JP4457869B2 - 排熱回収システムの異常検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、排熱回収システムの異常検出装置に関し、特に、排気ガスの経路を切り替える切替弁の異常を検出する異常検出装置に関する。
従来、自動車のエンジンから排出される排気ガスの熱エネルギを回収する技術がある。たとえば、自動車の排気系統に排熱回収装置(たとえば、熱交換器)を装着して、排熱回収装置により排気ガス中の熱エネルギを吸収して、暖房や温水器等に利用する排熱回収システムの技術が提案されている。このように構成される排熱回収システムにおいて、排熱回収装置に異常が発生すると、排熱回収装置に起因する二次的な異常の発生を未然に防ぐため、排熱回収装置に発生した異常を早期に検出する必要がある。たとえば、実開昭61−58502号公報(特許文献1)は、排ガス熱交換器の破損によって生じるエンジンの破損を未然に防止することができる排ガス熱交換器の破損検出装置を開示する。この破損検出装置は、エンジンに接続された排気管の途中に排ガス中の熱エネルギーを温水および蒸気として回収する排ガス熱交換器を設けている。破損検出装置には、排ガス熱交換器の破損により生じる水入口側および水出口側の温度または圧力変化を検出する異常検出器が設けられる。破損検出装置は、これら異常検出器が検出した異常信号により、エンジンと排ガス熱交換器とを接続する排気管の途中に設けた電磁弁、または、排ガス熱交換器の水入口側に設けた電磁弁を閉鎖するようにしている。
特許文献1において開示された破損検出装置によると、排ガス熱交換器の水入口側および水出口側に設けた異常検出器により排ガス熱交換器の異常を検出して、排気管または排ガス熱交換器の水入口側に設けた電磁弁を遮断するようにしたことから、排ガス熱交換器の破損によって生じるエンジンの破損を未然に防止することができる。
実開昭61−58502号公報
ところで、排熱回収装置が排気管に並列に接続される排熱回収システムにおいては、排熱を回収する際に、排気管から排熱回収装置に排気ガスが流通するように切り替える切替弁が設けられる。切替弁に異常が発生すると、排熱回収装置に排気ガスを流通させることができないため、熱エネルギを回収できなくなるという問題が発生する。
特許文献1に開示された破損検出装置において、排気管に直列に排熱回収装置が設けられており、切替弁の異常については想定されていない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、排気ガスの経路を切り替える切替弁の異常を検出する排熱回収システムの異常検出装置を提供することである。
第1の発明に係る排熱回収システムの異常検出装置は、エンジンから排出される排気ガスから排熱を回収する排熱回収システムの異常を検出する異常検出装置である。排熱回収システムは、排気ガスが流通する排気通路に並列に接続されるバイパス通路と、バイパス通路に設けられ、排熱を回収する排熱回収機構と、排気ガスがバイパス通路を流通するように切り替える切替弁とを含む。異常検出装置は、バイパス通路および排気通路のうちの少なくともいずれかに設けられ、排気ガスの温度を検知するためのガス温検知手段と、検知された温度に基づいて、切替弁が異常であるか否かを判定するための判定手段とを含む。
第1の発明によると、ガス温検知手段は、バイパス通路または排気通路に設けられ、排気ガスの温度を検知する。判定手段は、検知された温度に基づいて、切替弁が異常であるか否かを判定する。たとえば、バイパス通路にガス温検知手段が設けられている場合において、バイパス通路に排気ガスが流通するように切替弁が切り替えられると、排気ガスがバイパス通路を流通するため、ガス温検知手段は、排気ガスの温度(あるいは、温度の変化量)の上昇を検知する。このとき、バイパス通路に排気ガスが流通するように切替弁が切り替えられているにも関わらず、ガス温検知手段により検知された排気ガスの温度(あるいは、温度の変化量)が低いと、排気ガスがバイパス通路を流通していないと判定することができる。その結果、切替弁が異常であると判定することができる。したがって、排気ガスの経路を切り替える切替弁の異常を検出する排熱回収システムの異常検出装置を提供することができる。
第2の発明に係る排熱回収システムの異常検出装置は、第1の発明の構成に加えて、エンジンの回転数を検知するための手段をさらに含む。判定手段は、検知された温度と回転数との関係が予め定められた関係に対応するか否かに基づいて、切替弁が異常であるか否かを判定するための手段を含む。
第2の発明によると、判定手段は、検知された温度とエンジンの回転数との関係が予め定められた関係に対応するか否かに基づいて、切替弁が異常であるか否かを判定する。たとえば、バイパス通路にガス温検知手段が設けられている場合において、バイパス通路に排気ガスが流通するように切替弁が切り替えられると、ガス温検知手段は、排気ガスの温度(あるいは、温度の変化量)の上昇を検知する。このとき、排気ガスの温度は、エンジン回転数の変化に応じて予め定められた関係(たとえば、比例関係)に対応するように変化する傾向を示す。そのため、検知された排気ガスの温度とエンジンの回転数との関係が予め定められた関係に対応しないと(たとえば、検知された排気ガスの温度が、検知されたエンジンの回転数と予め定められた関係とに基づいて算出される温度を下回ると)、排気ガスがバイパス通路を流通していないと判定することができる。したがって、切替弁が異常であると判定することができる。
第3の発明に係る排熱回収システムの異常検出装置においては、第1の発明の構成に加えて、判定手段は、検知された温度の時間変化量に基づいて、切替弁が異常であるか否かを判定するための手段を含む。
第3の発明によると、判定手段は、検知された温度の時間変化量に基づいて、切替弁が異常であるか否かを判定する。たとえば、バイパス通路にガス温検知手段が設けられている場合において、切替弁がバイパス通路に排気ガスが流通するように切り替えられると、ガス温検知手段は、排気ガスの温度の時間変化量の上昇を検知する。したがって、切替弁が切り替えられた後に検知された排気ガスの温度の時間変化量が、たとえば、予め定められた値以下であると、排気ガスがバイパス通路を流通していないと判断することができる。したがって、切替弁が異常であると判定することができる。
第4の発明に係る排熱回収システムの異常検出装置は、エンジンから排出される排気ガスから排熱を回収する排熱回収システムの異常を検出する異常検出装置である。排熱回収システムは、排気ガスが流通する排気通路に並列に接続されるバイパス通路と、バイパス通路に設けられ、排熱を回収する排熱回収機構と、排気ガスがバイパス通路を流通するように切り替える切替弁とを含む。異常検出装置は、排熱回収機構による排熱回収状態を検知するための状態検知手段と、排熱回収状態に基づいて、切替弁が異常であるか否かを判定するための判定手段とを含む。
第4の発明によると、状態検知手段(たとえば、温度センサ)は、排熱回収機構(たとえば、内部に媒体が流通する熱交換器)による排熱回収状態(たとえば、媒体の温度変化量)を検知する。判定手段は、検知された排熱回収状態に基づいて、切替弁が異常であるか否かを判定する。切替弁がバイパス通路に排気ガスが流通するように切り替えられると、状態検知手段は、排熱回収状態の変化を検知する。したがって、切替弁が切り替えられた後に排熱回収状態が変化していないと(たとえば、温度の変化量が予め定められた値以下であると)、排気ガスがバイパス通路を流通してないと判断することができる。その結果、切替弁が異常であると判定することができる。したがって、排気ガスの経路を切り替える切替弁の異常を検出する排熱回収システムの異常検出装置を提供することができる。
第5の発明に係る排熱回収システムの異常検出装置は、第4の発明の構成に加えて、エンジンの回転数を検知するための手段をさらに含む。判定手段は、検知された排熱回収状態と回転数との関係が予め定められた関係に対応するか否かに基づいて、切替弁が異常であるか否かを判定するための手段を含む。
第5の発明によると、判定手段は、検知された排熱回収状態とエンジンの回転数との関係が予め定められた関係に対応するか否かに基づいて、切替弁が異常であるか否かを判定する。バイパス通路に排気ガスを流通するように切替弁が切り替えられると、状態検知手段(たとえば、温度センサ)は、排熱回収機構(たとえば、内部に媒体が流通する熱交換器)の排熱回収状態(たとえば、媒体の温度変化量)の変化を検知する。このとき、排熱回収状態は、エンジンの回転数の変化に応じて予め定められた関係(たとえば、比例関係)に対応するように変化する傾向を示す。そのため、検知された排熱回収状態の変化とエンジンの回転数との関係が予め定められた関係に対応しないと(たとえば、検知された温度の変化量が、検知されたエンジンの回転数と予め定められた関係とに基づいて算出される温度の変化量を下回ると)、排気ガスがバイパス通路を流通していないと判定することができる。したがって、切替弁が異常であると判定することができる。
第6の発明に係る排熱回収システムの異常検出装置は、第4または5の発明の構成に加えて、排熱回収機構は、バイパス通路上に設けられる熱交換器と、熱交換器の内部に媒体が流通する媒体通路とを含む。状態検知手段は、媒体の温度変化に基づいて、排熱回収状態を検知するための手段を含む。
第6の発明によると、状態検知手段(たとえば、温度センサ)は、バイパス通路上に設けられる熱交換器の内部の媒体通路に流通する媒体の温度変化に基づいて、排熱回収状態(たとえば、媒体の温度変化量)を検知する。バイパス通路に排気ガスが流通するように切替弁が切り替えられて、バイパス通路に排気ガスが流通すると、排気ガスが熱交換器と接触して、熱交換器において、排気ガスの熱エネルギが吸収される。吸収された熱エネルギにより、熱交換器の内部の媒体通路に流通する媒体の温度が上昇する。そのため、熱交換器における媒体の温度の変化量に基づいて、排熱回収状態を検知することができる。
第7の発明に係る排熱回収システムの異常検出装置においては、第6の発明の構成に加えて、媒体通路は、熱交換器に媒体を導入する上流側通路と、熱交換器から媒体を導出する下流側通路とを含む。状態検知手段は、上流側通路を流通する媒体の上流側温度を検知するための手段と、下流側通路を流通する媒体の下流側温度を検知するための手段とを含む。判定手段は、上流側温度と下流側温度との差に基づいて、切替弁が異常であるか否かを判定するための手段を含む。
第7の発明によると、状態検知手段(たとえば、温度センサ)は、上流側通路を流通する媒体の上流側温度と、下流側通路を流通する媒体の下流側温度を検知する。判定手段は、検知された上流側温度と下流側温度との差に基づいて、切替弁に異常があるか否かを判定する。バイパス通路に排気ガスが流通するように切替弁が切り替えられて、バイパス通路に排気ガスが流通すると、排気ガスが熱交換器と接触して、熱交換器において、排気ガスの熱エネルギが吸収される。吸収された熱エネルギにより、熱交換器の内部の媒体通路に流通する媒体の温度が上昇する。上流側温度と下流側温度と検知してその差を求めることにより、排熱回収機構における排熱回収状態(たとえば、媒体の温度変化量)を検知することができる。したがって、上流側温度と下流側温度との差に基づいて(たとえば、上流側温度と下流側温度との差が予め定められた値以下であると)、バイパス通路に排気ガスが流通していないと判断することができる。その結果、切替弁が異常であると判定することができる。
第8の発明に係る排熱回収システムの異常検出装置においては、第6の発明の構成に加えて、状態検知手段は、媒体の温度を検知するための手段を含む。判定手段は、検知された温度が予め定められた第1の判定温度になると、第1の判定温度になるまでの期間に対応する第1の温度を算出するための手段と、第1の判定温度が第1の温度よりも小さいと、切替弁が異常であると判定するための手段を含む。
第8の発明によると、状態検知手段(たとえば、温度センサ)は、媒体の温度を検知する。判定手段は、検知された温度が予め定められた第1の判定温度になると、第1の判定温度になるまでの期間に対応する第1の温度を算出する。そして、判定手段は、第1の判定温度が第1の温度よりも小さいと、切替弁が異常であると判定する。第1の温度は、たとえば、バイパス通路に排気ガスが流通するときに、排熱回収機構により回収される回収熱量に基づいて算出される。したがって、第1の判定温度が、切替弁が切り替えられてから第1の判定温度になるまでの期間に回収した熱量に基づいて算出される第1の温度(たとえば、下限値の温度)を下回る場合には、排熱回収機構において予測される量の熱量が回収されていない、すなわち、バイパス通路に排気ガスが流通していないと判断することができる。したがって、切替弁が異常であると判定することができる。
第9の発明に係る排熱回収システムの異常検出装置においては、第8の発明の構成に加えて、第1の温度は、バイパス通路に排気ガスが流通するときに、排熱回収機構より回収される回収熱量に基づいて算出される温度である。
第9の発明によると、第1の温度は、バイパス通路に排気ガスが流通するときに、排熱回収機構(たとえば、熱交換器)により回収される回収熱量に基づいて算出される温度である。したがって、第1の判定温度が、切替弁が切り替えられてから第1の判定温度になるまでの期間に回収した熱量に基づいて算出される第1の温度(たとえば、下限値の温度)を下回る場合には、排熱回収機構において予測される量の熱量が回収されていない、すなわち、バイパス通路に排気ガスが流通していないと判断することができる。したがって、切替弁が異常であると判定することができる。
第10の発明に係る排熱回収システムの異常検出装置においては、第9の発明の構成に加えて、回収熱量は、エンジンに吸入される空気量と、燃料の噴射量と、エンジンの回転数と、媒体の温度とに基づいて算出される。
第10の発明によると、回収熱量は、エンジンに吸入される空気量と、燃料の噴射量と、エンジンの回転数と、媒体の温度とに基づいて算出される。すなわち、回収熱量は、エンジンの負荷状態に応じて算出される。これにより、エンジンの状態に応じた回収熱量を精度よく算出することができる。そのため、精度よく切替弁の異常を検出することができる。
第11の発明に係る排熱回収システムの異常検出装置においては、第8〜10のいずれかの発明の構成に加えて、媒体通路は、エンジンの冷却通路に接続される。エンジンには、媒体の温度に応じて、エンジンからラジエータに媒体を導入する開閉弁が設けられる。異常検出装置は、検知された温度が予め定められた第2の判定温度になると、第2の判定温度になるまでの期間に対応する第2の温度を算出するための手段と、第2の判定温度が第2の温度よりも小さいと、開閉弁が異常であると判定するための異常判定手段をさらに含む。
第11の発明によると、媒体通路は、エンジンの冷却通路に接続される。エンジンには、媒体の温度に応じて、エンジンからラジエータに媒体を導入する開閉弁(たとえば、サーモスタット)が設けられる。開閉弁は、たとえば、エンジンの起動時の暖機初期の状態においては、ラジエータに媒体を流通させない閉じた状態であり、エンジンの冷却通路に流通する媒体の温度が上昇するに応じて、開閉弁は開き始める。エンジンの暖機が完了すると、開閉弁は全開状態となる。このような開閉弁に異常が発生して、エンジンの暖機初期時に開閉弁が開いていると、媒体はラジエータに流通する。そのため、媒体の温度(すなわち、エンジンの冷却水温)は上昇しにくい。判定手段は、第2の判定温度が第2の温度よりも小さいと、開閉弁が異常であると判定する。第2の温度は、たとえば、ラジエータに媒体が流通しない状態であるときに予測される媒体の温度変化量に基づいて算出される温度(たとえば、サーモスタットの正常状態における下限値の温度)である。第2の判定温度が、算出された第2の温度を下回る場合、ラジエータに媒体が流通している、すなわち、開閉弁が異常であると判定することができる。
第12の発明に係る排熱回収システムの異常検出装置においては、第11の発明の構成に加えて、第2の温度は、ラジエータに媒体が流通しない状態であるときに予測される媒体の温度変化量に基づいて算出される温度である。
第12の発明によると、第2の温度は、ラジエータに媒体が流通しない状態であるときに予測される媒体の温度変化量に基づいて算出される温度(たとえば、サーモスタットの正常状態における下限値の温度)である。したがって、第2の判定温度が、算出された第2の温度を下回る場合、ラジエータに媒体が流通している、すなわち、開閉弁が異常であると判定することができる。
第13の発明に係る排熱回収システムの異常検出装置においては、第11または12の発明の構成に加えて、第1の判定温度は、第2の判定温度と同じ温度である。異常検出装置は、検知された温度が第1の判定温度になると、第1の判定温度になるまでの期間に対応する予め定められた第3の温度を算出するための手段と、第1の判定温度が第3の温度よりも小さいと、開閉弁および切替弁が異常であると判定するための手段をさらに含む。
第13に発明によると、開閉弁(たとえば、サーモスタット)に異常が発生して、エンジンの暖機初期時にラジエータに媒体が流通すると、ラジエータで放熱され、媒体の温度は上昇しにくい。また、切替弁が異常状態(バイパス通路に排気ガスが流通しない状態)であって、排熱回収機構において排気ガスの熱エネルギが吸収されないと、媒体の温度は上昇しにくい。異常検出装置は、第1の判定温度が第3の温度よりも小さいと、開閉弁および切替弁が異常であると判定する。第3の温度は、たとえば、開閉弁および切替弁のいずれか一方が異常状態であるときに予測される媒体の温度変化量に基づいて算出される温度のいずれか低い方の温度である。したがって、第1の判定温度が、算出された第3の温度を下回る場合、ラジエータに媒体が流通しており、さらに、バイパス通路に排気ガスが流通してないと判断することができる。したがって、開閉弁および切替弁の両者が異常であると判定することができる。
第14の発明に係る排熱回収システムの異常検出装置においては、第13の発明の構成に加えて、第3の温度は、開閉弁および切替弁のうちのいずれか一方が異常状態であるときに予測される媒体の温度変化量に基づいて算出される温度のいずれか低い方の温度である。
第14の発明によると、第3の温度は、開閉弁および切替弁のいずれか一方が異常状態であるときに予測される媒体の温度変化量に基づいて算出される温度のいずれか低い方の温度である。したがって、第1の判定温度が第3の温度を下回る場合、ラジエータに媒体が流通しており、さらに、バイパス通路に排気ガスが流通してないと判断することができる。したがって、開閉弁および切替弁の両者が異常であると判定することができる。
第15の発明に係る排熱回収システムの異常検出装置においては、第11または12の発明の構成に加えて、第1の判定温度は、第2の判定温度と異なる温度である。判定手段は、異常判定手段による開閉弁が異常であるか否かの判定と異なる時点で、切替弁が異常であるか否かを判定するための手段を含む。
第15の発明によると、判定手段は、異常判定手段による開閉弁が異常であるか否かの判定と異なる時点で、切替弁が異常であるか否かを判定する。異なる時点で開閉弁の異常と切替弁の異常とを判定することにより精度の高い異常判定を行なうことができる。そのため、開閉弁または切替弁の誤判定を防止することができる。
第16の発明に係る排熱回収システムの異常検出装置においては、第15の発明の構成に加えて、判定手段は、異常判定手段による開閉弁が異常であるか否かを判定した後、切替弁が異常であるか否かを判定するための手段を含む。
第16の発明によると、判定手段は、異常判定手段による開閉弁が異常であるか否かを判定した後、切替弁が異常であるか否かを判定する。すなわち、異常判定手段は、検知された温度が第2の判定温度になると、第2の判定温度が、第2の判定温度になるまでの期間に対応する第2の温度よりも小さいと開閉弁が異常であると判定する。そして、検知された温度が第1の判定温度になると、第1の判定温度が、第1の判定温度になるまでの期間に対応する第1の温度よりも小さいと切替弁が異常であると判定する。このように異なる時点で開閉弁の異常と切替弁の異常とを判定することにより、誤判定を防止して精度の高い異常判定を行なうことができる。
第17の発明に係る排熱回収システムの異常検出装置においては、第8〜16のいずれかの発明の構成に加えて、媒体通路は、熱交換器から媒体を導出する下流側通路とを含む。状態検知手段は、下流側通路の媒体の温度を検知するための手段を含む。
第17の発明によると、状態検知手段は、下流側通路の媒体の温度を検知する。下流側通路の媒体の温度を検知することにより、排熱回収機構による排熱回収状態に対応した媒体の温度変化を検知することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、本実施の形態において排熱回収システムは、排気ガスが流通する排気管100に並列に接続されたバイパス通路104,106と、バイパス通路104,106の間に設けられる排熱回収装置116と、排気管100の途中に設けられる切替弁102と、バイパス通路106に設けられるガス温センサ118とから構成される。
排気管100には、エンジンから排出された排気ガスが流通する。排気ガスは、排気管100の途中に設けられる三元触媒コンバータ(図示せず)およびマフラー(図示せず)を通過した後、車両の外部に排出される。
排気管100には、バイパス通路104との分岐後であって、バイパス通路106との合流前の位置に切替弁102が設けられる。切替弁102が閉じられると、切替弁102により通路が遮断される。このとき、排気管100を通る排気ガスは、バイパス通路104を流通する。排気ガスは、排熱回収装置116を通過した後、バイパス通路106を通過して、排気管100に再び合流する。切替弁102が開いたときには、バイパス通路104側に排気ガスが流れないような構造を有する。たとえば、切替弁102が開くと、バイパス通路104側の通路が閉じる構造を有してもよいし、バイパス通路104の通路断面積を小さくすることにより通気抵抗を大きくして、切替弁102が開くと、排気管100側に排気ガスが流れるようにしてもよいが、特にこれらの構造に限定されるものではない。
切替弁102は、たとえば、アクチュエータやVSV(Vacuum Switching Valve)等により駆動し、ECU(Electronic Control Unit)(図示せず)がアクチュエータやVSVの駆動を制御することにより、切替弁102の開閉状態が制御される。
ガス温センサ118は、バイパス通路106中の温度を検知する。ガス温センサ118は、排気ガスの高温、高圧に耐え得る温度センサであれば、特に限定されるものではない。
排熱回収装置116は、熱交換器(図示せず)と、熱交換器に媒体を流通させる媒体通路とから構成される。媒体通路は、熱交換器に媒体を導入する上流側通路108と、熱交換器から媒体を導出する下流側通路110とを含む。上流側通路108および下流側通路110は、エンジン側に設けられる冷却通路に接続される。上流側通路108には、上流側温度センサ112が設けられており、上流側通路108を流通する媒体の温度Aを検知する。一方、下流側通路110には、下流側温度センサ114が設けられており、下流側通路110を流通する媒体の温度Bを検知する。上流側温度センサ112および下流側温度センサ114により検知された温度A,Bに対応する検知信号は、ECUに送信される。なお、本実施の形態において、媒体は、たとえば、冷却水(いわゆる、クーラント)が用いられるが特にこれに限定されるものではない。たとえば、媒体は気体であってもよいものとする。
また、エンジンには、エンジンの回転数を検知するための回転数検知センサ(図示せず)が設けられている。回転数検知センサは、特に限定されるものではないが、たとえば、クランクシャフトに設けられるクランクポジションセンサである。クランクポジションセンサにより検知されたエンジンの回転数に対応する検知信号はECUに送信される。
本実施の形態に係る排熱回収システムにおいて、エンジンの始動時の暖機初期時において、ECUにより切替弁102が閉じるように制御される。切替弁102が閉じられると、バイパス通路104に排気ガスが流通して、排熱回収装置116において、排気ガスの熱エネルギを回収することができる。具体的には、排熱回収装置116に設けられる熱交換器と排気ガスが接触することにより、排気ガスと熱交換器との間で熱交換されて、熱交換器に流通する媒体の温度が上昇する。上流側通路108および下流側通路110は、エンジンを冷却する媒体の通路に接続されるため、エンジンの冷却水温も上昇して、暖機を早期に完了させることができる。しかしながら、切替弁102に異常が発生すると、排気ガスがバイパス通路104に流通しないため、排熱回収装置116が適切に機能しない可能性がある。
本発明は、上述のように構成される排熱回収システムにおいて、異常検出装置が、切替弁102が異常であるか否かを検出する点に特徴を有する。具体的には、本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置は、ECUにより実現され、ECUは、ガス温センサ118により検知された排気ガスの温度に基づいて、切替弁102が異常であるか否かを判定する。
切替弁102が閉じられていると、バイパス通路104、106において、排気ガスが流通するため、ガス温センサ118により排気ガスの温度上昇を検知することができる。排気ガスの温度は、エンジンの回転数と予め定められた関係を有する。すなわち、図2に示すように、排気ガスの温度とエンジン回転数との間には、線形的な関係、すなわち、比例関係を有する。そのため、ECUは、切替弁102が閉じるように制御している状態において、ガス温センサ118により検知された排気ガスの温度とクランクポジションセンサにより検知されたエンジンの回転数とが予め定められた関係に対応しないと、切替弁102が異常であると判定する。
具体的には、ECUは、図2に示すマップにおいて、検知された排気ガスの温度と検知されたエンジンの回転数とに基づく位置が実線よりも上の領域であると、切替弁102が正常であると判定し、実線よりも下の領域であると、切替弁102は異常であると判定する。
以下、図3を参照して、本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する。)1000にて、ECUは、切替弁102を閉じるように制御されているか否かを判断する。切替弁102が閉じるように制御されていると(S1000にてYES)、処理はS1100に移される。もしそうでないと(S1000にてNO)、処理はS1200に移される。
S1100にて、ECUは、ガス温センサ118により検知された排気ガスの温度が図2に示すマップから得られる値よりも大きいか否かを判定する。すなわち、ECUは、図2に示すマップにおいて、検知された排気ガスの温度と検知されたエンジンの回転数とに基づく位置が実線よりも上の領域になるか否かを判定する。検知された排気ガスの温度がマップから得られる値よりも大きいと(S1100にてYES)、処理はS1300に移される。もしそうでないと(S1100にてNO)、処理はS1400に移される。
S1200にて、ECUは、ガス温センサ118により検知された排気ガスの温度が図2に示すマップから得られる値よりも小さいか否かを判定する。すなわち、ECUは、図2に示すマップにおいて、検知された排気ガスの温度と検知されたエンジンの回転数とに基づく位置が実線よりも下の領域になるか否かを判定する。排気ガスの温度がマップから得られる値よりも小さいと(S1200にてYES)、処理はS1300に移される。もしそうでないと(S1200にてNO)、処理はS1400に移される。
S1300にて、ECUは、切替弁102が正常であると判定する。S1400にてECUは、切替弁102が異常であると判定する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置であるECUの動作について説明する。
エンジンが起動すると、ECUは、切替弁102を閉じるように制御する(S1000にてYES)。切替弁102が閉じられると、排気ガスは、バイパス通路104、106を流通する。そのため、バイパス通路104,106中の温度が上昇する。このとき、ガス温センサ118により検知された排気ガスの温度が、図2に示すマップにおいて、検知されたエンジン回転数に対応する値よりも大きいと(S1100にてYES)、切替弁102は正常であると判定される(S1300)。一方、排気ガスの温度が、図2に示すマップにおいて、検知されたエンジン回転数に対応する値よりも小さいと(S1100にてNO)、切替弁102は異常であると判定される(S1400)。
エンジンの冷却水温が上昇して、暖機が完了すると、ECUは、切替弁102を開くように制御する(S1000にてNO)。切替弁102が開かれると、排気ガスは、排気管100を流通する。そのため、バイパス通路104,106中の温度は下降する。このとき、ガス温センサ118により検知された排気ガスの温度が、図2のマップにおいて、検知されたエンジン回転数に対応する値よりも大きいと(S1200にてNO)、切替弁102は異常であると判定される(S1400)。一方、排気ガスの温度が、図2に示すマップにおいて、検知されたエンジン回転数に対応する値よりも小さいと(S1200にてYES)、切替弁102は正常であると判定される(S1300)。
以上のようにして、本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置によると、バイパス通路に排気ガスが流通するように切替弁が切り替えられると、ガス温センサは、排気ガスの温度の上昇を検知する。このとき、排気ガスの温度は、エンジン回転数の変化に応じて比例関係に対応するように変化する傾向を示す。そのため、検知された排気ガスの温度が、検知されたエンジンの回転数とマップとから算出された排気ガスの温度を下回ると、排気ガスがバイパス通路を流通していないと判定することができる。その結果、切替弁が異常であると判定することができる。したがって、排気ガスの経路を切り替える切替弁の異常を検出する排熱回収システムの異常検出装置を提供することができる。
なお、本実施の形態においては、図2に示すような排気ガスの温度とエンジン回転数との関係に基づいて、切替弁102が異常であるか否かを判定したが、上流側温度センサ112および下流側温度センサ114により検知された温度AおよびBの差、すなわち、熱交換器における媒体の温度変化量(排熱回収状態)とエンジン回転数との関係を利用して、切替弁102が異常であるか否かを判定してもよい。熱交換器における媒体の温度変化量とエンジン回転数との関係は、図2に示すマップと同様に比例の関係を有する。したがって、検知された温度Aおよび温度Bの差に基づく温度変化量が、検知されたエンジン回転数とマップとから算出された変化量を下回ると、排気ガスがバイパス通路に流通していないと判定して、切替弁102が異常であると判定するようにしてもよい。
また、本実施の形態において、ガス温センサ118は、バイパス通路106中に設けられるが、特に限定されるものではない。ガス温センサ118は、たとえば、バイパス通路104中に設けられるようにしてもよい。
あるいは、バイパス通路104の分岐後であって、バイパス通路106との合流前の排気管100の途中に設けられるようにしてもよい。このようにすると、バイパス通路106に排気ガスが流通すると、ガス温センサ118は、排気ガスの温度の下降を検知する。したがって、切替弁102が閉じられるように制御されているにも関わらず、温度が下降しないことを検知することにより、切替弁102が異常であると判定することができる。
ガス温センサは、バイパス通路と排気管のうち少なくともいずれかに設けられていればよく、複数個設けられてもよい。
さらに、ガス温センサ118は、たとえば、排気ガスがバイパス通路104に流通するとオン信号を出力するセンサを用いてもよい。このようにすると、ガス温センサ118のオン−オフ信号により、バイパス通路に排気ガスが流通しているか否かを検知することができるため、切替弁102の異常も検知することができる。
<第2の実施の形態>
以下、第2の実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置について説明する。
本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置においては、上述の第1の実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置の構成と比較して、ECUで実行されるプログラムの制御構造が異なる。それ以外の構成については、上述の第1の実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
以下、図4を参照して、本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造について説明する。
なお、図4に示したフローチャートの中で、前述の図3に示したフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらについて処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
S1500にて、ECUは、上流側温度センサ112により検知された温度Aが下流側温度センサ114により検知された温度Bよりも小さいか否かを判定する。温度Aが温度Bよりも小さいと(S1500にてYES)、処理はS1300に移される。もしそうでないと(S1500にてNO)、処理はS1400に移される。
S1600にて、ECUは、上流側温度センサ112により検知された温度Aと下流側温度センサ114により検知された温度Bとが略等しいか否かを判定する。ECUは、たとえば、温度Aと温度Bとの差が予め定められた値以下であるか否かに基づいて、温度Aと温度Bとが略等しいか否かを判定する。温度Aと温度Bとが略等しいと(S1600にてYES)、処理はS1300に移される。もしそうでないと(S1600にてNO)、処理はS1400に移される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置であるECUの動作について説明する。
エンジンが起動すると、ECUは、切替弁102を閉じるように制御する(S1000にてYES)。切替弁102が閉じられると、排気ガスは、バイパス通路104,106を流通する。そして、排気ガスは、バイパス通路104,106間の排熱回収装置116の熱交換器に接触すると、熱エネルギが熱交換器内を流通する媒体に吸収される。熱エネルギが吸収されると、温度Bが上昇する。このとき、上流側温度センサ112により検知された温度Aが下流側温度センサ114により検知された温度Bよりも小さいと(S1500にてYES)、排熱回収装置116において排熱が回収されていると判定することができるため、切替弁102は正常に動作していると判定される(S1300)。
一方、温度Aが温度Bよりも大きいと(S1500にてNO)、排熱回収装置116において排熱が回収されていないと判定することができるため、切替弁102は異常であると判定される(S1400)。
エンジンの冷却水温が上昇して、暖機が完了すると、ECUは、切替弁102を開くよに制御する(S1000にてNO)。切替弁102が開かれると、排気ガスは、排気管100を流通する。そのため、熱交換器において熱交換が行なわれないため、温度Bは下降する。このとき、温度Aと温度Bとが略等しいと(S1600にてYES)、排熱回収装置116において排熱が回収されていないと判定することができるため、切替弁102は正常であると判定される(S1300)。一方、温度Aと温度Bとが等しくないと(S1600にてNO)、切替弁102は異常であると判定される(S1400)。
以上のようにして、本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置によると、バイパス通路に排気ガスが流通するように切替弁が切り替えられると、排気ガスが熱交換器と接触して、熱交換器において、排気ガスの熱エネルギが冷却水に吸収される。吸収された熱エネルギにより、熱交換器から導出する冷却水の温度Bが上昇する。そのため、ECUは、検知された温度変化量(温度Aおよび温度Bの差)に基づいて、バイパス通路に排気ガスが流通しているか否かを判定することができる。その結果、切替弁が異常であるか否かを判定することができる。したがって、排気ガスの経路を切り替える切替弁の異常を検出する排熱回収システムの異常検出装置を提供することができる。
<第3の実施の形態>
以下、第3の実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置について説明する。
本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置は、上述の第1の実施の形態に係る排熱回収システムの構成と比較して、図5に示すように、上流側通路108に上流側温度センサ112が設けられていない点、バイパス通路106中のガス温センサ118に代えて、バイパス通路104中にガス温センサ120を設ける点が異なる。それ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る排熱回収システムの構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
ガス温センサ120は、バイパス通路104中の排気ガスの温度を検知する。ガス温センサ120は、検知された排気ガスの温度に対応する検知信号をECUに送信する。
また、本実施の形態において、エンジンには、媒体(冷却水)の温度に応じて、エンジンからラジエータ(図示せず)に媒体を導入するサーモスタット(図示せず)が設けられる。サーモスタットは、エンジンの起動時において、冷却水温が低い場合においては、閉じた状態となり、冷却水温が高くなるにつれて、開いた状態となる開閉弁である。
サーモスタットが閉じた状態であると、ラジエータに接続される冷却水通路が遮断されるため、冷却水は、ウォータポンプを介してエンジンに戻される。一方、サーモスタットが開いた状態であると、冷却水は、エンジンからラジエータに接続される冷却水通路が通じてラジエータに導入される。冷却水は、ラジエータで冷却された後、ウォータポンプを介してエンジンに戻される。サーモスタットは、冷却水の温度に応じて機械的に開く開閉弁であって、周知の技術を用いればよいため、その詳細については説明しない。
本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置であるECUは、ガス温センサ120により検知された排気ガスの温度の時間変化量に基づいて、切替弁が異常であるか否かを判定する点に特徴を有する。また、ECUは、下流側温度センサ114により検知された冷却水の温度に基づいて、サーモスタットが異常であるか否かを判定する点に特徴を有する。
以下、図6を参照して、本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造について説明する。
S2000にて、ECUは、ガス温センサ120により検知された排気ガスの温度の時間変化量ΔTが予め定められた値Ta1以上であるか否かを判定する。ECUは、予め定められた時間間隔における排気ガスの温度変化量に基づいて、時間変化量ΔTを算出する。ECUが時間変化量ΔTを算出するタイミングは、切替弁102が閉じるように制御された後であれば、特に限定されるものではないが、たとえば、切替弁102が閉じるように制御されてから予め定められた時間が経過した後に算出されるようにしてもよい。また、予め定められた時間間隔は、特に限定されるものではない。排気ガスの温度変化量が予め定められた値Ta1以上であると(S2000にてYES)、処理はS2100に移される。もしそうでないと(S2000にてNO)、処理はS2200に移される。
S2100にて、ECUは、排熱回収装置116は正常であると判定する。すなわち、ECUは、切替弁102が正常に動作していると判定する。S2200にて、ECUは、排熱回収装置116が異常であると判定する。すなわち、ECUは、切替弁102が異常であると判定する。
S2300にて、ECUは、検知された水温が判定実行温度Twになると、判定実行温度Twになるまでの期間に対応する温度Ta2よりも大きいか否かを判定する。
「判定実行温度Twになるまでの期間に対応する温度Ta2」とは、切替弁102が閉じるように制御されてから(あるいは、エンジンが起動してから)、検知された水温が判定実行温度Twになるまでの期間に、排熱回収装置116により回収される回収熱量と、サーモスタットが閉じている状態であるときに予測される冷却水の温度変化量とに基づいて算出される温度である。ECUは、たとえば、排熱回収装置116およびサーモスタットが正常状態である場合において予測される時間と冷却水の水温の下限値との関係を示すマップを記憶しておく。なお、マップに限定されるものではなく、たとえば、表や数式であってもよい。ECUは、判定実行温度Twになると、切替弁102を閉じるように制御してから判定実行温度Twになるまでの期間に対応する温度Ta2をマップを参照して算出する。
また、回収熱量は、本実施の形態において、エンジンに吸入される空気量と、燃料の噴射量と、エンジンの回転数と、冷却水の水温等で求められるガス容量と熱伝達率から算出される。このようにすると、エンジンの状態に応じた回収熱量を精度よく算出することができる。そのため、精度よく切替弁の異常を検出することができる。
判定実行温度Twが温度Ta2より大きいと(S2300にてYES)、処理はS2500に移される。もしそうでないと(S2300にてNO)、処理はS2600に移される。
S2400にて、ECUは、下流側温度センサ114により検知された温度が判定実行温度Twになると、判定実行温度Twになるまでの期間に対応する温度Ta3よりも大きいか否かを判定する。
「判定実行温度Twになるまでの期間に対応する温度Ta3」とは、切替弁102が閉じるように制御されてから(あるいは、エンジンが起動してから)、検知された水温が判定実行温度Twになるまでの期間に、排熱回収装置116により熱量が回収されない状態であって、サーモスタットが閉じている状態であるときに予測される冷却水の温度変化量に基づいて算出される温度である。ECUは、たとえば、排熱回収装置116が非作動状態であって、サーモスタットが正常状態である場合において予測される時間と冷却水の水温の下限値との関係を示すマップを記憶しておく。なお、マップに限定されるものではなく、たとえば、表や数式であってもよい。ECUは、判定実行温度Twになると、切替弁102を閉じるように制御してから判定実行温度Twになるまでの期間に対応する温度Ta3を、マップを参照して算出する。
判定実行温度Twが温度Ta3よりも大きいと(S2400にてYES)、処理はS2700に移される。もしそうでないと(S2400にてNO)、処理はS2800に移される。
S2500にて、ECUは、サーモスタットが正常に動作していると判定する。S2600にて、ECUは、サーモスタートが異常であると判定する。S2700にて、ECUは、サーモスタットは正常に動作していると判定する。S2800にて、ECUは、サーモスタットが異常であると判定する。
以上のような構造およびフローチャートに基づいて、図7を参照して、本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置であるECUの動作について説明する。
エンジンが起動すると、図7(A)に示すように、時間t(1)においてECUは、切替弁102を閉じるように制御する。このとき、図7(B)の実線に示すように、ガス温センサ120により検知された排気ガスの温度は時間の経過とともに上昇する。ECUは、t(2)からt(3)までの期間における排気ガスの温度の変化量ΔTを算出する。t(2)およびt(3)は特に限定される時間ではない。変化量ΔTがTa1以上であると(S2000にてYES)、排熱回収装置116は正常であると判定される(S2100)。
一方、ECUが切替弁102を閉じるように制御した後、図7(B)の点線に示すように、排気ガスの温度が変化する場合、時間t(2)から時間t(3)までの期間における排気ガスの温度の変化量ΔT’が算出される。ΔT’がTa1よりも小さいと(S2000にてNO)、排熱回収装置116が異常であると判定される(S2200)。
図7(C)の実線に示すように、エンジンの作動および排熱回収装置116による排熱の回収により、下流側温度センサ114により検知された水温は時間とともに上昇する。そして、排熱回収装置116が正常であると判定された後の(S2100)、時間t(4)において、検知された水温が予め定められた判定実行温度Twになると、マップを参照して、時間t(4)に対応する温度Ta2を算出する。そして、時間t(4)に対応する温度Ta2が判定実行温度Twよりも小さいと(S2300にてYES)、サーモスタットは正常であると判定される(S2500)。
また、図7(C)の一点鎖線に示すように、排熱回収装置116が異常であると判定された後の(S2200)、時間t(5)において、検知された水温が予め定められた判定実行温度Twになると、マップを参照して、時間t(5)に対応する温度Ta3を算出する。そして、時間t(5)に対応する温度Ta3が判定実行温度Twよりも小さいと(S2400にてYES)、サーモスタットは正常であると判定される(S2700)。
一方、図7(D)の実線に示すように、排熱回収装置116が正常であると判定された後の(S2100)、時間t(6)において、検知された水温が予め定められた判定実行温度Twになると、マップを参照して、時間t(6)に対応する温度Ta2を算出する。そして、時間t(6)に対応する温度Ta2が判定実行温度Twよりも大きいと(S2300にてNO)、サーモスタットは異常であると判定される(S2600)。
また、図7(D)の一点鎖線に示すように、排熱回収装置116が異常であると判定された後の(S2200)、時間t(7)において、検知された水温が予め定められた判定実行温度Twになると、マップを参照して、時間t(7)に対応する温度Ta3を算出する。そして、時間t(7)に対応する温度Ta3が判定実行温度Twよりも大きいと(S2400にてNO)、サーモスタットは異常であると判定される(S2800)。
以上のようにして、本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置によると、ECUは、検知された排気ガスの温度の時間変化量に基づいて、切替弁が異常であるか否かを判定する。切替弁がバイパス通路に排気ガスが流通するように切り替えられると、ガス温センサは、排気ガスの温度の時間変化量が上昇することを検知することができる。したがって、切替弁が閉じるように制御された後に検知された排気ガスの温度の時間変化量が予め定められた温度Ta1以下であると、排気ガスがバイパス通路を流通していないと判断することができる。その結果、切替弁が異常であると判定することができる。したがって、排熱回収システムに排気ガスを流通させる切替弁の異常を検出する排熱回収システムの異常検出装置を提供することができる。
また、エンジンの暖機時において、サーモスタットに異常が発生して、弁が開かれた状態であると、冷却水はラジエータに流通する。そのため、媒体の温度は上昇しにくい。したがって、判定実行温度Twが、サーモスタットの異常状態において回収される熱量とエンジンにおいて発生する熱量とに基づいて算出される温度Ta2よりも小さいと、ラジエータに媒体が流通している、すなわち、サーモスタットが異常であると判定することができる。
また、本実施の形態においては、検知された排気ガスの温度の時間変化量に基づいて、切替弁が異常であるか否かを判定したが、排熱回収装置116を流通する冷却水の温度の時間変化量に基づいて、切替弁が異常であるか否かを判定してもよい。ガス温センサを用いると、直接排気ガスの温度を検知するため、応答性がよいが、センサの耐熱、耐久性を向上させる必要がある。冷却水の温度センサを用いると、熱交換した後の温度変化を検知するため、応答性は、ガス温センサを用いた場合に比べて劣るが、センサ自体の耐熱性あるいは耐久性を向上させる必要はない。
さらに、本実施の形態において、下流側温度センサは、下流側通路に設けられるが、特にこの位置に限定されるものではない。すなわち、冷却水が流通する通路であればどこに設けられていてもよく、従来のエンジンの水温を検知するセンサを利用するようにしてもよい。
そして、切替弁102の開度とガス温センサ120の出力上昇との関係を示すマップを用いることにより、切替弁102の動作(オン−オフ動作)の異常判定に加えて、切替弁102の開度の異常判定をすることもできる。
<第4の実施の形態>
以下、第4の実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置について説明する。
本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置においては、上述の第3の実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置の構成と比較して、ECUで実行されるプログラムの制御構造が異なる。それ以外の構成については、上述の第3の実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
なお、本実施の形態においては、従来のエンジンの水温を検知する水温センサ(図示せず)により冷却水の温度を検知するが、冷却水の温度が検知できれば、特にこれに限定されるものではない。すなわち、冷却水が流通する通路であればどこに設けられていてもよく、たとえば、下流側温度センサ114により冷却水の温度を検知するようにしてもよい。
以下、図8を参照して、本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造について説明する。
S3000にて、ECUは、異常判定の実行条件が成立するか否かを判定する。異常判定の実行条件は、たとえば、エンジンが起動してから水温センサにより検知された冷却水の温度が予め定められた判定実行温度Twになったときに成立する。異常判定の実行条件が成立すると(S3000にてYES)、処理はS3100に移される。もしそうでないと(S3000にてNO)、処理はS3000に戻される。
S3100にて、ECUは、水温センサにより検知された温度が判定実行温度Twになると、判定実行温度Twになるまでの期間に対応する温度Tb3よりも大きいか否かを判定する。
「判定実行温度Twになるまでの期間に対応する温度Tb3」とは、切替弁102が閉じるように制御されてから(あるいは、エンジンが起動してから)、検知された水温が判定実行温度Twになるまでの期間に、排熱回収装置116により熱量が回収されない状態であって、サーモスタットが閉じている状態であるときに予測される冷却水の温度変化量に基づいて算出される温度である。ECUは、たとえば、排熱回収装置116が非作動状態であって、サーモスタットが正常状態である場合において予測される時間と冷却水の下限値との関係を示すマップを記憶しておく。なお、マップに限定されるものではなく、たとえば、表や数式であってもよい。ECUは、判定実行温度Twになると、切替弁102を閉じるように制御してから判定実行温度Twになるまでの期間に対応する温度Tb3を、マップを参照して算出する。
判定実行温度Twが温度Tb3より大きいと(S3100にてYES)、処理はS3300に移される。もしそうでないと(S3100にてNO)、処理はS3200に移される。S3200にて、ECUは、排熱回収装置116およびサーモスタットが異常であると判定する。
S3300にて、ECUは、判定実行温度Twが、判定実行温度Twになるまでの期間に対応する温度Tb2よりも大きいか否かを判定する。
「判定実行温度Twになるまでの期間に対応する温度Tb2」とは、切替弁102が閉じるように制御されてから(あるいは、エンジンが起動してから)、検知された水温が判定実行温度Twになるまでの期間に、排熱回収装置116により回収される回収熱量と、サーモスタットが開いている状態であるときに予測される冷却水の温度変化量とに基づいて算出される温度である。ECUは、たとえば、排熱回収装置116が作動状態であって、サーモスタットが異常状態である場合において予測される時間と冷却水の水温の下限値との関係を示すマップを記憶しておく。なお、マップに限定されるものではなく、たとえば、表や数式であってもよい。ECUは、判定実行温度Twになると、切替弁102を閉じるように制御してから判定実行温度Twになるまでの期間に対応する温度Tb2を、マップを参照して算出する。
また、回収熱量は、本実施の形態において、エンジンに吸入される空気量と、燃料の噴射量と、エンジンの回転数と、冷却水の水温等で求められるガス容量と熱伝達率から算出される。このようにすると、エンジンの状態に応じた回収熱量を精度よく算出することができる。そのため、精度よく切替弁の異常を検出することができる。
判定実行温度Twが温度Tb2よりも大きいと(S3300にてYES)、処理はS3500に移される。もしそうでないと(S3300にてNO)、処理はS3400に移される。S3400にて、ECUは、サーモスタットが異常であると判定する。
S3500にて、ECUは、判定実行温度Twが、判定実行温度Twになるまでの期間に対応する温度Tb1よりも大きいか否かを判定する。
「判定実行温度Twになるまでの期間に対応する温度Tb1」とは、切替弁102が閉じるように制御されてから(あるいは、エンジンが起動してから)、検知された水温が判定実行温度Twになるまでの期間に、排熱回収装置116により回収された熱量と、サーモスタットが閉じている状態であるときに予測される冷却水の温度変化量とに基づいて算出される温度である。ECUは、たとえば、排熱回収装置116が作動状態であって、サーモスタットが正常状態である場合において予測される時間と冷却水の水温の下限値との関係を示すマップを記憶しておく。なお、マップに限定されるものではなく、たとえば、表や数式であってもよい。ECUは、判定実行温度Twになると、切替弁102を閉じるように制御してから判定実行温度Twになるまでの期間に対応する温度Tb1を、マップを参照して算出する。
判定実行温度TwがTb1よりも大きいと(S3500にてYES)、処理はS3700に移される。もしそうでないと(S3500にてNO)、処理はS3600に移される。
S3600にて、ECUは、排熱回収装置116が異常であると判定する。すなわち、ECUは、切替弁102が異常であると判定する。S3700にて、ECUは、排熱回収装置116およびサーモスタットがともに正常であると判定する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置であるECUの動作について図9を参照して説明する。
エンジンが起動して、切替弁102が閉じられると、排気ガスがバイパス通路104に導入される。導入された排気ガスは、排熱回収装置116の熱交換器に接触する。接触した排気ガスと熱交換器との間で熱交換される。そのため、水温センサにより検知される冷却水の温度は、時間とともに上昇する。そして、検知された媒体の温度がTwになると、異常判定の実行条件が成立する(S3000にてYES)。検知された冷却水の温度がTwになった時間t(8)において、判定実行温度Twが、マップを参照して算出した温度Tb3よりも大きく(S3100にてYES)、温度Tb2よりも大きく(S3300にてYES)、温度Tb1よりも大きいと(S3500にてYES)、排熱回収装置116(すなわち、切替弁102)およびサーモスタットは、正常であると判定される(S3700)。
一方、TwがTb3よりも小さいと(S3100にてNO)、排熱回収装置116およびサーモスタットに異常があると判定される(S3200)。TwがTb3よりも大きく(S3100にてYES)、Tb2よりも小さいと(S3300にてNO)、サーモスタットが異常であると判定される(S3400)。そして、TwがTb3よりも大きく(S3100にてYES)、Tb2よりも大きく(S3300にてYES)、Tb1よりも小さいと(S3500にてNO)、排熱回収装置116に異常があると判定される(S3600)。
以上のようにして、本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置によると、ECUは、検知された温度が予め定められた判定実行温度Twになると、判定実行温度Twになるまでの期間に対応する温度Tb1を算出する。そして、ECUは、判定実行温度Twが温度Tb1よりも小さいと、切替弁が異常であると判定する。温度Tb1は、バイパス通路に排気ガスが流通するときに、排熱回収装置により回収される回収熱量と、サーモスタットが閉じている状態において、エンジンにおいて発生する熱量とに基づいて算出される。したがって、判定実行温度Twが温度Tb1を下回る場合には、排熱回収装置において予測される量の熱量が回収されていない、すなわち、バイパス通路に排気ガスが流通していないと判断することができる。したがって、切替弁が異常であると判定することができる。
また、ECUは、判定実行温度Twが温度Tb2よりも小さいと、開閉弁が異常であると判定する。温度Tb2は、サーモスタットが開いている状態において、排熱回収装置により回収される熱量とエンジンにおいて発生する熱量に基づいて算出される。したがって、判定実行温度Twが温度Tb2を下回る場合、ラジエータに媒体が流通している、すなわち、開閉弁が異常であると判定することができる。
さらに、ECUは、判定実行温度Twが温度Tb3よりも小さいと、サーモスタットおよび切替弁が異常であると判定する。温度Tb3は、たとえば、サーモスタットが開いている状態であって、かつ、バイパス通路に排気ガスが流通しない状態であるときのエンジンにおいて発生する熱量に基づいて算出される。したがって、判定実行温度Twが温度Tb3を下回る場合、サーモスタットが開いており、さらに、バイパス通路に排気ガスが流通してないと判断することができる。したがって、開閉弁および切替弁の両者が異常であると判定することができる。
なお、Tb1、Tb2およびTb3の大小関係は、特に限定されるものではなく、エンジンの冷却系の構造、性能に応じてそれぞれの温度が設定される。
<第5の実施の形態>
以下、第5の実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置について説明する。
本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置においては、上述の第3の実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置の構成と比較して、ECUで実行されるプログラムの制御構造が異なる。それ以外の構成については、上述の第3の実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
なお、本実施の形態においては、従来のエンジンの水温を検知する水温センサにより冷却水の温度を検知するが、冷却水の温度が検知できれば、特にこれに限定されるものではない。すなわち、冷却水が流通する通路であればどこに設けられていてもよく、たとえば、下流側温度センサ114により冷却水の温度を検知するようにしてもよい。
以下、図10を参照して、本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造について説明する。
S4000にて、ECUは、異常判定の実行条件が成立するか否かを判定する。異常判定の実行条件は、たとえば、エンジンが起動してから水温センサにより検知された冷却水の温度が予め定められた判定実行温度Tw1になったときに成立する。異常判定の実行条件が成立すると(S4000にてYES)、処理はS4100に移される。もしそうでないと(S4000にてNO)、処理はS4000に戻される。
S4100にて、ECUは、水温センサにより検知された温度が判定実行温度Tw1になると、判定実行温度Tw1になるまでの期間に対応する温度Tc1よりも大きいか否かを判定する。
「判定実行温度Tw1になるまでの期間に対応する温度Tc1」とは、エンジンが起動してから、検知された水温が判定実行温度Tw1になるまでの期間に、サーモスタットが閉じている状態であるときに予測される冷却水の温度変化量に基づいて算出される温度である。ECUは、たとえば、排熱回収装置116が非作動状態であって、サーモスタットが正常状態である場合において予測される時間と冷却水の水温の下限値との関係を示すマップを記憶しておく。なお、マップに限定されるものではなく、たとえば、表や数式であってもよい。ECUは、判定実行温度Twになると、エンジンが起動してから判定実行温度Twになるまでの期間に対応する温度Tc1を、マップを参照して算出する。
判定実行温度Twが温度Tc1より大きいと(S4100にてYES)、処理はS4200に移される。もしそうでないと(S4100にてNO)、処理はS4300に移される。
S4200にて、ECUは、サーモスタットが正常であると判定する。S4300にて、ECUは、サーモスタットが異常であると判定する。
S4400にて、ECUは、水温センサにより検知された温度が判定実行温度Tw2になると、判定実行温度Twになるまでの期間に対応する温度Tc2よりも大きいか否かを判定する。本実施の形態において、ECUは、水温センサにより検知された温度が判定実行温度Tw1になると、切替弁102を閉じるように制御する。
「判定実行温度Tw2になるまでの期間に対応する温度Tc2」とは、切替弁102が閉じるように制御されてから、検知された水温が判定実行温度Tw2になるまでの期間に、排熱回収装置116により回収される回収熱量に基づいて算出される温度である。ECUは、たとえば、排熱回収装置116が作動状態である場合において予測される時間と冷却水の水温の下限値との関係を示すマップを記憶しておく。なお、マップに限定されるものではなく、たとえば、表や数式であってもよい。ECUは、判定実行温度Tw2になると、切替弁102を閉じるように制御してから判定実行温度Tw2になるまでの期間に対応する温度Tc2を、マップを参照して算出する。
また、回収熱量は、本実施の形態において、エンジンに吸入される空気量と、燃料の噴射量と、エンジンの回転数と、冷却水の水温等で求められるガス容量と熱伝達率から算出される。このようにすると、エンジンの状態に応じた回収熱量を精度よく算出することができる。そのため、精度よく切替弁の異常を検出することができる。
判定実行温度Tw2が温度Tc2より大きいと(S4400にてYES)、処理はS4500に移される。もしそうでないと(S4400にてNO)、処理はS4600に移される。
S4500にて、ECUは、排熱回収装置116が正常であると判定する。すなわち、ECUは、切替弁102が正常であると判定する。S4600にて、ECUは、排熱回収装置116が異常であると判定する。すなわち、ECUは、切替弁102が異常であると判定する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置であるECUの動作について図11を参照して説明する。
エンジンが起動して、エンジンにおいて暖機が開始されると、エンジンの冷却水温は、エンジンにおいて発生する熱により時間とともに上昇する。このとき、切替弁102は開いた状態である。水温センサにより検知された媒体の温度が判定実行温度Tw1になると、異常判定の実行条件が成立する(S4000にてYES)。検知された温度がTw1になった時間t(9)において、判定実行温度Tw1が、マップを参照して算出された温度Tc1より大きいと(S4100にてYES)、サーモスタットが正常であると判定される(S4200)。一方、判定実行温度Tw1が温度Tc1よりも小さいと(S4100にてNO)、サーモスタットが異常であると判定される(S4300)。
水温センサにより検知された温度がTw1になると、切替弁102が閉じるように制御されて、排熱回収装置116が作動する。排熱回収装置116による回収熱量とエンジンにおいて発生する熱量とにより温度が上昇する。水温センサにより検知された温度が判定実行温度Tw2になった時間t(10)において、判定実行温度Tw2が、マップ等を参照して算出された温度Tc2よりも大きいと(S4400にてYES)、排熱回収装置116が正常であると判定される(S4500)。一方、判定実行温度Tw2が温度Tc2よりも小さいと(S4400にてNO)、排熱回収装置116が異常であると判定される(S4600)。
以上のようにして、本実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置によると、ECUは、判定実行温度Tw1が、マップを参照して算出された温度Tc1よりも小さいと、サーモスタットが異常であると判定する。温度Tc1は、サーモスタットが閉じている状態であるときに予測される冷却水の温度変化量に基づいて算出される温度の下限値である。したがって、判定実行温度Tw1が温度Tc1を下回る場合、ラジエータに媒体が流通している、すなわち、サーモスタットが異常であると判定することができる。
ECUは、検知された温度が予め定められた判定実行温度Tw1になると、切替弁102を閉じるように制御する。そして、ECUは、検知された温度が判定実行温度Tw2になると、切替弁102を閉じてからTw2になるまでの期間に対応する温度Tc2を、マップを参照して算出する。そして、ECUは、判定実行温度Tw2が、算出された温度Tc2よりも小さいと、切替弁が異常であると判定する。温度Tc2は、排熱回収装置により回収される回収熱量に基づいて算出される。したがって、判定実行温度Tw2が温度Tc2を下回る場合には、排熱回収装置において予測される量の熱量が回収されていない、すなわち、バイパス通路に排気ガスが流通していないと判断することができる。したがって、切替弁が異常であると判定することができる。
また、ECUは、サーモスタットが異常であるか否かを判定した後、切替弁が異常であるか否かを判定する。異なる時点でサーモスタットの異常と切替弁の異常とを判定することにより、誤判定を防止して精度の高い異常判定を行なうことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
第1の実施の形態に係る排熱回収システムの構成を示す図である。 排気ガスの温度とエンジンの回転数との関係を示す図である。 第1の実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 第3の実施の形態に係る排熱回収システムの構成を示す図である。 第3の実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 第3の実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置であるECUの動作を示すタイミングチャートである。 第4の実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 第4の実施の形態おいて、温度センサにより検知された媒体の温度の変化を示すタイミングチャートである。 第5の実施の形態に係る排熱回収システムの異常検出装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 第5の実施の形態において、温度センサにより検知された媒体の温度の変化を示すタイミングチャートである。
符号の説明
100 排気管、102 切替弁、104,106 バイパス通路、108 上流側通路、110 下流側通路、112,114 温度センサ、116 排熱回収装置、118,120 ガス温センサ。

Claims (17)

  1. エンジンから排出される排気ガスから排熱を回収する排熱回収システムの異常を検出する異常検出装置であって、前記排熱回収システムは、前記排気ガスが流通する排気通路に並列に接続されるバイパス通路と、前記バイパス通路に設けられ、前記排熱を回収する排熱回収機構と、前記排気ガスが前記バイパス通路を流通するように切り替える切替弁とを含み、
    前記バイパス通路および前記排気通路のうちの少なくともいずれかに設けられ、前記排気ガスの温度を検知するためのガス温検知手段と、
    前記排気ガスが流通する通路を前記排気通路から前記バイパス通路に切り替えるように前記切替弁を制御した後に、前記ガス温検知手段によって検知された前記排気ガスの温度に基づいて、前記切替弁が異常であるか否かを判定するための判定手段とを含み、
    前記判定手段は、
    前記ガス温検知手段によって検知された前記排気ガスの温度に基づいて、前記ガス温検知手段が設けられる通路において前記排気ガスが流通しているか否かを判定するための手段と、
    前記バイパス通路において前記排気ガスが流通していないと判定された場合に、前記切替弁が異常であると判定するための手段とを含む、排熱回収システムの異常検出装置。
  2. 前記ガス温検知手段は、前記バイパス通路に設けられ、
    前記判定手段は、前記排気ガスが流通する通路を前記排気通路から前記バイパス通路に切り替えるように前記切替弁を制御した後に、前記ガス温検知手段によって検知された前記排気ガスの温度が上昇しない場合に前記バイパス通路において前記排気ガスが流通していないと判定する、請求項1に記載の排熱回収システムの異常検出装置。
  3. 前記ガス温検知手段は、前記排気通路に設けられ、
    前記判定手段は、前記排気ガスが流通する通路を前記排気通路から前記バイパス通路に切り替えるように前記切替弁を制御した後に、前記ガス温検知手段によって検知された前記排気ガスの温度が下降しない場合に前記バイパス通路において前記排気ガスが流通していないと判定する、請求項1に記載の排熱回収システムの異常検出装置。
  4. 前記ガス温検知手段は、前記バイパス通路に設けられ、
    前記異常検出装置は、前記エンジンの回転数を検知するための手段をさらに含み、
    前記判定手段は、前記排気ガスが流通する通路を前記排気通路から前記バイパス通路に切り替えるように前記切替弁を制御した後に、前記検知された温度が、前記回転数と前記排気ガスの温度および前記エンジンの回転数についての予め定められた関係とから得られる値よりも小さい場合に、前記ガス温検知手段が設けられる通路において前記排気ガスが流通していないと判定する、請求項1に記載の排熱回収システムの異常検出装置。
  5. 前記ガス温検知手段は、前記バイパス通路に設けられ、
    前記判定手段は、前記排気ガスが流通する通路を前記排気通路から前記バイパス通路に切り替えるように前記切替弁を制御した後に、前記排気ガスの温度の時間変化量が予め定められた値よりも小さい場合に、前記バイパス通路において前記排気ガスが流通していないと判定する、請求項1に記載の排熱回収システムの異常検出装置。
  6. エンジンから排出される排気ガスから排熱を回収する排熱回収システムの異常を検出する異常検出装置であって、前記排熱回収システムは、前記排気ガスが流通する排気通路に並列に接続されるバイパス通路と、前記バイパス通路に設けられ、前記排熱を回収する排熱回収機構と、前記排気ガスが前記バイパス通路を流通するように切り替える切替弁とを含み、
    前記排熱回収機構によって回収された回収熱量を検知するための状態検知手段と、
    前記排気ガスが流通する通路を前記排気通路から前記バイパス通路に切り替えるように前記切替弁を制御した後に、前記回収熱量に基づいて、前記切替弁が異常であるか否かを判定するための判定手段とを含み、
    前記判定手段は、
    前記回収熱量に基づいて前記バイパス通路において前記排気ガスが流通しているか否かを判定するための手段と、
    前記バイパス通路において前記排気ガスが流通していないと判定された場合に、前記切替弁が異常であると判定するための手段とを含む、排熱回収システムの異常検出装置。
  7. 前記判定手段は、前記排気ガスが流通する通路を前記排気通路から前記バイパス通路に切り替えるように前記切替弁を制御した後に、前記回収熱量が増加しない場合に、前記バイパス通路において前記排気ガスが流通していないと判定する、請求項6に記載の排熱回収システムの異常検出装置。
  8. 前記異常検出装置は、前記エンジンの回転数を検知するための手段をさらに含み、
    前記判定手段は、前記排気ガスが流通する通路を前記排気通路から前記バイパス通路に切り替えるように前記切替弁を制御した後に、前記検知された回収熱量が、前記回転数と前記回収熱量および前記エンジンの回転数についての予め定められた関係とから得られる値よりも小さい場合に、前記バイパス通路において前記排気ガスが流通していないと判定する、請求項6に記載の排熱回収システムの異常検出装置。
  9. 前記排熱回収機構は、前記バイパス通路上に設けられる熱交換器と、前記熱交換器の内部に媒体流通させるための媒体通路とを含み、
    前記状態検知手段は、前記媒体の温度変化に基づいて、前記回収熱量を検知するための手段を含む、請求項6〜8のいずれかに記載の排熱回収システムの異常検出装置。
  10. 前記媒体通路は、
    前記熱交換器に前記媒体を導入する上流側通路と、
    前記熱交換器から前記媒体を導出する下流側通路とを含み、
    前記状態検知手段は、
    前記上流側通路を流通する媒体の上流側温度を検知するための手段と、
    前記下流側通路を流通する媒体の下流側温度を検知するための手段とを含み、
    前記判定手段は、前記上流側温度と前記下流側温度との差に基づいて、前記バイパス通路において前記排気ガスが流通しているか否かを判定する、請求項9に記載の排熱回収システムの異常検出装置。
  11. 前記状態検知手段は、前記媒体の温度を検知するための手段を含み、
    前記判定手段は、
    前記検知された温度が予め定められた第1の判定温度になる場合に、前記第1の判定温度になるまでの期間に対応する第1の温度を算出するための手段と、
    前記第1の判定温度が前記第1の温度よりも小さい場合に、前記バイパス通路において前記排気ガスが流通していないと判定するための手段とを含み、
    前記第1の温度は、検知された温度が、前記切替弁の制御が開始されてから前記第1の判定温度になるまでの期間に、前記排熱回収機構により回収された回収熱量に基づいて予測される前記媒体の温度の下限値である、請求項9に記載の排熱回収システムの異常検出装置。
  12. 前記回収熱量は、前記エンジンに吸入される空気量と、燃料の噴射量と、前記エンジンの回転数と、前記媒体の温度とに基づいて算出される、請求項11に記載の排熱回収システムの異常検出装置。
  13. 前記媒体通路は、前記エンジンの冷却通路に接続され、
    前記エンジンには、前記媒体の温度に応じて、前記エンジンからラジエータに前記媒体を導入する開閉弁が設けられ、
    前記異常検出装置は、
    前記検知された温度が予め定められた第2の判定温度になる場合に、前記第2の判定温度になるまでの期間に対応する第2の温度を算出するための手段と、
    前記第2の判定温度が前記第2の温度よりも小さい場合に、前記開閉弁が異常であると判定するための異常判定手段をさらに含み、
    前記第2の温度は、前記ラジエータに前記媒体が流通しない状態であるときに予測される前記媒体の温度変化量に基づいて算出される温度である、請求項11または12に記載の排熱回収システムの異常検出装置。
  14. 前記第1の判定温度は、前記第2の判定温度と同じ温度であって、
    前記異常検出装置は、
    前記検知された温度が前記第1の判定温度になる場合に、前記第1の判定温度になるまでの期間に対応する予め定められた第3の温度を算出するための手段と、
    前記第1の判定温度が第3の温度よりも小さい場合に、前記開閉弁および前記切替弁が異常であると判定するための手段をさらに含み、
    前記第3の温度は、前記開閉弁および前記切替弁のうちのいずれか一方が異常状態であるときに予測される前記媒体の温度変化量に基づいて算出される温度のいずれか低い方の温度である、請求項13に記載の排熱回収システムの異常検出装置。
  15. 前記第1の判定温度は、前記第2の判定温度と異なる温度であって、
    前記判定手段は、前記異常判定手段による前記開閉弁が異常であるか否かの判定と異なる時点で、前記切替弁が異常であるか否かを判定するための手段を含む、請求項13に記載の排熱回収システムの異常検出装置。
  16. 前記判定手段は、前記異常判定手段による前記開閉弁が異常であるか否かを判定した後、前記切替弁が異常であるか否かを判定するための手段を含む、請求項15に記載の排熱回収システムの異常検出装置。
  17. 前記媒体通路は、前記熱交換器から前記媒体を導出する下流側通路とを含み、
    前記状態検知手段は、前記下流側通路の媒体の温度を検知するための手段を含む、請求項11〜16のいずれかに記載の排熱回収システムの異常検出装置。
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