JP5348519B2 - ユニット部材の揚重装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ユニット部材の揚重装置に関し、より詳細には、層状にストックされた平面系ユニット部材のうち、上段の平面系ユニット部材を上方に揚重させるユニット部材の揚重装置に関する。
従来、鉄骨造の事務所ビル等の建設工事では、現場において躯体の工期短縮の目的で、様々なユニット化工法が採用されている。なかでも、鉄骨小梁とデッキとのユニット化は、地組ヤードが確保できれば、多くの現場で採用される汎用的な工法となっている。また、この小梁/デッキユニットに耐火被覆、スプリンクラー配管、設備ダクト、保温材等の設備部材までを組み込み、高密度のフロアの先組みユニットとして、現場で実施されている場合もある。このユニット部材の高密度化は、揚重回数の大幅な削減、床下工事の省力化、高所作業車使用量の削減等、多くの効果を期待することができ、生産性向上の有効な一手段として、さらなる普及が望まれている。
特開平8−151687号公報
ところで、そのようなユニット化工法を採用する場合、工程上、毎日例えば3〜4つのフロア先組みユニットを設置する必要がある。そのため、小梁/デッキユニットを例えば7〜8段の層状にストックし、所定の設備部材を取り付けたもの、あるいは所定の設備部材を取付途中のもの(以下、平面系ユニット部材と称する)を上方へ揚重することが必要であるが、層状にストックされている状態で、上段の平面系ユニット部材を揚重することは困難であった。
本発明は、上記実情に鑑みて、層状に支持された複数の平面系ユニット部材のうち上段の平面系ユニット部材を鉛直方向に沿って良好に上方に揚重させることができるユニット部材の揚重装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るユニット部材の揚重装置は、平面系ユニット部材を略水平に保持するとともに、該平面系ユニット部材が鉛直方向に沿って移動可能な空間を画成する骨格部材と、前記骨格部材を構成する鉛直部材に取り付けられ、前記空間に複数の前記平面系ユニット部材を層状に支持するための荷重受けアームとを備え、層状に支持された複数の平面系ユニット部材のうち上段の平面系ユニット部材を鉛直方向に沿って揚重させる揚重装置であって、前記鉛直部材の所定個所に予め設置された長尺状のリフトアップビームと、前記骨格部材を構成する上部水平部材に取り付けられた昇降手段により昇降可能となる態様で配設されるものであり、揚重対象となる平面系ユニット部材より下方に設置されたリフトアップビームを支持する可動ロッドを該リフトアップビームの長手方向と直交する方向に移動させることにより、前記昇降手段による上昇移動によりリフトアップビームの上に対象となる平面系ユニット部材を載置して上方に揚重する支持部材とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係るユニット部材の揚重装置は、上述した請求項1において、前記支持部材は、前記可動ロッドが長尺状の支持ロッドの両端部にそれぞれ進出移動及び退避移動する態様で該支持ロッドの長手方向に沿って移動可能に設けられて成り、前記昇降手段によって昇降移動する場合には、前記可動ロッドを退避移動させる一方、対象となる平面系ユニット部材の下方のリフトアップビームを取り付ける場合には、前記可動ロッドを進出移動させて前記支持ロッドの両端から該可動ロッドが突出した状態にさせることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係るユニット部材の揚重装置は、上述した請求項1又は請求項2において、前記荷重受けアームは、前記鉛直部材の層状配置位置に取り付けられるブラケットと、ピンを介して前記ブラケットに取り付けられ、前記鉛直部材を挟む回動自在な一対のアームと、前記アームが水平位置になったときに、該アームの先端の鉛直下方への回動を制限する荷重受けとを備え、前記平面系ユニット部材を支持していない状態において、前記一対のアームの先端を前記空間内に水平に配置したことを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係るユニット部材の揚重装置は、上述した請求項3において、前記荷重受けアームは、所定方向の複数の各アームの先端にユニット支持部材を備え、このユニット支持部材上に前記平面系ユニット部材の端部を支持させることを特徴とする。
本発明によれば、骨格部材を構成する上部水平部材に取り付けられた昇降手段により昇降可能となる態様で配設された支持部材が、揚重対象となる平面系ユニット部材より下方に設置されたリフトアップビームを支持し、昇降手段による上昇移動により支持するリフトアップビームの上に対象となる平面系ユニット部材を載置して上方に揚重するようにしたので、リフトアップビームの上に載置すれば良いだけであり、効率良く平面系ユニット部材の揚重を行うことができる。従って、層状に支持された複数の平面系ユニット部材のうち上段の平面系ユニット部材を鉛直方向に沿って良好に上方に揚重させることができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明に係るユニット部材の揚重装置の好適な実施の形態について説明する。
図1及び図2は、それぞれ本発明の実施の形態であるユニット部材の揚重装置が適用されたタワー式生産システムの概要構成を示すものであり、図1は正面図、図2は斜視図である。ここで例示するタワー式生産システム1は、タワー式ストッカー10を備えている。
タワー式ストッカー10は、平面系ユニット部材である小梁/デッキユニット2、あるいはこの小梁/デッキユニット2に各種部品が先組みされたフロア先組みユニット3を略水平に保持しつつ、塔内で鉛直方向に移動可能な昇降空間E1を画成し、この昇降空間E1内における下方側の立体生産エリアE2で小梁/デッキユニット2を多段で層状に支持、すなわちストックするものである。ここで、小梁/デッキユニット2に先組みされる各種部品とは、耐火被覆材、スプリンクラー配管、ダクト、保温材等である。
このようなタワー式ストッカー10は、図には詳細に明示しないが、最下部に平面生産エリアE3を設け、この平面生産エリアE3で組み立てた小梁/デッキユニット2を直上の立体生産エリアE2にそのまま揚げてフロア先組みユニット3を生産する集中方式を採用している。
上記タワー式ストッカー10は、鉛直方向に平行して11本のメインコラム11が設けられ、各メインコラム11の最上部には、水平方向に設けられた矩形の吊りビーム12を有する。このメインコラム11及び吊りビーム12は、昇降空間E1を形成する骨格部材である。
吊りビーム12のうち、最前方のメインコラム11間に架け渡されたもの、並びに最後方のメインコラム11間に架け渡されたものには、電動チェーンホイストや電動ウィンチ等によって実現され、小梁/デッキユニット2(あるいは、フロア先組みユニット3)を昇降空間E1内で昇降させる昇降装置(昇降手段)13が、それぞれ2つずつ設けてある。この昇降装置13は、図示しない制御回路の駆動指令により駆動するものであり、同時に駆動するものである。
また、タワー式ストッカー10を構成するメインコラム11のうち6つのメインコラム11には、小梁/デッキユニット2、あるいはフロア先組みユニット3を昇降空間E1内で層状に支持する可動式の荷重受けアーム14が複数設けてあるとともに、最上段にある荷重受けアーム14を除く各荷重受けアーム14の下方には、長尺状のリフトアップビーム15が前後方向に沿って延在する態様で設置してある。
図3〜図5は、それぞれ本実施の形態であるタワー式生産システム1に適用される荷重受けアーム14を示すものであり、図3は、メインコラム11に取り付けた状態を示す斜視図であり、図4は、図3に示した荷重受けアーム14を上方から見た平面図であり、図5は、図4のA矢視図であり、アームの回転を概略的に示した図である。これらの図に例示するように、上記荷重受けアーム14は、ブラケット141、回転部材142、アーム143、カウンターウェート144及び荷重受け145から構成される。
ブラケット141は、矩形の板状を成す基部1411に、ピン挿通孔1412を有する一対のピン支持プレート1413が突設されたものである。このブラケット141は、メインコラム11の昇降空間E1に面する面11aの反対側の面11bに、複数のボルト1414によって固定してある。また、各ピン支持プレート1413のピン挿通孔1412には、回転ピン1415が挿通してある。
回転部材142は、上フランジ1421、下フランジ1422、ウェブ1423から構成される一対の鉄骨材であり、ブラケット141の両側方にそれぞれ配置してある。この回転部材142のウェブ1423には、図5に示すように軸孔1424が設けてあり、この軸孔1424に、ピン支持プレート1413のピン挿通孔1412に挿通された回転ピン1415の両端部分を挿通させてある。これにより、回転部材142は、回転ピン1415の軸心回りに回動自在にブラケット141に取り付けられる。なお、上フランジ1421及び下フランジ1422との間には補鋼材1425が設けてある。
アーム143は、上フランジ1431、下フランジ1432、ウェブ1433から構成される一対の鉄骨材であり、図5に示すように、下フランジ1432を回転部材142の上フランジ1421にボルト止めすることにより、回転部材142に取り付けてある。上記構成とすることにより、アーム143は、回転部材142を介して、回転ピン1415の軸心回りに回動自在となっている。以下、アーム143において、回転部材142よりも昇降空間E1側に位置する部分を先端側、他方を後端側として説明する。図3及び図4に示すように、一対のアーム143の先端部分には、ユニット支持部材146が架け渡してある。ユニット支持部材146は、小梁/デッキユニット2、あるいはフロア先組みユニット3の端部を載置させるための板状部材である。また、アーム143において、回転部材142の取付け位置近傍には補鋼材147が設けてある。
このアーム143は、図5に示すように、小梁/デッキユニット2、あるいはフロア先組みユニット3を支持していない状態において(アーム143に外力が作用していない状態において)、水平に配置される。
カウンターウェート144は、鉄骨材から構成してあり、一対のアーム143の後端側の下フランジ1432間に架け渡され、ボルト等(図示せず)を介して下フランジ1432に固定してある。また、荷重受け145は、アーム143が水平位置になったときにアーム143先端が鉛直下方へ回動するのを制限するためのものである。
上記構成を有する荷重受けアーム14は、アーム先端側がアーム後端側よりも長く構成されているが、アーム後端側にカウンターウェート144を取付けることで、アーム143に働く力が釣り合う状態に近づけている。しかし実際には釣り合っていないため、自重によりアーム先端側が下がり、荷重受け145に当接することによって水平になるように構成されている。上述したようにアーム143は釣り合いに近い状態にあるから、後述するように、小梁/デッキユニット2(あるいは、フロア先組みユニット3)を揚重する際に、小梁/デッキユニット2(あるいは、フロア先組みユニット3)によってアーム143の先端側が容易に押し上げられるようになっている。
このような本実施の形態におけるタワー式生産システム1においては、上記昇降装置13にチェーン16等の索状体を通じて取り付けられた伸縮ビーム(支持部材)20が設けてある。より詳細に説明すると、前方側の2つの昇降装置13にチェーン16等の索状体を通じて取り付けられた伸縮ビーム20と、後方側の2つの昇降装置13にチェーン16等の索状体を通じて取り付けられた伸縮ビーム20とが設けてある。ここに、前後に設けた伸縮ビーム20は同一の構成を有する一対のものである。
図6及び図7は、図1及び図2に示す伸縮ビーム20の構成を示すものであり、図6は、伸縮ビーム20の要部を拡大して示す部分拡大正面図であり、図7は、図6のB矢視図である。ここで例示する伸縮ビーム20は、それぞれ、前後方向に直行する方向、すなわち左右方向に沿って延在する長尺状のものであり、支持ロッド21と、複数(本実施の形態では2つ)の可動ロッド22とを備えて構成してある。尚、以下においては、一方側の伸縮ビーム20について説明するが、他方側の伸縮ビーム20も同様の構成を有している。
支持ロッド21は、小梁/デッキユニット2、あるいはフロア先組みユニット3の左右方向の長さよりも僅かに短い長さを有する長尺状のものであり、縦断面形状がエ字状を成している。この支持ロッド21は、チェーン16を通じて昇降装置13に取り付けてある。つまり、支持ロッド21は、昇降装置13の駆動により上方向及び下方向に昇降移動するものであり、昇降移動する際に荷重受けアーム14の先端側には当接することがない大きさに調整してある。
可動ロッド22は、それぞれ支持ロッド21の両端部に該支持ロッド21の長手方向、すなわち左右方向に沿って移動可能に配設してある。より詳細に説明すると、可動ロッド22は、支持ロッド21の両端部にそれぞれ進出移動及び退避移動する態様で該支持ロッド21の長手方向に沿って移動可能に配設してある。このような可動ロッド22は、連結部材221に連結された前後一対の可動板222が支持ロッド21を挟み込む態様で、各可動板222に回転自在に設けた複数の可動ローラ223が支持ロッド21の下レール211上を転動可能に配設してある。そして、1つの可動ローラ223は、各種ギアを介してモータ224に連結してあり、モータ224の駆動により回転するものである。このモータ224は正逆回転可能なものである。ここで、図6及び図7中の符号225は、可動ロッド22が浮き上がることを防止するための浮上防止ローラである。
このような可動ロッド22は、その先端に吊下部226が設けてある。吊下部226は、吊下孔227を有し、上記リフトアップビーム15をロープ等で吊り下げるための部位である。
以上説明したように、伸縮ビーム20は、モータ224が正転することにより、図8の(イ)に示すように、可動ローラ223が一方向に回転し、可動ロッド22が進出移動して該可動ロッド22が支持ロッド21の端部より突出する状態になる一方、モータ224が逆転することにより、図8の(ロ)に示すように、可動ローラ223が他方向に回転し、可動ロッド22が退避移動して、該可動ロッド22が支持ロッド21の端部より内方側に位置する状態になるものである。
ここで、可動ロッド22が進出移動して、可動ロッド22の端部が支持ロッド21の端部より突出した状態になる場合の突出長さであるが、本実施の形態においては、可動ロッド22の吊下部226が予め設置されるリフトアップビーム15の直上域に達する大きさに調整してある。
次に、図1及び図2、並びに図8〜図16を適宜参照しながら、上記タワー式生産システム1によるフロア先組みユニット3の揚重手順について説明する。尚、以下においては、昇降空間E1の下方側における立体生産エリアE2において小梁/デッキユニット2が荷重受けアーム14により層状に支持され、作業者により各小梁/デッキユニット2に各種部品の組み込み作業が行われているものとし、既に各種部品が組み込まれた上段の小梁/デッキユニット2、すなわちフロア先組みユニット3を上記昇降空間E1の上方側に揚重することについて説明する。
まず、各昇降装置13が同時に駆動することにより、前後に設けてある各伸縮ビーム20が、下方に向けて下降移動する。この際、伸縮ビーム20は、可動ロッド22が退避移動して可動ロッド22の端部が支持ロッド21の内方側に位置した状態になっている。そして、図1及び図2に示すように、対象となるフロア先組みユニット3(立体生産エリアE2において上段に支持されるフロア先組みユニット3)の高さレベルに到達すると、モータ224を正転駆動させて可動ロッド22を進出移動させる。これにより、図8の(イ)に示すように、可動ロッド22の端部が支持ロッド21の端部より左右方向に突出した状態になる。
かかる状態にある伸縮ビーム20の可動ロッド22の吊下部226に、対象となるフロア先組みユニット3の下方にあるリフトアップビーム15をロープ等で吊り下げることにより、前後一対の伸縮ビーム20は、図8の(イ)及び図9に示すように、リフトアップビーム15を吊り下げ支持することになる。
伸縮ビーム20にリフトアップビーム15を吊り下げ支持させた後、モータ224を逆転駆動させて可動ロッド22を退避移動させる。これにより、図8の(ロ)に示すように、可動ロッド22が支持ロッド21の端部より内方側に位置する状態になる。このように可動ロッド22が退避移動すると、リフトアップビーム15は、フロア先組みユニット3の鉄小梁の直下に位置することになる。
可動ロッド22を退避移動させた後、各昇降装置13が同時に駆動することにより、伸縮ビーム20は上方に向けて上昇移動することになる。このように伸縮ビーム20が上昇移動すると、図10〜図12に示すように、吊り下げ支持するリフトアップビーム15の上にフロア先組みユニット3が載置されることになる。そして、伸縮ビーム20がそのまま上昇移動を続けることにより、リフトアップビーム15の上に載置されるフロア先組みユニット3も上昇移動することになる。つまり、フロア先組みユニット3を上方に揚重する。
このように伸縮ビーム20が上昇移動する際、荷重受けアーム14との関係は次のようになる。すなわち、伸縮ビーム20は、可動ロッド22が退避移動してその端部が支持ロッド21の端部の内方側に位置しているため、その長さは、支持ロッド21の長さに等しくなる。支持ロッド21は、上述したようにフロア先組みユニット3の左右方向の長さよりも僅かに短い長さ、つまり昇降移動する際に荷重受けアーム14の先端側には当接することがない大きさに調整してあるので、荷重受けアーム14には当接することがない。一方、伸縮ビーム20とともに上昇移動するフロア先組みユニット3は、昇降空間E1内に配置されたアーム143の下フランジ1432に当接して、アーム143の先端側を押し上げることになる。フロア先組みユニット3によってアーム143は回転ピン1415の軸心回りに回転させられ、アーム143先端側は、昇降空間E1の外部に達するまで押し上げられる。そして、上昇移動するフロア先組みユニット3の通過後に、アーム143の先端側は、自重により下降し、荷重受け145に当接することにより水平位置(すなわち昇降空間E1内)に戻される。
そして、図13に示すように、上昇移動を続けるフロア先組みユニット3を、配置されるべき位置(層)の上まで上昇させて停止させる。その後、荷重受けアーム14が水平位置が戻ったら、昇降装置13により伸縮ビーム20を下降、すなわちフロア先組みユニット3を下降させ、フロア先組みユニット3の小梁の両端をアーム143に架設されたユニット支持部材146上に載置する。これにより、フロア先組みユニット3は、所定の高さレベルまで揚重されたことになる。
その後、図14に示すように、昇降装置13により伸縮ビーム20を下降させ、吊り下げ支持するリフトアップビーム15が元の設置されていた高さレベルに到達すると、モータ224を正転駆動させて可動ロッド22を進出移動させる。これにより、図15及び図16に示すように、可動ロッド22の端部が支持ロッド21の端部より左右方向に突出した状態になり、可動ロッド22の吊下部226の吊下孔227を挿通するロープを切断することにより、リフトアップビーム15を元の位置に戻すことができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態におけるタワー式生産システム1によれば、吊りビーム12に取り付けられた昇降装置13により昇降可能となる態様で配設された伸縮ビームが、揚重対象となるフロア先組みユニット3より下方に予め設置されたリフトアップビーム15を吊り下げ支持し、昇降装置13による上昇移動により吊り下げ支持するリフトアップビーム15の上にフロア先組みユニット3を載置して上方に揚重するので、リフトアップビーム15に載置すれば良いだけであり、効率良くフロア先組みユニット3の揚重を行うことができる。従って、層状に支持された複数の小梁/デッキユニット2、あるいはフロア先組みユニット3のうち上段のフロア先組みユニット3を鉛直方向に沿って良好に上方に揚重させることができる。
しかも、フロア先組みユニット3を揚重するのに、リフトアップビーム15及び伸縮ビーム20以外に大がかりな装置を必要とせず、コストの増大化を抑制しながら、フロア先組みユニット3の揚重を行うことができる。
また、上記タワー式生産システム1によれば、荷重受けアーム14が小梁/デッキユニット2、あるいはフロア先組みユニット3を支持していない状態において、荷重受けアーム14のアーム143を昇降空間E1内に水平に配置した構成とした。上記構成とすることにより、小梁/デッキユニット2、あるいはフロア先組みユニット3が昇降空間E1内を上昇する際に、昇降空間E1内に位置するアーム143の先端側を押し上げて、荷重受けアーム14の設置位置を通過する。この後、アーム143は自重で水平位置に戻り、再び昇降空間E1内に配置されることになる。従って、荷重受けアームを水平位置にするために油圧シリンダを駆動させたり、作業員がワイヤーロープやウィンチ等でアームを引き下げる等の操作が不要であり、作業効率に優れる。
以上本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されずに種々の変更を行うことができる。例えば、上述した実施の形態では、揚重対象とした平面系ユニット部材がフロア先組みユニット3であったが、本発明では、フロア先組みユニット3だけに限られず、小梁/デッキユニット2をリフトアップビーム15の上に載置させて揚重しても良い。より詳細には、平面生産エリアE3で組み立てた小梁/デッキユニット2をリフトアップビーム15の上に載置して、該平面生産エリアE3の直上にある立体生産エリアE2に揚重しても良い。
また、上述した実施の形態では、伸縮ビーム20の可動ロッド22における吊下部226でリフトアップビーム15を吊り下げ支持するようにしたが、本発明では、伸縮ビーム(支持部材)上にリフトアップビームを載置して支持するようにしても構わない。
また、上述した実施の形態では、伸縮ビーム20は、支持ロッド21の両端部に可動ロッド22が移動可能となる態様で配設されていたが、本発明では、支持ロッドの一端部に可動ロッドが移動可能となる態様で配設した支持部材(伸縮ビーム)であっても構わない。
本発明の実施の形態であるユニット部材の揚重装置が適用されたタワー式生産システムの概要構成を示す正面図である。 本発明の実施の形態であるユニット部材の揚重装置が適用されたタワー式生産システムの概要構成を示す斜視図である。 図1及び図2に示した荷重受けアームの斜視図である。 図3に示した荷重受けアームの平面図である。 図4におけるA矢視図である。 図1及び図2に示す伸縮ビームの要部を拡大して示す部分拡大正面図である。 図6におけるB矢視図である。 (イ)は図6に示す可動ロッドが進出移動した状態を示す正面図であり、(ロ)は図6に示す可動ロッドが退避移動した状態を示す正面図である。 図1及び図2に示す伸縮ビームがリフトアップビームを吊り下げ支持する状態を示す側面図である。 図1及び図2に示すタワー式生産システムによるフロア先組みユニットの揚重手順を示す正面図である。 図1及び図2に示すタワー式生産システムによるフロア先組みユニットの揚重手順を示す斜視図である。 図1及び図2に示すタワー式生産システムによるフロア先組みユニットの揚重手順を示す正面図である。 図1及び図2に示すタワー式生産システムによるフロア先組みユニットの揚重手順を示す斜視図である。 図1及び図2に示すタワー式生産システムによるフロア先組みユニットの揚重手順を示す正面図である。 図1及び図2に示すタワー式生産システムによるフロア先組みユニットの揚重手順を示す正面図である。 図1及び図2に示すタワー式生産システムによるフロア先組みユニットの揚重手順を示す斜視図である。
符号の説明
1 タワー式生産システム
2 小梁/デッキユニット
3 フロア先組みユニット
10 タワー式ストッカー
11 メインコラム
12 吊りビーム
13 昇降装置
14 荷重受けアーム
146 ユニット支持部材
15 リフトアップビーム
16 チェーン
20 伸縮ビーム(支持部材)
21 支持ロッド
211 下レール
22 可動ロッド
221 連結部材
222 可動板
223 可動ローラ
224 モータ
225 浮上防止ローラ
226 吊下部
227 吊下孔
E1 昇降空間
E2 立体生産エリア
E3 平面生産エリア

Claims (4)

  1. 平面系ユニット部材を略水平に保持するとともに、該平面系ユニット部材が鉛直方向に沿って移動可能な空間を画成する骨格部材と、
    前記骨格部材を構成する鉛直部材に取り付けられ、前記空間に複数の前記平面系ユニット部材を層状に支持するための荷重受けアームと
    を備え、
    層状に支持された複数の平面系ユニット部材のうち上段の平面系ユニット部材を鉛直方向に沿って揚重させる揚重装置であって、
    前記鉛直部材の所定個所に予め設置された長尺状のリフトアップビームと、
    前記骨格部材を構成する上部水平部材に取り付けられた昇降手段により昇降可能となる態様で配設されるものであり、揚重対象となる平面系ユニット部材より下方に設置されたリフトアップビームを支持する可動ロッドを該リフトアップビームの長手方向と直交する方向に移動させることにより、前記昇降手段による上昇移動によりリフトアップビームの上に対象となる平面系ユニット部材を載置して上方に揚重する支持部材と
    を備えたことを特徴とするユニット部材の揚重装置。
  2. 前記支持部材は、前記可動ロッドが長尺状の支持ロッドの両端部にそれぞれ進出移動及び退避移動する態様で該支持ロッドの長手方向に沿って移動可能に設けられて成り、
    前記昇降手段によって昇降移動する場合には、前記可動ロッドを退避移動させる一方、対象となる平面系ユニット部材の下方のリフトアップビームを取り付ける場合には、前記可動ロッドを進出移動させて前記支持ロッドの両端から該可動ロッドが突出した状態にさせることを特徴とする請求項1に記載のユニット部材の揚重装置。
  3. 前記荷重受けアームは、
    前記鉛直部材の層状配置位置に取り付けられるブラケットと、
    ピンを介して前記ブラケットに取り付けられ、前記鉛直部材を挟む回動自在な一対のアームと、
    前記アームが水平位置になったときに、該アームの先端の鉛直下方への回動を制限する荷重受けと
    を備え、
    前記平面系ユニット部材を支持していない状態において、前記一対のアームの先端を前記空間内に水平に配置したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のユニット部材の揚重装置。
  4. 前記荷重受けアームは、所定方向の複数の各アームの先端にユニット支持部材を備え、このユニット支持部材上に前記平面系ユニット部材の端部を支持させることを特徴とする請求項3に記載のユニット部材の揚重装置。
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