JP2005150653A - 廃熱エネルギ回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気ガスの排熱を効率よく回収する。
【解決手段】排気ガスの温度が高い場合は高温において効率のよい熱電素子を用い、排気ガスの温度が低い場合は低温において効率のよい熱電素子を用いる。また、排気ガスの温度が高い場合は熱電素子を冷却するために冷却水を用い、排気ガスの温度が低い場合は熱電素子を冷却するために冷却水よりも冷却効率の高い冷媒を用いる。排気ガスの温度が変化してもそれに応じた熱電素子を用いたりそれに応じて熱電素子を冷却することにより、排気ガスの廃熱を効率よく回収することが出来る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、排気ガスの熱エネルギを電気エネルギに変換して回収する廃熱エネルギ回収装置に関する。
エンジンから排出される排気ガスなどからエネルギを回収しようとする試みがなされている。この排気ガスの有する熱エネルギは、その一部が排気浄化触媒の温度を活性温度まで上昇させるために利用されたり、車室内の暖房などに利用されるが、それ以外の大部分は利用されずに放散される。そこで、排気ガスが有する熱を熱電素子を用いて電気エネルギに変換し、電気エネルギとして回収することがなされている。このような廃熱エネルギ回収装置では、排気ガスが流れる排気管(高温側)と冷却水などを通した冷却部(低温側)との間に熱電変換モジュール(熱電素子)を配設し、この高温側と低温側との温度差に応じて生じる電気エネルギを回収している。
特開平10−290590
上述した熱電素子は高温側と低温側の温度差に応じて電気エネルギを生じるため、効率よく安定的に電気エネルギを得るためには高温側と低温側の温度差を安定させることが望ましい。また、熱電素子はその種類に応じて特定の温度において効率よく廃熱エネルギを電気エネルギに変換するため、効率よく安定的にエネルギを得るためには排気ガスの温度が特定の温度で安定していることが望ましい。しかし、従来の廃熱エネルギ回収装置は排気ガスなどの温度の変化にかかわらず同じ材料の熱電素子を用い低温側の温度を所定値に保ったままで電気エネルギの回収を行っていたため、エンジンの排気ガスのように高温側の温度が大きく変化するようなものから効率よく安定的に電気エネルギを得ることが難しかった。
請求項1記載の廃熱エネルギ回収装置は、気体の持つ廃熱エネルギを熱電素子によって電気エネルギに変換して回収するもので、熱電素子を冷却する第1冷媒と、第1冷媒よりも冷却能力の高い、熱電素子を冷却する第2冷媒と、熱電素子による廃熱エネルギの電気エネルギへの変換状況を検知する第1検知装置と、検知された変換状況に基づいて第1冷媒と第2冷媒との使用を切り換える第1切り換え装置とを備えている。
請求項2記載の廃熱エネルギ回収装置は、請求項1における第1検知装置は熱電素子によって変換された電気エネルギの電圧を測定する測定装置であり、第1切り換え装置は第1冷媒によって前記熱電素子を冷却し、なおかつ電圧が所定値以下の場合、第2冷媒によって熱電素子を冷却することを特徴とする。
請求項3記載の廃熱エネルギ回収装置は、請求項1における第1検知装置は熱電素子によって変換された電気エネルギの電圧を測定する測定装置であり、第1切り換え装置は第2冷媒によって前記熱電素子を冷却し、なおかつ電圧が所定値以上の場合、第1冷媒によって熱電素子を冷却することを特徴とする。
請求項4記載の廃熱エネルギ回収装置は、請求項1における第1検知装置は気体の温度を測定する第1温度測定装置であり、第1切り換え装置は第1冷媒によって熱電素子を冷却し、なおかつ温度が所定値以下の場合、第2冷媒によって熱電素子を冷却することを特徴とする。
請求項5記載の廃熱エネルギ回収装置は、請求項1における第1検知装置は気体の温度を測定する第1温度測定装置であり、第1切り換え装置は第2冷媒によって熱電素子を冷却し、なおかつ温度が所定値以上の場合、第1冷媒によって熱電素子を冷却することを特徴とする。
請求項6記載の廃熱エネルギ回収装置は、気体の持つ廃熱エネルギを熱電素子によって電気エネルギに変換して回収するもので、気体が高温の場合に高い効率で廃熱エネルギを電気エネルギに変換する第1熱電素子と前記気体が低温の場合に高い効率で廃熱エネルギを電気エネルギに変換する第2熱電素子と、第1熱電素子もしくは第2熱電素子による廃熱エネルギの電気エネルギへの変換状況を検知する第2検知装置と、検知された変換状況に基づいて第1熱電素子と第2熱電素子との使用を切り換える第2切り換え装置とを備えている。
請求項7記載の廃熱エネルギ回収装置は、請求項6における第2検知装置は第1熱電素子によって変換された電気エネルギの電圧を測定する第1測定装置であり、第2切り換え装置は前記電圧が所定値以下の場合、第2熱電素子によって廃熱エネルギを電気エネルギに変換することを特徴とする。
請求項8記載の廃熱エネルギ回収装置は、請求項6における第2検知装置は第2熱電素子によって変換された電気エネルギの電圧を測定する第2測定装置であり、第2切り換え装置は電圧が所定値以下の場合、第1熱電素子によって廃熱エネルギを電気エネルギに変換することを特徴とする。
請求項9記載の廃熱エネルギ回収装置は、請求項6における第2検知装置は気体の温度を測定する第2温度測定装置であり、第2切り換え装置は温度が所定値以下の場合、第2熱電素子によって廃熱エネルギを電気エネルギに変換することを特徴とする。
請求項10記載の廃熱エネルギ回収装置は、請求項6における第2検知装置は気体の温度を測定する第2温度測定装置であり、第2切り換え装置は温度が所定値以上の場合、第1熱電素子によって廃熱エネルギを電気エネルギに変換することを特徴とする。
請求項11記載の廃熱エネルギ回収装置は、請求項6において、さらに第1熱電素子を冷却する第3冷媒と、前記第3冷媒よりも冷却能力の高い、第2熱電素子を冷却する第4冷媒とを備えている。
請求項1記載の廃熱エネルギ回収装置によれば、熱電素子を冷却する第1冷媒と、第1冷媒よりも冷却能力の高い、熱電素子を冷却する第2冷媒と、熱電素子による廃熱エネルギの電気エネルギへの変換状況を検知する第1検知装置と、検知された変換状況に基づいて第1冷媒と第2冷媒との使用を切り換える第1切り換え装置とを備えているため、変換状況に応じて第1冷媒と第2冷媒とを使い分けることで熱電素子の高温側と低温側の温度差を望ましいものと出来、効率よく廃熱エネルギを電気エネルギに変換することが出来る。
請求項2記載の廃熱エネルギ回収装置によれば、熱電素子によって変換された電気エネルギの電圧を測定する測定装置を備え、第1切り換え装置は第1冷媒によって前記熱電素子を冷却し、なおかつ電圧が所定値以下の場合、第2冷媒によって熱電素子を冷却することを特徴とするため、熱電素子の高温側の温度が低下した場合でも低温側の温度をさらに下げることで高温側と低温側の温度を望ましいものと出来、効率よく廃熱エネルギを電気エネルギに変換することが出来る。
請求項3記載の廃熱エネルギ回収装置によれば、熱電素子によって変換された電気エネルギの電圧を測定する測定装置を備え、第1切り換え装置は第2冷媒によって前記熱電素子を冷却し、なおかつ電圧が所定値以上の場合、第1冷媒によって熱電素子を冷却することを特徴とするため、熱電素子の高温側の温度が十分高いのにさらに低温側の温度を下げるために多くのエネルギを消費してしまうのを防ぐことが出来る。
請求項4記載の廃熱エネルギ回収装置によれば、気体の温度を測定する第1温度測定装置を備え、第1切り換え装置は第1冷媒によって熱電素子を冷却し、なおかつ温度が所定値以下の場合、第2冷媒によって熱電素子を冷却することを特徴とするため、熱電素子の高温側の温度が低下した場合でも低温側の温度をさらに下げることで高温側と低温側の温度を望ましいものと出来、効率よく廃熱エネルギを電気エネルギに変換することが出来る。
請求項5記載の廃熱エネルギ回収装置によれば、気体の温度を測定する第1温度測定装置を備え、第1切り換え装置は第2冷媒によって熱電素子を冷却し、なおかつ温度が所定値以上の場合、第1冷媒によって熱電素子を冷却することを特徴とするため、熱電素子の高温側の温度が十分高いのにさらに低温側の温度を下げるために多くのエネルギを消費してしまうのを防ぐことが出来る。
請求項6記載の廃熱エネルギ回収装置によれば、気体が高温の場合に高い効率で廃熱エネルギを電気エネルギに変換する第1熱電素子と前記気体が低温の場合に高い効率で廃熱エネルギを電気エネルギに変換する第2熱電素子と、第1熱電素子もしくは第2熱電素子による廃熱エネルギの電気エネルギへの変換状況を検知する第2検知装置と、検知された変換状況に基づいて第1熱電素子と第2熱電素子との使用を切り換える第2切り換え装置とを備えているため、変換状況に応じて第1熱電素子と第2熱電素子とを使い分けることで効率よく廃熱エネルギを電気エネルギに変換することが出来る。
請求項7記載の廃熱エネルギ回収装置によれば、第1熱電素子によって変換された電気エネルギの電圧を測定する第1測定装置を備え、第2切り換え装置は前記電圧が所定値以下の場合、第2熱電素子によって廃熱エネルギを電気エネルギに変換することを特徴とするため、電圧に応じて第1熱電素子と第2熱電素子とを使い分けることにより効率よく廃熱エネルギを電気エネルギに変換することが出来る。
請求項8記載の廃熱エネルギ回収装置によれば、第2熱電素子によって変換された電気エネルギの電圧を測定する第2測定装置を備え、第2切り換え装置は電圧が所定値以下の場合、第1熱電素子によって廃熱エネルギを電気エネルギに変換することを特徴とするため、電圧に応じて第1熱電素子と第2熱電素子とを使い分けることにより効率よく廃熱エネルギを電気エネルギに変換することが出来る。
請求項9記載の廃熱エネルギ回収装置によれば、気体の温度を測定する第2温度測定装置であり、第2切り換え装置は温度が所定値以下の場合、第2熱電素子によって廃熱エネルギを電気エネルギに変換することを特徴とするため、温度に応じて第1熱電素子と第2熱電素子とを使い分けることにより効率よく廃熱エネルギを電気エネルギに変換することが出来る。
請求項10記載の廃熱エネルギ回収装置によれば、気体の温度を測定する第2温度測定装置であり、第2切り換え装置は温度が所定値以上の場合、第1熱電素子によって廃熱エネルギを電気エネルギに変換することを特徴とするため、温度に応じて第1熱電素子と第2熱電素子とを使い分けることにより効率よく廃熱エネルギを電気エネルギに変換することが出来る。
請求項11記載の廃熱エネルギ回収装置によれば、第1熱電素子を冷却する第3冷媒と、前記第3冷媒よりも冷却能力の高い、第2熱電素子を冷却する第4冷媒とを備えているため、第1熱電素子および第2熱電素子ともに必要十分な温度差を作り出し効率よく廃熱エネルギを電気エネルギに変換することが出来る。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
〔構成説明〕図1は、第1の実施の形態の適用状況を示す斜視図である。本実施の形態の廃熱エネルギ回収装置1は車両2に搭載されており、内燃機関であるエンジン(図示せず)から排出される排気ガスの持つ熱エネルギを電気エネルギに変換する。変換した電気エネルギはバッテリに充電したり、エンジンや補機類の駆動動力として利用される。上述したように、内燃機関によって走行する車両において、内燃機関の発する熱のほとんどは廃熱として利用されずに放出されている。ここでは、無駄に捨てられている排気ガスの熱エネルギを電気エネルギに変換して効率よく回収する。本実施の形態の廃熱エネルギ回収装置1は、4気筒エンジンのエキゾーストマニホールド3の直下に配設されている。廃熱エネルギ回収装置の下流側からは排気管4が導出されている。排気管4上には、排気浄化触媒5、サブマフラ6、メインマフラ7などが配設されている。
図2に廃熱エネルギ回収装置1の断面図を示す。気体通路8は一端をエキゾーストマニホールド3に接続され、他端を排気管4に接続されている。気体通路8内にはヒートシンク9が配設されている。ヒートシンク9は熱伝導性のよい物質で形成されており、気体通路8の径方向中心部を流れる排気ガスの熱を壁面部へより効率よく伝えることが出来る。
気体通路8の壁面には第1熱電素子10が配設されている。気体通路8内に排気ガスが流通するとその熱により第1熱電素子10の気体通路8の壁面側が加熱される。また、気体通路8はヒートシンク9を配設するため、ヒートシンク9からの熱によっても第1熱電素子10は加熱される。本実施の形態の場合、第1熱電素子10としては公知のものが用いられており、例えばBi−Te系、Si−Ge系の半導体材料を用いたものなどが用いられる。
第1熱電素子10の気体通路8の壁面側に対して反対側には冷却水通路11が配設されている。冷却水通路11内に冷却水を流すことにより第1熱電素子10の冷却水通路11側を冷却する。この冷却水は熱電素子を冷却出来るものであれば何でもよいが、例えばエンジンを冷却する冷却水を用いた場合、第1熱電素子10を冷却するために新たな冷却水を確保する必要がない。本実施の形態ではエンジンを冷却する冷却水を用いるものとする。また、冷却水通路11はエンジンを冷却する冷却水の通路に直列で接続されていても良いし、並列に接続されていても良い。並列に接続された場合、冷却水通路11内の冷却水の流れを止めてもエンジン冷却水の流れが止まってしまうということが無いため操作性が良い。本実施の形態では並列に接続されるものとする。
第1熱電素子10は一端を排気ガスによって加熱され、他端を冷却水によって冷却されることにより第1熱電素子10内に温度差を生じ、それに基づいて起電力を発生するものである。また、この温度差が大きいほど大きな起電力が得られる。本実施の形態では熱電素子の一端を冷却水によって冷却することにより第1熱電素子10の排気ガスによって加熱される側との温度差を大きくし大きな起電力を得ることが出来るようにしている。冷却水通路11は第1バルブ12を備え、第1バルブ12を開閉することにより冷却水の流通を制御することが出来る。
第1熱電素子10の気体通路8の壁面側に対して反対側にはさらに冷媒通路13が配設されている。冷媒通路13は冷却水通路11と同様に冷媒通路13内に冷媒を流すことによって第1熱電素子10を冷却するものである。冷媒は冷却水通路10を流れる冷却水よりも冷却能力の高いものであれば何でも良いが、例えば室内を冷却するクーラの冷媒を用いた場合、第1熱電素子10を冷却するために新たな冷媒を確保する必要がない。本件ではクーラの冷媒を用いるものとする。冷媒によって冷媒通路13が冷却され、その冷熱が冷却水通路11を介して第1熱電素子10へ伝わるものとする。なお、冷媒通路13の冷熱が直接第1熱電素子10へ伝わるようにしても良い。例えば第1熱電素子10の冷却したい部分と冷媒通路13とをヒートポンプで結ぶことによって可能となる。また、冷却水通路11と冷媒通路13を第1熱電素子10に対して本件のように縦に重ねて配設せず横に並べて配設することによっても可能である。冷媒通路13は第2バルブ14を備え、第2バルブ14を開閉することにより冷媒の流通を制御することが出来る。第1バルブ12および第2バルブ14の開閉はECU15によって制御される。
第1熱電素子10で熱エネルギから変換された電気エネルギは第1電力変換器16に供給される。第1電力変換器16は第1熱電素子10から供給された電気エネルギを所定電圧まで昇圧するもので、例えばDC−DCコンバータなどがそれにあたる。第1電力変換器16は第1熱電素子10から供給された電気エネルギを所定電圧まで昇圧した後バッテリ17へ供給される。また、第1電力変換器16へ供給される電圧は第1電圧計18によって検出され、この検出値はECU15へ入力される。また、図示しないが内燃機関が運転中か否かの信号もECU15へ入力される。
〔動作説明〕図3は本発明の第1の実施の形態である廃熱エネルギ回収装置1の動作を説明するためのフローチャートであり、ECU15で実行される制御のフローチャートである。本制御が始まるまえに第1バルブ12および第2バルブ14は閉じられており、イニシャライズ処理により初回判定フラグNおよびバルブの開閉状態を表すStateはリセット(=0)されているものとする(State=0は第1バルブ12および第2バルブ14が閉じられていることを意味する。)。また、本制御は内燃機関の起動後所定時間毎に行われるものとする。例えばイグニッションスイッチと連動し、イグニッションスイッチONで本制御は開始されるものとしても良い。まずステップS101において、故障判断フラグERRORが0か否かが判断される。この故障判断フラグは本制御が良好に行うことの出来る状態であるか否かを示し、本制御の出荷状態では0であるが、イニシャライズ処理によってリセットされないものとする。ERROR=0でない場合、本制御を良好に行うことの出来る状態ではないと判断して本制御を終了する。
ERROR=0と判断されると、次にステップS102において水温THWが所定値T1より大きいか否かが判断される。水温THWは内燃機関の冷却水温度であり、内燃機関に取り付けられた図示されていない温度センサによって測定される。水温THWが所定値T1以下の場合、内燃機関がまだ暖機されておらず排気ガスによる廃熱回収が難しいものとして本制御を終了する。
ステップS102において水温THWが所定値T1より大きいと判断されると次にステップS103において、初回判定フラグN=1か否かが判断される。初めてこの制御に入った場合、イニシャライズ処理により初回判定フラグN=0とされているため次にステップS104へ進み第1バルブ12を開き、第2バルブ14を閉じ、バルブの開閉状態を示すState=1とする。このState=1とは第1バルブ12が開かれ第2バルブ14が閉じられた状態を示す。これは排気ガスが十分高温であり、さほど第1熱電素子10を冷却しなくても十分に第1熱電素子10の高温側と低温側の温度差を形成出来る場合に有効である。本実施の形態では第1電力変換器16を用いているため、必要以上に高い電圧を供給しても所定電圧に変換されてしまう。ここでState=1とすることにより第2バルブ14を開けて必要以上に第1熱電素子10を冷却することによる冷却に要するエネルギの損失を防ぐことが出来、第1バルブ12のみを開け第2バルブ14を閉じることでエネルギの損失を減らし必要十分な電気エネルギを発電することが出来る。
次にステップS105において第1電圧計18の検出値が所定値aより大きいか否かが判断される。所定値aは望みの検出値よりも十分大きな値とする。第1電圧計18の検出値が所定値aよりも大きい場合は十分に廃熱エネルギの回収が行われているものとしてステップS106へ進み第1バルブ12=開、第2バルブ14=閉とし、State=1とし、ステップS101から制御を繰り返す。
ステップS105で第1電圧計18の検出値が所定値a以下の場合、ステップS107へ進み、第1電圧計18の検出値が所定値bよりも大きいか否かが判断される。所定値bは望みの検出値とする。第1電圧計18の検出値が所定値bよりも大きい場合も十分な廃熱エネルギの回収が行われているものとして現在のバルブの開閉状態(ここではState=1)を維持する。
ステップS107で第1電圧計18の検出値が所定値b以下の場合、望みの廃熱エネルギの回収が行われていないものとして次にステップS108においてState=1か否かが判断される。State=1の場合、第1バルブ12=開および第2バルブ14=閉の状態では廃熱エネルギの回収量が少ないものと判断されステップS109へ進み、第1バルブ12=閉、第2バルブ14=開、バルブの開閉状態を示すState=2とする。State=1において第1電圧計18の検出値が所定値b以下ということは、排気ガスの温度が、例えば市街地を走行する、徐行を繰り返す、などによって下がってしまったために冷却水の温度との温度差が小さくなり望みの起電力が得られていないことを意味する。そこで、ステップS109において、第1バルブ12を閉じ第2バルブ14を開くことで冷却水よりさらに冷却能力の高い冷媒によって第1熱電素子10を冷却することにより、排気ガスの温度が高くなくても熱電素子の高温側と低温側の温度差を大きくすることが出来、望みの起電力を得ることが出来る。
ステップS109においてState=2となった場合でも、再度ステップS101から制御を繰り返した際にステップS105において第1電圧計18の検出値が所定値aよりも大きいと判断されると第1バルブ12=開、第2バルブ14=閉、State=1の状態となる。これは冷媒によって第1熱電素子10を冷却しなくても十分に廃熱エネルギを回収することが出来るため、冷却するために多くのエネルギを必要とする冷媒を用いるよりも冷却水を用いることによりエネルギの損失を防ぐためである。また、ステップS109においてState=2となり、再度ステップS101から制御を繰り返してステップS105において第1電圧計18の検出値が所定値a以下であり、ステップS107において第1電圧計18の検出値が所定値bよりも大きいと判断された場合、これはState=2の状態、つまり冷却水ではなく冷媒によって第1熱電素子10を冷却する状態において良好に廃熱エネルギを回収することが出来、また必要以上に廃熱エネルギを回収する状態には至っていないことを意味するため、そのままState=2の状態を繰り返す。
ステップS105において第1電圧計18の検出値が所定値a以下であり、ステップS107において第1電圧計18の検出値が所定値b以下で、かつステップS108においてState=1でない場合、これはState=2の状態においても十分な廃熱エネルギの回収が行われていないことを意味する。これは冷媒による冷却に異常がある場合や第1熱電素子10に異常がある場合などに起こる。その場合、これ以上冷媒によって第1熱電素子10を冷却しても冷媒を使用することによるエネルギの損失が多いためステップS110において第1バルブ12=閉、第2バルブ14=閉とし、ERROR=1として制御を終了する。なお、ERROR=1の場合は警告ランプを点灯するなどして運転者に異常を知らせるものとしてもよい。
このように本制御を用いることで排気ガスの温度が高温の場合でも低温の場合でも適切に第1熱電素子10の高温側と低温側の温度差を形成し、効率よく廃熱エネルギを電気エネルギに変換すること良好に排気ガスより廃熱エネルギを回収することが出来る。
なお、本制御においては第2バルブ14を開いた場合第1バルブ12を閉じていたがこれは第2バルブ14の冷熱を多量に冷却水に奪われることを防ぐためである。冷却水を循環することにより冷媒の冷却効果が落ちるのでなければ第1バルブ12は開いたままでもよい。また、ステップS108において、State=1でない場合第1バルブ12および第2バルブ14を閉じERROR=1としたが、State=1でない状態(State=2の状態)において第1電圧計18の検出値が所定値bよりも小さくなることが通常起こりえる場合にはERROR=1としなくても良い。
また、State=1の状態において、第1電圧計18の検出値が所定値aより大きい場合には第1バルブ12および第2バルブ14をともに閉じる制御を行っても良い。これは第1熱電素子10を冷却水によって冷却しなくとも十分温度差を形成することが出来るからである。この場合、第1熱電素子10が熱によって劣化することに配慮し、熱電素子が過加熱されないように例えば第1熱電素子10の温度を計測し、所定温度以上になったら第1バルブ12を開いて第1熱電素子10を冷却するなどの対応を行うことが好ましい。
また、第1熱電素子19を冷却水で冷却する場合と冷媒で冷却する場合とでともに所定値a,bと比較したが、冷却水で冷却する場合と冷媒で冷却する場合に応じて所定値a,bの値をそれぞれ変更しても良い。これにより冷却水の冷却効率や冷媒の冷却効率を考慮したさらに細かい制御を行うことが出来る。また、本制御においては第1電圧計18の検出値をもとに第1バルブ12および第2バルブ14を制御したが、排気ガスの温度を測定する温度計を備え、温度計の温度に応じて第1バルブ12および第2バルブ14を制御しても良い。その場合、温度が所定値以上の場合には第1バルブ12を開け、温度が所定値以下の場合には第2バルブ14を開け、温度がさらに低い場合には第1バルブ12および第2バルブ14をともに閉じるものとしてもよい。
ここで、本発明の第1の実施の形態において特許請求の範囲に記載された第1冷媒は冷却水にあたり、第2冷媒は冷媒にあたり、測定装置は第1電圧計18にあたり、第1切り換え装置は検出値に応じて第1バルブ12および第2バルブ14を切り換えるECU15にあたる。
〔第2の実施の形態〕
〔構成説明〕図4は第2の実施の形態である廃熱エネルギ回収装置1の断面図である。先の図2と同じ構成のものは図2と同じ番号を付与して詳細な説明を省略する。第2の実施の形態の第1の実施の形態と異なる点は気体通路8の壁面に気体が高温の場合に高い効率で廃熱エネルギを電気エネルギに変換する第2熱電素子19を配設し、冷却水通路11および冷媒通路13の間に気体が低温の場合に高い効率で廃熱エネルギを電気エネルギに変換する第3熱電素子20を配設し、第2熱電素子19および第3熱電素子20から電気エネルギを供給される第2電力変換器21および第3電力変換器22、第2熱電素子19および第3熱電素子20から第2電力変換器21および第3電力変換器22へ供給される電圧を検出する第2電圧計23および第3電圧計24を配設した点である。
熱電素子はその材質によって動作温度における廃熱エネルギの電気エネルギへの変換効率が異なる。図5に熱電素子の材質の種類と変換効率の温度依存性を示す。例えばSi−Ge系の半導体材料を用いた場合、気体が高温の場合に高い効率で廃熱エネルギを電気エネルギに変換することが出来、BiTe系の半導体材料を用いた場合、気体が低温の場合に高い効率で廃熱エネルギを電気エネルギに変換することが出来る。第2熱電素子19や第3熱電素子20はこれらの性質を利用して実際の利用領域の温度範囲にあった半導体材料を用いている熱電素子を用いるものとする。なお、第2熱電素子19および第3熱電素子20の配設場所が分かりやすいように図4の配設部分の一部は配設部分の内部構造を示す。
第2電力変換器21および第3電力変換器22は第1の実施の形態の第1電力変換器16と同様に第2熱電素子19および第3熱電素子20から供給された電気エネルギを所定電圧まで昇圧しバッテリ17へ供給する。また、第2電圧計23および第3電圧計24の検出値はECU15へ入力される。
〔動作説明〕図6は本発明の第2の実施の形態である廃熱エネルギ回収装置1の動作を説明するための図であり、ECU15で実行される制御のフローチャートである。ここで、イニシャライズ処理およびステップS201からステップS203までは第1の実施の形態のイニシャライズ処理およびステップS101からステップS103までと同様な制御が行われるため説明を省略する。
ステップS203において、初回判定フラグN=0とされると次にステップS204へ進み第1バルブ12を開き、第2バルブ14を閉じ、バルブの開閉状態を示すState=3とする。このState=3とは第1バルブ12が開かれ第2バルブ14が閉じられた状態を示す。これは第2熱電素子19を用いて廃熱エネルギの回収を行う状態を示しており、第2熱電素子19を用いて効率よく廃熱エネルギの回収が行えるほど排気ガスの温度が高い場合にState=3の状態にすると効率よく廃熱エネルギの回収を行うことが出来る。
次にステップS205で第2電圧計23もしくは第3電圧計24の検出値が所定値aより大きいか否かが判断される。所定値aは望みの検出値とする。今回バルブの開閉状態を示すState=3の状態であり第2熱電素子19を用いて廃熱エネルギの回収を行っているため第2電圧計23の検出値が所定値aより大きいか否かの判断となる。ステップS205で第2電圧計23の検出値が所定値aより大きい場合、十分な廃熱エネルギの回収が行われているものとしてステップS206で現在、バルブの開閉状態を示すState=3かもしくはState=5であるか否かが判断される。現在ステップS204において状態判断フラグState=3とされているため、ステップS207へ進み第1バルブ12=開、第2バルブ14=閉とし、State=3とし、ステップS201から制御を繰り返す。
State=3の状態でステップS205で第2電圧計23の検出値が所定値a以下の場合、ステップS208でState=3か否かが判断される。State=3である場合、これは排気ガスの温度が第2熱電素子19を用いて効率よく排気エネルギの回収が行えるほど高くない可能性を示唆するため、ステップS209へ進み第1バルブ12=閉、第2バルブ14=開とし、バルブの開閉状態を示すState=4とする。State=4は第1バルブ12が閉じられ第2バルブ14が開かれた状態を示す。これは排気ガスの温度が低いため、気体が低温の場合に高い効率で排気エネルギを電気エネルギに買えることの出来る第3熱電素子20を用いて効率よく廃熱エネルギの回収が行えることを意味する。排気ガスの温度は第2熱電素子19、冷却水通路11を通じて第3熱電素子20へと伝わる。なお、第1バルブ12を閉じているため排気ガスの熱が冷却水通路11によって多量に奪われてしまうことを防ぐことができる。また、排気ガスの熱を第2熱電素子19、冷却水通路11を通じず直接第3熱電素子20へと伝えてもよい。例えばヒートシンク9と第3熱電素子20を直接つなぐことによって可能である。それにより排気ガスの熱を効率よく第3熱電素子20へ伝えることが出来る。
ステップS209でState=4の状態になった後、ステップS201から制御を繰り返す。S205において、廃熱エネルギの回収が十分に行われている場合第3電圧計24の検出値が所定値aより大きくなるためステップS205からステップS206へと進み、現在状態判断フラグState=4であるためステップS206からステップS209へと進み状態判断フラグState=4の状態を保つことで第3熱電素子20での廃熱エネルギの回収を繰り返す。
State=4においてステップS205で第3電圧計24の検出値が所定値aより小さい場合、これは排気ガスの温度が第3熱電素子20で効率よく廃熱エネルギの回収を行う温度よりも高すぎるか低すぎる、もしくは第2熱電素子による廃熱エネルギの回収に異常があることを意味する。この場合ステップS205からステップS208へと進み、さらにステップS210へと進む。ステップS210でState=4であるためS211へと進み第1バルブ12=開、第2バルブ14=閉、State=5とされる。これは内燃機関が運転している以上排気ガスが第3熱電素子で効率よく廃熱エネルギの回収が行われないほど温度が低い場合はあまり起こらないと思われるため、第2熱電素子19で廃熱エネルギの回収を試みるためである。バルブの開閉状態を示すState=5は第3熱電素子20で効率よく廃熱エネルギが回収できないため第2熱電素子19での廃熱エネルギの回収を試みるために第1バルブ12=開、第2バルブ14=閉としたことを意味する。
再度ステップS201から制御を繰り返し、ステップS205で第2電圧計23の検出値が所定値aより大きければ、第2熱電素子19で十分に廃熱エネルギの回収が行える状態であるとしてステップS206からステップS207へと進みState=3の状態とする。State=5とState=3の第1バルブ12および第2バルブ14の開閉状態は一緒であるが、State=5はさらに第3熱電素子20で十分な廃熱エネルギの回収が行われなかった情報も含み、後述する第2熱電素子19でも第3熱電素子20でも十分に廃熱エネルギの回収が行われない状態を判断するために用いる。今回は第2熱電素子19において十分に廃熱エネルギの回収を行うことができるためState=5をState=3とする。
State=5においてステップS205で第2電圧計23の検出値が所定値a以下であれば、第2熱電素子19でも第3熱電素子20でも廃熱エネルギの回収が十分行われないことを意味する。その場合、これ以上冷却水もしくは冷媒によって第2熱電素子19もしくは第3熱電素子20を冷却しても冷却水もしくは冷媒を使用することによるエネルギの損失のほうが第2熱電素子19もしくは第3熱電素子20によって回収される廃熱エネルギよりも多いため、ステップ205からステップS208、ステップS210へ進み、さらにステップS210からステップS212へと進んで第1バルブ12=閉、第2バルブ14=閉とし、ERROR=1として制御を終了する。なお、ERROR=1の場合は警告ランプを点灯するなどして運転者に異常を知らせるものとしてもよい。
このように本制御を用いることで排気ガスの温度が高温の場合でも低温の場合でも適切に第2熱電素子19および第3熱電素子20を使い分けることにより排気ガスが高温の場合でも低温の場合でも良好に排気ガスにより廃熱エネルギを回収することが出来る。
なお、本制御においては第2バルブ14を開いた場合第1バルブ12を閉じていたが冷却水を循環することにより排気ガスの熱が伝わる効果が落ちるのでなければ第1バルブ12は開いたままでもよい。また、本実施の形態では第2電圧計23および第3電圧計24を用いたが、第2熱電素子19の電圧を検出する第2電圧計23のみを用いても良い。その場合、第2電圧計23の値が所定値a以下になったら第3熱電素子20での廃熱エネルギの回収をはじめるとともに所定タイミングで第2熱電素子19による廃熱エネルギの回収を試み、その際第2電圧計23の検出値が所定値aより大きくなったら第2熱電素子19による廃熱エネルギの回収に切り換えるものとしても良い。その際、所定タイミングとして第3熱電素子20での廃熱エネルギの回収が始まってからの時間や内燃機関の回転数、排気ガスの温度などからいくつかをパラメータとして用いてもよい。
また、第2熱電素子19および第3熱電素子20を冷却するために冷却水および冷媒を用いているが第2熱電素子19および第3熱電素子20を冷却するためにともに冷却水もしくは冷媒もしくは第2熱電素子19は冷却せずに第3熱電素子20のみを冷却することにしても良い。第2熱電素子19および第3熱電素子20をともに冷却水もしくは冷媒で冷却することにより第2熱電素子19および第3熱電素子20を冷却する冷却系を簡素化することが出来、また第2熱電素子19を冷却しないことによっても第2熱電素子19および第3熱電素子20を冷却する冷却系を簡素化することが出来る。この場合、第2熱電素子19を冷却しないものの他に第3熱電素子20を冷却しない方法も考えられるが、必要な温度差を得るためには高温側で効率の良い第2熱電素子19を冷却しないものにしたほうが容易に温度差を得ることが出来る。
また第1電圧計23および第2電圧計24の検出値を所定値aと比較していたが、第2電圧計23と第3電圧計24の検出値を異なる所定値a,bと比較するものとしても良い。このようにすることでそれぞれの熱電素子にあったさらに細かい制御を行うことが出来る。また、第2電圧計23および第3電圧計24の検出値に応じて第2熱電素子19および第3熱電素子20を使い分ける代わりに排気ガスの温度を測定し、排気ガスの温度に応じて第2熱電素子19および第3熱電素子20を使い分けても良い。この場合、排気ガスの温度が高い場合には第2熱電素子19を用い、排気ガスの温度が低い場合には第3熱電素子20を用いるものとしてもよい。
ここで、本発明の第2の実施の形態における第2熱電素子19は特許請求の範囲に記載された第1熱電素子にあたり、第3熱電素子20は第2熱電素子にあたる。また、第2電圧計23は第1測定装置に、第3電圧計24は第2測定装置に、冷却水は第3冷媒に、冷媒は第4冷媒にあたり、検出値に応じて第2熱電素子19および第3熱電素子20を切り換えるECU15が第2切り換え装置にあたる。
〔第3の実施の形態〕
〔構成説明〕図7は第3の実施の形態である廃熱エネルギ回収装置1の断面図である。先の図4と同じ構成のものは図4と同じ番号を付与して詳細な説明を省略する。第3の実施の形態の第2の実施の形態と異なる点は第2熱電素子19および第3熱電素子20から第2電力変換器21および第3電力変換器22へ供給される電圧を検出する第2電圧計23および第3電圧計24を配設する代わりに気体通路8の壁面に気体の温度を測定する温度計25を配設し、温度計25によって計測された温度をECU15へ入力するようにした点である。第3の実施の形態においては排気ガスの温度を直接測定するため測定された温度に応じて第2熱電素子19および第3熱電素子20を使い分けることで良好に廃熱エネルギの回収を行うことが出来る。
〔動作説明〕図8は本発明の第3の実施の形態である廃熱エネルギ回収装置1の動作を説明するための図であり、ECU15で実行される制御のフローチャートである。本制御が始まる前に第1バルブ12および第2バルブ14は閉じられており、イニシャライズ処理によりバルブの開閉状態を表すStateはリセット(=0)されているものとする。また、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様に本制御は内燃機関の起動後所定時間毎に行われるものとする。まずステップS301において温度計25によって測定された排気ガス温THEが所定値T2より大きいか否かが判断される。ここで所定値T2は気体の温度が低温の場合に高い効率で廃熱エネルギを電気エネルギに変換する第3熱電素子20が十分に廃熱エネルギの回収を行うことの出来る最低の温度とする。ここで排気ガス温THEがT2以下の場合は本制御を行っても十分に廃熱エネルギを回収することは出来ないため本制御を終了する。
S301において排気ガス温THEが所定値T2より大きい場合、さらにS302において排気ガス温THEが所定値T3より大きいか否かが判断される。ここで所定値T3は気体の温度が高温の場合に高い効率で廃熱エネルギを電気エネルギに変換する第2熱電素子19が十分に廃熱エネルギの回収を行うことのできる最低の温度であり、所定値T3>所定値T2である。排気ガス温THEが所定値T3より大きい場合、第2熱電素子19において十分な廃熱エネルギの回収が行われるものとしてステップS303において第1バルブ12=開、第2バルブ14=閉とし、バルブの開閉状態を示すState=6とする。
S302において排気ガス温THEが所定値T3以下の場合、排気ガス温THEは所定値T2<THE<所定値T3である。この場合、第3熱電素子20によって十分に廃熱エネルギの回収を行うことのできる最低の温度を所定値T2と定めたため、第3熱電素子20によって十分に廃熱エネルギを回収することの出来る温度であると考えられ、ステップS304へ進み第1バルブ12=閉、第2バルブ14=開とし、バルブの開閉状態を示すState=7とする。
なお、本制御においては所定値T2および所定値T3と排気ガス温THEとの関係のみによって第1バルブ12および第2バルブ14の開閉状態を変えたが、さらに細かく温度を区切りバルブ開閉の制御を行っても良い。また、第2熱電素子もしくは第3熱電素子に故障等が発生し十分に廃熱エネルギの回収が行われなくなったか否かを判断出来るようにしてもよい。例えば第2熱電素子19や第3熱電素子20の電圧と排気ガス温THEとの関係から、排気ガス温THEより予想される電圧よりも第2熱電素子19や第3熱電素子20の電圧が低い場合には第2熱電素子もしくは第3熱電素子20の故障と判断してもよい。
また、実施の形態においては第2熱電素子19および第3熱電素子20を備えたが、第1の実施の形態のように一つの熱電素子のみを配設するものとしてもよい。なお、一つの熱電素子のみを配設した場合においても基本的な制御は本制御と同じものとなり、第1の実施例の構成にあてはめると、排気ガス温THEがごく低温の場合は冷媒および冷却水を流すのを停止し、排気ガス温THEが低温の場合は冷媒を流すべく第1バルブ12=閉、第2バルブ14=開とし、排気ガス温THEが高温の場合は冷却水を流すべく第1バルブ12=開、第2バルブ14=閉とするとよい。
ここで、本発明の第3の実施の形態における温度計25は特許請求の範囲に記載された第2温度測定装置にあたる。また、第1の実施の形態のように一つの熱電素子のみを配設した場合は温度計25は特許請求の範囲に記載された第1温度測定装置にあたる。
第1の実施の形態にかかる廃熱エネルギ回収装置の適用状況を示す斜視図。 同実施の形態にかかる廃熱エネルギ回収装置の断面図。 同実施の形態にかかる廃熱エネルギ回収装置の動作を説明する図。 第2の実施の形態にかかる廃熱エネルギ回収装置の断面図。 熱電素子の材質の種類と発電効率の温度依存性を説明する図。 同実施の形態にかかる廃熱エネルギ回収装置の動作を説明する図。 第3の実施の形態にかかる廃熱エネルギ回収装置の断面図。 同実施の形態にかかる廃熱エネルギ回収装置の動作を説明する図。
符号の説明
1 廃熱エネルギ回収装置
2 車両
3 エキゾーストマニホールド
4 排気管
5 排気浄化触媒
6 サブマフラ
7 メインマフラ
8 気体通路
9 ヒートシンク
10 第1熱電素子
11 冷却水通路
12 第1バルブ
13 冷媒通路
14 第2バルブ
15 ECU
16 第1電力変換器
17 バッテリ
18 第1電圧計
19 第2熱電素子
20 第3熱電素子
21 第2電力変換器
22 第3電力変換器
23 第2電圧計
24 第3電圧計
25 温度計

Claims (11)

  1. 気体の持つ廃熱エネルギを熱電素子によって電気エネルギに変換して回収する廃熱エネルギ回収装置において、
    熱電素子を冷却する第1冷媒と、
    前記第1冷媒よりも冷却能力の高い、熱電素子を冷却する第2冷媒と、
    前記熱電素子による廃熱エネルギの電気エネルギへの変換状況を検知する第1検知装置と、
    前記検知された変換状況に基づいて前記第1冷媒と前記第2冷媒との使用を切り換える第1切り換え装置とを備えたことを特徴とする廃熱エネルギ回収装置。
  2. 請求項1において、前記第1検知装置は前記熱電素子によって変換された電気エネルギの電圧を測定する測定装置であり、前記第1切り換え装置は前記第1冷媒によって前記熱電素子を冷却し、なおかつ電圧が所定値以下の場合、前記第2冷媒によって前記熱電素子を冷却することを特徴とする廃熱エネルギ回収装置。
  3. 請求項1において、前記第1検知装置は前記熱電素子によって変換された電気エネルギの電圧を測定する測定装置であり、前記第1切り換え装置は前記第2冷媒によって前記熱電素子を冷却し、なおかつ電圧が所定値以上の場合、前記第1冷媒によって前記熱電素子を冷却することを特徴とする廃熱エネルギ回収装置。
  4. 請求項1において、前記第1検知装置は前記気体の温度を測定する第1温度測定装置であり、前記第1切り換え装置は前記第1冷媒によって前記熱電素子を冷却し、なおかつ温度が所定値以下の場合、前記第2冷媒によって前記熱電素子を冷却することを特徴とする廃熱エネルギ回収装置。
  5. 請求項1において、前記第1検知装置は前記気体の温度を測定する第1温度測定装置であり、前記第1切り換え装置は前記第2冷媒によって前記熱電素子を冷却し、なおかつ温度が所定値以上の場合、前記第1冷媒によって前記熱電素子を冷却することを特徴とする廃熱エネルギ回収装置。
  6. 気体の持つ廃熱エネルギを熱電素子によって電気エネルギに変換して回収する廃熱エネルギ回収装置において、
    前記気体が高温の場合に高い効率で廃熱エネルギを電気エネルギに変換する第1熱電素子と、
    前記気体が低温の場合に高い効率で廃熱エネルギを電気エネルギに変換する第2熱電素子と、
    前記第1熱電素子もしくは前記第2熱電素子による廃熱エネルギの電気エネルギへの変換状況を検知する第2検知装置と、
    前記検知された変換状況に基づいて前記第1熱電素子と前記第2熱電素子との使用を切り換える第2切り換え装置とを備えたことを特徴とする廃熱エネルギ回収装置。
  7. 請求項6において、前記第2検知装置は前記第1熱電素子によって変換された電気エネルギの電圧を測定する第1測定装置であり、前記第2切り換え装置は前記電圧が所定値以下の場合、前記第2熱電素子によって廃熱エネルギを電気エネルギに変換することを特徴とする廃熱エネルギ回収装置。
  8. 請求項6において、前記第2検知装置は前記第2熱電素子によって変換された電気エネルギの電圧を測定する第2測定装置であり、前記第2切り換え装置は前記電圧が所定値以下の場合、前記第1熱電素子によって廃熱エネルギを電気エネルギに変換することを特徴とする廃熱エネルギ回収装置。
  9. 請求項6において、前記第2検知装置は前記気体の温度を測定する第2温度測定装置であり、前記第2切り換え装置は前記温度が所定値以下の場合、前記第2熱電素子によって廃熱エネルギを電気エネルギに変換することを特徴とする廃熱エネルギ回収装置。
  10. 請求項6において、前記第2検知装置は前記気体の温度を測定する第2温度測定装置であり、前記第2切り換え装置は前記温度が所定値以上の場合、前記第1熱電素子によって廃熱エネルギを電気エネルギに変換することを特徴とする廃熱エネルギ回収装置。
  11. 請求項6において、さらに第1熱電素子を冷却する第3冷媒と、前記第3冷媒よりも冷却能力の高い、第2熱電素子を冷却する第4冷媒とを備えたことを特徴とする廃熱エネルギ回収装置。
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