段により検出した温度に基づいて、前記開閉弁の開閉量を比例制御するものである。
請求項4においては、請求項2、または請求項3に記載の排熱回収システムであって、前記被昇温対象物には、該被昇温対象物の温度を測定する第二温度検出手段が配設され、前記第二温度検出手段により検出した温度が所定の温度になるように、前記昇温手段に循環させる循環水の流量を調整するとともに、前記開閉弁弁、および前記循環経路内と前記昇温手段とを循環する循環水の流量は共通の制御装置によって制御されるものである。
請求項5においては、請求項4に記載の排熱回収システムであって、前記制御装置は表示パネルを具備し、前記脱臭装置と前記開閉弁とに関する運転状況、および前記循環経路内と前記昇温手段を循環する循環水に関する現状況は、前記表示パネルによって表示されるものである。
請求項6においては、請求項1乃至請求項5のうちのいずれか一項に記載の排熱回収システムであって、前記循環水は、前記熱回収コイル内を流動することにより、85℃以上90℃以内にまで昇温されるものである。
請求項7においては、脱臭装置を利用した排熱回収方法であって、脱臭装置より排出された排出ガスの熱を循環水により回収して、該循環水を昇温させ、昇温された循環水を一時的に備蓄し、備蓄された循環水を外部に取り出して、該循環水の熱により被昇温対象物を昇温前記循環水の温度が所定温度未満であるときには、前記被昇温対象物に高温蒸気を供給して、前記被昇温対象物を昇温させるものである。
請求項8においては、請求項7に記載の排熱回収方法であって、前記排出ガスより回収する熱の増減は、前記排出ガスの流量を増減することにより行うものである。
請求項9においては、請求項8に記載の排熱回収方法であって、前記循環水の温度を測定し、前記温度に基づく比例制御を行うことで、前記排出ガスの流量を増減するものである。
請求項10においては、請求項8、または請求項9に記載の排熱回収方法であって、前記被昇温対象物の温度を測定し、前記温度に基づいて、前記被昇温対象物が所定の温度になるように、前記備蓄された循環水を外部に取り出す流量を調整するとともに、前記排出ガスの流量と、前記排出ガスの熱を回収する循環水の流量と、回収した熱を外部に取り出す循環水の流量と、は共通の制御装置によって制御するものである。
請求項11においては、請求項10に記載の排熱回収方法であって、前記制御装置は表示パネルを具備し、前記脱臭装置と前記開閉弁とに関する運転状況、および前記循環経路内と前記昇温手段を循環する循環水に関する現状況は、前記表示パネルによって表示されるものである。
請求項12においては、請求項7乃至請求項11のうちのいずれか一項に記載の排熱回収方法であって、前記循環水は、前記熱回収コイル内を流動することにより、85℃以上90℃以内にまで昇温されるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に拠れば、脱臭装置より排出される排ガス(分解ガス)の熱を利用するとともに、他の生産ライン(例えば、前述した電着塗装ラインの前処理ラインなど)に影響を与えることのない独立した単独システムとして構築される排熱回収システム、および排熱回収方法を提供することができる。
本発明の一実施例に係る排熱回収システムの全体的な構成を示した系統線図。 排熱循環装置の運転方法を示したフローチャート。 排熱取出装置の運転方法を示したフローチャート。 従来の排熱回収システムの全体的な構成を示した系統線図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
[排熱回収システム100の全体構成]
先ず、本発明の一実施例に係る排熱回収システム100の全体的な構成について、図1を用いて説明する。
本実施例における排熱回収システム100は、脱臭装置1を利用した排熱回収システム100であって、脱臭装置1から排出された排ガス(以下「分解ガス」と記載する)より熱(排熱)を回収し、回収した熱により、熱媒体としての循環水を介して被昇温対象物4を昇温させるシステムである。
ここで、循環水として用いられる液体の種類については、特に限定されるものではないが、本実施例においては、経済的に安価であり、熱効率が高いなどの理由から、工業用水である水を用いている。
また、本実施例における被昇温対象物4としては、主に電着塗装ラインの前処理ラインに設けられる湯洗槽4aや、化成槽4bや、脱脂槽4cなど(の内部に貯溜される液体)としている。即ち、本実施例においては、主に塗装工場の生産ラインにおいて用いられる排熱回収システム100について記述する。
しかし、本発明における排熱回収システム100は、このような塗装工場の生産ラインにおいて用いられる場合に限定されず、脱臭装置1を用いたあらゆる設備に利用することができるシステムである。
排熱回収システム100は脱臭装置1や、排熱循環装置2や、排熱取出装置3や、排熱回収システム100全体の運転を制御する制御装置5などにより構成される。
先ず、脱臭装置1について説明する。
脱臭装置1は、所謂既知のRTO(Regenerative Thermal Oxidizer)脱臭装置や直燃式脱臭装置などからなり、熱分解法によって揮発性有機化合物(VOC)を水と二酸化炭素とに分解することで脱臭を行う装置である。
なお、本実施例においてはRTO脱臭装置が設けられるが、これに限定されるものではなく、本発明に係る排熱回収システムおよび排熱回収方法を具現化する排熱回収システム100は、あらゆるタイプの脱臭装置を用いて構成可能なシステムである。
脱臭装置1の一例であるRTO脱臭装置としては、ハニカム状の蓄熱体を有する蓄熱室と、バーナーを有する燃焼室と、を内部に含む炉本体部を具備して構成されるものが知られている。
そして、悪臭物質(揮発性有機化合物)を含む排ガスは、吸気口を介して炉本体部の内部に供給されると蓄熱室に通され、蓄熱体に蓄えられている熱によって予熱される。
続いて、予熱された排ガスは燃焼室に通され、バーナーによって燃焼される。これにより、排ガス内の悪臭物質(揮発性有機化合物)は水と二酸化炭素とに分解される。
その後、悪臭物質(揮発性有機化合物)を取り除かれた分解ガスは、再び蓄熱室を通って蓄熱体に熱を与えた後、脱臭装置1の外部へと排気されるようになっている。
脱臭装置1には、脱臭を終えた分解ガスを該脱臭装置1の外部に排出するための排出ガス用ダクト11が配設される。
排出ガス用ダクト11は本流部11aと、該本流部11aの中途部に設けられるバイパス部11bとにより構成される。
本流部11aは脱臭装置1の炉本体部において、蓄熱室と連通するようにして配設される。また、バイパス部11bは本流部11aの中途部において、一旦分岐して再び本流部11aと合流するようにして配設される。
なお、バイパス部11bの形状については、本実施例に拠るものに限定されるものではなく、例えば、本流部11aの中途部にて一旦分岐し、そのまま該本流部11aと合流することなく任意の方向に延出するように形成してもよい。
そして、本流部11aの内部において、バイパス部11bとの連通箇所(即ち、バイパス部11bが本流部11aより分岐する分岐箇所11A、およびバイパス部11bが本流部11aと合流する合流箇所11B)により挟まれた領域にはダンパー12が配設される。
つまり、本流部11aの内部において、バイパス部11bの分岐箇所11A近傍における下流側にはダンパー12が配設される。
また、バイパス部11bの内部において、本流部11aとの上流側の連通箇所(即ち、バイパス部11bの脱臭装置1側端部となる、本流部11aからの分岐箇所11A)の近傍にはダンパー13が配設されるとともに、バイパス部11b内部の略中央部には、後述する熱回収コイル21が配設される。
なお、本流部11a内において、脱臭装置1の炉本体部との連通箇所近傍には、温度センサーなどからなる温度検出手段55が嵌設され、該温度検出手段55により、脱臭装置1より排出された分解ガスの温度が測定されるようになっている。
ダンパー12は本流部11a内部の断面形状と略同じ形状からなる板状部材12aと、該板状部材12aを回動可能に支持する回動軸12bと、により構成される。そして、ダンパー12は本流部11aの内部において、回動軸12bが本流部11aの中心軸と直交するようにして回動可能に配設される。
また、ダンパー13はバイパス部11b内部の断面形状と略同じ形状からなる板状部材13aと、該板状部材13aを回動可能に支持する回動軸13bと、により構成される。そして、ダンパー13はバイパス11bの内部において、回動軸13bがバイパス部11bの中心軸と直交するようにして回動可能に配設される。
なお、これらダンパー12・13は本実施例に拠るものに限定されるものではなく、前記ダンパー12・13が配設される排ガス用ダクト11の断面形状に基づいて、様々な構成を有するものである。
例えば、排ガス用ダクト11の断面形状が矩形状である場合、該断面形状に即して形成される矩形状の枠体と、該枠体の内周部において回動可能に並設される複数の板状部材と、により、これらダンパー12・13を各々構成してもよい。
そして、これらダンパー12・13にはステッピングモータなどからなるアクチュエーター12c・13cが各々設けられ、該アクチュエーター12c・13cによってダンパー12・13を回動することで、本流部11a、およびバイパス部11b内部の開閉量が調節されるようになっている。
つまり、ダンパー12の板状部材12aが本流部11aの中心軸に対して直交する状態であれば、本流部11aの内部はダンパー12によって完全に塞がれた状態となる(「全閉状態」)。
このような「全閉状態」から回動軸12bを中心として、ダンパー12を徐々に回動していくと、これに従い本流部11aの内部も徐々に開放されていく。
そして、板状部材12aが本流部11aの中心軸に対して平行となる状態にまでダンパー12が回動すると、本流部11aの内部はダンパー12より完全に開放された状態となる(「全開状態」)。
一方、ダンパー13の板状部材13aがバイパス部11bの中心軸に対して直交する状態であれば、バイパス部11bの内部はダンパー13によって完全に塞がれた状態となる(「全閉状態」)。
このような「全閉状態」から回動軸13bを中心として、これらダンパー13を徐々に回動していくと、これに従いバイパス部11bの内部も徐々に開放されていく。
そして、板状部材13aがバイパス部11bの中心軸に対して平行となる状態にまでダンパー13が回動すると、バイパス部11bの内部はダンパー13より完全に開放された状態となる(「全開状態」)。
なお、これらダンパー12・13の回動動作は、互いの開度(回動軸12b・13bを中心とした板状部材12a・13aの回転角度)が常に反比例の関係を維持することとなっている。
即ち、ダンパー12が「全開状態」にある場合、ダンパー13は常に「全閉状態」となっている。また、ダンパー12が「全閉状態」にある場合、ダンパー13は常に「全開状態」となっている。
そして、ダンパー12が「全閉状態」に向かって回動すれば、ダンパー13はダンパー12の開度と同じ分だけ「全開状態」に向かって回動動作を行う。また、ダンパー12が「全開状態」に向かって回動すれば、ダンパー13はダンパー12の開度と同じ分だけ「全閉状態」に向かって回動動作を行うのである。
次に、排熱循環装置2について説明する。
排熱循環装置2は分解ガスより回収した熱を、循環水を介して蓄熱するための装置であり、熱回収コイル21や、蓄熱タンク22や、これら熱回収コイル21と蓄熱タンク22との間に設けられる第一循環経路23などにより構成される。
熱回収コイル21は所謂既知の熱交換器であり、分解ガスが有する熱を、循環水に受け渡すためのものである。
熱回収コイル21は、バイパス部11b内部の略中途部(バイパス部11bの内部において、分解ガスの流れ方向に対する略中途部)に配設されており、例えば連続的に繋がる複数本のヒートパイプを有して構成されている。前記各ヒートパイプには、それぞれ複数の板状部材からなる伝熱面(フィン)が固設される。
また、前記各ヒートパイプの一端部は第一循環経路23の送給経路23aと連通され、他端部は第一循環経路23の送還経路23bと連通される。
そして、脱臭装置1より排出された分解ガスがバイパス部11b内に流れ込み、熱回収コイル21を通過することで、前記分解ガスの有する熱は伝熱面(フィン)を介して各ヒートパイプ内に伝わる。その後、各ヒートパイプ内に伝わった熱は、送給経路23aを通って該ヒートパイプ内に流れ込んだ循環水を昇温する。つまり、熱回収コイル21によって、バイパス部11bを通過する分解ガスの熱は、循環水へ移動(回収)されるのである。
蓄熱タンク22は昇温された循環水を介して、分解ガスより回収した熱を一時的に備蓄するためのタンクである。
蓄熱タンク22は断熱部材などにより十分な保温対策が施され、該蓄熱タンク22内に備蓄される循環水の温度が、外気によって影響を受けないようになっている。
なお、蓄熱タンク22内には、温度センサーなどからなる温度検出手段56が嵌設され、該温度検出手段56により蓄熱タンク22内に備蓄される循環水の温度が測定されるようになっている。そして後述するように、測定された循環水の温度に基づいて、ダンパー12・13の開閉状態を制御することで、前記循環水が異常な高温度にまで昇温されることを防止するようになっている。
第一循環経路23は、熱回収コイル21と前記蓄熱タンク22との間において、循環水を循環させるための経路として設けられ、主に蓄熱タンク22より熱回収コイル21へ循環水を送給する送給経路23aと、熱回収コイル21より蓄熱タンク22へ循環水を送還する送還経路23bとにより構成される。
そして、これら送給経路23aおよび送還経路23bは、各々その一端部が熱回収コイル21と連通され、その他端部が蓄熱タンク22と連通される。
つまり、第一循環経路23は、熱回収コイル21と蓄熱タンク22とを接続し、前記循環水を前記熱回収コイル21と前記蓄熱タンク22との間で循環させるための循環経路として、これら前記熱回収コイル21と前記蓄熱タンク22との間に設けられる。
送給経路23aにおいて、蓄熱タンク22との連通過所近傍にはポンプ24が設けられる。そして、蓄熱タンク22内に備蓄される循環水は、ポンプ24によって熱回収コイル21に向かって吐出される。
そして、蓄熱タンク22内に備蓄される循環水は、ポンプ24によって熱回収コイル21に送られ、熱回収コイル21に送られた循環水は、ヒートパイプ内を流れることで分解ガスの熱を取り込んで昇温され、昇温された循環水は、送還経路23bを通って再び蓄熱タンク22へと送られ該蓄熱タンク22内に備蓄されるのである。
つまり、循環水は、第一循環経路23を介して蓄熱タンク22と熱回収コイル21との間を循環しながら、分解ガスの熱を回収するのである。
次に、排熱取出装置3について説明する。
排熱取出装置3は、蓄熱タンク22内に備蓄される循環水を取り出し、取り出した循環水を循環させ、該循環水を熱媒体として被昇温対象物4を昇温するための昇温手段として具備される装置であり、熱交換器31や、第二循環経路32などにより構成される。
第二循環経路32は、熱交換器31と前記蓄熱タンク22との間において、循環水を循環させるための経路として設けられ、主に蓄熱タンク22より熱交換器31へ循環水を送給する送給経路32aと、熱交換器31より蓄熱タンク22へ循環水を送還する送還経路32bとにより構成される。
そして、これら送給経路32aおよび送還経路32bの一端部は、各々熱交換器31と連通されるとともに、その他端部は、各々蓄熱タンク22と連通される。
つまり、熱交換器31は既知のヒートパイプより形成され、その一端部が第二循環経路32の送給経路32aと連通され、その他端部が第二循環経路32の送還経路32bと連通されている。
そして、蓄熱タンク22内の循環水は、送給経路32aを通って熱交換器31に流れ込み、熱交換器31に流れ込んだ循環水は、後述する被昇温対象物4内に熱を伝達し、該熱が伝達された被昇温対象物4は、昇温されるのである。
熱交換器31内に流れ込んだ循環水は、熱を放出した後に送還経路32bから蓄熱タンク22へ送還される。
送給経路32aにおいて、蓄熱タンク22との連通過所近傍にはポンプ33が設けられ、該ポンプ33によって蓄熱タンク22内に備蓄される循環水は、熱交換器31に向かって吐出される。
このような構成からなる排熱取出装置3・3・3は、被昇温対象物4・4・4としての湯洗槽4aや化成槽4bや脱脂槽4cに対して各々具備されており、これら各槽4a・4b・4cの内部に熱交換器31・31・31が挿入して配設されている。
なお、これら湯洗槽4aや化成槽4bや脱脂槽4c内には、温度センサーなどからなる温度検出手段57・57・57が各々嵌設され、該温度検出手段57・57・57により、各槽4a・4b・4c内に貯溜される液体(以下、「温水」と記す)の温度が各々測定されるようになっている。
そして、蓄熱タンク22内に備蓄される循環水は、ポンプ33によって熱交換器31に送られる。また、熱交換器31に送られた循環水は、ヒートパイプ内を流れることで熱が奪われて冷却される。そして、冷却された循環水は、送還経路32bを通って再び蓄熱タンク22へと送られ、該蓄熱タンク22内に備蓄されるのである。
一方、循環水より奪った熱は、被昇温対象物4としての脱脂槽4cや化成槽4bや湯洗槽4a(の内部に貯溜される温水)に各々伝えられ、これら各槽4a・4b・4c内(の内部に貯溜される温水)を昇温する。
なお、これら脱脂槽4cや化成槽4bや湯洗槽4aにおいては、排熱取出装置3・3・3が各々配設される一方で、高温の蒸気を供給する蒸気供給経路58・58・58が連通されている。
そして、蒸気供給経路58・58・58には電磁式開閉弁59・59・59が各々配設され、後述する制御装置5から送信される指令に基づき、これら電磁式開閉弁59・59・59が動作することで、蒸気供給経路58・58・58の開閉状態は、各々制御されるようになっている。
即ち、これら電磁式開閉弁59・59・59は、排熱回収システム100の運転が開始されると、蒸気供給経路58・58・58の開閉状態を通常(例えば排熱循環装置2が正常に運転されている場合)は「閉」状態とするように設定されている。
そして、蓄熱タンク22に挿嵌される温度検出手段56により検出された温度が異常に低い場合など、排熱循環装置2に対して予測不可能な事態が発生した場合などには、後述する制御装置5から送信される指令に基づき、応急的に電磁式開閉弁59・59・59を「開」状態とし、蒸気供給経路58・58・58を介して湯洗槽4aや化成槽4bや脱脂槽4cに高温蒸気を流し込むことで、これら湯洗槽4aや化成槽4bや脱脂槽4c内に貯溜される温水の温度を所定の温度まで昇温するようになっている。
このように、本実施例における排熱回収システム100では、蓄熱タンク22を中心として、循環水が排熱循環装置2および排熱取出装置3内を循環する単独システムとして構成されており、前記循環水を熱媒体として、被昇温対象物4(脱脂槽4cや化成槽4bや湯洗槽4a内に貯溜される温水)を昇温させる構成となっている。
つまり、本実施例における排熱回収システム100は、従来の排熱回収システム200(図4を参照)のように、熱供給用として用いられる循環水を被昇温対象物4に対して直接供給するものではなく、被昇温対象物4内に貯溜される温水と、前記循環水とは独立した構成となっている。
次に、制御装置5について説明する。
制御装置5は、脱臭装置1の排出ガス用ダクト11や排熱循環装置2や排熱取出装置3などに関する排熱回収システム100全体の運転を、一括して集中管理するためのものである。
制御装置5には、複数の温度調整器51・52・53・54や、脱臭装置1と排熱循環装置2と排熱取出装置3との運転状態を表示するモニター部などが出力手段として接続され、さらにタッチパネルなどからなる入力手段が接続されている。
ここで、本実施例における塗装工場の生産ラインにおいては、該生産ラインに沿って配設される様々な装置(図示せず)の運転を制御するための制御装置(以下、「ライン用制御装置」と記す)が前記制御装置5に対して別途設けられており、脱臭装置1の本体は、前記ライン用制御装置と接続される。
そして、脱臭装置1の運転(運転起動・運転停止)に関する制御は、生産ライン全体の運転に応じて単独で行うことができるように、ライン用制御装置は構成されている。
なお、脱臭装置1の運転状態は、ライン用制御装置によって温度調整器51に入力信号として送信される。
複数の温度調整器51・52・53・54には、脱臭装置1の排出ガス用ダクト11や排熱循環装置2や排熱取出装置3などに具備される様々な機器類が接続される。そして、これら脱臭装置1の排出ガス用ダクト11や排熱循環装置2や排熱取出装置3などに関する運転は、制御装置5より送信される指令に基づいて、前記温度調整器51・52・53・54によって各々制御される。
具体的には、温度調整器51には、排出ガス用ダクト11の本流部11a内に嵌設される温度検出手段55や、蓄熱タンク22内に嵌設される温度検出手段56や、脱臭装置1の運転状態を把握する制御部などが入力手段として連結される。
また、温度調整器51には、脱臭装置1の排出ガス用ダクト11の本流部11a内に設けられるダンパー12のアクチュエーター12cや、排出ガス用ダクト11のバイパス部11b内に設けられるダンパー13のアクチュエーター13cや、排熱循環装置2の送給経路23aに配設されるポンプ24などが出力手段として連結される。
さらに、温度調整器52・53・54には、湯洗槽4aや化成槽4bや脱脂槽4c内に嵌設される温度検出手段57・57・57などが各々入力手段として連結されるとともに、排熱取出装置3・3・3の送給経路32a・32a・32aに配設されるポンプ33・33・33や、蒸気供給経路58・58・58に配設される電磁式開閉弁34・34・34などが各々出力手段として連結される。
そして、温度調整器51は、温度検出手段55・56によって検出された検出値に基づいて、ダンパー12・13やポンプ24の運転を制御し、また温度調整器52・53・54は、温度検出手段55・55・55によって検出された検出値に基づいて、ポンプ33・33・33や電磁式開閉弁34・34・34の運転を各々制御する。
このように、排出ガス用ダクト11内に設けられるダンパー12・13、および排熱循環装置2の第一循環経路23内と排熱取出装置3の第二循環経路32内とを循環する循環水の流量は、共通の制御装置5によって制御されるようになっている。
つまり、排出ガス用ダクト11内を通る分解ガスの流量と、第一循環経路23内を循環して前記分解ガスの熱を回収する循環水の流量と、第二循環経路32内を循環して外部に熱を取り出す循環水の流量とは、共通の制御装置5によって制御される。
なお、本実施例においては、脱臭装置1の排出ガス用ダクト11や排熱循環装置2や排熱取出装置3などの制御については、複数の温度調整器51・52・53・54によって行うこととしているが、これに限定されるものではない。
即ち、これら温度調整器51・52・53・54を一つにまとめて制御装置5内に組み込んでもよく、脱臭装置1の排出ガス用ダクト11や排熱循環装置2や排熱取出装置3などの制御については、制御装置5によって直接行う構成としてもよい。
制御装置5はRAMやROM等からなる記憶部や、CPUからなる演算処理部などにより構成される。
なお、本実施例における制御装置5は、主として小型コンピュータの一種であるPLC(Programmable Logic Controller)によって構成されるが、これに限定されるものではなく、例えばリレー回路を用いて構成されるものでもよい。
前記記憶部には、脱臭装置1や排熱循環装置2や排熱取出装置3などに関する運転を、一括して集中管理するための様々なプログラムが予め格納されている。また、記憶部には、演算処理部の命令により入力手段から入力された情報が一時的に保存されるようになっている。
そして、排熱回収システム100の運転に関する命令が、入力手段を介して制御装置5に与えられると、該制御装置5は記憶部より必要な情報や、運転に関するプログラムなどを読み出して演算処理部で演算処理を実行し、その後、演算結果に基づいて出力手段としての温度調整器51・52・53・54に運転に関する指令を与えるようになっている。
そして、温度調整器51・52・53・54によって脱臭装置1の排出ガス用ダクト11や排熱循環装置2や排熱取出装置3などが運転されるとともに、これら脱臭装置1と排出ガス用ダクト11内に設けられるダンパー12・13とに関する運転状況、および排熱循環装置2と排熱取出装置3との間を循環する循環水に関する現状況(流量や温度)などが、制御装置5に設けられる共通のパネルによって表示されるようになっている。
[排熱循環装置2の運転方法]
次に、排熱回収システム100における排熱循環装置2の運転方法について、図2を用いて説明する。
先ず、排出ガス用ダクト11内において、本流部11aに配設されるダンパー12を「全開状態」とし、バイパス部11bに配設されるダンパー13を「全閉状態」として(ステップS101)、脱臭装置1の運転を開始する。
脱臭装置1が運転を開始すれば、温度調整器51は該脱臭装置1の運転状態を検知し(ステップS102)、排熱循環装置2におけるポンプ24を作動させる。
そして、排熱循環装置2におけるポンプ24が作動すると(ステップS103)、蓄熱タンク22内に備蓄される循環水が熱回収コイル21に向かって圧送され、第一循環経路23を介して、蓄熱タンク22と熱回収コイル21との間における循環水の循環運転が開始される。
なお、本実施例においては、ポンプ24の運転については、脱臭装置1の運転状態によって、作動・停止の制御のみを行うこととしているが、このような制御方法に限定されるものではない。
即ち、ポンプ24の運転に関する制御方法については、例えばより効率的に分解ガスの熱を回収するべく、該分解ガスの温度に応じて、ポンプ24により循環水の圧送量を調整したり、或いは開閉弁により循環水の流量を調整したりするような制御方法であってもよい。
一方、運転を開始した脱臭装置1からは分解ガスが排出され、排出ガス用ダクト11の本流部11aを通って大気中に放出される。
なお、運転開始直後の脱臭装置1より排出される分解ガスの温度(Tg)は、大気の温度と略同等な低温であり、脱臭装置1の運転開始から時間が経過するに従い分解ガスの温度(Tg)は徐々に上昇する。
本流部11a内に分解ガスが流れ込むと、温度検出手段55は分解ガスの温度(Tg)を検出(測定)する(ステップS104)。そして、温度検出手段55は、該検出した検出値を電気信号として温度調整器51に送信する。
前記電気信号を受信した温度調整器51は、前記電気信号の内容(つまり、分解ガスの温度(Tg))に基づいて演算処理を実行する。
即ち、温度調整器51には予め設定された閾値としての温度(Ta)が記憶されており、該温度調整器51は、実際の分解ガスの温度(Tg)が、前記閾値としての温度(Ta)以上であるか否かを判定する(ステップS105)。
ここで、本実施例においては、循環水として工場用水(水)を用いることとしており、気化現象を起こさず安定した液体状態を維持した温水を得るべく、前記循環水の目標温度を略90℃(具体的には、85℃以上90℃以内)としている。
よって、本実施例において、前記閾値としての温度(Ta)は90℃に設定し、90℃以上の分解ガスによって、循環水は昇温される。
そして、温度検出手段55によって検出された分解ガスの温度(Tg)が閾値の温度(Ta=90℃)以上であれば、温度調整器51はダンパー12・13のアクチュエーター12c・13cに対して各々出力信号を送信し、該出力信号を受信したアクチュエーター12c・13cはダンパー12・13を各々回動させる。
その結果、排出ガス用ダクト11の内部において、本流部11aに配設されるダンパー12は「全閉状態」となり、バイパス部11bに配設されるダンパー13は「全開状態」となる(ステップS106)。
一方、温度検出手段55によって検出された分解ガスの温度(Tg)が閾値の温度(Ta=90℃)未満であれば、温度調整器51よりダンパー12・13のアクチュエーター12c・13cに対して各々出力信号が送信されることはなく、本流部11aに配設されるダンパー12は「全開状態」を維持し、バイパス部11bに配設されるダンパー13は「全閉状態」を維持することとなる。
なお、このような実際の分解ガスの温度(Tg)が閾値の温度(Ta=90℃)未満である場合、その後随時(予め定められた一定時間ごとに)、再び温度検出手段55は本流部11a内を流れる分解ガスの温度(Tg)を検出する。そして、温度調整器51は、実際の分解ガスの温度(Tg)が、前記閾値としての温度(Ta=90℃)以上であるかどうかを判定する。
排出ガス用ダクト11の内部において、本流部11aに配設されるダンパー12が「全閉状態」となり、バイパス部11bに配設されるダンパー13が「全開状態」となると、本流部11aに流れ込んだ分解ガスは、ダンパー12によって堰きとめられ、その後、強制的にバイパス部11b内に流れ込むようになる。
そして、バイパス部11b内に流れ込んだ分解ガスは、熱回収コイル21を通過して再び本流部11aと合流し、該本流部11aを通って大気中に放出される。
この際、分解ガスが熱回収コイル21を通過することで、分解ガスの熱は該熱回収コイル21を介して、排熱循環装置2内を循環する循環水に与えられる。つまり、分解ガスの熱を受け取ることで、循環水は昇温される。
そして、蓄熱タンク22に嵌設される温度検出手段56が循環水の温度(Tw)を検出(測定)し(ステップS107)、該検出した検出値を電気信号として温度調整器51に送信する。
前記電気信号を受信した温度調整器51は、前記電気信号の内容(つまり、循環水の温度(Tw))に基づいて比例制御による演算処理を実行する。
即ち、温度調整器51には予め設定された閾値としての温度の範囲(循環水の目標温度である、85℃以上90℃以内)が記憶されている。そして、実際の循環水の温度(Tw)と、前記閾値としての温度範囲(85℃以上90℃以内)との温度差に基づいて、温度調整器51は、各ダンパー12・13の開度(回動軸12b・13bを中心とするダンパー12・13の回動角度)を算出する。
つまり、実際の循環水の温度(Tw)が閾値としての温度範囲(85℃以上90℃以内)を大きく下回る場合には、温度調整器51は、前記温度範囲内の最低温度(85℃)と、実際の循環水の温度(Tw)と、の温度差に基づいて各ダンパー12・13の開度を算出し、熱回収コイル21を通過する分解ガスの流量が多くなるように各ダンパー12・13の開度を算出する。
また、前記温度範囲内の最低温度(85℃)と、実際の循環水の温度(Tw)と、の温度差が小さい場合には、温度調整器51は、熱回収コイル21を通過する分解ガスの流量が少なくなるように各ダンパー12・13の開度を算出するようになっている。
そして、前記算出された開度に基づき、温度調整器51はダンパー12・13のアクチュエーター12c・13cに対して各々出力信号を送信し、該出力信号を受信したアクチュエーター12c・13cはこれらダンパー12・13の開度が算出された開度となるように、該ダンパー12・13を各々回動させる。
その後随時(予め定められた一定時間ごとに)、温度検出手段56は循環水の温度を検出し、該検出された検出値(循環水の温度(Tw))に基づいて、温度調整器51がダンパー12・13の開度を繰り返し調整するようになっている。
このように、排熱循環装置2は、熱回収コイル21と蓄熱タンク22との間における循環水の循環運転が開始されると、温度調整器51による該循環水の温度に基づく比例制御によってダンパー12・13の開度の算出を繰り返し、熱回収コイル21を通過する分解ガスの流量を逐次調整するように構成されている(ステップS108)。
つまり、循環水は熱回収コイル21と蓄熱タンク22との間における循環運転を繰り返すことで、熱回収コイル21によって徐々に昇温され、ダンパー12・13に関する比例制御をおこなうことで、分解ガスの流量を逐次調整し効率的に昇温されるのである。
また、昇温された循環水は、排熱循環装置2の循環運転の実行中においては、一時的に蓄熱タンク22に備蓄されるようになっている。
よって、分解ガスの熱によって昇温された循環水は、予め定められた閾値としての温度(循環水の目標温度である、85℃以上90℃以内)にまで到達すれば、その後、蓄熱タンク22によって効果的に該温度が保たれるのである。
[排熱取出装置3の運転方法]
次に、排熱回収システム100における排熱取出装置3の運転方法について、図3を用いて説明する。
なお、本実施例では、複数の被昇温対象物4・4・4としての湯洗槽4a、化成槽4b、脱脂槽4cに対して、各々排熱取出装置3・3・3を設けているが、これら排熱取出装置3・3・3の運転方法は全て同じである。よって、以下の説明においては、湯洗槽4aにおける排熱取出装置3の運転方法について記載し、他の化成槽4bと脱脂槽4cにおける排熱取出装置3の運転方法については省略する。
先ず、脱臭装置1の運転が開始され、排熱循環装置2における循環水の循環運転が実行される状態において、湯洗槽4aに挿嵌される温度検出手段57によって、該湯洗槽4a内に貯溜される温水の温度(Tt)が検出(測定)される(ステップS201)。そして、検出された検出値は電気信号として温度調整器53に送信される。
前記電気信号を受信した温度調整器53は、前記電気信号の内容(つまり、湯洗槽4a内に貯溜される温水の温度(Tt))に基づいて、演算処理を実行する。
即ち、温度調整器53には予め設定された閾値としての温度(Tb)が記憶されている。そして、温度調整器53は、温水の温度(Tt)が、前記閾値としての温度(Tb)未満であるかどうかが判定される(ステップS202)。
なお、電着塗装ラインの前処理ラインに設けられる湯洗槽4aや、化成槽4bや、脱脂槽4cにおいて使用される温水の温度については、従来からの経験などにより45℃近傍(具体的には、40℃以上45℃以内)が適温とされており、本実施例においては、前記閾値としての温度(Tb)は、40℃以上45℃以内における何れか任意の温度に設定することとしている。
そして、温度検出手段57によって検出された、湯洗槽4a内の温水の温度(Tt)が閾値の温度(Tb)を超える場合、予め定められた一定時間の経過後に再び、湯洗槽4a内に貯溜される温水の温度(Tt)が検出(測定)され、該温度(Tt)が、前記閾値としての温度(Tb)未満であるかどうかが判定される(ステップS202)。
一方、温度検出手段57によって検出された、湯洗槽4a内の温水の温度(Tt)が閾値の温度(Tb)未満である場合、温度調整器53は、排熱循環装置2の循環水を介して熱を供給することが可能か否かの判定を行う。
即ち、蓄熱タンク22に嵌設される温度検出手段56によって、該蓄熱タンク22内に一時的に備蓄される循環水の温度(Tw)が検出(測定)され(ステップS203)、該検出された検出値は電気信号として温度調整器51に送信される。
前記電気信号を受信した温度調整器51は、制御装置5からの要求により前記電気信号を制御装置5に送信する。
そして、前記電気信号を受信した制御装置5は、前記電気信号を温度調整器53に送信する。
前記電気信号を受信した温度調整器53では、前記電気信号の内容(つまり、蓄熱タンク22内に備蓄される循環水の温度(Tw))に基づいて、演算処理を実行する。
即ち、温度調整器53には予め設定された閾値としての温度(Tc)が記憶されている。そして、温度調整器53は、循環水の温度(Tw)が、前記閾値としての温度(Tc)以上であるか否かを判定する(ステップS204)。
ここで、前述の通り、排熱循環装置2において、循環水の目標温度は、略90℃(85℃以上90℃以内)に設定しているが、本実施例における排熱取出装置3において、前記閾値としての温度(Tc)は70℃に設定し、循環水が目標温度(略90℃)に到達する以前の状態であっても、該循環水によって湯洗槽4a内の温水を昇温することを可能としている。
これは、従来の経験などから、湯洗槽4a内に貯溜される温水を、例えば常温付近の温度から45℃近傍にまで昇温させるために必要な熱媒体(循環水)の温度は、70℃以上のものであればよいことが知られており、循環水が目標温度(略90℃)に到達するまで、排熱取出装置3による温水の昇温を行うことができないとする方が、排熱回収システム100全体として時間的・経済的に無駄が多いことによる。
但し、前記閾値としての温度(Tc)の設定値は、本実施例のごとく70℃に限定されるものではなく、例えば、環水の目標温度である略90℃(85℃以上90℃以内)に設定し、循環水循環水が目標温度(略90℃)に到達するのを待って排熱取出装置3による温水の昇温を行うこととしてもよい。この場合、温水と熱媒体(循環水)との温度差がより一層大きくなり、該温水が45℃近傍に昇温されるのにかかる時間を短縮できるのは言うまでもない。
そして、循環水の温度(Tw)が閾値の温度(Tc=70℃)以上であれば、温度調整器53はポンプ33に対して出力信号を送信し、該出力信号を受信したポンプ33は作動し(ステップS205)、蓄熱タンク22内に備蓄される循環水が熱交換器31に向かって圧送される。
即ち、第二循環経路32を介して、蓄熱タンク22と熱交換器31との間における循環水の循環運転が開始され、熱交換器31において、循環水を熱媒体として湯洗槽4a内の温水が昇温される。
なお、本実施例においては、ポンプ33の運転については、温水の温度(Tt)と循環水の温度(Tw)との現状況によって作動・停止の制御のみを行うこととしているが、このような制御方法に限定されるものではない。
即ち、ポンプ33の運転に関する制御方法は、例えばより効率的に湯洗槽4a内に貯溜される温水の温度(Tt)を昇温させるべく、該温水の温度(Tt)の温度に応じて、ポンプ33により循環水の圧送量を調整したり、或いは開閉弁により温水の流量を調整したりするような制御方法であってもよい。
そして随時(予め定められた一定時間ごとに)、温度検出手段57は湯洗槽4a内の温水の温度(Tt)を検出(測定)し(ステップS207)、温度調整器53は、温度検出手段57によって検出された検出値(温水の温度(Tt))が予め設定された閾値としての温度(Tb)以上であるかどうかを判定する(ステップS208)。
そして、湯洗槽4a内の温水の温度(Tt)が閾値としての温度(Tb)以上であれば、温度調整器53はポンプ33に対して出力信号を送信し、該出力信号を受信したポンプ33は作動を停止する(ステップS209)。
一方、湯洗槽4a内の温水の温度(Tt)が閾値としての温度(Tb)未満であれば、温度調整器53よりポンプ33に対して出力信号が送信されることはなく、再び一定時間の経過後に温度検出手段57によって湯洗槽4a内の温水の温度(Tt)を検出(測定)し(ステップS207)、温度調整器53は、湯洗槽4a内の温水の温度(Tt)が閾値としての温度(Tb)以上であるかどうかを判定する(ステップS208)。
そして、湯洗槽4a内の温水の温度(Tt)が閾値としての温度(Tb)以上となれば、温度調整器53はポンプ33に対して出力信号を送信し、該出力信号を受信したポンプ33は作動を停止する(ステップS209)。
一方、前記ステップ204において、循環水の温度(Tw)が閾値の温度(Tc=70℃)未満であれば、温度調整器53は電磁式開閉弁59に対して出力信号を送信し、該出力信号を受信した電磁式開閉弁59は蒸気供給経路58を「開」状態とし(ステップS206)、該蒸気供給経路58を介して高温蒸気を湯洗槽4a内に供給する。そして、供給された高温蒸気によって湯洗槽4a内の温水が昇温される。
その後随時(予め定められた一定時間ごとに)、温度検出手段57は湯洗槽4a内の温水の温度(Tt)を検出(測定)し(ステップS207)、温度調整器53は、温度検出手段57によって検出された検出値(温水の温度(Tt))が予め設定された閾値としての温度(Tb)以上であるかどうかを判定する(ステップS208)。
そして、湯洗槽4a内の温水の温度(Tt)が閾値としての温度(Tb)以上であれば、温度調整器53は電磁式開閉弁59に対して出力信号を送信し、該出力信号を受信した電磁式開閉弁59は蒸気供給経路58を「閉」状態とする(ステップS209)。
一方、湯洗槽4a内の温水の温度(Tt)が閾値としての温度(Tb)未満であれば、温度調整器53より電磁式開閉弁59に対して出力信号が送信されることはなく、再び一定時間の経過後に温度検出手段57によって湯洗槽4a内の温水の温度(Tt)を検出(測定)し(ステップS207)、温度調整器53は、湯洗槽4a内の温水の温度(Tt)が閾値としての温度(Tb)以上であるかどうかを判定する(ステップS208)。
そして、湯洗槽4a内の温水の温度(Tt)が閾値としての温度(Tb)以上となれば、温度調整器53は電磁式開閉弁59に対して出力信号を送信し、該出力信号を受信した電磁式開閉弁59は蒸気供給経路58を「閉」状態とする(ステップS209)。
以上のように、本実施例における排熱回収システム100は、脱臭装置1を利用した排熱回収システム100であって、脱臭装置1と、前記脱臭装置1に配設され該脱臭装置1からの排ガスを外部に排出するための排出ガス用ダクト11内に設けられる熱回収コイル(熱交換器)21と、前記熱回収コイル(熱交換器)21内を流動して、前記排出ガス用ダクト11内を通過する排ガスにより昇温される循環水と、前記循環水を一時的に備蓄する蓄熱タンク22と、前記熱回収コイル(熱交換器)21と蓄熱タンク22とを接続し、前記循環水を前記熱回収コイル(熱交換器)21と前記蓄熱タンク22との間で循環させるための第一循環経路23と、前記蓄熱タンク22内の循環水を外部に取り出し、取り出した循環水を循環させ、該循環水の熱により被昇温対象物4を昇温する排熱取出装置(昇温手段)3と、を備えることとしている。
一方、本実施例における排熱回収方法は、脱臭装置1を利用した排熱回収方法であって、脱臭装置1より排出された排出ガスの熱を循環水により回収して、該循環水を昇温させ、昇温された循環水を一時的に備蓄し、備蓄された循環水を外部に取り出して、該循環水の熱により被昇温対象物4を昇温することとしている。
このような構成を有することで、本実施例における排熱回収システム100は、脱臭装置1より排出される排ガス(分解ガス)の熱を利用するとともに、他の生産ライン(例えば、前述した電着塗装ラインの前処理ラインなど)に影響を与えることのない独立した単独システムとして構築することができる。
即ち、本実施例における排熱回収システム100では、蓄熱タンク22を中心として、循環水が排熱循環装置2および排熱取出装置3内を循環する単独システムとして構成されており、前記循環水を熱媒体として、被昇温対象物4(脱脂槽4cや化成槽4bや湯洗槽4a内に貯溜される温水)を昇温させる構成となっている。
よって、従来の排熱回収システム200(図4を参照)のように、脱脂槽4cや化成槽4bや湯洗槽4a内に貯溜される温水を直接昇温させるような構成とは異なり、本実施例における排熱回収システム100は、被昇温対象物4内に貯溜される温水と、前記循環水とは独立した構成となっており、例えば排熱回収システム100が故障するなど予測不可能な事態が発生したとしても、他の生産ライン(例えば、前述した電着塗装ラインの前処理ラインなど)に影響を与えることもない。
つまり、従来の排熱回収システム200においては、温水槽222・222内に備蓄される温水を、直接化成槽204aや、脱脂槽204bに供給して利用するため、第一循環経路223の一部が破損して、温水の漏水が発生した場合には、化成槽204aや、脱脂槽204bの槽内における温水の水量を保持することができなくなり、電着塗装ラインの前処理ラインに直接影響を与えるようなシステム構成となっていた。
これに対して、本実施例における排熱回収システム100では、他の設備などに対して完全に独立した構成となっており、蓄熱タンク22に備蓄される循環水を熱媒体として被昇温対象物4(脱脂槽4cや化成槽4bや湯洗槽4a内に貯溜される温水)を昇温させる構成となっているため、例えば、排熱循環装置2の第一循環経路23の一部が破損した場合においてもこれら被昇温対象物4が設けられる他の生産ラインに影響を与えることもないのである。
また、本実施例における排熱回収システム100は、脱臭装置1より排出された分解ガス(排出ガス)から回収した熱を高温の循環水として蓄熱タンク22内に備蓄することができるため、脱臭装置1の運転前であって、排熱回収時の熱源となる分解ガスが未だ発生していない場合などにおいても、蓄熱タンク22内の高温の循環水により、脱脂槽4cや化成槽4bや湯洗槽4a内に貯溜される温水を昇温させることができる。
よって、従来の排熱回収システム200においては、脱臭装置201の運転開始後、分解ガスの温度が所定の温度に昇温されるまで、排熱回収システム200の運転を開始することができず、その間における温水槽222・222内に備蓄される温水の昇温については高温の蒸気によって行われることから、該蒸気の使用量が突発的に増加する時間帯(脱臭装置201の運転を開始する、週始めの早朝など)が発生していたが、本実施例における排熱回収システム100では、このような時間帯の発生を軽減することができる。
さらに、本実施例における排熱回収システム100では、脱脂槽4cや化成槽4bや湯洗槽4a内に貯溜される温水が所定の温度にまで昇温された後においても、循環水を介して回収した熱を蓄熱タンク22内に備蓄しておくことで、分解ガスからの排熱回収を引き続き行うことができる。
即ち、蓄熱タンク22を所謂排熱のクッションタンクとして利用することで、生産ラインの稼働時においては、連続して排熱回収を行うことができる。
また、本実施例における排熱回収システム100では、前記排出ガス用ダクト11は、本流部11aと、前記本流部11aの中途部で分岐するバイパス部11bと、により構成され、前記熱回収コイル(熱交換器)21は前記バイパス部11b内に設けられ、前記本流部11a内における前記バイパス部11bの分岐箇所11A近傍の下流側(本実施例においては、前記バイパス部11bの分岐箇所11Aと合流箇所11Bとに挟まれた領域)と、前記バイパス部11b内における前記本流部11aからの分岐箇所11A近傍とには、前記本流部11aおよびバイパス部11bの開閉量を調節可能なダンパー(開閉弁)12・13を配設することとしている。
一方、本実施例における排熱回収方法としては、前記排出ガスより回収する熱の増減は、前記排出ガスの流量を増減することにより行うこととしている。
このような構成とすることで、分解ガスは循環水を所定の温度にまで昇温させるべく、十分な温度にまで上昇された状態で熱回収コイル21に供給されることとなり、かつ分解ガスの流量を調整することで循環水の温度を微調整することが可能となる。
よって、効果的に排熱回収を行うことができ、循環水の温度を所定の温度に容易に保持することが可能となる。
また、本実施例における排熱回収システム100では、前記蓄熱タンク22には、内部に備蓄する循環水の温度を検出する温度検出手段(第一温度検出手段)56を配設し、前記温度検出手段(第一温度検出手段)56により検出した温度に基づいて、前記ダンパー(開閉弁)12・13の開閉量を比例制御することとしている。
一方、本実施例における排熱回収方法としては、前記循環水の温度を測定し、前記温度に基づく比例制御を行うことで、前記排出ガスの流量を増減することとしている。
このような構成とすることで、分解ガスの流量を逐次調整することが可能となり、循環水を効率的に昇温させることができる。
また、本実施例における排熱回収システム100では、前記被昇温対象物4には、該被昇温対象物4の温度を測定する温度検出手段(第二温度検出手段)57が配設され、前記温度検出手段(第二温度検出手段)57により検出した温度が所定の温度になるように、前記排熱取出装置(昇温手段)3に循環させる循環水の流量を調整するとともに、前記ダンパー(開閉弁)12・13弁、および前記第一循環経路23内と前記排熱取出装置(昇温手段)3とを循環する循環水の流量は共通の制御装置5によって制御されることとしている。
一方、本実施例における排熱回収方法としては、前記被昇温対象物4の温度を測定し、前記温度に基づいて、前記被昇温対象物4が所定の温度になるように、前記備蓄された循環水を外部に取り出す流量を調整するとともに、前記排出ガスの流量と、前記排出ガスの熱を回収する循環水の流量と、回収した熱を外部に取り出す循環水の流量と、は共通の制御装置5によって制御することとしている。
このような構成とすることで、共通の制御装置5に設けられるタッチパネルなどによって排熱回収システム100全体の運転操作を行うことができるため、該排熱回収システム100のオペレータも少人数ですみ経済的である。
また、本実施例における排熱回収システム100、および排熱回収方法では、前記制御装置5は表示パネルを具備し、前記脱臭装置1と前記ダンパー(開閉弁)12・13とに関する運転状況、および前記第一循環経路23内と前記排熱取出装置(昇温手段)3を循環する循環水に関する現状況は、前記表示パネルによって表示されることとしている。
このような構成とすることで、オペレータにとって見れば、排熱回収システム100の全体的な運転状況を、制御装置5に設けられる共通のパネル上にて容易に確認することができる。
即ち、従来の排熱回収システム200(図4を参照)においては、該排熱回収システム200を構成する脱臭装置201や、排熱循環装置202や、排熱取出装置203などに対して各々制御盤(制御装置、図4上において図示せず)を設け、これら各々の制御盤(制御装置)によって脱臭装置201や、排熱循環装置202や、排熱取出装置203などの運転状況を表示する構成となっていた。
例えば、脱臭装置1に設けられる制御盤(制御装置)では、脱臭装置1と前記ダンパー12・13とに関する運転状況を表示し、排熱循環装置202に設けられる制御盤(制御装置)では、第一循環経路23内を循環する循環水に関する現状況(温度や流量など)を表示し、排熱取出装置203に設けられる制御盤(制御装置)では、前記排熱取出装置3内を循環する循環水に関する現状況(温度や流量など)を表示することとしていた。
よって、従来の排熱回収システム200では、システム全体の運転状況を把握するには、これら制御盤(制御装置)を各々確認する必要があり、かつ脱臭装置201や、排熱循環装置202や、排熱取出装置203の運転状況を個別に確認したうえでシステム全体の運転状況を理解するのは容易なことではなかった。
そこで、本実施例に示すように、制御装置5に設けられる共通のパネルによって、脱臭装置1と前記ダンパー12・13とに関する運転状況、および前記第一循環経路23内と前記排熱取出装置3内を循環する循環水に関する現状況を表示することで、作業者にとって見れば、排熱回収システム100の全体的な運転状況を容易に確認することができるのである。
また、本実施例における排熱回収システム100、および排熱回収方法では、前記循環水は、前記熱回収コイル21内を流動することにより、85℃以上90℃以内にまで昇温されることとしている。
このような構成とすることで、循環水を熱媒体として被昇温対象物4としての脱脂槽4cや化成槽4bや湯洗槽4a(の内部に貯溜される温水)を昇温させる際の、熱効率を向上させることができる。
即ち、従来の排熱回収システム200(図4を参照)においては、化成槽204aや、脱脂槽204bによって用いられる温水の温度は、45℃近傍(具体的には、40℃以上45℃以内)であるところ、熱回収コイル221を介して昇温された温水が、温水漕222・222を中継して化成槽204aや、脱脂槽204bに供給されるまでには、外部の雰囲気によって徐々に冷却されることとなる。
よって、熱回収コイル221に送給された温水は、略60℃にまで一旦昇温され、その後、温水漕222・222内にて略50℃にまで冷却されて化成槽204aや、脱脂槽204bに供給されるようになっている。
従って、従来の排熱回収システム200においては、熱回収コイル221によって熱を回収した直後の温水と、温水漕222・222内に備蓄される温水と、の温度差は約10℃と小さく、熱効率としては低かった。
これに対して、本実施例における排熱回収システム100では、熱回収コイル21によって熱を回収し、循環水を熱媒体として、回収した熱によって直接脱脂槽4cや化成槽4bや湯洗槽4a(の内部に貯溜される温水)を昇温させる構成となっている。
つまり、本実施例における排熱回収システム100では、85℃以上90℃以内にまで昇温された循環水を熱交換器31内に流すことで、脱脂槽4cや化成槽4bや湯洗槽4aの内部に貯溜される温水を45℃近傍にまで昇温させることになる。
従って、熱を回収した直後の循環水と、これら脱脂槽4cや化成槽4bや湯洗槽4aの内部に貯溜される温水と、の温度差は約40℃以上45℃以内と大きく、該温水が所定の温度(45℃近傍)にまで昇温されるのにかかる時間を短縮することができ、熱効率を向上させることができるのである。
また、従来の排熱回収システム200(図4を参照)においては、熱回収コイル221に送給された温水が、90℃以上の過剰昇温となる場合は、その後温水槽222・222に供給され、該温水槽222・222内の温水の温度が過剰に昇温されることのないように、排熱回収システム200外に排水することとしているため、回収した熱を十分に利用することが困難なシステム構成となっていた。
これに対して、本実施例における排熱回収システム100では、熱回収コイル21を介して、85℃以上90℃以内にまで循環水を昇温させることとしているため、回収した熱を、従来の排熱回収システム200に比べてより有効的に利用することができるのである。
1 脱臭装置
3 排熱取出装置(昇温手段)
4 被昇温対象物
4a 湯洗槽
4b 化成槽
4c 脱脂槽
5 制御装置
11 排出ガス用ダクト
11a 本流部
11b バイパス部
12 ダンパー(開閉弁)
13 ダンパー(開閉弁)
21 熱回収コイル
22 蓄熱タンク
23 第一循環経路
56 温度検出手段(第一温度検出手段)
57 温度検出手段(第二温度検出手段)
100 排熱回収システム

Claims (12)

  1. 脱臭装置を利用した排熱回収システムであって、
    脱臭装置と、
    前記脱臭装置に配設され該脱臭装置からの排ガスを外部に排出するための排出ガス用ダクト内に設けられる熱交換器と、
    前記熱交換器内を流動して、前記排出ガス用ダクト内を通過する排ガスにより昇温される循環水と、
    前記循環水を一時的に備蓄する蓄熱タンクと、
    前記熱交換器と蓄熱タンクとを接続し、前記循環水を前記熱交換器と前記蓄熱タンクとの間で循環させるための循環経路と、
    前記蓄熱タンク内の循環水を外部に取り出し、取り出した循環水を循環させ、該循環水の熱により被昇温対象物を昇温する昇温手段と、
    前記循環水の温度が所定温度未満であるときに、前記被昇温対象物に高温蒸気を供給して、前記被昇温対象物を昇温させる蒸気供給経路と、
    を備える、
    ことを特徴とする、排熱回収システム。
  2. 前記排出ガス用ダクトは、
    本流部と、
    前記本流部の中途部で分岐するバイパス部と、
    により構成され、
    前記熱交換器は前記バイパス部内に設けられ、
    前記本流部内における前記バイパス部の分岐箇所近傍の下流側と、
    前記バイパス部内における前記本流部からの分岐箇所近傍とには、
    前記本流部およびバイパス部の開閉量を調節可能な開閉弁を配設する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の排熱回収システム。
  3. 前記蓄熱タンクには、内部に備蓄する循環水の温度を検出する第一温度検出手段を配設し、
    前記第一温度検出手段により検出した温度に基づいて、前記開閉弁の開閉量を比例制御する、
    ことを特徴とする、請求項2に記載の排熱回収システム。
  4. 前記被昇温対象物には、該被昇温対象物の温度を測定する第二温度検出手段が配設され、
    前記第二温度検出手段により検出した温度が所定の温度になるように、前記昇温手段に循環させる循環水の流量を調整するとともに、
    前記開閉弁、および前記循環経路内と前記昇温手段とを循環する循環水の流量は共通の制御装置によって制御される、
    ことを特徴とする、請求項2、または請求項3に記載の排熱回収システム。
  5. 前記制御装置は表示パネルを具備し、
    前記脱臭装置と前記開閉弁とに関する運転状況、および前記循環経路内と前記昇温手段を循環する循環水に関する現状況は、前記表示パネルによって表示される、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の排熱回収システム。
  6. 前記循環水は、前記熱回収コイル内を流動することにより、85℃以上90℃以内にまで昇温される、
    ことを特徴とする、請求項1乃至請求項5のうちのいずれか一項に記載の排熱回収システム。
  7. 脱臭装置を利用した排熱回収方法であって、
    脱臭装置より排出された排出ガスの熱を循環水により回収して、該循環水を昇温させ、
    昇温された循環水を一時的に備蓄し、
    備蓄された循環水を外部に取り出して、該循環水の熱により被昇温対象物を昇温
    前記循環水の温度が所定温度未満であるときには、前記被昇温対象物に高温蒸気を供給して、前記被昇温対象物を昇温させる、
    ことを特徴とする、排熱回収方法。
  8. 前記排出ガスより回収する熱の増減は、前記排出ガスの流量を増減することにより行う、
    ことを特徴とする、請求項7に記載の排熱回収方法。
  9. 前記循環水の温度を測定し、
    前記温度に基づく比例制御を行うことで、前記排出ガスの流量を増減する、
    ことを特徴とする、請求項8に記載の排熱回収方法。
  10. 前記被昇温対象物の温度を測定し、
    前記温度に基づいて、前記被昇温対象物が所定の温度になるように、前記備蓄された循環水を外部に取り出す流量を調整するとともに、
    前記排出ガスの流量と、前記排出ガスの熱を回収する循環水の流量と、回収した熱を外部に取り出す循環水の流量と、は共通の制御装置によって制御する、
    ことを特徴とする、請求項8、または請求項9に記載の排熱回収方法。
  11. 前記制御装置は表示パネルを具備し、
    前記脱臭装置と前記開閉弁とに関する運転状況、および前記循環経路内と前記昇温手段を循環する循環水に関する現状況は、前記表示パネルによって表示される、
    ことを特徴とする、請求項10に記載の排熱回収方法。
  12. 前記循環水は、前記熱回収コイル内を流動することにより、85℃以上90℃以内にまで昇温される、
    ことを特徴とする、請求項7乃至請求項11のうちのいずれか一項に記載の排熱回収方法。
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